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コーマック・マッカーシーと会う機会があったら、きっとすごく緊張してしまうと思う。74歳。その人が犯罪小説というのだから驚いた。でも考えてみたら、文体は限りなくハードボイルドだと言えなくもない。この人の作品は過去に(知ってる限り)三冊翻訳されていて、圧倒されたし、どれも愛おしく好きだ。(そうだ、犯罪小説ではなかったけれど、どれにも暴力の影が抜きがたく潜んでいた)でも、その三部作とも言われる小説を読んでいたら、この人はもう書かないのじゃないか、と思わされた。小説なんてあっさり捨ててしまうのじゃないかって。それが、これだもんね。しかもこの犯罪小説の後に書いた小説が大きな賞を受賞したらしい。したたかなじいさんである。読みたい。なんといっても文体なのだ。おとといにはじめて会ったイラストを描く女性のケータイは二つ折り部分に紙テープが何重にもまかれていた。ものすごく痛々しい姿だった。どうしたんですか?壊れてしまってそれは見ればわかりますけれど、ちょっと見せてください。よくみると、二つ折り部分からコードがはみ出したりしている。どうすればこんなにして壊れるんだろう。それでおもしろいんですよ、これ表示が裏返しになるんです。えっ?ほら、文字が反対でしょ。メールを打つときが不便で、ときどき鏡に映して確かめます、ほらね。ほんとうだ、液晶画面に浮き出る文字という文字が、きれいに鏡文字になっている。ていうか、こんなふうにしてまで機能しているケータイってなんだか愛おしいですね。手放せませんよね、ほんと
2007.10.26
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街を歩いていたら、下宿屋を見つけた。あるんだ、いまでもこういうの。木の床、まだフローリングなんて言葉が出回っていなかった時代、古ぼけたガスストーブ。まずいコーヒー。もちろんアルミサッシなんてなくて、木の枠の窓、鍵はねじ式。そばを車が通ったり、風が少しでも吹けば、かたかたと音がするんだ。文庫本の活字なんて今の活字の半分くらいの大きさだったよね。何がいいかな、「カラマーゾフの兄弟」とか。「どてら」とか羽織っちゃって。カエルは遠くまできたと思った。でもほんとうは遠くまできたわけじゃなかったんだ。少し眠ろう、そうしよう。
2007.10.14
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何十年も仕事してきて、この仕事って向いてないかも、と思うときほど寂しいものはない。笑朝どり卵、包装のうらをかえせば中国産というこのごろ、みなさんお元気ですか?(きっこのブログ風 似てない)おじさん、しょうらい何になりたい?えーっおじさんの将来?(なにか哀しい)うん、むずかしかったら好きなたべものでもいいよえ、いいのか(将来について考えていたんだけれど)、急に言われてもな、えーとアイスクリーム。わかった。ということで、ふたりのこどもがあみだくじをつくっている。なぜかゴールにはサッカーせんしゅとか、とこやとか、やきにくとか、アイスクリームとかが一緒にならんでいるのである。おじさん、知っている?あみだくじってね、ぜったいおなじところにつかないんだよそうそう、そうなんだよね。おじさんも長いこと不思議だった。いまも不思議だ。数学に強い人なら、あみだくじの数式とかきっとつくってしまえるんだろうな。もっともそれがあるとして見せられてもわからないおじさんでしかないけれど。だけど人生みたいだろ? それぞれの選択はときに交錯し、出会い、しかしゴールはまたけして同じものはないのである、みたいなこと言わなかった、さすがに。かくしておじさんのしょうらいは?仕事でドツボにはまるおじさんは、あみだくじに将来をかけてもみたいのだ。
2007.10.08
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