アドバンス627さん、

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アドバンス627さんのブログもちょっと拝見させていただきました。盛りだくさんですごいですね。体調が快復したらまたゆっくり訪問させていただきます。

こちらこそよろしくお願いします。 (2007.03.27 21:21:02)

ラッコの映画生活

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2007.03.16
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カテゴリ: フランス映画
J'AIMERAIS PAS CREVER UN DIMANCHE

(91min)

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寸評:人の生の意味と、生に於ける性の意味を問う内容で、やや掘りさげが足りない、あるいは哲学の不足を感じるし、評価も低いものの方が多いが、主演の2人の演技もよく、ボクにとっては中々興味深い映画だった。

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映画冒頭、ストロボライトの明滅するディスコ、踊る若い一人の娘をカメラは追う。彼女は売人からエクスタシーを買って飲むが、やがて倒れてしまう。場面変わって法医学研究所の死体安置公示所。次から次へと運ばれてくる変死体。検視医たちは今夜どこで遊ぶか等を話している。一人が「土曜の夜に騒いで、日曜は死んでるのもいい」というのに対して、別の一人は「日曜に死んでるのはイヤだ」と言うが、このセリフが映画の原題『J'AIMERAIS PAS CREVER UN DIMANCHE』になっている。この「死」は疲れてぶっ倒れているという意味だろうが、「日曜日に死ぬのはイヤだ」という本当に「死ぬ」という意味も掛けていることは映画のラストでわかる。ベンは「起きたらもう遅くって、その一日を駄目にするのはイヤだな。まっ、どうでもいいけど。」と冷ややかだ。エクスタシーのオーバードーズ(?)で死んだ冒頭の娘が運ばれてくる。ベンたちは服を脱がせ、足首に番号札を付して安置所に運ぶが、ベンはその死んだその美しい娘に見とれている。そして深夜彼女を個別安置庫から出すと、彼女を犯した。しかしそのショックで仮死状態だったのだろう、娘は蘇生する。監督は実際にあった同様の事件からこの映画を発想したらしいが、死姦であることはそれほど重要なテーマではない。その際の死体との性交が明確に描写されるわけでもない。重要なのはベンが死者と交わり、死者に生命を与えたことだ。

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さっそく事情聴取となる。不良娘を生き返らせてくれたが死姦したベン(ジャン=マルク・バール)に対して父親の気持ちは複雑だ。取調官はこの娘テレーザ(エロディ・ブシェーズ)が19歳であることを確認すると(フランスの法的成人は18歳)告訴するかを問うが、彼女は告訴しない。余談ではありますが、こういうはっきりしたところがいいですね。テレーザが成人である以上父親は無関係なんですね。19歳の娘が父親に相談するのは自由であっても、あくまで決定権は成人本人にある。だから取調官は父親とは関わらないわけです。ベンは謹慎処分を受けるが、テレーザはベンに付きまとい始める。ここでテレーザがベンに興味を持つのは、別に自分を生き返らせてくれた恩とかではない。毎日酒を飲み、麻薬をやり、踊り、セックスし、そういう自堕落な生活を送っていたテレーザは一度死んで蘇ったことから、生の意味を彼女なりに感じ始めた。そしてそのとき死を恐れながらも生の意味をつかめずに苦悶するベンが目の前にいたのだ。ベンを愛し、ベンに生の意味取り戻させることで自分の生の意味をも確認しようとしたのだ。死から蘇った彼女は生の象徴になるわけです。

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(以下ネタバレ)
この映画の多くの解説では死姦事件の結果ベンの妻が去ったように書いてあるが、事件そのものは妻が去ることとは直接無関係だとボクは感じた。ベンの親友ニコはエイズで死にかけている。セックスというのは生の肯定なわけだけれど、そのセックスの結果として死に瀕しているのがニコ。妻はたぶんそれを望んだのだろうけれど、従来的価値観での愛情関係とセックスが妻と上手くいかなかったことは、結果妻が去っていったことではっきりしている。ベンは生を粗末にしているというのではない。正当な生の意味を得ようと模索するけれど得られないんですね。他の者はそこまで思い詰めずに適当に誤魔化して日々をそれぞれに面白おかしく生きているのだけれど、恐らく真面目なベンはこの袋小路にはまってしまった。そしてアブノーマルなセックスを試すなどして生の意味を模索するけれど、結局は答えは得られない。出口なしの状況だ。

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そんなベンだから、美しい死体のテレーザに接したとき、生から離れた死とのセックスに何かの解決の糸口を見出せないかと思ったのではないだろうか。しかし皮肉にも死者に生を回復させてしまった。つまりテレーザは他の生きているどんな女性以上に生の象徴となってしまい、また生に回帰させようと彼女もベンに迫ってくる。当然それを受け付けることはベンには出来なかった。テレーザはベンの生への回帰を願い彼を愛したが、これまた皮肉にも、既に崖っぷちまで追いつめられていたベンを崖から落とすことになってしまう。ベンはピストルで自殺をするのだ。湖を対岸に船で渡った彼岸の地。そこにエイズで瀕死のニコを運んで最後の日々を送らせたが、今はそこで既に死んだニコとベンの2人がテレーザを乗せて去っていく船を見つめている。2人は死んだがテレーザらの生の世界は存続している。一人が「今日は何曜日だ?」と問うがうなずき合うだけで、決して「日曜日だ」という答えはない。「日曜日には死にたくない」というセリフやタイトルが示している日曜日とは、この世の我々の日常性を示すものでしかない。そのような日常の生を生きることに失敗したのがベンであり、死者には日常という時間の観念は無縁だとでも言っているかのようだ。

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この映画のレビュー等をネットで見ていたら、「エロディ・ブシェーズはまだまだロマーヌ・ボーランジェには追い付けない」というようなのがあった。エロディ・ブシェーズが「ロマーヌ・ボーランジェやジュリエット・ビノッシュに続くフランスの新人女優」と紹介されたことや、同じくエイズに絡む『野性の夜に』にボーランジェが出ていることからの比較だろう。でもボクの感じ方はちょっと違っていて、ブシェーズはこの映画で見る限りボーランジェよりもボクは好きなタイプの役者だ。ボーランジェの演技には役者の人格を賭けて役作りをする面が弱い。その点ブシェーズはこの映画で実に実存的役作りを果たしている。もちろん難役のベンを演じたジャン=マルク・バールしかりだ。この作品は映画作りとしては「何故?」という疑問に答えを与えない、その問いに耐えない弱さがありありとしているのだが、この2人の役者の役作りのお陰で見るに耐えるものとなっているように感じられる。キャラクターは異なっているけれど、ボーランジェではこういうことはあまり出来ない。ボーランジェの演技を見ていると、ボーランジェがある役を演じてると見えてしまい、作中のある人物には見えてこないのだ。ボクの嫌いな浅い役作りと演技だ。

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Last updated  2007.03.24 03:32:27
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私の芸能専門サイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。
また遊びに来させていただきます。
お時間のあるときに私のブログにも遊びに
来ていただけたらとても嬉しいです。
紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/infotop6277/archives/50948009.html
です。

これからもよろしくお願いいたします^^


(2007.03.24 03:51:40)

アドバンス627さん  
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