MM2022のブログ

PR

プロフィール

MW2022

MW2022

カレンダー

コメント新着

天国にいるおじいちゃん@ Re:打席に入る前に、バットを天にかざして、天国にいるおじいちゃんに『力を貸してくれ』(08/24) 天国にいるおじいちゃんについては、 089…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2024.01.21
XML
〇算法地方大成全

一、田一反但し三百坪より、作り出したる米高を盛(もり)という。また斗代(とだい)ともいう。譬えば一坪の稲を刈って扱きこなし、籾一升得れば、三百坪にて籾三石あり。五分摺で、米一石五斗を得る。これを十五の盛とす。則ち一反歩の米なり。上田にて盛を立つるもあり。また中田は下田で立つるもあり。時宜によるべし。何方にても上田より次第に二つ劣りの定めなり。
一、上田石盛は、中田の石盛と同じ、中畑石盛は下田の石盛と同じ、譬えば、
 盛十五     盛十三
  上田一反歩   上畑一反歩
  この分米一石五斗 この分米一石三斗
 盛十三     盛十一
  中田一反歩   中畑一反歩

 盛十一     盛十一
  下田一反歩   下畑一反歩
  この分米一石一斗 この分米九斗
 下々田、下々畑これらに準ず。
 盛十五、田一反歩但し一反は三百坪
    この分米一石五斗この取米六斗
     取米六斗を反取米取という。四分取に当るこれを四ツ成という。また免四つともいう。
 この籾三石
  内籾一斗  一反の種籾
  内七升五合 一反の人足三十二人掛り
        一人に付籾二合五勺扶持

右は一反歩の籾三石の内より、諸人用六斗を引き、余り二石四斗、五分摺にして米一石二斗、これを五分五分の取にして、米六斗を得る。即ち一反歩の年貢なり。一反歩の米一石五斗の内、六斗年貢にとる故、年貢四分、百姓六分に当る。これを四公六民の取という。今は種子、夫食(ぶじき)、肥料、農具代等の差別なく五公五民の取なり。
  畑方納めの事
盛六ツ
 上畑一反歩   上方地方
  この分米六斗、取米二斗六升 是四ツ

盛六ツ
 上畑一反歩   関東地方
  この分永二百六十文但し(畑永定値段金一両に付、一石五斗替)
 上方は田畑とも一統宜しき故、関東の田畑より二割増として、米値段も上方は関東に二割増しの積り、仍て関東畑永百六十文に、他二割の法一二を掛け百九十二文また、関東定銀相場六十目をかけ銀十一文
五分二厘となる、則ち上方畑銀と同じ取箇
也。
 夫役割の図九田田上の如く割り、年々こ
の廻り八つの内にて相勤め、外それ馬軍役等之に準ず。但し家数十軒あれば、八年の内にて一ヶ年夫役に当る也。或は高何百石、家数何百家これある共、右に準じ同じ事也。但し家数八十軒有れば、夫役十人、かつ八百軒あれば夫役百人と知るべし。
  検見(けんみ)取箇付の事
一、検見願い出る時は、その村々定免の内なれば、定免始まりてこの村何十ヶ年。或は何ヶ年になる。その内何ヶ年免ぜられ致したるや、また免ぜられ無きや相糺(あいただ)し、免ぜられ多きは水旱の難ある村なりと知るべし。また一ヶ年ばかりの被免は心の付所なり。能く糺すべし。
一、年々検見取の村々は、先達て検見の時節にもなれば、内見立札、小前帳算入相違なきように例年の通り申し付くべし。荒地起返しも吟味致すべき事なり。是は六月七月時分改め極め置くもよし。村限郷帖を見て年々水引捨十石以上は心をつけ改むべし。右の通り吟味済の上、回状を以て来る幾日頃出立ちその村へ回村せしむの間、申達て申渡す通り、内見分付念入、三分以上の見込みなきように改め、帳面来る幾日迄に持参致すよう、尤も参入再応改め差出すべし。かつ合毛(ごうけ)三分以上の見込不埒の合毛等無きよう、また道筋掃除繕い等、無用の由相ふれるべし。
一、桝 一升桝、五合桝、一合桝
一、竿 三組、
但し長さ六尺一分四本にて、一組本末切
缼内法六尺一分にして、図の如く組むなり
坪刈の節二方を稲株に当て
このように確と百姓に踏まえさせ、また二方を入れて
の如く坪を定め、名主・組頭・地主に見届けさせ、宜しき旨申さば刈らせ莚に包み、勝手宜しき所へ持ち寄り扱舂べし。その節油断ある時は、扱きこなしの内に百姓相減らす事あり。心得うべし。かつ竿の当りようは稲株に竿二方付け、二方すかしを正法とす。或は一方付、三方付、四方付、菱付等は宜しからず。二方付に限るべし。
一、田畑検見改めようは、先ずその村へ入る時、当村は何方を一番と尋ね、その処にて五、六番も田一筆限りに人足を回し、大概広狭を見、五六番の内相違なくば、五十番何方と尋ね、その所へ行くべし。また七、八番も尋ね相違なくば、その通りいたすべし。また相違あれば、百番、七十番と尋ね、吟味いたすこともあり。水損などある村、譬えば水損町歩二町歩もあるを五、六町歩も、その余も仕出るときは名指書にて吟味いたせば、必ず現るなり。その時は先ず当人を返し、追て理解を申し聞かせ引戻すべし。大方この村方は、この水損にて、三分五厘或は四分損と大積りを見込み、取箇(とりこ)を胸中に付置く所を、百姓方にて、五分或は六分、或は皆損などと言い立て、引方を少しも多く願うも
の故、よくよく心付くべし。
一、検見回村、譬えば当日三ヶ村廻った
所、この通りでは日数が掛り、百姓が難儀を致すに付、明日五ヶ村も回村致すべしと思う時は、朝早々日の出る頃は出宅すべし。雪国など遅く廻る時は、雪下になって損毛も計り難く、かつ百姓内損も多し、何れにも検見は早く仕舞う事が肝要なり。
一、坪刈見立様は、その村へ入り小前帳へ引き合わせ、譬えば下見は五合毛なり、この村にては三合刈り出さねば、根取りに合わずと思うならば、一坪に三十八株か四十株か五十株か大概に積り。さて一株に付籾二匁ずつと見れば、四十株にて坪一升二合となる。四合干し減り用捨しても、八合はあるべしと見込めば刈るべし。
一、坪刈り試し様は、見立第一の事なり。内見五合毛の所にて一升二、三合ありと思う所を刈るなり。然れどもその人の心持にてゆるむことあり強きことあり。譬えば上田一反歩下見五合毛の所、小検見何の誰□この如く一坪刈改め一升、また小検見の坪刈したる際より、外手先にて□このごとく一坪刈一升一合、すべてこの如く大検見は手代の刈改むる際を刈り改め、また手代の刈改める際を刈り改め、また手代は大検見の刈改め或は同役の刈改る際を刈違いに改むる時は合毛明かなり。もっとも合毛は十分に刈出し置き、追て大検見の勘弁し易きように取り計らうべし。坪刈帳左の如し。
何十何番字何、稲の名何     地 主
一上田一畝十五歩       何左エ門
   内見五合    一坪四十株
        但し 一株二十一本立
   改八合     一穂籾百粒
何十番何番字稲の名何    地 主
一下田一反五畝歩       何兵衛
   内見五合    一坪五十株
        但し 一坪十五本立   改八合     一穂籾七十粒  
 この外に干減を除く事なり。合毛多分出ればとて、取箇過分に増す時は、その村立難し。勘弁あるべし。
一、雨降又は朝露の内百姓検見を請ける事を嫌う。然れども取箇は役人の胸中にある事にて、合毛は大方のタメシものなり。少しも厭うべきにあらず。尤も雨降或は朝露を請けたるときは籾出るものなれば、籾をほうろくにて炒(カワカ)すなり。又炒さぬときは籾を桝の内へ百姓の力まかせに押入さす。盛上げて一升とす。その上にも合毛出れば、干減を余計に致し遣わすべし。是も当て合毛大意にして積もる事なり。
一坪刈帳奥書文左の通り
右は当村田方水損に付、この度御検見願い奉り、御回村成し下され候に付、私共御案内仕り、田毎に立札を以て一々御見分に入れ奉り候所、私共差上げ候内見小前帳を以て、書付の通り御引合いになさる処也。坪刈合毛御試し成され候には付、私共立合い見届け候所、干滅等存分に御引き下され、御改合毛少なくも相違御座無く候。然る上は右御改合毛を以て、何分の御取箇仰付けられ候共、少しも違背仕りまじく候、右御改めに付少しも御非分成る儀御座無く候。その為印形差上げ申す所仍て件の如し。
         何国何郡何村
          名主 何右衛門印
          組頭 何兵衛 印
          百姓代何左衛門印
是は一村限に印形取る事なり。尤も検見済たる場所にて直に取るべし。少しも延引致すは宜しからず。
一小前帳仕出し様、譬ば高五百石の村、検見の上坪刈合毛を仕出し、
  右 寄
一九反八畝十五歩
  此籾二十三石六斗四升   八合毛
一一町五反六畝歩
  此籾三十二石七斗六升   七合毛
一一町三反三畝十二歩
  此籾二十四石一斗二合   六合毛
一五町三反五畝歩
  此籾八十石二斗五升    五合毛
一五町九反二十七歩
  此籾七十石九斗八升    四合毛
一五町一反歩
  此籾百三十五石九斗    三合毛
一十六町五反四畝歩
  此籾九十九石二斗四升   二合毛
一四町四反三畝歩
  此籾十三石二斗九升    一合毛
一二町一反二畝十六歩    仕付荒皆損
  反別合五十三町三反三畝十歩
   籾合四百八十石
   刈出二合    但 干減引
   此籾三百二十石
  二口合
   籾八百石    此米四百石
   取米二百石   高四つ取に当る
   外 二百石   百姓作徳米
右仕出し様は色取の法なり。
一、畝引というのは、当合の内某年の坪刈合毛を引き、残りを当合にて割何割となる、則ち引畝の割とす。是を反別へ懸け、その反別の引畝歩を知る。端歩あらば、その橋歩へ斗り田法三を懸て、その坪数を知るなり。但し当合というは、検地の節坪刈合毛一升なれば、一反歩に籾三石、この内百姓夫食農具肥し代六斗を引き、残り二石四斗を一反歩の歩数三百坪にて割れば八合となる、是を当合という。尤も十ヶ年平均にて当合を仕出し、或は定免厘付を以て、当合を仕出す事あり。譬ば
 上田二町三反四畝歩   当合八合
  内五反八畝十五歩引 当年坪刈合六合
  此籾四十二石一斗二升 但引畝歩除て
   此米二十一石六升
   内 取米十五石五斗三升
   内 十石五斗三升  百姓作徳米
此の如く中田下田下々田の引畝を仕出すべし、当時引畝取箇は用いず、併し私領にては仕来りにて今以て用いる所もあり。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.01.21 14:51:01
[『現代語 安居院義道』出版クラウドファンディング] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: