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■Consecration / Bill Evans久しぶりに楽天日記を。博多出張1泊2日を2回とかバタバタしてたもんで。以前の仕事で部下が失敗したのでシブチンになったのか、取引先から渡された切符は全部自由席…う~むむむ。で、先日手に入れたこのアルバムのLP盤を今夜は。ようやく10枚全部聴くことが出来た。 このエヴァンス死の1週間前のドラマ、過去に何度もいろんな形で発表されてきた。 私が持っている音源では 1.『CONSECRATION The Last』アルファミュージック/2枚組みCD89年発売 2.『CONSECRATION2』アルファミュージック/同年に追加で発売された未発表音源8曲 3.『CONSECRATION The Last Complete Colection』アルファミュージック/同じく同年末に発表された全68曲コンプリート盤 4.『CONSECRATION The Final Recording2 Part2』マイルストーン/02年に発表された、ピッチ調整盤 と4つ持っている。 1と2は3のコンプ盤で“そのもの”が入っているので必要ないのだが、売りに出すのももったいないので。 4は97年にピッチ調整されて再発されたものを20bit化して発売。(国内版のみ20bit) で、今回LP盤を。 このLPはアルファから90年に発売されたされたもの。 ピッチ調整後の盤と比べると、若干音に落ち着きが無いような気もするが、音質的にはこちらの方がいいかな。 マスターテープのヒスノイズは仕方がないか。 ラファロ、モチアンとのトリオをビル・エヴァンスの代表作として推す人が多いが、私はこのラストトリオが一番好だ。 なぜ、滅びる寸前の肉体がここまで素晴らしい音を出せるのだろうか? 過去に何度もここに書いてきたことの繰り返しになるが、皆がよく知るラファロ、モチアンとのトリオとはかなり違う音だ。あの頃の繊細な和声感覚は影を潜めてる。曲に対するアプローチの姿勢も違う。70年代ポリリズムに活路を見出した彼が、そのテクニックを失った末に見せたもの。失ったと言い切ると語弊があるか。テクニックに頼り切るでもなく、頃合よい表現力を見出したというかな。そもそもポリを連発するようになったのはコントロール力の衰えともいえる。ポリを連発するのが少々耳に付く70年代中盤を経て、各声部間のコントロールがすばらしい輝きを見せる70年代後半のほんのわずかな時間。ただ、手放しで評価するわけではなく、その複雑な展開性から演奏のクオリティはあがったけど、音楽の質的に言うと下がったものもあるし、肉体の衰えから来るものもある。 薬の常用による肉体的な衰えからくるものは隠しようが無い。 手が動いていない、ディスコードやミスタッチが散見される等々… でも、それらが全体的なクオリティの低下につながっていない。 生々しいまでに感情をあらわにしたピアノ、そのエヴァンスの音に絶妙のタイミングで反応するクリエイティブなベース、トリオの推進役として引っ張ってゆくドラム。 日を追うごとに肉体は加速度的に衰えを見せ、徐々にイマジネーションはきらめきの度合いが薄れてゆく。 エヴァンスソロのパートにそれがよく現れている。 それでも、このトリオの演奏には自分の心をぎゅっとわしづかみにして離さないものがある。 毎日カジュアルに聴くにはちょっと重いものがあるが、この演奏はいい。 凄くいい。 袋小路で迷い迷った末に出会ったこの演奏、この演奏の先にあるエヴァンスを見たかった…
2005/03/16
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■I Still Have Dreams / Richie Furay振り返っても仕方がない、過去よりも今がすごくいい、未来は明るいに違いない、本当にそう思える日はくるのだろうか?負け惜しみでもなんでもなく。ウエストコースト路線で続いてみる。昨年のイーグルスのコンサート以来、自分としてのルーツに帰ろうとしているようだ。自然な流れとして。もともとこのひとはフォーク畑の人なので純然たるウェストコースト路線とは違うか。レコード会社が主導して作り上げたバンド、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドが崩壊したのち、ソロ活動に移行してゆく。アサイラムレーベル(=デビッド・ゲフィン、後のゲフィンレーベル創始者)が“第二のCS&N”を作ろうとして組織したサウザーヒルマンフューレイは名脇役を3人集めてスーパーグループを作ろうという単純ないかにもアメリカンな発想の元に作られたバンドだった。世の中そうはうまく行かない。期待されたほどの商業的成果は得られなかった。ソロ活動を始めて、音楽は以前と比べて明るくなったように思う。ソロ第1作のあたりは宗教色を感じさせる作品が多かったが、この3作目ではそれらのカラーはあんまり感じられない。(70年代中頃にリッチーはキリスト教に帰依した)このポップ感覚が本来の彼が持つものか。その中にも挫折感を感じさせるものがある。60'sの高揚の後の無というのだろうか。リアルタイムでこの時代に聴いていない私にはこれ以上は語れないかな。その時代のその空気の中であったからこそ、意味を持つものがある。1曲目『Oooh Child』から軽快に。音の作りもいい。それまでのリッチーの交友人脈から路線を変更して、実力のみで選んだと思われるバックの面々の力か。ポコ時代のカントリー色は彼の持ち味ではなかったのだと感じさせられる。『Lonely Too Long』はラスカルズのヒット。『Island Love』や『I Was A Fool』『I Still Have Dreams』のメロディーだけを聴いてると、ソウル色が感じられるが、歌いだすと一転ウエストコースト本流に。どことなくブルーアイズドソウルな香りが。『Come On』にはティモシーBやランディ・マイズナーのクレジットも。『I Was A Fool』では先のバンドでのメンバー、ジョン・デビッド・サウザーがハモっている。『Satisfied』でのローズマリー・バトラーのハーモニーのパートもいいな。宗教色の薄くなったこのアルバムで唯一その影を感じさせる曲だ。彼がキリスト教の考えを強く受けていることはこのアルバム発表のあとに起こった出来事でもよくわかる。01.Oooh Child02.Lonely Too Long03.Island Love04.Come On05.I Was A Fool06.I Still Have Dreams07.Satisfied08.Headin' South09.Oh Mary10.What's The Matter, Please?このアルバムの発表後、自らの力に限界を感じたのか、何かを悟ったのか、彼はコロラド州で牧師としての生活を始めました。82年に発売された4枚目のソロはクリスチャンレーベルから出されたものであり、97年に発売された5枚目も別のクリスチャンレーベルから出されました。もう彼がメインストリームに帰ってくることは無いだろうけど、それが彼のやりたいことならば、それもまたいいか…
2005/03/05
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