そうそう、このVCは食い入るように何度も見たわ。
映像の全てが今までのビートルズの曲の題名や歌詞からできているから最後まで気が抜けないビデオです。
新聞紙でできたタクシーが出てきたところでは私が想像していたものとドンピタ同じで涙したものです。

昨年のクリスマスはこのアルバムに入っている「 クリスマス・タイム 」を聞いて過ごしたことを思い出しました。
(2008.09.21 20:16:36)

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2008.09.21
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テーマ: 洋楽(3407)
カテゴリ: ビートルズ
「ビートルズの再結成かい?
 それはないね。
 でも、『Free As A Bird』は再結成かな」----ポール・マッカートニー


ビートルズ 25年ぶりの"新曲" として'95年12月に発売された「Free As A Bird」は、"The Beatles Anthlogy"プロジェクトの一環として制作された企画シングルである(米6位、英2位)。
オノ・ヨーコから提供されたジョンの未発表テープに、ポール、ジョージ、リンゴのオーバーダビングを加えることによって完成された。
プロデューサーに選ばれたのは、ELOの中心人物にして、ジョージやリンゴのソロ作を手掛けた実績を持つ才人 ジェフ・リン である。
音楽的にも精神的にも円熟した三人のビートルと、ビートルズ・フリークの第一人者でもある職人ジェフによって作られた本トラックは、見事な "ヴァーチャル・ビートルズ"
僕も、イントロでのリンゴのスネアを聴いた瞬間、 「おお! と息を呑んだことを覚えている。
よみがえるはずのない"ビートルズ・マジック"が、完成度とかそういうのとは別次元の "何か" がここには詰まっている、と今でも思う。
感傷的になったり、笑いあったりしながら進められたというレコーディングには、ジョンも見えない姿で参加していたのかもしれない。

原曲は、ジョンが"主夫業"に専念していた'77年に作られたもの。
'88年にラジオ放送された 「Lost Lennon Tapes」 でもその音源は流れており、マニアの間では既に知られていたという。
元のテイクは、ジョンのヴォーカルとピアノのみの演奏で、 歌詞が未完成 となっていた。
レコーディングの際には、ポールとジョージが歌詞を補作し、さらにはコードも若干変えて演奏されている。

まったりした仕上がり となった。
ジョンのオリジナル・テイクは不思議な透明感があるものの、楽曲そのものは 「つかみどころがない」 という印象も強い。
それをここまでのポップ・ナンバーに仕上げたファブ・スリーとジェフの手腕には感服するしかない。
ただし、現行アンソロジーの日本語訳では「サビのメロディを作ったのはポールとジョージ」みたいに思えてしまうが、楽曲自体のメロは ジョンのデモをほぼなぞったもの

構成としては、Aメロがジョンで、サビをポールとジョージがそれぞれ歌うという形になっている。
はかなげなジョンの歌声と 淡白な美しさ を持ったメロディが実に印象的。
それを繊細に包みこむファブ・スリーの声と演奏が泣ける。
浮遊感あふれるサウンド は自由に空を飛ぶ鳥のようで、曲のタイトルにふさわしい。
リンゴのヘヴィなドラム、甘く厚みを持ったビートリー・コーラスは時代を越えた響きを持っている。
シンプルながらしっかりと耳にのこる ポールのベース・ライン もさすがです

一方で、録音状態の悪いジョンの声は、良くも悪くも "作り物のビートルズ" ということを強く思わせ、複雑な感情を掻きたてる。
ジョージの 激渋スライド・ギター も凄い。
成熟の極み とも言えるその音色は、年代物のワインのようでもあり、仙人様が弾いているような貫禄がある。
サビ(二回目)で聴ける彼の歌声もよれよれ。 この後の運命 を知っているだけに、また違った意味で悲しくなります

曲は4:00あたりにきたトコロで大円団!
…と思いきや、またリンゴのフィルが豪快にとどろき、「Free...」のコーラスとともになぜか バンジョー・ウクレレ の音が聞こえてくる。
それにまぎれて「Made by John Lennon」 と聞こえるセリフがあるが、これはジョンがビートルズ時代にたまたま言った 「うまくいったね」 という言葉を逆回転させたもの。
最後まで遊びゴコロを忘れないのが彼ららしい。
関係ないけどボクの場合、このエンディングを聞くとフォーク・クルセイダーズの 「帰ってきたヨッパライ」 (のエンディング)を思い出します^^

サウンド的には オーバー・プロデュース気味 な所も否めず、一部のファンから批判が出るのも分かる仕上がりではある。
それでも今の時代(といっても10年以上前だけど)にビートルズを甦らせるとしたら、こんな感じが妥当ではないかと。
少なくとも彼らの名を汚すクオリティではないし、再結成企画としては 上々 だ。
雲の上のジョンも、「最高だ」とは言わないまでも「悪くはないね」とほくそ笑んでいたのではないだろうか。

また、最高なのがこの曲のPVで、鳥の視点からファブ・フォーの歴史を見ていくという作りは、何度見ても 目が潤んでしまう
ストロベリー・フィールドやアビイ・ロードはもちろん、ドクター・ロバートからグラス・オニオンまで飛び出す内容はまさに "アンソロジー"
それらを違和感なくつなぎ合わせてある映像は、CG時代ならでは産物だ。
ジョンの子供時代の写真からはじまり、拍手をされる彼の後姿で終わるという構成も素晴らしい。
曲、PVともに「Free As A Bird」は、ジョンへの愛情とテクノロジーの発達が幸せな出会いをした素晴らしい作品だと思う。
これを作り上げたファブ・スリーとジェフ・リン、関わったスタッフたちに心から拍手を送りたい。

つーコトで「Free As A Bird」のPVは ここ をクリック!

ブラジルのマニアが作った "ヴァーチャル・再結成ライヴ" の映像も一見の価値あり。
ここ をクリック。





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Last updated  2008.09.24 03:55:00
コメント(10) | コメントを書く


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Re:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  
canovion  さん
この曲初めて聴きました、感謝です。ありがとうございました(ははぁ~)m_ _m
ほんとに中期ビートルズの雰囲気で、現代風のアレンジになってると思います。いい曲ですね♪
PVも完成度高くて見事な仕上がりだと思いました。すばらしいです(感動)。
(2008.09.21 12:09:28)

2曲合体は正しいビートルズ作法に則っている  
元テン  さん
A Day In The Lifeもジョンとポールの合作というより2人の曲の合体であのような名曲になっていますしね。
ジョンだけ、ポールだけじゃなくて、やはり2人の緊張感がバンドマジックを起こしていたんですね。 (2008.09.21 17:55:25)

Re:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  

Re[1]:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  
canovionさんどうもです。

>この曲初めて聴きました、感謝です。ありがとうございました(ははぁ~)m_ _m
---いや。ワタシにお礼を言われても(笑

>ほんとに中期ビートルズの雰囲気で、現代風のアレンジになってると思います。いい曲ですね♪
----ポップだけどさほど甘くないサジ加減がいいですよね。
サウンド処理に関しては賛否が分かれる所ですが個人的にはOK。

>PVも完成度高くて見事な仕上がりだと思いました。すばらしいです(感動)。
-----PVとセットで味わいたい作品ですよね。
本当に素晴らしいです。

ではでは。
(2008.09.22 01:59:31)

Re:2曲合体は正しいビートルズ作法に則っている(09/21)  
元テンさんどうもです。

>A Day In The Lifeもジョンとポールの合作というより2人の曲の合体であのような名曲になっていますしね。
---ですね。
それに、直接の合作もちろん、ビー時代の曲作りはお互いの存在が多かれ少なかれ作用していたでしょうしね。

>ジョンだけ、ポールだけじゃなくて、やはり2人の緊張感がバンドマジックを起こしていたんですね。
-----「Free As A Bird」もレコーディングを進めている時は、ジョンが"そこにいる"ような気がしたのでしょうね。
ビー現役時代には及ばないものの、やはりここにはソロ作とは違う"何か"を感じます。

ではでは。
(2008.09.22 02:06:10)

Re[1]:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  
オンデン1970さんどうもです。

>そうそう、このVCは食い入るように何度も見たわ。
----何度見てもその度に食い入るような感じになりますよね、コレ。

>映像の全てが今までのビートルズの曲の題名や歌詞からできているから最後まで気が抜けないビデオです。
----作り手側から「分かるかな~?」という声が聞こえてきそうな作りですね(笑
仕掛けだけでなく、構成や流れが素晴らしい!

>新聞紙でできたタクシーが出てきたところでは私が想像していたものとドンピタ同じで涙したものです。
----分かります、その気持ち。
ここまでファン泣かせ(いい意味で)なPVもめずらしいです。

>昨年のクリスマスはこのアルバムに入っている「 クリスマス・タイム 」を聞いて過ごしたことを思い出しました。
-----あいかわらずマニアックですね(笑
自分はジョージの「Ding Dong」を取り上げました。

ではでは。
(2008.09.22 02:15:24)

Re:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  
PeTeR  さん
ジェフ、最高の仕事をしてくれましたよね。
でも、1位を取らなかった…。
ちなみにその時の1位って何だったんだろう。(忘) (2008.09.24 03:00:51)

Re[1]:The Beatles 「Free As A Bird」(09/21)  
PeTeRさんどうもです。

>ジェフ、最高の仕事をしてくれましたよね。
----本人にとっても"最高の仕事"だったのではないでしょうか。

>でも、1位を取らなかった…。
>ちなみにその時の1位って何だったんだろう。(忘)
-----アメリカは知りませんが、当時のイギリスでの1位はマイコーの「Earth Song」です。
http://jp.youtube.com/watch?v=E4Hcd60VoRM

八週間連続1位だったそうで、初登場2位だった「Free As A Bird」にトップをゆずりませんでした。

ではでは。
(2008.09.24 05:47:56)

ジョンの目は鳩似。。。  
lavender80  さん
「Anthology」はテレビ朝日がニュースステーションの時間帯に、鳴り物入りで放送してましたね。
このPVを初めて目にした時には号泣でした。今もウルウル(T_T)
FAB4の詞の世界やエピソードを知れば知るほど泣ける作品です。
ジョンとヨーコがダンスを踊るシーンでは、エアーBGMで「I Me Mine」が聞こえてきます。
最後のバンジョーの音にジュリアを思い出し、また涙。
ジョンの眠そうなボーカルと、途中に入る、ポールらしい覚醒したフレーズも、
「A Day In The Life」みたいで好き。

「帰って来たヨッパライ」はSGT.PepperやMMTと同期ですよ^^
ビートルズは名前しか知らず、
♪オラは真司待っただ~ と、あの声を真似て歌ってたちびっ子でした。
お経のようなエンディングが、「A Hard Day's Night」だと気付いたのは、
ずっと後のことだったのは言うまでもありません。 (2008.09.27 16:19:14)

Re:ジョンの目は鳩似。。。(09/21)  
lavender80さんどうもです。

>「Anthology」はテレビ朝日がニュースステーションの時間帯に、鳴り物入りで放送してましたね。
----それって確か大晦日の日じゃなかったですか?
紅白や他のチャンネルをあっちこっち変えながら見た記憶があります。

>このPVを初めて目にした時には号泣でした。今もウルウル(T_T)
>FAB4の詞の世界やエピソードを知れば知るほど泣ける作品です。
----ワタシも見るたんびにウルッときます。
ある意味"反則"なPVだと思います。

>最後のバンジョーの音にジュリアを思い出し、また涙。
---あの"おまけ"ラストはがまた涙腺を刺激されます。
しばらく余韻にひたれますよね。

>ジョンの眠そうなボーカルと、途中に入る、ポールらしい覚醒したフレーズも、
>「A Day In The Life」みたいで好き。
----ジョンの眠そうなヴォーカルに対して、ポールの歌声はどこかセンチメンタル。。。
そんな対比が面白く、そして泣けます。

>「帰って来たヨッパライ」はSGT.PepperやMMTと同期ですよ^^
>ビートルズは名前しか知らず、
>♪オラは真司待っただ~ と、あの声を真似て歌ってたちびっ子でした。
---真司を待ったんですか?(笑
アレって曲自体は何気に名曲だと思います。
SGTの影響があっただろうとはいえ、あの時代の日本であの発想はスゴイ。
加藤さんはワタシのフェイバリット・ミュージシャンのひとりです。

>お経のようなエンディングが、「A Hard Day's Night」だと気付いたのは、
>ずっと後のことだったのは言うまでもありません。
-----間奏では「Good Day Sunshine」も飛び出しますね。
マニアックな視点でも楽しめるのがスゴイです。

酒はウマイし、ネエちゃんはキレイだ♪

つーコトで、ではでは。
(2008.09.28 02:30:59)

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