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January 19, 2018
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カテゴリ: 宗教と社会

アメリカの細菌学者 ルネ・デュポス博士


「人間は人間を向上させる進歩した選択を通して自分自身をつくりあげるのである」(『人間であるために』)。これが、博士の揺るがぬ信条であった。

限りない可能性を秘めた未来に眼を開き、人間の利己的な利害を超えた新しい世界をいかにして創造していくか。博士は未来の運命を変えうる人間の力を信じた。

「人間の将来というものは、どうしても避けられない宿命に結びつけられているわけではない」「人間と、その住む環境に起こる事柄は、かなりの程度まで人間の想像力と意志の力によって条件づけられている」(『生命の灯』)

そして、化学が社会にもたらす最大の貢献とは、人類と宇宙と人間の本性についての知識を与えるとともに、人間が自らの運命を決め、目標に達する最良の方法を学び取れるよう助けることであると確信していたのである。

いかにして環境問題を解決に導くか。博士は以前から、その方途として“人間性の回復”を強調してきた。人間が「自然の征服」という考えにとらわれている限り、世界の変革はない。真の改革のためには、自然と人間とを調和させる「新しい社会的宗教」が必要である———と。先生との会見でも、博士は“偉大な未来宗教こそ人類の危機を救う唯一の鍵である”との信念を語っている。

先生は、生命(正報)と環境(依報)は不可分と説く「依正不二」の原理を紹介し、トインビー博士とも一致をみた論題について、博士にこう語った。

「仏法は中道です。中道とは人間主義であり、生命主義であります。 21 世紀は『生命の世紀』としていかなければなりません」

デュポス博士は温顔をほころばせ、深くうなずいた。

【「明日を求めて」池田先生の対話録Ⅱ】聖教新聞 2017.10.28






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Last updated  January 19, 2018 05:39:05 AM
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