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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love最終話「康熙帝と良嬪」太皇太后は康熙(コウキ)帝に衛琳琅(エイリンロウ)こと良児(リョウジ)を忘れるよう説得した。「大清国の皇帝であるそなたが愚かであることなど許されない… そなたは清国を支える堂々たる男子、大清国の皇帝、万民の帝王なのだ! 未練は断ち切らねばならぬ、この皇祖母がそなたに代わって琳琅への思いに決着をつけてやろう」その意味を悟った康熙帝は驚愕し、思わずひざまずいた。「皇祖母!」その頃、恵(ケイ)妃は琳琅の獄舎にいた。その手には太皇太后から下賜された白綾がある。「まさか8年前にお前の命を救った私が8年後に自害の命を伝えることになるなんて…」「姐姐…」「姉なんて呼ばないで、お前は容若(ヨウジャク)を苦しめた、そして皇上も… お前が死んでも私は悲しまないわ」琳琅は白綾を受け取り、最後の挨拶をした。「来世があればご恩返しを…」「来世は…幸せな家に転生しなさい」すると恵妃は帰って行った。太皇太后はたとえ今は辛くても時が経てば薄れると言い聞かせた。この天下は皇帝のもの、どんな美人も才女も好きに選べる。しかし康熙帝は涙ながらに琳琅を忘れることができないと訴えた。「やっと分かりました、なぜ皇阿瑪が董鄂(トウガク)貴妃を愛してしまったのか… 私は彼女を見殺しにはできない!」 太皇太后は初めて見る孫の悲痛な姿に呆然となった。琳琅は梁に白綾をひっかけ、椅子の上に立った。すると不思議なことに死を前にして幸せな記憶ばかりが蘇って来る。家族の愛に包まれた子供時代、容若に愛されて過ごした納蘭府での生活、そして皇帝と過ごした愛しい日々…。琳琅はたくさんの愛情を思い出しながら、ついに椅子を蹴飛ばして首を吊ってしまう。しかし康熙帝が駆けつけ、危ないところで琳琅を救った。←もう何度目かとw琳琅が目を覚ますと儲秀(チョシュウ)宮だった。付き添っていた康熙帝は全て過ぎたことだとなだめ、容若の無事を伝える。すると琳琅はついにわだかまりを捨て、皇帝にそばにいて欲しいと頼んだ。「哥哥は最期に幸せに暮らせと…」「もちろんだ」一方、太皇太后は今夜だけは皇帝と琳琅が2人きりで過ごすのを見逃すことにした。康熙帝は太皇太后との約束を胸に秘めたまま琳琅と最後の夜を過ごした。何も知らず幸せをかみしめる琳琅、しかし康熙帝は愛する人を抱きしめながら1人涙する。そして翌朝、琳琅が起きた時にはすでに皇帝はいなかった。「良嬪娘娘、お目覚めですか?」侍女・碧落(ヘキラク)は主が答応から嬪の位に上がったと報告したが、急に泣き出してしまう。実は皇帝は良児の命を救うため、祖廟で先祖たちの位牌を前に良児と生涯あい見えることはないと誓っていた。「娘娘は2度とここから出ることも叶いません…ゥッ…私は皇上からよくお世話するようにと…」「…分かったわ、泣かないで碧落」容若が儲秀宮にやって来た。まだ傷が癒えない容若は治ったらまた来ると言って咳き込んでしまう。「私のせいで大怪我をさせたわ…あなたも身体を大事にしてね」「そうとも、私が君の命を救った、しっかり生きると約束してくれ たとえ別れても君が元気でいることを願っている」「約束するわ、だってあなたと阿思海(アシカイ)哥哥、そして皇上が救ってくれた命だもの… 御恩に報いるためにも生きて行きます」しかしその帰り道、容若は回廊で激しく咳き込み、喀血してしまう。小徳子(ショウトクシ)が大事そうに赤子を抱き、庭園の梨の木の下で待っていた皇帝の元へ現れた。「皇上、良嬪娘娘が阿哥をご出産されました」康熙帝は息子を宝物のように抱きかかえると、八皇子のお包みには″胤禩(インシ)″と刺繍がある。久しぶりに笑顔を見せる康熙帝、しかしそんな幸せも束の間、屋敷で療養して容若の訃報が届いた。康熙帝は琳琅が幽閉された儲秀宮の前にやって来た。するとちらほら雪が舞い落ちて来る。その頃、琳琅は皇帝に思いを馳せながら琴を弾いていた。しかし突然、弦がプツンと切れてしまう。琳琅は皇帝の身に何かあったのではと心配して庭に出たが、2人の間には高く赤い壁が立ちふさがっていた。康熙帝はなぜか壁の向こうに愛する琳琅がいると感じ、壁に手を当てる。その時、ちょうど琳琅も同じように壁に手を当てていた。「皇上…」「琳琅…」2人は互いの存在を感じながらも決して会うことは許されなかった。そして40年が経った…Σ( ̄。 ̄ノ)ノ おいっ!康熙帝は幼い孫にせがまれ、乾清(ケンセイ)宮の巨大な領土図の前にやって来た。すると孫は名君と称えられる祖父なら世の中の全てを手に入れたのだろうという。「この世の物はとっくに手放した…だが1人だけはどうしても手放せなかった」「誰のことですか?」康熙帝はふと良児を思い出して目を潤ませると、結局、そこで話を切り上げた。康熙帝が崩御した。最期まで仕えた小徳子は皇帝が最も大切にしていた虎の人形を公開する。「皇上がずっと枕元に置いていたものです」それを見た八皇子は言葉を失った。…康熙帝は今生を去り、ようやく愛しい良児との幸せな時間を取り戻した梨の木の下で水入らず、良児の手にはいつものように虎の絵がある…完( ๑≧ꇴ≦)終わった~!タオルは必要なかった!琳琅が皇帝の髪を梳く場面、ここでダメ押しで毒の櫛ループが欲しかったかな~え?違う?!残念ながら山場がないまま終わってしまいました
2021.10.07
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第39話「容若の献身」皇宮を脱出した衛琳琅(エイリンロウ)こと良児(リョウジ)は人里離れた隠れ家で目を覚ました。そこへ長慶(チョウケイ)こと阿思海(アシカイ)が入ってくる。琳琅は兄の無事な姿を見て安堵し、皇帝への恨みを捨てて新しく人生をやり直そうと言った。一方、後宮は新しい妃嬪が増え、賑やかになった。太皇太后はこれで多くの太子や公主が望めると期待したが、康熙帝は美しい妃たちに目もくれない。一度も夜伽に呼ばれない妃嬪たちは肩を落とし、これで子供を持てとは無理な話だとぼやいた。↓妃嬪より派手な太皇太后康熙帝は納蘭明珠(ナランメイジュ)と容若(ヨウジャク)を呼び、阿布鼐(アフダイ)の謀反について再調査するよう命じた。この話を聞いた太皇太后は皇帝が未だ琳琅を忘れられず、いずれ皇宮へ呼び戻すつもりだと気づく。一方、琳琅は兄妹水入らずで穏やかに暮らし始めていた。しかしそんな2人の姿を草むらからうかがう怪しい男の影が…。そんなある日、琳琅と町へ出た長慶は露店のサンザシ飴に目を止めた。思い出すのは土産の飴を見て目を輝かせていた芸初の笑顔…。すると市場に官兵が現れ、お触れを張り出して帰って行った。…謀反の首謀者はオーバイ、阿布鼐は無実であった…当時の功績を鑑み爵位を回復、手厚く葬ることとする琳琅と長慶はしばし呆然としていたが、その時、長慶は聞き覚えのある声を耳にした。「死人に爵位など与えて何になる!」しかし振り返った時には呉子墨(ゴシボク)の姿はなかった。天子の言葉に二言があってはならなかった。太皇太后は皇帝が阿布鼐の名誉を回復し、一家皆殺しが誤りだったと認めたことに苦言を呈す。しかも阿布鼐の息子である阿思海が宦官となって皇宮に潜伏し、呉三桂(ゴサンケイ)と結託して皇帝暗殺を謀った罪まで皇帝は見逃していた。康熙帝は何かと理由をこじつけていたが、太皇太后は何もかも衛琳琅のためだと見抜いている。「…皇祖母、どうしても彼女を忘れられません」「父と同じ轍を踏む気か?たった1人の女のために国を傾けてはならぬ」「ご安心を…琳琅を愛していても君主の務めは果たします!ʕ•̀ω•́ʔキリッ✧」容若は皇帝にチャハル親王の新しい墓の設計図を献上した。「墓が完成した暁には堂々と琳琅を迎えられる…」康熙帝は琳琅の肖像画を描きながら再会を待ち望み、翌日は儲秀(チョシュウ)宮を掃除するよう命じる。しかし太皇太后は侍女・スマラに密かに琳琅を探すよう指示していた。「恨まれても構わぬ。あの女から皇上を守らねば…」一方、琳琅は長慶が作った家族の位牌を並べ、これからは清明(セイメイ)節に堂々と墓参りできると報告した。すると長慶は最後に芸初の位牌を完成させ、横に並べる。2人は手を合わせ、家族に拝礼した。「芸初も私たちの家族よ、哥哥が無事で喜んでいるはず…」しかし長慶は黙って外へ出てしまう。その時、裏の窓から黒衣の曲者が忍び込み、殴られた琳琅は気を失った。物音に気づいた長慶は部屋に飛び込み刺客を蹴り飛ばすと、逃げようとした刺客の前に呉子墨が現れ、捕まえてくれる。「生きていたのか?…崖から落ちても生きてるのは主演だけかと思った」そこで呉子墨は刺客に誰の指示で琳琅を狙ったのか聞いた。「…皇上の命令だ!」憤慨した長慶が刺客を殴りつけると、刺客の懐から金牌が落ちた。呉子墨は長慶に妹を重病だと言って皇帝を呼び出すよう頼んだ。ちょうど目を覚ました琳琅は2人の話を盗み聞きしし、皇帝の暗殺計画だと気づく。そうとは知らない長慶は琳琅に薬を飲んで眠るよう勧めたが、琳琅は先に眠りたいと断り、薬をあと回しにした。長慶は琳琅が眠っていると信じ、こっそり琳琅の虎の人形を盗んで出て行った。すると小徳子(ショウトクシ)が慌てて虎の人形を皇帝に届ける。「長慶がこれを持って来ました、琳琅が重病を患っていると…」一方、琳琅は画珠(ガジュ)と芸初の墓参りに来ていた。そこへ偶然、翠雋(スイシュン)が現れ、2人は再会を喜び抱き合う。翠雋は皇帝が琳琅を呼び戻すつもりだと教えたが、琳琅はすでに覚悟を決めていた。「無理よ…戻れない、翠雋?ここはきれいね…もし私が死んだらここに葬って欲しい」「何を言うの?!勝手に死んだりしたら許さないから!過去を忘れて前を向いて生きるの」納蘭府に戻った翠雋は容若に墓参りで偶然、琳琅に会ったと話した。しかし様子が変で、死んだらここに葬って欲しいと言ったという。「腹に皇帝の子がいると連絡があったらしい…だから大丈夫だ」←(・Д・)え?「子供が♪…でも私には言わなかったわ」「長慶に聞いた…(はっ!)まずい!」康熙帝は琳琅に会いに行くことにしたが、小徳子が慌てて駆けつけた。「皇上!訪ねて行かぬよう伝えて欲しいと納蘭大人が…」しかし康熙帝は琳琅が心配でお忍びで出かけてしまう。一方、太皇太后も皇帝が急に出かけたと報告を受けていた。スマラの話では長慶が琳琅の重病を知らせて来たという。「…何やら疑わしいな、良くないことが起きそうな気がする」太皇太后は自分の兵を出し、すぐ皇帝を追いかけさせた。皇帝の馬車が隠れ家の前に到着した。息を潜めて見守る呉子墨や長慶たち、するとついに馬車から皇帝が現れ、護衛に囲まれて隠れ家へ歩き出す。そこで呉子墨は仕込んでおいた爆薬の導火線に火をつけた。その時、馬を駆けて来た容若が現れ、皇帝に成りすました琳琅のもとへ走り出す。💣ドッカーン!容若は爆発から琳琅を守った。突然のことに琳琅は呆然、倒れている容若を抱き起こす。「大丈夫?!…ごめんなさい、私のせいね」「一生、君を守ると約束したはずだ」「容若哥哥…」呉子墨と長慶たちは皇帝に止めを刺すべく飛び出した。しかし爆発に巻き込まれたのが実は康熙帝ではなく琳琅だったと知り、激怒した呉子墨は琳琅たちを殺そうと剣を振り上げる。驚いた長慶は咄嗟に止めたが、そこへ本物の康熙帝が現れた。↓皇上?!「お前が呉子墨か?」「皇帝さんよ、今日こそ貴様の命をいただくぜ!」「ふっ、お前だな?8年前に阿布鼐の長子をそそのかして朝廷に反抗させたのは!」( ๑≧ꇴ≦)やっぱり!やけに大哥を煽ってたからおかしいと思ったのよね~あの男康熙帝は自ら刺客たちに応戦した。その時、容若が激しく血を吐いて気を失ってしまう。一方、長慶は呉子墨が本当の敵だったと聞いても、にわかに信じられずにいた。しかしちょうど覆面が外れた刺客が目に止まり、その男が皇帝の命令で琳琅を襲ったと証言した曲者だと気づく。ようやく全てを悟った長慶は怒りに震え、隙を見て逃げようとしていた呉子墨に襲いかかった。すると呉子墨が咄嗟に琳琅を人質にしてしまう。←もう何度目よw長慶は仕方なく剣を捨てたが、丸腰のまま呉子墨の首をつかんだ。驚いた呉子墨は琳琅を放し、何度も長慶の腹を刺して止めを刺そうとする。その時、康熙帝の投げた剣が呉子墨の身体に直撃した。「哥哥!」「すまなかった…お前を巻き込んで…もう守ってやれない… 良児…しっかり生きろ…もう疲れたよ…パトラッシュ…」「哥哥!行かないで…哥哥っ!」長慶を抱きしめ泣き崩れる琳琅、そこへ太皇太后の兵が現れた。康熙帝は小徳子に頼んで琳琅と長慶を馬車に乗せて逃したが、結局、太皇太后の兵に捕まってしまう。琳琅は収監された。康熙帝は琳琅を解放するよう懇願したが、太皇太后は再三、皇帝の命を危険にさらした琳琅を見逃すわけにはいかない。しかし康熙帝は琳琅が命を顧みず、自分を救ってくれたのだと訴えた。「彼女は私の命です…奪わせはしません 」「なぜ1人の女子に固執するのです?」「彼女だけなのです、本当の私を理解してくれるのは…彼女となら私の望みが叶うのです 愛しているのは琳琅ただ1人です」つづく(  ̄꒳ ̄)おじいちゃん、思い出のアルバムwそして人質ループ!で容若はどうなったのぉぉぉ?!
2021.10.07
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第38話「国法と私情」衛琳琅(エイリンロウ)は長慶(チョウケイ)を寝宮に呼び出し、皇宮を出ようと迫った。「哥哥…もう耐えられないの」「良児(リョウジ)、泣くな…言う通りにするよ」長慶は妹の涙をぬぐい、一緒に逃げると決めて儲秀(チョシュウ)宮を後にする。その姿をちょうど琳琅の様子を見に来た康熙(コウキ)帝が目撃していた。一方、太皇太后はスマラから皇帝が寧(ネイ)貴人の死後、儲秀宮を訪ねていないと聞いた。皇帝はかんこう令を敷いていたが、女官たちは寧貴人が儲秀宮で死んだと噂している。また不思議なことに内務府の記録では衛家は全員、亡くなっており、琳琅には親戚すらいなかった。太皇太后は琳琅に何か秘密があると疑い、さらに詳しい調査を命じる。「近隣の者や産婆などを探し出すのだ」納蘭逸(ナランイツ)は太皇太后の侍女が琳琅の出自を調べていると知り、急いで恵(ケイ)妃に報告した。「すでに何かつかんだのかも…」一方、納蘭容若(ナランヨウジャク)は良児に令牌を渡し、長慶を皇宮から逃すよう急かした。実は皇帝が長慶を疑い始めているという。しかし良児は兄と一緒に行くと伝えた。「良児、自分を大切にするんだ、いいね?」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク、あなたもね、翠雋(スイシュン)を大切にしてね …容若哥哥、ずっと伝えたかったことがあったの、今、言わないともう機会がなくなる ありがとう、私を引き取ってくれて 記憶を失っている間、私を支えていたのはあなたの愛だった もし愛されていなければ心を病んでいたはずよ、あなたに感謝してる」「良児、君と過ごした8年間は最も幸せな時間だった だがその8年間は本来なら皇上のものだ、君が待っていたのは皇上だったのだから…」「仕方ないわ、これも運命よ」そんな2人の姿を偶然、回廊を歩いていた恵妃と納蘭逸が見つけた。「容若哥哥…お別れです」「良児!」「お元気で…」容若と琳琅が別れる様子を見ていた恵妃と納蘭逸は呆然となった。「お聞きになりましたか?公子が″良児″と呼んだのを…」「どうやら記憶が戻ったようね…生かしておけば納蘭家は滅びる…」その夜、琳琅は梨の木の下で兄を待っていた。そこへ黒衣の刺客が現れ、琳琅を狙う。しかし駆けつけた長慶が刺客を撃退、覆面を外してその正体を知った。長慶に刺された納蘭逸は何とか逃げ出し、恵妃が待つ承乾(ショウケン)宮に戻った。恵妃はすでに虫の息となった納蘭逸を腕に抱き、侍女・沈香(ジンコウ)に薬を持ってくるよう命じる。「娘娘…もうお仕えすることができなくなりました…どうかお身体を大切に…」「ずっとそばにいてくれると約束したはずよ?!…死んではだめ!」その時、納蘭逸は養子となって初めて恵妃と会った時のことを思い出した。恵妃に一目で惹かれ、後宮に入ると決まった時も宦官になることも厭わずに恵妃を守ると決める。すると納蘭逸は愛しい恵妃の腕の中で息を引き取った。「…あなたを無駄死にさせるものですか!衛琳琅…償ってもらうわ!」琳琅と長慶は容若の令牌を使い、城門を出ようとした。しかしそこへ康熙帝が駆けつけ長慶を捕縛、琳琅は乾清宮に連れ戻されてしまう。実は康熙帝はすでに長慶が琳琅の兄だと突き止め、琳琅がずっとかばっていたと知っていた。「哥哥はどこです?哥哥を殺したらあなたを殺す!哥哥に会わせて!」「奴は殺人犯だ…奴を守りたいのか?」「たった1人の家族よ、私の家族は皆あなたに殺された、生き残ったのは私と兄だけ…」「そなたには朕がいる」康熙帝は琳琅の手を取ったが、琳琅は振り払った。「放して!」すると康熙帝は小徳子(ショウトクシ)に琳琅に護衛をつけて身を守るよう命じた。衛琳琅を調べていたスマラだったが、内務府では何もつかめなかった。しかし衛琳琅が入宮した時の内務府総管が納蘭明珠(ナランメイジュ)だったと気づく。報告を聞いた太皇太后はやはり恵妃が何か知っていると確信した。追い詰められた恵妃は皇帝に自ら罰を請い、全て告白した。「父が阿布鼐(アフダイ)の成敗を命じられた時、娘の良児が納蘭府に逃げ込みました 父は禍根を断とうとしましたが、哀れに思った私が良児を救い、小間使いとして住まわせたのです」その後、良児は記憶を失い、生まれた時から使用人だったと思い込ませた。名前も衛琳琅と変え、やがて容若と恋に落ちたが、父は2人の仲を許さなかったという。そこで恵妃は琳琅を宮中に入れ、年季が明けて皇宮を出れば人生をやり直せると考えた。正しいことをしたと信じて来た恵妃、まさか琳琅が記憶を取り戻すとは予想もしなかった。「皇上を欺いた納蘭家の罪は私の命で償います どうか皇上は衛琳琅の処刑を、そばに置けば皇上に危害を加えます!」しかし驚いたことに康熙帝はすでに琳琅の出自を知っていた。「良児を救ってくれたそなたに感謝する…過去は追及せぬ しかし良児の秘密は誰にもいうな、今後も黙っていてくれ」恵妃は皇帝が全てを知りながら琳琅をそばに置いていたと知り、愕然となった。「そこまで執着なさるとは…どうかしてる…信じられないわ…」康熙帝はへたり込んだ恵妃に手を差し伸べたが、恵妃はその手を取らなかった。すると康熙帝はもう休めと言って出て行ってしまう。承乾宮に太皇太后が現れた。恵妃は皇帝から口止めされていたが太皇太后には逆らえず、ついに琳琅がチャハル親王の娘だと明かしてしまう。その時、琳琅は衛兵たちたちに守られながら宮道を移動していた。するとスマラが現れ、琳琅を慈寧宮に連れて行ってしまう。太皇太后はオーバイの残党だった阿布鼐を大清の逆臣だと非難した。しかし良児は父の無実を訴え、謀反など起こしていないという。太皇太后は憤慨し、逆臣の娘ならで皇帝を恨み、復讐を考えたはずだと迫った。「確かに一度は恨みました…でも一番、憎いのは自分です…殺したいのに手を下せない 愛したくても恨みを忘れられない…ですから自分が一番、憎いです」すると太皇太后はなぜ寧貴人が死んだのか聞いた。焦った琳琅は兄を守るため自分が殺したと嘘をつき、どんな罰も受ける覚悟だという。容若は投獄された長慶に何を聞かれても″盗みで捕まった″と答えるよう説得した。「そう言えと皇帝が命じたのか?」「…良児のためにも従った方が良い」一方、康熙帝は衛兵から琳琅が慈寧宮へ連れて行かれたと聞いて急いで駆けつけた。しかしすでに琳琅は幽閉され、太皇太后は阿布鼐の娘なら殺すしかないという。「どうか釈放を!」「寧貴人を殺したと認めたのに処刑しないと?」「彼女は殺していません!殺したのは…ぁ…」康熙帝は琳琅との約束を守るため、長慶だと言えなかった。「あの女のせいで是非すら分からなくなったのか! 人を殺した者は命をもって償う、国法は曲げられません!…帰りなさい」長慶の牢に皇帝が現れた。康熙帝は阿布鼐がオーバイと徒党を組んで政治を壟断(ロウダン)、法を無視したため誅されたと説明し、復讐はお門違いだという。すると長慶はオーバイを重用した皇帝こそ能なしだと蔑んだ。「春和居(シュンワキョ)を脱走したのは謀反のためじゃない、良児のためだ 良児の誕生日を祝ってやりたかったんだ…なのにお前は調べもせず、親王府を血の海にした! 例え罪があったとしても、一族皆殺しにする必要などなかったはずだ!」「叛意がなかったと言うが、親王府には兵が控えていた 親王府の人間は生かすべきで、朝廷の衛兵は死ぬべきだというのか?!」しかしどちらにしても復讐のために多くの犠牲者を出した長慶の罪を許すことはできなかった。「そちの罪は一家皆殺しに値する!…覚悟しろ!」「良児を殺すと?!良児を殺したら怨霊になっても復讐してやる!」「そう思うなら恨みを捨てるべきだった!なぜ妹を巻き込んだ!」康熙帝は長慶の胸ぐらをつかんだが、急に虚しくなって牢を出た。「良児は無実だ!お前を愛している!お前のそばに残ったのは私の企みを阻止するためだ… 全てはお前を守るためだったんだ!…待てっ!話を聞けっ!良児を殺すなぁぁぁ!」長慶は必死に叫んだが、皇帝が戻ってくることはなかった。その夜、康熙帝は容若と小徳子に頼んで琳琅を皇宮から脱出させた。先に郊外で待っていた康熙帝は琳琅と合流、最後に琳琅を抱きしめ別れを惜しむ。しかし琳琅は兄の姿がないことから、逃げるわけには行かないと拒んだ。康熙帝は仕方なく容若を呼ぶと、容若はいきなり琳琅の首を突いて気を失わせてしまう。「あとは頼んだぞ」康熙帝は宮中に戻った。琳琅のいない皇宮は火が消えたように暗く、また孤独な日々に戻ったと実感する。つづく( ๑≧ꇴ≦)引っ張るね~そう言えば大哥をやけに煽ってた腹心の男…怪しいとは思ってたけどまさか?!
2021.10.05
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第37話「近づく真相」康熙(コウキ)帝はやけに気が回る小徳子(ショウトクシ)に困惑した。すると衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)からの言いつけで、皇帝の食べ物や飲み物、身につける物、出かける時も気を配れと命じられたという。康熙帝は琳琅がこれほど気遣ってくれていると知り感激した。そこで乾清(ケンセイ)宮への出入りを禁止された琳琅のため、自分が儲秀(チョシュウ)宮で寝起きすると決める。それにしても琳琅はどこか様子がおかしかった。「何かあるなら必ず相談してくれ」「特に何も…いつも皇上を見ていたいのです」康熙帝は琳琅の深い愛ゆえだと喜んだが、長慶(チョウケイ)は苦々しく思っていた。恵(ケイ)妃は慈寧(ジネイ)宮を訪ね、太皇太后に手作りの杏仁酪(アンニンラク)を献上した。喜んだ太皇太后だったが、琳琅がぜんそくに良いと献上した杏仁酪と同じ味がすると気づく。そこで作り方をスマラに教えて欲しいと頼んだ。すると2人の作り方も秘訣も同じだと分かり、太皇太后は誰に習ったのか確認する。恵妃は咄嗟に母だと答えてごまかしたが、なぜ太皇太后が作り方を聞いたのか不思議だった。太皇太后は恵妃と琳琅に何か関係があると怪しんだ。「衛琳琅が何者なのか詳しく知りたい…」そこでスマラに琳琅の素性を調べるよう命じた。琳琅と仲違いした寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)は気分転換に御花園に出た。そこで運悪く安(アン)嬪と出くわしてしまう。実はすでに画珠の夜伽は名ばかりで寵愛を受けていないと広まっていた。( ̄▽ ̄)<この後宮で一番、清らかなお方だわ~ぷっ、へそで茶を沸かすわ~(^ꇴ^)<まさに虎の威を借る狐です安嬪だけでなく侍女・琴英(キンエイ)にまで嘲笑された画珠は何も言い返せず、寵愛を独り占めする琳琅への恨みを募らせた。康熙帝は琳琅との子を望み、すでに名前まで考えていた。「胤禩(インシ)…知恵と勇気を持った元気な子が生まれるであろう」しかしその朝、早くに目を覚ました太皇太后がちょうど儲秀宮から戻る皇帝を目撃してしまう。スマラから皇帝が儲秀宮で休んでいると聞いた太皇太后は憤慨し、衛答応の振る舞いに眉をひそめた。寧貴人が実は皇帝から寵愛されてないと分かり、内務府の態度は一変した。急に支給品がもらえず仕方なく帰ることにした画珠、すると回廊に琳琅がいたと知る。ばつが悪い画珠は無視して華陽宮に戻ったが、侍女・媛児(エンジ)から八つ当たりしても寵愛は受けられないと諌められた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ!激怒した画珠は思わず媛児を引っ叩き、追い出してしまう。琳琅は内務府で画珠が欲しがっていた五彩南瓜壺(ゴサイナンカコ)をもらい、画珠に届けた。しかし画珠は余計に惨めになって五彩南瓜壺を床に落とし、割ってしまう。その時、宮女が現れ、病気だった母が亡くなったと聞いた。宮中では私的な弔いが禁じられていたが、画珠は裏門でこっそり紙銭を燃やした。その時、宮道から自分の陰口が聞こえてくる。画珠が門からのぞいてみると、媛児と女官がいた。「安嬪娘娘からお声がかかったの、寧貴人なんてもうまっぴら!」「ワナワナ…この裏切り者!口を引き裂いてやる!」画珠は思わず媛児につかみかかったが、逆に押し倒されて頭を打ってしまう。「何よ!辛者庫の女官だったくせに!私は安嬪娘娘のところへ行きますから」↓まあ~画珠は…仕方がないかw一方、琳琅もひと気のない時間を狙い、庭園で画珠の母を弔っていた。「画珠のお母様なら私にとっても家族、どうか安らかに…」そこへ偶然、画珠が通りかかる。「どうしたの?怪我したの?」琳琅は画珠の額の血を拭おうとしたが、素直になれない画珠はその手を振り払った。「触らないで!」「画珠、まだ私がいるわ、私も身内でしょう?」すると画珠は全てを受け止めてくれる琳琅に甘え、琳琅が憎いと泣きじゃくってしまう。その頃、長慶(チョウケイ)は皇帝の身支度に使う櫛(クシ)に毒を染み込ませていた。翌朝、納蘭容若(ナランヨウジャク)は復職した。そこで毒虫の入った靴を運んだ宦官に話を聞こうとしたが、すでに宮中を追われたという。一方、琳琅は皇帝の身支度を整え、最後に髪を整えることにした。長慶は固唾をのんで見守っていたが、その時、小徳子が駆けつける。「皇上!図海(トカイ)大将軍が緑旗兵(リョクキヘイ)の件で…」すると皇帝は髪を梳く間もなく出て行った。長慶は隙を見て櫛を回収しようと儲秀宮へ戻ることにした。しかし運悪く小徳子に見つかり、止められる。「皇上が将軍に贈る褒美を用意してくれ」その頃、部屋を片付けていた侍女・碧落(ヘキラク)は床に落ちた櫛を見つけ、鏡台に戻しておいた。勝ち気な画珠だったが、結局、宮中で優しくしてくれるのは琳琅だけだった。そこで儲秀宮を訪ねたが、ちょうど琳琅は裏庭にいて気づかない。仕方なく画珠はこのまま待つと決め、鏡台に座って額の傷を見た。「みっともないわ…」画珠はちょうど鏡台にあった櫛で前髪を直したが、急に頭が痛くなってしまう。琳琅が戻って来た。画珠は立ち上がったが、その場で崩れ落ちるように座り込む。「どうしたのかしら…真っ暗で何も見えない…」琳琅は画珠を腕に抱き、侍医を呼ぶよう頼んだ。しかし画珠はもう間に合わないと分かっている。「私が死ねば母も寂しくないわね…」画珠は最期に琳琅を許すと伝え、その腕の中で激しく喀血し絶命した。一方、容若は追放された宦官の家を突き止め、話を聞きに行った。宦官は自分の不注意だったと罪を認めたが、容若は自分の考えで靴を干したのか聞いてみる。すると宦官は長慶の助言だったと証言した。琳琅はまた姉妹を失った。最後まで画珠を苦しめてしまったことを後悔しながら悶々とする琳琅、すると長慶が黙って寝所に入ってくる。すると長慶は鏡台にあった櫛を手巾で包み、持ち帰ろうとした。「やっぱりあなたね?!」「…そうだ、私が櫛に毒を塗った、ちょっとした手違いだ」「人の命を何だと思っているの?!あと何人、殺すつもり?! もう私の知っている阿思海(アシカイ)ではないのね…悪魔よ」衛兵の阿武(アブ)は長慶を見張っていた。すると長慶が庭園の池に何かを捨てるのを目撃する。一方、康熙帝は寧貴人を手厚く葬るよう命じた。まさか皇宮で毒殺事件が起こるとは一大事、そこで小徳子に儲秀宮にある物を全て調べるよう命じ、また容若には出入りした者の調査を任せる。そこで容若は早速、取り掛かろうとしたが、阿武が駆けつけた。( ・ノェ・)<だーれん…ゴニョゴニョ…すぐ行く!>Σ(・□・;)庭園に急いだ容若は池の水を全て抜くと決めた。琳琅は庭園を抜けようとしたが、衛兵に止められた。「池を捜索中です、池に捨てられた物が重要な物証ではないかと…」焦った琳琅は長慶を探しに向かったが見つからなかった。そこで時間稼ぎのため、碧落に容若の足止めを頼み乾清宮へ急ぐ。実はその時、すでに容若は池の中から拾った櫛を持っていた。琳琅は皇帝に人払いを頼み、実は画珠を毒殺したのは自分だと告白した。しかし本当の目的は皇帝の暗殺、画珠は誤って死んでしまったという。「家族を殺された恨みは忘れません、皇上を殺すため留まったのです!」「嘘だ…信じない…朕には分かる、朕を想っているはずだ!」琳琅は皇帝からなぜ嘘をつくのかと迫られ、思わずかんざしを抜いて皇帝の胸に突き刺してしまう。その頃、容若は碧落に寝宮の前で琳琅を待つよう言われていた。騒ぎに気づいた小徳子が駆けつけると、皇帝が胸から血を流していた。しかし康熙帝は騒ぐなと口止めし、琳琅を逃がす。「ここを出ろ…早く…行け」←_:(´ཀ`」 ∠):_ ァァァ〜おじいちゃ〜ん琳琅は慌てて乾清宮を飛び出すと、容若の元へ向かった。「火急の用とは何だ?」すると琳琅はいきなりひざまずき、証拠の櫛が欲しいと嘆願する。「はお、櫛を渡そう…ただし本当の話を聞かせてくれ」「長慶は…私の実の兄、阿思海です…生きていたの…ゥッ…」小徳子は皇帝の手当を済ませたが、衛答応を忘れるよう諫言した。しかし康熙帝は宮中に戻ってからの琳琅の行動を思い出し、裏があると気づく。そこですぐ容若を呼んだ。康熙帝は琳琅が復讐のため皇宮に留まったと言ったと教えたが、容若も信じないという。翌朝、ようやく長慶が儲秀宮に現れた。「娘娘、お呼びですか?」すると琳琅は一緒に皇宮を出ようと迫る。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!琳琅が八皇子のママなのか!それにしてもハマってる…多分、違った意味で(笑
2021.10.04
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第36話「御前太監の殺意」寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)は皇帝の寵愛を得るため太皇太后に泣きついた。実は皇帝が乾清(ケンセイ)宮で衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)と起居を共にして他の妃嬪を蔑ろにしているという。驚いた太皇太后はすぐ皇帝と琳琅を呼びつけ、琳琅に自分の戒めを覚えているか聞いた。「はい、太皇太后… 皇上の寵愛を受けるのは幸せなこと、ただしその幸せは他人の不幸と引き換えに得たもの 想いを忍ばせることも大事だと…」初耳だった康熙(コウキ)帝は目を丸くした。太皇太后は分かっているならすぐ乾清宮を出るよう命じたが、琳琅は皇帝のそばを離れるわけにいかないと口答えしてしまう。憤慨した太皇太后は皇帝が他の妃嬪を思い出すまで衛答応の夜伽札を取り上げると決め、さらに琳琅の乾清宮への出入りを禁じた。琳琅は儲秀(チョシュウ)宮で反省するよう命じられた。皇帝を守れなくなり動揺する琳琅、そこで侍女・碧落(ヘキラク)に装飾品を与え、自分の代わりに長慶(チョウケイ)を見張って欲しいと頼む。しかし碧落は褒美など必要ないと断り、主のため乾清宮の動向を探ることにした。画珠は長慶の入れ知恵で太皇太后を利用し、皇帝から琳琅を引き離すことに成功した。さらに長慶は琳琅の衣装を渡し、これを着て琳琅の話を聞かせるよう助言する。画珠は早速、琳琅の服を着て意気消沈する皇帝を訪ね、実は琳琅から様子を見て来るよう頼まれたと嘘をついた。すると長慶が頃合いを見計らい、敬事房の夜伽札を持って来る。康熙帝は画珠から琳琅の話の続きを聞くため、迷わず寧貴人の夜伽札を選んだ。画珠は皇帝の歓心を得ることに成功し、ついに夜伽の機会を得た。しかし康熙帝は琳琅の話が終わると画珠を寝所で寝かせ、結局、朝まで御書房で過ごしてしまう。すると翌朝、琳琅が慌てて乾清宮に現れた。 ←出入り禁止って夜だけ?ちょうど身支度を済ませた皇帝のそばに長慶がいたが、琳琅は何事もなかったと確認して安堵する。一方、太皇太后は昨夜の夜伽が寧貴人だったと聞いて一安心していた。「昔から皇帝が1人の女に熱をあげるとろくなことにならぬ… これでわきまえてくれるといいのだが…」小徳子(ショウトクシ)が復職した。琳琅はこれで少し気が楽になったが心配は尽きない。その夜、康熙帝はまた寧貴人を夜伽に選んだ。しかし画珠から琳琅の話を聞いているうちにどうしても琳琅に会いたくなり、儲秀宮へ行ってしまう。すると琳琅は中庭でちょうど琴を弾いていた。康熙帝は琳琅の目が赤いことに気づいた。琳琅がひとり寂しく眠れないのだと思った康熙帝は琳琅が眠りにつくまでそばにいるという。琳琅は目を閉じていたが、皇帝の優しさにふと涙がこぼれた。康熙帝は乾清宮に戻ったが、寧貴人がいるので御書房で寝た。寵愛を受けられず悶々とする画珠、しかし長慶は少なくとも他の妃嬪から一目置かれると安心させる。「本当は話をしているだけだと知られたら笑い者だわ」「お力になります…私の言う通りになさってくれれば拒まれることはありません」長慶は画珠を利用して復讐を遂げようと企んだが、琳琅は碧落から長慶が最近、華陽宮に出入りしていると聞いていた。その夜、琳琅は兄が画珠を利用し、皇帝を刺し殺す夢を見て飛び起きた。すると居ても立ってもいられなくなり、碧落が止めるのも聞かず、飛び出して行ってしまう。一方、長慶は寝所にいる画珠にお茶を届け、皇帝は今夜も御書房で休むと伝えた。「皇上の香炉に合歓(ゴウカン)散を入れました、一時後にはお目覚めに… 何もかもお望み通りになるでしょう…それとこれは皇上の好きなお茶です」そこで画珠は長慶が差し入れたお茶を持って御書房へ向かった。しかしそこで皇帝と琳琅の仲睦まじい姿を目の当たりにする。驚いた画珠はお茶を落とし、器の割れる音を聞いて長慶も急いで駆けつけた。画珠は乾清宮に来た琳琅を非難した。「皇上は私をお選びになった、衛答応は非常識です!」すると康熙帝は琳琅の格好をすることも非常識だと憤慨、画珠たちに下がるよう命じる。康熙帝は琳琅が寂しかったのだと誤解し、他人が何を言おうと構わないと安心させた。しかし琳琅は自分が非常識だったと認め、太皇太后の罰を甘んじて受けると言って帰ってしまう。琳琅は長慶の部屋を訪ねた。またしても琳琅の邪魔が入り皇帝暗殺が失敗に終わった長慶、画珠の運んだお茶を飲めば今ごろ亡き者にできたはずだと悔しさをにじまる。琳琅は皇帝を愛しているが離れると決め、一緒に遠くへ行こうと説得した。しかし復讐のため宦官となり何もかも失った長慶はあきらめきれない。すると琳琅は愛とは関係なしに康熙帝は立派な皇帝だと訴え、どうしても復讐するなら自分を殺せと迫った。寝宮へ戻った画珠は琳琅への怒りを爆発させた。翌朝、琳琅は釈明に訪れたが、画珠に思い切り引っ叩かれてしまう。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ!琳琅は理由があると訴え、いつか全てを話すとなだめたが、画珠に追い返されてしまう。納蘭(ナラン)府では翠雋(スイシュン)が薬を飲もうとしない容若(ヨウジャク)に手を焼いていた。そこへ突然、皇帝が現れる。驚いた容若だったが、すぐ琳琅の件だと分かった。すると康熙帝は琳琅がそばにいてもなぜか距離を感じるという。「彼女の心が分からなくてな…」←元彼に聞いちゃう皇上( ̄▽ ̄;)容若は想いが強すぎて不安なのだと理解を示し、しかし琳琅を信じるしかないと励ました。琳琅は小徳子に皇帝に関わる一切に細心の注意を払うよう頼んだ。そして以前は嫌っていた長慶が悪い人ではないと分かったと教え、目をかけてやって欲しいという。すると康熙帝はやけに気が回る小徳子に驚いた。「衛答応からの言いつけです 皇上の食べ物や飲み物、身につける物、お出かけの際も気を配れと…」つづく( ๑≧ꇴ≦)何これ?今度は兄妹ループ?もうどうせなら沐浴する皇帝にたらいを落として欲しかったわwwwさていよいよ最終週!いつか泣ける日が来るのか?!
2021.10.01
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第35話「靴の中の毒虫」康熙(コウキ)帝と納蘭容若(ナランヨウジャク)は姿を消した衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)を必死に捜索していた。一方、長慶(チョウケイ)は呉子墨(ゴシボク)にさらわれた琳琅を救出、山間に空き家を見つけ、しばし兄妹水入らずの時間を過ごす。長慶は妹にこんな不自由な生活はさせたくなかったが、琳琅は兄と一緒なら辛くないと言った。康熙帝たちは空き家を発見、しかしすでにもぬけの殻だった。すんでのところで逃げ出した長慶と琳琅は物陰から皇帝たちの様子をうかがう。琳琅は皇帝が必死に自分を探す姿に心が痛んだが、長慶は皇帝の妹への深い愛情が利用できると思いついた。長慶は琳琅を連れて無縁墓にやって来た。記憶を取り戻した琳琅は墓参りが遅れたことを両親に詫び、これからは兄妹で生きて行くと報告する。しかし長慶は復讐をあきらめていなかった。長慶は墓前で両親と兄、そして愛する芸初(ウンショ)の敵討ちを改めて誓うと、妹の首を手刀で打って気を失わせてしまう。「良児(リョウジ)、芸初が死んで私は希望を失った、この命をかけて復讐を果たす(๑•̀ㅂ•́)و✧」琳琅が目を覚ますとすでに儲秀(チョシュウ)宮にいた。侍女・碧落(ヘキラク)の話では長慶が衛答応を助け、その功績で御前太監に昇格したという。驚いた琳琅はすぐに乾清(ケンセイ)宮へ挨拶に向かったが、そこへちょうど長慶が皇帝に茶を運んで来た。そこで琳琅は咄嗟に立ちくらみを起こし、長慶が持って来た茶碗を落として割ってしまう。皇帝の信頼を得た長慶は琳琅を儲秀宮まで送り届けることになった。納蘭容若(ナランヨウジャク)は偶然、2人が宮道を歩いている姿を目撃、2人の関係をいぶかしむ。一方、琳琅は復讐を続ける兄の選択に困惑した。しかし長慶は両親が目の前で殺された光景を忘れられず、芸初の死が皇帝への恨みに拍車をかける。「哥哥、まだ私がいるでしょう?」「そうだな、頼れるの者はお前だけだ… どちらか選べ、私を告発して奴と生涯を共にするか、私に協力して奴を殺し敵を討つか…」「どちらも無理よ」「なら何もするな」長慶は儲秀宮からの帰り道、皇太后の輿と遭遇した。そこで掟の通り壁に向かって背を向けやり過ごそうとしたが、皇太后に気づかれてしまう。長慶は御前で拝礼し、多忙を極めており挨拶が遅れてしまったとごまかした。「重用されているようね、一言だけ忠告しておく、誰のおかげなのか忘れるな」「…ご安心を、ご恩は忘れません」琳琅は慈寧(ジネイ)宮に呼ばれた。すると実は寧(ネイ)貴人・画珠(ガシュ)も一緒に呼ばれていると知る。太皇太后は2人を近くへ呼んだが、琳琅とは顔馴染みだった。そこで画珠は太皇太后の歓心を買おうと洛陽牡丹を献上する。しかし侍女・スマラが衛答応が以前、花の花粉が喘息に良くないと忠告したことを思い出し、部屋に置けば咳が悪化すると進言した。「そうだったな…では花園に置いて他の者にも美しさを愛でてもらうとしよう」一方、琳琅は太皇太后の喘息のため、手作りの杏仁酪(アンニンラク)を献上した。これは咳を鎮め、肺を潤すという。太皇太后は一口食べて美味しいと喜び、スマラに作り方を教えてやって欲しいと言った。慈寧宮を出た画珠は琳琅が太皇太后のぜんそくを教えてくれなかったとぼやいた。琳琅は画珠も呼ばれているとは知らなかったと釈明し、謝罪する。すると画珠は残った姉妹が2人となり、力を合わせなければ後宮で生き残れないと訴えた。「そうね、ごめんなさい」2人は手を取り、改めて姉妹で協力しようと約束する。その時、ちょうど琳琅を心配して慈寧宮へ向かっていた康熙帝が2人の姿を見つけた。康熙帝は琳琅と画珠の元へ歩き出した。すると築山の上にいた長慶が皇帝に向かって岩を投げる。「皇上!危ない!」小徳子(ショウトクシ)が咄嗟に皇帝をかばい、岩の直撃を受け倒れてしまう。その時、琳琅は築山から逃げる長慶の姿に気づいた。御薬房に運ばれた小徳子は幸い命に別状はなかった。すると長慶が何食わぬ顔で現れ、築山の老朽化が原因だったと嘘をつく。琳琅は小徳子が療養している間に側仕えが長慶だけになると気づき、皇帝を守るため御前勤めをすることにした。食事の時は自ら毒味をし、長慶が香炉を運んでくればお茶をかけて消してしまう。何も知らない康熙帝は自分から離れない琳琅が可愛くて仕方がないが、琳琅は何とも複雑だった。康熙帝は琳琅を寝所に残し、朝議の身支度へ向かった。しかし琳琅が早々に挨拶に現れる。「ずいぶん早いな、もう少し休んでいろ、朝議が終わったら散歩をしよう」そこへ容若が皇帝を迎えにやって来た。琳琅は長慶がなぜか皇帝の履物を見つめていることに気づき、自分が着替えを手伝うと申し出る。すると控えていた容若は琳琅が履物を逆さにするのを見て嫌な予感がした。「私が…」容若は自ら履物に手を入れて確認すると、毒虫に刺されてしまう。容若はすぐ御薬房に運ばれた。康熙帝と琳琅は容若の回復を祈ったが、侍医の話では劇毒のため完全な解毒が難しいという。すると長慶がこの数日の湿気で履物を外に干していたため虫が入ったと報告した。長慶の復讐のせいで次々と巻き込まれる無関係の人たち、琳琅はこれも自分の責任だと思い悩んだ。御花園で画珠は安(アン)嬪と出くわした。安嬪は侍女から華陽(カヨウ)宮の寧貴人だと聞き、辛者庫で洗濯していた女官かと蔑む。「辛者庫では花なんて見られないのでしょう?ふん」「行在(アンザイ)所では皇上のおそばにいて散歩の暇もなかったもので~ 姐姐こそ、皇上がお戻りになったのに1人でお散歩ですか?」「にっ(你)!」気が強い画珠は安嬪を言い負かしたが、その時、運悪く恵(ケイ)妃が通りかかった。「今の言葉は誰が言ったのかしら?…視察に向かった皇帝が享楽にふけるなどあり得ません!」恵妃は皇帝への中傷だと指摘、不敬の罪で罰を与えた。「沈香(ジンコウ)、叩け!」バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←画珠は仕方ないw琳琅は8年も自分の面倒を見てくれた容若が兄の復讐で死ぬところだったと憤慨した。しかし長慶は一族を手にかけたのが容若の父・納蘭明珠(ナランメイジュ)だったと教える。「死んだとしても自業自得だ」「どうかしてる!芸初まで巻き込んだのよ?まだ犠牲を出すつもり?!」「親の敵と同衾(ドウキン)しているお前の方が正気じゃない」←これはキツイ( ̄▽ ̄;)すると琳琅は言い訳できずに黙ってしまう。画珠は乾清宮に入り浸りの琳琅を待ち伏せし、やっと捕まえた。実は画珠は琳琅のように皇帝から寵愛されず、後ろ盾もないため目の敵にされているという。そこで皇帝の寵愛を分て欲しいと訴えたが、琳琅はまだ皇帝のそばを離れるわけにいかなかった。「他のことなら聞いてあげる、でも…」「もういい!好きなだけ独り占めしなさいよ!」門を出ようとした画珠は太監とぶつかり、思わず引っ叩いた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ!しかしその太監が長慶だと気づく。「あら、誰かと思えば…琳琅を何度も陥れた長慶じゃないの~ 皇上に知られたら首が危ういわね」すると長慶は自分の悪事には寧貴人も加担しているとやり返す。画珠はもはや身分が違うと強気だったが、長慶は手を貸してくれるなら自分も助けると懐柔した。画珠は太皇太后を訪ねた。そこで最近は皇帝が乾清宮で起居し、常に衛答応がそばにいると告げ口する。つづく( ๑≧ꇴ≦)後半に来てこの画珠の面倒くさいエピとか…
2021.10.01
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第34話「芸初との別れ」その夜、芸初(ウンショ)は約束の場所で長慶(チョウケイ)が来るのを待っていた。ちょうどその時、宦官になりすまして潜入していた呉子墨(ゴシボク)が脱出を試みようとしたが、巡回中の衛兵に見咎められてしまう。「誰か!刺客だ!捕らえろ!」一方、芸初と一緒に逃げることを拒否した長慶はまだ寝所にいた。しかしやはり居ても立ってもいられず、部屋を飛び出したが…。芸初は衛兵に追われている宦官の姿を見た。てっきり長慶だと思い込んだ芸初は慌てて付いて行こうとしたが、衛兵が放った弓矢が背中に命中してしまう。長慶はちょうど芸初が倒れる様子を目撃、慌てて駆け寄り抱きしめたが、芸初はすでに虫の息だった。康熙(コウキ)帝は衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)を手放すと決めた。琳琅は皇帝に別れを告げ、回廊で待っていた納蘭容若(ナランヨウジャク)と一緒に去って行く。しかしその途中、衛兵が容若に急報を伝えた。「大人(ダーレン)!刺客を捕らえました!1人は女官で…」琳琅はその女官が芸初だと気づいた。琳琅たちが庭園に駆けつけると、ちょうど衛兵たちが長慶を芸初から引き離したところだった。意識のない芸初を腕に抱く琳琅、その時、芸初がうっすら目を開ける。「芸初!眠ってはダメ!姐姐が一緒に連れて帰るから…ゥッ…」「姐姐…私はもうダメ…来世でも妹妹にしてね…」「約束する…ゥッ…私たちは来世でも姐妹よ…」すると芸初は安心したのか、そこで息絶えてしまう。長慶は刺客として捕らわれ、拷問を受けていた。一方、琳琅は芸初に死化粧を施し、長慶が贈ったかんざしを髪に挿してやる。すると芸初が暗器を隠し持っていることに気づいた。それは衛兵・阿武(アブ)から盗んだ長慶の三角鏢(ビョウ)だったが、記憶が戻った琳琅は確かに兄が作った暗器だと確信する。「まさか哥哥が?!」そこへ寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)が血相変えて入って来た。「芸初!なぜ突然こんなことに!この敵は必ず討ってやる!」取り乱した画珠は長慶の仕業だと決めつけ、飛び出して行った。琳琅は芸初のかんざしを改めて良く見てみた。芸初の話ではこのかんざしは長慶が亡くなった妹のために作ったという。思えば芸初は長慶が本当は家族想いの優しい人だと力説していた。…まさかあの長慶が私の哥哥?…康熙帝は汝寧(ジョネイ)府を発ち、駅舎に到着した。琳琅を失い意気消沈する康熙帝、すると容若と去ったはずの琳琅がお茶を献上する。「琳琅?!…留まるのか?私のそばに?!」「はい」康熙帝は愛しい琳琅を抱きしめ、思わず涙した。「昔のことをそなたが忘れられなくても待つつもりだった…ありがとう」「皇上、実は琳琅、お願いがあります、芸初と長慶は刺客ではありません 2人は想い合う仲でした、あの晩、私の勧めで駆け落ちを図ったのです」琳琅は情の深さゆえの過ちだったと訴え、長慶の解放を嘆願した。すると康熙帝は琳琅が留まってくれるならどんな望みも叶えると約束したはずだと快諾する。こうして長慶は思いがけず釈放された。長慶は解放されたが、まるで魂が抜けたようだった。その様子を琳琅は遠くからながめていたが、そこへ容若がやってくる。「なぜ留まった?心配事か?私の目はごまかせないぞ」しかし琳琅は黙って行ってしまう。厨房に来た長慶は食いしん坊だった芸初の姿を思い出し、悲しみに打ちのめされた。改めて失ったものの大きさを実感する長慶、そこへ琳琅が現れる。「あなたの好きなお菓子よ、芸初に聞いたの、あなたの母親の味に似ているって 他にも芸初から聞いた、ご家族は亡くなったそうね、以前は妹さんがいたとか 妹さんが10歳の誕生日に一家全員が亡くなり、あなたは死体の山から這い出して生き延びた これはあなたが好きだった三角鏢ね…小さい頃から聡明で、何でも自分で作ってしまう…」すると長慶は琳琅に素性がばれたと知り、思わず首をつかんで殺そうとした。「ゥッ…良児の誕生日、額娘が作ったお菓子を哥哥が横取りしたわ」驚いた長慶は机を見ると、その菓子は確かに母が作ったあの菓子だった。「阿思海(アシカイ)哥哥…私は良児よ、妹の良児なの…」長慶は琳琅の首から手を離し、呆然となる。あの時、阿思海は兵士に斬られた母と一緒に良児が倒れるのを見たが、そこで意識を失くしていた。実はあの時、母は良児に目を閉じるよう命じ、死んだふりをさせて助けてくれたという。長慶は思いがけず家族と再会を果たし、良児を抱きしめ泣いた。琳琅と長慶は芸初のことで敵対して来たが、実の兄妹だった。長慶はまさか親王府のお嬢様で両親から愛され育った妹が記憶を失い、こんな苦労をしていたのかと嘆く。すると琳琅は全て過ぎたことだと伝え、長慶にも復讐など考えないよう訴えた。しかし長慶は家族と芸初が死んだことで皇帝への恨みがさらに深くなっている。「哥哥、私のためにも皇上を殺さないで…」「好きなのか?…阿瑪と額娘を殺した敵だぞ?!敵を愛するなど許さぬ!」「…忘れるよう努めますから」長慶はとにかく妹を先に皇宮から逃そうと決めたが、琳琅は2度と家族を失いたくないと拒んだ。芸初を犠牲にして脱出した呉子墨は長慶を呼び出した。すると呉子墨は予定通り琳琅を人質にして皇帝を殺そうという。しかし長慶は琳琅に手を出すなと脅して帰って行った。琳琅は皇宮へ戻るのが怖かった。何も知らない康熙帝は琳琅と2人、このまま幸せな日々が続くと信じている。しかしこの数日の夢のような時間はろうそくが燃え尽きる直前の最も明るい時のようで、琳琅は不安を募らせた。その夜、琳琅は康熙帝が眠ったの見計らい、そっと寝台から出た。皇帝が起きないよう安眠香を焚いて回廊に出たが、そこに宦官が現れる。実は長慶が待っているので案内するというのだ。しかし途中で琳琅は怪しいと気づいて足を止める。「待って、あなたは誰?」香が消える頃、康熙帝はふと隣に琳琅がいないことに気づいた。琳琅の姿が見えず、容若たちに捜索を命じたが、裏門付近で琳琅の靴の片方が発見される。一方、寝所で休んでいた長慶も外の騒ぎに気がついた。衛答応がさらわれたらしい>(*´・д・)(・д・`*)<えーw↓正しい″なんてこった!″長慶は呉子墨の仕業だと気づき、いつも落ち合う山で待ち伏せした。すると思った通り呉子墨が琳琅を袋に入れて運んでくる。「女を離せ」「…ふん、力づくて奪い返すんだな」長慶は初めて本気を出し、呉子墨は呆気なく吹き飛ばされた。「よく聞け、琳琅はチャハル親王・博爾済吉特阿布鼐(ボルジギトアフダイ)の娘 そしてこの阿思海の妹・博爾済吉特良児だ…私のたった1人の家族 傷つけたら…殺す!」長慶は呉子墨を追い詰めて蹴り飛ばし、崖から落とした。長慶は琳琅を無事、救出した。しかしそこへ琳琅を探す康熙帝と容若たちの声が聞こえて来る。2人は咄嗟に物陰に身を潜めると、容若が崖っぷちについた血を発見、人が争ったあとがあると驚いて去って行った。長慶はこのまま琳琅を死んだことにして逃がそうと考えた。しかし琳琅はどうしても兄と一緒にいると譲らない。「哥哥が戻らなかったら私はどうなるの?!一緒に行く!」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ、悪役は崖から落ちると…?
2021.09.29
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第33話「明かされた素性」干ばつ被害地を視察している康熙(コウキ)帝一行は汝寧(ジョネイ)府に入った。その夜、康熙帝は火傷した衛(エイ)答応・琳琅(リンロウ)に薬を届けることにしたが、合わせる顔がない。一方、琳琅は寝殿で皇帝からもらった虎の人形を眺めていた。すると戸を叩く音がする。琳琅は戸を開けてみたが誰も見当たらず、あきらめて閉めることにしたが、門の前に薬瓶があった。寧(ネイ)貴人・画珠(ガジュ)は自分が琳琅を嫉妬させるための当て馬だと気づいた。面白くない画珠は琳琅を真似て自分の手の平に虎を描き、皇帝が描いてくれたと琳琅に自慢する。しかしその夜、皇帝に茶を献上した時、康熙帝が画珠の手の平に書いてある虎の絵に気がついた。「誰が書いた?」「私が落書きを…」「すぐ洗え」康熙帝は画珠を下げると、つくづく自分の愚かさを嘆いた。琳琅に嫉妬させようと画珠を側室にしたが、それが却って自分を苦しめる結果になってしまう。翌日、康熙帝は人心を慰めるため、汝寧府の前で住民たちに施しを行った。琳琅も女官たちに混じって住民たちに粥を配っていたが、まさか配給に群がる住民の中に呉子墨(ゴシボク)が紛れているとは誰も気づかない。そんな中、芸初(ウンショ)は長慶(チョウケイ)の姿がないことに気づき、嫌な予感がしていた。一方、町に出た長慶は被災民に扮した呉子墨から密書を受け取り、道端で目を通した。しかし視線を感じて振り返ると芸初がこちらを見ている。長慶はついて来るなと言ったが、芸初は目障りなら殺せと開き直った。康熙帝は施しの様子を見るため外へ出た。すると何やら不満げな子供の一群を見つける。そこで子供たちのもとへ向かい、話を聞いた。実は配給を貰えるのは親だけで、親がいない自分たちはもらえないという。康熙帝は納蘭容若(ナランヨウジャク)や小徳子(ショウトクシ)にすぐ食料を渡すよう指示したが、呉子墨は皇帝の周りから側近が離れた一瞬の隙を見逃さなかった。呉子墨は配下の子供に目くばせし、いきなり巨大煙玉wを投げた。➰💣ドッカーン!突然、爆発音が響き渡り、付近は煙で真っ白になってしまう。長慶は短刀を取り出して準備したが、芸初が駆けつけ止めた。しかし長慶は芸初を殴って気を失わせ、皇帝の元へ突進してしまう。その時、子供たちは怖がるふりをして皇帝に抱きつき、その中の1人が皇帝を刺そうとしていた。康熙帝は子供の手をつかんで阻止したが、そこへ琳琅が現れ、皇帝の背中に抱きつく。すると長慶は誤って琳琅を刺してしまい、慌てて煙の中へ姿を消した。康熙帝は琳琅を自分の寝殿に運び込んだ。「皇上、お願いです…あの子たちをお許しください」そこへ容若が侍医を連れて来た。子供たちはすでに捕らえたという。康熙帝は親を失ったのも自分が政治を誤ったせいだと話し、琳琅の希望通り子供たちを解放した。芸初は長慶が暗殺に失敗したと知って安堵した。そこで画珠の元へ急ぎ、皇帝が刺客に襲われ、かばった琳琅が刺されたと教える。一方、容若は琳琅に薬湯を届けていた。「分かっている、皇上を憎みきれないのだろう? 幼い頃から君は心根が優しかった、人を憎めず愛することしかできない「容若哥哥…買い被らないで」そんな2人の話を偶然、芸初と一緒に見舞いに駆けつけた画珠が聞いてしまう。「愛するとか憎むとか何の話かしら?」「画珠姐姐?何か聞こえたの?」琳琅の傷はかなり深かったものの、命に別状はなかった。康熙帝は命を投げ出して自分を守ってくれた琳琅に感激し、やはり自分への愛があると確信する。しかし見舞いに行っても琳琅は冷たかった。「お願いです、独りにしてください」城門が閉鎖され、呉子墨は逃げ出せなくなった。そこで府内に忍びこみ長慶を頼る。呉子墨は最も危険な場所こそ最も安全だと考えた。琳琅から追い返された康熙帝は中庭の涼亭で物思いにふけっていた。ちょうど通りかかった画珠は容若が琳琅の見舞いに来ていたと吹き込み、2人は幼なじみで兄妹のように仲がいいと教える。一方、芸初は長慶を待ち伏せしていた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ!芸初はいきなり長慶を引っ叩き、琳琅が死にかけたと激怒する。「琳琅姐姐に何の恨みがあるの?!」「あの女が勝手に皇帝をかばったんだ」すると芸初は過去の恨みを全て捨てて一緒に逃げようと説得したが、長慶は拒んだ。琳琅は両親の敵の命を救ってしまったと自責の念に駆られた。…でもどうしても見殺しにできなかった、私はどうしたらいいの?…そこへ康熙帝がやって来る。琳琅は自分の寝殿に帰ることにしたが、その時、康熙帝が容若と幼なじみなのかと聞いた。驚いた琳琅は確かに皇帝をあざむいたと認め、自ら死罪を請う。「できるはずがない」「…ふっ、明日になれば気が変わるのでは?あなたは皇帝、たった一言で人の命を奪える」「そんな風に思っているのか?朕は暗君ではない」「本当に?」すると琳琅はふつふつと怒りが込み上げて来た。「…私の阿瑪はあなたに殺された阿布鼐(アフダイ)親王です!」「なんだ…と…?」「私の10歳の誕生日… 私の愛する阿瑪と額娘、哥哥は皇上の一言で容赦なく殺されました、私の目の前で… 私は母に守られ生き延びたのよ」確かに父はオーバイの残党だったが母や兄は何の罪もないはず、琳琅は罪もない人間が大勢、殺されたと抗議した。「あなたが皆を冷たい死体に変えたのよ! あなたが憎い…私から大事な家族を奪ったあなたを恨むわ!」康熙帝はついに琳琅が心を閉ざした理由を知った。愕然となった康熙帝は琳琅の悲しみを受け止め、自分を殺して両親の敵を討てという。しかし琳琅は何度も殺そうと考えたができなかったと嘆いた。まさか自分の心にいるのが親の敵である皇帝だと死んでも認めることはできない。琳琅はこれ以上の苦しみに耐えられず、皇帝に殺して欲しいと懇願した。「真実を思い出してから苦しくてたまらなかった…家族の元へ行かせてください!」「過去を忘れることはできないのか?やり直そう」「できません、家族の恨みを捨てるなんてできない! …皇上と生涯を共にしたいと願った、でももう叶わぬ夢です 皇上、どうか私を殺して、でなければおそばにはいられません、解放してください」寝殿を飛び出した琳琅は庭園で容若を見つけた。そこで皇帝に全てを明かしたと伝える。「あなたに迷惑がかかるかも…」「いいんだ」すると小徳子が容若を呼びに来た。容若は皇帝に自分を罰して琳琅を許してほしいと嘆願した。自分たちの間に愛はなく、琳琅が愛しているのは皇帝だという。しかし康熙帝はもはや琳琅にあるのは自分への憎しみだと深く失望した。「連れて行け…どこか遠くへ、琳琅を頼む」容若は琳琅を訪ねた。そこで過去を忘れて皇帝とやり直すよう説得してみたが、琳琅は頑なに拒否する。「できないわ」芸初は琳琅の見舞いにやって来た。すると侍女・碧落(ヘキラク)がいつまでも答応に馴れ馴れしい芸初の態度に苦言を呈す。「先日も人前で太監と喧嘩していたんです、手を噛んだのですよ~噂になっていました」初耳だった琳琅は驚いて碧落を下げた。琳琅は芸初が長慶の腕に噛みついたのだとぴんと来た。「皇上を襲った刺客はあの人なのね?」「誤解よ!」「…芸初、このことは私の胸にしまっておく、安心して でも遅かれ早かれ露呈するわ、あの人と一緒に皇宮を出なさい、遠くへ行くの」芸初は琳琅の優しさに涙し、長慶の元へ向かった。芸初は長慶が疑われていると教え、一緒に逃げようと説得した。「今夜ここで待ってる」「断る」「逃げないと捕まるのよ?」しかし長慶は黙って行ってしまう。琳琅は涼亭で夕日を眺めていた。すると皇帝が現れ、隣に立つ。「幼いそなたはどれほど苦しんだろうか」「記憶など戻らなければ幸せだったのに…」「朕が憎いなら留まる必要はない、今日限り会うことはない あの歌ももう聞けぬな…最後に歌ってくれないか」琳琅は2人の思い出がつまった揺り籠の歌を聴かせた。(  ̄꒳ ̄).oO(イヤイヤ…この歌何番まであるの?いつの間にか真っ暗なんですけどwww琳琅の歌が終わった。しかし康熙帝はいざとなると琳琅をあきらめられない。「もし留まってくれるなら望みは何でも叶える…」「…皇上、お元気で」琳琅は別れを告げて拝礼したが、康熙帝は思わず琳琅を抱きしめてしまう。一方、芸初は荷物をまとめて井戸にいた。長慶はなかなか決心できず、寝所で悶々としていたが…。つづく( ̄▽ ̄;)中国古装ドラマの80%は盗み聞きで成り立っていますそして視聴者すべてが知っている…逃げてもまた失敗することをwww
2021.09.28
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第32話「画珠の僥倖(ギョウコウ)」ついに芸初(ウンショ)に素性を明かした長慶(チョウケイ)。皇帝もまさか自分が死体の山からはい出し、生き延びていたなど夢にも思うまい。真実を知った芸初は長慶の想像を絶する悲しみに胸が締め付けられた。「危険なんだ、私のせいで死んで欲しくない、君はこの世で最も心の優しい娘だから…生きろ」すると長慶は芸初の額にそっと口づけし、別れを決めてひとり去ってしまう。一方、康熙(コウキ)帝は衛琳琅(エイリンロウ)の心にいるのが結局、納蘭容若(ナランヨウジャク)ひとりだと誤解、なぜ自分を翻弄したのか憤った。すると琳琅はひざまずき、死を願う。「皇上のおそばにいると辛いのです、愛をお受けできません、私を解放してください」「…朕は大清の皇帝だぞ?自由に近づいたり離れたりできるとでも思っているのか!」康熙帝は激情に駆られ、琳琅の願いに反して側室にしてしまう。「小徳子!勅命だ、衛琳琅に位を与え、答応(トウオウ)とする」勤めに復帰した容若はちょうど回廊に出て来た琳琅を見かけた。「琳琅!」しかし小徳子が琳琅は答応になったと教え、気安く声をかけてはならないと注意する。その頃、芸初は偶然、刺客の捜査中だった衛兵を見かけた。すると衛兵が長慶が落とした暗器を拾う。焦った芸初は先回りして待ち伏せし、衛兵が証拠を届ける前に頭を石で殴りつけた。巡回していた容若は倒れている阿武(アブ)を発見した。阿武はすぐ意識を取り戻し、実は物証を届けるところだったと説明する。それは独特な鏢(ビョウ)だったが、いつの間にかなくなっていた。「後ろから殴られ気絶したのです」芸初は琳琅が側室になったと聞いて駆けつけた。そこで刺客の顔を見ていないか確認してみたが、そこに運悪く容若がやって来る。容若は昨日の襲撃で記憶に残ったことがないか聞いてみると、琳琅は刺客のひとりに噛みついたと教えた。芸初は急いで長慶を訪ねた。すると人目もはばからず長慶に捨てられたとわめき散らし、長慶の腕に思い切り噛みつく。訳がわからない長慶だったが、芸初はひとしきり暴言を吐いて帰って行った。皇帝の命で碧落(ヘキラク)が衛答応の侍女になった。琳琅は同じ女官だと菓子を勧めたが、碧落は遠慮する。すると小徳子が現れ、答応となっても御前勤めに出るようにと皇帝の命を伝えた。容若は腕に歯形がある男を探していた。すると長慶の腕に歯形があるのを見つける。長慶は口をつぐんだが、そこへ芸初が駆けつけた。「納蘭大人、私です」芸初は捨てられた腹いせに自分が噛んだと証言し、私通を犯した罰なら受けるという。しかし長慶は芸初の名節のため、私通など嘘だと否定した。逆上した芸初は長慶を叩き始めると、容若もそれ以上、追求できなくなってしまう。その夜、康熙帝は琳琅の寝殿を訪ねた。しかしけんもほろろに追い返され、仕方なく酒で憂さを晴らす。小徳子は前回の泥酔も琳琅が原因だったことを思い出し、琳琅への執着を捨てるべきだと諫言した。「いいから酒を持って来い!」やがて飲み過ぎた康熙帝はふらふらになって回廊に出た。そこへ偶然にも辛者庫の画珠(ガジュ)が通りかかる。画珠は酩酊状態の皇帝を寝所まで送ったが、康熙帝は画珠を琳琅と間違え、手を握りしめて離さない。皇帝に仕えるのが夢だった画珠は天にも昇る心地になり、そのまま朝まで残ることにした。翌朝、目を覚ました康熙帝は画珠の姿を見て困惑した。深酒したせいで良く覚えていないが、画珠の話では自分が仕えるよう命じたという。実はその時、運悪く琳琅がお茶を献上に来ていた。何も知らず奥殿から出て来た康熙帝は琳琅に画珠と一緒の所を見られてしまう。動揺した康熙帝だったが、咄嗟に昨晩は画珠が夜伽をしたと嘘をついた。しかし琳琅は嫉妬する様子もなく、康熙帝はムキになって画珠を琳琅より上の位である常在に封じてしまう。「おめでとうございます、皇上、おめでとうございます、寧(ネイ)常在」画珠は思わぬ幸運に恵まれたが、康熙帝は全く意に介さない琳琅に怒り心頭だった。寧常在となった画珠は芸初に自分の側仕えにならないかと誘った。芸初はそれより皇帝が画珠を好きになり、琳琅が捨てられてしまったのかと心配する。確かに画珠から見ても琳琅は寵愛を失ったようだった。画珠は責任を感じ、琳琅を訪ねることにする。一方、寝殿を出ようとした琳琅だったが、急に衛兵に止められた。実は皇帝が外出禁止を命じたという。しかしちょうど容若が現れ、衛兵を下げてくれた。「容若、ここから離れたいの」「少し待ってくれ、呉三桂(ゴサンケイ)の一味が皇上を狙っている、今は動いては危険だ」容若は敵を殲滅したら琳琅を安全な場所まで送ると約束した。仕方なく琳琅は容若を信じて待つと決め、寝殿に戻る。その時、ちょうど2人が別れる場面を康熙帝が目撃していた。康熙帝は戸を叩かず、そっと琳琅の寝殿に入った。すると琳琅が鏡台に腰掛け、自分が贈った首飾りを眺めながら物思いにふけっている。「まだ朕を想ってくれるのか?」驚いた琳琅はすぐ立ち上がった。「そなたが辛いと朕とて胸が痛む… 良児、戻ってくれ、前のように睦まじく暮らそう、いいだろう?」しかし琳琅はちょうど返そうと思っていたと話し、皇帝に首飾りを渡す。そこへ偶然、画珠が訪ねて来た。康熙帝は琳琅への当てつけに首飾りを画珠に下賜し、さらに貴人へ昇格させ帰ってしまう。画珠は琳琅の誤解を解きに来ただけだったが、また幸運に恵まれた。そこで実はあの夜、酔った皇帝を介抱しただけだと釈明する。「怒っていないわ、気にしないで」「良かった!皇上を奪い合うつもりはないの、後宮に妃嬪は多いし、1人増えてもいいよね? これからは一緒に皇上に仕えましょう!」画珠は2人で助け合えば後宮でもいじめられないと喜んだ。画珠は皇帝に菓子を献上した。すると康熙帝は画珠の胸元にある指輪飾りに気づき、似合わないので着けるなと命じる。画珠はようやく琳琅に嫉妬させるため自分を利用していると気づき、内心穏やかではなかった。一方、皇帝の書斎を片付けていた琳琅は偶然、自分の絵姿を見つけた。しかしそこへ皇帝が戻って来たため、慌てて絵姿を書物の間に挟んで下がってしまう。康熙帝は琳琅が何を見ていたのか気になって書物を確認したが、奇しくも容若が献上した書だった。小徳子は明日の訪問先が汝寧(ジョネイフ)府のため心配していた。実は被災民が難民と化しているため、皇帝自ら施しを行うのは危険だという。康熙帝はそれでも自分の民である以上、義務を果たさねばならないと話した。「容若を呼んでくれ、段取りが聞きたい」小徳子が出て行くと、入れ違いで画珠が薬湯を献上した。皇帝の歓心を買おうと必死になる画珠は、かつて揺り籠の歌を所望されたことを思い出し、密かに練習を重ねていたという。「お聞きください」「…その歌は許さぬ、聴きたくない」しかしそこへ琳琅が茶を運んできた。すると康熙帝は急に画珠に揺り籠の歌を聞かせるよう命じ、これから毎晩、歌いに来いという。琳琅は歌が終わると下がったが、ちょうど回廊に容若が立っていた。琳琅は大切な思い出を土足で踏みにじられたようで悲しかった。一方、康熙帝も琳琅を傷つけたことを悔やみ、我ながら馬鹿げた振る舞いに頭をかかえる。容若は大切な2人が苦しむ様子を見て胸が痛んだが、どうすることもできなかった。康熙帝一行は汝寧府に到着した。すると琳琅が皇帝に茶を運んでくる。康熙帝は琳琅の目が真っ赤だと気づき、泣き腫らしたのだと分かった。「すまない…朕が悪かった」しかし琳琅はただの寝不足だと否定し、茶碗を置こうと手を伸ばす。康熙帝は思わず琳琅の手を握りしめ、驚いた琳琅の手から茶碗が落ちた。( ゚ロ゚)!!➰🍵ガシャーン!同時にしゃがみ込み、割れた茶碗を挟んでしばし見つめ合う康熙帝と琳琅…。「触るな、私が…」康熙帝は割れた茶碗を拾うと、琳琅は黙って新しいお茶を入れに行ってしまう。その頃、容若は偶然、御前女官の噂話を耳にした。実は新しい女官が貴人になって衛応答が寵愛を失い、まだ御前勤めを続けているという。琳琅は御茶房へ行く途中、偶然、画珠と出くわした。すると画珠は手の平にある虎の絵を自慢し、皇帝が描いてくれたという。琳琅は大事な宝物を奪われたようで深く傷ついた。お湯を沸かしながらぼんやりする琳琅、はたと沸騰していることに気づいたが、慌てて土瓶を倒してしまう。アチィィィ~!!(゚ロ゚ノ)ノそこに容若が駆けつけた。容若は琳琅の代わりに皇帝に茶を献上した。「琳琅は?」「火傷しました…大切にできぬのなら解放しては?」「大切だとも…なぜ心を閉ざしたのか分からぬのだ…突然…なぜだ」しかし容若はこれ以上、琳琅を傷つけるなら死を覚悟で連れて逃げようと心に決めた。つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!まさかまた逃げる〜失敗のループ?!それにしても想像とは全く違う展開ですw果たして画珠はプラック化するのか?!
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第31話「悲しい葛藤」衛琳琅(エイリンロウ)は良児(リョウジ)としての記憶を全て取り戻した。その夜、密かに荷物をまとめる琳琅、そこへ康熙(コウキ)帝がやって来る。「帰ってください」「琳琅、話してくれ、力になる」「皇上でも解決できないことなのです、死者は蘇りません、過去を消せるとでも?!なぜ皇帝なの!」琳琅は自分の恨みや心の痛みを皇帝が分かるはずないと突き放した。驚いた康熙帝は事情を話してくれと訴えたが、琳琅は無理だと言い放つ。「何があったのだ?!」すると琳琅は裁縫道具のはさみをつかみ、自分の首に当てた。「近寄ったら死にます!」「待て…琳琅…」「あなたを一生、恨むわ…出て行って…出てってよ!」康熙帝は仕方なく帰って行った。すると夜も更けた頃、容若が琳琅の居所へやって来る。回廊で待っていた琳琅はここを出たいと決意を伝えたが、その話を長慶(チョウケイ)に聞かれていた。( ๑≧ꇴ≦)盛り上がってまいりました~!皇帝への恨みと愛情の板挟みになり心の整理がつかない琳琅。康熙帝はちょうどお茶を入れていた琳琅を見つけ、何があっても琳琅を待つと誓った。しかし琳琅は取り付く島もなく、出て行ってしまう。一方、長慶は呉子墨(ゴシボク)と接触し、早々に好機が到来したと伝えた。実は容若と琳琅が今夜、駆け落ちするという。腕が立つ容若を心配する呉子墨だったが、長慶は自分たちの手勢の方が多いと安心させた。その夜、容若と琳琅は廟で落ち合った。すると物陰に潜んでいた黒衣の刺客たちが現れ、襲われてしまう。しかし偶然にも巡回中に琳琅を見かけ、後をついて来た阿林(アリン)が助太刀に現れた。劣勢を強いられる刺客たち、そこで様子をうかがっていた長慶が隙を見て飛び出し、まず阿林を斬り捨てると、琳琅を人質に取ってしまう。仕方なく容若は降参、いきなり刺客に蹴り飛ばされた。「ろんるぉ!」琳琅は思わず刺客の手に噛みついて容若の元へ駆け寄ったが、そこで刺客から思わぬ取引を持ちかけられる。「皇帝の首と引き換えにこいつを助けるか?」「…容若を助けて」「では殺さずにおこう」覆面の刺客は琳琅に薬を渡し、もし秘密を漏らせば納蘭容若の命はないと言った。すると気を失った容若は刺客たちに連れ去られてしまう。琳琅は仕方なく御前勤めに戻った。何も知らず琳琅を暖かく迎える康熙帝、実はその頃、深手を追いながらも生き延びていた阿林が廟からはい出していた。翌朝、琳琅は皇帝の好物である杏仁酪を作っていた。そこで隠し持っていた薬をそっと出したが、急に小徳子が現れる。「反省したのか?昨夜、皇上は呆然としておられた お前は誰よりも愛されているのだ、つらく当たるな 皇上はお優しく、お前も善人だ、なぜ睦まじくできないんだ?幸せを大切にな…」小徳子が出ていくと、琳琅はついに薬の入った紙を広げた。腹を刺された阿林が駅舎へ戻り、皇帝の元へ運ばれて来た。まさか琳琅が戻っているとは知らず、納蘭大人と琳琅が賊に捕らわれたと報告、そこで倒れてしまう。琳琅は手作りの杏仁酪を献上した。そこで小徳子は自分が毒味をすると申し出たが、康熙帝は琳琅の手作りなら心配ないと口に運んでしまう。実は小徳子は琳琅が薬を持っているのを見ていた。「皇上!」小徳子はどうしても琳琅への疑いを拭えず、咄嗟に器を払い落としてしまう。ガシャーン!「何をする!」「皇上、先ほどのアワ粥との同食は禁忌です!琳琅に言い忘れました!」「私の手落ちです、うっかりしていました」「…残念だ、そなたの心遣いが無駄になった」康熙帝は悲しそうにそう言った。琳琅は結局、皇帝の杏仁酪に薬を混ぜることができなかった。一方、阿林から事情を聞いた康煕帝は容若を救うため、密かに手はずを整える。しかしやはり琳琅の容若への想いに勝てなかったのだと誤解し、落胆していた。その夜、芸初は長慶を待ち伏せした。「待って、行かないで、私のことを想うなら危険なことはやめて」「私に指図する資格があると?」「だって私が作った靴を履いている、私が好きでしょう?だから行かないで こんなことを続けていたら大勢の人が死んでしまう、行かせない、優しい本当の長慶哥哥に戻って」「何も知らぬくせに」すると長慶は芸初を無視して出かけてしまう。居所に戻った琳琅は久しぶりに鴛鴦の刺繍に針を刺した。愛しい皇帝をどうしても殺せなかった琳琅、しかし自分を守り続けてくれた容若をこのまま見捨てることなどできない。その頃、監禁された容若はかつて納蘭府で罰を受けた時のことを思い出していた。『私が受けたおしおきなのに、なぜ君までここに?』『暗くて寒い所におひとりでは気の毒で…でもお腹が空いて来た…』すると窓から梨の木が見えた。容若は急に梨の花餅を作ると言い出し、架空の花餅を完成させて琳琅に振る舞う。『味はどうだ?』『うん、美味しい!…容若哥哥、ありがとう』別れを決意した琳琅は巾着を完成させ、皇帝に贈った。しかし琳琅の心にいるのが容若だと知った以上、康熙帝も喜びようがない。「今になって仕上がるとは皮肉だな…もう休む、下がりなさい」康熙帝は怒りと悲しみをこらえていたが、拒絶された琳琅は思わず背中に抱きついてしまう。「朕の真心を踏みにじり、翻弄するつもりか?…朕の思いは報われなかった」「お会いした時からずっと感じていました、私は大切にされ、守られていた、まるで家族のように… 感謝しています」「ふっ、感謝など欲しくはない…出ていけ」「皇上…」すると琳琅は皇帝に口づけした。≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ずこーっ!何この展開?w琳琅は愛する皇帝と最後に共寝し、夜が明けるとそっと出て行った。まさか康熙帝が起きていたとも知らず、刺客との約束の場所へ向かう。すると容若が木に縛り付けられていた。「琳琅、私になど構うな、愛する皇上のもとへ戻れ」「容若哥哥、私には大きな借りがあるけど今生では返し切れない 皇上を殺せなかったの、私にできるのはあなたと死ぬことだけ…」「琳琅…梨の花餅が食べたい」「いいわ、来世で必ず作ってあげる…」琳琅は容若に抱きつき、共に死ぬ道を選んだ。しかしその時、衛兵を連れた皇帝が駆けつけ、刺客に襲いかかる。琳琅は急いで容若を解放したが、衛兵と刺客の激しい殺し合いを見ているうち、再びあの時の記憶が蘇った。「やめて…やめて!殺さないで!」急に取り乱した琳琅は戦いの渦中に飛び込んでしまう。驚いた康熙帝は慌てて琳琅の元へ駆けつけたが、琳琅はそのまま卒倒した。‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/›› 何これ~!一方、長慶は衛兵に追われていた。すると急に芸初が現れ、長慶を連れて逃げることに成功する。実は芸初は長慶が心配でずっと後をつけていた。長慶は芸初まで死ぬところだったと叱ったが、芸初は長慶のためなら死んでもいいという。「私の家族は皆、殺されたのだ、君まで…君まで死ぬ姿を見たくない」長慶は思わず芸初を抱きしめ、涙した。「一緒に遠くへ逃げましょう」しかし長慶は行けないと断った。その頃、皇帝は琳琅を連れ帰り休ませていた。小徳子は今回も呉三桂(ゴサンケイ)の一味で呉子墨が首領だと報告する。ともかく容若が無事だと聞いて安心し、康熙帝は小徳子を下げた。その時、急にうなされていた琳琅が飛び起きる。「容若哥哥!」「そなたが選んだのは容若か…」長慶はもはや嘘をつき通すことができなくなった。そこでついに自分の素性を明かす。「私の阿瑪、額娘、哥哥も妹妹も、一族127名の命があの皇帝によって奪われたんだ 敵を討たねばならない…長慶は仮の名、私はチャハル親王・阿布鼐(アフダイ)の子・阿思海(アシカイ)だ …あの日は妹妹の誕生日だった」↓黒ハットリくん!( ;∀;)康熙帝は琳琅に容若の無事を伝えた。それにしてもこれほど容若を愛していながら、なぜあの時、嫁がなかったのか。「朕を翻弄したのはなぜだ?死をも恐れぬと?」つづく( ๑≧ꇴ≦)えー!ここでまさかの逃げよう~失敗した再び?!さすがに芸初の泣き芸もお腹いっぱいw長慶も突き放す~やっぱり大切~でも突き放す~のループショッカーの皆さんもやっちまいな~からの撤収!のループw
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第30話「憎き仇の名」崖から転落した康熙(コウキ)帝と衛琳琅(エイリンロウ)、しかし運良く川に落ちて助かっていた。2人は奇しくも8年前と同じように洞窟に避難し、幸せな時間を過ごす。一方、納蘭容若(ナランヨウジャク)たちは一晩中、必死で皇帝と琳琅を捜索していた。( ;∀;)ろんるぉ~可哀そ過ぎるw康熙帝と琳琅は洞窟で一夜を過ごした。|ω・`).oO(まさか!…あ~良かった、服着てるw皇帝の乱れた辮髪を整える琳琅、すると康熙帝がふと振り返る。「ずっとこんな日を夢見ていた…」「(〃ω〃)…前を向いてください」( ๑≧ꇴ≦)えーっ?!そういうこと?って、いやどういうこと?w康熙帝は琳琅を連れて洞窟を出た。しばらく歩いていくと2人を捜索していた容若たちが現れ、無事に駅舎へ到着する。長慶(チョウケイ)は皇帝の無事な姿を見て呆然となり、悔しさを滲ませた。容若は刺客が呉三桂(ゴサンケイ)の配下で、主導したのは養子の呉子墨(ゴシボク)だと突き止めた。報告を聞いた康熙帝は内通者がいると確信し、秘密裏に調査するよう命じる。一方、琳琅は薬湯を作って芸初(ウンショ)に飲ませていた。←薬草どうした?w芸初は自分のせいで皇帝と琳琅を危険な目に遭わせてしまったと責任を感じたが、一方で長慶が関係していると気づいている。「琳琅姐姐、首謀者は捕まったの?」「まだよ、きっとすぐ捕まるわ」ヒィ!(((ʘ ʘ;)))➰🥣 カンカラカン♪驚いた芸初は思わず薬湯を落としてこぼしてしまう。画珠も琳琅も最近、芸初の様子がおかしいと気づいていたが、理由は分からなかった。その頃、長慶は林の中で呉子墨と接触していた。呉子墨は長慶をかいかぶっていたと失敗を咎めたが、長慶は運が悪かっただけで収穫もあったという。「皇帝の弱点は女官の衛琳琅だ、あの女を人質にすればどうにでもなる」すると付近を警戒していた容若たちが林の中にいる2人の姿を捉えた。「何者だ!」驚いた長慶と呉子墨はそれぞれ別の方向へ逃げ出した。容若に追われた長慶は咄嗟に木に登り、やり過ごした。その後、宦官の服に着替えて厨房へ戻った長慶、すると芸初が直した靴を持ってやって来る。長慶は黙って靴を水おけに投げ捨てると、芸初は悪事から手を引くよう説得した。「余計なお世話だ、もう付きまとうな!」「…長慶哥哥、どうして冷たくするの?」深く傷ついた芸初は泣きながら帰って行った。長慶は水に浸かった靴を拾うと、そのまま力なく石段に腰をかける。かつて芸初が自分のために作ってくれた靴、あの時のことを思い出した長慶は何とも虚しくなって涙した。康熙帝は琳琅に詩を贈った。…我が心 永遠不変なり…そこで琳琅はその詩の隣に筆を走らせる。…我が想い 万古長青なり…喜んだ康熙帝は琳琅が握りしめている手巾に気づき、ふいに取り上げた。すると鴛鴦の刺繍が入っている。「まだ途中です…世間では結婚したての新妻が刺繍した巾着を夫に送るのです」「愛しい良児(リョウジ)と白髪になるまで添い遂げたい」その夜、皇帝は寝所に琳琅を召した。「皇祖母にたしなめられた、女に血迷う暗君にはなるなと…朕も心得ている しかしそなたと出会い、女に溺れる帝王たちの気持ちが分かった 琳琅、そなたの望みは何でも叶える、望みは何だ?」「皇上と夫婦の契りを結び、永遠に愛し合うことです…」こうして康熙帝の初恋は実り、2人の夢のような時間が過ぎて行った。( ๑≧ꇴ≦)やだ一緒に寝てるwやっぱり洞窟で?ってか外で?!←そこ?w芸初は長慶の機嫌を直そうと手作りの菓子を差し入れた。しかし長慶は芸初が差し出した器を床に叩き落としてしまう。「どうしてこんなことするの…」芸初は散らばった菓子を見て号泣、すると長慶はやり過ぎたと反省し、菓子を食べるので泣き止んでくれと頼んだ。「(これは!)母の味に似ている…」長慶は思わず良児と食べた母の菓子を思い出し、涙ぐんでしまう。実はその菓子の作り方を芸初に教えたのは琳琅だった。キタ━━ヽ(゚ω゚)ノ━━!!芸初は長慶が菓子を気に入ったことから、これで自分たちの関係も改善すると期待した。しかし長慶は気が済んだなら2度と訪ねて来るなと突き放し、飛び出して行ってしまう。芸初の愛情に応えてやれないもどかしさ、長慶は力の限り林の中を駆けた。そして鬱憤を晴らすように手から血が流れるほど大木を殴り続けてしまう。その様子を長慶を追いかけて来た芸初が見ていた。芸初はどうしても長慶が自分を嫌っているとは信じられなかった。すると琳琅が訪ねて来る。「そのかんざし…」「長慶哥哥が直してくれたの、長慶哥哥は決して悪い人じゃない 亡くなった妹さんのために作った大事なかんざしなの それを私にくれたということは私を想ってくれている証拠だわ あのお菓子を食べて、お母様の味に似ていると言ってた、家族思いの優しい人なのよ」コネ━━━━(。A。)━━━━iiその頃、康熙帝一行が滞在する駅舎に少年が紛れ込んだ。少年は饅頭(マントウ)を盗んで逃げようとしたが、衛兵に囲まれてしまう。ちょうど裏庭を通りかかった琳琅は逃げ惑う少年が衛兵に捕まって投げ飛ばされ、棚にぶつかって倒れるのを目撃した。「危ない!」琳琅は咄嗟に少年に覆い被さり、倒れて来た棚で頭を強打してしまう。康熙帝は小徳子から琳琅が事故にあったと聞いた。慌てて駆けつけた康熙帝は侍医に何としてでも助けるよう命じ、捕まった少年のもとへ行く。「今度からは堂々ともらいにおいで」康熙帝は袋に詰めた饅頭を持たせて帰した。その頃、琳琅は一族が粛清される夢を見ていた。これまでぼんやりとしか見えなかった悪夢、実はそれが幼い頃に経験した一族皆殺しの凄惨な現場だと分かる。「ぎゃああぁぁぁーっ!」中庭にいた康熙帝たちは琳琅の悲鳴を聞いて急いで駆けつけた。「琳琅?!目が覚めたのか?」「触らないで!…あなた誰?」「う…我…葉三(ヨウサン)だ」「うそ、おじさんでしょう?!」「良児?」「やめて!呼ばないで!」琳琅はまるで別人のようになり皇帝を睨みつけ、逃げるように出て行ってしまう。キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!容若は中庭で独りたたずむ琳琅を見つけた。(´゚艸゚)あ!その階段は若曦が転がり落ちたところだ~(←関係ないけどw「目が覚めたのか」「…あなたはバカよ、嘘をつくなんて、なぜ本当のことを言ってくれなかったの?!容若哥哥」「(はっ)全てを思い出したのか?!」そこへ琳琅を探していた康熙帝がやって来た。「琳琅?」「来ないで!」琳琅はなぜかまた逃げて行ってしまう。康熙帝は訳が分からず困惑した。容若は気が動転しているようだとごまかし、琳琅の様子を見に行く。「琳琅…今は2人きりだ、本当のことを話してくれ」「全部、思い出したの」「この日が来ないよう毎日、祈っていた…とうとう思い出してしまったんだね」「私が思い出さなければ一生、隠していたの?」「そうだ、君には平穏な人生を送って欲しかった」「私のためを思ってくれたのね…」「皇上のことはどうするつもりだ?」「殺すっ(๑•̀ㅂ•́)و✧」←ちょwww琳琅www「バカなことを、愛する人を殺せるはずないだろう?」「愛してなどいない!憎んでる!…顔も見たくない!あの人から遠く離れたい」すると容若はやはり琳琅を連れて一緒に逃げるしかないと決断した。康熙帝は琳琅が心配でたまらなかった。すると琳琅がやって来る。←なぜ戻った?意味が分からんw康熙帝は琳琅の手を取ったが、琳琅は反射的に手を離してしまう。「無礼を罰してください」「琳琅?なぜ急によそよそしい態度を?」「私は身分の卑しい下女、皇上とは釣り合いません」「何だと?」すると琳琅は下がってしまう。康熙帝は容若を呼び出し、琳琅に何があったのか聞いた。しかし容若は何も知らないと嘘をついてしまう。つづく(」゚ロ゚)」<記憶戻ったぞー!でも絶対、お兄ちゃんが先だと思ったのに違った~w
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第29話「刺客襲撃」長慶(チョウケイ)は皇帝暗殺を目論みながら、芸初(ウンショ)の深い愛情にひと時の幸せを感じていた。しかし旅先で思いがけず逆賊たちが葬られた無縁墓があると知る。長慶はついに家族が眠る場所を発見し、改めて復讐を誓った。「私はある娘を愛してしまった…芸初と言う 地獄の日々の中で彼女は唯一の光でした、私にとって家族も同然の存在です ですが私には人を愛する資格がない、彼女のために何もしてあげられません 私はもうすぐ死ぬ…素性が分かれば彼女に迷惑がかかる… だから心を鬼にして彼女から離れることにしました」それ以来、長慶は芸初に辛く当たるようになった。「もう飽きた、うっとおしいんだ、付きまとわないでくれ」芸初は長慶の心変わりに深く傷ついた。しかし長慶には何か自分に言えない秘密があると考え、長慶の身辺を探ることにする。一方、画珠(ガジュ)は琳琅(リンロウ)の一件以来、長慶と会っても無視していた。容若は行く先々で仲睦まじい康熙(コウキ)帝と琳琅の様子を見かけた。そんなある日、容若は偶然、皇帝が琳琅に首飾りを贈っているところを目撃してしまう。「琳琅、そなたは朕の最愛の人だ…」かつて琳琅の胸元には容若が贈った玉の梨の花があったが、今や皇帝の生母の形見である玉扳指が取って代わる。容若は黙って引き返し、もはや琳琅を守ってくれるのは皇帝なのだと思い知った。長慶は人目を避けて林の中へやって来た。そこで鳥の鳴き真似で合図を送り、呉子墨(ゴシボク)を呼び出す。「猫八かっ!近づき過ぎると気づかれて警戒される」「だが待っていても殺しの機会はない」その時、物音が聞こえ、人の気配を感じた呉子墨が様子を見に行った。すると長慶は木陰に隠れていた芸初に気づき、慌てて呉子墨の手から助ける。「お前の女か?」「関係ない人間だ、殺すな!…口は硬い、心配いらん」長慶は芸初に早く逃げろと言った。長慶が駅舎に帰ると芸初が待っていた。「何を隠しているの?教えて?秘密があるのなら話して、誰にも喋らないから…」「…もう聞くな!」長慶は芸初の手を振り払って行ってしまう。芸初は夜になると咳がひどくなった。薬湯を煎じていた琳琅だったが、そろそろ雪見草が足りないと気づく。ともかく画珠と2人で芸初に薬湯を飲ませて寝かせた。すると画珠は恐る恐る自分が琳琅を傷つけることをしたら憎むか聞いてみる。「…もしかしてもうしてしまったの?」「違うわ!」琳琅は失笑し、失敗しても責めたりしないと答えたが、どうせ些細なことだろうと思っていた。芸初は昼間も咳き込むようになった。そこで琳琅はちょうど山中で休憩になった機会に薬草を採りに行くことにする。一方、芸初は一行を離れようとする長慶を引き止めていた。「私、病気なの、もう私のことはどうでもいいの?」しかし長慶は芸初を置いて行ってしまう。康熙帝は容若と行路を確認、出発することにした。すると小徳子(ショウトクシ)が駆けつけ、琳琅が薬草を採りに行くと出かけたきり戻ってこないと報告する。康熙帝はすぐ捜索を命じ、一行総出で琳琅を探し始めた。しかし手分けして探していた小徳子たちが皇帝を見失ってしまう。そんな皇帝のあとを長慶がつけていた。その頃、琳琅は獣用の落とし穴の中にいた。すると皇帝が自分の名を呼ぶ声が聞こえて来る。「皇上!ここです!皇上!穴に落ちたんです!」康熙帝は琳琅の声を頼りについに落とし穴を発見、足を怪我した琳琅を引っ張り上げた。康熙帝はどうしても薬草を持ち帰ると言い張る琳琅をおぶってやった。まさに千載一遇の好機、長慶は照明弾をあげて呉子墨に合図を送る。康熙帝はその音で刺客が来ると察し、何も言わずに琳琅を座らせて少し休むよう告げた。「朕は行かねばならぬ、機会を見計らって逃げよ」すると康熙帝は琳琅からなるべく離れるため走り出した。「皇上?!」呉子墨と長慶率いる黒衣の刺客が皇帝に襲いかかった。ひとり応戦する康熙帝だったが、その時、剣戟の音に気づいた容若が衛兵を引き連れ駆けつける。一方、琳琅も怪我を押して皇帝の元へ歩き始めた。刺客たちは容若たちに気づいて一斉に向かって行った。残った長慶たちは皇帝を取り囲んだが、あと一歩というところで琳琅が現れ、皇帝をかばって腕を斬られてしまう。その頃、容若は呉子墨たちと必死に戦っていた。長慶は容若たちが駆けつけるのも時間の問題だと気づき、琳琅を人質にして逃げ出してしまう。長慶は琳琅を連れて逃げたが、山道の先は崖だった。すると康熙帝が追いつき、腕に自信がないので人質を取ったのかと蔑む。「朕を殺したければかかってこいや!」長慶は一族の敵を前に奮起、戦いを挑んだが劣勢を強いられた。そこで皇帝を見守っていた琳琅を捕まえ、崖から突き落としてしまう。驚いた康熙帝は思わず琳琅を追いかけ腕をつかんだ。何とか片手だけで崖からぶらさがった康熙帝、しかし長慶が手を踏みつけ、ついに2人は真っ逆さまに落ちてしまう。康熙帝と琳琅は運良く川に落下した。康熙帝は気を失って沈んで行く琳琅を捕まえ、口から息を吹き込んで助ける。そして何とか川岸へ上がると、ちょうど近くで見つけた洞窟で休むことにした。すると琳琅が朦朧としながら水が飲みたいと訴える。康熙帝は川に戻ったが水を運ぶ方法がなく、そこで口に含んで琳琅に口移しで飲ませた。(O_O)ェェェェェ…川から水を含んで時間が経ってるのに~ないわ__絶対に嫌(笑康熙帝と琳琅が行方不明になった。捜索していた一行は疲れ果てて休憩していたが、芸初はふと戻って来た長慶に気づく。「長慶哥哥、靴が破れてる、怪しまれるわ」長慶は仕方なく靴を脱いで芸初に渡した。「2人の居所を知っているの?」「知らない…本当だ」←確かに本当だわw(O_O)って、えーっ!破れてるより血でしょ?血?!康熙帝は身分も忘れて献身的に琳琅に尽くした。山菜や果実を集めて琳琅に食べさせ、今度は川で魚を獲るという。しかし結局、魚は1匹も捕まえられず、日が暮れた。「…朕は皇帝だが魚は命令をきかぬな」「ふふ、野菜があれば十分です、お気にさらずに」すると康熙帝は琳琅のため、寝床を整えることにした。琳琅は自分のために藁を敷いている皇帝の姿を眺めながら、その優しさに心が温まる。つづく( ๑≧ꇴ≦)いやどうみても琳琅、背中を斬られたのにwしかも左から斬りかかってたのに右腕から血が出てるwww
2021.09.27
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第28話「太皇太后の教え」太皇太后は皇帝に衛琳琅(エイリンロウ)を貸して欲しいと頼んだ。毎年、春が近くなるとぜんそくがぶり返し、気が利く女官が必要だという。「琳琅、ここで何日か私に仕えてくれぬか?」「太皇太后にお仕えできるなら光栄です」琳琅を手放したくない康熙(コウキ)帝だったが、仕方なく皇祖母が良くなるまで預けることにした。太皇太后は噂に違わず琳琅が亡き端敬(タンケイ)皇后にそっくりだと驚いた。これでは皇太后が忌み嫌うのも分かる。すると太皇太后はちょうど女官がカビてしまったと報告した書物の写生を琳琅に任せることにした。琳琅は太皇太后のぜんそくに障りがないよう拭き掃除をしていた。偶然、通りかかった太皇太后は気遣いに感心したが、自分が早く良くなれば皇帝の元に帰れるからかと揶揄する。「太皇太后がお健やかなら、国も皇上も幸いです」「うむ、賢い答えだ…正直に申せ、皇上が恋しいか?」琳琅は返答に窮したが、太皇太后にはそれが答えだと分かった。「恋しくても想いは忍ばねばならぬ、それが皇帝の女人の本分だ」「…私は忍びたくありません、想いまで忍んだら皇上に何もして差し上げられないからです」「忍ばぬとして…たかが女官の身で何ができると?」「安らぎを感じていただけます」すると太皇太后が思わず咳き込み、琳琅はひざまずいて無礼を謝罪する。そこへ偶然、康熙帝が現れた。康熙帝は琳琅が粗相をしたと誤解し、自分が連れて帰って叱ると申し出た。しかし太皇太后は大したことではないと安心させ、今朝はやけに早い挨拶だと呆れる。「いえ、お身体が心配でしたので…」康熙帝は生薬を献上し、1日も早い快癒を祈った。「はいはい、2人そろって哀家(アイジャー)の回復を願うとは、ずいぶんと気が合うこと…」すると太皇太后は政務に戻れと追い返し、思わず失笑した。太皇太后が就寝すると琳琅は香炉を消した。しかし太皇太后は安眠香を消されると眠れなくなるという。琳琅は煙がかえって咳に良くないと説明し、心安らかに眠れるよう腕をあんました。琳琅は今日も写生を続けていた。すると太皇太后が現れ、実は琳琅に写させた″女戒(ジョカイ)″は端敬皇后の書いたものだったと教える。「端敬皇后の筆跡はとても美しいですね」「うむ、筆跡だけでなく本人もとても美しかった、先帝に誰よりも愛された妃だ あの者だったからこそ先帝は諸大臣の反対を退け、兄弟の妻でありながら妃としたのだ」順治(ジュンチ)帝の愛は端敬皇后だけに向かい、後宮のあらゆる妃たちが捨て置かれた。そればかりか実の息子である康熙帝まで顧みなかったという。確かに皇帝の寵愛を一心に受けるのは女として幸せなことだが、その幸せは他人の不幸と引き換えに得たものに他ならない。「分かるか?」「分かります、太皇太后の教えに感謝いたします」そこへ侍女のスマラが駆けつけた。皇帝が倒れ、侍医が手当てをしているという。太皇太后と琳琅は急いで乾清宮に駆けつけた。しかし皇帝には安静が必要なため、寝所の帳(トバリ)が閉まっている。侍医は珍しい病状のため原因を特定できず、劇薬を準備したと報告した。処方を見た太皇太后は薬効が強すぎると驚き、皇帝が飲んでも耐えられる確証がないという。侍医は病でない者が飲めば命に関わると訴えたが、その時、琳琅が迷わず毒味を申し出た。琳琅は薬湯を飲み干した。するとそこへ何も知らずに元気な皇帝が戻って来る。「皇祖母?どうしてこちらへ?」「琳琅を送り届けに来たのです…琳琅?私の教えを忘れるでないぞ?」太皇太后は琳琅の皇帝への想いが本物だと確信し、琳琅を皇帝に返して帰った。あとは皇帝が先帝と同じ道を歩まないことを祈るばかりだ。一方、琳琅はようやく太皇太后が自分を試したのだと気づいた。小徳子から経緯を聞いた康熙帝は、自分の身に何か起きても絶対に危険は冒すなと釘を刺す。「朕のために死ぬことは許さぬ、いいな?」2人は改めて互いの想いを確認し、固く抱き合った。朝議で皇帝の雨乞いが功を奏し、ほどなくして恵みの雨が降ったと上奏があった。そこで康熙帝はこれを機に干ばつ被害地の視察に行くと決める。すると皇太后が視察のお供に連れて行くよう長慶を寄越した。警戒する小徳子だったが、何も知らない康熙帝は母の心遣いに感謝して帯同を認めてしまう。皇帝一行は行宮で一夜を過ごすことになった。納蘭容若(ナランヨウジャク)は部下たちに警固を指示、そんな中、長慶は買い物を口実に町に出て呉子墨(ゴシボク)と接触する。「そなたか、玉箸(ギョクチョ)の配下にしたあの子供は」「阿布鼐(アフダイ)の子・阿思海(アシカイ)だ」呉子墨は玉箸の死後なぜ接触も試みず鳴りを潜めていたのか怪しみ、義父・呉三桂(ゴサンケイ)と自分が信じられる証しを出せと迫る。そこで長慶は一族皆殺しの時に斬られた背中の大きな傷跡を見せた。すると呉子墨は長慶の皇帝への深い恨みを知り、安心する。「数日で身辺の整理をつけるのだな、動き出したら後ろ髪を引かれてはならんぞ」「分かっているさ」その頃、康熙帝は琳琅と扮装し、お忍びで町に出かけた。中秋の祭りで賑わう町並み、2人は民たちに紛れ、露店で菓子を買って互いに食べさせ合う。そんな2人の様子を密かに容若と阿林(アリン)が警護していた。長慶は約束通り芸初(ウンショ)にサンザシ飴を買ってきた。喜んだ芸初は急に自分の全財産を差し出す。「長慶哥哥、嫁入り道具の代わりよ…お嫁さんになりたいの、ふふ」しかし長慶は黙って銭袋を返した。「バカだな…」容若は仲睦まじい康熙帝と琳琅の様子を目の当たりにし、居たたまれなくなって帰って行った。やがて夜空を美しい花火が彩り、康熙帝と琳琅は唇を重ねる。幸せに包まれる康熙帝と琳琅、一方、行宮でも長慶と芸初が中秋節の花火を眺めていた。「これから毎年一緒に見ましょう、いいでしょう?」「…はお」長慶は芸初へのあふれる想いを抑えきれず、思わず口づけしてしまう。しかし次の旅先で長慶は思いがけず近くに逆賊たちが葬られた無縁墓があると知った。つづく( ̄▽ ̄;)おじさんの小鳥のようなキスと吸い付くような長慶のブチューどちらも微妙に引くわ___w
2021.09.25
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Chronicle Of Love第27話「晴れた濡れ衣」衛琳琅(エイリンロウ)の潔白を証明しようと奔走する康熙(コウキ)帝と納蘭容若(ナランヨウジャク)。容若は皇帝からある手がかりをもらい、洗濯係の芸初(ウンショ)に協力を頼んだ。芸初は琳琅のためならと快諾、衣服を取りに来た侍女・暁児(ギョウジ)に実は衣服が差し押さえられてしまったと教える。「琳琅姐姐の部屋に服の留め具が落ちていたとか…それで女官全員の服を調べるそうです」しかし芸初はうっかり長慶(チョウケイ)にだけ納蘭大人が罠を仕掛けたと教えた。「どんな罠かはまだ内緒よ、今に分かるわ」驚いた長慶は端(タン)嬪の侍女を探したが、手遅れだった。暁児は自分の衣服を回収したところで容若たちに捕まり、連行されてしまう。暁児は端妃の命令で琳琅を陥れたと認めた。もはや言い逃れできなくなった端嬪は罪を認めたが、あくまで指輪の件だけで呪いの人形は知らないという。すると皇太后は姪である端嬪に寛大な処置を頼んだ。康熙帝は仕方なく端嬪の称号を剥奪、罰として瓊芳(ケイホウ)閣での蟄居(チッキョ)を命じるに留め、暁児には杖責(ジョウセキ)50回のあと追放とする。こうして疑惑を晴らした康熙帝は琳琅を連れて帰ることにした。しかし太皇太后が皇帝を制止する。「指輪はその女官に与えたと申したはず、あれは嘘か?今になって端嬪が盗んだと? まあよかろう、指輪は端嬪が盗んだとして、呪いの人形まで端嬪の仕業なのか?」確かに姪の端嬪に皇太后への恨みなどあるはずもなく、仮に指輪の件で琳琅が無実だとしても皇太后を呪った罪からは逃れらない。「誰か、この娘を投獄せよ」驚いた康熙帝はひざまずいて許しを請うたが、それがかえって太皇太后の心象を悪くした。「一国の君主がたかが女のために己を見失うとは…女に血迷った暗君として非難されたいと?!」その時、琳琅は腹を括った。自分のせいで皇帝の名声を汚してはならない。琳琅は逃げも隠れもしないと訴え、自ら極刑を受け入れた。翌朝、康熙帝は収監された琳琅と面会した。琳琅は虎の人形を皇帝に返し、自分が死んでも悲しまないよう告げる。「そなたと共に過ごせると思っていた…だが皇宮にその場所はない」康熙帝は琳琅をあきらめ、皇宮から逃すと決めた。しかし琳琅が自分を逃せば皇帝の名声が傷つくと拒み、やむなく首を打って気を失わせてしまう。康熙帝は琳琅を容若に託し、金牌を渡して逃した。愛し合いながらも引き裂かれてしまった康熙帝と琳琅、2人を思うと小徳子は涙が止まらない。しかし呆然としていた康熙帝がふと何かを思いつき、急に呪いの人形と献上品の目録を持って来いと命じた。一方、慈寧宮には慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監が駆けつけた。実は皇帝が牢獄から琳琅を連れ去ったという。琳琅は容若の背中で目を覚ました。宮道を必死に走っていた容若だったが、その時、衛兵を従えた太皇太后の侍女・スマラが道をふさぐ。「太皇太后の命です、衛琳琅は罪人、逃亡を助けるなら納蘭容若も同罪とみなし共に斬り捨てる!」すると容若は黙って剣を抜き、琳琅の手を握りしめた。容若は琳琅をかばいながら必死に応戦した。すると射撃隊まで駆けつけ、容若の肩に矢が命中してしまう。容若は琳琅を託した皇帝の想いを噛みしめ、自分を奮い立たせて衛兵に襲いかかった。しかし多勢に無勢、やがて容若と琳琅は衛兵に拘束されてしまう。「納蘭を取り押さえよ、衛琳琅は処刑!」スマラの号令で衛兵が剣を振り上げた。琳琅は目を閉じたが、その時、康熙帝が駆けつける。「やめよ!」康熙帝は太皇太后と皇太后の前で琳琅の濡れ衣を証明した。実は呪いの人形が着ている服は特別な名品として献上された江南(コウナン)の″妝花綢(ショウカチュウ)″で作られており、太皇太后の慈寧宮と皇太后の慈仁宮に一反ずつ贈った品だという。「乾清宮にはありません、琳琅がこの布で人形を作るのは不可能です」そこで小徳子は太皇太后に証拠となる目録を提出した。太皇太后は確かに献上された綢が2反だと確認、琳琅の冤罪を認めて釈放を命じた。安堵した康熙帝はこれ以上の追及は望まないと言ったが、面目を潰された皇太后は自分が真相を明らかにすると約束する。すると太皇太后は康熙帝だけを引き止め、苦言を呈した。「…玄燁、先帝と同じ轍を踏むでないぞ」しかし慈仁宮で一大事が起こる。皇太后の腹心だった英(エイ)嬷嬷(モーモー)が自害し、そばに妝花綢の切れ端と遺書が見つかった。遺書には皇太后の憂いを取り除くため呪いの人形を思いついたが、琳琅を陥れるどころか皇帝との絆を傷つけるに至り、甚だ申し訳なく命をもって償うとある。「まさか…幼い頃からそばにいてくれたのに…なぜこんなことを…何かの間違いよ」琳琅を陥れた犯人は皇太后の側仕えだった。小徳子から報告を聞いた康熙帝は母の心中いかばかりかと胸を痛め、2度とこの件に触れないようかんこう令を敷く。こうして琳琅は御前勤めに戻った。そこで恩人である容若に感謝を伝えたが、これからは翠雋(スイシュン)を守って欲しいと頼む。「分かった」「あなたには何度も助けられたけど、恩讐はこれで精算しましょう」2人は互いの幸せを祈り、別れた。長慶は目の上のたんこぶだった英嬷嬷を身代わりにして生き延びた。しかし皇太后はどうしても英嬷嬷の仕業とは思えず、長慶に疑惑の目を向ける。一方、康熙帝は気落ちしている母を心配して見舞いに訪れた。そして敬けんな仏教徒である母のために経典を贈り、思い出深い数珠を譲る。「…先帝の形見ですね、私に下さるとは嬉しく思います」皇太后は思わず涙を流して喜んだ。皇太后は皇帝とのわだかまりも解け、ようやく落ち着いた。しかし英嬷嬷を失った寂しさを埋めることはできない。そんなある夜、気晴らしに庭園を散策していた皇太后は偶然、長慶が英嬷嬷を弔う姿を見かけた。長慶は皇太后が来たことに気づき、わざと大きな声で皇太后の回復を祈りながら自分の肉を削いで捧げる。驚いた皇太后は黙って引き返して行ったが、長慶の作戦は上手くいった。翌朝、皇太后は茶を献上した長慶に薬湯を下賜した。「生まれてこの方、誰かに気遣われたことなどありません、このご恩は一生忘れません」長慶は薬湯を飲み干し、拝礼した。すると皇太后は英嬷嬷が死んでから身近に信用できる者がいないと吐露する。「太后娘娘、もし死ねとおっしゃるなら死にます」「もうよい、宦官を殺したとて気は晴れぬ」芸初は事件解決に貢献したと認められ、褒賞をもらった。喜んだ芸初は早速、画珠や長慶に報告、実は本当の犯人がこの2人だと知る由もない。一方、この事件で康熙帝と琳琅の絆はいっそう深まっていた。しかし琳琅が急に慈寧宮へ呼び出されてしまう。心配した康熙帝は自ら琳琅を連れて太皇太后を訪ねると、太皇太后が琳琅を貸して欲しいと頼んだ。つづく(  ̄꒳ ̄)逃げよう〜ダメだった〜のループから殺される〜助かった〜のループへw
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第26話「指輪と人形」正式な御前女官になれると浮かれていた画珠(ガジュ)。しかし喜びもの束の間、長慶(チョウケイ)に呼び止められ、ある仕事を頼まれてしまう。画珠は居所に戻ったが上の空だった。そこで琳琅(リンロウ)に親しい友人に裏切られたら許せるか聞いてみる。「たとえば…芸初(ウンショ)とか、もしもの話よ?」「もし芸初が裏切っても許すわ」「本当に?それじゃもう1つ…御前勤めを辞めることになったら悲しい?」「…悲しくないわ、他の誰かが皇上を守ってくれるから」画珠は琳琅の答えを聞いて胸を撫で下ろしたが、そこへ恵(ケイ)妃が現れた。恵妃は琳琅の部屋に皇帝からの贈り物を運び入れ、侍女たちを下げた。すると恵妃は琳琅に容若(ヨウジャク)と生涯を共にすると誓いながらどうして裏切ったのか問いただす。結局、皇帝に心変わりして弟を切り捨てたのだろう。琳琅は自分のせいにしたければ構わないと言ったが、激情に駆られた恵妃は思わず手を上げた。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←しょっちゅう叩かれる琳琅「皇上は私に″不在の間、琳琅を頼む″と言ったわ…ワナワナ…皇妃である私がなぜ下女の世話を?! この品はお前の面倒を見る見返りにくださった物よ! これも…これも…これも!全部、お前のためよ!」恵妃は思わず化粧箱を琳琅に投げつけ、琳琅は額から血を流してしまう。「動かないで…もしお前が怪我でもしたら私が皇上に叱られてしまう…」恵妃は琳琅の血を手巾で拭き取り、そこで帰って行った。恵妃が帰ってから間もなく、今度は慎刑司(シンケイシ)が乗り込んで来た。王(オウ)太監は全ての部屋を捜索していると説明、すると琳琅の寝台の棚から皇帝の指輪が発見される。琳琅は身に覚えがなく否定したが、そのまま投獄されてしまう。一方、端嬪は慈仁宮を訪ね、皇太后に琳琅が盗みを働いたと報告した。皇太后は端妃の企みだと気づいて火遊びもほどほどにするよう釘を刺したが、端妃が何やら耳打ちすると激怒する。「何て女なの?!許すものですか?!」収監された琳琅は王太監の審問を受けていた。すると突然、皇太后が乗り込んで来る。「尋問など必要ない!明日、死罪にせよ!生かしておくわけにはいかぬ!」その頃、長期休暇が終わった容若が宮中へ戻った。恵妃は容若を呼んで父の具合を尋ねたが、容若はただの風邪だと安心させる。「…姐姐、ひと月、会わぬ間にキツイ顔…否、おやつれになった」そこへ侍女・沈香(ジンコウ)が駆けつけた。琳琅が盗みを働いて捕まり、皇太后が処刑を命じたという。驚いた容若はすぐ助けに行こうとしたが、恵妃が止めた。「もう諦めなさい、目を覚まして!」「一生守ると約束したのです」しかし容若は門を出たところで納蘭逸(ナランイツ)に殴られ、気を失ってしまう。その夜、恵妃は琳琅に面会した。琳琅はこれまでの恩に感謝したが、恵妃はこの期に及んでも殊勝な振りをするのかと憤る。「いかにも純粋で善良なふりをして…皇上も容若も見事にだまされて心を奪われてしまった!」「私は昔から温厚で優しい恵妃娘娘をお慕いしていました」「お黙り!聞きたくない!」バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←また叩かれる琳琅w「憎まれても当然です、でも私と容若と皇上の運命は神がお定めになったもの… どのみち私は明日までの命です、恨みをお忘れください…お願いです」「芝居が上手ね、でもだまされないわ」「…どうぞお元気で」容若はろうそくの火を使って手首の縄を切ると、様子を見に来た納蘭逸を倒して逃げ出した。そしてそのまま護国寺へ馬を駈け、朝方、ようやく到着する。宮中での騒ぎなど知らず雨乞いの儀式を済ませた康熙帝、すると小徳子が納蘭大人が来ていると報告した。皇太后は皇帝が戻る前に琳琅を処分すると決め、長慶に指示した。そこで長慶は最後に琳琅と面会し、お返しだと言って思い切り琳琅を引っ叩く。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←本日3発目( ̄◇ ̄;)「…最低な男ね」←いや兄さんです( ̄▽ ̄;)「今のは妹の代わりにぶったんだ、妹のかんざしを折ったからな」←いや妹です(; ̄ェ ̄)すると長慶は皇太后の命令で直ぐに琳琅を処刑するよう伝えた。容若から報告を聞いた康熙帝は急いで皇宮へ戻った。すでに白綾に首をかけた琳琅、その時、皇帝が現れ救われる。皇帝が琳琅を助けたと聞いた皇太后は呆然となり、急ぎ太皇太后も乾清宮へ呼んだ。康熙帝は指輪なら琳琅に贈ったものだと嘘をついた。「額娘は生前、言っていました、この指輪は大事な人に贈って良いと…」太皇太后は皇帝がこの娘を守ろうとする心意気に感心し、指輪の件は見逃すと決める。皇太后は不満げだったが、実は太皇太后の話はまだ終わらなかった。実は琳琅の居所から皇太后を呪う人形が見つかったという。身に覚えのない琳琅は否認、康熙帝も琳琅を庇うが、証拠がある以上は太皇太后も見過ごせなかった。「大逆非道な行いを許せば後宮の秩序が乱れてしまう、誰か!この者を処刑せよ!」「皇祖母、私を信じられないのですか?琳琅は善良で心の優しい娘です!これは濡れ衣だ」康熙帝はひざまずいて嘆願すると、太皇太后は3日間だけ猶予を与えることにした。画珠と芸初は琳琅との面会を許された。すると琳琅は腕輪をはずして画珠に渡し、薬代の足しにするよう告げる。その夜、画珠は琳琅からもらった腕輪を握りしめ、涙に暮れた。…琳琅、ごめんなさい、仕方なかったの、どうか許して ←(O_O)え___琳琅の寝台の棚に皇太后を呪う人形を隠したのは画珠だった。画珠は長慶を訪ね、琳琅を追い出すだけだと言ったはずだと責め立てる。「どうして死罪なんかに…」「後悔しても遅い、私たちは一連託生だ…怪しまれぬよう当面、私に近づくなよ」琳琅の死罪が決まり、結局、画珠は辛者庫に戻った。これまで御前女官だと大きな顔をしていた画珠は女官頭の格好の標的となり、無理な仕事を押し付けられ、口答えすれば引っ叩かれてしまう。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←画珠は…まあ仕方がないwするとそこへ納蘭大人がやって来た。容若は琳琅の世話係だった画珠に琳琅を陥れる人物に心当たりがないか聞いた。焦った画珠は知らないとごまかしたが、容若は琳琅と毎日一緒だったはずだと怪しむ。「そう言えば恵妃娘娘が訪ねて来ました 贈り物を持っておいでになりましたが、琳琅と2人きりで話を… お帰りになった後に部屋に入ってみると、琳琅が泣いていました 物が散らかり、琳琅は額に怪我を…」恵妃は琳琅と過ごした日々を思い出していた。かつて従姉妹として可愛がって来た良児(リョウジ)、記憶を失っても2人は仲が良かった。実は皇帝が好物の杏仁酪(アンニンラク)の作り方を教えてくれたのも琳琅だった。そこへ容若がやって来る。一方、康熙帝は小徳子と琳琅が使っていた部屋を調べていた。すると小徳子はなぜか皇帝が恵妃に届けた贈り物の化粧箱があることに気づく。しかもその化粧箱には血がついていた。容若は姉が琳琅を陥れたと疑い、琳琅を助けて欲しいと懇願した。激怒した恵妃は弟を引っ叩き、自分を捨てた女をなぜ命がけでまもろうとするのかと声を荒げる。バシッ!⊂彡☆))Д´)ァゥ! ←恵妃、引っ叩きすぎwそこへ皇帝が現れた。恵妃は小徳子が持っている化粧箱に気づき、皇帝まで自分を疑っていると気づく。その時、納蘭逸が急にひざまずき、皇帝の明察を訴えた。そもそも恵妃が皇帝の指輪を盗む機会などなかったはずだという。すると康熙帝も確かにあの指輪を盗むのは容易でないと気づいた。皇帝に疑われた恵妃は深く傷ついた。納蘭逸は皇帝も容若も恵妃をよく理解しているため、すぐ誤解は解けると励ます。すると恵妃は耐え切れず、納蘭逸の肩を借りて泣いた。つづく
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第25話「太陽の慎み」その夜、寂しさのあまり長慶(チョウケイ)の居所を訪ねた芸初(ウンショ)。すると長慶は直しておいたかんざしを芸初の髪に挿し、思わず抱きしめた。「すまない、悪かった」「初めて抱きしめてくれた…私を叩いた後、後悔していたのよね?…許してあげる」芸初は長慶を恨んだが辛かったと訴え、許せば心が軽くなるはずだという。するとわだかまりが解けた芸初は笑顔を見せた。一方、康熙(コウキ)帝は太皇太后の忠告を肝に銘じ、琳琅と距離を取っていた。…太陽は万物にあまねく恵みをもたらす、だが近すぎれば灼熱で人を焼く…康熙帝は琳琅が心配で部屋の前まで来たが、そのまま帰って行った。そうとは知らない画珠(ガジュ)は、せっかく琳琅の世話係になっても皇帝に会えないと落胆する。「てっきり毎日、来ると思ってたのに~これじゃ白粉が無駄になっちゃう 琳琅、皇上はあなたのことが好きなんでしょう?こんな時こそ、そばにいてくれなくちゃ」琳琅も内心、寂しかったが、そうとは言えず言葉を濁した。すると翌朝、画珠に思わぬ幸運が訪れる。琳琅の薬を取りに侍医院を訪ねたところ、偶然にも皇帝がいたのだ。しかしそこに暁児(ギョウジ)が駆けつけ、端(タン)嬪が病だと聞いた皇帝はすぐ出て行ってしまう。端嬪は仮病を使って皇帝を呼び出した。しかし寝台に腰掛けた康熙帝に近づこうと起き上がった時、うっかり隠していた菓子を落としてバレてしまう。(Ŏ艸Ŏ)ぁ… ε-(ー̀ωー́ #)皇帝が琳琅の見舞いに来なくなって4日が経った。寂しさを紛らせようと手の平に虎の絵を描き始めた琳琅、その時、画珠が中庭にいる皇帝を見つける。「琳琅!皇上よ!」「皇上っ!」琳琅が思わず飛び出すと、琳琅の顔を見た康熙帝は戒めを忘れて駆け寄った。琳琅は小徳子のおかげで本当は皇帝が毎日こうして部屋の前まで来ていたと知った。すると画珠がお茶を献上する。康熙帝は投薬中の琳琅にお茶を出したことに憤慨、すぐ帰らせろと命じた。驚いた画珠は咄嗟にお茶を準備したのは琳琅だと嘘をついて許しを請う。仕方なく琳琅は話を合わせると、皇帝は画珠を許して小徳子と一緒に下げた。「会いたかったかい?朕も毎日、寂しかった…」康熙帝は琳琅の手の平に描きかけの虎を見つけ、続きを描いてやった。端嬪は皇太后に皇帝が妃嬪に見向きもせず、琳琅ばかり寵愛していると泣ついた。そこで夕餉に皇帝を呼び、端嬪を同席させることにする。一方、画珠は使いの男から病の母の薬代がないとせっつかれた。仕方なく以前、拾った端嬪のかんざしを渡し、これを売って金にするよう頼む。しかしその様子を長慶に見られていた。「あの翡翠がついたかんざしは端嬪が失くした物じゃ?」焦った画珠は何でも言うことを聞くと訴え、見逃して欲しいと懇願した。康熙帝は皇太后の酒席に招かれた。すると皇太后は宮女たちを下げ、端嬪と3人だけで食卓を囲む。皇太后は琳琅を罰して皇帝の心を傷つけ、さらに母子の情にもヒビが入ってしまったと後悔した。先帝と康熙帝の生母が亡くなり、実の子と思って育てて来たが、太皇太后と比べると情けないという。しかし康熙帝は皇祖母も皇太后も尊敬していると伝え、皇太后に勧められるまま深酒した。端嬪は泥酔した康熙帝を鍾粹(ショウスイ)宮へ連れて帰った。酩酊した康熙帝は琳琅に介抱してもらっていると思ったが、口づけしようと迫って来た端嬪を見て急にしらふに戻ってしまう。すると康熙帝は慌てて帰って行った。(  ̄꒳ ̄).oO(みんな同じ口紅だしね…間違えちゃうよねw端嬪は寝台に落ちている皇帝の玉扳指を見つけた。そこですぐ皇帝の輿を追いかけたが、女官の寝所へ向かっていると気づいてあきらめる。康熙帝は思わず琳琅の寝所に駆けつけ、琳琅を抱きしめた。「一時だけ…」その姿を偶然、寝所に戻って来た画珠が見てしまう。夜も更けた頃、琳琅は画珠のすすり泣きで目が覚めた。聞いてみれば画珠の母親が重い病で、兄は甲斐性がなく画珠の給金だけが頼りだという。それにしても翠雋(スイシュウ)は納蘭(ナラン)大人に嫁ぎ、琳琅は皇帝に寵愛されていた。画珠は自分だけいつまでも下働きのままだと嘆き、これでは母の薬が買えないという。そこで琳琅は特に使い道がないからと自分の給金を差し出した。康熙帝は日照りに苦しむ民を思い、護国寺で3日間、雨乞いの儀式を行うことにした。これを好機とばかりに端嬪は皇帝の指輪を利用して琳琅を罠に嵌めようと企む。一方、康熙帝は自分が皇宮を留守にする間、琳琅を守ってくれる者が必要になった。そこでたくさんの贈り物を携え、承乾宮を訪ねる。恵妃は久しぶりの皇帝の来訪に胸を躍らせたが、その理由を知って愕然となった。しかし皇帝の前では笑顔で琳琅の世話を引き受ける。皇帝は安心して帰って行ったが、恵妃は激しい嫉妬で狂わんばかりだった。康熙帝は自分の代わりとして虎の人形を琳琅に渡し、出かけて行った。一方、皇帝が護国寺に発ったと聞いた端妃は皇帝の指輪を琳琅の部屋に隠しておくよう指示する。そんな中、画珠は乾清宮の女官頭・芳景(ホウケイ)から琳琅の怪我が治ったのなら辛者庫へ戻れと言われていた。そこで画珠は琳琅と離れたくないと情に訴え、御前女官になれるよう琳琅から皇帝へ口利きして欲しいと頼む。琳琅は人事に口を出せないとしながらも、皇帝に聞いてみると約束した。画珠は正式に御前女官になれると早合点し上機嫌だった。しかしそんな画珠の前に長慶が現れる。つづく|ω・`)まっまさか…画珠が宸汐縁で一番好きだった青瑶だったなんて…ガーン
2021.09.25
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第24話「おてんば公主」羊の乳を温めていた琳琅(リンロウ)はその独特の匂いに耐えられず、思わず回廊へ飛び出した。すると偶然、散策から戻った康熙(コウキ)帝たちとかち合ってしまう。康熙帝が女官の様子を心配していることに気づいた端敏(タンビン)公主は、お気に入りと噂の女官が琳琅だと気づいた。端敏公主は庭園にある鞦韆(シュウセン)を見つけ、どうしても乗りたいとせがんだ。本当は琳琅のために作らせたが、康煕帝は仕方なく端敏公主の背中を押してやる。すると端敏公主は通りかかった琳琅が自分たちの様子を見ていることに気づいた。そこで鞦韆から降りようとしてわざと転び、助けてくれた康熙帝に抱きついて見せつける。親密そうな2人の様子を見た琳琅は動揺し、居たたまれなくなって足早に去って行った。琳琅は御前女官たちが端敏公主を新しい妃候補だと噂しているのを聞いた。「幼なじみで気が合うし、皇上は何でも聞いて差し上げているわ」「確かに公主の前だと皇上は人が変わられたようね」部屋に戻った琳琅はなぜか胸が苦しくなった。しかし皇帝を愛せるのはその価値がある人だけ、琳琅は自分では駄目なのだと言い聞かせる。そんなある日、琳琅は康熙帝が所望したいつもの朝露の茶を献上した。端敏公主は毎日、乳茶を入れるよう命じたはずだと憤慨したが、康熙帝は乳茶が苦手になったという。「皇帝哥哥、羊乳の匂いが苦手なあの娘を気遣っているのね?ふふ」その夜、康熙帝と端敏公主は涼亭でお月見をすることになった。そこで琳琅は端敏公主から頼まれた菓子と乳茶を献上したが、仲睦まじい2人の姿を見て深く傷ついてしまう。…愛してはいけない人よ…琳琅は涙をこらえながら下がった。すると琳琅の様子をうかがっていた康熙帝と端敏公主は、物陰で悲しみに暮れる琳琅に声をかけた。「どうかしたのか?」「何でもありません」「皇帝を欺くと罪になるぞ?」「…皇上を欺きました、罰して下さい」「ふふふ♪皇帝哥哥、私が分不相応な恋はするなと命じたの」「なんて奴だ、嫁入り道具を与えぬぞ?」「皇帝哥哥、でもこの子に本心を言わせたのは私のお手柄よ?」実は昨夜、端敏公主は皇帝が琳琅の部屋の前でたたずむ姿を目撃、やはりあの娘が好きなのだと確信した。しかし恋は人を臆病にするもの、距離ができるのが怖くて好きになるほど言い出せなくなる。端敏公主は相手の気持ちが分からないことが障害だと気づき、琳琅を嫉妬させて本当の気持ちを探ろうと提案した。康熙帝は端敏公主を追い返し、思わぬ茶番になったが琳琅の本心が分かったと喜んだ。気恥ずかしい琳琅は慌てて逃げようとしたが、康熙帝が道をふさぐ。「朕の手から2度と飛び出すな」康熙帝と琳琅の仲を取り持ったおてんばな公主は帰って行った。恵(ケイ)妃は納蘭逸(ナランイツ)から皇帝と琳琅が端敏公主を笑顔で見送っていたと聞く。もはや皇帝の琳琅への寵愛を知らぬ者はいなくなった。「皇上には自重して頂かねば…楊貴妃を死に追いやり、玄宗皇帝は悔いたのよ?」( ತ _ತ).oO(にゃんにゃん…花の盛りとなり、康熙帝は琳琅を花見に誘った。「御花園で待っていろ、朝議が済んだらすぐに行く」しかし運悪く皇太后が端(タン)嬪と花見に来ていた。お供していた長慶(チョウケイ)は独りたたずむ琳琅の姿に気づき、わざと牡丹が美しいと誘導する。すると皇太后は琳琅に気づいた。「皇上にお仕えもせず何をしている?まさかお妃気取りで花を楽しみに来たのか」「滅相もございません、私は皇上のご命令で…」「ふん、並み居る妃嬪を差し置いてお前をお供にすると?」皇太后は端敬皇后に似ている琳琅を忌み嫌い、皇帝を誘惑したと難癖をつけ棒叩きを命じた。一方、朝議を終えた康熙帝は着替えを済ませ、喜び勇んで御花園へ向かった。しかし途中で太皇太后の輿と出くわしてしまう。「皇上、そんなに慌ててどこへ行くのです?」( ̄▽ ̄;)<ぁぁ…御花園が花の盛りと聞いて観に行くところです!すると太皇太后は例え泰山(タイザン)が崩れそうになっても顔色を変えないのが皇帝だと諭してから行かせた。「オーバイを討つ時も冷静だった皇上が、なぜあれほど慌てていたのか…」そこで太皇太后は侍女・スマラに皇帝の後をつけるよう命じた。康熙帝が御花園に到着すると琳琅が倒れていた。驚いた康熙帝はすぐ琳琅を連れ帰り侍医を呼んだが、あと数回、打たれていたら死んでいたところだったという。その時、琳琅は夢の中で一族が殺される凄惨な記憶が断片的に甦り、うなされていた。康熙帝は皇太后の御前勤めたちを御陵へ追いやった。皇太后は太皇太后を訪ね、たかが女官1人のことでやり過ぎだと訴える。「悪いのはあの女狐です、端敬皇后に似た子で皇上を誘惑し、母子の仲を裂くなんて…」「勘違いするでない、端敬皇后はもう死んだ、あの女官は皇上が最も愛する女子だ このままでは皇上はそなたを恨む、そうなればもう皇上の心は戻らぬ」これを機に英(エイ)嬷嬷(モーモー)は長慶と距離を取ることにした。私怨を晴らすために主の母子の情にヒビを入れるなどあってはならない。そこで英嬷嬷は長慶にはっきり良からぬ考えを持つ者とは関われないと言って突き放した。昭仁(ショウジン)殿に太皇太后がやって来た。太皇太后は皇帝の琳琅への愛が本物だというなら守ってやるべきだと助言する。「太陽は万物にあまねく恵をもたらす、だが近すぎれば灼熱で人を焼いてしまう その者を思うなら立場を知り、距離を考えるのです 度が過ぎれば後は衰えるのが世の習い、細い流れこそが長く続くと心得なさい」「よく分かりました…感謝します」↓さすが太皇太后、上手いこと言うw康熙帝は琳琅につき切りで看病していたが、太皇太后の戒めを機に我慢することにした。そこで琳琅が寂しくないよう辛者庫の芸初(ウンショ)と画珠(ガジュ)を呼び寄せることにする。琳琅は久しぶりに親友と楽しい時間を過ごしたが、そこへ小徳子が現れた。実は皇帝がどちらか1人が残って琳琅の世話をするよう命じたという。画珠は迷わず自分が残ると手を挙げ、臨時とは言え夢の御前女官となった。太皇太后が散策していると、皇帝が梨の花を見ながら物思いにふけっていた。「そなたの母上は梨の花が何より嫌いだ」「皇祖母…」先帝は生前、端敬皇后1人を寵愛した。歓心を得ようと後宮を梨の木で埋め尽くし、初春になると庭中に梨の花が舞ったという。確かに美しかったが、御花園では他の花の色が見れなくなった。「母上は耐えて来た、その苦しみをそなたも感じ取れるはず…正しい道が分かるよう念じます」長慶は芸初がまた女官頭にいじめられている様子を見かけた。そこで密かに宦官たちに頼んで芸初の代わりに水がめの水を一杯にしてやる。芸初は長慶が助けてくれたと気づき、その夜、誰もいない部屋にこっそり入った。「みんないなくなった…私は独りぼっち」長慶を避けていた芸初だったが、やはり寂しい。その時、ふいに長慶が入って来た。驚いた芸初は帰ろうとしたが、長慶が引き止める。「これは元々、君への贈り物だ」長慶は直しておいたかんざしを芸初の髪に挿すと、思わず抱きしめた。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…なぜ琳琅の気持ちがこれで分かったのか…w
2021.09.23
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第23話「皇太后の逆鱗」ようやく立ち上がれるようになった小徳子(ショウトクシ)。すると衛琳琅(エイリンロウ)が手作りの菓子を持って見舞いにやって来た。小徳子は早速、舌鼓を打ったが、改めて琳琅の優しさに感激する。実は今回、皇太后の不興を買ってお仕置きを受け、取り巻きたちが蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた。慈仁(ジジン)宮に敬事(ケイジ)房の総管から美人画が届いた。しかし美人画を見た皇太后は怒りに震え、この絵を献上した総監太監を打ち据えて放り出せと命じる。長慶(チョウケイ)は何が気に障ったのか分からないまま、裏庭で美人画を燃やしていた。すると皇太后の腹心・英(エイ)嬷嬷(モーモー)が美人画が亡き端敬(タンケイ)皇后に瓜二つだったせいだと教える。端敬皇后と言えば先の順治(ジュンチ)帝が寵愛した側室で皇太后から夫を奪った相手、その時、長慶はこの美人画が別のある娘に似ていると気づいた。小徳子が仕事に戻ったある日、康煕(コウキ)帝は琳琅に気晴らしさせたいと思いつき、何をすれば楽しい気持ちになれるか聞いた。すると小徳子は皆と一緒に外で遊び、疲れたら帰って寝るのが一番だと勧める。そこで康熙帝は乾清(ケンセイ)宮の太監や女官を集め、一緒に羽付きや綱引きなどで遊ぶことにした。一方、長慶は親孝行な皇帝が最近、挨拶に来ないのは乾清宮で下僕たちと遊びに興じているからで、これを企んだのが例の衛琳琅という女官だと吹き込んだ。そこで様子を見に行ってはどうかと進言したが、皇太后は興を削ぎたくないという。「衛琳琅をここへ呼んでは?」「…会う必要などない」長慶は皇太后と琳琅を引き合わせようとしたが失敗した。他に手立はないか考えあぐねていたが、ふと皇帝が皇太后に贈った百鳥図の団扇が目につく。そこで長慶は皇太后に福貴(フクキ)が団扇を破ったと報告した。皇帝からの贈り物を傷つけたとなれば大罪、皇太后は犬の世話もできないのかと叱責したが、長慶は御前女官の衛琳琅なら器用なので団扇の刺繍を直せると訴える。すると皇太后はすぐ手配するよう命じ、もし修復できない時は長慶を罰すると言った。皇帝主催の遊技が終わった。琳琅組と小徳子組は引き分けとなり、康熙帝は詩の暗唱で決着をつけるよう命じる。小徳子は学がないので不利だとぼやいたが、ふと思い出して李白(リハク)の句をひねり出した。「月光欲到長門殿…」しかし琳琅たちは誰も続きが言えない。「月光欲到長門殿 別作深宮一段愁…」康熙帝は自ら正解を教え、よく覚えていたと小徳子を褒めた。「妃嬪のどなたかに聞いた覚えがありまして…へへ」次は琳琅組から出題することになった。そこで女官頭の芳景(ホウケイ)が納蘭容若(ナランヨウジャク)の詩を詠み始めたが、琳琅は無意識に続きの句を詠んでしまう。「琳琅?答えちゃダメよ!皇上、今のはなしです」しかし康熙帝は急に機嫌が悪くなり、散会するよう命じた。困惑した琳琅はそのまま独り居残ったが、皇帝の不機嫌な理由はすぐに分かる。「…容若の詩は忘れないのだな」翌日、琳琅は康熙帝の詩をいくつも暗唱して聞かせた。しかし康熙帝は自分の詩など清国一の才子と言われる容若には敵わないとすねる。「歴代帝王の中で皇上の詩は最高です」「お世辞も上手くなったな~」琳琅はご機嫌取りに失敗、背中を向けてふて腐れたが、うっかり鏡に映ったその顔を皇帝が見ていた。( ̄▽ ̄;)よく映る鏡ですね~オホホ~長慶は琳琅に百鳥図の団扇を直して欲しいと頼んだ。皇太后の依頼では断ることもできず、仕方なく修繕して慈仁宮へ届けることにする。すると女官の顔を見た皇太后は呆然、端敬の生き写しである琳琅に逆上した。「死んでも成仏できずに皇上を惑わしに来たか!私はだまされぬぞ!誰か!この女の顔を切り刻め!」しかし琳琅が慈仁宮に行ったと聞いた康熙帝が駆けつけ、危ないところで琳琅を助けた。康熙帝はどんな経緯があったの分からなかったが、自分の監督不行き届きだと謝罪した。皇太后の手前、罰として琳琅に鐘を持たせると約束して連れ帰ったが、毛頭、罰する気はない。しかし琳琅は自ら両手に鐘を持って広場を往復し、やがて倒れてしまう。遠目から見守っていた康熙帝は慌てて琳琅を抱きかかえて運び、自ら介抱した。「皇帝と言えども勝手はできぬ、だが男として愛する女子も守れぬとは…情けない」「私なら大丈夫です」慈仁宮に皇帝から宝物が届いた。すっかり機嫌が治った皇太后だったが、長慶の報告がまた激怒させてしまう。「伝言も預かりました、衛琳琅は十分に罰し、さらなる処罰は不要と…」「女狐の方が大切なのか!」英嬷嬷は怒りを鎮めるよう訴え、母子の深い情は傷つかないと皇太后をなだめすかした。しかしその夜、長慶がまた火に油を注いでしまう。噂によると皇帝が倒れた琳琅を乾清宮に連れ帰り、自ら薬を飲ませたというのだ。英嬷嬷は皇帝が心からその女官を気に入ったなら任せてはどうかとなだめたが、長慶が禁句を口走ってしまう。「琳琅は顔だけでなく性格も端敬皇后に似ていると評判です、皇上のご寵愛を受けるところまで…」「無礼者!」長安は失言を謝罪し、罰として自ら顔を叩き始めた。すると皇太后は2度とその名を口にするなと命じ、琳琅への恨みを募らせる。英嬷嬷は長慶がわざと皇太后をあおっていることに気づいた。そこで長慶を回廊に呼び、琳琅に個人的な恨みがあるのか尋ねたが、長慶は考え過ぎだという。そんなある日、琳琅は女官頭から西暖(セイダン)閣へ端敏(タンビン)公主の衣服を運ぶよう頼まれた。「お世話が難しい方よ、慎重にね」「ご忠告に感謝します、姑姑」端敏公主は太皇太后の甥の娘だが先帝の養女のため身分が高く、皇帝と幼なじみだった。すると西暖閣に端敏公主が現れる。端敏公主は琳琅に目を止め、皇帝のところへ案内するよう命じた。琳琅が御薬房で茶の準備をしていると小徳子が羊の乳を運んできた。「公主の茶に入れてくれ」琳琅は癖のある乳の匂いに手こずりながら何とか乳茶を入れ、無事に献上する。すると端敏公主は女官を見つめる皇帝の表情に気づき、わざと皇帝に甘えて琳琅に仲の良い姿を見せつけた。「皇帝哥哥!久しぶりに皇宮に来たのよ、案内して!」琳琅は皇帝と端敏公主が散策から戻るまでに乳茶を準備することにした。しかし温めた羊の乳の匂いに耐えられず、思わず回廊へ飛び出してしまう。するとちょうど康熙帝と端敏公主が現れた。ゥッ…(Ŏ艸Ŏ)はっ!つづく( ๑≧ꇴ≦)まさかの玄女登場!
2021.09.23
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第22話「福佑寺の花火」慈仁(ジジン)宮を訪ねた康熙(コウキ)帝は、皇太后から妃嬪たちの寝宮を訪れていないと指摘された。焦った康熙帝は狩りの間に溜まった政務で忙しいとごまかし、この後も保和(ホウワ)殿に用があると断って早々に退散してしまう。皇帝の本心が聞けず落胆する皇太后、すると長慶(チョウケイ)は身近な者に尋ねてはどうかと吹き込んだ。芸初(ウンショ)は長慶の様子を見ようとこっそり慈仁宮をのぞいていた。その時、芸初に気づいた皇太后の愛犬・福貴(フクキ)が回廊を突っ走って来る。驚いた芸初は慌てて裏門から飛び出したが、運悪く皇太后の一行が通りかかった。英(エイ)嬷嬷(モーモー)は皇太后の一行を止めた不届き者に激怒、長慶に顔を叩けと命じる。しかし長慶はその女官が芸初だと気づき驚愕した。「(コソッ)長慶哥哥…太監だろうと関係ないと伝えたくて…」芸初は咄嗟に自分の気持ちを話したが、長慶は皇太后や英嬷嬷の手前、仕方なく手を上げてしまう。さらに芸初は英嬷嬷にまで酷く叩かれ、深く傷つき逃げるように去って行った。慈仁宮に小徳子(ショウトクシ)がやって来た。皇帝から百鳥図を刺繍した団扇の贈り物だという。そこで皇太后は側仕えの小徳子に皇帝がなぜ妃嬪の寝宮を訪ねないのか聞いた。小徳子は分からないとごまかしたが、長慶に揚げ足を取られてしまう。「常におそばにいるのに皇上の日々の行動をご存知ないとはありえません まるで皇上から口止めされているようですね~」すると皇太后は小徳子の怠慢として棒叩きの罰を命じた。康熙帝は小徳子が転んで怪我をしたと知り、自ら見舞いに行った。「侍医を呼んでやろう、早く治して戻って来い」しかし乾清(ケンセイ)宮へ戻ってみると皇太后が待っていた。実は小徳子が自分に逆らったため、勝手に罰を与えたという。康熙帝は小徳子があえて嘘をついたと知ったが、皇太后を責めるわけにもいかなかった。すると皇太后は長慶を紹介し、小徳子の代わりにそばで仕えさせるよう命じて帰ってしまう。心機一転、御前女官として務めに励む衛琳琅(エイリンロウ)、するとなぜか乾清宮から長慶が現れた。「太后娘娘の推薦で御前勤めの任を賜った、同僚としてよろしく頼む」しかし琳琅は自分には関係ないと冷たかった。琳琅は小徳子に薬を差し入れた。すると小徳子は長慶を信用できないと訴え、何か裏があると疑う。実は皇太后から罰を受けたのも長慶の差し金だった。「皇上をお守りしてくれ、そばを離れるな、気を抜くなよ?」「分かりました、誓います」「信頼できるのはお前だけなんだ」( ๑≧ꇴ≦)押すなよ押すなよ、絶対、押すなよ~みたいなw琳琅は小徳子との約束を守り、常に皇帝のそばに控えて長慶を牽制した。しかしそのせいで皇帝の寝支度を手伝うことになってしまう。恥ずかしそうに沐浴の世話をする琳琅、すると皇帝の腕に傷があると気づいた。実はその傷は康熙帝が幼い頃、″ある娘″を悪党から救った時につけられた傷だという。「痛かったですか?」「もちろんだ…だが仕方がない」小徳子の絶対押すなよ~からの皇帝の熱湯風呂「安心してください、履いてますよ!」芸初は長慶の居所を訪ねた。しかし長慶は合わせる顔がなく、思わず物陰に隠れてしまう。「長慶哥哥?…長慶哥哥、ずっと信じていた、あなたは宮中の誰より優しい人だって でも間違っていた、姐姐たちは絶対、私をぶったりしないもの…なのに… どうしてなの?今までの親切は偽りだったの?」すると芸初は寂しそうに帰って行った。琳琅は不慣れながらも皇帝の寝支度を済ませた。すると床に入った康熙帝は眠るまで見守るのが規則だと言って琳琅を引き止める。「びくびくするな、2人だけの時は葉三(ヨウサン)だと思ってくれ」「無理です」「どうしてだ?草原では朕に洗濯させたり、ウサギを追わせたり叩いたり…」「あの時は皇上だと存じませんでした!…あ」「だが…あの頃は今よりずっと楽しかった」康熙帝は押さえ込んでいた恋心があふれそうになり、慌てて背を向けて寝てしまう。そこで琳琅は皇帝が好きな揺り籠の歌を歌い始めると、康熙帝は幸せそうに目をつぶった。長慶は琳琅のせいで康熙帝に接近できずにいた。すると皇帝から人手なら足りているので慈仁宮へ戻るよう命じられてしまう。そこで慈仁宮に戻ると、皇太后に皇帝が御前女官に惑わされていると告げ口した。自分を追い出したのも衛琳琅にそそのかされたせいだという。実は皇帝はその御前女官に好意を寄せており、それが妃嬪の寝宮を訪ねない理由だった。しかし長慶の当てが外れ、皇太后は皇帝が気に入ったのなら良いことだという。長慶は修理したかんざしを持って辛者庫に芸初を訪ねた。すると居所から琳琅が現れ、いきなり引っ叩かれてしまう。「芸初に手を上げるなんて許せない!2度とあの子に近づかないで!」「ふん、どうかな」仕方なく引き返した長慶、2人は本当の兄妹だと知らぬまま、ますます険悪な関係になった。ある日、康熙帝は琳琅を連れ出し、お忍びで福佑寺を訪ねた。ここは幼い頃に流行り病を避けるため、たった独りで身を寄せていた寺で、両親も遊び相手もおらず寂しかったという。すると康熙帝はせめて2人だけの時は葉三として扱って欲しいと頼み、宮中でもかしこまらず楽にして欲しいと言った。しかし琳琅は出過ぎた態度は嫌われると困惑する。「琳琅、何も恐れる必要はない、朕が必ず守る」そこで康熙帝はかつて寺に隠しておいた虎の人形を見つけた。「あった!…そなたの手に描いたのはこの虎だ」康熙帝は8年前、ここで良児(リョウジ)を待っていた。当時、良児がなかなか現れず、苛立つ自分を小徳子がもう少し待てば来るとなだめてくれたという。必ず来ると自分に言い聞かせ、どうか日が暮れないように祈ったあの日、康熙帝は良児との思い出を懐かしんだが、琳琅もふと容若(ヨウジャク)の言葉を思い出した。『誰かを待っていたような気がするんです』『君が待っていた相手は私だよ』しかし今となっては皇帝とすれ違いになったのも縁がなかったからだろう。すると康熙帝はそれでも今、琳琅が自分の隣にいるだけで十分だと言った。「琳琅、そなたは皇宮に残る道を選んだ、神は朕に味方したのだ」康熙帝と琳琅は寺で簡素な夕食をとった。やがて日が暮れると、皇帝は琳琅へ贈り物があると言って外へ出る。すると夜空に無数の花火が上がった。「良児、お誕生日おめでとう! 辛い過去はもう忘れろ、どんな時も花火のように明るい心でいて欲しい」( ๑≧ꇴ≦)いや山火事?一方、長慶は密かに庭園で家族を弔っていた。…阿瑪、額娘、大哥、良児、今日は皆の命日だ、この日を忘れることはない…必ず皇帝を殺し仇を討つ、邪魔する者は皆、死ぬがいい琳琅は小徳子の見舞いに行った。そこで危険な長慶を追い出したと安心させ、干菓子を差し入れる。つづく
2021.09.20
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第21話「手放した凧」翠雋(スイシュン)は納蘭(ナラン)家に嫁いだものの、容若(ヨウジャク)と本当の夫婦になれずにいた。そんなある夜、翠雋は容若が弾く琴の音を耳にし、聞き覚えのある曲だと気づく。それは嫁ぐ前夜に辛者庫で聞いた琳琅(リンロウ)の簫(ショウ)と同じ調べだった。一方、康熙(コウキ)帝は傷心の琳琅を心配し、居所まで帰る琳琅をこっそり見守っていた。すると御花園の帰り道がいやに暗いことに気づく。小徳子(ショウトクシ)は女官が使う道は明かりを節約していると説明、そこで康熙帝は自ら明かりを組み立て、琳琅の帰り道の途中に設置した。そんなある日、容若が涼亭で琴を弾いていると翠雋が現れた。「一曲、教えていただけませんか?」その手には琳琅に贈った思い出の玉の簫がある。「その簫は?!」「琳琅にもらいました」「…私にくれないか?」「もちろん」すると容若は嬉しそうに玉の簫を受け取り、代わりに琴を教えると言った。翠雋は参内する容若に琳琅へ渡して欲しいと夫婦人形を託した。「私たちが幸せだと伝えてもらえませんか?」しかし容若はせっかく琳琅と出くわしながら人形を渡すことができなかった。一方、納蘭家の小間使いたちは未だに公子が一度も夫人の部屋に入ったことがないと噂していた。「小夫人の身分が低いから気にしているのかしら?」「そんなはずないわ、前の人だって…(あ)それは言わない約束よね~ふふふ」その話を偶然、翠雋が聞いていた。翠雋は小間使いを呼び、容若の書斎にある姿絵は誰か聞いた。小間使いは知らないと答えたが、いきなり引っ叩かれてしまう。「私はこの屋敷の小夫人よ?嘘をつくのは許さないわ…この絵が誰か言いなさい」康熙帝はなぜか御前女官の琳琅に料理の毒味を命じた。「皇上、終わりました、問題ありません」「安心できぬ、もう一度たのむ」琳琅は仕方なくまた食べ始めると、皇帝も一緒に料理をつまみ始めた。その様子を見た小徳子は微笑ましい光景に思わず目を細め、宮殿を出てから皇帝が琳琅を気遣って食べさせたとばらしてしまう。容若は琳琅に渡せなかった人形を書斎の寝台に隠した。まさかそれを翠雋に見られたとも知らず、黙って着替えを任せる。すると翠雋は容若の腰に琳琅が肌身離さず下げていた首飾りがあることに気づいた。そこでこの玉佩が欲しいと頼んだが、容若は新しい物を作るという。「どうやら大切な物のようですね…」翠雋は琳琅の簫と玉佩が対だと気づき、容若が言う″一生一世の縁″だろうと指摘する。驚いた容若は仕方なく玉佩を翠雋に譲ると、喜んだ翠雋はそろそろ皇帝に婚姻の挨拶に行こうと提案した。参内した翠雋は皇帝に琳琅と2人で話がしたいと懇願した。康熙帝が許可すると、2人は琳琅の居所へ向かう。すると今度は容若が1ヶ月の休暇が欲しいと嘆願し、康熙帝はこれも許してくれる。そこで久しぶりに容若と手合わせしたいと言った。翠雋は琳琅と2人きりになった途端、急に態度が変わった。「何か隠していることがあるでしょう? 衛琳琅!納蘭容若と恋仲だったことをなぜ言ってくれなかったの?!」何も知らなかった翠雋は大切な友から好きな人を奪った罪人になってしまったと泣いた。確かに今は自分の夫になったが、容若は一度も自分の部屋に来たことがないという。「彼は毎日あなたを思って詩を書き、琴を弾いているの」すると翠雋は梨の花の首飾りを出し、容若は今でも琳琅を思い続けていると教えた。しかし神様の導きで嫁いだのは自分、どうか夫を忘れて欲しいと懇願する。琳琅は翠雋がこれほど思い悩んでいたと知り、彼を忘れると誓った。「ごめんね、ごめんねごめんね…だって彼を愛しているの」翠雋は琳琅に抱きつき、ひとしきり泣いた。その頃、康熙帝と容若は久しぶりに手合わせに興じていた。剣術の腕は互角と思われたが、容若の剣先がポロリと落ちる。すると康熙帝は以前、結婚祝いに下賜すると約束していたこの棠溪剣(トウケイケン)を容若に授けた。琳琅と翠雋が部屋を出ると容若が中庭で待っていた。すると翠雋は別れ際、夫婦人形を琳琅に贈る。「この対の人形のように私たちが幸せになれるよう祈ってね…それじゃあ行くわ」容若は寝台に隠したはずの人形を見て驚いたが、もはや何も言えず翠雋と帰って行った。翠雋の来訪で琳琅も区切りがついた。そこでずっとしまっておいた凧を取り出し、部屋を出る。するとちょうど琳琅の様子を見に来た康熙帝と出くわした。「凧をあげるのか?…朕も行こう」琳琅はしばらく空高く舞い上がった凧を見上げていた。すると自ら糸を切り、凧を自由にする。康熙帝は驚いたが、琳琅がこれで容若との愛や一緒に過ごした美しい思い出を手放したと知った。「今日から新しい人生を歩みます」一方、翠雋は容若の書斎を模様替えし、琳琅の絵を片付けて別の掛け軸に変えていた。初めこそ同様した容若だったが、確かにこれで良いのだと自分に言い聞かせる。こうして琳琅と容若の初恋は終わりを迎えた。ある夜、琳琅は居所への帰り道で康熙帝が灯籠を直しているところに出くわした。「私のために皇上が明かりを?」「そうだ、そなたが転んだら誰が朕の世話をする?」「感謝します」寂しそうな琳琅を陰ながら見守ってきた康煕帝、すると琳琅は皇帝の汚れた顔をきれいに拭いた。その頃、慈仁(ジジン)宮に移動した長慶(チョウケイ)は地道に皇太后や腹心の英(エイ)嬷嬷(モーモー)の信頼を得ていた。そんなある日、長慶はついに皇太后を訪ねてきた皇帝と出くわす。すると皇太后は端(タン)妃から聞いた話として、皇帝が狩りから戻って以来、妃嬪の寝宮を訪ねていないのかと聞いた。つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?翠雋はブラック化するのかと思いきや、あっさり琳琅と方を付けちゃいましたね何だか拍子抜け?wそして盛り上がらないまま折り返し〜(笑
2021.09.19
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第20話「初恋の終わる日」衛琳琅(エイリンロウ)は自分の命にかえても翠雋(スイシュン)を救おうとしていた。その姿に胸を痛めた納蘭容若(ナランヨウジャク)は琳琅のため翠雋を助けようと決意、皇帝に翠雋との縁談を願い出る。その頃、翠雋は死罪を覚悟して画珠(ガジュ)と芸初(ウンショ)に別れを告げていた。「来世でも私たちは友だちよ…うわ~ん」しかしそこへ慶事房の太監が現れ、皇帝から容若との縁談が下賜される。狐につままれたような顔で聖旨を受け取る翠雋、そこへ琳琅が現れた。「あなたを失うのかと思うと怖かったわ…」「ありがとう、琳琅…」翠雋は辛者庫に戻り、嫁入り支度を始めた。自分が助かったのは琳琅の嘆願のおかげだと思っていたが、実は容若が結婚を願い出てくれたと知る。一方、端(タン)妃と安(アン)妃は承乾宮を訪ね、恵(ケイ)妃に祝いの品を贈った。「さすが納蘭大人、体面など意に介さない 王侯貴族からの数々の縁談を断り、辛者庫の女官をお見初めになるとは~ふふ」「それも皇上直々のお許し、何と晴れがましいこと~ふふ」2人は日頃、恵妃に頭が上がらない鬱憤を晴らすように、嫌味を言って帰って行った。恵妃は面目丸潰れだった。しかも弟から結婚を申し出たとあっては私通を認めたも同然となる。「家の名折れです…琳琅のせいで容若は破滅よ!」一方、納蘭家では明珠(メイジュ)と容若が縁談の聖旨を受け取っていた。明珠は皇帝が息子の不始末を片付けてくれたと感謝し、心の整理をつけるよう容若を諭す。複雑な面持ちの容若、しかし明珠は少なくともこれで息子と琳琅の関係が清算できたと安堵した。幼い頃から長い年月をかけて愛を育んできた琳琅と容若、しかし予想もしない形で終わりを迎えることになった。とは言え簡単に心が割り切れるはずもなく、2人は人知れず苦しむ。そして翠雋が嫁ぐ前の晩、宮中に簫の音が響き渡った。康熙(コウキ)帝と翠雋は琳琅が吹いていると気づき、感慨深げに耳を傾ける。こうして夜が明け、いよいよ翠雋が宮中を出る日となった。琳琅は婚姻祝いを届けに辛者庫を訪ねた。「何もないからせめてもの手作りよ」翠雋は美しい刺繍に感激したが、琳琅が大事にしていた玉の簫はさすがに受け取れないという。しかし琳琅はこれは″翠雋の物″だと言った。「ありがとう…琳琅」翠雋はこの日を迎えられたのも全て琳琅のおかげだと感謝し、その場で叩頭した。驚いた琳琅は慌てて翠雋を立たせ、新郎の元へ連れて行く。「泣かせたりしないでください、共に白髪の生えるまで末長くお幸せに…」容若は複雑な思いを隠し、花嫁を連れて納蘭家に出発した。だーれん、こっこの帽子は…(・・;)幸せいっぱいの翠雋をよそに容若は琳琅との思い出を引きずりながら拝礼の儀を済ませた。しかしその夜、容若は飲み過ぎたと断り、床入りの儀を拒んでしまう。同じ頃、芸初は長慶(チョウケイ)と2人で灯籠をあげていた。芸初は長慶に嫁ぎたいと告白したが、長慶は宦官であることが障害となり勇気が出ない。一方、やけ酒を飲んだ琳琅は酔い覚ましに御花園に出た。偶然、康熙帝が通りかかったが、酔った琳琅は皇帝を容若と錯覚して抱きついてしまう。すると琳琅はふと間違いに気づいて呆然となり、逃げるように帰って行った。端妃に取り入ろうとして失敗した長慶が次に目をつけたのは皇太后だった。皇太后は元気がない愛犬を庭園で遊ばせていたが、ふと長慶が現れ、愛犬を抱いてあやしている。「福貴(フクキ)はお前が気に入ったようだ」こうして長慶は福貴の世話係として皇太后の慈仁(ジジン)宮に移ることになった。芸初は翠雋の次は長慶まで辛者庫から出て行ってしまうと悲しみ、思わず長慶に嫁ぎたいと抱きついてしまう。驚いた長慶は太監では家族が持てないと拒んだが、幼い芸初には何がいけないのか分からなかった。長慶は愛する女子と結婚もできず、皇帝への恨みを募らせた。一方、画珠(ガジュ)は泣きじゃくる芸初に手を焼き、困惑していた。聞いてみれば長慶とどうして結婚できないの分からないという。「当然でしょう?だって太監よ…( ・ノェ・)コショッ」「本当にそれが理由なの?…そんなの平気だって言って来る!」「もう!分からない子ね!」画珠は呆れて出て行ってしまう。婚礼の翌朝、翠雋は夫人らしく容若の身支度を手伝おうとしたが、容若は無意識に拒否した。仕方なく夫を見送る翠雋、しかしその時、容若の書斎に飾られた美人画に目を止める。「これは誰?」「それは(はっ!)あ、存じません」務めを終えて屋敷に戻った容若だったが、書斎にこもって琳琅を思っていた。すると翠雋がそろそろ休むよう声をかける。しかし容若は仕事があるので先に寝てくれとつれない。翠雋は仕方なく戻ることにしたが、その時、また掛け軸の絵に目を留めた。「誰かに似ている気が…」「気の向くまま描いただけだ…」翠雋は今夜もひとり寝することになり、若夫人としての立場がなかった。すると容若が奏でる琴の音が聞こえて来る。「聞き覚えのある曲だわ…」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…翠雋はどちらに転ぶのかな?琳琅を逆恨みするのかな?
2021.09.19
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第19話「翠雋の愛」その夜、なかなか寝付けない康熙(コウキ)帝は小徳子(ショウトクシ)を呼んだ。すると夜番を交代した琳琅(リンロウ)が現れ、世話を始める。どこかぎこちない琳琅と康熙帝、その時、小徳子が慌てた様子で現れた。「皇上!大変です!慎刑司(シンケイシ)から納蘭(ナラン)大人が女官と私通していると報告が!」驚いた康熙帝は外衣も羽織らず飛び出して行った。康熙帝たちは侍衛所の容若(ヨウジャク)の部屋に乗り込んだ。すると寝台に酔い潰れた容若とあられもない姿の翠雋(スイシュン)が横たわっている。2人はすぐ引っ立てられると、その隙に長慶(チョウケイ)は薬を入れた酒を回収しておいた。康熙帝は自ら容若を審問した。「琳琅が嫁入りを拒んだのはこれが原因か?」「皇上…私がそんな男だと?」容若は誰かに薬を盛られたと訴えたが、相手の女官がなぜ部屋に来たのかは分からないという。一方、恵(ケイ)妃も納蘭逸(ナランイツ)から一報を聞いた。しかし相手の女官が琳琅ではないと知り、誰かにはめられたと気づく。その頃、端(タン)嬪はしくじった長慶に激高していた。「この役立たず!どこに目をつけているの?!」長慶はまだ策があると訴えたが、追い返されてしまう。容若と翠雋は収監された。侍衛と女官の私通は死罪、琳琅は皇帝に冤罪を訴えたが、かえって機嫌を損ねてしまう。仕方なく下がった琳琅は、ちょうど皇帝に嘆願に来た恵妃と出くわした。すると恵妃はいきなり琳琅を引っ叩き、結婚を断られて酒で憂さを晴らすようになった容若をさらに追い詰めたと激怒する。「容若に何かあったら、絶対に許しません!」しかし恵妃が弟の濡れ衣を晴らして欲しいと懇願しても、康熙帝は首を縦に振らなかった。長慶はしくじった長禄(チョウロク)を思い切り叩いた。「お前のせいで台無しだ!」「琳琅の部屋から出て来たのでてっきり本人だとばかり…ゥッ」長慶は長禄を慎刑司に突き出すことにしたが、必死にすがる長禄を見捨てることができなかった。「顔は見られたか?」「いいえ、用心していましたから…」容若が薬を盛られたと訴えたことから、翠雋に嫌疑がかかった。翠雋は潔白を訴え、太監から″納蘭大人が呼んでいる″と伝言を聞いたと訴える。しかし肝心の太監の顔が暗くてよく見えず、誰なのか分からなかった。すると翠雋の居所で容若の書が見つかり、証人として辛者庫の姑姑が現れる。「辛者庫では有名な話です、この娘はずっと納蘭大人に片想いしていました」琳琅は獄吏に賄賂を渡し、翠雋と面会した。拷問で傷だらけの翠雋は誰も自分の話を信じてくれないと涙し、納蘭大人とは何もなかったと訴える。実は容若は翠雋を琳琅だと思い込んで寝台に押し倒したが、翠雋に引っ叩かれ、我に返っていた。そこで容若は咄嗟に翠雋に枕を渡し、これで自分を殴れと頼む。翠雋は思い切って頭を叩くと、そこで容若は気を失って倒れた。『だーれん!大丈夫ですか?!』ちょうどその時、皇帝や琳琅たちが部屋に入って来たという。琳琅は公平な皇帝のこと、必ず2人の潔白を証明してくれると安心させた。恵妃は弟を助ける方法を考えあぐねていた。すると納蘭逸の調べで相手の女官が容若を慕っていたと知る。そこで恵妃は牢に翠雋を訪ね、容若を助けられるのは翠雋だけだと説得した。「お前が薬を入れたと証言し、誘惑したことにすれば容若は助かる 弟のために罪を着てくれたら、納蘭一族はその恩を決して忘れません」一方、端妃は長慶を呼び出し、自首するよう迫っていた。皇帝が詳細を調査し、このままでは恵妃も黙っていないだろう。しかし長慶は自分に失うものなどないと開き直り、むしろ困るのは端妃の方だと脅した。長慶が自分を道連れにするつもりだと焦る端妃、そこへ侍女・暁児(ギョウジ)が現れる。実は翠雋が罪を認めたというのだ。端妃は恵妃が女官に言わせたと分かったが好都合、これで長慶も命拾いした。容若は釈放された。康熙帝は奸計による被害だったとして情状酌量し、飲酒ゆえの過失として棒叩き30回および三等侍衛に降格処分とする。驚いた琳琅は翠雋の無実を訴え再調査を嘆願したが、康熙帝は認めなかった。その頃、芸初(ウンショ)は長慶に翠雋が死罪になってしまうと泣きついていた。すると芸初ははたと気づき、翠雋を陥れた者に絶対、復讐するという。「翠雋姐姐を陥れた奴を見つけて殺してやるわ!」芸初は目の前にその敵がいるとも知らず、包丁を握った。琳琅は嘆願を続けた。すると康熙帝が琳琅と翠雋の友情に免じて最期の面会を認めてくれる。琳琅は急いで牢へ駆けつけると、翠雋はちょうど割れた茶碗の欠片で手首を切ろうとしていた。「翠雋!だめよ!絶対に助けるから!…思い詰めてはだめ、私に時間をちょうだい」琳琅は翠雋を救いたい一心で康熙帝に我が身を差し出すことにした。しかし康熙帝は急に服を脱ぎ始めた琳琅に激怒、書物を投げつける。「衛琳琅!何の真似だ!そこまで朕が嫌いか!朕を侮辱しおって!」「お願いです、私が命を差し出します、翠雋をお助けください」「…服を整えろ、出ていけ」万策尽きた琳琅は乾清(ケンセイ)宮の前で嘆願を続けることにした。やがて外は激しい雷雨となる。容若は心配して様子を見に来たが、琳琅は頑として動こうとしなかった。一方、画珠(ガジュ)と芸初は差し入れを持って翠雋と面会していた。「琳琅はなぜ来ないの?」「ずっと乾清宮の前でひざまずいているの」「…ばかね、身体が弱いのに…連れて来て、最期にひと目、会いたい」号泣する3人、実はその時、びしょ濡れになった琳琅がついに倒れていた。琳琅を見守っていた容若は慌てて駆け寄り、このままでは死んでしまうと説得する。「私に構わないで!」すると容若は嫌がる琳琅を抱き上げ、回廊まで運んだ。「君の大切な友なら私が助けよう」容若は皇帝に謁見した。翠雋は確かに薬を使って自分を罠にはめたが、実は自分も翠雋に惹かれているという。「私めに翠雋を賜りたくお願い申し上げます」つづく(O_O)琳琅、何かと引っ叩かれて辛いわ…
2021.09.19
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第18話「交わらぬ心」康熙(コウキ)帝は琳琅(リンロウ)に孤独な胸の内を明かした。確かに妃嬪は多いが政略結婚のため、自分で妻を選ぶ自由はないという。しかし琳琅と出会って人を好きになる喜びを知り、初めて幸せを実感していた。「感謝しておる、美しい思い出を朕に与えてくれたことを… 再会はまるで奇跡だった、贅沢だが退屈だった皇宮での暮らしにそながた光を与えてくれた 他の女子の前では皇帝の面をかぶっているが、そなたの前では自分に戻れる、1人の恋する男に 残念ながら片思いだがな…」すると琳琅は申し訳なくなって御前にひざまずいた。「記憶を失っていなかったら朕を愛したか?」「…皇上、″もし″はありません、過去はひとつです」琳琅は思わず胸に手を当てたが、もう玉の梨の花はない。そこで康熙帝は容若を呼んだ。小徳子(ショウトクシ)が杯をひとつだけ運んできた。すると容若は皇帝の信頼を裏切った罪を命で償うと訴え、迷わず毒酒を飲み干す。「毒だと思ったのか?死をも恐れぬと?」康熙帝は2人の固い絆を目の当たりにし、ついに決断した。「衛琳琅…納蘭容若の妻となることを認める、後日、祝言を」しかし琳琅は自分を騙し続けて来た容若をもはや受け入れられず、思わず断ってしまう。「いけません!皇上!死んでも納蘭大人には嫁ぎません!」←Σ(°∀° ノ)ノ えっ?!琳琅の予想外の反応に驚いた康熙帝はこれが最後の機会だと迫った。「容若に嫁いで生涯、添い遂げると誓うか、さもなくば朕に一生、仕えよ」「宮中で生涯を終えることになろうと納蘭大人に嫁ぐことはありません」琳琅の選択をちょうど2人が御前に呼ばれたと聞いて駆けつけた恵(ケイ)妃も聞いていた。琳琅の思わぬ決断に恵妃は激しく動揺した。納蘭逸(ノウランイツ)はそんな恵妃の様子に心を痛め、琳琅を殺す許可が欲しいと嘆願する。しかし恵妃は琳琅が皇帝に愛されるほど死を願う者は増えると言った。琳琅は再び御前女官として仕えることになった。琳琅のことが気になる康熙帝だが、互いにどう接したら良いのか分からずよそよそしくなってしまう。そんなある日、御膳房で慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監の捜索が始まった。聞けば端(タン)嬪が紛失した首飾りを探しているという。結局、何も見つからず帰って行ったが、長慶(チョウケイ)は咄嗟に粉の中にかんざしを隠していた。翌日は芸初の誕生日だった。そこで長慶は本当なら妹に渡すはずだったかんざしを芸初に贈る。しかしそこへ琳琅が現れ、かんざしを奪い取った。「これは何?出所の分からない物を贈らないで」琳琅はかんざしを投げ捨て、芸初を連れて出て行ってしまう。割れたかんざしを見て呆然となる長慶、まさか目の前にかんざしを渡すはずだった妹が立っていたとは知る由もない。「私の大事な物を全て壊すつもりか…ワナワナ…」琳琅は芸初に手作りの香り袋を贈った。すると芸初はあのかんざしなら盗品ではなく、長慶が子供の頃に死んだ妹のために作ったものだと教える。しかし琳琅は長慶に近づかないよう警告した。恵妃は自分の手を汚さずに済むよう、端嬪に皇帝の心には御前女官の琳琅がいると吹き込んだ。案の定、端妃は琳琅に嫌がらせするため、皇帝に差し入れを届けにやって来る。「皇上のために汁物を作ったの、お前が両手で器を捧げ持ち運びなさい」端嬪は琳琅に熱い器を直接、手で持たせ、わざと長話してから汁物を献上した。端嬪が自慢げに安(アン)嬪に琳琅を懲らしめた話をしていると、小徳子が皇帝からの言付けを伝えにやって来た。「これより半年の間、毎日、太后と太皇太后に汁物を届けるように 自ら煮て、その手で運べ、そうでなければ朕は安心できぬ」端嬪が琳琅に意地悪し、逆に皇帝からお仕置きされたという噂はあっという間に広まった。そんな中、長慶は納蘭大人に大量の酒を差し入れに行く宦官を見かける。実は琳琅との一件以来、容若は酒浸りになっていた。長慶は琳琅へ復讐するため、端嬪に接触した。そこで実は琳琅と御前侍衛の納蘭大人が私通していると吹き込み、妙策があると持ちかける。「良い手立てをご用意しています」「いいわ、上手くいったら褒美を授けます」今や琳琅は容若と目も合わせてくれなくなった。容若は休憩時間に侍衛所の部屋に戻ると、また酒を飲んで寂しさを紛らすしかない。その夜、翠雋(スイシュン)は久しぶりに琳琅を訪ねた。翠雋は実は容若を見かけたと話し、沈んだ顔で酒を飲んでいたが、もしや想い人でもいるのかと気になる。一方、長慶は容若が留守の間に部屋の酒に薬を混ぜておいた。翠雋が琳琅の部屋を出ると、回廊で誰かに呼び止められた。「姑娘、納蘭大人がお呼びだ」すると宦官はあっという間に暗闇の中へ消えてしまう。翠雋は半信半疑ながら、愛しい納蘭大人に会いたくて侍衛所を訪ねた。すると容若は琳琅が訪ねて来たと誤解し、翠雋を抱きしめてしまう。一方、琳琅は小徳子と当直を代わり、皇帝のそばにいた。そうとは知らず、長慶は端嬪に容若と琳琅の私通を報告したが…。つづく(  ̄꒳ ̄)うんうん、確かに″皇帝の恋″だわもしやこのまま皇帝の恋だけで終わったりして〜
2021.09.14
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第17話「蘭の悲しみ」容若(ヨウジャク)と琳琅(リンロウ)の関係は納蘭明珠(ナランメイジュ)の知るところとなった。容若は琳琅のために参内すると言い張ったが、明珠はならば同行して阿布鼐(アフダイ)の娘をかくまったと上奏し、自分1人の命で納蘭家を救うしかないという。すると容若はようやく自分の過ちが納蘭一族を巻き込むことに気づき、力なく腰を下ろした。そこで明珠は息子が病だと偽り、しばらく暇をもらうことにする。「部屋に閉じ込め、一歩も出すな!」しかし容若は見張りを騙して出て行ってしまう。その頃、康熙(コウキ)帝は生死をさまよう琳琅を抱きしめ、必死に励ましていた。すると急に琳琅がうなされ始める。康熙帝は琳琅が誰かを必死に呼んでいると気づき、琳琅が命懸けで愛した人が一体、誰なのか気になった。「一生一世の縁を信じて…ムニャムニャ…」琳琅のうわ言を聞いた康熙帝は、容若も第2話の温泉で同じ言葉を言ったと思い出す。「容若…」その時、小徳子(ショウトクシ)が駆けつけ、納蘭侍衛が来たと伝えた。康熙帝は容若に会おうとしなかった。やがて目を覚ました琳琅は皇帝の寝台にいることに気づき、慌てて床に降りてひざまずく。「皇上、お助けいただき感謝します、私は辛者庫へ…」「そなたの想い人は一体、誰だ?」「もう別れました、ご放念ください」「″一生一世の縁なれど二つに裂かるる悲しみよ″…この詩の作者なのだな?分かった、もう良い」そこで康熙帝は外で嘆願を続けている容若を呼んだ。容若は皇帝に謁見がかない、富喜と引き換えに衛琳琅が欲しいと懇願した。「無礼者め…なぜやらねばならぬ!」康熙帝は思わず容若の胸ぐらをつかんで突き飛ばすと、容若が修理して持っていた梨の花の首飾りが落ちた。「ひとりは信頼する兄弟、ひとりは最愛の女子、まさかその二人が朕を騙すとは!」激怒した康熙帝は思わず宝剣を抜いた。すると琳琅と容若は共に死ぬ覚悟を決める。そんな2人の姿に康熙帝は激しく嫉妬し、2人で死ぬことも許せなくなった。琳琅は再び御前女官に、また容若は正三品(ホン)に昇進した。事情を知らなければ慶事だと思うだろう。しかし恵妃だけはこれが2人を苦しめる罰なのだと分かった。皇帝はどうしても琳琅を忘れられないのだろう。「入内した日から自分なりに覚悟を決めていた…」恵妃はたとえ皇帝が誰を愛そうが初心を忘れまいと自分に言い聞かせた。一方、納蘭明珠は容若が部屋を抜け出して参内したと気づき、戦々恐々としていた。するついにと宮中から皇帝の聖旨が届く。明珠は腹をくくって拝命したが、なぜか息子は昇進していた。皇帝に茶を献上した琳琅、すると康熙帝がよそ見をしたまま手を伸ばしたため茶碗が倒れた。琳琅はその場にひざまずいて謝罪したが、康熙帝は黙って手巾を取り出し、濡れた衣を拭き始める。しかしその手巾は旅先の梨の木の下で拾った琳琅の手巾だった。手巾には″鴛鴦″と″想いはあなたと同じ″という刺繍がある。「朕の勘違いだったのだな…」←というか勝手な思い込み( ̄◇ ̄;)康熙帝は急に虚しくなり、容若を連れて出て行った。康熙帝は久しぶりに修練場にやって来た。ここはかつて容若たちと一緒にオーバイを倒した場所、そこで康熙帝は本気の喧嘩で決着をつけようという。激しく取っ組み合う2人、すると康熙帝は当時、容若には生き残って必ず清国の繁栄を見届けて欲しいと言ったことを思い出し、ふと手を止めた。恵妃は明日の誕生日を前に皇帝を訪ねることにした。するとちょうど修練場から出てくる皇帝を見かけて後を追う。しかし皇帝が黙って琳琅を眺めている姿を目の当たりにし、声もかけずに引き返して行った。辛者庫では琳琅の無事を知った翠雋(スイシュン)たちが喜んでいた。一方、出世を目論む長慶(チョウケイ)は偶然、皇太后が輿の上から落とした手巾を拾う好機に恵まれる。そこで長慶は枝を折って手巾を引っ掛け、いっさい手を触れずに皇太后に届けた。「気遣いができる太監ね…」恵妃の誕生日、承乾宮では酒席を準備していたが、皇帝はすっかり忘れているようだった。しかしその時、皇帝の来訪を告げる声が聞こえる。喜んで出迎えに出た恵妃、実は今日が恵妃の誕生日だと伝えたのは小徳子(ショウトクシ)だった。康熙帝は容若と琳琅を連れていた。すると酒席に着いた皇帝に侍女・沈香(ジンコウ)が余興として遊びをしてはどうかと提案する。「鼓を打って花を回す遊びはいかがですか?負けた者が質問に答えるのです 答えられない時は罰として酒を3杯…」恵妃は侍女を叱ったが、康熙帝は沈香に太鼓を打つよう命じ、大勢の方が楽しいと琳琅や納蘭逸(ナランイツ)も座らせた。沈香は目隠しをして太鼓を叩き始めた。すると皇帝が花が持ったところで太鼓が止まる。「あ…朕が答えるのだな、では恵妃よ、質問は誕生日のそなたが…」「では簡単な質問を…」恵妃は自分の生まれた年を聞いた。しかし康熙帝はど忘れしたのか、自ら罰杯を飲む。そこで恵妃は次に自分が入内した季節を聞いたが、康熙帝は思い出せなかった。「(グビグビグビ…)よし、最後の質問だ」「皇上、私の大好きな花をご存知ですか?」( ̄꒳ ̄)ん…(; ̄꒳ ̄)んん…(; ̄꒳ ̄;)<小徳子…結局、康熙帝は1つも質問に答えられず、罰杯だけで酔いが回ってしまう。気を取り直して2回目、すると今度は容若が花を持った。そこで康熙帝は自分が質問するという。「いつ知り合った?」「…罰を受けます(グビグビグビ)」「答えよ、いつから琳琅を愛したのだ?」「…グビグビグビ」すると康熙帝は酔いにまかせ、琳琅にからんでしまう。「なぜ朕を愛せない?朕が怖いのか?」琳琅は困惑してうつむくと、康熙帝はいたたまれなくなって席を立った。恵妃は皇帝が何1つ答えられなかったことに衝撃を受けた。そんな恵妃を納蘭逸がただ黙って見守っている。「皇上、私はあなたよりひとつ年下、庚子の生まれです、入内したのは秋、大好きな花は蘭…」康熙帝は恵妃が入内した時、蘭の花を下賜していた。その時、恵妃は皇帝から″幽谷の蘭のようになれ″と言われたという。「桃李と艶を争わず、霜雪で色を変えぬ ″蘭は幽谷に咲き 秋 来たりて花 婉婉 我と時を共にし 空山は遠くへ帰らんと欲す″…」これまで決して寵を争わず孤高を貫いて来た恵妃、しかし皇帝にとって何の意味もなかったと知り悲しみに暮れた。都察院(トサツイン)・郭四海(カクシカイ)が陳斌(チンビン)を告発した。陳斌は直隷(チョクレイ)省で起きた干ばつの救済に赴いたが、被災民を少なく報告したため食糧が足りず、民が飢えているという。そこで康熙帝は自分を欺いた罪で厳罰に処すと決めた。すると下がった郭四海と入れ違いに小徳子が現れ、琳琅に皇帝からの薬湯を差し出す。容若は告発された陳斌のこともあり、すっかり毒湯だと誤解した。「皇上、私が代わりに飲みます!」「そちは関係ない」琳琅は迷わず飲み干すと、小徳子が咳が続く琳琅のために皇帝が用意した咳止めだと教えた。翠雋は辛者庫に顔を見せない琳琅を心配し、様子をうかがいがてら小徳子に琳琅の荷物を託した。「琳琅はつつがなくお勤めしていますか?」「あまり…何も聞くな、問題が解決するかは本人次第だろう」小徳子は琳琅の荷物の中に簫(ショウ)を見つけ、皇帝に報告した。「ふっ…そうだったのか」康熙帝はあの時、容若がなぜ自信ありげに簫を吹いているのが女子だと断言したのか分かった。康熙帝は琳琅を隣に座らせ、酒の相手をするよう命じた。「朕は8歳で即位し、10歳の時に実母を亡くした 厳しい皇祖母のもと、朕は名君になろうと努めてきたのだ 14歳で親政を始め、16歳でオーバイを捕らえた… 妃嬪は多いがいずれも政略結婚、朕には妻を選ぶ自由はない」|ω・`).oO(知らんがな@琳琅 つづく(  ̄꒳ ̄)あれ?″一生一世の〜″って翠雋も知ってたよね・・・
2021.09.13
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第16話「傍の恋敵」納蘭逸(ナランイツ)は衛琳琅(エイリンロウ)が記憶を取り戻しつつあると恵(ケイ)妃に報告した。今はまだ自分が何者かまでは分かっていないが、早かれ遅かれ思い出すだろう。そこで恵妃はついに琳琅を始末しようと決めた。しかしそこへ深傷を負った容若(ヨウジャク)が現れ、琳琅の命乞いをする。恵妃は愛する弟の願いを仕方なく受け入れたが、無理をした容若はそのまま卒倒した。康熙(コウキ)帝は琳琅に会いに御薬房へ出かけた。すると琳琅が肌身離さず下げていた首飾りがないと気づく。琳琅はうっかりなくしたと言ったが、その首飾りは容若が怪我を押して懸命に修理していた。そうとは知らず、康熙帝はお茶を運んできた琳琅に実母の形見の指輪を通した首飾りを贈った。琳琅はさすがに恐れ多いと辞退したが、康熙帝は自分にとって一番大切なのは琳琅だという。驚いた琳琅はこれ以上、皇帝を欺くことができず、実はこの8年間、想い続けた人がいると告白した。傷心の康熙帝は兄弟のように信頼する容若にだけは苦しい胸の内を明かした。「天下を握っても愛する女の心をつかめぬとは…何とも滑稽な皇帝だな」まさか目の前にいる容若こそ恋敵だとも知らず、康熙帝は琳琅に想い人がいると教える。「琳琅を悲しませる男が目の前にいたら決して許さぬものを…」←( ๑≧ꇴ≦)後ろ後ろ!結局、康熙帝は琳琅を希望通り辛者庫に戻すことにした。納蘭逸は恵妃に琳琅が辛者庫に戻ったと報告した。理由は分からないが皇帝を怒らせたようで、これを機に自分が害を取り除くと告げる。しかし恵妃は納蘭逸の身を心配した。「お前が身を捨てて悲しむ者がいないとでも思う?この件は忘れなさい」納蘭逸は恵妃の思いやりのある言葉に胸を打たれた。琳琅が辛者庫に戻ると、女官頭・閻(エン)は念のため下手に出た。しかし皇帝が琳琅を気にかけている様子もなく、いよいよ琳琅を見捨たのかと考える。一方、様子見していた長慶(チョウケイ)は再び琳琅に接触し、手を組まないかと持ちかけた。その様子を偶然、芸初(ウンショ)が見かける。すると琳琅はにべもなく断った。長慶が不機嫌そうに帰ると、芸初は慌てて琳琅に駆け寄り、喧嘩でもしたのかと心配する。「もしかして哥哥のことが嫌いなの?」「陰険な人だわ、関わらない方がいい」長慶は琳琅を罠にはめ、ちょうど衣を取りに来た端(タン)嬪の侍女・暁児(ギョウジ)の前でつまずかせた。琳琅は侍女にぶつかって転倒、巻き込まれた暁児は激怒して琳琅の手を踏みつける。すると騒ぎに気づいた閻姑姑がその様子を見に来た。そこで長慶はどうやら本当に皇帝から見限られたらしいと吹き込む。閻姑姑ははやり琳琅が皇帝に見捨てられたと確信し、ほくそ笑んだ。翠雋(スイシュン)は琳琅の手の傷に薬を塗ってやった。すると芸初は最近、琳琅の手の平におまじないの虎の絵がないと気づく。「気が沈むなら描いてみたら?勇気がわくって言ってたでしょ?」そこで琳琅は久しぶりに虎の絵を描いた。恵妃は皇帝が琳琅をまだ気にかけていると気づいていた。そんなある日、琳琅が衣を届けに承乾宮にやって来る。恵妃は琳琅を呼び止め、″不治の重病以外では宮中を出られない″とほのめかした。「本気で出たいならすべきことは分かるはずよ?」玉の輿を夢見る画珠(ガジュ)は端嬪の美しい衣に目を奪われた。誰もいないのを良いことに衣を広げて自分の胸に当ててみると、紛れ込んでいたかんざしが落ちる。喜んだ画珠はかんざしを手に入れ、急いで衣を畳み直して出て行った。すると入れ違いで閻姑姑がやって来る。閻姑姑は琳琅への嫌がらせに、こっそり端嬪の衣を汚しておいた。暁児が端嬪の衣を受け取りに来た。しかし衣の後ろがすすで真っ黒になっている。激怒した暁児は女官頭を呼びつけると、閻姑姑は御前侍女だった琳琅に指図することなど恐れ多いと訴えた。琳琅は仕方なく罰を受けると申し出たが、暁児は叩くのも面倒だと呆れ、3日間ひざまずけと命じて帰ってしまう。すると琳琅が罰を受けた話はすぐ恵妃の耳に入った。康熙帝は琳琅の苦境を知らず、太皇太后と談笑していた。国の繁栄と静かな余生を願うだけだという太皇太后、すると康熙帝は必ず良い皇帝になると約束する。康熙帝はしばらく祖母と書物を楽しみ、御書房の外まで見送ることにした。「この数日、急に寒くなりましたね…雪まで降り出したわ」「皇祖母、外でお寒くないように手套(シュトウ)を作らせました」すると太皇太后は喜んで手を通し、帰って行った。その夜、康熙帝はふと辛者庫まで歩いて行った。まさか琳琅が雪の中でひざまずいているとも知らず、康熙帝は意地を張って会わずに帰ってしまう。その時、琳琅は薄れゆく意識の中、愛しい容若との思い出に浸りながら、ついに倒れていた。翌朝、酔い潰れている容若のもとに恵妃から密書が届いた。「馬車を!早く!」一方、目を覚ました翠雋は急いで琳琅の様子を見に行った。しかし琳琅の姿がない。すると閻姑姑は意味ありげに閻魔様が連れて行ったと笑った。激怒した翠雋は思わず閻姑姑につかみかかったが、画珠と芸初が慌てて止める。「琳琅に何かあったら許さないから!」「ふん、琳琅はここで死ぬ運命なのよ~だ!」その頃、意識を失った琳琅は恵妃の指示で宮外へ運ばれようとしていた。するとちょうど皇帝の一行が通りかかり、宦官たちはいったん止まって拝礼する。康熙帝は辛者庫で誰かが亡くなったと気に留める様子もなかったが、ふと亡骸の手に見覚えのある虎があったと気づいた。「琳琅?…止まれ!」恵妃は城楼から琳琅が運ばれる様子を眺めていた。門の外にはすでに容若が待っている。これで全て解決した、そう思った矢先、突然、皇帝が現れた。「止まれ!琳琅!」宦官たちは門の手前で慌てて担架を降ろし拝礼、すると康熙帝は白い布をめくりあげ、琳琅を抱き抱えて連れ戻してしまう。呆然となる恵妃、一方、知らせを聞いた容若は喀血して倒れた。琳琅を診た太医は手遅れだと言った。しかし康熙帝はあきらめきれない。一方、意識を取り戻した容若は慌てて参内することにした。そこへ父・納蘭明珠(ナランメイジュ)がやって来る。「話は恵妃娘娘の使いに聞いた…どこへも行かせんぞ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ!またしても失敗!www
2021.09.08
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第15話「蘇る記憶」洞窟に閉じ込められた康熙(コウキ)帝と衛琳琅(エイリンロウ)。しかし外に出ていた納蘭容若(ナランヨウジャク)が駆けつけ無事に救出した。「皇上が…あの時の葉三(ヨウサン)哥哥ですか?」「思い出したか、では良児(リョウジ)いう名は?」琳琅は虎の絵を描いてくれた葉三という少年のことは思い出したが、それ以外のことは分からないという。その時、覆面で顔を隠した長慶(チョウケイ)が現れ、皇帝に斬りかかった。容若は曲者の手の甲を斬りつけたが、逃げられてしまう。長慶が御膳房へ戻ると、お土産を待っていた芸初(ウンショ)がやって来た。「お帰りなさい!さんざし飴は?」「…あ、用事が多くて買う暇がなかった、次は買って来るよ」しかしなぜか長慶の顔が真っ黒で、手の甲から血が出ている。驚いた芸初はすぐさま長慶の手の傷を手当てした。ようやく康熙帝が養心殿に戻った。小徳子(ショウトクシ)は安堵し、皇帝の留守をごまかすために皇太后や妃たちが差し入れた汁物を4杯も飲まねばならなかったという。「あ、恵(ケイ)妃娘娘からも杏仁酪(アンニンラク)が… 恵妃娘娘は召し上がるまで待つと仰せで、うっかり完食して器をお返ししてしまいました」「(´-ω-`)ウム…完食したか~って( ゚д゚)何だと!」皇帝は例え好物でも完食しないのが決まりだった。康熙帝は慌てて承乾(ショウケン)宮を訪ね、うっかり杏仁酪を平らげてしまったとごまかす。全てお見通しだった恵妃だったがあえて何も聞かず、皇帝が政務の疲れを癒やせるよう琴を弾くことにした。しかし考え事をしていた皇帝はただ″良い曲だ″と褒めて帰ってしまう。恵妃が披露した曲は入内した日に皇帝が弾いてくれた思い出の曲だった。…もうお忘れなのね…すると納蘭逸(ナランイツ)が戻って来た。神武門で聞いたところ、皇帝は容若と琳琅と3人で宮中へ戻ったという。「琳琅を女官にしたのは失敗ね…あの娘を追い出さなくては」そこで恵妃は明日、容若を呼ぶよう命じた。康熙帝は御花園の築山の奥が崩れていると報告を受けた。そこで早速、自ら視察に行ってみたところ、確かに硝石(ショウセキ)の匂いがする。「皇上、何者かが火薬を用いたようです」それは長慶が密かに爆薬の実験をした場所だった。芸初は長海(チョウカイ)が慎刑司(シンケイシ)の王(オウ)太監に連行されるところを目撃した。そこですぐ長慶に報告し、何でも宮中で硫黄や硝石を隠していた罪だと教える。「花火もお咎めを受ける?」芸初は遠征先で長慶が花火を見せてくれたことを思い出し、知らせに来たのだ。「大丈夫だよ」「誰にも言わないから安心して、だって長慶哥哥は悪い人じゃないもの」しかし長慶は身代わりになった長海を思い、どこか上の空だった。結局、身体の弱い長海は勾留中に死亡、女官の気を引くため花火を作っていたと供述していたという。一方、容若は姉に呼び出されていた。恵妃は大好きな蘭の花を手入れしながら、宮殿に閉じ込められていては花も正気がないとこぼす。「皇上が誰を見初めようが異論は挟めない、でも琳琅だけはだめよ いつか琳琅の素性がばれたら納蘭一族も死罪になるわ」しかし弟が最も恐れているのは大切な琳琅が皇帝を敵と知り、恨み苦しむ姿を見ることだろう。恵妃は皇帝と納蘭一族の安泰のため、何としても琳琅を連れて皇宮を出るよう迫った。琳琅は皇帝に見覚えのある庭の絵を見せた。喜んだ康熙帝は琳琅の記憶を頼りに当時の庭を再現、そこには思い出の梨の木もある。すると琳琅の脳裏に母が兄と自分を呼んでいる情景がよみがえった。…良児…(´⊙ω⊙`)ハッ!<思い出した…思い出しました!私の名は良児です!康熙帝は琳琅に良児と名づけたウサギを返した。すると琳琅はウサギを自由にしてやりたいとカゴから出してやる。2人の距離が近づく中、焦った容若は琳琅に今すぐ何もかも捨てて逃げようと持ちかけた。しかし琳琅は自分の過去を知りながら嘘をついていた容若に不信感を持ち、断ってしまう。追い詰められた容若は納蘭逸の手を借りることにした。そこでその夜、築山に琳琅を呼び出し、納蘭逸が殴って気を失わせ、その間に宮中を出ることにする。しかし準備が整う前に琳琅が部屋で目を覚ました。ちょうど飾ってあった宝剣で手の縄を切ると、その時、馬車を準備した容若と納蘭逸が入って来る。琳琅は咄嗟に短剣を突き出し2人を脅したが、納蘭逸がその手をつかんで阻止した。その手には十字の傷がある。「やめろ、少し外へ」容若は納蘭逸を下げ、一緒に行くしかないと琳琅を説得した。しかし琳琅は納蘭逸が自分を殺そうとしたことを思い出してしまう。「覆面をしていたけど、あの手の傷を覚えている…隠すなら死ぬわ!」容若は覚悟を決めた。愛する琳琅が兄弟のように寵愛してくれる皇帝を憎むことだけは避けなくてはならない。「君の両親は納蘭府の使用人だった 8年前、君の父親と兄さんは犯した罪を認めず、血気盛んだった私は大勢で君の家に抗議に… 君の兄さんが先に手を出して激しい争いになった、不幸にも君の家族はその争いで死んだ 君はまだ10歳、不びんで手を下せず引き取ったんだ」容若は琳琅が苦しむと思って話せず、自分も恨まれたくなかったという。すると衝撃を受けた琳琅は短剣を捨てて部屋を飛び出して行った。琳琅は居所に戻ると、母や庭園の絵をびりびりに破り捨てた。…私は君の敵、優しくしたのは罪滅ぼしだ…いつかこの日が来ると覚悟していた、敵を討ちたいなら私を殺せ容若の言葉を思い出し絶望する琳琅、しかしどうしても信じられなかった。琳琅は庭園の片隅でこっそり家族を弔った。しかし運悪く皇帝に見つかってしまう。私的な弔いは禁止されていたが、康熙帝は追及せず、琳琅に見せたいものがあると言った。康熙帝は城楼へ登り、琳琅に夜景を見せた。「家々の明かりだ、全てそなたの家だと思え」8年間も良児を探し続けた康熙帝、例え琳琅が昔の記憶を取り戻せなくても、これから作る思い出は美しいものになるという。「今から朕がそなたの家族だ」しかし琳琅は皇帝と生死を共にしたのは昔の話で、記憶を失った8年間は自分の心に皇帝がいなかったと言った。翌日、琳琅は納蘭逸を呼び出し、なぜ自分を殺そうとしたのか尋ねた。「覆面をしていたわね、だけど手の傷は覚えている」すると納蘭逸はいきなり琳琅の首に手をかけ、生かしておけば納蘭家に災いをもたらすと脅す。しかし危ないところで容若が駆けつけ、止めた。琳琅は怒りを爆発させた。「納蘭家の者は皆、私を殺そうとする、ならなぜ私を助けたの?!恨むわ…あなたが憎い!」激情に駆られた琳琅は思わず容若の剣を抜いてその胸に突き刺した。しかし容若は殺して構わないという。「ただし約束してくれ、これ以上、詮索せず、できるだけ遠くへ行け」容若は剣先をつかみ、自ら胸に深く差し込んでしまう。驚いた琳琅は剣を捨て、首飾りを引きちぎると、容若と縁を切ると叫んだ。「金輪際、あなたとは赤の他人よ!」容若は呆然と立ちすくみ、琳琅を追いかけることもできない。すると足元には地面に叩きつけられて無惨に割れた玉の梨の花があった。長慶は琳琅を呼び止め、御前太監の件を考えてくれたか聞いた。しかしあっさり断られてしまう。そこで長慶は切り札を出した。「納蘭大人のためでもある、相愛の仲だろう?狩り場から駆け落ちするはずだった それを知って自分の出世のために陰ながら君を助けて来た」「…ごめんなさい、何もできないわ、私を告発すればいい」琳琅が見せた予想外の激しい気性、当てが外れた長慶は恨みを募らせた。納蘭逸は恵妃に琳琅の記憶が戻っていると報告した。「遅かれ早かれ思い出すでしょう、恵妃娘娘の脅威となります 情に流されませぬよう…」つづく(  ̄꒳ ̄)まさか無限ループの悪寒…いや予感?
2021.09.06
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第14話「過去と未来」恵(ケイ)妃は容若(ヨウジャク)を呼び出し、皇帝と衛琳琅(エイリンロウ)の関係を問いただした。しかし容若が何か言おうとした時、自ら言葉を遮ってしまう。「姐姐…」「いいわ…分かってる」恵妃は皇帝の琳琅への気持ちに気づいて困惑した。康熙帝(コウキテイ)が御薬房を訪ねると、ちょうど琳琅が椅子に座って居眠りをしていた。楽しい夢を見ているのか笑顔の琳琅、するとふいに目を覚まして慌てて皇帝に拝礼する。「夢を見たのか?何の夢だ?」「子供の頃の情景です 家の庭で母が作ったお菓子を食べ、隣で哥哥が三角鏢(サンカクヒョウ)の練習をしていました」一方、納蘭逸(ナランイツ)は琳琅を皇帝のそばに置くのは危険だと恵妃に警告していた。「お任せくだされば私が始末します」しかし弟の想い人であり、従妹である良児(リョウジ)を亡き者になどできるはずがない。すると恵妃は手を打つゆえ心配ないと納蘭逸を下げた。辛者庫の女官頭・閻(エン)は罰として杖(ジョウ)責30発と厠の掃除ひと月を命じられた。また通報した長慶には銀50両の褒賞が与えられる。しかし昇進を期待していた長慶は落胆を隠せなかった。辛者庫にやって来た琳琅は門の前で長慶に呼び止められた。琳琅は長慶のおかげで助かったと感謝し、いつか恩返ししたいという。そこで長慶は御前太監になれるよう皇帝に売り込んで欲しいと頼んだ。「君にも何かと便宜を図れるし…」「私にそんな力はありません」琳琅は断ったが、長慶は考えてみて欲しいという。戸惑いながら芸初(ウンショ)に菓子を差し入れた琳琅、そこで長慶がどんな人か聞いた。「何だか怪しいの…」「いい人よ?だって姐姐を助けた…考え過ぎよ~ムシャムシャ」康熙帝は琳琅が記憶を取り戻せるよう尽力した。琳琅の母の味を探そうと、何種類もの干菓子を作らせて味見させる。また兄と石を投げて遊んでいたと聞けば、一緒に庭園で再現した。真実を知る容若は皇帝が懸命になればなるほど不安が募る。そんなある日、乾清宮で控えていた容若は回廊の物音に気づいて様子を見に行った。どうやら小徳子(ショウトクシ)が宮女とぶつかって大事な書類をぶちまけてしまったらしい。実はそれは皇帝が絵師に描かせた庭の絵だった。驚いた容若は拾うのを手伝いながら、咄嗟に袖口に何枚か隠してしまう。琳琅は記憶を頼りに母の似顔絵を描いていた。すると康熙帝がやって来る。琳琅はおぼろげながら自分にも母がいて、とても愛されていたと感じると話した。確かに母さえ忘れていたのなら、自分を覚えていないのも仕方がない。康熙帝は妙に納得し、今度は琳琅に庭園の絵を渡した。「感謝いたします、皇上」「記憶が戻り朕を思い出したら、もうかしこまる必要はない」容若は急いで御薬房の火鉢で盗んだ庭の絵を燃やした。しかしそこへ琳琅がやって来る。容若は慌てて土瓶を戻し、最後の絵を丸めて慌てて袖口に入れたが、立ち上がった時にうっかり落としていた。「何をしていたの?」「何も…」すると自分の生い立ちに疑問を持ち始めた琳琅は、本当に生まれてすぐ孤児になったのか聞いた。「そうだ」「嘘じゃないのね?…私たちの愛に賭けて誓える?」「愛があるなら何も言わずに私を信じろ」容若はなぜか不機嫌そうに帰ってしまう。琳琅は断片的ながら幼い頃の楽しかった情景を鮮明に思い出すようになった。そこで容若に両親が見守るそばで兄と遊んでいたと訴え、本当は自分の家族がどこかにいるはずだと疑う。問い詰められた容若は琳琅に家族がいたのは事実だが、かえって余計に悲しむと思ったと釈明した。「じゃあ皇上と私はどこかで会っていたの?」「…もう君の心に私はいないんだな、愛がなくなったから私を疑うんだろう? 夢に見るほど皇上を思っているのか?自分の過去と私、君にとって大事なのはどちらだ?」康熙帝は琳琅の身上書を取り寄せた。…女官・衛琳琅、包衣奴僕・衛冠清(エイカンセイ)の娘…衛家の長男は病のため夭逝、時を経ずして両親も死去琳琅は容若の言った通りだと落胆したが、康熙帝は他に縁者がいないか調べるよう命じた。しかし琳琅は記憶が戻らないのは思い出したくない経験をしたからだと話し、過去よりも現在と未来を大事にしたいと諦めてしまう。康熙帝は琳琅に負担を与えてしまったと反省し、御薬房に花を飾るよう命じた。そこで小徳子が鉢植えを運び入れ帰って行ったが、机を動かしたせいで容若が落とした紙が見つかる。琳琅は不思議そうに紙を広げると、それは見覚えのある庭の絵だった。琳琅は小徳子に他の庭の絵を返却した。その時、容若もこの絵を見たと知って動揺する。一方、容若は皇帝から琳琅の記憶を取り戻すことに失敗したと聞いて安堵した。そこで御花園に琳琅を呼び出し、2人で宮中を出ようという。しかし琳琅は容若から手を離した。「過去とあなた、どちらが大事かと聞いたわね、だから私はあなたを選んだ では答えて、あなたには過去と私、どちらが大事なの? 私が大事なら真実を教えて、あなたの口から聞きたいの」琳琅は御薬房で拾った絵を見せた。「私が昔、暮らした家ね、なぜ隠そうとするの?…真実を教えて!」容若は困惑していると、琳琅は失望して帰ってしまう。まさか事実を話せるはずがなかった。あの時、皇帝の聖旨で自分の父が琳琅の家族を皆殺しにしたなどと言えるものか。一方、あきらめきれない康熙帝は太医から記憶を取り戻す方法を聞いていた。すると一緒に思い出の場所を訪ねてはどうかと勧められる。そこで康熙帝は琳琅と容若を伴い皇宮を出た。しかしちょうど街に買い物に出かけていた長慶がお忍びで歩いている3人を見かける。長慶は芸初のためにサンザシを買おうとしていたが、急いで爆薬の材料を買いに向かった。康熙帝たちは馬を駆り、とある山道へやって来た。するとあらかじめ待っていた刺客役の侍衛たちが現れ、襲いかかる。実は康熙帝は8年前に起こった出来事を再現、一芝居うって琳琅の記憶を刺激しようと考えた。康熙帝は琳琅を連れて追っ手から逃げるふりをしながら、刀で道端の岩に″三″と削った。その様子を見た琳琅は急に記憶が蘇り、確かにこの道を夢で見たと訴える。すると近くの洞窟に荒れ寺があると思い出し、皇帝を案内した。康熙帝はこの洞窟で何があったか話して聞かせた。しかし琳琅はまだ詳細まで思い出すことはできない。容若は記憶が戻ることを恐れて早く出ようと促したが、康熙帝は少し外に出ているよう命じた。長慶は急いで爆薬を作り、皇帝たちを追って荒れ寺へやって来た。しかし容若がひとりで出て来る。そこで長慶はわざと音を立て、容若を洞窟から引き離した。その間に洞窟の入り口に爆薬を置き、導火線に火をつけてしまう。「ここがお前の墓場だ」ドッカーン!容若は爆発音に驚き、慌てて戻った。洞窟の入り口がふさがれ、琳琅は次第に息苦しくなった。不安になる琳琅を見た康熙帝はあの時と同じように手の平に虎の絵を描いてやる。すると琳琅はふいにその時の情景を思い出した。「(はっ!)あなたなの?」その時、懸命に石をかき出していた容若が洞窟に入って来た。つづく( ๑≧ꇴ≦)いやどう見ても筆ペン!wそしていつの間にか乗馬ができるようになった琳琅
2021.09.06
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第13話「恵妃への懇願」辛者庫(シンジャコ)の芸初(ウンショ)は太監・長慶(チョウケイ)に思いの丈をぶつけた。「何日もずっと考えてた、私、何をしてしまったんだろうって…ゥッ…仕事にも身が入らない 避けている理由を教えて欲しい、これじゃ辛いの」すると長慶は芸初の手の火傷に気づき、黙って手当てしてから肉餅(ロービン)を食べるよう勧めた。「私を避けないと約束してくれたら食べるわ」「約束するよ」長慶は健気な芸初をこれ以上、傷つけることができなかった。納蘭容若(ナランヨウジャク)は姉を訪ね、衛琳琅(エイリンロウ)と宮中から出たいと懇願した。「琳琅なしでは私は一生、不幸です!3年も待ったのです、これ以上は待てません!」恵(ケイ)妃はなぜ弟がこれほど急ぐのか分からなかったが、確かに琳琅が記憶を取り戻せば面倒なことになる。「今のうちに外へ出すのもいいでしょう、策を考えます」康熙(コウキ)帝は琳琅の希望を叶え、辛者庫の洗濯係に戻した。辛者庫と言えば宮中で最も身分が卑しく、つらい仕事ばかり与えられる。夜明け前には起床し、子の刻まで休めず、食事も満足にはできなかった。病で死んだ者は皇宮の外に捨てられてしまう。康熙帝は琳琅が心配で居ても立っても居られなくなり、辛者庫へ駆けつけた。しかし琳琅は仲良しの芸初・画珠(ガジュ)・翠雋(スイシュン)と楽しそうに笑っている。初めて見る琳琅の屈託のない笑顔、康熙帝は自分が間違っていたと気づき、黙って引き返した。亡き玉箸(ギョクチョ)の代わりに新しい女官頭・閻(エン)姑姑がやって来た。すると閻姑姑は早速、ふざけていた琳琅たち4人に尻打ちの罰を与える。しかも食事抜きを言い渡され、傷も癒えぬうちから仕事を命じられた。琳琅は腰の痛みを我慢しながら後宮へ妃の服を届けに行った。すると納蘭逸(ナランイツ)に呼び止められ、恵妃が呼んでいるという。その時、琳琅は納蘭逸の手の甲に十字の傷痕があることに気づいた。琳琅は3年ぶりに恵妃と再会した。『お前を娶れば容若は一生、出世できない、身を引いて欲しいの 容若のために全て忘れて、二度と会わないで…』『お別れすると約束します』恵妃はあの時のことを思い出しながら、やはり容若と琳琅は幼なじみで絆が強いのだと実感した。互いに忘れられないのは情が深い証拠なのだろう。そこで薬瓶を授けた。「皇宮の規則では重病の女官は暇を出されるわ、2日後、辛者庫に迎えの者をやります」琳琅が下がると、納蘭逸は甘すぎると苦言を呈した。しかし恵妃は琳琅を失って傷つき、苦しむ弟の姿を見たくないという。居所に戻った琳琅は薬を飲んでその時を待った。一方、琳琅が辛者庫に戻ってからというもの、康熙帝は元気がなくなり、食欲もない。そこで自分が口を付けなかった料理を辛者庫に下ろすよう命じた。閻姑姑たちはまた琳琅に言いがかりをつけてきた。琳琅は薬のせいで体調が悪かったが、画珠をかばって洗い物をやり直すと申し出る。その様子をちょうど料理を運んできた長慶が見かけた。閻姑姑たちは厨房で皇帝から下賜された料理を見つけた。しかし長慶が現れ、これは琳琅の分だという。「どんな力があるか分からない人です、怒らせて万一のことがあると…」長慶はわざと閻姑姑をたきつけた。閻姑姑は生意気な琳琅に腹を立て、ちょうど洗い終わった琳琅の洗濯物を手に取り、そのまま捨てた。「洗ったばかりなのにどうして…」「口答え?…誰か叩いて」驚いた芸初たちは琳琅をかばったが、閻姑姑はならば4人を叩くという。仕方なく琳琅は自分の無礼を認め、自ら罰を受けると言った。その間に長慶は小徳子(ショウトクシ)に琳琅が罰を受けていると報告に向かう。一方、容若は納蘭逸から恵妃の伝言を聞いて安堵していた。「″手はずは整えた、ここで待て″と…」琳琅は恵妃の使いが来るまで何とかこらえていた。すると閻姑姑は弱音を吐かない琳琅に痺れを切らし、自ら激しく折檻する。やがて琳琅はついに耐え切れなくなり、ばったり倒れた。その時、知らせを聞いた康熙帝が現れ、琳琅を抱きかかえて連れて行ってしまう。そうとは知らず、納蘭逸は辛者庫へ琳琅を迎えにやって来た。しかしすでに康熙帝が連れて行ってしまったという。納蘭逸は恵妃に計画の失敗を伝えた。しかも康熙帝が琳琅を抱いて運んだと知り、恵妃は動揺を隠せない。その頃、琳琅を虐待した閻姑姑たちは震え上がっていた。意識を失った琳琅は家族が襲撃される夢を見て飛び起きた。「阿娘!」すると康熙帝が現れ、傷だらけの琳琅の手に薬を塗ってくれる。「そなたが昔を思い出していたら冷たい態度を取らないはずだ、今後は朕のそばにいてもらう 記憶を取り戻す手立てを考えよう、もし思い出しても離れたいと思うなら自由にするよ」琳琅は1人になると手の平に書いた虎の絵を眺めた。断片的に蘇る母や兄の面影、皇帝が持っていた見覚えのある良児(リョウジ)の手巾…。『知りたくないか?過去に何が起きて何を忘れたのか…』皇帝の言う通り、琳琅は自分が何を忘れているのか気になった。容若は御花園の築山に合図の梨の花を置いた。するとその夜、琳琅が現れる。「ごめんなさい、約束を破ったわ…」容若は琳琅の傷だらけの手を見て胸が痛んだ。「辛い目に遭わせてしまったね…まずは養生してくれ、他の手を考える」琳琅は思わず容若の胸に身体を預け、ようやく安心する。「あなたといると心が休まるわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)あ〜惜しい!あと1歩だったのに〜
2021.09.05
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第12話「紫禁城の妃たち」康熙(コウキ)帝はひと月ぶりに紫禁城に戻った。慈寧(ジネイ)宮には皇太后と妃たちも揃い、華やかに皇帝を出迎える。太皇太后はなぜ帰京が遅れたのか気になり、納蘭容若(ナランヨウジャク)を呼んで平安な旅だったのか探りを入れた。狩場で起きたことは他言無用と厳命していた康熙帝はこうして無事だったとごまかし、早々に容若を下げて事なきを得る。すると皇太后は密かに端(タン)嬪に目くばせした。端嬪は刺繍を施した巾着を献上して皇帝の気を引こうとした。しかし安(アン)嬪が負けじと手作りの弓籠手(ユゴテ)を献上してしまう。太皇太后は2人の刺繍を見て感心したが、やはり針仕事は恵(ケイ)妃が一番だと言った。そこへちょうど恵妃が現れる。恵妃は自ら遅れた罰を請い、皇帝の好物である杏仁酪(アンニンラク)を作っていたと説明した。一枚上手の恵妃に皇太后も思わず苦笑い、すると喜んだ太皇太后は恵妃を罰するどころか褒美を出すという。「容若、入りなさい…そなたたち姉弟は久しぶりの再会、2人だけの時間を与えましょう」その頃、衛琳琅(エイリンロウ)は御前女官としてしきたりを学んでいた。姉弟水入らずの時間を賜った恵妃と容若、そこで容若は狩場で琳琅に会ったと報告した。「気づくべきだった、琳琅を宮中に入れたのは姉上の策だったと…」「お前たち2人のためです」しかし容若は再会したからには必ず取り戻すと断言した。琳琅は政務中の皇帝に茶を献上した。すると琳琅に気づいた康熙帝が気分転換に散歩のお供をして欲しいという。実は康熙帝は琳琅との思い出に狩場にあった梨の木を庭園に移植させていた。「あの夜、この木の下で出会いそなたを知った、この木を見ればあの夜のそなたを思い出す」しかし琳琅はふと寂しそうな表情になる。「美しいものはなぜ儚いのでしょう、永遠に散らない花があったらいいのに…」「この世に永遠に散らぬ花はきっとある」そんな2人の様子を遠くから容若が見ていた。容若は琳琅を待ち伏せし、物陰に引っ張って行った。御前女官に想いを寄せるなど反逆になるが、それでも引き下がれない。容若は琳琅が望むなら万策を講じて逃すと言った。「ここを出たいか残りたいか聞かせてくれ」「…御前勤めはしたくない、宮中を出るわ」2人は互いに策を考えようと約束、すると康熙帝が命の恩人である琳琅に褒美を与えると言った。望みを聞かれた琳琅はこの機に乗じ、思い切って辛者庫(シンジャコ)に戻りたいと懇願する。「あちらの生活の方が性に合っているのです」しかし琳琅を手放したくない康熙帝は乾清(ケンセイ)宮でも辛者庫と同様に過ごせばいいと言った。端嬪と安嬪はことあるごとに寵愛を争って揉めていた。小徳子(ショウトクシ)が敬事(ケイジ)房から夜伽札を運んでいるのを見れば互いの札の場所を争い、我先に夜食の差し入れに来ればかち合ってしまう。すると端嬪と安嬪は皇帝の前で言い争いとなり、うんざりした康熙帝は静かに過ごしたいと言って出て行った。康熙帝は恵妃の承乾(ショウケン)宮に逃げ込んだ。すると全て察していたように恵妃は皇帝の好きなお茶を献上する。そして好みの書物を渡すと、黙って隣で刺繍の続きを始めた。夜も更けると康熙帝は帰って行った。恵妃は黙って見送ったが、側仕えはどうして引き止めないのか困惑する。「私は一時の寵愛より、細く長~い絆が良いの」この後宮で皇帝を理解できるのは自分だけ、恵妃はそう自負していた。一方、長慶(チョウケイ)は皇宮に戻ってからというもの、芸初(ウンショ)を避けていた。芸初は理由がわからず、次第に食事ものどを通らなくなってしまう。「芸初、私ではいけない…」復讐のため宦官となった長慶、男でなくなった自分には芸初を愛する資格がないとあきらめた。琳琅は皇帝の治療を受けてから、時折、子供の頃の夢を見るようになった。その夜、兄の夢を見た琳琅、まさかすぐそばに大好きな兄がいるとは夢にも思わない。一方、長慶も琳琅が生き別れた妹だとも知らず、悪巧みをしていた。「皇上を殺すためには身近におらねば…お前たちの秘密をどう利用してやろう?」長慶は良児(リョウジ)に渡せなかったかんざしをながめながら、容若と琳琅の密会を思い出していた。琳琅は容若に自分に兄がいなかったか聞いた。驚いた容若はいないと否定し、それより早く皇帝から離れるよう迫る。「分かってる、安心して」琳琅は踏み台に上がって梁を掃除していた。すると手のひらに蜘蛛が落ち、驚いて足を踏み外してしまう。しかし運良く、ちょうど戻って来た康熙帝が落下した琳琅を抱き止めた。琳琅は慌ててその場で叩頭し、何度も何度も謝罪する。その姿を見た康熙帝は胸が痛み、辛者庫に戻ることを許した。芸初は仕事に身が入らず、慈仁(ジジン)宮の洗濯物の火のしを忘れた。罰として1日食事抜きを命じられた芸初、その様子を物陰から心配そうに長慶が見ている。そこで長慶はこっそり肉餅(ロービン)を置いて姿を消したが、芸初はすぐ長慶の差し入れだと分かった。芸初は厨房の長慶を訪ね肉餅を返した。「避けたいなら別にいいの、でも見守ってくれるのはなぜ? …私は何も食べたくならない、だからこれは返します 何日もずっと考えてた、私、何をしてしまったんだろうって…ゥッ…」芸初は涙ながらに避けている理由を知りたいと訴えた。つづく(TㅅT)芸初…かわいそう~それにしても琳琅の虎の絵ってタトゥーかw
2021.09.01
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第11話「濡れ衣の報復」逃避行に失敗した納蘭容若(ナランヨウジャク)と衛琳琅(エイリンロウ)。すると康熙(コウキ)帝は自分が死ぬところだったというのに、昨夜はどこにいたのかと容若に聞いた。驚いた容若は狩場で飲み過ぎて当直を忘れたとごまかし、自ら罰を請う。しかし康熙帝は真相を徹底的に調べることが罰だと言った。居所を調べた琳琅は確かに御前女官の服が一着ないと容若に報告した。皇帝との関係を否定したい琳琅、しかし容若は耳を貸さず、捜査に戻ってしまう。一方、芸初(ウンショ)は長慶(チョウケイ)に手作りの靴を贈った。「破れていたでしょう?履き替えて」しかし女官と宦官の間での贈り物は賄賂とみなされ禁止されていた。芸初が居所へ戻ると、衛兵たちが天幕をしらみつぶしに調べていた。すると芸初の布団の中から御前女官の服が発見される。琳琅は何かの間違いだと訴えたが、容若は芸初を連行してしまう。実は容若は真犯人をあぶり出すため、あえて芸初を投獄したのだった。芸初が連行される様子を見た長慶は玉箸(ギョクチョ)を呼び出した。長慶は芸初に手を出すなと釘を刺したが、玉箸は鼻で笑う。「まさかあの娘に惚れたの?ふん、女を愛する資格があるのは男だけ、お前は男?」すると玉箸は芸初のために復讐をあきらめるつもりかと迫り、自分たちは一蓮托生、おとなしくしていろと脅した。琳琅は芸初を心配しながら御前勤めを続けた。頭痛がするという皇帝のため、あんまをする琳琅、すると皇帝との距離が近づき思わず顔が赤くなる。すると康熙帝はそんな琳琅を見て、昔と変わらないと喜んだ。容若は落とし穴が川岸に掘られていたことから、犯人の靴に泥がついているはずだと気づいた。そこで女官に自分の靴を持って集まるよう命じる。すると洗濯女官たちの靴には泥がついていた。川に行けば当然、靴が汚れるが、洗濯で日に何度も行くため、わざわざ拭かないという。そんな中、なぜか玉箸だけは靴がきれいだった。「見苦しくなったので泥を落としました…」長慶は芸初を心配し、仕事にも身が入らなかった。すると長禄(チョウロク)が駆けつけ、なぜか納蘭大人が女官の靴を調べていると報告する。長慶は靴と聞いてひらめき、急ぎ長安(チョウアン)と長勝(チョウショウ)の私物を燃やすよう命じた。捜査を続けていた容若たちは川辺で何かを燃やしている宦官を見つけた。「だーれん、これは長安と長勝の遺品です、罪人の遺品があっては縁起が悪いので…」すると容若は遺品の靴の刺繍に見覚えがあった。長慶は玉箸を待ち伏せしていた。驚いた玉箸はこんな時に訪ねて来るなと憤慨する。「これが最後だ、お前がもし自首するなら私が呉応熊(ゴオウユウ)の敵を打ってやる 2人が共倒れになれば長年の計画が水の泡だ …お前はもう崖っぷちだぞ?今の話をよく覚えておけ」 長慶の言葉は脅しではなかった。容若は玉箸を連行、長安と長勝の燃えかけの靴を見せる。実は2人の靴には玉箸の靴と同じ刺繍があった。「出身も調べた、3人は雲南の出でこの雲柄を好む一族だそうだな?」「同郷のよしみで私が作って贈りました」玉箸はしらを切るつもりだったが、そこへ長慶が現れた。長慶が靴を持っていることに気づいた玉箸は助言を思い出し、態度をひるがえして罪を認めた。愛する人の復讐を託し、自分が犠牲になることを選んだ玉箸、すると長慶は芸初の助命嘆願に来たと上奏する。「あの晩、私は芸初と一緒でした…私にこの靴を縫ってくれたのです」長慶が持っていた靴は芸初が刺繍したものだった。芸初は釈放された。しかし女官と宦官の私的な取引は罪になるため、長慶と芸初は並んで尻打ちの刑を受けることになる。2人は手を握って励まし合い、共に苦難を乗り越えて絆を深めた。芸初はあの優しい玉箸が刺客だとは信じられなかった。しかし長慶は本当に優しい人などこの世にいないという。「そんなことないわ、琳琅姐姐、画珠(ガシュ)姐姐、翠雋(スイシュン)姐姐、みんな優しいもん あ、もちろん長慶哥哥も優しいわ、心から信頼できる!そうでしょう?」「そうだな…」康熙帝は政務に追われ、食事も後回しだった。そこで琳琅は厨房へ向かい、自ら料理を作って献上する。康熙帝は喜んで平らげると、琳琅の顔についた粉を落としてやった。そこへ運悪く容若が現れ、2人の仲睦まじい様子に目を背ける。気まずい琳琅は玉箸に面会したいと嘆願、許しをもらって慌てて幕舎を出て行った。琳琅は差し入れを持って玉箸を訪ねた。しかしもはや玉箸に優しい女官頭の面影はない。「あんな暴君、殺されて当然よ!」玉箸は皇帝のたった一言で心から愛した人が目の前で殺されたと嘆いた。愛する人が自分の腕の中で息を引き取る絶望、いっそ一緒に死にたいと願ったという。「奴は私にとって不倶戴天の敵よ!死んだら悪鬼となって絶対に復讐してやる!」玉箸は思わず琳琅の首を絞め、衛兵に引き離された。康熙帝は明日、帰京すると決めた。そこで元気がない琳琅を誘ってしばし散策する。すると琳琅は玉箸の皇帝暗殺の動機を聞いて心が傷んだと吐露した。しかし康熙帝は情に流されては国を治めることができないという。琳琅は自分の身の上も知らず、同じ境遇になれば自分も誤った道を選んでしまうだろうと言った。「そんな目には決して遭わせたりせぬ」その夜、玉箸は割れた器の破片で手首を切った。まだ幼い頃、空腹に耐えかね、露店の饅頭を盗んだ玉箸。玉箸はすぐ捕まって殴る蹴るの暴行を受けたが、それでも饅頭を食べ続けていた。すると呉応熊が現れ、玉箸を引き取ってそばに置いてくれる。もはや思い出すのは幸せだった呉応熊との日々だった。「応熊…やっとあなたの元へ行けるわ…」(ヾノ・∀・`)イヤイヤ、普通は痛いだけですから、良い子の皆は真似しないでねw康熙帝は密かに天幕に戻る琳琅の背中を見送った。「生まれて初めて人を愛したが苦しいものだな…」しかし容若は何も答えられない。こうして康熙帝はひと月にわたる遠征を終え、紫禁城に戻った。皇上、お帰りなさい!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔつづく( ๑≧ꇴ≦)やっと帰ってきました紫禁城!
2021.08.31
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第10話「逃避行」衛琳琅(エイリンロウ)の失った記憶を何としてでも取り戻したい康熙(コウキ)帝。一方、皇帝への復讐を企む長慶(チョウケイ)は妹・良児(リョウジ)が生き延びていたとも知らず、その面影を芸初(ウンショ)に重ねていた。康熙帝は琳琅を馬場に引っ張り出し、半ば強引に自分の馬に乗せて駆け出した。あの時と同じ体験をさせれば琳琅の記憶が戻ると期待した康熙帝、しかし琳琅をただ怖がらせただけに終わる。その時、納蘭容若(ナランヨウジャク)が急いで追いかけて来た。琳琅は皇帝と2人で馬に乗っている姿を容若に見られ、慌てて馬から降りようとして転落してしまう。「琳琅!大丈夫か?」「…このような厚遇は身に余ります」琳琅は逃げるように帰ってしまう。すると容若は太皇太后が回宮を待っていると報告した。その夜、容若と琳琅は2人で遠くへ逃げようと決めた。しかしそんな2人の密会を長慶に見られてしまう。長慶は翌朝、玉箸(ギョクチョ)を呼び出し、思わぬ好機が来たことを告げた。琳琅は体調が悪いと嘘をつき、夜番を休んだ。小徳子(ショウトクシ)から聞いた康熙帝は表向き散歩へ行くと告げ、琳琅の様子を見に行こうと決める。一方、辛者庫(シンジャコ)の天幕では、玉箸が寝たふりをして琳琅の動向を見張っていた。やがて夜が更けると、琳琅は外套をまぶかにかぶってそっと天幕を出て行く。玉箸は琳琅が幕営を出るのを確認すると、御前女官の衣に着替えた。琳琅は梨の木の下で容若と合流、2人は取るものも取り敢えず逃げ出した。その頃、琳琅の見舞いに来た康熙帝は偶然、幕営を出て行く琳琅らしき女官の姿を見かける。そこで琳琅の後を追いかけたが、突然、背後から何者かに殴打され、気を失った。長慶は川辺に穴を掘り、気絶した皇帝を入れてふたをした。康熙帝の聖旨一枚で皆殺しにされた阿布鼐(アフダイ)の一族127人、皇帝に近づくため″宦官″が何かも知らないまま宮中へ入り、自らの名も人としての尊厳も捨て、復讐を糧に生きて来た。「死の恐怖を存分に味わうがいい、もがき苦しみ、絶望する姿が見たい 教えてやる、地獄とは何かをな…」すると皇帝を探す衛兵たちの声が聞こえて来た。隠れ家に戻った長慶はひとりかんざしを眺めていた。「良児(リョウジ)、敵は討った、もう少ししたら哥哥もそちらへ行く」そこへ琳琅に扮して皇帝を誘き出した玉箸がやって来た。玉箸は早く皇帝を始末しないと厄介だと訴えたが、長慶は楽に死なせる気はないという。皇帝がなかなか見つからず、小徳子は鏑(カブラ)矢を放って全員に急を知らせた。馬を駆けていた容若はその音に気づき、皇帝に何かあったと知る。「琳琅、すまない、皇上を見捨てては行けない、戻らねば」「はお、私も一緒に行く!」朝になっても皇帝は見つからなかった。結局、引き返した容若と琳琅、そこで琳琅は急いで小徳子の元へ向かう。すると皇帝は梨の木の下にいた琳琅を見かけ、ひとりで追いかけて行ったと知った。「私は容若といたのに、なぜここで見かけたと?」琳琅は梨の木の下に立ち、必死に皇帝に呼びかける。しかし穴の中の康熙帝は意識がなく、口もふさがれているため助けを呼ぶことができなかった。その時、琳琅は地面の一箇所だけが不自然だと気づく。そこで地面を触ってみると、土の下に硬い感触があった。驚いた琳琅は土をかき出し蓋を発見、その下から皇帝を見つけ出す。「助けてーっ!誰かぁぁぁ!」様子をうかがっていた玉箸は2人もろとも殺そうと短剣を抜いて近づいたが、衛兵たちの足音を聞いて断念した。玉箸はとどめを刺さなかった長慶に怒りを爆発させた。「追及されたら私たちはおしまいよ!」「落ち着けよ、お遊びは始まったばかりだ」しかし玉箸は自分の正体がばれた時は道連れだと釘を刺した。康熙帝の意識が戻った。琳琅の無事な姿を見て安堵する康熙帝、しかし琳琅は梨の木の下には行っていないという。「皇上の見間違えでしょう」困惑する康熙帝だったが、またしても命を救ってくれた琳琅との縁を深く感じ、もはや琳琅なしでは生きられないと告白した。しかし琳琅は戸惑いを隠せず、薬を見て来ると断って幕舎から出て行ってしまう。すると入れ替わりに容若がやって来た。康熙帝は昨夜の状況を説明し、一行の中の誰かが自分の命を狙っているという。そこで容若は償いの意味も込め、徹底的に捜査し、必ずや下手人を見つけ出すと約束した。容若は琳琅に扮した女を探し出すため、女官をしらみつぶしに調べた。しかし昨夜、玉箸は天幕で催眠香を焚いて出かけたため、芸初(ウンショ)たちは何も知らない。一方、康熙帝は琳琅に箏を弾いて欲しいと頼んだ。今回は琳琅も素直に拝命し、皇帝が好きな″揺り籠の歌″を弾くことにする。ちょうど皇帝の幕舎にやって来た容若は箏の音を耳にし、すぐ琳琅だと分かった。容若は皇帝に疑わしい女官はいなかったと報告した。すると康熙帝はまだ衛琳琅の調査が残っているという。容若は仕方なく琳琅にいつも梨の木の下で皇帝と会っていたのか聞いた。困惑する琳琅、そこで康熙帝が代わりに証言する。「梨の木の下で会ったのは3回だ、最初は木の下で舞う姿を見た 2回目は川辺で人知れず泣いていた 3回目は刺繍を施した手巾を落として行った」康熙帝は琳琅の姿だけはなぜか心に深く刻まれると言った。つづく
2021.08.30
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第9話「毒入り杏仁酪」納蘭容若(ナランヨウジャク)は衛琳琅(エイリンロウ)との結婚を待ち望みながら、愛しい琳琅の絵を書いていた。すると小徳子(ショウトクシ)が天幕に訪ねて来る。「納蘭大人、明日、皇上の幕舎へお越しください、きっと良いお話でしょう」琳琅は皇帝の機嫌を取るため杏仁酪(アンニンラク)を作ることにした。すると玉箸(ギョクチョ)と芸初(ウンショ)が手伝いに来てくれる。琳琅は完成した杏仁酪を早速、届けることにしたが、思わず手の平に描いたまじないの虎の絵を見つめた。「大丈夫、怖くない…」一方、長慶(チョウケイ)は芸初に手作りの菓子を差し入れた。幸せそうに点心を頬張る芸初、長慶は思わずその顔をじっと見つめてしまう。「私の顔に何か付いているの?」「いや…私には妹がいたんだ、君と同じで美味しいものが大好きで、良く食べていた でも10歳で死んだんだ…」「ごめんなさい、悪いこと聞いちゃって…でもこれからは私を妹だと思って」「そうするよ」すると芸初は長慶からの提案を琳琅に伝え、姑姑と一緒に杏仁酪作りを手伝ったと話した。きっと皇帝は喜び、褒美がでたらお裾分けがあるという。長慶は笑顔で聞いていたが、玉箸と聞いてぴんと来た。琳琅は手作りの杏仁酪を皇帝に差し入れた。杏仁酪は偶然にも皇帝の好物、康熙(コウキ)帝は小徳子が漏らしたと疑ったが、琳琅は自分の得意なものを作っただけだという。ともかく毒見をして皇帝に献上した琳琅、すると康熙帝は皿をひっくり返し、小徳子に下がれと怒鳴った。「衛琳琅、楽器ができるのか?」「私は…その~本当はできます」康熙帝はひざまずいた琳琅を自ら立たせてやると、自分を恐れる必要はないという。「そなたが朕を想うように、朕もそなたを想っている、分かるか?思い出してくれ …あの日はそなたの10歳の誕生日で、そなたは盗賊にさらわれた 朕も刺客に追われ、深手を負っていた、我らは共に逃げた、そして洞窟に隠れた…」すると琳琅の様子がおかしくなって来た。「良児(リョウジ)、怖がるな、これからは朕が守ってや…」琳琅は突然、皇帝の宝剣を抜き、襲いかかった。剣術に長けた康熙帝はあっさり琳琅を捕まえたが、琳琅はそのまま気を失い倒れた。康熙帝はすぐ侍医を呼んで診せたところ、因陀羅散(インダラサン)にあたっていると分かる。薬では症状を抑えることしかができず、解毒するには冷水に浸かる必要があった。そこで康煕帝はかんこう令を敷き、琳琅を自分の幕舎で治療すると決める。その時、容若が幕舎にやって来た。すると小徳子が現れ、事情があって今日は取りやめだと伝える。容若は仕方なく引き返し、いつもの待ち合わせ場所に向かったが、琳琅はいなかった。康熙帝は献身的に琳琅を看病した。その甲斐あって琳琅は目を覚ましたが、杏仁酪に毒が入っていたと知り呆然、無実を訴える。しかし康熙帝は琳琅を疑っていなかった。「そなたは子供の頃、朕の命を救った、敵であるはずがない、利用されたのだ やっと見つけた以上、朕は二度とそなたを手放さぬ」( ˙꒳˙ )?<…皇上、何の話かまったく分かりません 回復した琳琅は辛者庫の天幕に戻ることにした。するとふと幼い頃の記憶が蘇る。『誰かを待っていたような気がするんです…でも思い出せない』『君が待っていた相手は私だよ』琳琅は自分の過去に何かあると考え、容若なら知っているはずだと気づいた。一方、康熙帝は侍医から記憶喪失について聞いていた。侍医の話では頭部に深手を負い、さらに心に衝撃を受けると、それまでの記憶を失って大切な人のことさえ忘れてしまうことがあるという。康熙帝はあの時、確かに良児が辛い目に遭っていたと気づき、琳琅がどうして何も覚えていないのか合点がいった。康熙帝は容若を呼び、女官の衛琳琅が作った杏仁酪に因陀羅散が混入していたと教えた。毒見した琳琅が毒に当たったと聞いた容若は思わず取り乱し、皇帝に怪しまれてしまう。「琳琅が心配なのか?」「犯人を取り逃したくないだけです…アワアワ」すると康熙帝はすでに厨房を出入り禁止にしてかんこう令も敷いたと教え、一刻も早く真相を明らかにするよう命じた。厨房が封鎖されると、長慶は玉箸を呼び出して警告しておいた。「せっかく長勝(チョウショウ)を利用して事件を終わらせたのに…愚かだな 早く始末をつけろ、自分の身代わりを探すべきだ」容若は元気な琳琅の姿を見て安心した。すると琳琅が10歳の誕生日に何があったか教えて欲しいという。容若は琳琅に凧を贈ったと話したが、琳琅はならば良児という娘を知っているか聞いた。「皇上が私を良児だというの、子供の頃いつも誰かを待っている気がしていた あなたは自分を待っていたと言ったわね?本当にそうなの?」「…ああ、君は私の琳琅だ、良児なんかじゃない!」容若は思わず琳琅を抱きしめた。「ええ、私は琳琅よ、分かってるわ、あなたは嘘をつかない」琳琅は皇帝の幕舎で冷水に浸かり解毒を続けていたが、やがて身体が衰弱、意識を失った。解毒するためには冷水浴が必要だが、これ以上、続けることはできない。残る方法は劇薬だけ、しかしかなり身体が冷えるため、体温を一定に保つ必要があった。そこで康熙帝は薬を飲ませた琳琅を抱きかかえ、一緒に温泉に浸かる。すると琳琅は朦朧としながら葉三(ヨウサン)の記憶がよみがえり、安心して皇帝の肩に手を置いた。一方、衛兵が琳琅の杏仁酪作りを手伝った女官が2人いたことを突き止めた。そこで密かに2人の監視を開始する。追い詰められた玉箸は手作りの靴と服を持ち、同志の長安(チョウアン)を訪ねた。長安は大きな過ちを犯したという姑姑のため、自分が後始末をすると申し出る。「恩返しができるなら命も惜しみません」こうして長安が捕まった。厨房に忍び込み、因陀羅散入りの杏仁粉にすり替えようとしたところを見つかったという。琳琅は仲間たちに風邪を引いたと嘘をついていたが、犯人が捕まり真相を明かした。長安は呉三桂(ゴサンケイ)からの命で皇宮に潜入したと白状し、結局、都へ護送中に自害したという。玉箸は黙って話を聞いていたが、犠牲になった長安を思うと気が咎めた。その夜、玉箸は密かに長安と長勝を弔った。そこへ長慶が現れる。同志の2人が亡くなり、手駒は衛琳琅だけとなった。「そうね…使い道を考えるわ」琳琅は最近、幼い頃の不思議な夢を見るようになった。そこで容若に何か隠していることがないか聞いてみる。容若は幻覚を生じる毒だったせいだとごまかしたが、琳琅の記憶が戻るのではと不安になった。「これから君を賜りたいと皇上にお願いに行って来る、待っていてくれ」康熙帝はウサギを眺めながらまだ迷っていた。琳琅をそばにおくべきか、約束通り容若に婚姻を下賜するべきか。するとちょうど容若がやって来た。康熙帝はやはり二度と良児を失うことはできないと気づき、容若に良児への思いを打ち明ける。「8年前、朕が刺客に襲われた日のことを覚えているか? 実は侍衛が駆けつける前に朕はある女児に命を救われたのだ 再会の約束を交わしたが、福佑(フクユウ)寺で1日待っても現れなかった 8年間、探し続け、そしてついに見つけたのだ、しかも娘は私を慕っている…」康熙帝はその娘が簫の吹き手だったと明かし、御前女官の衛琳琅だと教えた。容若が言った通り好きな相手に出会ったら全力で手に入れたい。康熙帝は容若に衛琳琅を与えられないと伝えた。容若は恐れていたことが現実となり呆然となった。皇帝に見染められた琳琅をどうして奪うことができようか。容若は琳琅の元へ戻ったが、声をかけずに引き返した。康熙帝は琳琅に侍医の治療を受けさせた。すると琳琅は夢の中で8年前の記憶の断片が甦り、思わず″葉三″と叫んで飛び起きる。康熙帝は葉三と自分を思い出したと喜んだが、琳琅は戸惑うばかりだった。つづく( ̄▽ ̄;)冷水で解毒って…しかも今さら犯人が毒を持って厨房に潜入するとか…ねえ?w
2021.08.30
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Life第8話「簫の吹き手」納蘭容若(ナランヨウジャク)は簫の吹き手を見つけたと報告しようとしていた。しかし康熙(コウキ)帝は思い通りにならない衛琳琅(エイリンロウ)との関係に憤り、耳を貸す余裕がない。さらに官吏の横領を告発する上奏があり、康熙帝の機嫌がいっそう悪くなった。琳琅は皇帝に楽器ができないと嘘をついたことを後悔した。罪を償うには御前に仕えて皇帝の機嫌を取るしかない。琳琅は一度は辞退した御前勤めを願い出たが、康熙帝は追い返した。しかし幕舎の前で嘆願を続ける琳琅の誠意を認め、その日から御前勤めを命じる。安堵した琳琅だったが、心配をかけまいと容若には御前勤めを秘密にした。こうして皇帝の機嫌を直し、容若との婚姻を認めてもらおうと懸命に仕える琳琅、しかし康熙帝はわざと冷たい態度を取ってしまう。そこで琳琅は小徳子に皇帝の好物を教えて欲しいと頼んだ。驚いた小徳子は大罪になると声をひそめ、警護上の問題で教えることはできないという。「お好みに乗じて皇上を狙う者が現れかねない、好き嫌いを知られてはならんのだ」実は皇帝はたとえ好物でも、味見程度にしか食べられなかった。琳琅は容若に皇帝の好みを聞いてみた。好物はわからなかったが、実は立派な皇帝だと知る。また皇帝は″毒が消えるまでは″と自らウサギの世話をしていた。琳琅は皇帝を誤解していたと知り、次第に皇帝への印象が変わって行く。一方、長慶(チョウケイ)は琳琅が結局、御前女官になったと聞いた。ある日、小徳子が持病の関節痛で倒れた。琳琅は小徳子の代わりに皇帝の世話を買って出たが、寝支度まで手伝うことに気づいて困惑する。その頃、夜番だった容若は偶然、配下たちの噂話を耳にした。「前に捕らえた女官を覚えているか?」「琳琅とか言ってたな?それが何か?」「皇上のお目に留まり、御前勤めになったらしい」( ꒪ω꒪).oO(御前勤めに…ザワザワ琳琅はどうしても皇帝の衣服を脱がすことができなかった。仕方なく康熙帝は自分で着替えることにしたが、その時、肌身離さず持っている手巾が落ちる。後ろを向いていた琳琅はふと足元に落ちた手巾に気づき、慌てて拾った。「どうかしたか?」「ご無礼を、手巾を落としました」「ん?それは朕の手巾だ」その時、康熙帝は琳琅が手巾の刺繍を見て自分の物だと勘違いしたことに気づき、ついに良児(リョウジ)と認めてくれたと歓喜した。「良児、もう放さない、そばにいてくれ!」しかし琳琅は困惑し、人違いだと訴え下がってしまう。容若は琳琅が御前女官になったと知り、皇帝の幕舎へ駆けつけた。すると琳琅が逃げるように飛び出して行くのを見る。驚いた容若は幕舎へ駆け込むと、康熙帝が手巾を握りしめてしゃがみ込んでいた。2人は互いに鬱憤を晴らすため、川辺に出てしばし相撲の腕くらべで汗を流す。「皇上、お心が通じぬ者にお怒りなのですか?」「違う、嘘をつかれたことに怒っているのだ」(  ̄꒳ ̄)何だこの流れ…w容若に御前勤めが知られた。琳琅は皇帝の心をほぐそうと努力していると話したが、容若は琳琅が心変わりしないか不安になる。「私を疑うの?」(  ̄꒳ ̄)あ、今日は2人のリップの色が違うわw容若は不安が拭えず、競べ馬の後、皇帝に縁談の許しを得ようとした。しかし小徳子に皇帝は機嫌が悪いと止められてしまう。一方、川辺に出た琳琅はひとり物思いにふけっていた。「″身分の低い私とあの方では立場が違いすぎる、結末が幸せとは限らない″か…」琳琅は容若に想いを寄せる翠雋(スイシュン)の切ない言葉を思い出し、現実を見ようと決めて手巾を捨ててしまう。散策していた康熙帝は偶然、仕事へ戻る琳琅の背中を見かけた。すると梨の木の下で琳琅が捨てた手巾を拾う。手巾には鴛鴦と″想いはあなたと同じ″という刺繍があった。「苦しんでいたのだな…」←( ˙꒳˙ )何が?康熙帝が幕舎に戻ると琳琅が茶を献上した。「濃すぎる、朝露を集めて入れた茶の清々しさには遠く及ばぬ」そこで琳琅は翌朝早く、朝露を集めることにした。康熙帝は遠くからその様子を見て、琳琅が自分を思いやってくれていると確信する。一方、芸初(ウンショ)は琳琅のため、長慶に男の人が喜ぶ方法は何かと聞いた。すると長慶は美味しい物を作ってくれたら嬉しいという。良児を慈しむように芸初に惹かれて行く長慶、しかし玉箸(ギョクチョ)は愛する人の死を思い出しては恨みを募らせていた。琳琅は皇帝から所望され、″揺り籠の歌″を披露した。喜んだ康熙帝は褒美を授けると決め、望みがあるか聞く。すると琳琅は急にひざまずいた。「皇上、この先、私が過ちを犯してもお許しくださいますか?」「分かった、約束する、立つが良い」琳琅は喜んで容若のもとへ急いだ。「朗報があるの!何かは明日まで内緒よ?」翌日は美しい月夜だった。康熙帝は幕舎を出て夜空を眺めていたが、その時、簫の音が聞こえて来る。すると小徳子があの夜の簫ではないかと思い出した。早速、吹き手を探しに向かう康熙帝、一方、巡回中の容若はこれが琳琅からの″朗報″だと気づいた。琳琅が天幕に戻ると、芸初が嬉しそうにやって来た。「皇上を喜ばせる手を見つけたわ!姐姐が得意な杏仁酪(キョウニンラク)を作ったらどう?」そんな2人の話を玉箸が聞いていた。簫の吹き手は琳琅だった。康熙帝は″楽器はできない″と言っていた琳琅の言葉が嘘だったと知り、呆然としながら幕舎へ戻る。何より賭けに負けたからには容若に琳琅を譲らねばならなかった。つづく(  ̄꒳ ̄)まだ草原なんですけど…このまま草原で終わるのか?w
2021.08.29
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第7話「将来の夢」衛琳琅(エイリンロウ)との再会を果たした納蘭容若(ナランヨウジャク)は皇帝に婚姻の許しをもらおうと決めた。しかし康熙(コウキ)帝は良児(リョウジ)のことで頭がいっぱい、なかなか切り出す機会がない。一方、琳琅は銅銭を使って容若との将来を占っていた。そこへ容若に想いを寄せる翠雋(スイシュン)が現れ、自分も占いたいと言い出す。「納蘭大人の妻になれるでしょうか?」翠雋が茶碗に銅銭を3枚いれて振ると、3枚とも表が出た。「キャアー!納蘭大人と結婚できるー!(ハッ!)こんなの当たるわけないじゃん!」( ̄▽ ̄;)ごもっとも…琳琅と容若は人目を忍んで会うようになった。容若は遠征のおかげで琳琅と再会できたのも縁だと喜ぶ。宮中なら乾清(ケンセイ)宮と辛者庫(シンジャコ)で一生、会えなかっただろう。「もう離れない、ずっと君だけを待っていた 結婚の許しがもらえなければ君の年季明けを待つよ…」一方、辛者庫の厨房では長禄(チョウロク)が不当に罰を受けていた。長慶(チョウケイ)は職権を乱用して弱い者いじめする掌事(ショウジ)太監に憤慨し、代わりに罰を受けると申し出る。すると打たれて間もなく慶事(ケイジ)房の太監が現れ、先の刺客逃亡阻止の功により長慶が厨房の掌事太監に昇進したと伝えた。琳琅は偶然、足を引きずりながら歩いている宦官を見かけた。「お薬を持って来ましょうか?少々をお待ちを…」長慶はあの時の娘だと気づいて驚いた。「私で良ければ服を洗いますよ?」琳琅は同じ辛者庫の者同士、遠慮はいらないという。「私は衛琳琅、洗濯女官です」「長慶だ」長慶は目の前にいる琳琅が生き別れた妹だとは知る由もなかった。琳琅は容若が皇帝から結婚の許しをもらえるのを今か今かと待っていた。しかしそれより先に康熙帝が琳琅を呼び出し、御前女官に命じてしまう。早速、琳琅に″揺り籠の歌″を箏(ソウ)で弾いて欲しいと頼む康熙帝、困惑した琳琅は思わず楽器ができないと嘘をついた。「本当に楽器は何もできません」その時、小徳子(ショウトクシ)が急報を持って駆けつける。清軍が呉三桂(ゴサンケイ)の永興(エイコウ)城を攻め落としたと知った康熙帝は大喜び、歌どころではなくなり琳琅は解放された。御前女官に命じられた琳琅は辛者庫で羨望の的となった。皇帝への引き立てを期待し、各房から次々と贈り物が届く。そんな琳琅を玉箸(ギョクチョ)が意味ありげに見つめていた。翌朝、琳琅は容若との結婚を考え、皇帝に御前女官を辞退したいと申し出た。「皇上にお仕えするのが怖いのです、私は不器用なので、何か粗相をして斬首になるのではと…」しかし康熙帝は琳琅が自分と関わるのが嫌で、遠く離れていたいのだと考えた。琳琅は罰を請うたが、傷ついた康熙帝は何も言わず琳琅を帰してしまう。長慶は天幕の影で琳琅からもらった打身の薬を塗っていた。すると芸初(ウンショ)が現れ、鶏肉をくれる。「盗んだんじゃないわ、琳琅姐姐が御前女官になったの、またご馳走にありつけそうよ!」芸初の可愛い恩返しに笑みがこぼれる長慶、しかし一方で復讐も忘れていなかった。そこで御前女官になる琳琅を利用しようと思いつき、早速、接触する。しかし意外にも琳琅は御前勤めを辞退していた。長慶は前掌事の長福(チョウフク)に盗みの罪を着せ、尻打ち100回を命じた。容赦無く仕返しする長慶、結局、長福は80回で息絶えてしまう。「あと20回だろう?…最後までやれ」密会を重ねる容若と琳琅。容若は今日こそ皇帝に縁談を申し出むと伝えた。喜んだ琳琅はその夜、久しぶりに容若からもらった玉の簫(ショウ)を箱から出してみる。一方、康熙帝は良児への募る思いを紛らわせるため、容若を誘って剣術の手合わせに興じた。2人は互角の戦いを繰り広げたが、容若がふと笛の音に気づいて手が止まり、康熙帝はその一瞬の隙をついて勝利する。すると康熙帝も笛の音に気づいた。「…この曲は″小重山(ショウジュウサン)″か、いい音色だ」そこで小徳子に箏を持って来るよう命じ、合奏する。梨の木の下でひとり簫を吹く琳琅の耳にもその箏の音が届いていた。容若はその笛の音が琳琅の簫だと分かっていた。康熙帝は吹き手が男か女かわからなかったが、容若は柔らかな音色なので女子だという。そこで康熙帝は賭けをしようと持ちかけた。「もし吹き手が品のある美女ならお前の妻にしよう…」まさに願ったり叶ったり、容若は喜んで皇帝の言葉に従うと言った。小徳子は早速、簫の吹き手を探しに向かったが、該当者は見つからない。天幕に戻った画珠(ガジュ)はてっきり笛を持っている琳琅だと思ったが、琳琅は否定した。|ω・`).oO(皇上には楽器はできないと言っちゃった…秘密にしなくちゃ辛者庫での仕事に戻った琳琅、するとせっかく干していた洗濯物が踏みつけられていた。そこへ康熙帝がやって来る。「元気にしているか?」琳琅は御前女官を辞退した自分への罰だと気づき、顔へのいたずら書きは消したが、皇帝の足跡を洗っても良いかと聞いた。すると小徳子が嫌がらせしていた姑姑たちを連れて来る。驚いた琳琅は慌ててひざまずき、姑姑たちも悪気はないのだと訴えた。康熙帝は結局、見逃したが、自分を責めながら姑姑たちをかばうのかと呆れる。そこで小徳子に勅命を下して戻って行った。「衛琳琅は辛者庫に戻ってはならぬ、残りの洗濯は別の女官に…」容若は琳琅に結婚の許しが出ると報告した。実は皇帝から昨夜の簫の吹き手が女子なら妻にするよう言われたという。「琳琅、嫁入り支度を始めろ」「ぁぁぁ…」琳琅は困惑した。蕭を吹いたと言えば皇帝を欺いた罪になり、吹いていないと言えば容若と結婚できない。しかし容若は早速、小徳子に簫の吹き手を見つけたと報告しようとしていた。つづく(  ̄꒳ ̄)えーと…このままずっと草原にいるの?(笑
2021.08.29
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第6話「再会」良児(リョウジ)に自分を思い出させようと躍起になる康熙(コウキ)帝。そこで顔に大きな虎の絵を描いて試したが、無駄に終わった。記憶がない衛琳琅(エイリンロウ)は人違いだとしか答えようがなく、皇帝の真意ははかりがたい。一方、復讐のため宦官・長慶(チョウケイ)となった阿思海(アシカイ)は生き別れの妹がすぐ近くにいるとも知らず、密かに爆薬を作っていた。翌日、衛兵・阿林(アリン)は納蘭容若(ナランヨウジャク)に3日間の当直記録を提出した。すると記録に″衛琳琅を拷問した″とある。容若は琳琅が辛者庫(シンジャコ)の洗濯係だと知って慌てて探しに向かったが、行き違いになった。痺れを切らせた康熙帝は琳琅を呼び出し、結局、自ら思い出を語った。琳琅がかつて良児と名乗り、自分も葉三(ヨウサン)と偽ったこと、あの時も良児が怪我をした腕に蝶の形に手巾を結び、″揺り籠の歌″を歌ってくれたという。「すべて偶然の一致だとでも?虎の絵も朕が良児に描いてやったものだ、それも偶然だと?」「皇上、私は良児ではありません、嘘は申しておりません、本当に何も知らないのです」ちょうどその時、琳琅が皇帝に呼ばれたと聞いた容若が幕舎に駆けつけた。小徳子(ショウトクシ)は入らないよう止めたが、容若は強引に乗り込んでしまう。「皇上!」「おお~容若か」驚いた琳琅はうっかり皇帝の碁石を床に落としたが、そのまま呆然と立ちすくんだ。ついに3年振りの再会を果たした琳琅と容若、すると小徳子は粗相をした琳琅を急いで下げてしまう。康熙帝は容若を誘って散策に出かけた。実は8年前に特別な出会いがあり、二度と会えないと思っていたが、奇跡に再会を果たしたという。「なのに喜べない、理由は分からぬが相手は朕を知らぬと言い張るのだ まるで過去を忘れたかのように…なぜなんだ?」「私が思うに皇上のお立場に配慮し深交を避けたのでしょう、謙虚な方です」琳琅は容若との再会で動揺し、ひとり川を眺めていた。すると容若が駆けつけ、愛し合う2人は固く抱き合う。「3年だ、やっと会えた!ずっと信じていた、必ず会えると」しかし琳琅は急に容若を突き放し、御前侍衛と辛者庫の女官が個人的に面会すれば規則違反になると言って帰ってしまう。急によそよそしくなった琳琅に困惑する容若、実は琳琅には容若を受け入れられない理由があった。3年前、かねてから良児を好きだった容若は玉で作った梨の花の首飾りを琳琅に贈り、永遠の愛を誓った。そこで父に琳琅との縁談を頼んだが、納蘭明珠(ナランメイジュ)は激怒、強行するなら今日限りで親子の縁を切ると宣言する。容若は家より愛する琳琅を選び、2人は駆け落ちを決めて待ち合わせした。しかし琳琅は明珠から息子を思うなら身を引いて欲しいと頼まれ、黙って姿を消してしまう。康熙帝が琳琅を探していると、梨の木の下で琳琅が泣いていた。小徳子から失態を叱られたと思った康熙帝は、辛者庫ではなく他の職務に就かせようと思いつく。しかし琳琅は卑しい身分だが辛くはないと断り、年季が明けるまで平穏無事に暮らしたいだけだと言った。康熙帝は容若が言った通り、琳琅が自分の立場を考えて気遣っているのだと誤解する。「分かった、だが過去を忘れることは許さぬ、これから先のことも…良いな?」容若は頑な琳琅の心をほどこうと川辺で凧を上げた。すると辛者庫の幕営からも青空を泳ぐ凧が良く見える。琳琅と容若の思い出がつまった凧、かつて2人は度々一緒に凧揚げをしたものだった。『私も凧のように高く飛びたい…糸は君の手に』しかしふいに糸が切れて凧が落ちてしまう。その様子を見た琳琅はしみじみ容若とは一緒になれない運命なのだと思い知った。琳琅がひとり川辺で洗濯していると、非番の容若が現れた。容若は隣に座って洗濯を手伝いながら、自分の心は変わっていないと訴える。「…凧の糸を握るのは君だ」しかし琳琅は子供の頃のたわいもない約束など忘れたと言って洗濯物を干しに行ってしまう。すると林の中でちょうど木に引っかかった凧が目に止まった。琳琅はどうしても凧を取りたくなって木に登ったが、足場の枝が折れそうになり身動きが取れなくなってしまう。その時、容若が駆けつけた。「危ないぞ!下りろ!抱き留めてやるから!琳琅!私を信じて思い切って飛び降りろ!」容若は飛び降りた琳琅をしっかり抱き留めた。必死に凧を取ろうとした琳琅の心には自分がいる、容若はそう確信して一緒に遠くへ行こうという。「ダメよ…私と行けばあなたは翼を失う、夢も叶えられないわ あなたがあなたでなくなってしまう…そんな姿は見たくないの」すると容若は皇帝に琳琅との縁談を賜ると決めた。その夜、辛者庫の食いしん坊な女官・芸初(ウンショ)は厨房で残り物の饅頭を手に入れた。しかし運悪く長慶に見つかってしまう。芸初は咄嗟に饅頭を2つに割り、半分渡すので見逃してくれと訴えた。すると長慶は芸初の姿に良児の面影が重なり、残り物の饅頭を捨て、わざわざ新しい肉まんを渡す。芸初は優しい宦官に必ず恩返しすると約束したが、長慶は辛者庫の女官に何ができるのかと呆れた。「それがね、うちの姐姐が皇上に見初められたの、御前女官になれるかも? 肉まんをたくさんもらえたら分けてあげます!」その夜、琳琅たちは将来の話で盛り上がった。年季が明けたら嫁ぐ相手がいるのかどうか、相手は親が決めた許嫁なのか。すると翠雋(スイシュン)は憧れの容若に嫁ぎたいと語り、画珠(ガジュ)は皇帝と結婚して正妃になりたいと言った。そんな大それた夢を見る2人をよそに、芸初は優しい人を見つけて静かに暮らしたいという。そこへちょうど玉箸(ギョクチョ)が帰って来た。芸初は思わず姑姑にも皇宮を出たらどうするつもりか聞いたが、玉箸は死ぬまで宮中に仕えるという。翠雋はまだ琳琅だけが話していないと気がついた。「私?私は心から私を愛してくれる人なら、すべてを捨ててついて行く もし死ぬまでに出会えなければ、独りで死んでも構わないわ…」その話を聞いた玉箸はなかなか眠れなかった。かつては愛しい人との幸せな結婚を夢見ていたこともあった玉箸、するとその時のことを思い出し、独り涙してしまう。容若は皇帝に縁談の許しをもらうことにした。しかし康熙帝は例の娘のことで頭がいっぱい、切り出すきっかけがなかなかつかめない。「お前の言った通りだった…教えてくれ、朕はどうしたら良い?」「私なら好きな相手は全力で手に入れます、で皇上、実は…」「その通りだ!必ず手に入れて見せる!」( ゚ェ゚).oO(いや聞けよ…つづく(  ̄꒳ ̄)んーもしかして全員が同じリップだったりする?w
2021.08.23
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第5話「罰は落書き」ウサギを返してもらうため、落とし物を探して来ると嘘をついた衛琳琅(エイリンロウ)。すると玉箸(ギョクチョ)は冷えないよう自分の外套を着せて送り出してくれた。まさか外套が罠だと知らず川辺にやって来た琳琅、やがて約束通りウサギを連れた葉三(ヨウサン)がやって来る。琳琅は籠を受け取り、ウサギに″揺り籠の歌″を聞かせながら帰ることにした。その歌声を聞いた康熙(コウキ)帝はやはり琳琅が良児(リョウジ)だと確信して引き止める。しかし琳琅はやはり人違いだと言った。その時、琳琅の手の平に自分が書いた虎の絵を見つける。康熙帝は思わず琳琅の手を握りしめて感激したが、驚いた琳琅は葉三の足を踏みつけ、ウサギを置いて逃げ帰ってしまう。その頃、長慶(チョウケイ)は琳琅と同じ外套を着て川辺の近くにいた。すると警戒中の衛兵たちが気がついて走って来る。長慶はわざと焚き火の近くに因陀羅散(インダラサン)を落とし、逃げ出した。後を追った衛兵たちは同じ外套を着ていた琳琅を発見、琳琅はわけも分からず連行されてしまう。康熙帝は曲者が捕まったと聞いて様子を見に来た。しかし天幕から出て来た衛兵の話では曲者も口が固く、ウサギを探していたと言い張っているという。何でも葉三という侍衛と会っていたと訴えているが、そんな名の衛兵はいなかった。康熙帝は捕まったのが琳琅だと気づいて慌てて天幕へ入ると、琳琅は葉三の姿を見て安堵し、気を失ってしまう。康熙帝は自分の幕舎で琳琅を休ませた。「8年もの間、そなたを探し続けた…まさかこれほど近くにいたとは」するとようやく琳琅が目を覚ました。しかしいきなり康熙帝を引っ叩き、葉三のせいで刺客と間違われ拷問されたと憤る。怒りが治らない琳琅は思わず枕をつかんで葉三を叩こうとしたが、その時、小徳子(ショウトクシ)が飛び込んできた。「止めないか!皇上に何と無礼な事を!早くひざまずきなさい!」ピキッ(*˙꒳˙)<…皇上? コクッ(゚ェ゚(。_。*)収監された琳琅が朝になっても戻らず、辛庫者では女官たちが心配していた。すると琳琅が戻って来る。女官たちが喜んで琳琅を出迎える中、玉箸は計画が失敗したことに驚きを隠せなかった。そこでそれとなく琳琅に刺客が捕まったのか聞いてみたが、琳琅は何も知らないという。琳琅を診察した侍医は大事はないと報告した。安堵した康熙帝は数日ほど琳琅に休みを与えると決める。そこへ刺客の捜索に追われる納蘭容若(ナランヨウジャク)がやって来た。実は海(カイ)統領が飛び降りた崖を調べたところ、やはりからくりがあったという。崖にはつるがあり、何者かがよじ登った形跡があった。恐らく海統領は上着を脱がされた状態で事前に突き落とされ、その後、下手人が海統領の服で飛び降り、遺体に上着を着せたのだろう。すると康熙帝は海統領と陳(チン)統領を殺したのは同一人物だと気づき、容若に真相を突き止めるよう命じた。玉箸は衛兵たちの噂話を聞いて驚いた。実は陳統領を殺したのは海統領ではないと分かり、どうやら納蘭大人が下手人に目星をつけ、じきに捕縛できるという。焦った玉箸は長慶に自首するよう勧め、自分たちを巻き込まないよう頼んだ。長慶はあっさり自首すると決めたが、その前に新しい靴を作って欲しいという。「私は死罪になる、新しい靴を履いて死ねば来世は幸せになれるらしい」しかし長慶は玉箸の靴を手に入れると、同志の宦官・長勝(チョウショウ)に渡した。「姑姑からだ、言伝を預かっている…」長勝は玉箸からの指示だと誤解、皇帝の捶丸に付き添う衛兵を襲って身替りになった。そこで康熙帝が別の棒を所望した時、棒の中に隠していた剣を引き抜いて襲いかかる。康熙帝は咄嗟に回避して暗殺は失敗、長勝は慌てて逃げ出したが、その途中、長慶の荷車にぶつかって倒れた。「敵は討ってやる」長勝は騙されたと気づいたが手遅れ、その場で自害した。長勝の居所で因陀羅散と呉三桂(ゴサンケイ)の密書が発見された。また長勝が現場から逃走する際、使った暗器は陳統領の傷口と符合し、それが凶器だと判明する。康熙帝は長勝の素性を調べるよう命じ、長勝を捕まえた太監に褒美を出した。玉箸は勝手に振る舞う長慶に激怒した。しかし長慶は悪びれる様子もなく、これで一件落着したという。「そう怒るな、長勝は捨て駒だが、私は役に立つ…ふっ」すると手柄を立てた長慶にやたらと媚を売る宦官が現れた。名前は長禄(チョウロク)、出世した折には自分を引き立てて欲しいという。悪い気はしない長慶、こうして一歩ずつ皇帝に近づくことで確実に手を下せると期待した。康熙帝はウサギを眺めながら琳琅のことを思い出していた。そんな皇帝の様子に気づいた小徳子は皇帝を喜ばせようと琳琅を呼びに行く。女官たちは皇帝に見初められたのだと羨ましがったが、琳琅はこれまでの無礼を思い出し、戦々恐々だった。琳琅は自ら罪を認め、皇帝に洗濯させたり、蹴飛ばしたり、引っ叩いたことを謝罪した。すると康熙帝は琳琅をそばに呼び、自分を思い出せば全て許すという。琳琅は困惑して二度と無礼を働かないと約束したが、康熙帝はやはり罰を与えると決めた。そこで自分を思い出せるよう、琳琅の顔に墨で虎の絵を書いてやる。「完成だ、そなたは愚かでまったく進歩がない、戻ったら朕の言葉をよく考えよ」「はい」「下がれ」琳琅の顔を見た女官たちは大笑いだった。しかし皇帝から賜った以上、自分で勝手に落とすことはできない。琳琅は女官たちの失笑を買いながら仕事を続ける羽目になったが、またすぐ御前に呼ばれた。「なぜ洗わぬ?」「皇上のご褒美ですから…」そこで康熙帝は琳琅をまたそばに呼び、自ら拭いて落としてやった。「感謝します」「で、思い出せたか?」「いいえ、何も思い出せません」「チッ、もっと大きな虎を描いてやらねば…」驚いた琳琅はひざまずき、どうか決まりに従って処罰して欲しいと嘆願する。(´・_・`)<…もう絵は勘弁してください「本当に思い出せないのか?!だとすれば記憶力が悪すぎるぞ! 大切な者をなぜ簡単に忘れられる?!」つづく
2021.08.22
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第4話「長慶の恨み」仲間たちが寝静まった頃、納蘭容若(ナランヨウジャク)からもらった書をひとり眺める翠雋(スイシュン)。すると隣で寝ていた琳琅(リンロウ)が目を覚ましてしまう。「これは何なの?」「しーっ!誰にも内緒よ?…これは納蘭大人(ダーレン)からもらったの」琳琅は納蘭家にいた頃、容若が書いてくれた″一生一世の縁なれど″の詩だと気づき、複雑な心境になった。康熙(コウキ)帝は衛兵の食事に因陀羅散(インダラサン)が盛られていたと暴いた。容若による犯人探しが始まり、呉子墨(ゴシボク)一派の計画は失敗に終わる。長慶(チョウケイ)は誰かに刃を振るわせれば毒より早いと提案したが、同志の女が言いつけ通り動けと命じた。「今のお前は太監、まだ貴族のつもりなの?」「…はい」琳琅は仲良しの翠雋が容若を慕っていると知り、ひとり川辺で悶々としていた。すると葉三(ヨウサン)がウサギを返しにやって来る。しかしウサギに愛着が湧いた康熙帝は急に返したくないと言い出した。琳琅は怒って帰ってしまうが、康熙帝はその背中にまた会いに来ると声を掛ける。そこへ容若が現れた。「…あれが先日、仰せだった″面影の人″なのですね」長慶は偶然、将軍たちが皇帝の競べ馬のため、障害物を排除している様子を見た。そこで罠を仕掛け、足早に立ち去る。こうして何も知らず、康熙帝と容若は競べ馬に興じた。前を駆けていた容若は一気に馬場を駆け抜けて行ったが、ようやく皇帝がいないことに気づく。その頃、康熙帝は罠を踏んでしまった馬を懸命に御していた。しかし興奮した馬が暴走、偶然、花摘みに来ていた琳琅を避けようとして落馬してしまう。康熙帝は琳琅に覆い被さるように転げ落ち、そのはずみで2人は口づけを交わした。琳琅は驚いて葉三を引っ叩いた。「またあなたなの!」しかし康熙帝は落ちた拍子に捻った手首を押さえ、苦渋の表情を見せる。そこで琳琅は葉三の袖から薄絹を切り裂き、手首に巻いた。康熙帝はその結び方が良児(リョウジ)と同じだと気づいて目を見張る。「なぜこの結び方を?!なぜこう結んだんだ?!」「怪我人に同情しただけよ」すると琳琅はさっさと帰ってしまう。幕舎に戻った康熙帝は侍医の手当てを受けた。容若は皇帝を守れなかったと謝罪したが、皇帝は責任はないとして許してくれる。ただし馬場の点検の責任者だった侍衛統領の陳阿泰(チンアタイ)と海大貴(カイダイキ)には3ヶ月の俸禄没収と尻打ち20回を言い渡した。統領たちは尻打ちの刑のあと、配下を連れて障害物を探すことになった。実は本来の責任者は海大貴、しかし腹痛を起こしたため陳阿泰に代理を頼んだことから、2人は言い争いになってしまう。「馬場の整備もできんのか!」「飲み過ぎて怠けたくせに!」「食あたりだったんだ!…信頼していたのに」2人は取っ組み合いになり、部下たちが慌てて止めた。長慶はわざと馬場に姿を現し、障害物を探している陳阿泰を人目につかない林の中へおびきよせた。「待て!何者だ!」「…貴様の仇敵だ」すると長慶は突然、陳阿泰の胸に暗器を放った。容若は暇を見つけては川辺を訪ね、琳琅の姿を探した。まさか琳琅が自分を避けているとも知らず、今日もまた会うことはできない。一方、康熙帝は琳琅に良児の面影が重なり、侍衛と偽ったまま探りを入れることにした。「君は衛琳琅以外に名前がないか?幼名とか?呼び名やあだ名でもいい」「めいよー、そろそろ仕事に戻ったら?!もう現れないでね!」「ならウサギはいらないのか?…返して欲しければ明日の夜、梨の木の下に来い」陳阿泰の遺体が発見された。報告を聞いた容若が急いで駆けつけると、竹槍を仕掛けた獣用の落とし穴で死んでいる。海大貴は陳阿泰の突然の死に呆然、言い争ったまま別れたことを後悔した。「一時の怒りで長年の友を失ってしまった…」容若は憔悴する海大貴を天幕に返し、調査を終えてから皇帝に報告した。遺体を調べたところ胸元に妙な傷があり、竹槍のせいとは思えぬ鋭い刃物傷だったという。そこへある衛兵が謁見を願い出た。衛兵は馬場の点検の時、海大貴が途中でしばらく姿を消したと報告する。その時、海大貴はまた腹痛を起こして用を足しに行っただけだったが、康熙帝は海大貴をすぐ呼んでこいと命じた。その頃、海大貴の天幕に長慶が現れた。海大貴は太監が届けた酒を一気に飲むと、急に身体の自由が利かなくなってくる。「私が誰か教えよう…私は阿思海(アシカイ)、チャハル親王・阿布鼐(アフダイ)の息子だ どうだ?思い出したか?なぜ急に腹を下したと?なぜ馬場に罠が?…陳阿泰はなぜ死んだ?」海大貴はふと8年前を思い出した。まさかあの時、皆殺しにしたと思っていたチャハル親王の息子が生きていたとは…。海大貴は天幕にいなかった。容若たちは付近を捜索、やがて崖に立つ海大貴の姿を発見したが、そのまま身を投げてしまう。崖下に回った容若たちは海大貴の遺体を発見した。部下たちが馬場でいがみ合う2人を目撃していたこともあり、海大貴が陳阿泰の殺害を悔いて自害したと噂になる。しかし康熙帝も容若も義に厚い海大貴が友を殺害したとは到底、思えなかった。長慶は一族の敵である2人に復讐を果たし、その夜、久しぶりにかんざしをながめた。本当ならあの日、妹の良児に渡すはずだったが、親王府は思わぬ悲劇に見舞われる。そこへ辛庫者の姑姑・玉箸(ギョクチョ)が現れた。玉箸と長慶は同じ主(アルジ)のもと康熙帝の命を狙う同志だった。しかし長慶が単独で勝手に行動し、玉箸は激怒する。「仲間たちにも危険が及ぶのよ!我々の狙いは康熙帝、つまらぬ手下を殺して何が嬉しいの?! 面倒が起きても私は助けないわよ?!」すると運悪く山小屋に琳琅がやって来た。「玉姑姑!姑姑も雨宿りですか?」「ええ」「今まで誰かと話していたような…」「雨の音よ、気のせいでしょう?」琳琅は小ぶりになると先に戻って行った。物陰に隠れていた長慶はまさかその女官が妹だと思わず、殺すよう助言する。「あの娘に告発される前に、どうぞ正しい決断を」康熙帝は自ら海大貴の亡骸を調べた。すると転落したのに外套にはすり切れがなく、中の薄物だけボロボロになっている。恐らく外套は誰かが後から着せたのだ。容若は宦官たちを集め、怪しい者がいないか調べた。その中にはあの長慶の姿もある。長慶はあの時、正門で報告を受ける納蘭明珠(ノウランメイジュ)の姿を見ていた。『納蘭大人、皆殺しにしました、人数のご確認を…』容若の立派な姿を前に恨みを募らせる長慶、一方、玉箸のもとにも衛兵がやって来た。実は玉箸は先日、御薬房で薬をもらったが、その中に朱砂(シュシャ)が含まれていたという。「最近、夢ばかり見るので朱砂丸で治ると聞いて頂きました」衛兵はそれ以上、追求しなかったが、玉箸は不安を募らせた。長慶は玉箸を呼び出した。皇帝が海大貴の死に疑念を持ち、毒料理の件も調査しているという。「話を聞きに人が来ただろう?」すると長慶は一石二鳥の計画があると切り出した。例の女官を犯人に仕立て上げれば、自分たちに危険は及ばないという。琳琅は葉三からウサギを返してもらうため、姑姑に外出の許可を求めた。「実は落とし物を探しに川に行きたいのです」「一人で?」「はい、ひとりです」そこで玉箸は自分の外套を着せてやった。「夜は冷えるわ」つづく
2021.08.22
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第3話「懐かしき人」康熙(コウキ)帝は修理が終わった上着を見て驚いた。袖にある刺繍は良児(リョウジ)が腕に巻いてくれた手巾にある刺繍と酷似している。すでに夕刻だったこともあり、康熙帝は明日の朝一番で上着を繕った女官を連れてくるよう命じた。皇帝の幕舎に現れたのは刺繍をした衛琳琅(エイリンロウ)ではなく画珠(ガシュ)だった。康熙帝は画珠を見ても全く親しみを覚えず、そこであの時、良児が歌ってくれた"揺り籠の歌”を歌わせてみる。しかしやはりこの娘ではない。康熙帝は落胆し、褒美を授けて画珠を下げた。お忍びで散策に出た康熙帝、すると河原でひとり洗濯物を干している女官を見つけた。気配を感じた琳琅がふと振り返ると、康熙帝は梨の木の下で踊っていた娘だと気づく。「(はっ!)動かないで!」琳琅は咄嗟に男を止めたが遅かった。康熙帝の足が物干しの足にぶつかり、全て倒してしまう。せっかく洗った大きな敷物が台無し、激怒した琳琅はたとえ皇帝だとしても責任を取ってもらうと迫った。康熙帝は非番の侍衛だと嘘をつき、女官の洗濯を手伝うことにした。「私は葉三(ヨウサン)、君は?」「…口より手を動かしたら?…ってああーっ! それは皇上が使う絹の枕当てよ!ダメにしたら首が飛ぶわ!」「皇上はそんなことで人を殺したりしないよ~」「″帝王は非情なり″って言うでしょう?機嫌を損ねたら死罪よ?本当なんだから」しかし侍衛は全く役に立たず、琳琅はとっとと追い返して洗濯をやり直した。その夜、宦官の長慶(チョウケイ)が厨房に忍び込み、料理の中に毒を入れていた。すると偶然にもひもが解けた檻からウサギが逃げ出してしまう。翌朝、琳琅は林の中でウサギを見つけた。そこで背後から静かに近づいていたが、急に昨日の衛兵が現れる。「おいっ!」「Σ(°∀°ノ)ノ ヒィッ!大声を出すからうさぎが逃げたじゃない!」「待て待て、あそこにいるぞ?!」2人は協力してうさぎを捕まえた。琳琅はウサギがなぜか自分から木に激突したと話し、怪我を治したら放してやるつもりだという。そこで康熙帝は実は侍医が親戚だと嘘をつき、ウサギを診てもらうと言って預かった。「ウサギは明日、返すよ」こうして康熙帝は娘とまた会う口実を得た。ウサギを調べた侍医は驚いた。すでに製法が途絶えた薬・因陀羅散(インダラサン)を食べたらしい。これは曼陀羅花や曾青(ソウセイ)、赤石(シャクセキ)などを原料とし、服用を続けると中毒になって身体の動きを抑制できなくなるという。「なぜウサギが?」するとその日、突然、正気を失った衛兵・阿武(アブ)が幕舎に飛び込み、剣を抜いて皇帝に襲いかかった。しかし納蘭容若(ノウランヨウジャク)が駆けつけ、事なきを得る。容若は衛兵の中に刺客が紛れていた失態を謝罪したが、康熙帝はなぜか刺客ではないと言った。「このことは他言するな」その夜、琳琅は衛兵たちが″今夜はウサギ鍋だ″と言っていたと画珠から聞いた。琳琅はてっきりあの侍衛がウサギを食べるつもりだと誤解、慌ててウサギを助けに向かう。一方、康熙帝は衛兵に扮し、お忍びで厨房を調べていた。すると黒衣に覆面の曲者が現れ、料理に毒を入れる様子を目撃する。そこで後をつけることにしたが、厨房を出たところで例の女官に捕まった。「待って!ウサギは?!あなたを信用して預けたのに!」幕舎の前で揉め始める康熙帝と琳琅、そこへ衛兵たちが食事にやって来た。康熙帝は仕方なく女官を連れて厨房へ逃げ込み、2人で物陰に隠れる。やがて衛兵たちが入って来た。しかし容若が現れ、食材を侍医に調べさせるため運び出すよう命じる。琳琅は久しぶりに見る容若の姿に呆然となり、思わず梨の花の首飾りを握りしめた。容若は配下と共に厨房を見張ることにした。互いに事情があり出るに出られない康熙帝と琳琅、すると康熙帝はウサギなら無事だと教えて安心させる。しかし琳琅は外にいる容若が気になって仕方がなかった。「(ツンツン)おい、君の名は?」「教えない」「言えばここから出す」「…衛琳琅よ」すると康熙帝は天幕を切り裂き、そこから脱出させた。侍医が暴れた衛兵を調べた結果、やはり衛兵も因陀羅散を盛られていた。調査したところ厨房の牛肉料理から大量に検出されたという。しかし解毒する方法があると分かり、康熙帝は安堵した。実はかつて児三桂(ゴサンケイ)が湖南(コナン)を占領した折、清軍に韶(ショウ)州を猛攻され、武力で勝てずに一服盛ったことがあったという。そのため康熙帝は刺客ではないと見破ったのだ。康熙帝は容若を連れて散策に出た。すると康熙帝は初対面にも関わらずどこかで会ったような、長く会えずにいた友と再会したような経験があるかと聞く。容若はあると答え、初めて会った人に懐かしさを感じたことがあると答えた。しかしまさか2人が同じ娘のことを思い出しているとは到底、知るはずもない。皇帝の話を聞いた容若は非番になると、想い人の琳琅を探しに川辺にやって来た。洗濯物を干していた琳琅は容若の姿に気づき、思わず逃げ出してしまう。一方、容若は琳琅によく似た後ろ姿を見つけ、腕をつかんだ。「(琳琅!)あ…すまぬ、人違いだった」容若が琳琅と間違えて腕をつかんだのは偶然にもまた翠雋(スイシュン)だった。納蘭大人(ダーレン)に憧れる翠雋はこの機を利用し、名節を傷つけたお返しに直筆の書が欲しいと頼む。「詩がいいです、″一生一世の縁なれど″が…」翠雋は皆が寝静まった頃、こっそり起き出して納蘭大人からもらった書をひとりで眺めた。すると隣で寝ていた琳琅が目を覚ましてしまう。つづく
2021.08.20
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第2話「失われた記憶」良児(リョウジ)を逃がし、オーバイの残党に立ち向かった康熙(コウキ)帝・愛新覚羅玄燁(アイシンカクラゲンヨウ)。多勢に無勢だったが、危ないところで納蘭容若(ナランヨウジャク)が衛兵を率いて到着、無事、皇帝を救出した。慌ただしい1日が終わり容若は屋敷へ戻った。そこで姉・恵児(ケイジ)から親王一族が謀反を企てた罪で皆殺しになったと知る。容若はすぐ良児を探しに行こうとしたが、父に止められた。太皇太后から残党の一掃を命じられた納蘭明珠(ナランメイジュ)は自分たちまで巻き添えになると恐れ、何より間もなく入内する恵児の顔に泥を塗ることになるという。するとその時、思いがけず伯父を頼って良児が訪ねて来た。明珠はともかく良児を部屋で休ませた。容若と恵児は哀れな良児の庇護を懇願したが、明珠はもはや打つてはないという。一方、良児は葉三(ヨウサン)が書いてくれた虎の絵を眺めながら勇気を奮い立たせていた。すると容若が現れ、これからは自分が守ると励ます。優しい家族を奪った皇帝への怒りが爆発する良児。驚いた容若は良児の口をふさぎ、今日のところはゆっくり休めとなだめた。明珠は妹の娘の処遇に頭を悩ませた。義父がためらっている様子を見た義子・納蘭逸(ナランイツ)は主人のために力を尽くすと決める。夜も更けた頃、良児は雷鳴に驚いて目を覚ました。すると黒衣の曲者が現れ、いきなり斬りかかってくる。何とか剣を避けた良児は偶然、曲者の手の甲に大きな十字の傷跡があるのを見た。その時、ちょうど目を覚ました容若が駆けつけ、良児を逃がしてくれる。しかし曲者は容若を殴って良児の後を追いかけた。良児は雨で足を滑らせ中庭の池に転落、そのまま頭を強打してしまう。駆けつけた恵児は立ちすくむ曲者の覆面を外すと、その正体は納蘭逸だった。良児は無事に目覚めたものの、記憶を失っていた。そこで容若は良児がもはや納蘭家の脅威ではなくなったと父を説得、見逃して欲しいと懇願する。明珠は遅かれ早かれ災をもたらすと苦言を呈したが、容若は自分が命をかけて良児を守ると言った。容若は自分が納蘭家の長子だと教え、良児は小間使いだったと説明した。両親は良児が生まれてすぐ病気で亡くなったという。「それで私の名前は?」「…″花心を濡らす雨の滴 琳琅の粉面に涙を注ぐが如し″…君の名は衛琳琅(エイリンロウ)だ」↓( ꒪ω꒪)<私は誰~ここはどこ~ってか何、この前髪…一方、康熙帝は約束通り福佑(フクユウ)寺で良児を待っていた。良児がくれた手巾を握りしめ再会を待つ康熙帝、しかしいつまで待っても来るはずがない。その頃、琳琅と名を変えた良児は手の平の虎の絵を見ていた。「公子、私、誰かを待っていたような気がするんです…でも思い出せない」すると容若は琳琅に梨の花を贈り、琳琅が待っていたのは自分だと教えた。(  ̄꒳ ̄)あれから何年経ったのでしょう~♪解説がないから分からない草原の幕営、康熙帝の遠征に帯同した辛者庫(シンジャコ)の女官たちは遠くから皇帝の御尊顔を拝められる機会に恵まれた。康熙帝はちょうど幕舎の前で腹心である侍衛・納蘭容若と相撲の勝負で汗を流している。すると早馬が駆けつけ、撫遠(ブエン)大将軍・図海(ズカイ)が平凉(ヘイリョウ)を平定、提督・王輔臣(オウホシン)が降伏し、呉三桂(ゴサンケイ)の印を献上したと報告した。↓斬新な登場@康熙帝と容若康熙帝と容若は一緒に温泉に入った。そこで康熙帝はまだ独り身の容若に縁談を持ちかけたが、容若は断る。「一生一世の縁を信じて待ち続けます」容若の心には良児がいた。幕舎に戻って着替えた康熙帝、すると太監・小徳子(ショウトクシ)が上着に小さな穴を発見した。康熙帝は繕えばまだ着られると言ったが、小徳子は今回の狩りに針子が同行していないという。「縫い物くらい女官でもできるだろう、その1着で民が1年、暮らせるのだぞ?」小徳子は早速、辛者庫に上着を持って行った。しかしどんな些細な過ちも許されないため、玉(ギョク)姑姑は専門外だと難色を示す。その時、ちょうど通りかかった女官・画珠(ガジュ)は皇帝の上着と聞いて欲を出し、勝手に引き受けてしまう。玉姑姑は皇帝の大事な上着にはどんな小さな傷も残せないと警告すると、何も知らなかった画珠は安請け合いしたことを後悔した。「どうしたらいいの?(はっ!)あの子なら何とかできるかも!」その頃、辛者庫の女官となった衛琳琅はひとり梨の木を眺めていた。…玉で作った梨の花だ、永遠に枯れることはない、君を想う私の心が枯れないように琳琅は今でも梨の花の首飾りを肌身離さず首から下げていた。皇帝の幕舎に承乾(ショウケン)宮の恵妃から贈り物が届いた。届けに来たのは手の甲に十字の傷跡があるあの男…。箱の中には恵妃が自分で刺繍を入れた手巾もある。それを見た康熙帝は小徳子に尋ね人の消息を聞いた。しかし残念ながら未だ良児の行方は分からないという。「捜索を続けてくれ、必ず見つけるんだ」康熙帝は今でも良児が腕に巻いてくれた手巾を大事に持っていた。手先が器用で機転が効く琳琅は仲間たちから信頼される女官だった。頼まれると断れない琳琅、皇帝の上着の繕いを頼まれたが、ここには同じ色の糸がない。そこで袖に刺繍をしてごまかすことを思いついた。お調子者の画珠は琳琅に丸投げ、仕方なく琳琅は徹夜で皇帝の上着を完成させ、朝にはきれいに洗って鏝(コテ)をかけた。一方、幕営では思わぬ事件が起こっていた。侍衛の1人が急に暴れ出し、皇帝に襲いかかってしまう。侍衛はすぐ取り押さえられたが、聞いてみると突然、頭に血が上り、なぜか身体が勝手に動き出したというのだ。康熙帝はすぐ侍医に見せるよう命じ、自分の幕舎へ帰った。琳琅は皇帝の上着を幕舎に届け、帰りの道すがら梨の木の下で納蘭家にいた頃を思い出した。いつもそばにいてくれた容若の笑顔、琳琅は昔を懐かしみ、ふと木の下で舞を踊る。その時、偶然、お忍びで散策していた康熙帝が通りかかった。「姑娘(グーニャン)?以前、どこかでお会いしたことは?」驚いた琳琅は逃げるように帰ってしまう。一方、見回りの途中、梨の花を見た容若も琳琅のことを思い出していた。そこでひとり物思いにふけっていると、琳琅によく似た後ろ姿を見つける。「琳琅?!」容若は慌てて駆け出し声をかけたが人違いだった。幕舎に戻った康熙帝は衣桁にある上着に気づいた。すると両袖に見覚えのある刺繍が入っている。つづく
2021.08.18
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寂寞空庭春欲晚 Chronicle Of Love第1話「良児と葉三」…康熙(コウキ)帝は幼い孫にせがまれ、巨大な領土図の前にやって来た三藩の乱を平定し、台湾の鄭(テイ)氏を討ち、ガルダン軍を破ってジュンガルを取り返した康熙帝すると孫は名君と称えられる祖父に世の中の全てを手に入れたのかと尋ねたその時、殿内になぜか梨の花が舞い込んで来る康熙帝は梨の花に導かれて乾清(ケンセイ)宮を出ると、長い石畳を歩きながらあの人のことを思い出した…良児(リョウジ)は親王府の梨の木の下で従兄が来るのを待っていた。今日は良児の10歳の誕生日、すると納蘭容若(ナランヨウジャク)が約束通り凧を持ってやって来る。しかし今日は大事な任務があり、一緒に凧揚げはできないと言った。「悪党を捕まえるんだ…私が戻るまで待っていてくれ」良児は従兄が戻るのを今か今かと待っていた。そこへ父のチャハル親王・阿布鼐(アフダイ)が現れる。しかし良児から″容若が皇宮へ悪党を捕らえに行った″と聞いて顔色が一変した。愛新覚羅玄燁(アイシンカクラゲンヨウ)はわずか8歳で即位し、14歳で親政を始めた。そして清朝(セイチョウ)康熙8年、康熙帝は奸臣のオーバイから実権を取り戻すため、ついに計画を実行する。一方、阿布鼐は急いで参内したが、突然、容若の父・納蘭明珠(ナランメイジュ)が立ちはだかった。「聖旨を伝える… ″チャハル親王・アフダイは罪臣・オーバイと結託した、よって本日より春和(シュンワ)居に幽閉する″ 以上、太皇太后の勅命である」すると納蘭明珠は妹婿に覚悟を決めるよう伝えた。↓オーバイオーバイが皇帝に呼ばれ、一派の大臣は皆、捕らえられた。布爾尼(フジニ)は父を救うため私兵を率いて春和居へ乗り込んだが、従者が勝手に衛兵を皆殺しにしてしまう。これでは謀反を起こしたも同然、阿布鼐は解放されたものの、死罪が決まったと肩を落とした。オーバイは康熙帝の罠にはまり、その大きな身体を鉄鎖で拘束された。しかし抵抗したオーバイは怪力で鎖を引き抜き、暴れ始める。康熙帝は逆にオーバイに捕まり絶体絶命、その時、容若が投げた欄干飾りがオーバイの頭を見事に直撃し、オーバイを倒した。「オーバイ、そちは宰相でありながら君主を軽んじ、政治を壟断(ロウダン)した その上、民から土地を取り上げ、難民問題を起こしたのはまさに天下の大罪 本来であれば斬首刑に処すべきところ、過去の功労を鑑みて禁固刑に処す オーバイを牢へ連れていけ!」康熙帝は祖母と母にオーバイの捕縛を報告した。すると納蘭明珠が駆けつけ、何者かが春和居に侵入して衛兵を殺害、阿布鼐を逃亡させたと報告する。そこで太皇太后は禍根を残さぬよう一網打尽にすべきだと助言した。康熙帝は直ちに阿布鼐一家を捕らえるよう命じ、抵抗した場合は皆殺しにして構わないという。一方、阿布鼐は慌てて親王府に戻っていた。「都を脱出する、早くしろ!話は後だ、急げ!」阿布鼐は良児に朝議を休んで皇帝を怒らせたと嘘をつき、誕生祝いを開けないと伝えた。「でもこれからは毎日一緒ね、皇上のことは放っておきましょう?」「ああ、そうだな、永遠に離れぬようにしよう」無邪気な娘の言葉に阿布鼐は胸が痛んだ。阿布鼐たちは取るものも取り敢えず逃げ出すことにした。しかし一足遅く、衛兵が駆けつけ、皇帝からの勅命が届く。「阿布鼐は逆臣と結託し謀反を図った、直ちに投獄する、家族は拘束し、追って沙汰する」阿布鼐は家族を守るため潔く罪を認めた。すると突然、激しい雨が振り始める。その時、布爾尼が剣を抜き、父を逃がそうと衛兵に斬りかかった「父上、お逃げください!」布爾尼は父をかばって背後から刺された。息子の哀れな姿を目の当たりにした阿布鼐は激怒、ついに自ら剣を手にして抵抗してしまう。こうして親王府は戦場と化し、あたりは血の海となった。阿布鼐は夫人と良児を連れて逃げようとしたが、衛兵に囲まれ斬られてしまう。しかし両親が倒れる時、巻き込まれた良児は無事だった。「良児…あなたは生きるのよ…あきらめては駄目…」それが母の最期の言葉となった。オーバイが失脚し、故郷を追われた難民たちは土地が戻ると知って家に帰り始めた。喜んだ康熙帝は容若を誘い、お忍びで視察に向かうと決める。すると皇宮にいたオーバイの残党が密かに鳥文を放った。一方、良児は納蘭府を探して街をさまよっていた。するとごろつきの男に目をつけられ、さらわれてしまう。その頃、視察に向かった康熙帝は帰郷する民たちの様子を見て安堵していた。「皇上…」「いや、外では″葉三(ヨウサン)″と呼べ」すると突然、盗人が現れ、民たちに襲いかかる。容若は急いで馬を駆け助けに向かい、康熙帝も罠だと知らず別のひったくりを追いかけて行った。容若は盗人を撃退したが、気がつくと皇帝の姿がなかった。オーバイの残党におびきだされた康熙帝は独りで応戦、刺客の馬を奪って逃走する。ちょうどその頃、良児は馬車の中で壊れた金具を見つけ、手の縄を切ることに成功した。そこで足の縄を解き、こっそり馬車から飛び降りたが、すぐ男に見つかって追いかけられてしまう。「助けて!助けてーっ!」良児は必死に走って逃げたが、うっかり転んだ。相手は馬車、もはやこれまでかと思われたが、その時、馬に乗った少年が現れ、良児に救いの手を差し伸べる。ちょうど追いついた馬車から男が斬りかかったが、康熙帝は娘の手を離さなかった。↓もう回ったw康熙帝は娘を連れて逃げたが、自分と一緒では危険だと気づいた。しかし良児は自分をかばって腕を切られた恩人を置いてはいけないという。すると追っ手が近づいて来た。そこで良児は落ちていた木の枝を馬にくくりつけて走らせる。刺客は咄嗟に馬を追いかけると、康熙帝と良児は馬が巻き上げた砂煙に紛れて逃げて行った。容若が康熙帝を探していると、そこに衛兵が現れた。衛兵たちも姿を消した康熙帝を探しに来たという。その頃、康熙帝は道すがら岩に剣で″三″と暗号を彫り、良児と一緒に荒れ寺へ避難した。そこで良児は康熙帝の腕の傷に自分の手巾を巻いて止血する。「君、名前は?」「良児です、あなたは?」「…私は葉三だ」良児はそれで少年が岩に″三″と書いたと分かった。良児は手際良く火を起こした。やり方を教えてくれたのは何でもできる兄で暗器も飛ばせると自慢したが、ふと兄はもう死んだのだと悲しくなってしまう。実は二兄の阿思海(アシカイ)は中庭で亡骸の下敷きになっていたが、良児は知らなかった。康熙帝は自分を兄だと思えと励ましたが、次第に熱が上がって朦朧としてしまう。「寝ないで、独りだと怖いの」すると康熙帝は良児に自分の剣を渡し、ひとりで逃げろと言って倒れた。康熙帝がふと目を覚ますと、そばで良児が眠っていた。そこで外の様子を見ようと立ち上がったが、悪夢でうなされた良児が飛び起きる。「阿娘!死なないで!」「どうした?!」良児は思わず葉三に抱きついた。「昨日は誕生日を祝うはずだったの、でも家族は死んでしまった…もう祝ってくれない」「私が祝うよ…これからは私が家族だ、私が守ってやる」すると康熙帝は落ちていた炭を広い、良児の手の平に虎の絵を書いてやった。「虎は百獣の王だ、君を守ってくれる」外から残党たちの声が聞こえてた。康熙帝は良児を連れて脱出し、先に逃がすことにする。「3日後、福佑(フクユウ)寺で待っていてくれ、必ず会いに行く」すると康熙帝は刺客の馬を奪い、良児を乗せて馬を走らせた。「葉三っ!」つづく(  ̄꒳ ̄)オ、オーバイ…
2021.08.16
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