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父親が実家に用事があるというので、宇都宮まで行ってきました。帰りに大谷資料館に寄ってきました。大谷石の採掘跡を資料館にしたものですが、この採掘跡が巨大な地下空間になっています。 蒸し暑い日でしたが、内部は寒いぐらいでした。 P1030701 posted by (C)きたあかり4~5回目ぐらいですが、その壮大さには毎度口あんぐりです。 なら・・・ 東北自動車道の鹿沼インターから30分弱。日光からも近いので、旅のアクセントにもなります。大谷石といえば、帝国ホテルの建築に使われたことで有名です。その建物は明治村に移築されています。今年こそ明治村に行きたいものです。
2010.06.27
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最初の被害者は耳を切り取られ、さらに別人の小指を耳穴に差していた―。指は死後切断と断定され、連続殺人事件として捜査が始まる。続いて舌を切られ、前の被害者の耳を咥えた死体が見つかった。大阪府警捜査一課海部班の久松刑事を中心とした捜査は、真犯人へとたどり着けるのか?犯人側と捜査側、過去と現在の視点が複雑に交わりつつ、事件の全貌が明らかにされていく。<感想> ★★★★☆あらすじを読むと猟奇殺人モノを想像されると思いますが、本書は復讐をテーマにしたミステリーです。事件を捜査する刑事の視点。 黙々と殺人を犯す人物の現在と過去。 それらが複雑に絡み合います。 読み始めは当惑するかもしれませんが、それぞれの展開で語られている部分と、そうではない部分。 それらがパズルを埋めるように収斂していくさまが秀逸でした。 ミステリーの要素で言うなら大きな謎が提起されていますが、それに負うことなく「小説」で勝負しようとする著者の筆運びには好感がもてるし、復讐する犯人の詳細な心理描写をあえて避け、客観的な視点に終始する手法は正統派ハードボイルドといっても過言ではありません。ローレンス・ブロックが、トルストイを捩って、不幸な家庭はどれも似たようなものだ。と書いていますが、個人的にはそんな、やるせなさがツボでした。凝った文体や、複雑すぎるハードボイルドは苦手だけど、その雰囲気を味わいたいという方におススメです。
2010.06.26
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なっ、なんと三浦しをんさんの『まほろ駅前多田便利軒』が映画化されるそうです。製作サイドからの公式発表はまだですが、舞台になる町田市がホームページでエキストラ募集の告知を出しました。↓『まほろ駅前多田便利軒』映画エキストラ大募集!!! (町田市)キャストが、ものすご~く気になりますね。まほろ駅前多田便利軒価格:570円(税込、送料別) まほろ駅前番外地価格:1,575円(税込、送料別)
2010.06.21
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美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。<感想> ★★★★★冒頭からこんなことを申し上げて恐縮ですが、この作品が文学的に優れているとか、文章が個性的などというつもりはありません。 どちらかといえば典型的なベストセラー本の類です。 恐らく小説に芸術性を求める方には著しく不向きな作品だと思います。 おしなべて言うなら三浦しをんさんの近著はその傾向が強いように思います。 ただ、三浦しをんさんを、作家という側面から見た場合に於いては、その本を手に取った読者の八割を満足させてしまう実力は否定しようがありません。 後世に残って、とんでもない値段がつく茶碗もすばらしいとは思いますが、日常の生活で使われる茶碗こそ手に馴染むいいものであって欲しい。 乱暴な喩えをしましたが、現代文学とはそのようなものであると思います。さて、前置きが長くなりました。 都会暮らしの若者が、自分の意思と無関係に山奥に放り込まれて林業に携わるという筋立ての本書は、それぞれのキャラクターもイキイキと描かれていて楽しめますが、林業という仕事の本質に迫るあたりが秀逸です。 なあなあと暮らす人たちの仕事ぶりや生き方はともすればのんびりしているように思いがちですが何十年、何百年というサイクルのなかで営まれている仕事は、上司から「日々結果を出せ!」とせっつかれている私などからみれば、その壮大さには口あんぐりです。 しかし、そこには守らなくてはならないルールがあります。 それは、法律やモラルではなく、目に見えるもの見えないもの、不思議だと感じるものの中にゆる~いカタチで存在しています。 そのあたりを読む込むと、この作品の良さを実感することができると思います。『風が強く吹いている』でも感じましたが、スポーツや職業を根性や気合で表現する従来の作品と一線を隔しているのも、三浦作品がウケる要素のひとつかもしれません。余談ですが、この本の表紙をめくると一枚の大きな絵があります。228頁8行目からのひとコマですが、こういうの面白いですね。↑反転しときます。 お分かりにならない方は、なあなあ再読をお楽しみください。
2010.06.20
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栃木県の公社職員・片桐は、タイのバンコクを訪れる。そこで武志という若い男に出会い、ミントと名乗る美しい娼婦を紹介される。ある秘密を抱えた男がバンコクの夜に見たものとは。<感想> ★★★★☆本書は公金を横領した(←ネタバレするので一応反転しときます)男がタイの首都バンコクを旅するという内容です。 『悪人』でベストセラー作家の地位を不動にした著者ですが、それと比較するなら本書はジミな仕上がりになっています。 その点において評価が分かれているようですが、読みやすいし従来の持ち味が生きているので、吉田修一ファンなら満足のいく一冊になると思います。特にバンコクの夜を描くさまは秀逸でバンコクどころか海外未経験の私でも、路地に漂う独特の雰囲気(音・匂い・妖しさ)を感じ取ることができました。追い詰められた主人公の鬱々とした心理や、その開き直りにたやすく感情移入してしまったのは、私が小心モノだというせいもあると思いますが、他人からみると羨ましい状況にあるにも関わらず、本人の心の中では奈落の底がぱっくりと口を開いている主人公の心理描写の緻密さに依る部分が大きいように思います。
2010.06.19
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ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に、警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。待ち受ける巧妙な罠!絶体絶命の鮫島…。登場人物の圧倒的な個性と最後まで息をつかせぬ緊迫感!超人気シリーズの輝ける第1作。<感想> ★★★☆☆前から読みたいと思っていた大沢在昌さんの新宿鮫シリーズ第一弾です。若干の不安はありましたが、それぞれのキャラが立っていて面白く読めました。 桃井課長渋すぎて個人的にツボです。それって、ありえねぇだろう!!が随所に散りばめられていますが、TVドラマの「西部警察シリーズ」を見て育った私にとっては見過ごすことのできるレベルです。 書かれたのが90年代の初めなのでイマイチ古臭さは拭いきれませんが、当時の新宿(歌舞伎町)をご存知の方なら、大沢在昌さんの描写力に圧倒されると思います。ちなみに最後に出てくるケータイ電話はこんな感じのやつです。当時、持ち歩いている人を時々見かけましたが、戦争に行くのかよ!!みたいなイキオイでした。
2010.06.13
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父は、昔からちゃんと知っていたようにも、まったくの見知らぬ人であるようにも感じられた─第35回川端康成文学賞受賞。最年少で受賞した表題作を含む珠玉の短篇集。<感想> ★★★★★青山七恵さんはOLを続けながら細々と活動をしている作家さんです。 文壇三人娘(綿谷りさ・金原ひとみ・島本理生)と同い年。 『ひとり日和』では芥川賞を受賞していますが、今まで上梓したのは本書を含めてもわずか4冊。 いずれも派手さこそないものの良作揃いで、個人的にはこの人もっと読まれていいと思うんだよねリスト第3位ぐらいに位置しています。さて、びみょーという言い回しがあります。 「あそこのラーメンどう?」 「びみょーかなぁ」「あれからカレとはどうよ?」「なんか最近びみょーなんだよね」私の家でも長女が頻繁に使いますが、聞いていると一般的に使われている微妙とも違うように思います。 この作品集では、そのびみょーを巧く表現しているのではないかと思います。家庭内においてびみょーな存在である父親の姿を娘の視点で描く表題作は、どちらかというと玄人好みかなぁ~と思いますが、その存在を肯定するでもなく否定するでもない視点は淡々としていながらも、青山さん独特のナチュラルなあたたかさがこめられています。 個人的には、結婚間際にかつての恋人を想う『欅の部屋』が好きですが、女性読者であれば最後の『山猫』に、叔母と姪という関係性や女性同士のびみょーを強く感じ取れるかもしれません。良作で、尚且つホッとする作品を読んでみたいとお考えの方におススメです。
2010.06.12
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たった今書き上げた、『1Q84』BOOK3のレビューが消えてしまいました。時々やっちまいますが、すげぇ悲しいです。 リトル・ピープルの仕業かもしれません。すげぇ悲しいといえば、先週の木曜日すげぇ山奥でパンクしました。すれ違う車もなく、猿や鹿。 猪などとよく遭遇する道です。もう、九時近かったのであたりは真っ暗。周囲の樹木がザワザワ(←たぶん猿だと思われます)するし、野犬の咆哮がオオカミチックだし。 もちろんケータイは圏外っす・・・・。ところが、タイヤ交換に必要なレンチがいくら探してみ見当たりません。自分がいるのは千葉の山奥ではなく、絶望の底なのだと悟りかけた瞬間。 スペアタイヤの影に何かが・・・・。暗闇の中での作業だったので、30分以上かかってしまいましたが、今、無事に日記を更新しているというわけです。車に乗る方は、車内に懐中電灯を常備しておくことをおススメします。32灯LEDライト 鏡面仕上げ32灯LEDハンディライト・懐中電灯(防滴)アルミボディで超軽量 全6色...価格:819円(税込、送料別)
2010.06.06
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夜鷹の女に産み落とされ、浅草の侠客・浜嶋辰三に育てられた神崎武美は、辰三をただひとりの親とあがめ、生涯の忠誠を誓う。親の望むがままに敵を葬り、闇社会を震撼させる暗殺者となった武美に、神は、キリストは、救いの手をさしのべるのか─。稀代の殺人者の生涯を描き、なお清々しい余韻を残す大河長篇。<感想> ★★★☆☆直木賞を受賞されたころにハマって読み漁った伊集院静さんですが、このブログには一冊の感想もUPしていません。 ということは5年以上ご無沙汰ということになります。 短編中心で、しばしば胸を鷲づかみにされる職人気質の作家さんです。 さて、本書は一人のヤクザを描いた大河小説です。 時代は戦前から現代までです。 無頼派と呼ばれる伊集院さんだけあって、時代に流されながらもさまざまにカタチを変えていくギョーカイの変遷がリアルに描かれていて読み応えがあります。ただ、主人公が産み落とされて、浅草のヤクザに引き取られ成長していく過程までは面白く読んだのですが、正直言って、その後の展開が速すぎてついていけませんでした。 外国の組織(マフィア)まで持ち出してきたのも話を広げすぎかなぁ~と思いました。 基本的にアウトローを描く任侠モノは嫌いではないので、この展開はつくづく残念でした。
2010.06.06
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角田光代、井上荒野、唯野未歩子、栗田有起、川上弘美さんら人気作家5人が描く「女ともだち」。主人公は誰もが「派遣」。仕事や恋をからめた「友だち模様」が、じんわりとくっきりと描かれた魅力たっぷりの小説集。 <感想> ★★★☆☆本書は「女ともだち」をテーマにしたアンソロジーです。 収められている作品は、『海まであとどのくらい?』(角田光代)『野江さんと蒟蒻』(井上荒野)/『その角を左に曲がって』(栗田有起)『握られたくて』(唯野未歩子)/『エイコちゃんのしっぽ』(川上弘美)トルストイの論に当てはめるなら、男同士の友達づきあいはどれも似たようなものですが、女同士の友達づきあいは実にさまざまなのではないかと思います。 この作品集で描かれているのはそんな「さまざま」です。 5編中4編が女性同士の友達づきあいなので、女性読者なら自分自身の友達づきあいを当てはめて読むのも面白いかもしれません。 作品自体も短めなので、さらりと読むことができます。 個人的には『野江さんと蒟蒻』(井上荒野)が秀逸だと感じました。 男性目線で描かれているので、アンソロジーのコンセプトとは若干異なりますが、井上荒野さんの実力をまざまざと見せつけられました。 他の作家さんたちも悪くはありませんが、このクオリティーの前に霞んでしまった感が否めません。 巧い短編小説で唸ったあとに、旨い蒟蒻の煮物で誰かを唸らせたいとお思いの方におススメします。 蒟蒻の下ごしらえ
2010.06.05
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明日からお弁当を持って行くことにしました。子供が保育所に行っていたときに、持たせていましたがとりあえず、自分の分だからテキトーに・・・・↑読み終わりました。BOOK1~BOOK3までをブランクなく、通しで読める人は幸せだと思います。そうそう!牛河さんの謎が解けました。
2010.06.01
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