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2024.07.25
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カテゴリ: 報徳
安居院義道 道歌 日めくり 25日








「現代語訳 安居院義道」p.123-125

【編者注】
1 「安居院庄七様ご所持の品」については研究されていないようである。「書物の部」で、二宮先生が直接書かれた「天命十か条」「譲奪弁」や「塔之沢聞書」など聞書等がある。仕法書は「御殿場村」「西大井村」「藤曲村」など天保九年~十年の小田原仕法のものが注目される。「別口雑書」には書道に関するものが多い。安居院先生は尊徳の直接の門弟ではなく、報徳の教義を基本的に書物によって学んだことを考えると、逝去時所持の書物について今後研究する必要があろう。
2 「安居院庄七様ご所持の品」の書籍の中に、農業技術の本が三冊ある。「報徳作大益細伝記」、「耕作大益伝」、「農業問答書」、「耕作大益伝」は農家出身で幕臣になった中山忠道の著作。「農業問答書」は現在不明。「万作徳用鏡」は「ご所持の品」には載っていないが、本書に収録の注目すべき農業技術書である。「報徳作大益細伝記」は安居院庄七著で、「日本農書全集」第63巻に収録されている。足立洋一郎氏が翻刻・現代語訳・解題されている。底本は静岡県周智郡森町にある社団法人報本社(解散)所蔵本で、鷲山恭平著「安居院義道」掲載本と異同がある。足立氏は解題の中で、報本社本にない「麦種を選む事」「揚蒔作り蒔秘伝」があり、その他異同があるが、報徳社本がより原形をとどめており、それを加除訂正したものが鷲山本と解釈できるとされる。
  足立氏は庄七が説いた農業技術の主なものは、正条植、苗代の薄まき、株まき、客土・土肥などであるとされる。また基本的には豪農層を中心に農民が報徳社を組織し、豪農層が農業技術摂取に熱心であったとされる。
「報徳作大益細伝記」の報本社本には「某(それがし)上方筋、山城・大和。河内の国の作り方より心づき、種々考え、駿河・遠州・相模・伊勢・近江などにて為さしめ、段々実り取り増し」とあり、庄七兄弟が畿内で注目した農業技術を万人講勧誘先で試験させてみて収穫増加の実証を得たものを、マニュアルとしてまとめたものであることが分る。「万作徳用鏡」では「ためし試みて結果がよければ、二人に教え、二人から一村に教え、一村より郡国へ伝え諸国が用いれば、国益の第一と知るべきである」とある。これは報徳の教義普及の志と同じであり、庄七は、報徳と農業技術と共に共に布教したのである。
大塚英二氏は「近世中後期遠州地域の農業技術と報徳仕法ー森・金谷地方での分析」で、安居院庄七の「報徳作大益細伝記」は庄七が関西地方の先進的な農業技術を伝えたという意味合いが強い。庄七の記述には、遠州地方で地域に即して理解させようという意図がみなぎっているとされている。従来の研究史では、庄七の説いた農業技術の柱として正条植、苗代の薄蒔き、株蒔き、客土。土肥の四つがあげられているが、「報徳作大益細伝記」の後半部分は麦作に関する記述が多くを占める。庄七は麦作を重視していた。遠州中東部地域における畑作の最大の作物は麦である。安居院は畿内の技術を伝えるだけでなく、当該地域に即した形で技術のマニュアル化を図っていたのでないだろうかとされる。大塚氏は、庄七が単純に先進地域の技術を導入したと捉えるだけでは不十分で、そこには地域の実態に適合させる工夫があった。また労働集約型の農業は豪農経営中心ではなく、近世の小農民経営一般は、施肥等の土地生産性向上を前提とした労働集約的な経営形態であり、庄七はマニュアル化・数量化した説明を展開することで、集約化の普遍的可能性を提示して見せたとされる。
  編者は令和五年八月十四日、農書を読む夢を見た。夢の中で本から「鯨油」の文字が飛び出してきた(^^)「万作徳用鏡」に「虫の事」の項目があり、「虫付きたらば、苗代の水を落し浅くすべし。さて鯨の油を一反に二三合入るべし。・・・日の晴れたる時入るべし。虫悉く死ぬるなり。凡て鯨の油は虫を殺す大薬なり。作物には大妙薬なり」とある。鯨油を除虫に用いる事を広く勧めたのは、大蔵永常の「除蝗録」(一八二六(文政九)年)である。庄七はそうした多くの農書で得た知識も「ためし試みて」「根元の父母なる田畑へ大孝行を尽し、共に共に粉骨砕身して勤行致したき」と「報徳作大益細伝記」に最後に述べている。庄七の耕作技術も報徳同様に極めて実践的で根元の父母(天地)への報徳で貫かれている。



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「現代語訳 安居院義道」を蔵書とする図書館(2024年7月23日)
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最終更新日  2024.07.25 00:00:15


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