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2025.01.31
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カテゴリ: 報徳の歌
「報徳の歌ー二宮尊徳道歌から学ぶー」小関栄著 
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報徳実践の歌 2(47頁)



 谷うち越えて見ゆる花かな ​​

論語の学而編の冒頭には次が明示されている。

『学んで時にこれを習う、亦説(よろこ)ばしからずや
 朋(とも)あり遠方より来たる、亦楽しからずや
 人知らずして慍(いか)らず、亦君子ならずや』

このうちの「人知らずして慍(いか)らず、亦君子ならずや」が歌の題として添え書きされている。
「慍(いか)らず」とは人が自分のことを知ってくれなくとも恨んだり、怒ったりしないということである。

 この歌は尊徳自身が人に徳行の実践をすすめる良い道歌として、天保12年末から13年始めの頃の多くの書簡に使われています。


*「深山木」という小田原藩の鵜沢作右衛門が書いた書がある。

鵜沢作右衛門は二宮尊徳先生のよき理解者であった。

「深山木」は、天保6年2月から6月(先生49歳)まで、小田原から栃木の桜町陣屋に出張し、尊徳先生の言動と仕法の成果を藩主大久保忠真候に復命したものである。

「深山木」という題名は、尊徳先生の道歌「姿こそ深山がくれに苔むせど 谷うち越えて見ゆる桜木」にちなんでいる。

題名からして尊徳先生の人と事業を賞嘆する趣きがあり、通常の復命の書とは違う。

箇条書きで書かれている。いくつか紹介しよう。

「一 当春、野州の桜町陣屋に出張し、陣屋の一同と家々や田畑の見分に行きました。

物井村の百姓弥五郎と申す者が耕作しているところにさしかかったところ、金次郎がこう申しました。

『この者は仕法を行う以前より、この地区一番の働きものでございます。

この者の畑に蒔き付けたものは菜種であれ麦であれ、生い立ちは格別によろしく、すみずみまで手も届き、

畔(あぜ)の作りも真直ぐで見事で、できばえもよろしく、年貢を納める縄や俵も格別に念入りで、人より先に納めております。



この弥五郎を始め、耕作しております者たちへは、その次第に応じて金次郎がねんごろに申し聞かせ、その働きに褒美を与え、耕作に精を出すよう励ましました。
このようにして耕作の模様の見分を終わった次第です。

一 私ども一同田畑の見分にまいりましたところ、東沼村の組頭喜太郎という者の畑が一反歩ございました。

菜種を蒔き付けてありましたが、半分はそれなりに生育しておりましたが、半分は4分ないし5分ばかりで、花も咲かない不作でした。

その時、喜太郎が案内しておりましたので、



「この畑は私の畑ですが、去年の秋、半分ほど蒔き付けたところ、よんどころない用事ができて、半分は15日も遅れて蒔き付けました。

その後、寒気がはなはだしく生育しかね、また天気がちで雨が降らず、かれこれ行き違ってこのような不作になった次第です。」

と申しました。

また、物井村の白銀というところの麦のできばえはよろしいなかに、三反ほどいたって不作の畑がございました。

その近辺で耕作しておりました定吉という者へ金次郎が尋ねましたところ、

『物井村で一二を争うほど耕作に精を出している直右衛門(なおえもん)ともうす者の畑でございます。

去年の秋、はやりの病いにかかり、肥料をいれることができず、その上日遅れにもなり、近所の者が助け合って蒔き付けましたが、このとおり不作となりました。』

このようにおいおい畑を見分しましたところ、金次郎がこう申しました。

『このところはだれだれの畑で、この者は困窮人で向こうに見えますつぶれ家同様の屋敷同様のありさまです。

自然と作柄も衰え、手薄になっております。

まことに寸分もたがわず、天道の正しい道理は、春、夏、秋、冬移り変わり、片時も待ちません。

一日も遅れると一日だけおくれ、10日遅れれば作柄は半分になります。

20日遅れれば半分にも至りません。

ものによっては無きも同様になります。

村で土地の境界争いやケンカなどありましては、自然と困窮に及びます。』

このように用向きで、百姓どもを陣屋に呼び出すときは、やはり同じようなことを言い聞かしておりました。

「事を敬して信あり、用を節して人を愛す 民を使うに時を以てす」という論語の言葉にもあたるかと存じます。

一 金次郎の朝夕の行いですが、昨年も申し上げたとおり、

そ飯そ服を用い、居宅の障子は不用の紙で補修し、畳にいたるまで、見苦しいことは少しも構わず、すべて日用のことは倹約を専らにしております。

また人に施すときには米や金はもちろん、衣類や夜具などにいたるまで快くつかわします。

荒地の起き返しや家の普請などにも、大工・職人・人足なども村内に世話をしてやり、少なからず米などもさしつかわします。

領内で普請や開発など取り掛かるときは、別に賃金をさしつかわすなど、何事にもこれ以上ないほど手厚く取り計らいます。

かつ荒地の開発を行うとき、また堰や掘割、普請などに取り掛かるときは、平生の心持より格別の違いで、物入りなど構わず精力を尽くし、

すでにこの春以来7軒も新規に家を建てております。

そのほか、用水用の堰も正月からとりかかってすでに出来上がっております。(略)

村のためになるよう、この春に多くの杉の苗を植え付け、その後もおいおい植えております。

小作の者たちは、たびたび恩沢を受けて、子供のように懐くよう自然になっていき、

その風がいつとなく、近隣の国や近郷に響いて、すでに細川長門守様、川副勝三郎様より依頼があり、そのほかにも依頼が来ております。」





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最終更新日  2025.01.31 07:00:12


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