フィリップ・パ~ロウ探偵事務所

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ピピ♪(パ〜ロウ)

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2006/08/18
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カテゴリ: カテゴリ未分類



翌日、私は街灯の明かりを利用して、タコヤキが送ってくれた資料を何度も読み返していた。
ヤツの周辺で起きている連続失踪事件に関する記事では、警察は3件の失踪については何らかのを関連性がある、としていた。
タコヤキの調査によれば7件は間違いなくて、次第にその差は縮まっていくだろうと書き添えてあった。

私は、ヤツの調査に協力しているわけでなく、奥さんに何かあった時のためにここにいるだけだ。。。
自分にそう言い聞かせて、調査の方法について口を出したくなる気持ちを抑えた。

その時、私はそろそろやって来るはずのレッドを少し心待ちにしていたような気がする。

しかし、それどころではなくなった。
見張っている家の斜め向かいのあたり、私の位置からはピッチャーマウンドからホームベースくらいの距離だろうか。

私は迷わず車を降りた。

静かに近寄ってみると、看板の足元にいたへビがゆっくりと雑草の間に隠れようとしているところだった。
その異様な姿に驚いた私は、全身が隠れてしまうまでただ眺めているしかなかった。

見た目はアオダイショウのようでもあるが、頭が2つある。
尻尾があって、胴体が途中で2つに分かれた双頭のヘビというのは、写真で見たことがある。
確か、剥製も各地にある、という話をきいたことがあるから、実は大して珍しくはない。

異様だったのは、進行方向とは反対の端、尻尾があるべき部分にも頭があったことだった。


後になってマスターに聞いた話では、プリニウスの『博物誌』やその他の文献に、私が見たのと同じヘビについての記述があるらしい。
アムピスバエナと言って猛毒がある(プリニウスの言う事だからあまりアテにはできないが)ということだった。
ある動物学者は、このアムピスバエナというのは足なしトカゲの一種であろうと推測した。
尻尾が先細りしていない種類のものがいて、その尻尾を頭と見誤ったのだろう、という説らしい。



その時の私は混乱していた。
やがてレッドがやって来て、思わずその話をしたが、『疲れているんじゃない?』と言った。
そんなことはない、ちゃんと睡眠はとってる、と言うとレッドはこう答えた。

「でも、もしそれが本当だとしたら大変だと思う。
こっちへ行きたいと思っても、もう1つの頭がそれに従わなかったらどっちへも進めない。」



(場合によってはどっちへも進めるが、場合によってはどっちへも進めない、というわけか。。。)



to be continued...







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Last updated  2006/08/19 12:45:04 AM コメント(2) | コメントを書く


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Comments

ピピ@ Re:なるほど(09/21) シニアヲタの紅子さん 少し放置気味に…
シニアヲタの紅子@ なるほど タイトルは適当です。(Re~でも良かった…
*紅子@ そうですか…(お返事無用よ) 断水・・・それだけでももう、寸時でも不…
ピピ@ Re:こころにも うちは3日ぐらい断水してただけで、被害は…
紅子@ 日記へのコメント等ではないけれど ご無事で何より。 心配してました(;_;) 生…

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