ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 31, 2006
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「祈りのアダージョ!」

 今日はベートーベンの作品127に再挑戦した(第1バイオリン:マックス、第2:マリリー、ビオラ:僕、チェロ:マーディ)。

前回の練習 では口論の末に喧嘩別れとなってしまったから、今日は張り詰めた空気のもとで練習が開始された。いつもだったら、ウォームアップにハイドンでも、とか言って和やかに練習を始めるのに、今夜はみんな無言。せめて今回は 練習中に涙ぐむ人が出ないことを祈りながら 、おそるおそる弓を弦の上に置いた。

 問題なのは当然ながらアダージョ(2楽章)。
 何度もじっくり話し合いながら、スコアを広げて、いろんなテンポで弾いてみた。止まらずに弾けるようにはなってきたけど、それでもやはり胃が痛くなる。

 たった四人でこんな複雑なことをやるなんて無理がある。実際に弾いてみて、ほかのパートそれぞれと組んで似たような動きをする箇所もあるものの、結局はかなり異質なことを弾いてるような錯覚に陥る。四者のベクトルが微妙に相容れない状態のまま、しかし、一音たりとも無駄な音は存在せず、全体の音楽としては銀河系のような不思議なまでに統制された輪郭を保っている。そして、気がつくと曲は終わっている。

 なんとか最後まで到達することができた! 別の意味で涙ぐむ人がいたりもして。



 前回の練習であれほど喧嘩したのに、今回は穏やかに練習を終えられたのは奇跡的。来月の練習では4楽章を中心に練習することにした。2楽章でさんざん苦しむ曲だから、終楽章ぐらいは楽しんで弾きたい。





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最終更新日  Nov 4, 2006 08:20:01 AM
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