お霊参り2

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清之助^^ @ Re[1]:怪談実話系6 著者9名の競作集(01/14) 風船猫~☆彡さん 大根は痙攣しないものと…
風船猫~☆彡 @ Re:実話”恐怖”怪談 怖い噂編集部(01/13) よい除霊方法が見つかればいいんだけどね。
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清之助^^ @ Re[1]:霊障無心 織田無道 エム・ウェーブ(07/14) あんじぇ(*・∀・)さん 女性の手という…
2022.10.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類

「魂追い」
工藤さんの田舎では人魂が非常に縁起の悪いものだと伝わっている。
これは大昔の話ではなく、今現在も警告として、言い伝えられているものだという。
当時の地元の若い衆は、何かにつけて寄り集まり、酒を飲んでは自慢話をしたり
小競り合いをしたりするのが日常であった。
彼女の大叔父である工藤氏も、呼ばれれば平日であろうが残業帰りであろうが
ホイホイと出向くのが当たり前の習慣だった。
そんなある日、いつものように誘いの電話があったのは、風呂と夕飯が済んだ午後七時。
支度をして、ぶらりと某氏の家に向かったのだが、夜の空気が騒めいているようで
どことなく落ち着かない。

それと同時に 『・・・・あっちだあっちだ!』 『ああー、消えた、いやまた出た』 と興奮した
若い衆の声も聞こえる。
工藤氏は咄嗟に走り出した。
『なんだなんだ、どうした!』
『おお、クッさん、アレ見てみろ!人魂が出たぞ』
樹々に覆われた深い谷の合間を、すう、すう、と蛍のような動きで浮遊する物体が見えた。

どやどやと、谷への道を走り出す者達。いっしょに行こうと当然誘われたが、こちらを誘うような
人魂の動きが気になったので行かなかった。

『なんじゃクッさん怖気づいたんか。そしたらワイらが捕まえてきてやるから、ここで待っとれ』
竿の長いタモを手に取り、都合三人ばかりが谷の中へ入って行った。
残った工藤氏ら数人は、上から彼らの声が遠のいていくのを眺めていた。

・・・・そして誰も帰って来なかった。
三人とも谷底の川に落ち、流されてしまったのである。
『・・・・大叔父は、その時のことをずっと悔やんでいましたね。引き留めればよかった、って』





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Last updated  2022.10.29 16:09:27
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