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2008.04.01
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カテゴリ: ヨーロッパ映画
『ナイン・ソングス』マイケル・ウィンターボトム監督(英2004)

Michael Winerbottom
69min

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同じ楽天ブログのNさんの日記でこの映画のことを知り、ネットで感想・批評・インタビューを色々読んできました。そこでこのまだ見ぬ作品に対する感想を中心に書いてみようと思いました。見ないで書くというのはちょっとふざけていますが、ちょうど日付が4月1日だったので、この酔狂をお許し下さい。「4月1日」でちょっと余談なんですが、ジャック・レモンとカトリーヌ・ドヌーヴの The April Fools (1969) と言う映画(『幸せはパリで』)好きなんですが、入手がなかなか困難なんですね。是非DVD化して欲しいと思っています。ハートウォーミング・癒し系のロマンティック恋愛コメディーなんですが、良い作品です。(βに録画したビデオは何処かに持っているはずではあるんですが・・・。)

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 (↑『幸せはパリで』)

さて『ナイン・ソングス』なんですが、イギリスの " 過激派 " 映画監督マイケル・ウィンターボトム監督作品。時間は短く、内容に合わせてちょっとイヤラシイ数字で「69分」。内容はロックコンサートで出会った男女の愛とコンサートの日々を、別れてしまって仕事で来ている極寒の南極で男が懐かしみ、回想するといったもの。ロックコンサートのライブ映像と、二人の濃厚な愛の行為が描かれる。これは解釈のしようだが、ストーリー性のほとんどないポルノのようだと批判する人も多い。二人の行為(演技?)は、フェイクではなく本番だ。

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映画でも他の表現活動でも、一つの視点でそのあり方を分析すると、2つの要素のバランスから成り立っているように思う。一つは直接作品の内容による主張であり、もう一つはその作品を作って公開することによる主張だ。例えばある映画を見ての、「主人公のあの行為は許せない」といった感想や、「この映画は愛の孤独を描いている」といった解釈は、主に前者の要素に関わるものだ。それに対して「この作品を公開すれば社会に かくかくしかじか

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 (↑『欲望』)

ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』( Blow Up )はイタリア人監督がイギリスで撮った1966年の英伊合作映画だが、イギリスの一般映画として初めて女性の前姿の全裸が登場して物議をかもした。全裸はまだ駆け出しのジェーン・バーキンらのものだが、舞台女優として既に名のあったヴァネッサ・レッドグレイヴが胸を晒している。しかし胸の上まででトリミングされたプリントも存在するようだ。( その辺の事情はここにちょっと触れてあります )。アントニオーニにとっては当たり前の表現だったろうけれど、イギリス社会に物議をかもすという挑発的目的もあったものと思われる。そういえばヴァネッサ・レッドグレイヴという女優は反体制活動家でもある。

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 (↑『また逢う日まで』)

ひと頃前は、たとえば1950年『また逢う日まで』の岡田英次と久我美子のガラス越しのキスシーンは有名だけれど、最近は男女の口と口とのかなり濃厚なキスシーンは最近では当たり前に描写される。もちろん映画的なこととして言うと、男女の俳優が実際にこの濃厚なキスをカメラの前でしていることも重要な要素だ。しかし普通の映画では、熱烈に愛し合う男女を物語りながら、あるいは欲望に任せた性関係を持つ男女を物語りながら、実際の肉体交渉をリアルに描くことをしない。それをするのはポルノ映画やアダルトヴィディオだ。フランスでは X指定 というのがある。同じくR-18指定ではあるけれど、R-18指定の一般映画とは区別される。この『ナイン・ソングス』はX指定されるかも知れないとされたが、結局一般映画R-18指定となった。少し上に書いた映画の2つの要素を検討してみると、ポルノやアダルトは実は前者の要素が100%に近いものだ。描いている性の場面によって、それを見て興奮することを目的とした観客をエンターテインするものであって、決して社会に対する挑発の意図はない(少ない)。しかしこの『ナイン・ソングス』の性描写は、それによって観客の期待する興奮を与えようというよりは、リアルな純然たる性描写に関して、その意味を社会に投げかけるものであるのではないだろうか。だからこそフェイクではなく本番であることが必須だ。

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恋愛映画の中で男女がベッドインしての行為、それは映画だけの世界ではなく現実に今も世界中で何組ものカップルが実際に営んでいる行為。何故にそれをそれとして描写することをしないのか、してはならないのか。そういう問題提起がこの作品の意図にあるのではないだろうか。音楽がそうであるようにセックスも彼らの生の重要な一部だ。その音楽を描くことは顰蹙を買わないが、セックスは何故もそうではないのか。そして映画は男が南極での生理的感覚としての回想という枠がついており、人の生における性の意味を問うてもいるのではないだろうか。映像は美しいらしいし、機会があれば実際に見て評価をしたい作品となった。

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Last updated  2008.04.02 22:37:03
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