メリメ(杉捷夫訳)『カルメン』
~岩波文庫、 1960
年第 33
刷改版~
Prosper Mérimée, Carmen
, 1845
メリメ (1803-1870)
調査のためスペインを訪れていた考古学者は、案内人がどんなに合図をしたにもかかわらず、盗賊のような男に話しかけ、親しくなります。その夜、考古学者は、案内人が盗賊をつかまえるために動き出したあと、ある行動に出て…。
後日。考古学者は、美しいボヘミアン(ロマ)の女性と出会った考古学者は、女に占ってもらったところで、あの男と再会します。
さらに後日。盗賊は、あの女―カルメンとの出会いから終局までを考古学者に語ります。
出世を目指していた騎兵の男―ドン・ホセは、美しい女、カルメンと出会ってから、運命が狂い始めます。女を逮捕すべき場面で、女を逃し、その後は女たちの窃盗団に加わることになります。やがてホセは女への思いから、人をも殺してしまうことになり…。
あまりにも有名でありながら、なかなか読めずにいましたが、読み始めたら引き込まれました。
考古学者の視点の1・2章に続く、第3章がドン・ホセの語りで、物語のメインを占めます。ホセが沼にはまっていく様子、そして彼を翻弄するカルメンの対比と、悲しい結末が印象的でした。
(2025.07.04 読了 )
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