ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jan 5, 2008
XML
 米週刊誌「ニューズウィーク」年末年始号に興味深い記事を発見した。特集2008年を斬る!この人に注目(音楽編)。

 ずばり、今年はアメリカ国内でクラシック音楽が大流行するのではないかという大予言。

 その根拠は、日本で言うところの「のだめ」や「熱狂の日」のような類いのものではなく、なんと指揮者グスターボ・ドゥダメル。この記事では彼を神童 Wunderkind と祭り上げ、バーンスタインの再来とまで言いかけてる。そこまで言う……。

newsweek.jpg
http://www.newsweek.com/id/81375

 彼が注目されてる理由は、その若さと才能。そして、ユースオーケストラを熱心に指導していて、かつ出身が南米(ベネズエラ)である点。アメリカ国内の人口の多くを占めている中南米系がもっとクラシック音楽を聴くきっかけになるかも、と記事はほのめかす。

 なかなか考えさせられる。

 これまでのアメリカ社会においては、クラシックは白人富裕層が聴くものという暗黙の前提があった。事実、演奏会の入場料収入よりも、スポンサーによる寄付で運営が成り立ってるわけだし、業界が白人富裕層を対象に働きかけてきたのは当然と言えば当然。「移民and/or庶民」はなんとなく無視されてきた客層かも。

 僕の勝手な印象だけど、プロオケを見てると、アジアやロシア/東欧出身と思われる奏者がどんどん増えてきてる。演奏会場において、聴衆の人種分布と奏者の人種分布が微妙に異なってるような気がするのだ。アメリカだけの現象だろうか。


 確かに、ピアソラやオズワルド・ゴリホフなどの作曲家のおかげで、以前からなんとなく中南米ブーム到来の機運は漂っていた。

 勝手ながら密かに注目してみたい。

*****

 そういえば、僕の所属してるニューヨークのオケでも、最近はチラシや招待状を英語とスペイン語の二ヶ国語表示にしている。
 昨秋のブルックリン会場での公演では、中南米系と思われる方がたが大勢聴きに来てくださってたのをふと思い出した。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  Jan 6, 2008 08:39:20 PM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ピカルディの三度TH

ピカルディの三度TH


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: