ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Aug 15, 2009
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「少し愛して、長~く愛して」

 今日はピアノ合わせの日(Vn 僕、Pf セス)。前半はモーツァルトのK526を弾いてみる。

 確か彼の書いた最後(だか最後から二番め)のバイオリンソナタ。数あるモーツァルトのバイオリンソナタのなかで最も難しく、最も長い曲なのではないだろか。
 幸福感、親密感に満ちてるケッヘル300番台のソナタたちに慣れすぎてしまってると、このソナタのような壮大な雰囲気には一瞬たじろいでしまう。

 ま、いずれにせよ、またもや名曲を発掘でき、ご満悦のワタクシ。

 1楽章は比較的安心して弾ける。主役はあくまでピアノであることを心がけながら弾く。

 2楽章アンダンテは意外な掘り出し物。細かく動くとこは難しいけれど、もの哀しい演歌調になるとこなんかはさすが。枯れた心にゃグッと来る。

 3楽章は難曲。後期三大交響曲にも似た宇宙観。外に向かって無限に表現する部分と、こじんまりときれいにまとめる部分との対比を楽しみたいわけで。

 結論。モーツァルトっぽくない曲のような気もした。僕がモー氏の後期作品に慣れてないだけの話かもしれないけど、彼のほかのバイオリンソナタに比べて明らかに異質。ピアノの左手とバイオリンがユニゾンになったり三度でハモったり、あるいは珍しくも二拍三連まで出てきちゃう。モーツァルトらしからぬ。


 もし彼が長生きしてたら、実験的にいろんな曲を書いたんだろうなと思う。そして、変に進化しすぎる前に亡くなってしまうあたり、なるほど、天才の人生というのはそうゆうふうにできてるのかとも思ったり。←不謹慎?

 モーツァルトって、有名な曲の有名な楽章だけをやみくもに絶賛して最終的に飽き飽きしてしまうのでなく(アイネクの1楽章みたいに)、むしろじっくり時間をかけていろんな曲に触れ、少しずつ新たな発見をしていくほうが楽しい。





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最終更新日  Aug 17, 2009 08:16:35 AM
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