ラッコの映画生活

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2008.10.03
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カテゴリ: 日本映画
弁当夫婦(R246 STORY)
Yusuke Santamaria
(桜坂劇場 ホールCにて)


昨日付の日記 をご覧下さい。まずその昨日の日記に引用した作品紹介文をもう一度。「長く同棲生活を続けている男女。2人は結婚を望んでいるが、タイミングを完全に失っている。女は毎日弁当を作り、男と一緒に食べることを日課にしていたが、コミュニケーションは以前よりすくなくなっていく…。」

24666.jpg

永作博美が台所で料理をしている。それは豪華なお弁当だ。ちなみにこの永作の料理の手付きがいい。演技以上の何かがあると思って調べたら、この永作博美さんは調理師免許持ってるらしい。その弁当は一流ホテルのおせち料理の重箱セットをも思わせるような立派なもの。どうやら出勤前の朝らしい。リビングのソファーにはユースケ・サンタマリア。永作はビジネススーツを着ていて、ユースケに「では後ほど。」と言うと出ていく。お弁当を持ち、自転車に乗って出勤する先はR246青山通りか?、にあるオシャレな画廊。窓からはユースケの経営する移動コーヒー店が見える。そこに常連の客がやってくる。コーヒーを注文しながら「また離婚しちゃった。」とユースケに洩らすその常連客。昼休み。永作はお弁当を持って公園のベンチへ。そこにやってくるユースケ。2人は言葉を交わすでもなく、ベンチに真ん中に置かれた弁当を挟んで座り、昼食を一緒にとる。

(以下ネタバレ)
描かれるのは、ただただそれだけの毎日。いったい雨の日はどこでお弁当食べてるのかな?、なんて思ってしまったけれど、ああこれは文句ではなく、その様子も見てみたいというだけ。ある日、永作がユースケの店にやってくる。「私たち37よ。結婚しましょう。」と言う永作。黙って頷いたようなユースケ。次の弁当ランチに自分の分を書き込んだ結婚届を持ってきてホイっと永作に渡すユースケ。「俺が出しとこうか。」「いえ、私が出しておきます。」この永作博美の役、あるいは女優本人がとっても魅力的。折り目正しくて、妙に事務的というかサバサバしていて、几帳面で、愛煙家で、でもとっても女性的魅力を秘めている。嫌煙・禁煙が流行の御時世には言いにくいけれど、これがいい。何か自分の世界とか、生き方とか、哲学をちゃんと持っている感じが良く表現されている。

もうこの2人は何年こうして同棲してるんでしょうね。子供はいないけれど、そしてこれまで籍は入れてないけれど、なんかある意味で日本人の持つ、ひとつの理想的結婚像、結婚観、カップル像、あるいは是非とか好悪ではなく現実的な日本人の夫婦像・カップル像を見せられているようで、何かしみじみとした味わいを感じると同時に、疑問のようなものも感じた。疑問というのはユースケ・サンタマリアの作品に対してではなく、そこに描かれたカップルのあり方。どこまで理屈なのか、感性なのか、ユースケ・サンタマリアは実にその辺を上手く捉えてますね。それと結婚のタイミングを失っていた2人が、永作の要求で結婚するという流れも上手い。結婚届を出して籍を入れた後の2人の日常は変わるんでしょうか。弁当夫婦であることを続けるんでしょうか。だとしたら正式に結婚する(籍を入れる)ということにどんな意味があるんでしょう?。この2人の場合は、恐らく親から、社会から、特別結婚を要求されているという、そういう重圧のようなものは感じられない。つまりは結婚願望、あるいは結婚による安心感なんでしょうか。あるいは、正式に結婚したら子供を作るという意志や希望があるのだろうか。でも皮肉なことに、この2人を見てると、子供が独立して2人だけになってしまった老夫婦のようにも見えてしまう。

24667.jpg

子供を作るとしたらセックスが不可欠なわけだけれど、いったいこの2人の夜の生活はどうなっているのだろう?。その辺は全く見えてこない。ユースケ・サンタマリア監督の描き方としては、女が弁当を作り、それを毎日一緒に食べるというのが、この夫婦、あるいは家庭の日常で、それのみによって繋がっている感じだ。でも演じているのが永作博美であるせいか、この女(妻)には内に秘めたかなりの女の色気が感じられる。いずれにせよここで重要な一点は、このカップルは女が弁当を作り、それを男が食べる。たぶんこの整然と整理されたマンションの室内も、たぶん女が掃除なんかして綺麗に保っているのだろう。弁当と言っても非常に凝ったもので、しかも彼女の性格からして鍋等の洗い物も済ませてから出勤しているだろうから、身支度なんかも入れれば優に毎朝3時間は早起きしているはずだ。男の仕事は移動コーヒー店(自動車を使った)で、自営の飲食店経営と言えなくもないけれど、非常にお気楽で趣味性の強いものではないだろうか。夫がサラリーマンで主たる収入を稼いでいるというスタイルではないけれど、しかし&だから、これってある種、男にとって非常に都合の良い、理想的な関係(女性像)なのかも知れない。婚姻届の件にしてもそうだけれど、イニシアティブを取ってくれるのは女の方。男はそれに気楽に乗っているだけでいい。男が女を引っ張っていくというのは、男女両方にとって理想のように感じる価値観もあるけれど、実は本性的には男はグータラで、より現実的、実際的なのは女の方。そんな本質を描いているようでもある。

まああくまでも単なる架空の2人のお話だから、細部をどうのこうの憶測しても始まらないのだけれど、不自然なようでいて、かなりリアリティーのあるカップル関係に感じられる。でもこれをもしフランス人の世界として描いたとしたら、不自然なようで、実際にも不自然な物語になってしまいそうな気がする。あるいは非常に特異なカップルの物語になりそうだ。会話もなければ、日本には習慣はないものの、妻が出勤するときや、昼に公園で会った時に、ビーズbise(=軽いキッス、あのチュッ・チュッてやつ)もない。ビーズは親しい者同志、老若男女の間でごく普通にされる挨拶の一形式だけれど、恋人間や夫婦間の場合、日常惰性でやっている場合もあるだろうが、一方では愛の確認作業という意味をも持つ。つまりは背後にある夜の生活を想像させる。と言うか、夜の生活をも含んだカップルの関係が前提となる。夫婦間をも含めて日本人は最もセックスをしない国民だと言われるけれど、そしてセックスレス夫婦というのも少なからず存在するけれど、日本人に性の欲求がないのではなく、一方では合法・非合法、詐欺をも含めたセックス産業は隆盛を極めている。これは男だけのことではなく、最近は実際に女性の男買いも存在する。何かそのあたりの実態に不可思議な日本人を感じる。ちょっと寂しい感じもする。セックスをも含めた、あるいはそれが根幹にある男女の愛、まあそれも一種の幻想なのかも知れないけれど、そういう愛の欠如を感じてしまう。極端な例えをするなら、夫婦が肉体的欲求をそれぞれ愛のないセックスfriendで満たし、でも夫婦は何事もない温室的和気あいあいの家庭生活を送る。そして更には、どちらも別のセックス相手は持たず、セックスは夫婦間だけだけれど、そのセックスの本質はsexフレンドとのものと同じような関係。言い換えればsex friendと配偶者が同じ人であるというだけで、別の人であるのと同じ。カップルのそういう情と肉の解離のようなものを強く考えさせられた。




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Last updated  2008.10.07 21:15:36
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一緒に食べるというのがいいですね!  
弁当作り、やはりそれなりの忍耐というか・・
手間がかかることですね。冷凍ものではなく
きちんと手作り。会話は少なくとも思いやりと
美味しいものを大切な人と一緒に食べたいという
感覚が素敵ですね。

考えてみれば、食ってやはり大切な事ですよね。
一緒に食べるのも。
いい感じの映画のようですね。 (2008.10.08 17:38:00)

Nobubuさん  
racquo  さん
>弁当作り、やはりそれなりの忍耐というか・・

ある種の義務感を持ってしまうと忍耐になりますね。
でもその義務感がなければ、楽しみになります。

>会話は少なくとも思いやりと
>美味しいものを大切な人と一緒に食べたいという
>感覚が素敵ですね。

この映画の2人は、そこがちょっと微妙です。
最初に引用した解説文にもあるように、
「コミュニケーションは以前よりすくなくなっていく…」んですね。

この映画は、監督のユースケ・サンタマリアに
どれだけ、どんな意識があったかはわからないけれど、
この作品を観た人同志で会話が発展するタイプかも知れません。
そういう意味でもなかなかの良作でした。

(2008.10.08 20:12:48)

たくさんの小品のなかで  
はる*37  さん
こちらしか良いものがないのは残念。
タイトルだけはチェックしていました。
浅野忠信作品が気になって。
お弁当を作ることが、まるで子育てみたいですね^^ (2008.10.08 22:07:07)

はる*37さん  
racquo  さん
>まるで子育てみたいですね

このカップルの場合、
想う相手がいること、その人と一緒にいること、
その状況の日常に安住してしまっていて、
だから何なんだ、何するんだ、といった実態を失っている。
それを繋ぎ止めているのが唯一残った弁当なんですね。
そんな打開が女の側からの籍を入れる要求なのだけれど、
実態、つまり2人の関係そのものの内容ではなく、
正式に結婚するという形式が先行するわけで、
この辺の本末転倒が不可思議なわけです。

>浅野忠信作品が気になって

塚本晋也的雰囲気、寺山修司的雰囲気があるかも知れません。
はる*37さんには塚本風だから良いかも知れないけれど、
結局のところ雰囲気だけの作品に感じられました。

>こちらしか良いものがないのは残念。

このユースケの作品を見られただけで良かったかも。

(2008.10.08 22:42:01)

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