hongming漫筆

hongming漫筆

PR

Comments

背番号のないエース0829 @ 松谷みよ子】(04/22) 「私のアンネ = フランク」に、上記の内…
hongming @ Re:ブルーレイが再生できない(11/30) 随分遅くなりましたが、やっと試しました…

Keyword Search

▼キーワード検索

2005.02.20
XML
カテゴリ: 時代劇(映画)
 若い勝新太郎と、中田康子という女優の映画。
 三日月藩のお姫様(中田康子)は、味にうるさく、まかない方の勝新太郎に嫌われている。お屋敷で顔を合わせたことはない。
 お姫様は意に沿わぬ見合いを強いられていて、面白くない。腰元にそそのかされて下町見物に出かけ、そこで偶然、大工の振りをした勝新に出会い、お互いそれとはしらずに恋仲に。
 お姫様の方が先に相手の正体に気づいて、勝新はなぜか加増され首をかしげたりする。勝新が相手の身分を知るのは最後の最後。
 という過程はよくある話で、どうということはないのだが、とにかくみんな歌ったり踊ったりというのが楽しい。ヤクザの連中でさえ、徒党を組んで「♪おいらは町の愚連隊」と歌いながらおしかけてくるのだ。
 こういうの、誰が考え出したのだろうと思っていたが、歌舞伎の影響なのではないだろうか。曲にあわせて演技をするのがふつうだし、突然踊り出すことだってある。それが映画に持ち込まれたのだろう。
 これをみると、ビートたけしの「座頭市」が、伝統的な時代劇の復活を試みたものだということがよくわかる。
 謎の浪人も虚無的な歌を歌いながら土手を歩く。
 この浪人、低音のよく響く声で、顔は若い頃の裕次郎そっくり。誰かと思ったら水原弘だった。へえ、若い頃はこういう顔だったんだ。

 なんか、すらっとはしているのだけれど、ドジョウみたいな顔なんだよね。少し年を取って肉が付いてからはスターの風格を感じるし、4年後の「 兵隊やくざ 」などはぴったりはまっていると思えるのだが。
 映画に話を戻すと、ザ・ピーナッツ(当然歌う)演じる、奥州二本松から来た娘が、大名屋敷に奉公していると嘘をついていたのがばれそうになり、みんなで何とかしてやろうとして……ということで、お姫様がお姫様の振りをする振りをしてということになる。
 最後には勝新も相手の正体を知り、みんなそろって飲めや歌えのおおもりあがり。
 こうなれば二人が結ばれることになると思うのが人情だが、驚いたことに、結局お姫様は見合いをし、嫁に行ってしまうのだ。実は水原弘は相手側の……というエピソードもあり、縁談はうまくまとまる。
 姫は、江戸を離れる駕籠の中で、江戸にいたときの日記を見て、楽しかった日々を思い返す。ザ・ピーナッツがその一行に一緒にいて、どうやら本当に腰元になったらしい。
 一方、勝新は、いきつけの酒場で一人で酒を飲む。身分違いの恋は身分違いのまま終わる。
 おお、これは「ローマの休日」ではないか。
 中田康子という人は、1964年が最後の映画出演で、私はこの人のことを全然知らなかった。調べたら、「 四谷怪談 」でお岩さんをやっていた。相手は長谷川一夫。この人もスターだったのだ。
 最初はなんだかはっきりしない人だなと思ったが、見ているとどんどんチャーミングに見えてくる。

 音楽は中村八大。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.02.20 13:49:32
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: