ラッコの映画生活

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2007.03.14
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
L'ULTIMO CAPODANNO

(99min)

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寸評:イタリア人の精力的バカ騒ぎには生理的についてゆく元気がないし、ややグロいシーンもあるが、ナンセンス・コメディー映画(?)としての出来はなかなか良いのではないか。モニカ・ベルッチのヌード目当てならお薦めしない。

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この映画の日本での'売り'はモニカ・ベルッチの無修正ヌードで、レンタルのジャンルも「洋画エロティック」に分類されているが、そういう映画ではないですね。もちろん彼女のヘアがしばらく出っぱなしではありますがただそれだけで、彼女のベッドシーンなどはありません。内容はまあ'はちゃめちゃナンセンスコメディー'と言うか、原題は直訳すれば「最後の元日」だけれど、イタリア語の雰囲気からやや意訳すれば『地球最後のお正月』とか『人類最後の1月1日』とか『人類終末の年越し』とか言った感じではないでしょうか(?)。たとえばフェリーニの『女の都』とか『カサノバ』なんか見ていても、あの元気過ぎる精力的で騒雑とした人々の騒ぎ方には、ボクはちょっとついていけません。そういう'乗り'のバカ騒ぎナンセンス映画として見れば、これはこれでなかなかの名作ではないでしょうか。下のグラフはIMDb(http://imdb.com/)の観客評の分布ですが、7点を中心とする一般的評価に、大好きな人と大嫌いな人が混ざった結果です。10点をつけるような人にはお薦めですが、1点・2点の人には絶対お薦めできないという映画。ボクは結構好きです。

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物語はローマの閑静な住宅街でしょうか、高級マンション「レ・イーゾレ」のいくつかの部屋と道を挟んだその向かいの一家が舞台で、時は12月31日夕刻から0時の年明けです。夫の浮気を知って悲しみ怒り狂うジュリアの家の年越しパーティー、伯爵夫人シンテッラ家のパーティーとそこに乱入するナポリサッカーチームのサポーター軍団、10年前の夫の失踪以来頭のおかしい一人暮らしの女性、母親と暮らす息子クリスティアーノを麻薬を持って訪れた友人(?)か兄(?)のフィッシュボーン、妻子と離れて一人暮らしのマゾ趣味弁護士リマルディとそこに侵入する悪党3人組、向かいの家に住む一家、そんな人々の年越しが意外な展開へと進み、最後はすべて・・・、というもの。

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(以下ネタバレ)
ジュリアが帰宅すると夫エンツォの姿はない。留守電を聞いているとエンツォが親友のリザと不倫をしていることが分かってしまう。驚き、悲しみ、茫然自失の彼女は、着替え中で裸にブラジャーを付けただけの姿のままで吐き、夫の衣服を始末し、留守電の録音されたカセットテープに向かって怒りの雄叫びを浴びせる。老人ホームに父親を訪ねたとウソをつく帰宅した夫エンツォをジュリアは何も知らないかのように迎え、予定通りに友人を招いての年越しパーティー。彼女の友人で今は夫の愛人と知るリザも来ている。台所に行った彼女は「ちゃんと仕返しをしなければ」と言う母親の幻影を見る。彼女は留守電テープを流し、アクアラング用の水中銃を椅子に座る夫に向けて発射。モリは夫の胸を貫通して椅子の背に刺さり夫を椅子に串刺しにする。恐れをなして逃げ帰る招待客たち。瀕死の夫と並んでテレビを見ながら、テレビのカウントダウンに合わせて栓を抜こうとシャンパンのビンを手にするジュリア。

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別居の妻子に隠れて事務所兼自宅に変態趣味専門の娼婦を呼び、マゾ趣味の行為を楽しむ弁護士リマルディ。そこに書類か何かを盗みに侵入してきた悪党3人組。リマルディはテーブルに鎖でつながれたままだ。ゆすりのためにリマルディの変態行為写真を撮ろうと3人組は思い付くが娼婦は帰してしまった。そこにちょうど10年前に夫が失踪して以来頭が狂い、その夜は各種の薬と酒を飲んで這うことしかできなくなった女がやってくる。3人組は弁護士の上に彼女を天井から吊るし、写真を撮ろうとしている。

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映画冒頭で高速道路でナポリ・サッカーチーム・サポーターの派手なツアートラックにちょっかいを出したバイクに乗ったフィッシュボーン。レ・イーゾレの前の街灯にバイクを繋ぎ駐めると、クリスティアーノを訪れる。2人はクリスティアーノの部屋でフィッシュボーンの持ってきた麻薬を吸ってラリっている。フィッシュボーンは何故かダイナマイトを持っているが、年明けの余興に日本文化会館の池で爆破させて錦鯉を空中に舞わせるなどと言っている。クリスティアーノが部屋の箪笥をズラすとドアがあり、そこを出て裏階段を降りるとセントラルヒーティングの石炭炉が燃えていた。かつてこの炉を設計した技師の娘ハイジは炉の中に落ち死んでしまった。それを嘆く技師の声が今も聞こえるとクリスティアーノは説明する。そこに麻薬の幻覚か技師と娘ハイジが姿を現す。それも消え2人は部屋でラリっているが、部屋を出てフィッシュボーンが居間に見たものは居並ぶ警察官だった。それは招かれた家族の親類や友人だったが、麻薬の幻覚で彼は警察官に見えたのだ。部屋に閉じこもり、ドアを箪笥でブロックするフィッシュボーン。クリスティアーノは「お母さん達だよ」と言うがフィッシュボーンは信じない。

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南部出身のやさ男ガエタノはガソリンスタンドで故郷の旧知でナポリチームサポーター、チームマスコットの七面鳥の衣装を着けたトレッキアと出会う。ガエタノは伯爵夫人シンテッラの愛人(ジゴロ)だ。伯爵夫人の家でも多くの招待客を招いて年越しパーティーが開かれている。隙をみて伯爵夫人はガエタノと抱き合う。そこに現れたのがトレッキア率いるサポーター軍団。サポーター一味の巨漢が落としたクリスマスツリーが向かいの父のダッジを破壊し、争いになる。道を挟んでの花火や銃の撃ち合いだ。ロケット花火の流れ弾はジュリアの家から逃げる夫の愛人リザに刺さり彼女は死ぬ。伯爵夫人は入浴中にトレッキアが電気シェーバーを浴槽に落として感電死。巨漢が落としたテレビで向かいの一家の少年も犠牲となる。ガエタは向かいの一家の老人の撃ったライフルで死に、下に落ちて向かいのダッジの父親も死ぬ。

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そんな中、何を考えたかちょうど年越しの0時、フィッシュボーンはダイナマイトを石炭炉に投げ込んで大爆発。すべては吹き飛んでしまう。遠くの家から見えるのはキノコ雲。朝が近付き、爆発現場の大きな穴には消防車や救急車がきている。そんな廃墟となったレ・イーゾレの壁を壊して人の手が現れる。出てきたのはフィッシュボーン。彼は冒頭での登場と同じようにバイクに乗って去っていく。

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この最後の廃墟となったレ・イーゾレのシーンは1976年のバイロイト音楽祭のパトリス・シェロー演出の『指輪』のセットを(ボクは)連想させられたが、この映画には色々な映画等、あるいはイタリア人ならわかる色々な引用やパロディも含まれているのだろう。例えば悪党3人組はちょっと『ゴッドファーザー』を連想させられるし、マゾ弁護士はフェルナンド・レイにちょっと似ていてお尻出しの衣装等はなんとなくブニュエルの映画を連想させるし。そういうのが解ればもっと楽しめるのかもしれない。人々が享楽的生活をしていたら世界は滅びてしまったとか、神に硫黄と火によって滅ぼされた都市ソドムとゴモラを象徴しているとか、まあ色々解釈することもできるのかも知れないが、バカ騒ぎのナンセンスコメディーとして単純に楽しむべき作品だと思う。ヘアヌードということではなく、またちょっと大袈裟な演技と演出だが、最初の帰宅では「エンツォ、アモーレ!」と夫をまだ愛しているジュリア、夫の浮気を知って悲しみ、動転し、怒り、パティーでは何気なく夫と愛人を観察し、夫を殺害し、それも終えてテレビのカウントダウンを見ている姿で終わるモニカ・ベルッチは、やはり美しく魅力的だった。

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Last updated  2007.03.21 13:51:16
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