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2006年10月18日

『最後の審判』Ｒ・Ｎ・パターソン　

テーマ：ミステリはお好き？(1498)

カテゴリ：海外文学

麻薬とワインの飲み過ぎで恋人と泥酔状態に陥った女子大生ブレット。気がつくと恋人は全裸で何者かに刺殺されていた。現場には血まみれのナイフと財布。彼女は殺人罪で逮捕されるが、かたくなに無実を主張する。ブレットの叔母の辣腕弁護士キャロラインは、姪を助けるため23年ぶりの帰郷を決意したが、彼女を待ち受けていたのは、思いもよらぬ事件と秘められた過去の愛憎劇だった。

「罪の段階」「子供の眼」でサブで登場していたキャロライン・マスターズが主人公

女性を主人公とした作品では、先に読んだ「ダーク･レディ」のステラ･マーズがいます。　ステラも女性のキャリア組ということで私生活がほとんど無かったけれど、キャロラインも、前２作「罪の段階」「子供の眼」で、全く私生活が分からないという、非常に自制の効いた人物でした。というか完全に脇役だったんですよね～。

脇にいた人を主人公にすえて、、というのがパターソンスタイルのようですね。読み始めは、ちょっとノリにくいところがあるかと思いましたが、どんでもない。キャサリンの故郷に家族、、。
現在の確執が過去のどこにあるのか。
人間関係の回想が始まると、怒涛のごとくいつものドラマが展開し始めました！

過去に向き合うというテーマ、多いですね。人は、人生どこかで、プラスマイナスの折り合いを付ける時があるということでしょうか。自分探し、、。そうしたドラマには、いやおう無しに魅せられちゃいます。

以前に読んでいたパターソン作品は、主人公が男性の自分探し。こちらは女性なので、女性ならではの過去、という感じでした～。キャサリンが何故故郷と完全に縁を切っていたのか。そして、何故戻ってきたのか。。

今作も、期待を裏切らない面白さでした。

リーガル･サスペンス苦手だったけど、といっても、とてもサクサク読める面白いシリーズだった。
今後も新刊が出るのを期待してます。

■著作

・『ラスコの死角』　　　　ハヤカワ・ミステリ文庫　1979
・『アウトサイド・マン』　ハヤカワ・ミステリ文庫　1981
・『ケアリ家の黒い遺産』　扶桑社ミステリー　1983
・『サイレント・スクリーン』扶桑社ミステリー　1985
・『罪の段階』　新潮社　1992 Dgree of Guilt 　
・『子供の眼』　　　　　　新潮社　1994 Eyes of a Child　
・『最後の審判』　　　　　新潮社　1995 The Final Judgment
・『サイレント・ゲーム』　新潮社　1997 Silent Witness　
・『ダーク・レディ』　　　新潮社　1999 Dark Lady　

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