ラッコの映画生活

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2007.05.02
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カテゴリ: フランス映画
MANINA... LA FILLE SANS VOILE

86min

*0.jpg*1.jpg

寸評:主演としてのブリジット・バルドーの初作品。映画自体はテンポが遅くやや退屈だが(アメリカ版は10分短縮で76分)まあ悪い作品ではない。物語は文学に例えれば小説ではなく寓話とかお伽話だろうか。ストーリーの類似性が特に大きいわけではないが三島由紀夫の『潮騒』(小説or/and映画)を思い出した。若い(17or18歳)のバルドーは魅力的。

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主人公のジェラール(ジャン=フランソワ・カルヴェ)は25歳くらいだろうか。彼が大学で講義を受けている場面から始まるが、古代ギリシアの時代、海底に沈んだトロイロスの財宝ことを教授が語る。それを聞きながらジェラールが思い出したのは5年前に友人たち2カップルでバカンスを過ごしたコルシカ島沖の小島ラヴェジ島でのことだった。そこの海底で壊れた古代のアンフォラ(壷)を見つけたのだ。教授の話ではアンフォラに金貨が詰められていたという。ジェラールは資金を集め、このトロイロスの財宝を探しに行くことにする。

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ジェラールが5年前でのラヴェジ島のことを回想するシーンで、島の灯台守の13歳の娘マニーナが登場する。5年後(映画の現在)の18になったマニーナを演じるのはブリジット・バルドーだが、この回想シーンではまだ別の子役が演じている。しかし最初の「ヴォァラ、ヴォァラ」というセリフはブリジット・バルドーの声だ。これがいい。ブリジット・バルドー。DVDポストレンタルDISCASのページで人名検索したらたったの4本の作品があったのみだった。若い映画ファンの中にはこのかつての大女優BB(べべ)を知らない人も多い昨今だけれど、彼女は60年代には代表的世界女優、またセックスシンボルでもあった。彼女の魅力は顔やスタイルだけでなく、それよりもボクにとってはその声、舌足らずのような、自分に向かって甘えるような、でも確固としたような、その独特のしゃべり方にあった。映画後半から登場するバルドーのマニーナの声・言葉は、後のもっと出来上がった彼女のディクションではまだないが、それだけに妙にしっかりと区切るような、芝居か朗読とも感じられる彼女独特のセリフ回しがもっと素朴な形で聞けるのは嬉しい。「マニーナ!」とジェラールに呼ばれて小走りにやってくる子役の少女の発する(バルドーのアフレコの)「ヴォァラ、ヴォァラ」という第一声を耳にしたとき、懐かしさと嬉しさを感じた。そういえばバルドーの映画を見るのはもう7年か10年ぶりくらいだ。

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船を調達しなければならないジェラールはモロッコのタンジールへ向かい、そこのキャバレーで経緯で喧嘩をしたタバコ密輸人で船を持つエリックと親しくなり、彼に話をもちかけてラヴェジ島へ向かう。そこでジェラールは5年前の少女マニーナに再会するのだが、ここまでで86分の映画の約半分。最初に書いたように文学で言えば小説ではなく寓話とでもいったものなので、後半のジェラールとマニーナの恋愛も長々と描けるものではないのだけれど、それにしてもここまでタンジールのキャバレーでのフランチューチャ嬢の歌とか、途中寄港したコルシカ島のボニファシオか何処かで歌われる民謡とか、まあ「ビキニの裸女」に至るまでのテンポがゆっくりでまどろっこしい。

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(以下ネタバレ)
ネタバレと言っても複雑なお話があるわけではない。ジェラールは18の美しい娘になったマニーナと再会。2人は恋に落ちる。マニーナは5年前にジェラールが残したハンカチを今も大切に持っていると言う。5年前の回想シーンで一緒に遊びにきた恋人に「13歳じゃ誘惑するには小さ過ぎるわね」とか言われるけれど、ジェラールとマニーナは実はこのとき既に運命的出会いだったのかも知れない。一方タバコ密売人のエリックは海底の財宝はウソでただでマニーナに会いにきただけだとジェラールを疑い始め、また若いグラマーなマニーナに邪な思いを持ちモノにしようとするが失敗。そんな状況で財宝らしき沢山のアンフォラ(壷)は発見されるが、それを入れた網をエリックは引き上げようとしない。2人の船員に中の金貨を見られたくないのだ。そしてジェラールが島にマニーナに会いに行っている隙に船を出航させる。財宝を独り占めしようというだけではなく、女にまつわる嫉妬だろう。気付いたジェラールは泳いで船を追うが力尽きて溺れてしまうが、それをマニーナが救う。しかしエリックの船は難船して沈没し、船員2人は泳いで逃げ助かるがエリックは船と財宝とともに海に沈んだ(←この詳細は字幕には訳されていなかった)。こうして海は財宝を取り戻し、邪なエリックは死に、罪なき船員は助かり、そしてジェラールとマニーナの純愛は成就する。これはやはり寓話というしかないが、清々しいお話と言えないこともない。

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後に大女優となり、そして映画界や女優業がイヤになって辞めてしまったブリジット・バルドーだが、そして以後もっと独自のスタイルを完成させたバルドーはもちろん魅力的だけれど、このまだ演技も上手とは言えない若いバルドーは魅力的だった。そしてまたそんな彼女のこれ以後の人生を考えると、自分で選んだ道だとはいえ、なにかとっても不憫にも感じられてしまう。マニーナのようにジェラールとの純愛が実り島で幸せな生活、それはバルドーにはなかったのだ。

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Last updated  2007.06.04 00:40:14
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