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2025.07.10
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カテゴリ: 電子工作
Metronix 524B CV 制御回路 LTSpice 回路をダウンロードできる様に用意した 。LTSpice でシミュレーションをする場合、Integration Method を modified trap に設定して欲しい。計算で発生する発振を抑制できる。


Constant Current amp with dummy output stage, METRONIX model 524B (PDF)

シミュレーション回路は Constant Current (CC) Amp だけ含んでいる。Constant Voltage (CV) Amp は含んでいないので、出力電圧は非安定である。PLUS.T, MINUS.T 出力端子に流れる電流を変えれば CC 条件を満たしていなくても出力電圧が変わる。CC 条件を満たすと急に出力電圧が 0V に近づく様になっている。

負荷は定電流源と 2N3055 で作った可変電流負荷にした。シミュレーション計算が物理現象に近くなることを期待している。

CV Amp との接続点は Q4 のベース になっている。R7 4.7kΩ は CV Amp と CC Amp で共用になっている。ここでは CC Amp 回路部品として配置する。

CC Amp は +Sense (+S) 端子と独立した Red とラベルが付いた共通電位線がある。これは Vccsense, Vccset の電位基準になっている。普通の使い方では +S 線と同じく PLUS.T 線に繋がる(注: 実際の回路は動作選択スイッチが入っている)。Red 線もほぼ GND 電位である。

Vccsense, Vccset とも GND から見て約 1.0V が最大電圧になっている。扱いやすい電圧になる様に設計されている。

R5, R2 で電流検出抵抗 R1 に発生した電圧を分圧し、R3, R8, R4 で構成した CONSTANT Current 設定ボリュームで作った電圧と差動増幅 Q1, Q2 で比較し電流制限する。

R5, R2 は基板上の 200Ωの半固定抵抗器で設定可能な最大電流を決めている。R8, R4 は正面にある CURRENT と書かれた ツマミ付き 500Ωの可変抵抗と 22 Ωで構成されている。





電流検出抵抗もバランスを得るために特注品で作られたと考えている。3 端子の抵抗だ。中央が共通端子、中央と両端の間が 0.8Ω の抵抗器だ。



製造時に同じ材料使い、動作時は熱的結合により、温度による抵抗変化が同じになる様に狙っていると思われる。片方の出力トランジスタを通る電流だけ検出する方式が可能になる構造だ。

特注品(もっと言えば工芸品)なので保守に難が出てきている。抵抗表面にクラックと思われる傷が見つかっている。



単に (0.33Ω + 0.47Ω = 0.8Ω) x 2 として代替することを考えていた。回路を調べた結果、熱結合した 0.8Ω x 2 を作る必要がありそうだ。あるいは両トランジスタの電流を合算する回路を設ける。

CC Amp は Q1, Q2 の差動増幅回路になっている。CV Amp 程に増幅率は稼がない回路だ。

CC 制御が始まると Q1 が温まりはじめるはずだ。電流制限値が下がる方向に変動するので安全側に倒していると思われる。調整はすこし難を感じるかもしれない。

524B は CV | CC どちらで動いているかをメーター Rccmt で示す。メーターは CC 優勢の時に Q4 のベース電位を下げるため電流を引き込む回路の途中に入っている。電流が流れればメーターが振れる。メーターなので CV | CC の優勢度合いを連続的にみることができる。出力端子を短絡するとメーターが振り切れ小さくカチッと鳴るので「あっ」と気づける。興味深く使い勝手が良い。後継機では LED に置き換えられてしまった。

R11 220kΩ は CC 動作開始・終了の電流値にヒステリシスを設けるために回路に入っていると考えている。C2 を削除した状態でシミュレーションすると、CC 動作開始時に Current Load として機能している Q5 コレクタの電流が僅かに下がる。CC 終了は CC 動作開始より約 5mA ほど低い電流値が閾値になっている。CC 動作時に発振しない様にする工夫だろう。

動作波形を見ていく。


Waves running Constant Current amp with dummy output stage, METRONIX model 524B (PDF)

Ic(Q5) が負荷電流である。おおよその設計目標 1.0A で Constant Current になる様に動作している。CC 開始の電流値にピークがあるのは C2 220uF があるためだ。電荷が抜けきるまでは制御が効かない。

Vccampout が 0.0s ~ 0.5s, 1.5s ~ 2.5s, 3.5s ~ 4.0s で M の字を描く様に変化しているのは、負荷電流が 0A に近づくと Q4 (その先の Q3) のベースに電流が多く流れる状態が見えている。次の様な回路で実験できると思う。


Experiment output stage current, output stage, METRONIX model 524B (PDF)




Waves experimental output stage current, output stage, METRONIX model 524B (PDF)

差動増幅部で増幅率を稼いでいないので CC 開始・終了前後の Vccampout, Ic(Q1) 変化は緩やかになっている。メーター Rccmt の振れが CV | CC の中間状態になる条件を作りやすい。

オペアンプで CC Amp を構成した回路を作ってみる。CV Amp と同様に LT1013 は LM324 のつもりで使っている。


Constant Current amp using opamp, METRONIX model 524B (PDF)

Vcc, Vee は +12V, -12V に変更する。Vee の方は 524B に倣って -5V ~ -8V の方が良いのかもしれない。CV Amp の方で Veb 定格を守るためにわざわざダイオード D2 を入れるより、Vee 電圧を変える方針も有りだろう。

メーター Rccmt の逆流素子ダイオード D1 はバイパス抵抗 R10 込みで逆流阻止する。D2, R7 は CV 側と結合するならば回路変更だろう。C1 は恐らく可変抵抗の摺動ノイズを取り除く目的で入っているので増しておいた。

オペアンプ化した回路を動かしてみる。


Waves Constant Current amp using opamp, METRONIX model 524B (PDF)



電流検出抵抗を特注で作り、2 個の出力トランジスタのバランスを得つつ電流検出回路は片側のみする工夫をしている。ヒステリシス、低ゲインの差動増幅、差動増幅回りの温度に対する変化は CC 設定に対して変動、緩慢なフィードバックを許容している。

精度、変動、制御応答、コスト、それぞりの折り合いが難しかったか途中で方針変更があったか。

次の日記 トランスタップ切り替え回路








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最終更新日  2025.07.25 12:48:03 コメントを書く


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