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Die With Zero - ゼロで死ね という本を読んであらためて理解したのは、人生は記憶の集積である、ということである。生きている間の時間を使っていろんな経験をする、それが人生であることは疑問の余地はない。しかし、「経験をしてそれで終わり」という一回性のものではなく、経験は記憶となって、後の人生で繰り返し思い出し反芻できる、という点が馬鹿にならない要素なのである。Die With Zero の中で著者は「経験は投資、記憶はその複利」と言った意味のことを主張しているが、一度経験しておくと、それは将来思い起こして何度でも楽しめるだけでなく、経験にさらなる経験が上乗せされて厚みを増し、雪だるま式に大きくなるのである。たとえばボクはもはや30〜40年前の記憶である20代の頃の学生時代の恋愛のいろんな場面を50代になった今でもたまに思い出してニンマリしているのだが(笑)、その後の女性との経験は明らかに当時の経験の延長戦上にあり、まさに雪だるま式にストーリーが膨らんでいる。現在の経験はそれ自体が利益であるのみならず、将来複利式で利息が還り続けるのである。海外放浪の記憶、登山の記憶、マラソン・アイアンマンの記憶…いずれもその後の一見無関係な日常的な経験の際に思い浮かび、役に立つこともある。幼い頃の断片的な経験の記憶も、現在を生きていてこれからの方向性を考える上で指針となる。経験と同じかそれ以上に記憶は重要だ。まあ、「特筆するまでもない、どうでもいい経験や記憶」というのもあるとは思う。毎日繰り返す通勤などのルーティーンなどは毎日同じ経験が上書きされていくだけで、ホントに時間の無駄、人生の浪費だと思う。どうせ同じ時間を費やすなら、新しい経験をして、新しい記憶を作らないと勿体無い。同じようなことをする場合でも、たとえば昨日より今日の方が速く上手に出来るとか、何か進歩があれば新しい経験、新しい記憶になると思う。でも、全然別のことを経験する場合には及ばないと思う。Die With Zeroの著者は、人生を最大限に活かすとは、すなわち経験を最大化することだと言っているが、それはたぶんつねに新しいことを経験し続けることなのだろう。だとすれば、何の進歩もない、同じことの繰り返しは人生の浪費なのだろう。年をとる、老化する、というのも、同じことの繰り返しによって起こることで、つねに新しいことを経験し続けていれば、年をとることも老化することもないのではないか、という思い付きについてはまた別の機会に考察しよう。
2025.01.25
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