シェイクスピア(中野好夫訳)『ロミオとジュリエット』
~新潮文庫、 1994
年改版~
William Shakespeare, Romeo and Juliet
劇作家ウィリアム・シェイクスピア (1564-1616)
やや詳細に筋をメモしておきます。
ヴェローナにて、モンタギュー家とキャピュレット家は互いに敵視きていて、それぞれの家の召使同士もいがみあうような有様でした。
ある日、恋に悩んでいたモンタギューの息子ロミオは、キャピュレット家で開かれた仮装舞踏会に友人たちと参加します。そこでキャピュレットの娘、ジュリエットに出会い、二人は恋に落ちます。
フランシスコ会修道士ロレンスのもとで結婚をしますが、その後、キャピュレット夫人の甥ティボルトにからまれ、友人マキューシオを殺されたロミオは復讐を果たしますが、それによりヴェローナからの追放を受けます。
ロミオの追放を知り嘆くジュリエットは、さらに、意に沿わない人物との結婚を迫られることとなりますが…。
久々の再読ですが、いくつか気付いて面白かったのは、
・ロミオは冒頭ではロザラインに恋していたこと
・舞踏会でジュリエットを見ると一気に心変わりしたこと
・ロミオとジュリエットは(形だけでも)結婚していたこと
です。
翻訳もかなり思い切っていますが(「南無…」などの言葉も出てきます)、「日本語でならばどんな表現をするであろうか、勝手にしゃべらせてみるという手法をとった」 (266
頁 )
とのことです。また、シャレのような言葉については、詳細な訳注もついていて、原文を忠実に訳した場合も示されていて、便利です。
思い切った訳文であるため、違和感のあるところもないではないですが、読みやすく、また解説も充実しているので、この有名な劇にふれるには便利な1冊です。
(2025.08.31 再読 )
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