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妖鬼妃伝 美内すずえセレクション黒の書 (このマンガがすごい!comics) [ 美内すずえ ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2025/7/11時点)この漫画を読んだのは小学生の頃だったかないやー怖くて好きな漫画ですよ。今でもあせないホラー漫画だと思います。ホラー漫画ではありますがちゃんと少女漫画してるのがいいですねー怖さ、でいうなら「白い影法師」の方がひょえっとなる怖さですよ。霊体験してる人なら「白い影法師」のほうがよりリアルでこわいんじゃないでしょうか。こちらはホラーですがミステリっぽい要素が含まれているのが面白かった。とあるデパートに主人公のつばさと親友のターコが買い物に行くんですが、そこで「人形展」が開催されているのを見つけ……そしてそこから事件は始まります。「人形」というのはホラーの定番ですねー書き方が実に怖い。「人形の墓」という短編も描かれているんですが、そちらもお勧めです。さて、「事件」はオカルトにからんでくるんですが、つばさがその「事件」にかかわっていくのは親友のターコの突然の「事故死」からでした。事故か自殺か…地下鉄の電車にはねられて、という悲惨なものでした。服はぼろぼろになり、髪も一部切られている…それがまずひとつの不審点としてつばさに疑問をもたせます。そしてターコの死に疑問を持ったつばさは、デパートに聞き込みに行くんですよ。そこでスタッフのひとりの発言に「確信」をもつことになり、デパートに潜入して不思議な体験をする…というのが前半です。このあたりはホラーというより冒険ものというかミステリってぽい流れですよる。九曜というひとりの盲目の美青年と出会うってあたりに少女漫画らしさがあってよかったですわー「人形」のオカルト的要素をすごく上手に使っているんですよ。1000年も生きる「妖鬼妃」様、そのまわりの随身達もまた時を超えて生きているんですよね。そしてそのやり口がけっこうえげつない…けど、これほんとにありそうな話だなぁとも。歴史上の有名人もしれっと名をだしてきて、そこにリアリティを持たせているのはさすがです。この作者さんはこの漫画を描いていたころが絶頂期だったんじゃないでしょうか。絵の迫力がほんとはんぱないんですよね「ガラスの仮面」があまりに長期にわたりすぎてそちらが有名になってしまったけれど、やはりわたしはこの頃の漫画が好きですね。ガラかめも二人の王女あたりまではすごく好きでしたから。この妖鬼妃伝は、デパートや地下鉄といった、身近なところを舞台にしているのが怖さをいい具合に煽ってくれますね。人形が窓に張り付いてるシーンとかめっちゃ怖くかかれてますし。玄関に次はお前だとばかりに紙人形はりつけるとかね。そしてなにしろ少女漫画ですので、最後はらぶなえんどになります。そこのあたりもとても可愛くて、これはヒロインも相手の九曜さんもすごく好きなんですよ。地下鉄に平安時代めいたかっこうの人たちが乗っていくってシーンも、アンバランスさが怖さを掻き立ててくれるんですよ。非日常、異空間、というのを異常な光景をみせることで不安をあおってくる。うーん、うまいです。「黒百合の系図」もそうですが、ヒロインがとても行動的だし、ちゃんと聡いんですよね。無謀なこともするんですが、無謀過ぎないのもいい。ちゃんと友人を頼ったりもしますからね。わたし自身はこういった漫画を読んで、怖くて眠れないとかトイレいけないとかはまったくないんですが、日本人形こわいーーーってなった方はおおいんじゃないでしょうか?古いコミックですので、たとえばデパートのセキュリティーがガバガバすぎんかといったようなつっこみはせず、昭和のホラー少女漫画として、ぜひとも読んで、楽しんでほしいですね
2025.07.11
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今世では、ひとりで生きようと思います。そのはずが…【電子単行本版】1【電子書籍】[ 藤いちのせ ]価格:561円 (2025/11/23時点)楽天で購入これはわりと…ひどいです…なんつーか、漫画というか物語の形にすらなってないです。絵も微妙で…下手とまでは言いませんが、やはり動きのある絵はかけないようですし、それ以上に漫画として「説明」することすらできていません。絵で、何が起きているかわからない、と最初の方でわかることがいくつかあるんですが、婚約破棄した後クズカップルが部屋から「退室」しているはずのシーンですら、足とドレスの裾が描かれていて、「出ていく」のか「入ってくる」のかわからないんですよよくわからん部屋で婚約破棄のつまらんくだりがありまして、とつぜん現れた暖炉にブローチをポーイして、そこからクズカップルがヒロインをあざ笑って…部屋を出ていく?らしい後に、ヒロインがその場に膝から崩れ落ちて…というシーン、その「膝から崩れ落ちる」シーンすらありませんからね?手が描かれているだけ。絵についてはまあ、ところどころで語りますが。もうね、婚約破棄のくだりとかつまんないんですが、それ以前の問題なんですよ。「今世」とタイトルにある通りヒロインのマリーシャは突然「前世」の記憶がよみがえってくるんですが、そこもほんとひどくて、まったく説明になってないんですよ。驚きですよ?いきなり見知らぬ男…元クズ婚約者?みたいな男がなんか言ってて、ヒロインの前世女らしい「黒聖女」?がなんかわめいていて、利用されて処刑されたひどい裏切られたガーンみたいなシーンなんですが…まずね?「この国」ってどこ?現在マリーシャが生きている国の過去、つまり同じ国なのか、それとも別の国なのか。そして皇太子?とかいうのが言ってる国を大国にするため聖女を利用したって、何をどう利用したのかがわかんらないんですよ。戦争があってそこに「武器」として聖女をつかったのか。侵略戦争するための情報収集のために聖女をつかったのか、それとも内乱とかでもあったのか王位継承のもめごとに利用したのか?そういったことがまったくわからないまま、聖女は「利用されたあげく処刑された」というんですが、処刑ってことは罪を着せられて殺されたのか、それとも皇太子が独断で「私刑」にしたのか。とにかく、なにひとつ事の説明がないんですよ。わかったのは、ヒロインのアリーシャが前世では「黒魔女」と呼ばれた優れた魔術師だってことくらい。さらに悪いことに「魔力」と「魔術」をべつに扱っているのはいいとして、「魔力」は膨大にあるのに「魔術」として顕現できない。つまり「魔力」を外にだしてなんらかの効果をもたらすことができない、それもわかるんですが。どうすれば「魔力」を「魔術」として放出されるのか、その過程や行程をいっさい「絵」で説明されないものだから、妹が優れた力をもっていようが、よくわかんないんですよ。だって魔法陣らしい円形を手から放出してるだけの絵しかないんだから。だからね、その「魔法陣」とやらをどうしたら体外排出できるのかをかいてくださいよっていう。気合でだすならだすでいいんですが、なんか魔術ならってるとか練習とかしてるみたいだし、魔法陣を手書きしちゃだめなんですかね?まあそれはいいとして。魔術を使える人間がなんで国で優遇されるか、その理由も明らかではないんですよ。ただ「魔術が使えるから」だけで優遇されるってことなんですか?でも国を運営するのって「魔術」ではどうしようもないでしょ?武器として有効ならそう書けばいいし、医療として有効ならそれでもいい。でもそれで貴族として優遇されるのっておかしいんですよ?市井の民は魔術つかえないの?貴族だけの特権?でもこの世界には「魔族」というか「獣人」?みたいな魔物っぽいものもいて、それと戦ってる辺境地では貴族まるごと蔑視されているんですよ。ここらの設定がぺらっぺらで呑み込めないってのに、ヒロインの設定自体もぺらいんですよ、困ったことに。前世で裏切りに合い殺され、そのトラウマで魔術がつかえなくなったってのも、へんでしょ。だってトラウマというのは「裏切られた」「利用された」ことに対してですよね?なら、人を信じられない、という形で出てくるはずでは?そこは百歩譲って魔術使うこと自体が嫌になった、怖くなった、というのもわからないでもないんですが、前世の記憶がよみがえった時点で「もう利用されたくない」と思うのなら、ポッと出の男をなんであっさり信じるの?ちょっと前のコマで、わたしはもう誰も信じない、とドヤっておきながら、すぐさま見知らぬ男を信用するんですよ。助けるまではわかるんですよ?ひととして見過ごせないと思ったってことでしょうからね。そこで男が語られる話をなんで鵜呑みにしちゃいますかね?少しは警戒しなさいよ。心配してくれたのねキューンじゃねぇよ。それ元婚約者にも同じ件やってたやん?表面上だけでもクズ婚約者は励ましてくれて、それにときめいていたのに「裏切られた」じゃないの。つまりね、前世のトラウマがちっともトラウマになれてないんですよ。ほんとに前世のトラウマが魔術を使えなくするほどにおもたいのなら、会ったばかりの「男」を安易に信用するはずないんですよ。どんなに優しい言葉をかけられても。いやむしろ、優しい言葉をかけられればかけられるほど疑ってしまうってのが、トラウマってもんで、そんな簡単に払しょくされるようなもんじゃないでしょそしてタイトルに偽りもちょっとだけあって、ひとりで生きようなんて、これっぽっちも思ってないんですよ、このマリーシャ口だけは自活しよう、自立しようなんて言ってますが、ほんとに口先だけです。だってめっちゃ魔術つかえるんなら、いったん家にかえって金目の物持ち出して、それこそ公爵家の権利すべてを返還する旨を伝え、それでも強引にへんな男と結婚されそうになったら魔術で叩きのめしてとっとと家を出りゃいいんですよ。「ひとりで生きたい」んですよね?魔術を「利用されたくない」とかいってごまかしてますが、つよい魔術つかえるんなら、利用されないようこてんぱんにやっちまえばいいんですよ。意趣返しに。わたしはもうこれだけの魔術を使える、それでもあんたたちのいいなりになんかならない、もう侯爵家とはおさらばよ。こんな国出て行ってやると啖呵きって出て言ってこそ「ひとりで生きてやる」という言葉に重みが加わるんですよ。ところがなに、偽装婚約で男のところに寄生します?何言ってんだ、としかならんでしょ。ヒロインの性格が悪いどうこうではなく、設定がブレすぎているし、展開というか話の流れが雑すぎるんですよ。そしてこれ、物語になってないと感じるのは、ただの「説明」でしかないこともさることながら、その説明が片手落ちだからなんですよ。説明もすっとばして、なんか展開だけが先に進んでいるというか。絵自体もそうなんですが、「描きたいことだけを描いている」であって、「描かなければならないこと」をいっさい描いてないんですよ。文章でも絵でも、です。その場その場の説明があるものの、その説明もかなりざっくりしているので、説明になってないんですよ。絵もそれで、冒頭の呪いかけられ男セオドアとの邂逅シーンもひどいもので、なんか「どおん」と擬音だけ描かれていて、どうやら爆発?暴発?があったようなんですが、それがどこのどんな場所でおこったのかわからないし、セオドア一人だけがたたずんでいて、そこに「何かしら」があったようなんですが、それいっさい描かれていないんですよ。わけわからんすぎる。台詞回しもおかしいというか。冒頭婚約破棄シーンで「婚約破棄してくれないか」という日本語も実はちょっと変で。これだとヒロインの方に婚約を破棄「してくれるよう」促しているともとらえられるんですよ。まあ、ここはいいとしても。ヒロインが妹に対し「カノリアだって! 私の婚約者であるハインリヒ様と一緒にいるなんて非常識じゃない」と文句をつけるんですが…言葉が足りなさすぎじゃない?別に「一緒にいる」くらいええやんけ?非常識か、それ?そりゃ「寝取った」んなら文句つけてもいいけど、一緒にいるくらいで「非常識」なんてさすがにちょっと言い過ぎじゃない?後にセオドアと婚約する流れのとこでも。「俺の婚約者という立場であればほかの男との婚約も無効にできる」「無効」とは?断ることができるとかそういうことなんでしょうが、「無効」ってなに?セオドアといっしょ食事するマリーシャとのシーンは噴飯ものなんですが。クリームが頬についていたから指でぬぐってペロッと舐める流れね。さすがにこれ古すぎやろ…こんなんさして仲良くもない男にやられたらキモいだけなんですけど、イケメン無罪にしても陳腐すぎる…のはいいんですが、そこでのセオドアの台詞がおかしいんですよ。「意外とお転婆なんだな」???なんぞこれ?お転婆の意味わかってます?というかこれ、下手すると「行儀悪いな」って意味になるんですけど、大丈夫ですかね?頬にクリームがついていた=お転婆??意味わからんすぎて。そしてなんで「俺と一緒に逃げよう」とかドヤ顔なんですかね、セオドア。自分の領地に帰るだけやん?なんかうまいこと言ったつもりなんでしょうか?いたいたしいし、マリーシャも笑顔で「はい」じゃないんですわこういった日本語というか会話のおかしさが散見され、読んでいて「???」となってしまうんですよ。あとは漫画家さんの絵でひとつ言いたいのは、クズキャラを描くときのクズ顔、もうちょっとなんとかならんかしら?下手とかいうのではなくすごく「妖怪顔」なんですよ。クズキャラだからってなんであんな顔のデッサンが崩れたような顔にしてしまうんでしょう。悪いこと思いついちゃった顔とかもそうなんですが、これってつまりね、表現のバリエーションがすくないってことでもあるし、表情をうまく描けないってことでもあるんですよ。婚約破棄したクズ王太子がセオドアの命を狙ってるとかいうのを後だしされても、最初にそれらしい布石がなかったから、ぜんぜん面白みがないし、クズ仲間の妹もなんでそこまでマリーシャを嫌いなのか、過去背景がないので共感できないんですよ。敵対するキャラクターにも、ちゃんと人間味を与えてもらわないと、物語に厚みが出ないんですよ。つまり、誰一人、そして世界観そのものに、なんの説明もなく、その場しのぎでなんかやってる風をだしてるだけで、これって「漫画」でもないし「物語」としての形にもなってない。イベント抽出してるだけの挿絵ですらないんですよ。…こればっかりは絵があまりお上手とは言えないから、なんですが。「描きたいものだけを描いている」ですらなくて、「描けることだけ描く」なんですよ。だからヒロインの笑顔とかはちゃんと可愛いんですが、ほんとにそれだけです。いっそね、前世で男にこっぴどく裏切られてムカついたんで、今世では逆に男を利用しまくって生き抜いてやる、にしてくれたらよかったんですよ。男に寄生して金をチューチュー吸い取って逞しく生きていく女、として描く方がよほどいいんですよ。利用されたことがトラウマなんだからね?それでもなかなかうまいこと「利用してやんぜ」ができなくて、あげくひとりで生きてやろうにも男に粘着されてどーすればっていうコメディにしてやれば、「ひとりで生きてやる。…のはずが」のタイトルも回収できると思うんですよ。でも、とにかくヒロインを「不遇」「かわいそう」にしたい、しかも「いい子ちゃん」「有能」にしたいがために、物語自体をヒロインのためのものにゆがめ、結果「物語」にならないんですよ。惜しい、と感じる間もなくて、ほんとにこれはひどいなぁ…と感じた作品でした。
2025.11.24
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はいからさんが通る 新装版(1) (KCデラックス) [ 大和 和紀 ]価格:605円(税込、送料無料) (2025/5/8時点)同作者さんの作品が続きますが、こちらはもうずっとずっと大好きなコミックです。「花の大正大ロマン」と銘打たれていますが、コメディ色がかなり強く、けれどしっかり恋愛ものです。これはアニメや舞台化、映画化もされたそうです。どれも観ていませんが。というのもこれ、アニメや実写化は難しいと思うんですよ。舞台が大正だからではなく、内容がけっこうなコメディで。その部分を省いては面白さ半減ですからね。そしてこれは今でいう「逆ハー」という設定でもあるんでしょうが、それが無理なく展開されています。主人公・紅緒の恋の相手は伊集院忍で変わらないのですが、編集長の冬星さんや弟分の蘭丸、狼さんこと鬼島…どれもいい男すぎる。いや蘭丸は可愛いんだけど。このバラエティに富んだ「イケメン」…全員が紅緒に恋をしてしまうんですが、納得できるんですよ。ヒロインを読者が好きになれるって大事なことで、さらにイケメンたちにことごとく惚れられても違和感ないってのも重要です。この点紅緒は納得なんですよね。紅緒のブレなさ、というのはすごく大事だし、魅力のひとつでもあります。わたしが惚れたのは親友の環ですけどね!環のような理解者であり親友がいるというのがまたヒロイン紅緒の魅力の一つになります。才色兼備で華族のお嬢様である環ですが、紅緒とは相通じるものがあり、重要なキャラです。ヒロインにこういう魅力ある親友がいるって、じつは少女漫画ではなかなか難しいと思うんですよ。もう環がいるからこそ、はいからさんが好きってのすらあります。結果的に環は鬼島と結ばれるし、蘭丸もまあいちおう…それなりの相手を見つけるという後日譚もあり、冬星さんも大事な存在をみつけられる…それぞれに救いがあるようになっています。ところでこの漫画は恋愛もいいんですが、コメディ部分が大好きで、いやー、これしか今の時代だったらできへんやったろなってのがかなりあります。だいたい、ヒロインが酒好きの酒乱だし。酔っぱらっていろんなことしでかすし、監獄には入るし…いやぁ、少女漫画のヒロインとしてどうなのっていうエピソードがてんこもりなんですよ。そして「今週の御言葉」シリーズも好きで、これはどこかのコマに張り紙がされてるんですが、それを見つける楽しみもあります。これは番外編のコミックに全部収録されていたのでありがたい。「はいからさん よんであなたも 恥知らず」とか「ちかんにあったら化粧をおとせ あなたの素顔でおばけも即死」とか「金になるならへつらおう 金は正義だ真実だ」まだまだありますよ!!もうこんなん書いちゃっていいんか、みたいなのがゴロゴロでてきます。また、読者さんのお便りコーナーが漫画の下の載ってることがあって、それもまた狂気しかないっていうこの当時ガッチャマンが流行っていたのか、それらがよく出てきます。リアタイで読んでいたわけではないしガッチャマンは見たことなかったんですが、まあ知識として知ってはいたしねっていう。これがね、大正十二年の関東大震災をきっかけとして結ばれる紅緒と忍の恋の物語ってんですから、もうすごいの一言です。シリアスなシーンが続いてもラストはほっこりなハッピーエンド。古いコミックでもっているので、新装版などでは手直しされているのかもしれませんが、番外編のコミックに載っていたイケメンたちの対談とかクイズとか、それも含めてエンターテイメントって感じですよ。こちらの漫画に関してはメディアミックス…まあアニメやらなんやらはあまり見たいと思わないかな。上でも述べましたが、破天荒なコメディを削っては成り立たないのが「はいからさん」ですし。監獄にぶちこまれて牢名主のお定とはりあってたりするのがいいんです。歯ぎしりまでしますよ、紅緒。つよすぎるwはいからさんのコミックに一本短編読み切りが入っているのですが、それも好きな作品です。「杏奈と祭りばやし」という、とてもしんみりする優しいお話です。少女漫画ってすごいなと思ったんですよ。こういう作品が少女漫画雑誌に掲載されたんだなって。今ではなさそうかな…これも読んでほしい一作。はいからさんとはテイストが違いますが、はいからさんに通じるものはあります。今週の御言葉をみつけるためにも、ぜひともお手に取ってもらいたいコミックです。
2025.05.08
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拝啓、役立たず令嬢から親愛なる騎士様へ~地味な魔法でも貴方の役に立ってみせます (novel スピラ) [ 結生まひろ ]価格:1,430円(税込、送料無料) (2025/12/1時点)楽天で購入【注意】リンクはノベル版ですが、読んだのはコミカライズ版です。コミカライズ版の方は…絵も漫画も下手なんですが、物語の展開自体がものっすごく雑です。そしてところどころ日本語もおかしいので読んでいて…非常にもやっとしますね…不遇ヒロインものなのでつまらないこと請け合いなんですよね…ばかばかしい展開が続くんですが、これは、物語の進め方が雑すぎるからだと感じました。ヒロインのユリアーネは実家で虐げられている伯爵令嬢なわけですが、伯爵家のわりに家はそこらの安い戸建てみたいな建物かっていう内装で、しかも家のことを全部ひとりでやらされているらしいんですよ。うん、伯爵家ですよね?父親が資産を使いまくっているとかいうけれど、領地とかはない名ばかりの伯爵家ってことなんでしょうか?まぁ、もうどうでもいいや…ほんとにこのあたりの描写が漫画家さんも下手で、令嬢ものっていう雰囲気が全く出てないんですよ。で、相変わらず義理の姉はドレスの繕いを素人のユリアーネに任せて夜会に出るとか言ってるし。いや、ドレスの仕立てってそんな簡単なもんじゃないんですけど。そんなの素人に任せて大丈夫なんすかね。そして伯爵家なのにメイドやらを全部追い出したと描かれてあったんですが、伯爵家の体面とか…どうなってんの?もう、ほんとこれ令嬢ものなの?こういうのちゃんと考えてないんだなと思いますよ…ユリアーノは母方の「フィメール伯爵」を継いでいるわけですが、ここに婿養子として連れ子つれた「フレンケル伯爵」がはいってくるわけですよね?で、まあ、フィメール家の資産を使い果たしてるってのはまあいいとして、これ、ユリアーノは「法的」にどちらの娘になってるんだろうねっていう、これはあとあと必要な設定なんですけど…まあ、もうほんとどうでもいいや、この不遇アピールのとこは。これってね、冒頭、顔も知らない婚約者がユリアーノにはいて「文通」だけはしてるですよ。で、その「文通」だけで交流して、その「文通」「婚約者からの手紙」だけがユリアーノの心の支えになっていると。つまりこれって古典「シラノベルジュラック」がベースになってるのかなと考えたんですよ。というのも、途中からなんですが、「婚約者からの手紙」は別人が書いているんですよ。それがユリアーノの相手となるルディという公爵家の次男です。なので、ああ、「シラノ」なんだなと感じたんですよ。古典ですので、このシラノをネタにした話っていろいろとあると思うし、ネタにしているからこそ面白くなるかもと感じることもあったんですが。うん、面白くなることはなかったです。というのも、その「文通」、そっこく終わってしまうんですよ。もったいなさすぎるやろ…ここをもっと丁寧に描いてほしかった。ユリアーノは婚約者とは会うこともままならず、手紙だけを心のよりどころにしていた。つまりその「手紙」に恋をしていたんですよ。あったことのない婚約者にではなく。そして手紙を書いていたルディはユリアーノの婚約者と偽って、真愛を込めた手紙を書き続けている。ユリアーノが好きだという気持ちは本物で、ユリアーノには婚約者がいるとわかっていても、あきらめきれない。ならばその不実な婚約者の名を借りて愛を語り、いつかは。ここが冒頭にあるのだから、この「文通」でのエピソードはもっと丁寧に描いてほしかった。つまりね、冒頭にある不遇なヒロインなんぞとくに必要ないんですよ。せいぜい家が困窮していて伯爵とは名ばかりで、貴族としての体面を保つのもそろそろ限界…というくらいの設定でよかった。展開が雑というのは、手紙のやり取りがちょっとあって、婚約破棄の流れになって、ルディがユリアーノんちに押しかけて、義父を拘束、ってのが立てた板に水を流す勢いで早すぎるんですよ。結局「シラノ」なんてなかったんや…というもったいなさ。あれよあれよとユリアーノは公爵家に連れてかれて魔術を学ぶことになりっていう、くだらない「なろう系」の流れになっちゃったんですよ。そもそもルディは初っ端からヒロイン大好きなんで、「恋が実る」過程も楽しめない。はじめから溺愛ありきなんて面白くもなんともないです。絵と漫画の稚拙さもあいまって、先を読む気にはなれませんでした。なにより、ところどころにある会話の不自然さ、日本語のおかしさが気になってしまってね。これ、漫画描いているときに気づかないのかな?冒頭からもうね、てんこもりでありますよ。不自然というか、意味がわからんという言葉がほんとうに多い。義理の姉がドレス縫ってこいと命令してヒロインがくちごもると「裁縫もできないならせめて早く稼いでお金を仕送りなさいよ」と文句をつけるんですよは???仕送りって、ユリアーノは実家でメイド仕事してるのに、「稼いで、仕送り」ってなにをどうしろと?そのあと、ユリアーノは内心むかついていて、「あの二人が文句の一つも言えないくらい完璧に仕事をこなしてやる!」「そしてわたしがいなくなった後、私という存在の大きさに気づいて感謝すればいいんだわ」は??いや、「感謝」て。そこ「後悔」じゃない?というか、ユリアーノが出て行ったところでメイド雇えばいいんだし、別に困らんやろ。手紙での文章もへんてこで「もうすぐ君に会えるね。そう思うと私の胸はいっぱいになりとても苦しい」くるしーんかーい!!というかなにで胸がいっぱいになるんよ?これはルディの偽手紙なので「苦しい」のはわからんでもないが、表現の仕方かあるでしょ「君に会える」のは嬉しいのか苦しいのかどっちだよ。いやこの手紙の文だけでつっこみどころ山ほどあるんだけど、この手紙を読んだ後ユリアーノは婚約者の筆跡がいつも違うと思うんですよ。ところがすぐ次のコマで「久しぶりでドキドキする」と。いやいや、そこはどきどきするまえに筆跡の違和感に気づいてたやろ。せめて忙しいからあわてて書いたから筆跡が違って見えるのかとかなんでもいいのでその「違和感」をちゃんと読者にも感じさせてくださいよ、ドキドキするのがワンテンポあとでいいんですよ。「違和感」はここでは大事なんですよ。そして次のページ義父に「おい!ユリアーネ(略)~どういうことなんだ」と詰問されるんですよ、届いた手紙をユリアーノに見せつけて。そのユリアーノの返事が「はっ、はい」なんですよ。いや、どういうことなんだ、という疑問になんで「はい」なの?いったいなに、とモノローグでかかず、「何でしょうか」と問うところでしょう、手紙の内容知らされてないんだから。もうね、この調子で1ページごとにといっても過言ではないくらいに言葉の不自然さ、会話の不自然さがあるんですよ。過去のシーンでルディが雨宿りに軒下をかりようとした、でユリアーノがどうぞ屋内であたたまってくださいと声をかけるんですが、ルディは「そこまでしてもらわなくとも」とやんわり断るんですよ。そこでユリアーノが返したのか「騎士様がお困りなのに何もしなくては伯爵家の名が廃ります」「何もしなくては」って何?何言ってんだマジで。騎士様がお困りなのに何もせずに放っておくわけにはいかない、ということを言いたかったんでしょう。そして「名が廃る」の使い方ってここでは不適切なんですよ。間違ってるとまではいいきれませんが、あえて言う必要がないんですよ。恩着せがましいでしょ、「伯爵家」をアピールしてるんですよ、これ。ここはユリアーノのやさしさをアピールしたいんなら「伯爵家の名が廃る」なんていわず、ユリアーノ自身の「親切」として「騎士様をこのまま放っておくなんてできません、どうか私のためと思って休んでいってください。大したおもてなしはできませんが、タオルくらいはお貸しできます」でもなんでも、いいんですよ、テキトーなこといって入ってもらえばいい。もうこれに類する、言葉の足りなさと、言葉の恩着せがましさが鼻について…だいたいルディはこのユリアーノが好き好きなんですが、なぜ好きなのかがさっぱりわからないんですよ。いやね、ごくふつうに「いい子だな、好きだな」くらいならわかるんですよ。女神だなんだとほめたたえるほどに好きな理由がわからない、という意味で「わからない」んですよ。そして展開が早いと上でも書きましたが、ルディはユリアーノの義父を拘束するに至るんですが、その理由が「虐待してたから」なんですよ。いやまあ、いいですけど。せめてそこは「傷害罪・暴行罪」にしてほしかったし、この「拘束」にいたるまでのきっかけも書いてほしかった。情報収集してる素振りもないのに、どうして「虐待」を知ってたんだよっていうご都合展開が過ぎるんですよ。ユリアーノを自分の婚約者にするために先に義父のサインをさせたのはいいんですよ。そこからの不意打ちで「逮捕」というのは良かったと思います。でもユリアーノの義理の姉をなんでおいてっちゃう?「拘束」はしなくてもいいけど、事情徴収のために「連行」させるのが筋ってもんじゃない?ここらはまあ、漫画家さんが動きのある絵が描けないからなんでしょうけどね…この漫画家さんも絵が描けない人なので、「描ける絵」だけしか描かないんですよ。なので、伯爵家とは到底思えない貧相な「屋敷」になるし、「屋敷」に踏み込む騎士団というのも描けないんでしょう。義父を拘束して、さらに義理の姉の身柄も確保、連行、なんて絵も描けないんでしょう。ここらは漫画家さんが「描けない」からこその、バカげたシーンになってます。その後公爵家でのお食事会もお遊戯会みたいでルディの父が言うんですよ、スープ飲んで「まるでできたいのようだ」みたないこと。いや、そらそーでしょ?作りたて運んでるんですからべつにユリアーノの魔法なんて関係ないやん?それこそ「毒見」でもしてて、そのためいつも料理がひえひえってんならわかりますよ?でもそんな説明ないですし。それならお茶の時間でもなんでもいいので、お茶しながら話していたらすっかり茶が冷えてしまった、そこへユリアーノが魔法でちょちょいと温めなおす、というのをルディ達の「目の前で」やればいいんですよ。たぶんこれも漫画家さんが描けないのかなと…いやわかりませんが。そんなこんなで、とにかく話の作り方が全体的に雑なんですよ。コミカライズしたはいいけど、見直してませんよね?原作は未読なのでわかりませんが、大筋がこんななら、どちらも期待できないかなと。原作は読んでいないので感想は延べられませんが、すくなくともコミカライズ版はとてもじゃないけれどお勧めはできないです。赤ペンチェックしたい方向けではあるかな…
2025.12.02
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月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫 新潮文庫) [ 小野 不由美 ]価格:693円(税込、送料無料) (2025/10/16時点)楽天で購入いつまでも続きを待っている小説のひとつです。短編集でないかなぁ…いまでは大好きな作品ですが、むかしはそれほど惹かれなかったんですよね。たぶん「異世界で活躍する女子高生」の話が当時はあまり好きではなかったのかもしれません。なにしろこれ、むかーしむかしは、ホワイトハートなる少女向けの小説の文庫で出てたんですよ…表紙は同じイラストレーターさんだったと記憶してますが、新潮のこれとは違います。この当時、異世界に飛ばされて主人公が活躍するって話はそこそこありました。いまの「なろう」みたいに猫も杓子もって有様ではなかったのですが、スタンダードな話といってよかったでしょう。ナルニアなどの名作も海外にはありましたからね。そんな中でこちらは異彩を放っていた…かどうかは実は微妙なところなんですよ。他にもなかなかにおもしろい作品はありましたから。ただ、発表する場所を変えたのは大正解で、そこから爆発的?に人気が出ましたね。発表された当時から好きだった人も多いでしょうけれどね。今では大好きなんですが、若かりし自分は…どうもこう…異世界に飛ばされて活躍っていうのに憧れなかったこともあり、それで好きと思えなかったんですよね。いまでももちろん異世界に飛ばされるのは憧れないし、実のところそれ系の「なろう」作品はほとんど…好みじゃありません。なろうの異世界転移、転生、どちらも基本、読むのは避けています。それでもやはり、この作品は面白いなと言えます。異世界転移ものではあるし、ある意味で「転生」でもあるんですが、この話は「ゲーム内転生」の要素もあるんですよ。それをうまく世界観に落とし込めているし無理がないから好き、なのですよね。ゲーム転生っぽい、というのは後々になって感じたことです。というのも、この「十二国」には不可侵のルールがありますよね?他国への侵略はいっさい認めない、それしたら王様の命とりますし、国も滅ぼしますからねっていう。ほかにもこまごまと「ルール」が存在している。これに関してはヒロインの陽子も後に気づくんですよ。これはもともと日本人だったから気づいたことでもあるでしょう。ゲーム、とは言っていませんが。陽子がそれに気づいたときに、わたしも改めてハッとしたんですよ。陽子がヒロインとなるこちらの月の影では、陽子も必死すぎてそれに気づくことはありませんでしたけどね。この上下二冊は、読むのがしんどい…とくに上巻は、と言われますね。それもそのはずで、陽子の置かれた立場というか状況があまりに悪すぎるからなんですよ。「ネズミが出てくるまでの辛抱だ」が合言葉になってますね。この前半の陽子の悲嘆って、異世界転移には必要なことと思うんですよ。リアリティーをだすめたにも。これが「なろう」の異世界転移にはほぼないといっていいでしょう。陽子にしても「無双」なんですよ。なにしろ「王様」ですからね?めったなことじゃ死なないし、言葉も話すことはできる。剣を振るうために「力」もつけてもらっている。これってなろうあるあるの「チート」能力なんですよ。それでも陽子は自分を厭いながらもなんとか生き抜いてやっと自分を認められ、最終的には王になる決意をする。居場所が欲しいだのなんだのグダグダいってそうで、言ってないんですよ。はじめはちゃんと日本に帰りたい、とも思っていた。でも日本に陽子の居場所はないとも感じていた。このあたりは、昔も今も変わらない「思春期」の悩みの一つですよね。物語のはじまりに現れる金髪美形…景麒ときたら、そっけないし強引だし、もうちょっとやりようはなかったんかーいと思わせる冷徹さなんですが、ラストで再会したときは、なんか可愛いやつなんですよ。ここらが作者さん「さすがだなぁ」と思わせる筆致ですよね。どこでだったかで読んだのですが、十二国の王様たちは、「銀河英雄伝説」の主人公の一人、ラインハルトの治世がうまくいったら、という前提があるようでした。つまり、ラインハルトが善政を敷き続けられたらっていうね。ラインハルトも十二国の王様になれたらいいんだけどねぇ…ほらここって結婚して「血筋」を残す必要がないからね。これならたぶんジークも死なずに済んだんでは…ま、他国への侵略はNGなのでラインハルトとしてはつまんないかもですね。この他国への侵略戦争がない、っていうのはじつはすごくいい設定なんですよ。というのも、侵略戦争がないがゆえに、文明も目覚ましく発展しないんですよ。何百年経っても、文化はさほど変わらない。これって地球上で考えると不自然極まりないんです。だって地球なら、100年経てばかなり文明は発達しますよね?数十年でもかわりますよ?ここ最近のことでもそれは目に見えてわかるでしょう。むかしは「スマホ」なんてなかったんですよ。黒電話でジーコロジーコロかけていて、その前は電話すらなくて飛脚なんてものがいたりして、…そもそも「電気」の歴史だけでも目覚ましいものがある。こうした文明、文化の発達が十二国では起こらないんですよ。天帝がそれを阻止しているとしか思えない。子供が性交によって生まれない、つまり卵生ということも大きいかとは思うけれど。王様と官僚の寿命も長い…この寿命の長さも「発展性」を阻害してくるんですよね。だからいつまでたっても文明は発展しない。日本から…異世界からやってくる人間が改革しようにも、おそらく阻止されるでしょう。戦争によるさまざまな「発明」もされないんですよ。そもそも他国へ侵略できなくて、せいぜいが内紛止まりですから。この内紛もかなり大がかりではあるんだけど、どこかで頭をあさえられているような感覚がきっとあり、文明発達の道には至らない。この世界は「円環世界」でもあるので、ホラーの妙手であるこの作者さんらしい世界観の作り方だと思うんですよ。同じ世界の中でぐるぐると回り続けていくしかない世界で、だれかの意図も働いている「ゲーム」のような世界。だからこの話がもとはホラーから始まるのはとても納得がいくのですよね。何度読み返しても、ホラーってのは面白い発見があるんですよ。だからこの話も、ファンタジーでありホラーであり、わたしにしてみたら好きにならずにはいられない物語だったってわけです。いうて、ホラー小説はあまり読んでないんですが。やはり名作には違いないと思うので、十二国シリーズ、未読の方には是非にとお勧めしたいです。
2025.10.16
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真面目系天然令嬢は年下王子の想いに気づかない 3 (ライドコミックス) [ 片町ひろ ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/12/2時点)楽天で購入続巻キタコレェェェェもう出ないかなぁとしょんぼりしてたんですが、新刊きてくれました!!いやほんともうこれ大好きすぎるんですよ!キャラ全員好きすぎる…14歳になったラズリスもちゃんとかっこよくてかわいいし…ヒロインのガーネットがこの巻になって「かわいい」を発揮してくれています。タイトルにある年下王子の想いに気づかない、というのはこの巻からになるかな。恋のライバルとしてのフィリップもいいんですよー美形なのもありますが、すごく策士らしいのがたまりません。まあ、わたしが好きなのはセルジュにーちゃんですけどね!!セルジュにーちゃんに嫁は?嫁はよっっっ幸せになって…この作品は多分に漫画家さんのオリジナルが入っているようなのですが、かなり良い味付けになっていますね。国の歴史にかんしてもしっかり描かれていて、現在の王政がどのように制定されてきたのか…つまり設定というか物語の土台がかなりしっかりしています。今回すこしだけ残念だったのは、ナルシス殿下が出てこなかったことくらいかな…まあこのあたりは次でしょう。国王と王妃のこともなんですよね。ラズリス少年期の大きな山場となりえた王妃の存在が今回はほぼないに等しいになってます。ラズリスの教育係のラウル(ちなみに大好きだ!!)が陛下への批判をちゃんとされているのが好ましかったです。うんうん、この一言があるってすごく意味があるんですよ。ラウルの批判って、すなわち読者も感じていることですからね。ラウルがよい意味で「読者」の視点に立っていてくれているんですよ。こういう、物事を俯瞰してみることができる人物というのは、読者が物語没入する手助けとなります。文官のロベールという新キャラもいて、これもまたいいわぁ…読者視点というものにはなりえませんが、その代わり国の政治の「説明役」として適切なんですよ。ロベールもまた俯瞰した説明を担える人物です。次の巻が楽しみすぎる。とにかくキャラ全員好きだし、主人公ふたりのことは純粋に応援できるんですよ。ヒロインのガーネットの恋愛に疎い点も、嫌みな感じがありません。すっとぼけたりしないのがいいんだなと感じます。ガーネットの気持ちがブレないのがいいんでしょうね。恋愛小説を読んでるくせになんでやねーんと思わないこともないんですが、おそらく「勉強」の一環として読み、参考にしたり、評価したりしちゃうんで、自分のことのようには「体感」できないんだなーと、ここらも察せられる描き方をしてくれます。政治のことはがっつりかかれているわけではないんですが、ラズリスたちが政治に参画しているということがわかる描写があるので物足りなさは感じられません。狂王ユリウスの話を最初に入れてくれたのはほんとによかったです。いやー、絵もこのみというか、ほんまうっっっまいし、コメディ部分については好みは別れるかもですが、私はもう大好きで、いい塩梅にほっこりさせられるんですよ。緩急のある、いい漫画の展開だと思うんですよね。無駄にコミカルにしすぎない、というのがよい。漫画家さんの担当の推しはフィリップだそうですが、わかりますよ!!こういういい男はなんぼだしてもらってもいいですからねっまたわたしはセルジュおにいちゃんが一番ですけど!!にーちゃんかっこええ!!仕事できるし優しいし、最高すぎでは?とーちゃんは今のところ手紙とかにしか出てこないけど、いつか出ないかなぁ…セルジュはパパ似だそうですが、ガーネットの母の顔も一度おがみたいところ。出てないし、亡くなったのかな?まあともかく、次の巻ではナルシスの話も絡んでくるでしょう。ナルシスの「背景」も気になるところなので、ともかくつぎを楽しみに待ちたいです。
2025.12.03
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