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作家の北杜夫が亡くなった。今朝その訃報を知って、午後はずっとある探し物をしていた。中学の時、彼の大ファンだった私は年賀状を出したことがある。今の時代からすれば実に無防備だが当時は本屋から貰った出版社の手帳の附録として著名作家の住所録が掲載されていたのだ。恐らく年末に手に入れた手帳で偶然住所を知って衝動的に出したのだろう。どんな拙い文面だったか全く覚えていないが、ひとりの少年が懸命に何かを伝えようと考えた筈だ。何とか本人が読んでくれればいいと願っていたに違いない。すると、どうだろう。なんと本人直筆の年賀状が返ってきたのだ。作家特有の極太の万年筆と思われる字で‘北 杜夫’と署名してあった。宛名は別の筆跡だったから多分別の人が機械的に処理したのだろう。それでも少年は特に地方に住む少年は大いに感動したものだ。綾小路きみまろじゃないが‘あれから40年’北杜夫は84歳で生涯を終え、こちらは心臓に障害を負う病人だ。幸いにも実家に戻ってきているから‘現物’を見つけられるかもしれない。私の性格から言って絶対捨てる筈はないし、かといって上京する時の限られた荷物に属する程の物でもない。両親とも他界しているからヒントは貰えない。懸命に探したが思い出の品は見つけられなかった。地層に例えるなら明らかにその時代の物が入っている色々な‘化石’は発見できたが、その周辺には見当たらなかった。あの年賀状をスキャンしてブログに貼り付けようという目論見は外れたが、証拠がないから思い出もなくなった訳ではない。それにしても何故今年だったのだろう。~杜の都揺れし年に 北杜夫枯れる~
2011.10.26
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「幸福の黄色いハンカチ」と言えば普通に日本映画史に残る名作だが、最近そのリメイクを立て続けに観た。ひとつはアメリカ版‘The Yellow Handkerchief’(2008)で、もうひとつは日本テレビの製作のものだ。リメイクは安直な手法などと通り一遍の批判をするつもりは無い。寧ろ、オリジナルという‘高い山’があればそれに登りたくなるのは自然なことだし、超えることは無理でもそれを通じて得られることも多いと考える。しかしだ、これら二つのリメイク版で大いに失望したことがある。昔こんな記事を書いたことがある。ムショから出たら何を喰う~高倉健の場合~ 「幸福の黄色いハンカチ」山田洋次監督、高倉健主演の映画。勿論、陳腐ながらも素直にラストシーンは感動できるが、私がこの映画を何度観てもいつも心から感動できるのは実はオープニング直後のところ、網走刑務所を出所した健さんが駅前の食堂に入るシーンだ。入るといきなり「ビールください」と言い、席について壁に貼られた品書きに目を輝かせ、「醤油ラーメンとカツ丼」と注文する。ビールのコップを両手で拝むように掴み、運ばれてきたお盆にはラーメンとカツ丼。娑婆の風が何よりの特選素材だ。あのシーンを観ていると、マジにムショ暮らしをしてあの感激を味わいたいと思ったりした(笑)アメリカ版だとカツ丼、醤油ラーメンの代わりに何が出てくるのか興味津々、まさに固唾を呑んで観ていた。アメリカで生活をしたことはないし、それこそ多様な人種の国だから予想は難しいが、なんとなく‘チーズバーガー’かなと思った。そこで男が頼んだものは・・・・。男「ビールをくれ」店員「クアーズ、ハイネケン?」男「何でもいい、軽いやつ」えぇええええぇ、ビールだけかよ・・・(-_-;)いきなりの拍子抜けだった。武田鉄矢が演じる青年が運転中に下痢をするのは同じだが、その原因である‘カニ’も出てこないから、下痢の原因がわからないままだ。それでいて妙に忠実なところもある。男が殺人を犯した時を知る警察関係者として登場する渥美清が注文したのがレバニラ定食の出前。同じ役を務める黒人がオーダーしていたのがレバーフライ(Liver fried with garlic)だ。但し、これもビニール袋に入ったままなので現物の映像は登場しない。なんでこんなに食べ物のシーンを蔑ろにするんだ・・・.監督がインド人だからカレー以外は興味がないのか等とつまらぬ妄想を抱いてしまった。そして阿部寛が健さん役を演じる日本テレビヴァージョン。冒頭で携帯電話が出てくるから、あれから約30年経った今風のチョイスに期待を寄せた。ところがである・・・。昼営業のスナックのカレーセット600円(キャベツとミニトマト2個のサラダ付)だ。阿部らしい直線的な動きでせわしなくスプーンを動かして口に運んでいるが、美味そうな表情も感激した様子も見せない。折角スナックという設定なのにビールも飲まない。セットにはコーヒーはついていない。煙草を買いに行かせているのに食後の一服も無い。あれじゃ、6年の刑期を終えて娑婆に戻ってきた解放感が伝わらないぜ・・・あそこはカツカレーにしてビールも頼む。カツは2ピース残してツマミにする。その時ソースを頼んでカレーを避けるように十分注意してカツだけに正確にかける。スプーンを使ってカツを切ろうとするが上手くいかず、1ピースを口に放り込んで満足そうな顔をする。せめてこれくらいの演出はして欲しかったな~。オリジナル作品ではあれ程の名シーンを台無しにされて、山田洋次もさぞご立腹かと思いきや、日テレの方の脚本と監修は本人が務めているから納得済みなのだろう。もう、こんなことに拘る私は絶滅危惧種なのだろうか。拘るということで言えば、今回知ったことだが高倉健はあの食堂のシーンを撮影する際に、2日前から何も食べなかったそうだ。山田洋次の拘りは北海道で安いカニを買って食べると下痢をして大変な目にあうということを執拗に描くことかもしれない。ひょっとして本人のトラウマだったりして・・・(^_^.)
2011.10.13
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今年のMLBのポストシーズンを観たくないといえば何と言ってもBOS関係者だろう。脚本家も気恥ずかしくて採用できないような(悲)劇的な決着の仕方だった。あの時点では或る意味あの悲劇を演出した形になったNYYだが、彼らもまた今日大きな溜息をつく羽目に陥った。鬼門のALDSのゲートを突破できなかったのだ。お得意さんのMIN以外だと本当に弱い。2001年にOAKに勝ったのが最後、LAAとDETに2敗、CLEに1敗、MIN相手に4勝しているが他は全敗の体たらくだ。恐らく多くの松井秀喜ファンがそうであるように、私もNYYは‘生かさず殺さず’が理想だ。ワールドシリーズまでは行ってもいいが、チャンピオンになるのは勘弁。松井が導いたと言っても良い2009年の価値が希薄化するからだ。我ながら狭量だとは思うが紛れも無い本音だから仕方が無い。わかりきったことだがポストシーズンに進出できても結局ワールドチャンピオンになるチーム以外は満足感を味わうことができないどころか不満を募らせてシーズン終了となってしまう。超ポジティヴ・シンキングで言えば今季のA’sファンはストレスと言う点では恵まれている?2位のLAAは最終的には1位と大差になったが、もう少し頑張ればワイルドカードを含め、チャンスが無かった訳ではないから無念さは残る。一方、SEAは7月初めまで5割をキープしながらも終わってみれば定位置の最下位に沈んだ。その点OAKは最下位から這い上がり、2ndハーフは勝率5割をキープしたし、上には遥かに届かないから妙なイライラも無かった。なんちゃってね、これってポジティヴというより負け組の感覚が沁みついてきただけだね・・・(-_-;)来年の秋は一体どうしているんだろう。
2011.10.07
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