仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.11.27
XML
カテゴリ: 宮城


■関連する過去の記事
末の松山・沖の石 (2010年4月30日)

地学団体研究会仙台支部編『せんだい地学ハイキング 気分は宝さがし!』(宝文堂、1993年、2005年再版)によると、仙台の地盤はおもに新生代の地層だが、利府町や多賀城市の一部には中生代前期の三畳紀の地層(利府層)がわずかにみられる。利府層は2億3500万年ほども前の地層で、浜田の北にある採石場で土木材料として採掘される頁(けつ)岩や砂岩からできていて、アンモナイトなどの化石を含んでいる地層だ。そして、「沖の石」もその利府層の露頭だという。

奥津春生『大仙台圏の地盤・地下水』(宝文堂、1977年)を読んでみたら、大仙台圏の表層地質からみた地盤分類として、もっとも固結した状態の固結堆積物からなる表層地層として、頁岩(白沢層)、砂岩(七北田層、綱木層)、砂岩・頁岩互層(旗立層、青麻層)、れき岩・砂岩(茂庭層)と並べて、砂質粘板岩(利府層)が説明されている。


利府層は、中生代三畳紀の砂質粘板岩で、利府町から多賀城市にかけて分布。新鮮な岩片はかたいが、表層の岩片岩体は細かい節理が多く、風化してるのでややかたい等級に属するものが多い。利府の砂質粘板岩は人家密集のため採掘困難であるが、隣接する浜田地区のものは採石・捨石として採掘されている。利府層からは地元で蛇石とよんでいるアンモナイト(頭足類)のほかダオネラ(二枚貝)の化石を産出する。





地域計画においても、大都市との距離、労働力、交通条件など経済地理的な社会条件を取り上げがちで、自然的条件についても、水運や気候などは気にするが、地盤や地質の特性は顧みられることが意外と少ないと思う。実は、地下水や地質特性は非常に重要な要素として、少し前までは必ず基礎調査に含めていたはずだが、近年は、新規開発ブームが去ったためか、はたまた既存市街地の空洞化や高齢化という対処療法に追われるためか、地質学的成果に目に行くことが少ないような気がするし、日常会話からも、地盤の話題は消えつつあるような気さえしていた。

しかし、今次の大震災は、仙台圏の住宅地の崩落や、いびつな形の県内震度分布など、地盤に対する県民の関心を呼び起こし、地質学の累々たる成果である仙台・宮城の地質状況がふたたび注目されるべきではないだろうか。

大地のダイナミズムと多様な個性を、みずから顔を出して教えてくれた「沖の石」。かくいう私も仙台圏の地質は不案内なので、勉強してみたい。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.11.27 16:24:24 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

コメント新着

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

▲ 画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: