仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2007.11.02
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カテゴリ: 国政・経済・法律
帰宅して夜のニュースを見て知った。今日(2日)午後、福田首相は30日に続く党首会談の場で小沢民主党代表に大連立を打診。小沢代表は持ち帰って役員会に諮った後に、福田首相に正式に断ったという。

ニュースが報じた街頭の声は、何で今さら連立なのか、国民の選択肢を奪うものだ、大政翼賛の復活か、という感じで総じて否定的だった。密室で物事が決まるというダーティな印象を忌避したい感覚もあるのだろう。

私も基本的にはそう感じる。しかし、冷静に考えると、国政の停滞を回避するために提案した(とされる)福田首相の行動は理由のないものではない。そもそも衆院と参院のねじれ現象が生じる可能性のある現行憲法下では、いかに衆院の優越が規定されているとしても、参院が自ら譲歩する姿勢を敢えて取らない以上、法案の成立(衆院再議決を含む)までには相当の時間を要し、政治空白と政局の不安定を招くことになる。

願わくは参院が形式的台頭を主張せず、内閣や与党の姿勢に対して修正を求めるなどして政治的調整を促進するか、あるいは民主党が受け入れられないのなら参院では迅速に否決して衆院再審議に割く時間を与えるべきなのだろう。

しかし今回の通常選挙で示された自民への批判票は相当なものだった。参院が謙譲の姿勢を取ることは、国民も許さないだとう。

となれば、一定の政治的妥協は必要なのである。党首会談を密室政治と酷評する人もいるが、互いの政党の基本方針を確認しつつ、政治空白を埋めるという共同の全国民的利益を考えて妥協することは非常に意義のある政治家の行動である。

誤解を恐れずに言えば、そもそも衆参ねじれの政治情勢を「選択」したのは国民である。国民もこのことは冷静に考えなければならない。政治空白で失う国益は大きいのである。せっかく二大政党的状況になっているのに、国会議員が総選挙での審判もなく勝手に政権交代や連立を組むのはおかしいという感覚はわかるが、かといって解散もすぐにできないのだから(すればまた空白を生む)、現実的判断を尊重しなければならない。

さて、本題の連立打診と拒否の話にもどるが、小沢氏は連立を飲むつもりはなかっただろう。民主党の全体の雰囲気も連立は反対だろう。上げ潮ムードだから、早く総選挙に臨んで堂々衆院単独与党の王道を極めたいだろう。なのに小沢氏がわざわざ持ち帰って役員会に諮ったことについては、福田氏のメンツを立てたから、などとされている。

対する福田首相にも大連立の成算はなかっただろうが、イラク特措法期限切れに関する対応のアリバイづくりのためと、ゆさぶり戦略なのだろう。かつて野中広務は悪魔と呼んだ小沢の自由党を招いて自自連立を組み、結果的に自由党を解体させた。与党に吸い取って相手の団結を断ち切るという戦略だ。今回の福田首相にはそこまでの底意はなかろうが、出方を見るつもりは多少はあったかも知れない。



私は首相と小沢氏が明示か黙示か合意した上での、申し出と拒否の舞台だったのだと思う。小沢氏としては自身の持論である国連中心主義の恒久法の実現に道筋をつけられる。民主党内をまとめることにも好都合。福田氏としては、真摯に国益を考えたのはたぶん本当だと思うし、敗北者を印象づけたとしても同時に柔軟な展開の可能性を示した。与党内にも他の決定的な打開オプションはないのだから、誰も首相の行動を非難しない。小沢氏はそれを承知したから、わざわざ一旦保留して福田氏の提案を丁重に扱ってあげたのだ。

こうして両者は今後のレールを引いた。恒久法案を早期に通して、政治と外交の空白をまず埋める。そして、年末の総選挙を迎えるのだ。





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最終更新日  2007.11.03 00:27:17
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