March 12, 2024
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カテゴリ: 気になるTV番組
2024年NHK大河ドラマ 『光る君へ』 の感想です。

この回は開始早々、藤原兼家(段田安則さん)が一族の
存続をかけた陰謀のために、4人の息子たちそれぞれに
役割を与えていく場面に、思わず引き込まれました。

兼家は父として息子たちの個々の性格や能力をよく見て
いて、そこにそれぞれの息子に対する自分の感情を織り
交ぜた絶妙な役割分担をさせていたように私は思えました。

長男・道隆(井浦新さん)は跡継ぎとして大事であり、

成功した暁には家が安泰する絶対的な地位に。
次男・道兼(玉置玲央さん)には目的を達成するための
下準備の、陰で動く一番難しい裏方の役割を。

庶子の道綱(上地雄輔さん)は明るく素直で可愛いけど、
万一の時は汚れ役をやるように命じ、そして末子の道長
(柄本佑さん)は息子として可愛いという思いと道長の
人望を見込んで比較的ラクな役割を振っていました。

さらに兼家はこの陰謀で、上3人の息子は自分と運命を
共にする覚悟で、そして万一のことを考えて道長だけは
生き延びさせて、家の再興を図るようにしました。

先々を考えた時に、表舞台に立つ者(道隆と道長)と

分からない状況で、自分と運命を共にする者(道隆と
道兼と道綱)と必ず生かしておく者(道長)。
4人の息子をどちら側の置くべきかを、冷徹なまでに
判断して役割を振り分けていました。

ところで、この「家の存続のために誰かは生き残るように

どこか既視感がある方が多かったと思います。

そう、2016年の『真田丸』の、『犬伏』の回です。
真田家の3人が豊臣と徳川のどちらにつくかで悩んだ末に、
父・昌幸(草刈正雄さん)と弟・信繁(堺雅人さん)は
豊臣方に、兄・信之(大泉洋さん)は徳川方につくことに
して、勝敗がついた時には互いに命がけで除名嘆願をする
と決めた、あの親子の別れの回でした。

権力者が大きく入れ替わるかもしれないという時は、どの
時代も命を懸けた大きな決断があったのですね。

さて、今回のドラマの中で、いったいどれほどの意味が
あるのかよくわからない「剣璽」について、番組のHPで
解説が出ていました。 ⇒ ⇒  剣璽とは

こちらでは様々な意見がでていて参考になります。
 ⇒ ⇒  #光る君へ


寛和2年(986)6月某日、帝(花山天皇)を退位させようともくろむ藤原兼家
(段田安則さん)は、安倍晴明の占いで決行は6月23日が良いと言われ、急ぎ
4人の息子たちを集めて計画を練りました。
その日の丑の刻から寅の刻のわずかな時間の間に帝を出家させるために、次男の
藤原道兼(玉置玲央さん)には、丑の刻までに女装させた帝を内裏から連れ出す
ように、長男の藤原道隆(井浦新さん)には、朔平門の外に女車の牛車を用意し、
丑の刻までに朔平門を出るようにと。
その後は内裏の全ての門を閉じ、道兼は帝に同行して元慶寺に行くように、また
剣璽を道隆と庶子の藤原道綱(上地雄輔さん)で梅壺に運ぶように、もし誰かに
それを見られたらその者を道綱が後で始末をするように、という父の命でした。
(父に呼ばれて喜んで参上したであろう道綱。それがとんでもない陰謀の一端を
担うことになり、重責に恐れおののいていました。)



兼家は三男で末子の藤原道長(柄本佑さん)には、剣璽が梅壺に運びこまれたら、
帝が譲位したと関白・藤原頼忠の屋敷に伝えに走るよう命じました。
この陰謀はもし万一失敗したら兼家の一族は滅びるという大きな賭けでした。
なので伝令を命じた道長には、万一しくじった時は、道長は父が謀り事をしたと
関白に伝えよ、道長自身は何も知らなかった事にして我が身とは関わりない事と
言い張れ、そして生き残って家を守れ、と言いました。
道長が家を守るのは道隆兄上の役目ではと問うと父は、この謀り事が成功すれば
手柄は道隆のもの、道隆はそちら側だと言って父は去っていきました。



このところ父・藤原為時(岸谷五朗さん)が高倉の女のところに行ったままずっと
家に帰ってこないので、まひろ(吉高由里子さん)はどうにも気になってしまい、
様子を見に行ってしまいました。
粗末な家に住むその女は病の床にいて、為時に粥を食べさせてもらっていました。
まひろがいることに気がついた父は庭に出てきて、事情を説明しました。
女は病が重いが他に身よりもなく見捨てられない、間もなく命が尽きるだろうが
一人で死なせるのは忍びなく見送ってやりたい、と父は言いました。
父を人として立派だと思ったまひろは女の看病の協力を申し出ましたが、為時は
まひろの気持ちだけ受け取ってそれは断り、まひろは家に戻りました。
(こういう時の従者(乙丸;矢部太郎さん)は、話をしている主人の方を見ない
ようにして待っているのですね。)



まひろが高倉から戻ると、道長の従者の百舌彦が家の前で待っていました。
百舌彦は道長からの文をまひろに届けにきていて、まひろは胸が高鳴りました。
文には古今和歌集の句が書かれ、それは道長のまひろへの恋心でした。
まひろは急いで漢詩で返歌を書いて道長に届け、道長からは恋心を歌う和歌が、
まひろからは冷静な漢詩がと、そんなやり取りが3度続きました。
このことを道長が藤原行成(渡辺大知さん)に相談すると行成は「和歌は人の
心を言葉に表したもの、漢詩は人の志を言葉に表したもの。漢詩を送るという
事は、何らかの志を詩に託している。」と助言をくれました。


道長とまひろが交わした和歌と漢詩の内容についての解説が
あります。 ⇒ ⇒  こちら


道長は6月23日に決行される謀り事のために、東宮(懐仁親王)の生母であり、
姉の藤原詮子(吉田羊さん)のいる梅壺を訪ねました。
この時に道長は梅壺から出ていく女性を見ていて、姉はその人は亡き源高明の
一の姫の明子女王だと言いました。
詮子は父・兼家が万一失脚しても懐仁親王が困らぬよう、宇多天皇の孫である
左大臣・源雅信と醍醐天皇の皇子である源高明の2つの源氏を後盾にしておき
たい、だから道長が明子女王と左大臣の一の姫の倫子の両方を妻にもってくれ
たら言うことない、と嬉しそうに語りました。
さて道長が内密の用事でここに来たと察した詮子は人払いをし、道長は詮子に
近寄って小声で、23日は内裏から出ないようにという父の伝言を伝えました。
道長は詳細は詮子には伏せ、この時に起こることは詮子と東宮にとって悪い話
ではないと言い、詮子は父も兄たちも信用できないけど唯一信用できる道長が
言うならと、詮子は了承しました。



一大事の決行を前に、まひろへの思いをどうにも抑えられなくなった道長は、
情熱のままに文をしたためてまひろに送り、道長の思いを受け止めたまひろは
逢瀬のために一人夜道を駆けていきました。
道長はこのまま二人でどこかに行って一緒に暮らそう、自分は藤原と今持って
いる全てのものを捨てるとまで言い、まひろに決心を促しました。
激情のままこの先の出世も何もかも捨てると言う道長だけど、貧しい暮らしの
辛さを、なにより権力がないと直秀のように理不尽な目に遭う事を知っている
まひろなので、道長の思いに応えられないと言いました。
道長が好きでたまらない、でも二人で都を出ても世の中は変わらない、道長は
偉い人になってより良き政をする使命がある、とまひろは伝えました。



高貴な家に生まれた道長だからこそできる己の使命を果たして欲しい、直秀も
きっとそれを望んでいると、そしてまひろは語気を強めて「一緒に遠くの国には
行かない」とはっきりと道長に伝えました。
でもこの都で、誰よりも愛おしい道長が政でこの国を変えていく様を片時も目を
離さず見つめ続ける、とまひろなりの思いの丈を伝えました。
そして夫婦にはなれないけど、愛し合う思いを二人で確かめ合いました。
(互いに思い合うからこそ、激情のままに藤原を捨てるという道長と、最後は
権力が身を守ることを知っているから貧しい弱い側に道長を来させてはいけない
と理性で考えるまひろ、だと思いました。)



そしていよいよ兼家の陰謀を決行する日になり、帝(花山天皇;本郷奏多さん)を
内裏から外に連れ出す役割の道兼は、急に側近の藤原義懐に相談しようか、とか
忯子の文を忘れたとか言いだす帝を説得するのに苦労していました。
どうにかして道兼が帝を朔平門で待つ牛車に乗せたら御所の全ての門が閉じられ、
道隆と道綱は剣璽を運びに動き出しました。
(本妻の兄たちのように出世は望めないけど、重圧もなくノビノビ暮らしている
であろう道綱は、生死を懸けた大仕事の一端を担うことになり、あまりの緊張で
心も身体も平常ではいられませんでした。)



剣璽が懐仁親王(高木波瑠くん)のいる梅壺に運びこまれた後、道長は急ぎ馬で
関白の藤原頼忠のもとに走り、ただいま帝が退位して剣璽が梅壺に移り、東宮が
践祚したと報告をし、関白にはすぐに内裏に来るように促しました。
花山天皇退位の策を考えた安倍晴明は星空を見上げながら事の成り行きをじっと
見守っていました。



亡き女御の忯子を思うあまり道兼の誘導に乗せられるがまま出家への道を進んだ
花山天皇は、元慶寺で剃髪を終えて出家しました。
しかし一緒に出家すると約束していた道兼は、自分の番になったら出家はしない
と言い、後を御坊に任せてさっさと退室していきました。
花山天皇は道兼に裏切られた、騙されたとわかってもすでに後の祭り。
屈強な武者たちに道をふさがれ、あきらめるしかありませんでした。



花山天皇が退位して出家した報は藤原義懐にももたらされました。
そして寅の刻となり、事がうまく終わった兼家は高笑いが止まらず、4人の息子
たちは安堵の表情になり、我が子の懐仁親王がこれから新しい帝になる詮子は、
父・兼家のやり方やこれからのことに複雑な思いでした。
夜が明けて蔵人たちが仕事に就いた時、兼家と道兼が入ってきました。
そして兼家は、昨夜にわかに帝が退位して東宮が践祚したこと、まだ幼い新しい
帝の摂政は自分が務めること、今ここにいる蔵人は習いにより皆解任となること、
新しい蔵人頭は道兼が務めると告げ、退室していきました。
その後で道兼が新しい蔵人を発表し、藤原実資は筋が通らぬ、納得がいかないと
猛反発しましたが、道兼に逆らう力もなく黙るしかありませんでした。





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Last updated  March 13, 2024 09:43:09 AM


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