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※BGMと共にお楽しみください。制作会社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。 1876(明治9)年5月5日、端午の節句に歳三は士族の子息として生まれた。 士族といっても、長州や肥後、土佐、薩摩といった新政府側のそれではなく、土方家は会津藩の元家臣という旧幕府軍―所謂“賊軍”だった。 戊辰の戦(御一新)からまだ8年という短い歳月の中で、旧会津藩士達は不毛の地・斗南へと強制移住させられ、そこで辛酸を舐めた。 土方家は、かつては名家として名を馳せていたが、御一新後は没落の一途を辿り、遂に先祖伝来の家宝まで売り飛ばし、雀の涙ほどの金を生活費に充てる程、困窮していた。「何ですって!?」「これはもう、決まった事なのだ。」「そんな・・歳三を奉公へ出すなんて・・この子は、いつかお家を再興する為には・・」「もう、いい加減目を覚ませ、恵津。わたし達には帰る郷も、仕える主も居ないのだ。」「どうして、どうしてわたくし達がこのような目に遭わねばならぬのです!我ら会津藩を一方的に賊軍扱いしたのは薩長だというのに!」 そう言って嘆き悲しむ母の顔を、歳三は不思議そうな顔をしながら彼女を見ていた。 その日の夜、恵津は歳三と心中しようとしていた。「一緒に死にましょう、歳三。」 そう言って涙を流しながら自分の首を絞める母の顔しか、歳三は思い出せなかった。 目が覚めると、両親は棺の中で眠っていた。「奥方様・・」「何という事でしょう、こんな・・」「薩長が憎くて堪りません・・若様をみなし子にして・・」 土方家は会津藩士であったが、江戸屋敷詰めで長い間江戸で暮らし、一度も国元へと帰った事がなかった。 その為、孤児となった歳三を引き取る親族が居なかった。 漸く連絡がついたのは、大阪・道頓堀で芝居小屋で営んでいるという胡散臭い男だった。「どうか、若様をお願い致します。」「へぇ、任しておくんなはれ。」 男はそう言うと、歳三を道頓堀へとつれていった。 しかし、彼の話は全くの嘘だった。 彼が歳三を連れて行ったのは、京都・宮川町にある女郎屋だった。「阿呆、男を女郎屋へと連れて来てどないすんねん。女ならまだしも・・」「じゃかぁしぃ、わしかてこいつをここまで連れて来とうなかったわ。」「われ、こんな小僧一人で借金帳消しに出来ると思うてんのけ?」「汽車代位出して貰うてもええやろ。わざわざここまで来たんやさかい。」「よう言うわよ。まぁ、こないな別嬪滅多にお目にかかれへんから、下働きとして雇ったるわ。あんた、名前は?」 歳三は頑として女に自分の名を教えなかった。「これ、食うけ?」 女が歳三にそう言って手渡したのは、食べかけの大福だった。 歳三は首を横に振った。 他人の食べ残しなんて、死んでも食べたくない。「ふん、元侍の子やなんか知らんけど、お高くとまってんちゃうぞ。おいお前、今から雑巾で廊下拭いてこい。」「はい・・」 女郎屋での仕事は、辛くきつかった。 女郎部屋や厠掃除、使い走りに至るまでありとあらゆる雑用をさせられ、少しでも遅れると女将から罵倒と折檻の嵐を受けた。「この穀潰し!お前なんか死んでまえ!」 歳三はまともに食事を貰えず、いつもひもじい思いをしていたが、決して他人の食べ残しには手をつけなかった。 そんなある日、歳三は女将が母の唯一の形見である簪を質屋へ売ろうとしているのを見て頭に血がのぼった。 彼は彼女を近くにあった折檻用の棍棒で殴って気絶させ、周囲が慌てふためいている隙に女郎屋から飛び出した。「誰か来てくれ、人殺しや~!」 粉雪が舞う中、歳三は母の形見の簪を握り締めながら、京の街を只管走った。「こっちや!」「逃がすな!」 追手の声が近づいて来たので、歳三は路地裏に隠れた。 空腹と寒さで、歳三はそのまま意識を失った。「お芝居、楽しかったなぁ。」「あんた、簪のまねきには好きな役者に名前書いて貰うたんか?」「へぇ。」「それは良かったなぁ。ほんまは三が日に行きたかったんやど、色々忙しゅうていつの間にかこんな時期になってしもうて、堪忍なぁ。」 祇園甲部にある屋形「野村」の芸舞妓達と女将・佳代がそんな事を話していると、玄関前に一人の子供が簪を握り締めながら倒れている事に気づいた。「何や、どないしたん?」「おかあさん、この子どないしまひょ?」「奥村先生を呼び。さえ、あんたはこの子を奥の部屋へと運びよし。」「へぇ。」 歳三はこうして「野村」の“子”となったのだった。「先生、あの子は?」「栄養失調に軽い肺炎になってる。それに全身に折檻の痕があるわ。」「お~い、誰ぞおらんか!」「何ですの、そない大きい声出さんでも聞こえてますえ。」「ここにガキが一人逃げ込んで来たやろ?はよ出せ。」「うちら、そないな子見た事ないわ、なぁ?」「へぇ。」「おいこら、ふざけた事抜かすな、はよ出せいうとんのや!」「あんたみたいなヤクザ者に、うちの子は渡せまへんなぁ。」「何抜かしとんねんボケェ!あいつはうちが金で買うた子や!あいつを煮るなり焼くなりしようがこっちの勝手じゃボケェ!」「ほな尚更あんたみたいな人には渡せまへんなぁ。うちで預かったからには、あの子はもううちの子どす。」「畜生!」 顔に青痣がある女郎屋の女将は、舌打ちして「野村」から去っていった。「さえ、あないな事言うてもな、ここは屋形なんよ。男子を預かってどないする気やの?犬猫の子を拾うとは訳が違うんやで。」「せやかておかあさん、男子でもこないに別嬪はそうは居てまへんえ。いっそこの子をこの屋形の跡継ぎとして育てたらどうやろか?」「そないな事、出来るかいな!」「やってみぃひんとわからへんやないですか?」「京の芸妓は、京生まれでないと務まりまへんえ。」「何言うてはりますの。うちとおかあさんは紀州の出やないですか?」「まぁ、ここでこの子と会うたのも何かの縁や。」 佳代とさえがそんな話をしていると、歳三がゆっくりと紫の瞳を開いて二人を見た。「気ぃついたか?」「あの、ここは?」「いやぁおかあさん、綺麗な瞳してはるわぁ、この子。」「安心しぃ、今日からここがあんたの家や。あんた、名前は?」「歳三・・」「勇ましい名前やなぁ。でもあんたは芸妓になるんやさかい、華やかな名前にしよか。そうや、竜胆ていうのはどうや?あんたの瞳の色とぴったりや。」 元士族のみなし子・歳三が、芸妓・竜胆への道を一歩歩み出した瞬間(とき)だった。「へぇ、そないな事が・・」「すいまへん、誰か居てはりますやろうか~?」「うちが出ます。」 歳三がそう言って「野村」の玄関先に出ると、そこには洋髪姿の女が立っていた。 女は、歳三の顔を見ると、口端を上げて笑った後、彼に向ってこう言った。「いやぁ、誰かと思うたらトシちゃんやないの。うちの事、覚えてる?」「・・八千代姐さん。」 もう二度と会いたくないと思っていた女との再会に、歳三は酷く狼狽えた。にほんブログ村
2020年12月31日
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2020年はコロナに振り回された一年でしたね。 まあ、基本的におこもり大好き人間なわたしには、自粛期間とかは日常生活の延長みたいなかんじで実感がありませんでした。 来年も創作活動頑張りたいと思います。 コロナ終息したら、日野や会津、函館に行きたいですね。 2020.12.27 千菊丸
2020年12月27日
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「薄桜鬼」の二次創作小説です。制作会社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。 1912(大正元)年8月1日、京都。 この日は、「八朔」と呼ばれ、芸舞妓が日頃お世話になっている芸事の師匠やお茶屋に感謝の思いを伝える行事である。 その日に、晴れて舞妓として店だしを迎えた一人の少女が居た。「千鶴ちゃん、おめでとうさん。」「おおきに、おかあさん。」 白粉で顔を塗り、下唇だけ紅をつけたその少女の名は、雪村千鶴。 元は医者の娘であったが、ひょんなことから祇園甲部にある屋形(置屋)「野村」の仕込み(見習い)となり、厳しい修業を経てこの晴れの日を迎えたのであった。「おかあさん、これからは千鶴ちゃんやのうて、“春月”ちゃんどす。」「あぁ、そうやったなぁ。いつも呼んでたさかい、気がつかへんかったよぉ。」「もう、おかあさんたら。」「春月ちゃん、これから色々と辛い事あるやろうけれど、気張りよし。」「へぇ。おおききに、鞠千代姐さん。」「まぁ、あんたには竜胆さん姐さんがついてはるから、大丈夫や。」「そやなぁ。」 さえと鞠千代がそんな事を話していると、二階から一人の芸妓が降りて来た。「春月、おめでとうさん。」「おおきに、竜胆さん姐さん。」「ほな、そろそろ行きまひょか。」「へぇ。」 黒紋付の振袖とだらりの帯姿の千鶴は、男衆に手をひかれながら、贔屓筋の置屋や料亭、そして芸事の師匠宅への挨拶回りをした。「八朔の日にお店だしは、えらい縁起が良いなぁ。春月ちゃん、これからもお気張りやす。」「おおきに、これからも精進致します。」 そう言って、千鶴は頭を深く芸事の師匠へと下げた。「あぁ、疲れた。」「そんな事を客の前では二度と言うんじゃぁねぇぞ。」「竜胆さん姐さんこそ、そないな言葉遣いは、やめておくれやす。」「うるせぇ、俺ぁ、こんななりしているが、江戸の男だ。」「今は江戸やのうて、東京どす。」「うるせぇ、どっちも同じだろうが。」 そう言って竜胆こと土方歳三は、乱れた髪を直す振りをして、鼈甲の簪で頭を掻いた。 地毛で日本髪を結う舞妓とは違い、芸妓の髪は殆んどカツラだ。 だが、歳三だけは舞妓時代から伸ばしている髪で、「島田」という芸妓の髷を週に一回、髪結いに結って貰っている。 それ故、髪を結ったら最低七日は洗えないのだった。「暑くて仕方ねぇや、畜生。」 京都の夏は、東京のそれとは違い、盆地であるが故に、うだるような暑さだ。 千鶴と歳三は、上半身や顔には全く汗を掻いていないものの、下半身は汗で濡れ、それが黒紋付の振袖や着物に吸い込まれ、自然と二人の足取りが重くなった。「大丈夫か?」「へぇ。」「あと少しで屋形に着くさかい、お気張りや。」「へぇ。」 漸く挨拶回りを終えた二人が屋形に着くと、二人を迎えた「野村」の仕込み・さゆりは、すかさず二人に冷たい麦茶を出した。「さゆり、何べんも言うてるやないの、そないな冷たい飲み物出したらすぐにお腹壊してしまうやろ!」「へぇ、すいまへん!」「まぁまぁ、そないに怒らんでもええやないの。さゆりかてこの暑い日に挨拶回りした姐さんの事気遣ってくれたんや。」「さゆりちゃん、おおきに。」「今日は夜までお座敷詰まっているさかい、二人共鰻でも食べて精を出しよし。」「おおきに、おかあさん。」「ただいま~!」 玄関の戸が開き、一人の少年が居間に入って来た。 彼は野村利三郎、女将の一人息子だった。「あら利ぃちゃん、お帰り。」「その呼び方、やめてよ。」 利三郎はそう言うと、栗鼠を思わせるかのような大きな緑色の瞳を瞬かせた。「あんたも鰻食べたらどう?」「いや、いい。この後、友達の家に行くから。」「そうか。あんたは小さい頃はお母さんお母さんとうちの後ろを金魚の糞みたいについてきてくれたのに、えらい薄情な子に育ったもんやわ。」「まぁおかあさん、男の子なんてそんなものどす。」「竜胆・・いや、トシちゃん。あんたがうちへ来た時は、利ぃちゃんが生まれる前の事やったわな。まだあんたは六つか七つやったねぇ。」「えぇ、姐さんにもそんな時期が?」「あんた、阿呆か。誰もが生まれた瞬間から歩ける訳ないやろ。」「そりゃそうだけど・・」「まぁ、この際やからあんたにも話しとくわな。トシちゃんが何でうちへ来たんかをな。」 さえはそう言って一旦言葉を切った後、茶を一口飲んで静かに話し始めた。「あれは、岐阜で板垣退助はんが襲われはった、三月前の事やったわ。丁度松の内の事やった。その日は、えらい朝から大雪が降って寒かった事をよう覚えてるわ。なぁ、トシちゃん?」「あぁ・・」 歳三は、少しぬるくなった麦茶を一口飲み、初めて「野村」の敷居を跨いだ日の事を思い出していた。にほんブログ村
2020年12月26日
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ユリアン君の初陣シーン、読んでたぎりました。 ヤンは複雑やろなと。 また気になるところで終わり、完結まで一気読みしたい衝動に駆られます。
2020年12月25日
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銀河帝国の大貴族崩壊のくだりが、何だかリアル過ぎて怖かったのですが、キルヒアイスさんの死が衝撃的過ぎて… ラインハルト様、まだ21なの!? 大学生で、キャンパスライフ満喫してるパリピ族な感じやんか(←偏見)! ヒルダさんもかっこよくていいなあ。 ユリアンも結構賢くていい子。 これからかきょうに入ってきそうなので、読むのが楽しみです。 余談ですが、支部で銀河英雄伝説と検索したら、かなりの数の二次小説が色々あって…原作読まないと読めないなと。
2020年12月23日
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わたし、恥ずかしながら今まで家計簿をつけたことがなくて…ダイソーで家計簿を探していたら可愛いお花の表紙の家計簿を見つけたので購入し、12月18日までの分をつけましたが…赤字が多過ぎて絶句しました。わたし、書籍代と文房具代だけでこんなに買いすぎているのか!と、猛省しております。もう文房具類は買いすぎてノートだけでも無印良品のノートを合わせると40冊くらいあるからいいかなと思いました。本は、月刊漫画誌と漫画三冊(3ヶ月か半年に一冊新刊が出る)、小説の文庫二冊(完結済みのシリーズと、半年に一冊新刊が出る)以外買わないようにします。図書館で新刊は予約して借りて読まないとなあ。
2020年12月18日
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久しぶりに読みましたが、怒涛の展開で終わりましたね。 完結編、今から読むのが楽しみです。
2020年12月16日
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犬と人間の絆を感じる物語でした。
2020年12月14日
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高校生の頃から気になっていた作品でしたが、中々手に取れずにいました。 しかし、一念発起して四巻まで購入しました。 まだ壮大な物語の序章というべき一巻ですが、ラインハルトやキルヒアイス、ヤンといった個性的な登場人物が活躍する物語に、一気に引き込まれました。 全十巻という長編ですが、これから、じっくりと読んでみたいと思います
2020年12月14日
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画像はコチラからお借りいたしました。「火宵の月」「薄桜鬼」の二次創作小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。「これは、スウリヤ・・わたしの母上の、ロザリオだ。」「ということは、お前ぇはキリシタンか?」「いや、キリシタンは母だ。母は、わたしが幼い頃姿を消した」 有匡は歳三達に、上洛した後の事や江戸に居た頃のことを話した。「そうか・・」「土御門家といえば、攘夷派の公家でしょう。もしかして君、長州の間者だったりして。」「滅多な事を言うな、総司。」「訳ありのようですね?」「母は、実の父親から命を狙われて、わたし達の前から姿を消したと、母の友人から聞いた。」「そうか。」「土御門家は、わたしが生きて江戸へ戻る事は困るらしい。」「だから、君に深手を負わせた、という事ですね。」 そう言った山南敬助の眼鏡が、キラリと光った。「すいません、どなたかおりませぬか~!」 屯所の門の近くから、少年特有の甲高い声が聞こえて来た。「俺が行きましょう。」「悪いな、斎藤。」「いいえ。」 斎藤が屯所の門へと向かうと、そこには旅姿の少年が立っていた。「ここへは何の用だ?」「こちらに、土御門有匡様はいらっしゃいますか?いらっしゃったら、この文を必ず渡して下さい。」 そう言って少年は、付け文を斎藤に手渡した。「わかった、必ず渡そう。」 斎藤は少年から付け文を受け取ると、副長室へと戻った。「渡したか?」「はい、確かに。」「そうか。これは路銀代わりに取っておけ。」「わかりました。」 男から金を受け取り、少年は歩き始めた。「副長。」「斎藤、それは?」「土御門殿にこの文を渡すようにと・・」「そうか。文を渡した奴の顔は見たか?」「いえ、笠を深く被っていたのでわかりませんでした。」「そうか、下がっていい。」「はい。」 斎藤から付け文を受け取った有匡は、火月が自分を探しに京へと旅立ったと、父からの文で知った。「どうした?」「申し訳ないが、わたしは当分江戸には戻らず、暫くここに滞在しようと思う。」「何故だ?」「妻が、どうやらわたしを探しに京へ向かったと、父からの文で・・」「そうか、で、その女房の名は?」「火月。炎の月という意味だ。金髪紅眼で、年は17。」「随分と若い奥さんだね。君いくつ?」「28だが?」「え、土方さんと同い年なの!?」 総司はそう言うと、有匡と歳三の顔を交互に見た。 新選組屯所で有匡が歳三達とそんな話をしている頃、火月は京に着いたものの、有仁から渡されていた路銀をすられてしまい、路頭に迷っていた。「どないしたん?」「あの、申し訳ないのですが、こちらで働かせていただけないでしょうか?宿代の分まで、働きますから。」「そうか。あんた、見たところええところの家の娘さんやけど、女中の仕事はあんたが思っているよりもきついで。」「大丈夫です、覚悟しています。」「そうか。ほな、明日から頼むわ。」「はい!」 こうして、火月は三条小橋にある旅籠「池田屋」で女中として働く事になった。 女中の仕事は火月が想像していたよりもきつくて大変だったが、江戸に居た頃女中達と共に家事などをしていたので、すぐに慣れた。「あんた、何処から来たん?」「江戸からです。主人を探しに。」「そうなん?あんたの髪、綺麗な色やねぇ。」「そうですか?」「肌も雪のように白くて綺麗やし、うらやましいわぁ。」「まぁ・・」「火月ちゃん、これ明日の朝までに縫うといてな。」「はい、わかりました。」 火月はそう言うと、女将から言いつけられ、大量の針仕事をこなした。(有匡様、今何処に居るのかなぁ?)「女将さん、縫い物終わりました。」「そうか、ご苦労さん。立て続けで悪いけど、これを絹屋へ届けてんか。」「わかりました。」「途中で寄り道なんかしたら許しまへんで。」「はい。」「おい菊、お前あの子に厳しないか?」「何言うてますの。あの子はうちの客やない、うちの女中だす。」 池田屋の女将・菊は、そう言うと帳簿を見た。「すいません、池田屋から参りました。」「わざわざ三条まで、来て貰うておおきに。これ、駄賃代わりとしてどうぞ。」「ありがとうございます。」 絹屋の女主人・玲から受け取った金平糖が入った袋の中から火月は金色の金平糖を取り出すと、それを噛んだ。 甘い味が口の中に広がり、火月が思わず笑みを浮かべていると、彼女は一人の男とぶつかった。「すいません・・」「お嬢さん、怪我は無いかえ?」 そう言って火月に手を差し伸べた男は、不思議な瞳の色をしており、右目の下に泣き黒子があった。「おまん、綺麗な瞳をしちゅうの?」「すいません、急いでいますので!」 火月は慌てて男に頭を下げると、池田屋へと足早に戻っていった。にほんブログ村
2020年12月12日
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短編集でも面白い。 「死亡記事」がデスノートっぽくて良かったです。
2020年12月10日
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戦争と沖縄の、切っても切れない関係は、まさに悪縁といったものでしょうか。
2020年12月10日
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戦争に翻弄された女性達の姿に涙を流しそうになりながら読みました。
2020年12月09日
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函館を舞台にした、切ない愛の物語でしたね。
2020年12月09日
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どの話も痛快で楽しく読めました。印象深かったのは「逆ワシントン」でしたね。
2020年12月07日
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なんだか、春の結婚式まで気が抜けませんね。でも美世と清霞の仲が一層深まっていてよかったです。
2020年12月07日
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清霞の母・芙由が登場。典型的な姑って感じですね。美世に使用人として扱うも、実家での仕打ちに比べればマシだと思っている美世が強いなと。芙由はツンデレなんでしょうね。口では認めていないといいながら、可愛いリボンをあげたりして。ラストが不穏な気配で終わったので、これからの展開が楽しみです。
2020年12月07日
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美世の母方の実家の人間が出て来てややこしいことに。清霞さんは不器用ですが、愛がある男ですね。彼の姉・葉月さんも竹を割ったような性格で好きです。
2020年12月07日
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和風ファンタジーで、シンデレラみたいな主人公・美世が、冷酷無慈悲と噂されている軍人・清霞お幸せになるまでの物語。 美世の境遇がひどすぎるし、彼女の家族、とくに継母と異母妹が屑過ぎて読んでいて腹が立ちましたが、二人に美世が反抗できてよかったです。でも、長年虐待されて自己肯定感が低い美世が幸せになるまでの道のりが長そうですが、完結まで追い続けます。
2020年12月07日
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この画像はコチラからお借りしました。「薄桜鬼」のオメガバースパラレル小説です。詳しい設定についてはコチラのページをご覧ください。土方さんが両性具有です、苦手な方はご注意ください。制作会社様とは関係ありません。二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。 腹を痛めて産んだ我が子が養子に出される前夜、歳三はその子に母乳を与えていた。 誰にも教えられた訳でもないのに、自分の乳首を懸命に吸う我が子の姿を見ながら、彼と離れたくないと思った。「トシちゃん、どうしたの?」「この子と離れたくない。」「そうよね。あなたはもう、母親になったものね。子供を手放したくないのは当然よ。」 信子はそう言ってくれたが、恵津は頑なに子供を養子に出せと歳三に迫った。「母さん、俺は・・」「Ωでシングルマザーなんて、世間体が悪いわ。さぁ、その子を渡しなさい!」「嫌だ!」「往生際が悪い子ね!」「姉さん、乱暴な真似はしないで!」 恵津は強引に歳三から赤ん坊を取り上げると、そのまま部屋から出て行った。「義昌・・」 歳三は暫くの間、ストレスで寝込んだ。 あれから十年もの歳月が経ったが、息子の消息は杳として知れない。「じゃぁ、俺は先に出る。」「また会おう。」 朝日が昇る頃、歳三はホテルから出てタクシーに乗って帰宅した。「ただいま。」 玄関先で出迎えた愛猫にそう声を掛けた歳三は、猫を抱きながらリビングの中に入った。 コーヒーを淹れながら歳三が猫に餌をやっていると、突然インターフォンのチャイムが鳴った。「はい。」『すいません、警察の者ですが、近くで殺人事件が起きたので、怪しい人物などを見かけていないでしょうか?』にほんブログ村
2020年12月04日
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朝ドラというか、昼ドラのような作品でしたが、家族愛に満ちた作品でしたね。あの箏にまつわる秘密がね・・何だか怖いですね。
2020年12月02日
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