適度に力の抜けた、いい演奏だ。 前作の『My Funny Valentine』のインタープレイには及ばないというのがこの作品の一般的な評価だが、”適度に力の抜けた=緊張感のない”ではなく、お互いの音を聴くことは忘れていない。 それは1曲目「I've Got You Under My Skin」の音の交錯にも現れている。 構成するだけでなく、作り上げてゆく。 その作業を同時にこなせるのはお互いの信頼感のなせる業か。
「Turn Out The Stars」の転調もすばらしいラインで描いてゆく。 「Jazz Samba」でのジムの音は"一人でリズムセクションのようだ”とエヴァンスも賛辞を送っている。 ああ、二人は自分たちのために楽しんで演奏してるな、と感じる。 ジムが『ああ、まだまだ出来るよ』と笑いながら演奏してるかのようだ。 最後はジムの曲、『All Across The City』で。 この世のものと思えないような極上のギターとピアノが昇華してゆく。
1.I've Got You Under My Skin 2.My Man's Gone Now 3.Turn Out The Stars 4.Angle Face 5.Jazz Samba 6.All Across The City