19世紀の英国では中世騎士物語の「アーサー王伝と円卓の騎士(King Arthur and the Knights of the Round Table)」に始まる文芸物。それらに刺激を受けた詩文。 ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)(1564年~1616年)戯曲「ハムレット (Hamlet)」、「ロメオとジュリエット(Romeo and Juliet)」、「夏の世の夢(A Midsummer Night's Dream)」など英国古典文学の書が次々出版される。 「ハムレット (Hamlet)のオフィーリア(Ophelia)などのヒロインはラファエル前派らのテーマとなって多数描かれたのもこの影響だろう。
アルバート・ジョゼフ・ムーア(Albert Joseph Moore)(1841年~1893年)
A Venus(ヴィーナス)
1869年 所蔵 Tate Britain この一見地味な配色の絵画であるが、ムーアはここに色彩美の追究を試みているそうだ。 白とグレーを基調に藍色、ピンク、クリーム色くすんだ緑を配して。ここでは色と形に注目してほしいらしい。 とは言え、ヴィーナスの腹筋に目が行くが・・ ムーアの初期の作品はジョン・ラスキンの影響を受けているらしいが、この作品は19世紀をとおりこして現代的なモダンさを感じる。 1860年代には、ウィリアム・モリスの会社、モリス・マーシャル・フォークナー社でタイルと壁紙とステンドグラスをデザイン。またギリシャや英国内で壁画家として活躍しているそうだ。
ジャポネズリーを感じるムーア作品があったのでこれもオマケです。 アルバート・ジョゼフ・ムーア(Albert Joseph Moore)(1841年~1893年) Midsummer(盛夏)
1887年 所蔵 Russell-Cotes Art Gallery & Museum ウィキメディアから借りました。
エドワード・バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones)(1833年~1898年)
The Golden Stairs(黄金の階段)
1880年 所蔵 Tate Britain 絵画上部に反射が入ってしまいましたから下はウィキメディアから借りました。
モリス商会の
Stained glass window(ステンドグラスの窓)
エドワード・バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones) ウィリアム・モリス(William Morris) Allegory of Justice(正義の寓意) 所在 St.Andrew and St.Paul Presbiterian church Montreal 1902年、モントリオールのセントポール教会に設置された。 画像はウィキメディアから借りました。
The Well at the World's End (世界の果ての井戸)・・ハイファンタジー小説。 News from Nowhere (ユートピア便り)1891年・・社会主義的理想郷を描いた小説。 The Earthly Paradise(地上の楽園)・・1868年から1870年にかけて刊行された序詩と24編の物語詩からなる長編叙事詩。
ウィリアム・モリスが室内装飾(インテリア)方面に起業するに至ったきっかけこそが実はジョン・ラスキン(John Ruskin)との出合いや、デザインの師匠となるダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)、同じオックスフォード大学で知り合う友人エドワード・バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones)らの存在であった。
エドワード・バーン=ジョーンズ(Edward Burne-Jones)(1833年~1898年)
The Last Sleep of Arthur in Avalon(アヴァロンのアーサーの最後の眠り)
1881年~1898年 所蔵 Museum of Art in Ponce Puerto Rico ウィキメディアから借りました。
彼の人生に大きな影響を与えることになった、トマス・マロリー(Thomas Malory)(1399年~1471年)の「アーサー王の死(Le Morte d'Arthur)」はオックスフォード大学在学中に出会った。
ラファエル前派からデカダンに向かったシメオン・ソロモン
シメオン・ソロモン(Simeon Solomon)(1840年~1905年)
The Sleepers and One that Watcheth (眠る者と見る者)
1867年 所蔵 Birmingham Museum & Art Gallery 画像はウィキメディアから借りました。
最後にオマケ ヴィクトリア&アルバート
博物館(V&A)から
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(Victoria and Albert Museum V&A) もとは 1851年のロンドン万国博覧会をきっかけに誕生した美術デザイン博物館
でした。 創立者であるヴィクトリア女王と夫君アルバート公を讃えて1899年名称が変更。 彫刻や工芸の他、甲冑や衣装、アクセサリーなど幅広く展示されている。