ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 12, 2008
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 突然ですが、クラシック音楽の曲名について、どうしても自分なりに整理しておきたく筆をとってます。


 標題つきの楽曲って、日本で定着している曲名をそのまま英訳すると全然通じなかったりします。そもそも英語が原題であるとは限らないし、慣習的な呼びかたがあったりもします。

 初めて「せんじょんぱっしょん by ばっく」と聞いたときは、それが ヨハネ受難曲 のことだなんて見当もつきませんでした(St John Passion。マタイは St Matthew)。

 せっせと一つひとつ覚えていくしかないのでしょうか。

 というわけで、いくつかに分類してみることにいたしましょう、そうしましょう。


1.初級編

■有名な曲なので是非覚えておきたいもの

英雄
巨人  日本語でも キョジン の発音が分かれるところ。マーラーはタイタン、読売はジャイアンツ。
死と乙女  Death and the Maiden 。ガールやギャルじゃない。D&Mと略す(たぶん)。

■固有名詞だけで充分通じるので、全部を横文字で言えなくても別に困らないもの(←こら)

ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら  Till Eulenspiegel's Merry Pranks
ツァラトゥストラはこう語った  Thus Spake Zarathustra (Thus Spoke Zarathustra)


2.中級編



復活  マラ2は Resurrection。リターンとかカムバックとかぢゃなく。
威風堂々  Pomp and Circumstance。ポンプ pump と勘違いしがち。
大学祝典序曲
春の祭典  The Rite of Spring。スプリングフェスティバルとか言いたいけど。

■日本語やドイツ語の題だと威厳があるのに、英語だと軽妙すぎて、なんだかなぁー、なもの

魔笛  まじっく・ふるーと The Magic Flute
神々の黄昏  とわいらいと・おぶ・ざ・ごっづ Twilight of the Gods
さまよえるオランダ人  ふらいんぐ・だっちまん The Flying Dutchman


3.上級編

■超難題、英語での題名を言えるアナタはクラヲタ王

後宮からの誘拐  The Abduction from the Seraglio
売られた花嫁  The Bartered Bride
だったん人の踊り  Polovetsian Dances
剣の舞  Sabre Dance


4.番外編

■英語での標題がついてないもの

運命  第五 The Fifth と呼ぶのが一般。Fateでも通じるが、Destiny とは言わない。
革命  ショス5も標題はないはず。Revolution とか言わないし。ショパンのは Revolutionary?

*****

 そーいえば昔、誰かと話してて「剣の舞」を英語で伝えることができず、しかも「ハチャトリアン」も通じず(英語では かちゃちゅぅりあん ?)、しょーがないので一節を歌って聞かせたことがあります。
 それでも通じなかった音痴なワタクシ……(笑)。

 ところで、こう並べてみると、原題が英語っていうのはまずない。すぐに思いつく有名どころでは、West Side Story とか Appalachian Spring ぐらいでしょうか。

 原題をできるだけ尊重しようという風潮は業界でも広まってるようです。アメリカ国内ですら、幻想交響曲を「ファンタスティック・シンフォニー」と英語呼びすると素人呼ばわりされてしまいます。シンフォニー・ファンタスティーク Symphonie Fantastique とフレンチに呼ぶのが好まれるわけです。微妙な違いですが。

 あと、同じモーツァルトのオペラでも、正統派クラシック愛好家なら、ドイツ語で歌われる「魔笛」は題名もドイツ語で呼び(Die Zauberflöte)、イタリア語で歌われる「フィガロ」はイタリア語で呼ぶようです(Le Nozze di Figaro)。

 あー、めんどくさ……。





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最終更新日  Mar 13, 2008 10:19:46 AM
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