2013.07.15
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テーマ: カルト映画(14)
 夏真っ盛りで、皆さんもそろそろ熱帯夜に慣れてきたところではないでしょうか。

 さて今回は、ちょっとだけ涼しくなれるマイナー系映画をご紹介します。
 その昔、ビンボー留学生だった頃に、夜な夜なケーブルテレビの映画チャンネルを点けっ放しにしながらレポート書きをしておりましたが、夜なべライフ満喫中に観た中でも印象に残っている映画の一つがこちらの『Kissed キスト』になります。





 こちらの作品は、現在は国内で入手困難となっていますが、もし今回のレビューをご覧になって観てみたいと思われた方は、ちょっと古めの映画も扱っているレンタルショップを覗いてみてください。


 楽天やアマゾンでも中古の扱いがありましたので、所有欲がムクムク湧いてきた方は、そちらでチェックしてみてください。


わかりやすいあらすじ


 生あるものはいつかは必ず死ぬ。

 多くの人々は、生前の姿を思い起こしながら、その人の死を悼んだりすることはあっても、屍は宗教的や世俗的な慣習によって、土に還すものだという思いを持っている。
 しかし、中にはごくまれに、自分の手に託された屍を、神々しさと恍惚感の入り混じった特別な感情を抱きながら、思いのままにしたい者もいる。

 ネクロフィリア(屍姦嗜好)と聞くと、小太りのマザコンヒッキー青年像がパッと浮かびがちだが、こちらは何と清楚で可愛らしい女子大生。




みどころ


1. 全然グロくない

 女流監督が作品を手がけたせいか、食事中でも安心して鑑賞できるレベルです。
 登場する死体は、最初のスズメとネズミを除けば、全部男で綺麗。
 しかも最後はホロリとさせられるのが、この映画の異常なところ。


2. 主人公が可愛い

 本作品の見どころは、何と言っても主人公モリー・パーカーの可憐な美しさでしょう。
 ごく控えめで清楚な印象の美人女優ですので、ハリウッド映画ではあまり主人公に起用されにくいとも言えますが、日本人に受けの良いタイプになるでしょう。


3. その手があったか!

 幼少時代にすでに自分の性癖に気付いていた主人公は、大学ではためらうことなく死体防腐処理を学び、葬儀屋でアルバイト。

 何故なら、人目を忍んでタダで美しい死体と思う存分交わることができるから。
 死体にしてみればありがた迷惑な話ですが、主人公が可愛いんだからいいじゃんみたいなノリがこの映画のウリ。



 美しい主人公に一目惚れする医学生が、カナダでは結構有名どころのピーター・アウターブリッジ。
 そのちょっとストーカーがかったところが、彼女と同類の匂いを漂わせますが、彼の感覚は至って(?)普通でした。

 と書いておきながら、死体に本気で嫉妬するあたりから彼の精神は壊れ始め、結局最後は普通を通り越してしまいますが、ピーター・アウターブリッジの股間まで曝け出した演技にもかかわらず、あまりに役にハマリすぎて、不思議と顔にしか目が行きません。


作中では明示的に語られていないネタバレ


 最後のシーンで、警察に呼ばれて駆けつけた葬儀屋の上司が、死体を前にした主人公を見詰め、ハッとした表情を浮かべます。
 この表情からぼんやりと推測できる真実は、上司も彼女と同類だったということです。



 一つ目のヒントは、葬儀屋の同僚の言葉です。
 上司には同性愛的な趣向があり、若い男の死体を処理する際に、どうせ何されても死体にはわかるわけがないと言っていたという話を聞かされます。

 時系列的には前後しますが、二つ目のヒントは、葬儀屋で働いていた若い男性スタッフが作業中に急死したというくだりです。

 その後釜として、すぐに主人公が葬儀屋のアルバイトスタッフとして雇われるのですが、話の流れからして、上司が若い男性スタッフに手を出そうとして、揉みあいになった挙句、殺してしまったのではないかと推測されるのです。

 しかも、上司には主人公と同じ性癖があったと考えれば、死ねばもっと美味しい思いができるわけです。
 皮肉にも、彼女のファーストキスのお相手がこの死体だったりしますので、死体からしてみれば二度のヤラれ損だったというオチにもなっています。


どうでもいいトリビア


1. くるくる回って酩酊感を得る儀式の直後に死体を相手するところが、西洋占術のジャイロマンシーを彷彿させる。

2. リン・ストプケウィッチ監督は、めくるめくレズビアンの日常を扱った米国テレビシリーズ『L の世界』でも数本のエピソードを担当。



 『L の世界』はパッケージのイメージどおり、美女たちがいろいろやっちゃってくれてますが、最後の方はミステリータッチにもなっていますので、男女問わず楽しめる大人向けの作品に仕上がっています。


3. ピーター・アウターブリッジは 1993 年ハリウッド映画『クールランニング』で、物凄くイヤミなカナダのボブスレーチームキャプテンとして登場。



 ジャマイカチームを冬季オリンピックのボブスレーに出場させるというコメディ映画。
 主演ジョン・キャンディのハリウッド遺作としても有名ですね。

 因みに、ジョン・キャンディもカナダ人俳優です。



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最終更新日  2013.09.23 15:51:35


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