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少年漫画感想
『MAJOR』 その1・~三船中学編まで
もう、どっちが現実か分からないくらいの勢いで
『MAJOR』の世界に行ってます。
全78巻、速攻で集まりました。
これだけの長期連載で、
各ステージの読み応えがこれでは・・・;
当分、帰国出来そうにありません;
おもしれぇよぉ・・・。
小・中学生の頃からサンデー漫画(るーみっくとあだち充作品が主ですが)をあれだけ摂取してきて、
なんで今までこれに手を出さなかったかな。
巻数的に大河長編過ぎたのと、
あとは・・・大人っぽい作品だと思ってたんですよね。
本格的スポーツ漫画!みたいな。
いやでも、 完結した段階で、
何の前知識もなく読み始められたのは
良かったと思います。
とりあえず、今の段階で叫びたいことをつれづれと。
★作品全体について
とにかく、 主役の吾郎くんの年齢とともに
どんどん繰り上がっていく各ステージの、
それぞれの見ごたえ!
アニメのOP・ED映像DVDを見てても思いますが、
きっかり区分された「○○編」のそれぞれが、
様々な人々の思いがある中で、
きちんと「吾郎くんの物語」として頭に入り、
いちいちそのステージにしかない面白さがあります。
その上で、一人の野球少年の夢の道筋として
繋がっているのがよく分かって・・・。
これは・・・たまらん。
今のところ、個人的な好みは
リトルリーグ編、
聖秀学園編、
ワールドカップ編
・・・かな。
ただ、本当に各ステージで、画面や、ワールドの力学というか、触覚まで違ってくるんです。
各ステージ毎の感想を。
★プロローグ・おとさん編 1~3巻
出だし3巻・・・というか、実際には
吾郎くんの為に、おとさんが野手転向を決意した段階で、
すでにノックアウトされてました。
ここまで、キャラクターの生活を地に落とした作品です。
1軍半(2軍生活が長い)プロ野球選手と、5歳の息子・・・この父子家庭の「生活」が生々しく一気に入ってきて。
正直、プロ野球選手の生活感覚なんて知識もないし、私には想像もつかなかったのですが、
これだけしっかり生活を描かれては・・・。
正直、そこまで描く?ってくらい描写が丁寧です。おとさんが遠征中の吾郎くんの描写とか。
お話の要素としてみれば、無駄な情報も多い。
ただ、
セリフだけの「野球と息子がすべてだ」と、
生活感まで全部裏打ちしてからの「野球と息子がすべてだ」では、
なんかもう全てが違いますから。
吾郎くんの物語が始まるまで、
結局3巻を費やした「おとさん編」ですが、
だからこそこれだけの描写が出来たんだろうなぁ・・・。
普通だったら、せめて1巻にまとめたくなる内容だと思いますし、
たぶん・・・短期決戦のジャンプなんかじゃ、1話だけでここまで持って来ちゃうんじゃないかな?と。
とにかく強烈なインパクト・・・というか、
父親の強烈な愛情が心に焼きつく、すごい3巻でした。
★三船リトル編 3巻末~14巻途中まで
まずは・・・ 9歳になった吾郎くんの気性に驚きました。
こんな主人公でいいのか??
吾郎くんのキャラクターに関しては、
『メジャーリーグに殴り込みに行く子』
ということを念頭に
設定されていたのだと思いますが、
それにしても、主人公として据えるにしてはすごくリスクの高い性格設定だったと思います。
そこで活きてくる、女性キャラクター。
「保母さん」の養母・ 桃子さん
と、
正義感が強く、マイペースを貫けるヒロイン・ 清水ちゃん
の存在感は、
これまた衝撃だったのですが、
この辺はまた、後で熱く語りたいと思います。
ここでもまた思ったのですが、
こんなに 生々しい「小学校の教室」
、
そこそこの数の漫画を読んでも、見たことがなかったんです。
「小学生」って、分かってないことと分かってることが、すごくアンバランス・・・なのかなぁ。
あの「教室」は、誰でも知ってるはずなんですが、
なかなかこの立体感はないなぁ・・・、と
これを読んで思いました。
各エピソードを、
わりと他の漫画では倦厭されるような要素も使いながら
しっかり回して、描ききってくれていて、
とにかく胸に突き刺さる感情が多いステージだな
、と思います。
清水ちゃんが「野球やめる!」って言い出すエピソード
と、
公式デビュー戦である対本牧リトル戦 、
対横浜リトル戦終了後、スタジアムを電車から眺めるシーン と、
新しい一家の形が出来上がる、
茂野のおじさんの前で、吾郎くんが泣くアパート前のシーン
、
・・・この辺りがめっちゃくちゃ好きです。
★三船中学編
一気に4年の月日が経っての中学生編。
画面が変わった!!
大人の体格に近づく描写の為だと思いますが、ここで明らかにギアチェンジしてるのがよく分かります。
中学~海堂高校編は、作中でもちょっと浮いてるなぁと思います。
90年代の後半にしては、ちょっと古めかしい80年代風味?な
「ザ・少年漫画感」
・・・というか。
正直、中古屋でぱらぱら~っと読み進めてきて、
ここの段階で、いったん不安になって読むのをやめました。
不安になるくらい・・・変わったんです。
吾郎くんは、この辺りが一番性格がとんがってるというか、もう手が付けられないレベルでハメ外してますし、
モロ喧嘩及び喧嘩腰の描写満載で。
なんですが・・・やっぱりこれも
しっかり読むと、だんだん落ちてくるんですよね。
小森くんや、清水ちゃんの存在が大きい。
三船中学編は、吾郎くんの物語の一部ですが、その後の三船高校野球部の礎形成段階でもあるので、
それぞれ、メンバーのまちまちの温度差を抱えながら刺激し合っているのが、中学野球らしいなぁ、と思います。
清水ちゃんに久々の再会でぶん殴られるシーン
、
球のキレを出す為、球速のない球を投げるシーン 、
対寿也くんの対戦
では、この中学編の一戦が
一番真っ向勝負だったかな?
小森くんが「本田くんのキャッチャーは僕だろ!?」って叫ぶシーン 、
あとは、 度々出てくる茂野一家のシーン が大好きです。
親父カッコよすぎる・・・///
妹に簡単に、 「お前、茂野父好きだろ」 って見破られました。
それにしても、スポーツ漫画で主役の家庭が明らかに金持ち描写なのって、
個人的に新鮮・・・;
続く。
by姉
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