Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2024年02月13日
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カテゴリ: 霊魂論
内的霊的衝動の写しとしての美術史
 第1講 ドルナハ  1916年11月8日-11
第3講  中欧ー北方の芸術衝動を理解するための基礎
     中欧ー北方の芸術と南方の芸術の対立と関係
デューラー及びホルバインに至るドイツの彫刻と絵画
 今度はデューラーとは本質的に異質の画家、ホルバインに移りましょう。
322ハンス・ホルバイン(子)-自画像



アウグスブルクで生まれ、その後バーゼルで生活し、それからイギリスへといわば姿を消し、消え去ります。彼は特別な意味での、つまり彼が構成的なものを生み出すポートレイトのなかにまで、彼強固な写実主義をほんとうにもたらすという意味での写実主義者(レアリスト)です、この写実主義はしかし、私が先ほど申しました日常的なものを、魂的なもののなかに表現しようと徹底して努める写実主義です。境遇、職業、そして人間がそのなかに置かれているものすべてが、いかに魂的なものにその特性を現しているか、そしてホルバインが、ほとんど最も外的なものにまで入っていくしかたで、と言うことができると思いますが、そういうしかたで、外的なもののなかに、彼が魂から取り出そうとしたものを、その時代からまるごとの人間を創り出すやり方を表現していることに注意してくださるようお願いします。
323 ハンス・ホルバイン(子)-ロッテルダムのエラスムス

325 ハンス・ホルバイン(子)-芸術家の家族
326ハンス・ホルバイン(子)-マイヤー市長の聖母
ここでまた、当時のひとりの人間--家族とともにいるバーゼル市長マイヤーですね--が、いかに聖を崇拝してるか示されるというモティーフが見られます。ダルムシュタットにあるこの絵の非常に良い複製がドレスデンにありますが、この複製はほんとうに良いものです。と申しますのも、この絵は長い間、ホルバインによるこの絵の改作とみなされていたからです。--ここにはすでに、ホルバインおいてまったく特別に育成されら写実主義が入り込んでいるのがわかります、他方、デューラーの場合は、私が先ほど特徴づけようとしました要素、すなわち普遍的な要素があります。
今度はホルバインの死の舞踏から三つの例です。実際ホルバインは死の舞踏モティーフの画家として優れています。
ハンス・ホルバイン(子)-死の舞踏 木版画
319 王
320 聖職者
321 金持ちの男
さて、最後に、ほかのものと直接の関係はありませんが、上映しました芸術アンサンブル全体に入り込んでゆくものをもうひとつ示したいと思います、ニュルンベルクにある聖母彫像ですが、
363 マリア 木彫り像
これは、中部ヨーロッパの芸術から成し遂げられ得たものすべてを、身振りのなかに、心情の親密さのなかに、完全なかたちで示しています。この彫像は名の伝わっていない芸術家によって制作されました。このマリアを、ひとつの磔刑図群像のひとつであると思い描き、対になる像としてヨハネを、そして大きな十字架、中央にキリスト、つまりこのニュルンベルクに見られる聖母は磔刑群像の一部を思い描いてごらんになれば、十六世紀初頭頃のドイツ芸術の特別な精華をごらんになれるでしょう。そして、私たちが検討しました聖母像の親密さに現れてきた多くのものを、ここでとりわけ独特の姿勢のなかに、再び見い出すことができます。つまりこれをもって私たちはみなさんに、私が示唆しようとしました関連において観察すると、デューラーの芸術家個性を際立たせるものをごらんに入れようとしたのです。--こう申し上げたいのですが、時代に応じて彼の周囲にあるもの、彼の前、そして彼とともにあるものとの関連のなかで彼を観察してはじめて、まさにデューラーを正しく熟知するようになるのです。と申しますのも、考えられているよりもずっと、デューラーのなかには、別の分野でその後ファウスト的反抗(Auflehnung)として知られる反抗へと通じていったものが、素晴らしいしかたで真に生きているからです。デューラーのなかにも芸術的に「ファウスト」の片鱗が生きていたのです。みなさんが、このような「ヒェロニムス」、「メランコリー」、キリストの騎士「騎士と死と悪魔」やその他いくつかの図像を、「ファウスト」の最初の独白からほとばしり出るものと組み合わせるなら、私たちがその独白を、ゲーテがそのなかに据えることを望んだような時代色のなかに据えるなら、デューラーが生き、デューラーがそこから生まれた時代から何かを自らのうちに受け入れることについての感情が、いつでもみなさんに与えられることでしょう。そして私は申し上げたいのですが、ほかならぬ《ヒェロニムス》を

ここにも見られますファウスト像と
564 レンブラント-ファウスト エッチング 1652
付き合わせてごらんになれば、連結部分さえ見つけられるでしょう。明と暗からのデューラーの創造というものを、私はほんとうに陳腐な意味で言っているのではありません。もちろん真実のどこか一片なりと模倣しようとする誰もが、明ー暗から創作することができます。けれどもみなさんもご覧になりましたように、デューラーは、明ー暗の魔術的な作用む結びつけることで、構成を呼び起こそうとするのです。これを、デューラーが彼独自の特徴のひとつとして貫いているものとして観察してくださるようお願いいたします、これとならんで、彼のなかにはもちろん、個人的に特徴づけしたいという憧れもあるのですが、それは例えば「使徒たちの頭部(289,290)」にあれほど並はずれたしかたで見出されるのです。つまりこれによってきょうはみなさんに、中世芸術の主なモニュメントを見ていただこうとしたわけですが、近いうちに、いわばそこここに滑り込んでいってその後ひとつの全体を形作るいくつかほかのものを、これに関連づけていくことにしましょう。
記: 以上ルドルフ・ジョセフ・ローレンツ・シュタイナー
内的霊的衝動の写しとしての美術史 第1講 ドルナハ  1916年11月8日

     中欧ー北方の芸術と南方の芸術の対立と関係
デューラー及びホルバインに至るドイツの彫刻と絵画
について、西欧ルネサンスの芸術について後世はおろか現代にも影響を与え続ける霊的精神を掲載しましたが、以降はそれ程の影響を与え続けているとは認められませんので割愛させていただきます。第4講 kunstgeschichte4.pdf
第5講 kunstgeschichte5.pdf
第6講 kunstgeschichte6.pdf
第7講 kunstgeschichte7.pdf
第8講 kunstgeschichte8.pdf
第9講 kunstgeschichte9.pdf
第10講 kunstgeschichte10.pdf
第11講 kunstgeschichte11.pdf
第12講 kunstgeschichte12.pdf
第13講 kunstgeschichte13.pdf
[EOF}
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最終更新日  2024年02月13日 06時10分07秒
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