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ヤフオクで6327シングルアンプを落札しました。6327...今まで聞いたことがない真空管でしたので、謎球好きとしてはウズきますよね。当然。そんなわけでガツンと入札し、落札しました。今回落札したアンプの製作者は12A5のアンプと同じ方で、ちょっと珍しい球でアンプを作って音楽を楽しむことをライフワークにしておられる方だそう。さてこの6327という真空管、何者なのでしょう...規格に関してはFrankさんの資料室の6327規格表を参照くだ...これヒーター電流が誤記じゃない?0.8Aではなく1.8Aです。規格表が書き間違えているとは。でも、他の真空管でも規格表のミスプリントは結構あります。この真空管は、規格表に書いて有るとおり、6AR6をパラレルにしたくらいの実力を持っています。6AR6のヒーター電流は1.2Aですので2.4Aになりそうですが1.8Aに収められています。Friends of Valves 自作真空管アンプのTung-Sol 6327も是非参考にしてください。三極管接続とビーム管接続で測定します。このアンプでは約360Vのプレート電圧と125Vのスクリーングリッド電圧の設定なので、その設定値で測定します。三極管接続では50mA、ビーム管接続では45mA【1本目】Lch 6.3V1.76A三極管接続Ep=360VでEg1=-61.4Vのとき、Ip(+Ig2)=49.46mAIg2=3.69mArp=1155Ωgm=4021μSμ=4.6V/V ビーム管接続Ep=360VのEg2=125VでEg1=-15.1Vのとき、Ip=45.23mAIg2=0.89mArp=26949Ωgm=5509μSμ=148.5V/V【2本目】Lch 6.3V1.87A三極管接続Ep=360VでEg1=-54.2Vのとき、Ip(+Ig2)=50.24mAIg2=2.45mArp=1279Ωgm=3940μSμ=5.0V/V ビーム管接続Ep=360VのEg2=125VでEg1=-12.3Vのとき、Ip=44.89AIg2=0.63mArp=37245Ωgm=5809μSμ=216.4V/V感度の高い球なので、多少バラツキがあると思います。直線性もそれほど良いとは言えないかな。前段の6AQ8が直線性が悪い球なので、これで打ち消そうという意図かもしれません。2日ほど連続運転で聴いていましたが、とても良い音です。
Dec 31, 2022
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10...なんとなく腑抜けた名前ですが、本当に"10"です。私は3X75Bみたいな、何か強そうな名前とか好きですが(笑)ebayでRAYTHEONの10を購入しました。4ピラーです。プレートの形状も薄べったくないボックス形状。10族の中でも少し変わり種かもしれません。そして...この子は10といいつつ、トリタンではなく酸化膜フィラメントなのです。ぱっと見た感じは210とVT25Aの中間に位置する感じかなという印象なのですが...電気的な事柄は、きっとetracerが解き明かしてくれるでしょう。では今回もVT25Aや4043C同様に、7.5V、7.0V、6.3Vで見ていきましょう。酸化膜なので、6.3Vでも十分なエミッションかも?と期待しています。400Vで30mAを目安に測定します。(すみません、規格ギリギリでした。25mAくらいを基準で測定すべきですね..。)まずは7.5Vを掛けます。(この電圧が10や801Aなどの正規のフィラメント電圧です)【1本目】Ef=7.5V、If=1.23AEp=400VでEg=-28.1Vのとき、Ip=29.93mArp=3257Ωgm=2517μSμ=8.2V/Vはぐわっ!!...高圧側がガタガタです。泣きそうです。気を取り直してEfを7.0Vまで下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.17AEp=400VでEg=-27.9Vのとき、Ip=30.08mArp=3294Ωgm=2497μSμ=8.2V/V規格外の6.3Vで測ってみます。(この電圧はVT25系が航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)Ef=6.3V、If=1.07AEp=400VでEg=-27.5Vのとき、Ip=29.93mArp=3382Ωgm=2420μSμ=8.2V/Vこの高圧側のガタガタは何でしょうか...ゲッターを暖めたら治るかな?(一寸無理か)【2本目】こちらも7.5Vから測定します。(この電圧が10や801Aなどの正規のフィラメント電圧です)Ef=7.5V、If=1.21AEp=400VでEg=-32.5Vのとき、Ip=30.14mArp=3255Ωgm=2221μSμ=7.2V/Vこちらは高圧側のIpカーブが腰浮きしてますが、ガタガタではありません。大丈夫でした。1本目と同じく7.0Vで測定してみます。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.14AEp=400VでEg=-32.1Vのとき、Ip=30.00mArp=3292Ωgm=2229μSμ=7.3V/V2本目の6.3Vはどうでしょうか?(この電圧はVT25系が航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)Ef=6.3V 、If=1.07AEp=400VでEg=-31.0Vのとき、Ip=30.13mArp=3491Ωgm=2154μSμ=7.5V/Vさすが酸化膜フィラメント、この電圧でもエミッションは十分です。ただし、アンプを作るときは7V位はかけてあげたいところです。今回の測定結果ですが、1本目と2本目のバラツキはとても大きく、1本目の高圧側のIpカーブはガタガタです。しかし、これは売り手が悪いとはいえません。たとえば300V位でちょっと電流を測れば正常値なのです。カーブトレーサーで見るか真空管試験器で余程の長時間電流値を見るかしないと見えない現象化と思われます。良くも悪くも珍しい古典管です。「腐っても鯛」ですし「アバタもエクボ」です。(^_^;rpに関してはトリタンの210より若干低く、SYLVANIAのVT25Aより高い、rpだけで比較するならSTCの4043Cに近いですね。ソフトンのVT25A用アンプに挿してみました。プレート損失を若干オーバーするので、数曲でやめておきました。十分な真空度もありますし聴感上の歪みは感じないので、特性のガタガタは大きく悪影響しないのかもしれません。(というか、めっちゃ音がいいです。真空管って楽しいよね。)管内壁に蛍光も現れているので、酷く真空度が落ちているわけでもなさそうで、きちんと電子は飛んでいます。あのガタガタは気にしないことにします。真空管沼にズブズブと入りそう...
Dec 31, 2022
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803という真空管です。813より少し背の高い真空管で、五極菅です。随分前にヤフオクで落札。確か、クラシックコンサートの帰りに「真空管 残り時間の短い順」で検索して残り数分だったので、訳もわからず入札した記憶があります。あの頃は何でもかんでも真空管が欲しい時期で...。今思うと、なんでこんな真空管を買ってしまったのだろうかと....。以前、ブログで813(4B13、GU13、FU13)という真空管を紹介しましたが、形は何となく似ているものの、ソケットはジャンボUVではなく送信管用の5ピンです。規格は真空管(Electron tube) 規格表データベースの803規格表のとおり、プラスバイアスまで使い切らないと十分な出力が得られないです。まずい...ソケットも電気的特性も813と似ても似つかない。今思うと、なんでこんな真空管を買ってしまったのだろうかと....。気を取り直してetracerで三結特性を調べてみましょう。1本目Ep=700VでEg=-12Vのとき、Ip(+Ig2)=98.88mAIg2=21.11mArp=3064Ωgm=5315μSμ=16.3V/V2本目Ep=700VでEg=-12Vのとき、Ip(+Ig2)=97.81mAIg2=20.19mArp=3101Ωgm=5154μSμ=16.0V/VG3をG2に接続して測ってみましょう。1本目Ep=700VでEg=-15Vのとき、Ip(+Ig2+Ig3)=101.33mAIg2+Ig3=33.49mArp=2817Ωgm=5542μSμ=15.6V/V2本目Ep=700VでEg=-15Vのとき、Ip(+Ig2+Ig3)=99.77mAIg2+Ig3=29.78mArp=2859Ωgm=5294μSμ=15.1V/V何となくですが、211に似ていませんか?しかし、どんなに頑張っても211くらいのrpにしかなりませんね。プラスまで振るA2級動作が良さそうです。これら測定結果から803という真空管のオーディオ用途としての姿が見えてきました。・G2-G3接続の三結にすると211に近いぞ!絶対いい音がする!・でも10V5Aも食う!・ソケットはUVではないので簡単に球ころがしのような事が出来ない!・専用のアンプを作るしかない。というトホホな結論に。しかし、聴いたら凄くいいかもしれませんし。(そう信じたいです...)
Dec 30, 2022
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随分前ですが、PE1/75という真空管を入手して、まだ測定していませんでした。送信管だということはわかってましたが、オーディオでも使えそうな感じでしたし特に高価でなかったので即決落札しました。AIRの印字があるので空軍か航空関連でしょうか。規格はRadiomuseumのPE1/75の資料では24V1Aとなっていますが、誤記ではないかと思われます。実際には24V0.45Aです。他にPE1/80という真空管が存在していて、Frankさんの資料室のPE1/80の規格表があって、PE1/80(12V0.9A)の24V版がPE1/75ではないかと思われます。やや謎球な感じが....。この真空管の残念な所はヒーター電圧が24Vである以外に、ヒーターが灯っているのが殆ど見えないことです。(そこかよ!)etracerで三結特性を測定してゆきます。1本目EP=280VでEg1=35Vのとき、Ip(+Ig2)=66.98mAIg2=5.03mArp=1357Ωgm=3212μSμ=4.42本目EP=280VでEg1=35Vのとき、Ip(+Ig2)=61.50mAIg2=4.89mArp=1405Ωgm=3210μSμ=4.5Ep=400V付近で使いたいところですが、Ep=280VのEg1=-35Vくらいで75mAほど流して2W近く出ますので十分ですね。5kΩのトランスが良さそうですが、直線性重視なら7kΩも悪くないかも。(出力は下がりますが)個人的には、専用機を作ってまで...とは思わないです。
Dec 30, 2022
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今回はSylvaniaの210の性能を見たいと思います。左がSylvaniaのVT25A、右がSylvaniaの210です。ST型ではなく寸胴のドーム型です。10なのでVT25Aよりは随分小さいプレートですが、幅が少しありますからメチャクチャ小さいというわけでもありません。プレートは金属板ではなくグラファイ(よくある211とかのタイプ)。なんとなくタフな送信管という感じですね!(いいんです!「なんとなく」は重要です!!)etracerで測ってみましょう。Ep400VでIp30mA流して、Efを7.5Vと7.0Vのときで測定します。さてさて、この子の実力は如何に....。(すみません、規格ギリギリでした。25mAくらいを基準で測定すべきですね...。)【1本目】Ef=7.5V、If=1.28AEp=400Vで-24Vのとき、Ip=30.52mArp=4207Ωgm=1858μSμ=7.8V/Vすみません、これだけスケールが合ってません。読まれる方の脳内で処理してください。Ef=7.0V、If=1.23AEp=400VでEg=-24Vのとき、Ip=29.64mArp=4428Ωgm=1789μSμ=7.9V/V【2本目】Ef=7.5V、If=1.29AEp=400VでEg=25Vのとき、Ip=30.40mArp=4084Ωgm=1924μSμ=7.9V/VEf=7.0V、If=1.24AEp=400VでEg=-25Vのとき、Ip=30.18mArp=4164Ωgm=1896μSμ=7.9V/V7.0Vでも実用可能な範囲です。ただし7.0V以下は測定しませんでした。普通Ipカーブは弓なりでグイグイ伸び上がる傾向ですが、7.0Vでは大電流領域が真っ直ぐになってます。もうここで7V以下で測定しない理由はわかりましたよね?大電流領域でフィラメントの熱電子放出が間に合わずIpカーブがダラダラ垂れるのが目に見えているからです。あと、測定する電流は480Vなら25mAのほうが良かったかも。今回の測定でわかったことは、フィラメント電圧は7.0Vがギリギリ限界ということです。逆に7.0V点火なら、無理な運用をしない限りは寿命の点でも良いかもしれません。酸化膜と違って、トリタンはエミッションに余裕が無いです。以前、ELROGのトリタン300Bの記事にも書きましたが、同じ電圧電流ならトリタンは電子放出としては結構目一杯で頑張っている状態です。でもこの効率の悪さもまた魅力でもありますね!!(^▽^)この210のrpは4.2kΩ前後でした。どのメーカの10も4~4.5kΩと思われます。VT25Aでは2.7kΩ程度でしたので、1.5倍くらいrpが高いです。よって、フィラメント電圧のみならずプレート抵抗でも210とVT25Aは全く異なる真空管といえます。ちょっと試しにVT25A専用アンプに挿してみました。当然ながらプレート損失をオーバーしてますので、すぐにオフしました。(もちろん、秒で壊れることはないですが)VT25Aに合わせたアンプにそのまま挿せばプレート損失をオーバーしますし、真空管のrpとトランスの相性も悪いです。(インダクタンスが足りないような低音スカスカな音がします)きちんと14kΩのトランスと低目のプレート電流の専用アンプを作るしかなさそうです...。汎用とするなら14kΩのトランスを積んで、フィラメント電圧を7.5Vと7.0V~6.3Vの間の2種類切り替えられるようにするか7.0Vにするかのどちらかです。「汎用」というのは帯に短し襷に長しで難しいですね..。
Dec 27, 2022
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先日ご紹介したVT25Aに続いてVT52も紹介致します。このVT52についてもVT25A同様に航空機用の無線機に用いられ、7Vが正規電圧で6.3Vでも動作可能になっています。このVT52も詳細なIp特性が公表されておらず、諸先輩方の回路図だけが頼りでした。プレート損失も謎で、15W程度のようです。無線で使うのとオーディオで使うのでは条件が違うので何とも言えませんが、よほど無茶しなければ大丈夫かと思います。これは76年19週の製造でしょうか...。UNITEDに関しては、この掲示板の内容のように、1934年創立で1958年にLing Electronicsの傘下に入ったと書かれています。VT52の魅力は、このオレンジ色に灯る太いフィラメントです。太いフィラメントの50とかが好きな人は、PX4とかPX25などは暗くて何となく心もとないのではないでしょうか。(笑)では、etracerで測定します。プレートに270Vをかけ大体33mA流れる設定で、Ef=7.0Vと6.3Vを測定します。【1本目】Ef=7.0V、If=1.05AEp=270VでEg=-47.2Vのとき、Ip=32.93mArp=1726Ωgm=2167μSμ=3.7V/VEf=6.3V、If=0.95AEp=270VでEg=-46.2Vのとき、Ip=33.04mArp=1798Ωgm=2122μSμ=3.8V/V【2本目】Ef=7.0V、If=1.06AEp=270VでEg=-48.1Vのとき、Ip=33.17mArp=1694Ωgm=2212μSμ=3.6V/Vこの子は高圧側が少し上が持ち上がってますね。Ef=6.3V、If=0.98AEp=270VでEg=-47.11Vのとき、Ip=32.94mArp=1791Ωgm=2091μSμ=3.7V/VEfが下がって高圧のIpカーブの浮きが少し落ち着いたでしょうか。(こういうのは真空管試験機では見えないところです)今回のetracerでの測定でわかったことは、7.0Vより低い6.3Vでも能力としては十分であるということです。rpは1.7~1.8kΩなので5kΩ負荷といったところでしょうか。以前紹介したSPEEDのS-82-Bと電気的特性は似ています。昔はVT52を45スペシャルなんて呼んでいたような気がしますが、そう呼びたくなる気持ちもわかります。VT52もVT25A同様、私なら6.3Vに近い電圧で使うと思います。電気特性も然程悪くなるわけでもないですし。いや、音の張りだとかそういうのは違うかもしれませんが、私はVT52の太いフィラメントの灯火(ともしび)を楽しみたいだけなので...。
Dec 26, 2022
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クリスマスイブ...皆さんはサンタさんにお願いしましたか?私は、「サンタさん、私に4242Aをプレゼントしてください」とお願いしました。するとどうでしょう!「四角い茶色のサンタさんだ!」「節子それサンタさんやない。自分の財布で自分のお金や!」そうして、サンタさんからのプレゼントを持ち帰り、ふと我に返り、四角く茶色いサンタさんは実は自分のお財布であることに気づきました。しかし、現実を直視できない節子は....「サンタさん、ありがとう...」と、現実逃避をしました。節子はそのまま目を覚まさなかったそんなわけでSTCの4242Aです。(どんなわけだよ...)プレートにモリブデンが採用されていて、プレートに丸くジルコニウムが塗布されているとのこと。これがゲッターの役割をして、動作中の温度でガスを吸着するのだとか。管面下の方に通常のゲッターもあります。万全の体制で動作させようということでしょうか。規格に関しては、Frankさんの資料室の4242A規格表を参照ください。それにしてもアンプ自作の記事などの使用例が少ない真空管です。特性は211や242A~Cに近いので、専用機ではなく211のアンプに挿して遊んでねということでしょう。211との挿し換えですと、オーディオ空間 幸せ日記の「最終アンプ(第3話)211の選択 [原器を目指した「最終アンプ」]」という記事があります。トリタンフィラメントなので明るいです。これ、中に見えているのはフィラメントがプレート内壁に写っているものです。プレート内壁はツルツルですので、とても明るく見えます。その美しさゆえに欲しがる人も多いとか。では、etracerで測定します。とりあえず700Vで80mA流れると点を、フィラメント電圧10V~9.5V~9Vで測定してゆきます。【1本目】 Ef=10.0V、If=3.24AEp=700VでEg=-18.5Vのとき、Ip=79.86mArp=3337Ωgm=4125μSμ=13.8V/VEf=9.5V、If=3.14AEp=700VでEg=-18.2Vのとき、Ip=80.36mArp=3401Ωgm=4015μSμ=13.7V/VEf=9.0V、If=3.04AEp=700VでEg=-18.0Vのとき、Ip=79.73mArp=3493Ωgm=3944μSμ=13.8V/V【2本目】Ef=10.0V、If=3.30A(ややフィラメント電力が高目ですのでエミッションも高め)Ep=700VでEg=-22.2Vのとき、Ip=80.11mArp=3153Ωgm=4077μSμ=12.9V/VEf=9.5V、If=3.20AEp=700VでEg=-22.0Vのとき、Ip=80.02mArp=3213Ωgm=4032μSμ=13.0V/VEf=9.0V、If=3.10AEp=700VでEg=-21.08Vのとき、Ip=79.94mArp=3297Ωgm=3898μSμ=12.9V/V完全なペアではありませんが、普通に使うには十分です。(この手の真空管は完璧なペアを探すのは至難の業だと思いますので)因みに7.5Vでは、Ip特性が寝てしまって、十分機能していないことがわかります。さすがにこれは論外です。今回の測定から、211互換であるということがわかりました。(因みにFullmusicの酸化膜タイプは2.7kΩくらいでした)そして、9.5V点火でも十分な力を発揮できることがわかりました。(9.0Vでも何とか実用になります)この真空管ショップの委託品の委託元オーナーは、船関連の社長さんで、超高級オーディオを楽しまれているとのこと。4242Aなどは、そういう富裕層が趣味で所有するコレクターズアイテムであって、本来であれば私のような分際が気軽に買うものではありません。(今回は偶然にもサンタさんが...)そして、この超高額な真空管購入した代償がこちらです。
Dec 25, 2022
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手持ちにZaerixの4043C(CV1448)がありまして、これは製造はSTCのようで、うっすらとSTCの印字がありました。私はSTC崇拝者ではないので、特にどうでもいいです。左側2本が4043Cで、右側の2本が先日紹介しましたVT25Aです。プレートの大きさが似ていますね。しかし見た目が似ているからって特性が同じではないです。Frankさんの資料室の4043C規格表によると、rpが3500Ωと書いてあります。Ipカーブも見るからにrpが高そうですね...。因みにフィラメントは3本の吊りバネで張ってます。実際の電気特性をetracerで見てゆきましょう。VT25A同様に、フィラメント電圧を7.5V~7.0V~6.3Vと変化させて調べます。1本目まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧が4043Cの規定電圧です)Ef=7.5V、If=1.24A(規格は1.2Aなので少し多め)Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.20mArp=3768Ωgm=2277μSμ=8.6V/V約3.8kΩあります。VT25Aより高いですね。ではEfを7.0Vに下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.20AEp=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.45mArp=3782Ωgm=2288μSμ=8.6V/Vあまり変わらないというか、少し電流は上がった?Efを6.3Vまで下げてみましょう。Ef=6.3V、If=1.10AEp=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.64mArp=3813Ωgm=2254μSμ=8.6V/V2本目まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧が4043Cの規定電圧です)Ef=7.5V、If=1.25A(規格は1.2Aなので少し多め)Ep=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.05mArp=3850Ωgm=2277μSμ=8.7/VではEfを7.0Vに下げてみましょう。(この電圧はVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.19AEp=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.30mArp=3858Ωgm=2254μSμ=8.7V/VではEfを6.3Vまで下げてみましょう。Ef=6.3V、If=1.10AEp=380VでEg=-15.0Vのとき、Ip=38.57mArp=3862Ωgm=2238μSμ=8.6V/Vなんか、殆ど変わらないんですが、何なのでしょう...。ちょっとミステリアスな真空管です。ミステーーーーリアス♪試しにVT25A用のアンプに挿してみました。テスターは当ててませんが、たぶんバイアスは浅くなって振りしろが少ないので0.3W出るか出ないかではないでしょうか。(静かに鳴らすぶんには綺麗な音がしています)ということで、4043Cはプレート抵抗的に見るとVT25Aのジェネリック製品となることは無理のようです。10はrp5kΩくらいあるので、この4043Cはrpは10でプレート損失はVT25A的な位置づけですね。使い方は10に近い10~14kΩくらいの負荷でA2級動作させるのが良さそう。そして、この球もVT25A同様にEF=6.3Vでも十分使えることが解りました。フィラメントのエミッションにに余裕があるのかもしれません。こちらもVT25A同様にEfを変えないコンパチ機であるなら7.0V、専用機なら7.0V以下~6.3V以上が寿命的にも無難かなと思います。
Dec 23, 2022
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そうそう、紹介するのを忘れていました。先日紹介したVT25Aを聴いているアンプは、ソフトンのModel8-VT25Aというアンプです。実は、ソフトンに問い合わせたとき、真空管の在庫の関係で残りが1台のみとのことで...駆け込みで購入した感じです。(^_^;VT25Aに関しては先日のVT25Aの記事を見て頂けると嬉しいです。このアンプは12AU7(1/2)の後のドライバー段はPchのMOS-FETで、終段まで全て直結です。技術的な解説は、こちらのページに書かれています。途中にFETが入り、しかもプリント基板で配線されているので、その手のアレルギーの人には向きません。以前購入したソフトンの205Dシングルアンプと回路的には同じです。因みにこのアンプはVT25A専用ですので、rpの高い10や801Aなど挿した場合はロードラインを無理矢理立てた風になるので、かなり出力は落ちるとのこと。試しに挿して聴くには面白いかもしれませんが、高rp球に対してトランスのインダクタンスが足りないような音(低音がスカスカで、高域寄りな割に高域はあまり伸びやかでないように聞こえる...みたいな音)になるかなぁと思われます。このVT25Aのアンプは、端正な音作りで私好みです。NFBが深く掛かったアンプですと、ちょっと詰まったような(濁って籠もったような)音がするのですが、これはその音はしません。昔、知人宅で聴いたL社のキットの真空管アンプは音は綺麗なのですが、なんというか詰まった音がしたんです。それが脳裏に焼き付いて...それ以来、何となくNFBを深く掛けているアンプは敬遠していました。昨今の最新の技術で設計されたアンプは、ある程度のNFBで十分な性能も出るので、端正で澄み切って聴きやすい音質になっているようです。特にピアノの音色は抜きん出て良いと感じました。先日はピアノをリピートで聴いたまま寝てしまいました。(まぁ疲れていたこともありますが)たまたま購入した、レイナルド・アーン(1874-1947)作曲の「ピアノのための詩 『当惑したナイチンゲール』 (全曲)」というCDの演奏がとてもリラックスして聴けます。このCDはオススメです!!
Dec 22, 2022
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10族でありながら、殆どデータの無いVT25A...。とても有名なのに、ある意味で「謎球」だと思いませんか?10に関しては、6畳間の真空管アンプたちの「10(VT25)の実測データ」が参考になります。真空管の先輩がこうやって実測データと考察を丁寧に書かれていると、本当に勉強になります。私のようにただデータをとって面白可笑しいことを書いて終わりというのとは雲泥の差です。手持ちのVT25AはソフトンVT25Aシングルアンプに付属しているNationalのVT25A。製造はSYLVANIAです。こんな感じで挿さっています。10(VT25)は12Wほどのプレート損失ですが、VT25Aは1.5倍以上大きなプレートを持っていますので、20Wはあるかなと「仮定」して話を進めます。後日談:15~18W程度ではないかという話もあります因みにフィラメントは酸化膜ですので煌々と輝きません。「寂しい」とか「薄暗い」とか言わないように! (^O^;そしてフィラメントに関してですが、7.0Vが正規の電圧のようです。(後ほど述べます)では、早速etracerで測定しましょう。1本目まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧は10や801Aなどのフィラメント電圧で、長時間使用は寿命を短くします)Ef=7.5V、If=1.23AEp=380VでEg=-24.0Vのとき、Ip=38.61mArp=2689Ωgm=3043μSμ=8.2V/V高圧側のIpが浮き気味です。ではEfを7.0Vに下げてみましょう。(この電圧がVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.15AEp=380VでEg=-23.8Vのとき、Ip=38.81mArp=2705Ωgm=3062μSμ=8.3V/V6.3Vで測ってみます。(この電圧は航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)Ef=6.3V、If=1.05AEp=380VでEg=-23.5Vのとき、Ip=38.76mArp=2762Ωgm=3003μSμ=8.3V/V2本目まずは7.5Vを掛けて測定してみます。(この電圧は10や801Aなどのフィラメント電圧で、長時間使用は寿命を短くします)こちらは、普通の特性です。Ef=7.5V、If=1.13A ←電流が低いですね。製造上のバラツキかな。Ep=380VでEg=-24.0Vのとき、Ip=39.82mArp=2735Ωgm=2974μSμ=8.1V/V1本目と同じく7.0Vで測定してみます。(この電圧がVT25系の正規電圧だそうです)Ef=7.0V、If=1.05AEp=380VでEg=-23.8Vのとき、Ip=40.00mArp=2771Ωgm=2923μSμ=8.1V/Vさて、2本目の6.3Vはどうでしょうか?(この電圧は航空機の駐機中で使用する電圧だそうです)Ef=6.3V 、If=0.99AEp=380VでEg=-23.5Vのとき、Ip=39.76mArp=2895Ωgm=2793μSμ=8.1V/Vフィラメント電圧について銘球列伝の「VT-25/VT-25A(オキサイドコーティングタイプ) 送信用直熱3極管」の記事によりますと、7Vだそうです。航空機用の無線機に用いられ、空中では7Vで動作させ、駐機中には6.3Vで動作させたとのこと。それで6.3Vでも余裕で動いたのか....。この銘球列伝はとても参考になります。VT25Aの電圧に関する記事は、ahiru43h2oさんのブログの「VT52 と VT25 と VT25A の フィラメント電圧」と「VT52とVT25とVT25Aのフィラメント電圧 その2」があります。今回の結果から、VT25Aのプレート抵抗は2.7kΩ前後ということがわかりました。10(VT25)のプレート抵抗は5kΩ前後なので、しっかり低いですね!よく出回っている7kΩ程度のトランスが使えるのは良いことです。そして、フィラメント電圧ですが、フィラメント電圧7V(6.3V)の話もあり、今回取得したデータからもその7Vの信憑性は高いと思われます。ソフトン製のVT25Aシングルアンプも電圧を測定したところDC6.98Vになっていたので、7V規格に準拠しているといえます。今までは10系は全部7.5V掛けると思っていましたが、10系とVT25系は似て非なるものとも言えますね。近々紹介しますが、トリタンの10系は7.0V以上が実用範囲内なので、Efを切り替えないコンパチ機なら7.0Vが良いのでは?と個人的には思います。私なら6.3Vに近い動作まで落とすと思います。手持ちに4043C(CV1448)があるのですが、プレートの大きさがVT25Aに近いので、こちらも近々測定して紹介しようと考えています。
Dec 21, 2022
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TelefunkenのRS288は、A2Laboratoryの「哺乳瓶みたいの」という記事と「RS288」という記事でRS288が紹介されていて、メッシュというか本当に網の籠のような不思議な形状の電極に見惚れてしまい、ebayで買いました。というか、気がついたら購入ボタンを押していました。「考えるな、購入しろ」(ブルース・リー風に)そんなわけで届いたのがこちら。以前、私のブログで「RS289という真空管」というのを紹介しましたが、このRS289よりプレート損失が少し低目の五極菅です。 Foundation for German communication and related technologiesのRS287-RS291規格表を見るとわかるとおり、RS288はRS289とはピン接続が異なりますので差し替えは出来ません。それにRS289のほうがrpが低くバイアスがずっと深いので、電気的にも同じようには使えないです。プレート損失の違いというより、全く異なる真空管という印象です。印字があります。TelefunkenRS2881本目はNr.7475/118、2本目はNr.101591/1239/IIのシリアル番号。4.0V反対側も印字があります。RLMEigentumBAL716一番下は、2本目28 39の表示、2本目01 40の表示。(週と年でしょうか....?)実際に見てみると、本当に網の籠です。プレートは箱形のメッシュ。不思議な形ですmr。荒いメッシュなので、各電極、そして中心のカソードがよく見えます。etracerで三結特性を測定してゆきましょう。【1本目】(Nr.7475/118、28 39)Eh=4.0V, Ih=1.56A三結Ep=250VEg1-7.8VIp+Ig2=29.63mAIg2=5.08mArp=2471Ωgm=8478μSμ=21.0V/V五結Ep=250VEg2=175VEg1=-3.6VIp=29.53mAIg2=5.69mArp=92278Ωgm=8656μSμ=798.8.9V/V【2本目】(Nr.101591/1239/II、01 40)Eh=4.0V, Ih=1.68A三結Ep=250VEg1=-7.8VIp+Ig2=29.78mAIg2=5.05mArp=2419Ωgm=8338μSμ=20.2V/V五結Ep=250VEg2=175VEg1=-3.5VIp=29.49mAIg2=5.56mArp=80682Ωgm=8619μSμ=695.5V/V三結の直線性はあまり良くないですが、許容範囲です。規格表でG2はMax200Vとなっていますが、Ep以下であればある程度は大丈夫という私の中のルールがあります。(笑)五結の低電圧領域は凹みも殆ど無く良いと思います。ただ、スクリーングリッド電流は結構流れる印象です。Esgは最大200V(定格150V)なのもわかります。今回の測定結果から、なかなか使いやすい真空管であることが言えます。・250Vで30mAほど流して使う感じ。・7kΩの出力トランスが整合しそう。・感度が良いのでドライブが楽そう。・直線性はあまり良くなさそう。(いいんです!個性です!)この記事を書いてしまうと「使える真空管」ということがわかってしまい、一気に市場から消えてしまうのではないかと懸念していますが大丈夫です。あと20年したら断捨離で2本は市場に出ます(笑)のでご安心を。
Dec 16, 2022
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よく使われる6SJ7。五結特性はデータシートがネット上にありますが、さて三結特性はどうなのでしょうか。6SJ7の高信頼管と言われている5693はどうなのでしょう。そのあたりを探っていこうと思います。実は最近、帯状疱疹になってしまい、まだ痛みが残っています。そのような状態ですので、今回は測定するのがしんどくて、サンプルは少ないです。(測定するのにも手間と時間がかかりますので、どうかご勘弁下さい)★RCA5693GEも持ってますが、今回はRCAのみです。三結特性Ep=130V、Eg1=2.5Vのとき、Ip(+Ig2)=8.14mAIg2=1.91mArp=7260Ωgm=2708μSμ=19.7V/V試しににG3をG2に接続してみました。Ep=130V、Eg1=2.7V(普通の三結の電流に合わせた)のとき、Ip(+Ig2+Ig3)=8.15mAIg2+Ig3=2.77mArp=6935Ωgm=2739μSμ=19.0V/Vrpが低くなってμが低くなるという結果になりました。前段に使うに関しては、メリットが見いだせません。五結特性も実測してみましょう。Ep=130V、Eg2=100Vで測定します。Ep=130V、Eg2=100V、Eg1=2.2VのときIp=4.99mAIg2=1.14mArp=1755658Ωgm=2283μSμ=4008.2V/V★東芝6SJ7他にNEC、TEN、松下を持ってますが、今回は東芝のみです。三結Ep=130V、Eg1=3.4V(RCA5963の電流に合わせました)のとき、Ip=(+Ig2)8.14mAIg2=1.92mArp=6538Ωgm=2884μSμ=18.9V/V五結Ep=130V、Eg2=100V、Eg1=3.0V(RCA5963の電流に合わせました)のときIp=4.93mAIg2=1.14mArp=2675947Ωgm=2298μSμ=6149.7V/Vアダプタを介して6J7も調べてみましょう。★CBS-HYTRON 6J7小さい!!三結Ep=130V、Eg1=1.3V(RCA5963の電流に合わせました)のとき、Ip(+Ig2)=8.19mAIg2=1.83mArp=9616Ωgm=2004μSμ=19.3V/V五結Ep=130V、Eg2=100V、Eg1=1.5V(RCA5963の電流に合わせました)のときIp=4.88mAIg2=1.07mArp=889035Ωgm=1687μSμ=1499.5V/V★NEOTRON 6J7見た目がEF37です。三結Ep=130V、Eg1=1.4V(RCA5963の電流に合わせました)のとき、Ip(+Ig2)=8.00mAIg2=1.61mArp=10234Ωgm=2094μSμ=21.4V/V五結Ep=130V、Eg2=100V、Eg1=1.5V(RCA5963の電流に合わせました)のときIp=4.86mAIg2=0.95mArp=2839683Ωgm=1722μSμ=4891.3V/Vサンプルが少ないですが、結論としては、・6J7を6SJ7同等の電流値にしたいときはバイアスを浅くする必要がある。・6J7は6SJ7よりgmが低い。・6J7は6SJ7よりrpが高い。・6J7は6SJ7より直線性が良い。・μは三結で19~21くらいなのはどれも殆ど同じ。手持ちに有れば使いますが、わざわざ何千円も出して買ってまで6J7を選ぶ必要は無いなぁという感想です。6SH7は6SJ7に比べて感度が高い球なので増幅率も期待できそうです。別の記事で紹介する予定です。EF37はどうなんでしょうね。6J7に近いでしょうか?別の記事で紹介してみたいと考えています。因みに6SG7という球は6SH7に似ていますが、セミリモートカットオフのようです。好んで使用される方も居られるので、たぶん歪み打ち消しの為かもしれません。こちらも近いうちに紹介しようと思います。
Dec 12, 2022
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以前紹介しましたPHILIPS 4624 シングルアンプの、PHILIPS 4624 シングルアンプの改良(その1)続編となります。今回の改良点は、以下の通りです。・出力端子を黒-赤-赤-黒-赤-赤から赤-赤-黒-黒-赤-赤に変更・出力トランスを7kΩ11W→14kΩ30Wに変更・真空管のPHILIPSロゴが前にくるように変更・ハンダ不良箇所が幾つかあったので、ハンダ修正今回最大の変更点は出力トランスなのですが、前回のブログでも書いたように、低音が薄いんです。しかしこれは前オーナーと異なる環境(スピーカーや部屋)で聴くので仕方の無いことです。(私は前オーナーが一生懸命作ったアンプの製作意図や音楽に対する想いを出来るだけ尊重する方針です)ここは環境に合わせて、ある程度は変更すべき所かなと思いました。さて、トランスの選定ですが、ゼネラルトランスさんには14kΩのトランスは、PMF-30WS-14KとPMF-20WS-1410があります。(PMF-7WS-14Kというのもありますが、あまり電流を流せないので大型管には不向きですし周波数特性が悪すぎて論外です。何よりも私は小さな出力トランスが大嫌いです。あまり好きではありません。)インピーダンス特性を見ると20WS-1410のほうが、なんというか巻き数で稼いでいるような特性で30WS-14Kはコアの大きさで対応しているような印象でした。(あくまで素人のイメージです)2台買うと1万円近く違いますが、ここは自分の考えを押し通すことに。元々のPMF-11WS-7K-BOXと新しく取り付けるPMF-30WS-14Kでは穴位置が全くことなります。(そもそも大きさが異なりますし、重さは倍も違います)そこで、今までのシャーシの穴をそのまま使えるよう、アルミの変換アダプタを作りました。これで何とかなりそうです。出力トランス取り付けの配線は、小さなシャーシに密集した部品を避けながらですので苦労しました。他人が作ったものなので苦労します。キワドイ空中配線も多く、高圧のところは気をつけます。良い感じで取り付けられました。このアンプの最終的な変更点は、以下のようになっています。・入力切り替えSWを介さず直結・入力VRを介さず47kΩの固定抵抗に変更。・初段のC3gを五結から三結(Sgには120Ωを挿入)に変更・初段のC3gプレート負荷抵抗を三結に合わせ56kΩ→51kΩに変更・C3gのプレート負荷抵抗の抵抗値を変更・終段グリッド直前に3.3kΩの抵抗を取り付け・RCA入力コネクタの位置を、上赤R/下白Lを 上白L/下赤Rに変更。・出力端子を黒-赤-赤-黒-赤-赤から赤-赤-黒-黒-赤-赤に変更・出力トランスを7kΩ11W(4Ω端子を使い14kΩに見立ててる)→14kΩ30Wに変更・真空管のPHILIPSロゴが前にくるようにソケットの向きを変更・ハンダ不良箇所が幾つかあったので、ハンダ修正後ろの出力トランスが大きくなって、結構重くなりました。Before...After.入手したての頃と比べると、・とにかく圧倒的にローノイズ(入力端子から初段まで直結したので)・定期的なプツプツ音がなくなった(初段Sgに入ったZDが悪さをしていた)・低音の量感が増し、フラットな聴感になった(出力トランスで改善)・解像度が向上した・教会での録音を聴くと、残響感が大変素晴らしい7kΩのトランスの4Ω端子を使って14kΩに見立てる手法は中高域はマッチングがとれますが、低域に関してはインダクタンスが足りない「薄い低音」になります。今回、コアの大きな出力トランスの導入は正解でした。ようやく前オーナーのアンプから私のアンプになったという感があります。ご縁があって引き継いだアンプです。大切に使いたいと思います。
Dec 11, 2022
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「そういえば最近ラジオ聴いてないな....」ふと、そんなことを思いまして。ヤフオクでチューナーを落札しました。送料込みでも3000円以下。AurexのST-420という機種です。結構汚れていたので、中性洗剤などで拭いたら、そこそこ綺麗になりました。一部ランプがつかないなど不具合はあるものの、チューナーとしては普通に使えています。因みにこのチュナーは1976年当時47800円だったようです。オーディオの足跡「Aurex ST-420」AM2連、FM4連バリコン搭載しています。ああ、FMラジオの音ですね。懐かしいです。このナローレンジで圧縮された感じの音。たまたま50~60年代の音楽が流れてましたが、こういうのは良いですね。ただ、普段CDやSACDなどを聴いていると、メインで聴きたいものではないです。なので、私にとっては数千円の出費で丁度よい感じです。AMは筐体後部のアンテナでは能力不足で受信できませんでした。
Dec 10, 2022
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FEDERALというメーカーのF123Aという真空管。このタイプはFEDERALと数社のみしか出ていないようです。125Wのプレート損失。規格はTube collectors associationウェブサイトのF123A規格表が参考になります。10V4Aのフィラメント。40Wの電力です。実にパワフル。フィラメントは211と同じく2本吊り。かなりしっかりした球ですが、価格はRCAの211などに比べると安いです。というか、RCAなど有名どころの211が高騰しすぎている感がありますね。トッププレートということと、フィラメント10V4Aで211用電源トランスが使えないという、211とは異なる点が多いです。例えばAC10V5Aのトランスでブリッジ整流しての直流点火は10V3Aの211はOKですが、10V4AのF123Aは厳しいです。こういう扱いにくさが211などより一回りフィラメント電力の高い真空管が不人気な理由かと思います。1本目(ロット番号B53219-8)EP=700VでEg=-24.0Vのとき、Ip=85.99mArp=2667Ωgm=5030μSμ=13.4V/V2本目(ロット番号2W707-1)EP=700VでEg=-22.3V(1本目のIpに会わせました)のとき、Ip=85.09mArp=2696Ωgm=5076μSμ=13.7V/Vこの測定から、F123Aは、「プレート損失120Wでフィラメント電力の大きなトッププレートの211」とみて良いかなと思います。細かいところでは違いますよ。ただ、オーディオ用途でルーズにつかうぶんには「ほぼ互換」といえます。ただ、前述のようにフィラメントは211と同じ10Vですが電流が4Aのため普通の211用電源トランスでも十分に余裕のあるものが必要です。安くあげるならスイッチング電源でしょうか。ノイズの問題はありますが。オーディオで使うには無駄に明るく無駄に熱い、効率の悪い球といえますが、それがいいんです。
Dec 9, 2022
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手持ちにFullmusicの211SLという真空管があります。といっても、211のようで211でないような....。入れ物だけは立派です。トリタンではなく酸化膜フィラメント。10Vの0.65Aです。(めっちゃ効率よくないですか?)煌々と光りません。この点は普通の211と最大の異なる点です。そしてこの不格好さ。ゆえに不人気。ゆえに中古を物凄く安く入手。ああ、この不格好さは何でしょう...。たぶん表面積を増やして放熱ボリュームを持たせたのでしょう。いや、気持ちはわかりますよ。気持ちはわかりますが...。フィラメントは4本吊り。効率を求めた結果でしょう。そしてめっちゃ暗いです。フィラメントの灯りはマイカ板に遮られて見えません。僅かにプレートの隙間から通電されていることが確認できるくらい。見た目は全く魅力の無い球です。そんな魅力の無いところが好きですよ、私は。こんなことを言えるのは超格安で買ったからですが、定価で買ったら発狂ものですよ、これは....。手放した人も、きっと「光らない」し「絶望的に不格好」で発狂して手放したのかと。(いや、それは言い過ぎ)では、気を取り直してetracerで特性を測ってみましょう。1本目(ロット番号A812-8)EP=700VでEg=-24.0Vのとき、Ip=81.80mArp=2679Ωgm=4535μSμ=12.1V/V2本目(ロット番号A812-16)EP=700VでEg=-22.8V(1本目のIpに会わせました)のとき、Ip=81.15mArp=2790Ωgm=4424μSμ=12.3V/V10V0.65Aですから僅か6.5Wのフィラメント電力。5V換算ですと5V1.3A。なんと300B並。このフィラメントでこれだけのエミッションを保っているのは凄いです。まったく弛みのない綺麗なIp特性です。球の見た目は不格好ですが。ところで211という真空管は、低電圧動作ですと僅か1~3Wしか出せません。真空管のフィラメント自体は効率が良いですが、そもそも211が低電圧のA級アンプで使うには効率が悪すぎることがグラフからもわかります。プラス領域まで振ればもう少しパワーが出せますが、そこまでやりたいか?と聞かれたらノーです。まぁ我々は1Wもあれば十分です。超絶安く買った球ですから安く作って遊ぶのも悪くありません。それにしても、なぜこんなデザインにしたのか。そこまで放熱を重視しなくてはいけないのか。謎は深まるばかりです。そういう意味では「謎球」と云えましょう。(笑)このタイプで気をつけなければならないのは、電流の低いフィラメントを高い電流を前提としたトランスで灯すと供給する電圧が高くなります。(あまり電圧降下しないので)そうなると寿命を縮めますから、抵抗を入れて調整するか定電圧回路で点火ですね。
Dec 7, 2022
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