ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Apr 18, 2010
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「坊っちゃん」

 今日はトリオの練習日。ピアノのセスさん、チェロのフランシスさんとともに、二ヶ月前にやりかけたままになっていたメントリ2番に再び挑む。

 個人的には、以前よりメンフルエンザに感染してて、じわじわとメンデルスゾーンにハマってきたつもり。CD全集とかスコア/譜面も買い漁ったし。
 でも、最近はもう限界なわけで。なんかどの曲も同じように思えてきて、正統派ロマン派音楽として過度に期待するのはもうよそうかなーと感じてきたとこと。第4交響曲「イタリア」に代表されるようなノーテンキな長調作品が強烈に印象に残ってしまい、すぐに飽きちゃうような気もして。
 今日の練習もそんな後ろ向きな態度で臨んでしまつた。

 が、この曲を改めて弾いてみて、「メンデルスゾーンって、なんつーかイマイチなんだよねー」発言は撤回させていただきたく。この人、やっぱスゴい。ただの金持ちのおぼっちゃまかと思ってたら、とんでもない。彼の短調ものは適度に締まってて断然かっこよい。

 ま、ぶっちゃけ、ピアノ三重奏というのは編成的に楽曲のアラが目立ちにくいとも思う。←これ、誰も大きな声では言わないけれど、絶対に真実!

 このメントリ2番は、四つの楽章の均衡がとれてるだけでなく、なんといっても終楽章アレグロが凝ってる。活動的、情熱的な音楽ではあるけれども、決して下品にイケイケドンドンしてないし、コラールの登場のしかたも劇的。一瞬だけユダヤ音楽を匂わせる音階もあって、彼の原点が垣間見られる。

 バイオリンとチェロのユニゾンの書法もお見事。それまではずっと1オクターブとか2オクターブ距離を置いてユニゾンを弾いてきた二人が、最後の最後で実音でダブる(=バイオリンにとっての低音、チェロにとっての高音)。こうゆう壮麗な演出を最後にもってくるとこはほんとに心憎い。



0418.JPG←フランシスさん、かなり高価な楽器をお使いの様子……







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最終更新日  Apr 21, 2010 07:44:17 PM
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