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2011年03月09日
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カテゴリ: 仕事

加えて、年のせいか「ああ…、歴史は繰り返すのかも」なんて呟いていたり。
経験というものは所詮個人のものであって、
国や集団としての経験知として次代に生かせないものなのだろうか。
とすれば、個人の経験が別の人の役に立つなんてありえないことなのかもしれない。
結局、経験したことや思い出を書くことは、
自分自身の懐古趣味というか、せいぜい自分の原点を確認したりすることでしかないのだろう。
それでも、思い出そうとしなければ記憶のかなたに消えてゆくことばかりなので、
自分のために一応書いておこうと思う。



何とか自立しようと心に秘めて家を出たのに実家に戻った私は、
解放感と共に「これからどうしよう…」という焦りと不安があった。
施設に紹介してくれた恩師への申し訳なさもあり、とにかく早く仕事を見つけたかった。
新聞の求人広告を見て、札幌の地下街にあるお店の面接に行ったこともある。
しかし、どうしても自分が接客業の店員として働く自信がなく、
多分、話を聞いただけで「申し訳ありません」と帰ってきたような気がする。

そんな私に、遠縁のおじさんから仕事の話が舞い込んだ。
その人は、地元の社会福祉協議会の役員をしていた。

市の委託事業として『心身障害児療育通園事業』をやることになったんだ。
札幌にある整肢園やマザーズホームに通うのは、障害児を抱えた親にとっては大変なことだ。
だから、会館の一室を『訓練室』にして、親達が自主的に訓練をする。
でも、親だけでやるのでは運営面で負担が大きいので、
指導員としてそこで子ども達と一緒に訓練をしてくれる人を探しているんだ。
あんたは施設で仕事をしていたのだから、少しは障害児のことがわかるだろう?
どうだい、やってみないか?
でも、社会福祉協議会も金はないし、市からの補助金も多くはない。
小遣い程度の報酬なので、引き受けてくれる人も正直なところ見つからないんだ」

施設から逃げ帰ったとはいえ、福祉の仕事への希望を捨てたわけではない私は、
深く考えることなくその仕事に飛びついた。

とにかく、その親達が結成したばかりの「肢体不自由児父母の会」の人たちに会うことにした。
中心となっていたのは、重度の脳性まひの子どもを抱える夫婦と、
ダウン症候群の息子を持つ父親、サリドマイド障害の子を持つ夫婦であった。
彼らはこんな小娘の私に、「ぜひ指導員になってほしい」と頭を下げた。
「訓練の方法は親が病院や整肢園やマザーズホームで習ってくる。

 あなたは、子ども達や母親達を励ましてくれるだけでいい」
その言葉は、自分への自信を失っていた私には、それこそ「神の声」にも聞こえるものだった。
こんな私でもいいのならと、私は引き受けることにしたのだ。

それからは、十月の開設(なんと、一ヶ月半くらいしかなかった)に向けて、
S市にあった、現在の「北海道立肢体不自由児総合療育センター」の前身である整肢園に研修に通うことになった。
自宅からは電車とバスを乗り継いで一時間半くらいかかったと思う。
今の感覚で考えると、たったの一ヵ月半で指導員になるなんて恐ろしいことだが、
当時は通園施設もポリオの後遺症の子ども達を対象にした「マザーズホーム」が主要都市にある程度で、
学齢前の障害を持つ子ども達が通う施設などは、地方の町にはほとんどなかったのだ。
だから、そんな付け焼刃の知識しかない指導員だとしても、
親子が通える場所を作るということ自体が重要だったのだろう。

しかし、研修に通い始めて色々と知るにつけ、
私は不安とかすかな後悔に心が揺らぐようになった。
しかし、もう後戻りはできない。
一ヶ月半後には、とにかく訓練室で子どもたちや親達と向き合うしかないのだ。








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最終更新日  2011年03月09日 11時11分00秒
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