ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 4, 2006
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「なんてったってハ短調」

 今日はピアノのセス氏のご自宅でトリオの練習。「上手なチェリストを知ってるから一緒にトリオを練習しよう」とずっと前から誘われてて、やっと実現した。初回はとりあえずベートーベンの作品1の1番と3番を合わせてみて互いのレベルや相性を確認してみることになった。期待と不安で緊張しながら臨んだ。

 そしたら、現れたのはエーブリーと名乗る高齢のおじいさん(たぶん70代後半)。握手して軽く自己紹介するやいなや、「じゃぁ、ウォームアップしようかのぅ」とおじいさんはおっしゃって、いきなりバッハのドッペル協奏曲(バイオリン2つ)の譜面を取り出した。1楽章を三人で合わせてみようと言う。僕は言われるままに第一バイオリンのパートを弾き、彼は何と第二バイオリンのト音記号のパートをそのままオクターブ下げてお弾きになった。
 この曲はバッハ大先生がバイオリン奏者のためにだけ授けてくださった贈り物のはず。僕だって大切に弾き続けてきたつもりなのに、チェロ弾きにあっさり完璧に弾きこなされてしまった。このじーさん、タダ者じゃない!

 今日の練習、とんでもないことになりそうな気がしながらベートーベンのハ短調トリオの練習を開始した。明らかに僕は試されている。

 この曲、1楽章と4楽章が楽しい。若きベートーベンの曲という想定内で決して意外な展開にはならないが、なんてったって彼のハ短調だから名曲でないわけがない。
 なお、2楽章は変奏曲なのに主題が「まったり」していてわかりにくい。第五変奏でバイオリンに重音が出てくるとこは焦るが、あとは基本的に弦は「合いの手」を入れる役に徹する。例によってピアノは楽しそう。
 4楽章はいきなりインテンポで弾いてしまった。速すぎて絶句。だから、バイオリン(僕)がリードするとこでさりげなくテンポを遅めにしてみたが、すぐにバレて、彼らは容赦なく速いテンポに戻しやがった(笑)。

 セスもエーブリーもこの曲をかなり弾きなれてるとみた。僕も一応はさらってきたつもりだし、なめてかかったわけではないのだが、残念ながら見事に完敗。






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最終更新日  Mar 7, 2006 08:31:46 AM
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