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私の遭遇した出来事は、次元は違うが、小さな哀しみだったのかもしれない。
しかし、なんと言う偶然だろう。
彼女がこの世を去ってからの約1年、
世の中は、まったく変わってしまっているように感じる。
彼女は、まさに明るさと幸福の守り人だったのかもしれない。
これで、人々の価値観さえもが変わるかもしれない。
一瞬にして、全てを奪う大自然の力
愛する人の命ばかりでなく、財産も、住み慣れた町も、
住む家もすべて失うことなど、私にはとても想像できない。
私も3.11当日、あるビルの地下2階で、講演の真っ最中だった。
そして信じられないような揺れが来て、シャンデリアも今にも落ちそうに揺れが続いた。
講演をすぐ中止し、約200名の聴衆と共に防災センターの緊急放送を聞いた
地下の方が安全だと言うので、揺れが静まるまでしばらく待機した。
もちろん、これが海沿いだったら、すぐに地上に出て避難しただろう。
揺れが収まって、皆を解散し、地上に出たが
まさにオフィス街からの群集が、近くの公園に避難している時だった。
私は、不思議と冷静だった。
一応、メールで妻子の無事を確認したが、
その後は、事務所に帰って、周囲の後片付けを手伝った。
TVでは、惨事の大きさが、時間を追うごとに大きくなる様子を報道していた。
交通機関は止まり、事務所のビルの窓からは、渋滞して動かなくなった車列が見えた。
これは自宅には帰れないなと瞬時に思った。
彼女が居たなら、どうしただろうと考えた。
きっとテキパキと動いて、ここに徹夜してくれただろうと思う。
それにしても、この地獄を見ずに彼女がこの世を去ったのは
あまりに偶然とはいえ、考えさせられる。
日本は復興するだろう。しかしこれまでとは違う価値観が
世の中を支配すると思う。
着実に、まじめに、質素に、そして省エネルギー
命のはかなさを知り、自然に合わせて、平凡に生きること
富や名声は虚しいものだと知り、謙虚に生きること
どうだろうか?
彼女はやはり幸福な一生を終えたのかもしれない。