全1833件 (1833件中 201-250件目)
< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ... 37 >
爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第4話「アメとムチ」秦施(チンシー)はライバルから顧客を奪い返すため、陽華(ヤンホワ)と夫婦を装い、玉蘭(ユーラン)グループのチャリティーパーティーに潜入した。しかしそこで思いがけず元恋人で新世界の弁護士・陶俊輝(タオジュンフイ)と鉢合わせしてしまう。秦施は化粧室に逃げ込み、自分を落ち着かせてから会場へ戻ることにしたが、廊下で陶俊輝が待ちぶせしていた。陶俊輝は秦施の腕をつかみ、強引に男子トイレへ連れ込んだ。「西美(シーメイ)の招待状をどうやって手に入れた?」まさか手配したのが呉菲(ウーフェイ)だとは知らず、陶俊輝は下手な芝居をして実利のない仕事を手に入れようと奔走する元恋人の姿を嘆く。「今頃は法曹界のトップを走っているはずなのに、なぜ落ちぶれたんだ?」その時、秦施を探していた陽華が偶然にも男子トイレをのぞいた。「大丈夫か?…さあ、行こう」こうして無事に会場へ戻った秦施。陽華は秦施が架空の夫を仕立てた本当の理由が元彼ではないかと勘繰ったが、秦施は深入りしないよう釘を刺して蘭暁亭(ランシャオティン)の説得に行ってしまう。一方、秦施の兄・秦文宇(チンウェンユー)はホテルでの不倫騒動が世間に広まり、クズの烙印を押されてへそを曲げていた。任梅梅(レンメイメイ)は秦施の助言に従って夫婦仲の改善に乗り出そうとしたが、夫は性懲りも無く例の女と連絡を取っている。「これでも潔癖だと言い張るつもり?!」頭に血が上った梅梅は思わず花瓶を投げつけ、誤って文宇の額を切った。流血した文宇は激高、マンションを飛び出してしまう。蘭会長はここまで乗り込んだ秦施の勇気を認めてくれた。ただ協会の事は姪に任せたので口を出せないという。何より男性のように強い女性を好まず、優雅でいるべきだと助言した。「過度の野心は危険よ?…努力が報われるとは限らない、身の丈を知ることね」秦施の捨て身の行動は失敗、すると落胆する秦施の席へ陶俊輝が現れた。「代理人にもなれないとはな…」棘のある言葉に秦施は顔をこわばらせたが、そこに陽華が料理を持ってやって来た。しかし牛ステーキを見た陶俊輝は秦施と陽華の関係を訝しむ。「陽くん…彼女の好みを知らないのか?」「人の好みは変わるのよ」秦施はステーキを一口食べて見せると、陽華と部屋に戻って行った。秦施は牛肉にアレルギーがあった。客室に戻った秦施は全身に発疹が現れ、早々にパジャマに着替えて休むことにする。すると陽華が同じ失敗を繰り返さぬよう今日の反省点をまとめた。「原因1、君は顧客を理解していなかった、2つ目は…メモしないのか?」「聞いてるわ、大丈夫」陽華は感情的になったのが致命的だったと指摘、プランBが必要だと提案したが、秦施はふと車に薬があったことを思い出した。「取って来てくれる?」秦施は陽華を追い出し、やっと静かに休めそうだった。しかしすぐに部屋の呼び鈴が鳴る。「何?忘れ物なの?…ったくもう」秦施が面倒くさそうにドアを開けると、客室係が立っていた。「お届け物です」一方、地下駐車場に到着した陽華は車で薬を見つけたが、使用期限切れだった。陶俊輝はラウンジで独り酒を飲んでいた。若い夫と現れた元恋人、陶俊輝はかつて秦施が一方的に自分の荷物を送り返して来た時のことを思い出す。…家のことは兄と相談して、さようなら、秦施…その時、封筒の中から婚約指輪が転がり落ちた。陶俊輝は何度も秦施に連絡したがなしのつぶて、結局、話し合いもできないまま海外へ出発してしまう。するとロビーへ向かう陽華がラウンジを横切る姿を見つけた。「陽華!」陶俊輝は陽華を引き止めた。結婚して2年という割には妻の牛肉アレルギーを知らなかったのだろうか。「好みは変わっても体質は変わらないだろう?まあ非婚主義者ですら結婚する世の中だ」「…彼女にフラれたの?未練がありそうだが、妻の口から君の名前すら出たことがない 確かに妻は素晴らしい人だが執着しないで欲しい、僕の妻なんだ それに妻は非婚主義者じゃない」「アレルギー薬を買いに行くのか?彼女の車のトランクに入っているはずだ 彼女は買わないから俺が買って2年に1度、交換していた」「残念ながら君の薬は捨てられてしまったようだ、どうせ期限切れだろう?」陽華はロビーで新しい薬を買って戻った。するとなぜか秦施はすでに同じ薬を飲んでぐっすり眠っている。陽華は秦施の無邪気な寝顔を見て思わず笑顔になったが、やがて轟音が響き始めた。その頃、家を飛び出した秦文宇は弟分に任せているクラブで店の女の子と遊んでいた。すると梅梅の携帯にクレジットカードの利用通知が届く。翌朝、秦施は荷物をまとめて早々にホテルを出た。地下駐車場の車の中では陽華が自分のアイマスクをつけて眠っている。「部屋は広いのに車で寝るなんて紳士ね~急用ができたから帰るわよ」陽華は秦施のいびきのせいで寝られなかったとは言えなかった。「そうだ、昨夜、ラウンジで陶俊輝と会った」驚いた秦施は思わず急ブレーキをかけ、怪しまれていないかと心配する。「フル(・_・ ))(( ・_・)フル…君の結婚を気にしているみたいだった、まだ君に未練があるんじゃ?」「彼の話を信じちゃだめよ」その頃、陶俊輝は従業員に成り済ました調査員と一緒に蘭会長の夫・龐定方(パンディンファン)の部屋を訪ねていた。しかしすでに部屋はもぬけの殻、電話をかけても電源を切っている。「何か勘付いて逃げたのかな?」秦施は社交場を嫌う陶俊輝がパーティーにいたことを訝しんだ。「誰か気になる人がいたんだわ…」すると熱心に玉蘭(ユーラン)グループのパンフレットを読んでいた陽華が″絡威(ルオウェイ)玉蘭″はどこか怪しいと指摘した。その時、梅梅から連絡が入り、話はそこで終わってしまう。📱<あいつを殺しに行くから後始末お願いね陽華は驚いて通報するよう言ったが、秦施は毎度のことだと取り合わず、急にスピードを上げた。秦施は陽華を旅館の前で降ろした。しかし秦施の乱暴な運転のせいで陽華は顔面蒼白、立っているのもやっとで話すことができない。「大丈夫?…じゃあ何かあったら連絡してね」すると秦施は陽華の荷物を乗せたまま帰ってしまう。秦文宇は店に梅梅が来たとも知らず、酔い潰れていた。すると梅梅はテーブルの空き瓶を見てあることに気づく。「21年前のスコッチ?…これはどの店でも欠品中よ?さすがは小胡(シャオフー)ね、注いで」梅梅は夫の弟分が偽酒で大儲けしていると気づき、食品局に検査してもらうと脅した。驚いた弟分は身内で解決しようと懇願、そこへちょうど秦施が到着する。「どうも〜話し合いなら私と…」秦施は兄が可愛がっている弟分に昔から騙されてばかりいると知っていた。「高1の時は偽の答案を、高2では偽スニーカー、高3で密輸品の携帯…で、とうとう偽の酒? 兄がオーナーであなたが実質的経営者よね?兄は罰金刑で済むけれど、あなたは懲役刑よ?」焦った弟分は思わずひざまずき、2度と兄貴を店には入れないと誓った。陽華は久しぶりに携帯の電源を入れた。すると父から怒涛のメッセージが入っていたが、最後に母の音声メッセージが聞こえてくる。…暇があったら帰って来て、話があるの…陽華はついに母が折れたと喜び、相棒の亀に実家へ帰れると伝えた。秦施と梅梅は散々、弟分を脅かして店を出た。しかし梅梅はまだまだ怒りが収まらない。夫は家業を継いだものの飲み歩いて遊んでいるだけ、自分が切り盛りしていなければとっくに潰れているだろう。すると秦施は夫を繋ぎ止めたいなら追い詰めるなと諭した。兄は35にもなってまるで子供、犬のドゥドゥと同じで飴と鞭を使えばいいという。「あなたも反省して、″2:8の法則″を知らないの?20%を捕まえておけば80%は無視よ」 「屁理屈ばっかり言って…でも正直、結婚しない方が賢明ね」つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは~シューカイがサイコー過ぎるw
2023.11.07
コメント(1)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第15話)第42話「家門の災い」凌不疑(リンブーイー)は寿春(ジュシュン)に出征。程少商(チォンシャオシャン)は成婚の準備をしながら不疑の凱旋を待つことになった。曲陵(キョクリョウ)侯府では老夫人と蕭元漪(シャオユエンイー)が新婦のかんざし選びで揉めていたが、少商は心配無用だと止める。「皇后が早くから宮中の繍女や匠に作らせたのがあるから…へへ」実は子晟(ズーション)の成婚を心待ちにしていた皇帝と皇后は毎年のように準備していたため、すでに十分に揃っていた。「予定通りなら私は宮中で嫁ぎます、皇后が閨(ネヤ)も用意しているそうです」老夫人はそれならお金もかからないと喜んだが、全く出番のない母はどこか寂しそうに見えた。袁慎(ユエンシェン)は宮中で偶然、回廊で物思いにふけっている少商を見つけた。花嫁衣装や装飾品の試着でくたくただという少商、しかしふと袁慎に話しても無駄だと思い出す。「あなたは成婚と無縁だものね」「成婚できるのは自分だけだとでも言いたいのか?…だいたい成婚に何の利がある?」「あなたには″一日三秋″がどんな心情か分からないでしょうね 成婚すれば毎日、会えるし、帰りを待ちわびずに済むわ」すると負けず嫌いの袁慎は自分が先に成婚してみせると啖呵を切って行ってしまう。(」゚ロ゚)」<善見(シャンジエン)!無理しないで~!官媒(カンバイ)は袁慎に釣り合うよう才女と評判の蔡(ツァイ)氏の娘を斡旋してくれた。しかし袁慎は文句ばかり、従者は何が不満なのか分からない。「私の理想はそれほど高くない 頭は程娘子より鈍くなく、性格は程娘子より素直、容貌は程娘子より優れていれば…」「なぜどの条件も程娘子が基準なのですか?」ぁ..,..( ̄◇ ̄)(; ̄◇:;.:... (; ̄:;..,..::;.:. :::;.. .. .「程娘子に侮られたくない」すると袁慎は成婚の日取りを少商と同じにすると言い出した。そうすれば朝廷中の賓客が袁家に祝いへ来るため、少商が慌てふためくはずだという。( ゚ェ゚)…公子、あんたどうかしてるわ@従者袁慎はめかし込んで参内、早速、宮中にいる少商を見つけて自慢げに婚約したと報告した。しかし少商は袁慎が単に自分に対抗しているだけだと見抜いている。「私は子晟と巡り会えた、あなたも出会えるといいわね…あっ間違えた 婚約したのよね?じゃあもう出会えないんだ〜 でも悪くないわ、家柄の合う縁談でも満足しなくちゃね」少商は我関せず、袁慎は肩透かしを食ってしまう。↓( ˘ω˘ )<ま、せいぜい頑張れよ的な余裕w一方、寿春に出征する班(バン)侯は孫を心配し、班嘉(バンジア)の面倒を曲陵侯府に頼んだ。班嘉は一目惚れした程姎(チォンヤン)と毎日、食事を共にするようになったが、姎姎は嫁がずに伯母のそばにいたいという。そんなある日、突然、程家に災難が降りかかった。勅命で銅牛(ドウギュウ)県に向かった少商の父・程始(チォンシー)。しかし銅牛県は陥落、曲陵侯と県令・顔忠(イエンジョン)が敵と通じていたと報告が来た。朝臣たちは見せしめに曲陵侯を九族皆殺しするよう奏上し、激高した皇帝は誰とも会わず、食事も絶ってしまう。皇后は謁見できず外で待つことにしたが、そこへ越(ユエ)妃が駆けつけた。「妹妹、良いところに来てくれたわ」「…私が見て来ます」するとさすがに皇帝も寵愛する越姮(ユエホン)だけは追い返せなかった。越姮は皇帝の怒りが領土を失ったことではなく、天下の寒門のためだと分かっていた。実は程始と顔忠は皇帝が群臣の反対を押し切って選んだ寒門、その2人が敵に投降したとなれば世襲の打破は更に難しくなってしまう。「しかし両県丞(ケンジョウ)が見たのだ、2人が精銅2千斤を携え、敵に投降したと… だが当人がおらぬゆえ朕が濡れ衣だとかばったところで証明できぬ 父を処刑されたら程娘子は?子晟は?2人の婚姻はどうなる?!」越姮は皇帝の気掛かりが成婚だと知り、ひとまず表向きは法に従って公正に処理し、内情を少しずつ調べるよう助言した。皇后は皇帝と越妃の絆に割って入ることができず、黙って回廊で待っていた。やがて越姮が現れ、曲陵侯の家族は投獄され、審問を受けると報告する。「曲陵侯の件は陛下がお調べになります、ただ国の法に私情は挟めません 程娘子なら十一郎と婚約し凌家の人間とみなされ、放免されるでしょう」銅牛陥落の噂が朝廷中に広まった。何も知らなかった少商は父が処罰されると知り、勝手に宮中を飛び出してしまう。すると城門でちょうど参内した袁慎と出くわした。「少商、私の馬車を使え…私は御前で嘆願する、そなたの父親を放ってはおけない」「ありがとう」しかし曲陵侯府にはすでに太尉府の左(ズオ)将軍が程家の捕縛に来ていた。蕭元漪たちは強引に屋敷に乗り込んだ左将軍に憤慨、前庭で対峙した。聞けば夫が銅牛県令を惑わし、精銅2千を盗んで敵に投降したという。「曲陵侯府を封鎖し、共犯を捕らえるのだ!」驚いた程頌児(チォンソンアル)と程少宮(チォンシャオゴン)は剣を抜いたが、その時、少商が駆けつけた。「程氏が背いたかは陛下が判断する、この機に乗じて私怨を晴らすつもり? 私があなたの姪に汚水をかけ、夫があなたの兄の足を折った… だからあなたも殴られに来たの?」一触即発の様相となる少商と左将軍、しかし危ないところで袁慎が勅令を携えて現れた。「陛下は程娘子を巻き込むなと仰せだ」皇帝は本件を廷尉府に託し、被疑者の家族は廷尉府に護送して審問することに決めたという。蕭元漪は夫の無実を信じ、潔く一族で廷尉府の審問を受けると決めた。しかし少商だけは凌家の嫁と見なされ、無関係と判断されたという。袁慎は長秋宮に戻るよう伝えたが、少商は家族と一緒に行くと拒んだ。「嫁ぐまでは程家の娘なのよ?一人だけ生き延びるなんてできない」すると少商の言葉を聞いた蕭元漪がいきなり娘の頬を引っ叩いた。「程少商、程家がどうなろうとあなたは生き続けるの! 生き延びなければ程家の祖先が許さない!もちろん私も阿父もよ…分かるわね?」その夜は激しい雨となった。宮中に戻った少商は崇徳(スウトク)宮でずぶ濡れになりながら嘆願を始めたが、拝謁は叶わない。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は戻るよう説得していたが、少商はあきらめなかった。すると皇太子が駆けつけ、少商の隣にひざまずく。「余も曲陵侯を信じる」少商はようやく禁足が解けた皇太子まで巻き込めないと言ったが、そこへ皇后までやって来た。「私も一緒に立つわ」「お体を壊してしまいます!」その時、見かねた越姮が皇帝を強引に外へ押し出した。廷尉府の地下牢に袁慎が食事の差し入れにやって来た。しかし程老婦人は二郎と三郎も拘束されたと知り、絶望する。「首を斬られてバラバラになるより餓死すれば亡骸だけは欠けずに残るわ」「私たちは食べます、潔白を証明する前に餓死してたまるもんですか」蕭元漪たちは程始を信じて必死に生きようとしていた。皇帝は渋々、少商の話を聞くことにした。「阿母や兄たちは都にいて生活に不自由などなく、私も子晟に嫁ぎます 阿父は何も不満がないのになぜ敵に通じる必要が?…つまり濡れ衣です」少商は目下、行方知れずとなった父と消えた精銅2千を探すため銅牛県へ行きたいと嘆願した。しかし皇帝が認めてくれるはずもなく、長秋宮での禁足を命じられてしまう。つづく工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工急に何なの?!
2023.11.06
コメント(1)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第14話)第41話「約束の地」皇太子妃孫(スン)氏は庶民に降格、北宮送りとなった。もはや孫氏を気に掛ける者などいなかったが、程少商(チォンシャオシャン)だけが最後の別れにやって来る。「…約束を守って成婚した太子殿下と支え合いながら縁を大事にするべきでした 殿下が曲泠君(チューリンジュン)を忘れられなかったのではない、あなたが思い出させたのよ? 自分の不幸を人のせいにしないで」しかし孫氏は非を認めず、反省すべきことなどないと頑なだった。少商は話しても無駄だとあきらめ、帰ることにする。「あなたを縛り付けているのは宮中ではない、あなたの心よ?」こうして冷宮の門は堅く閉じられた。少商はようやく皇太子と曲泠君が結ばれると思ったが、驚いたことに曲泠君は梁無忌(リャンウージー)に再嫁すると知る。確かに梁州牧(シュウボク)はこれまで身を挺して曲泠君を庇っていた。凌不疑(リンブーイー)は磊落(ライラク)な梁州牧のこと、成婚後は曲泠君の子を我が子とみなしてくれるはずだという。すると少商はしみじみ子晟(ズーション)と巡り会えたことに感謝した。「自分は不運だと思っていたけれど、これまでの運をためてあなたに出会えたのね… 私は運が良く、見る目もある、ふふ」「見る目があるのは私だろう?」そんなある日、寿春(ジュシュン)に有事との急報が舞い込んだ。文(ウェン)帝は早速、寿春平定のため策を練ることにした。集まったのは凌不疑と将軍の万松柏(ワンソンバイ)、崔祐(ツイヨウ)の3人、どちらにしても寿春は挙兵に適さない土地のため、孤立させれば落とすのは早い。そうと知ってか、今回は朝臣や世家が適齢の子息たちを軍に入れて鍛えたいと嘆願する上奏が絶えなかった。とは言えひ弱な子息たちを率いるのは難儀だろう。すると成婚を控えた凌不疑が出征したいと名乗りを上げ、皇帝の逆鱗に触れた。少商は戦術会議に手作りの甘酒を差し入れるつもりだった。しかし凌不疑が皇帝を怒らせてしまい、届けられそうにない。不疑が心配で心ここに在らずの少商、そこで皇后は皇帝を説得する知恵を授けた。皇帝は将軍2人を追い返し、子晟の首根っ子を捕まえて部屋の隅に立たせた。「この青二才め!寿春などお前が案じるまでもない!」「彭坤(ポンクン)も孤城の陥落を招いた一因、戾(レイ)帝と結託していたはずです」不疑は彭坤に直接、確かめたかったが、皇帝は都でおとなしく成婚を待つよう言い聞かせた。「万が一があれば成婚できないぞ?!」少商は甘酒の差し入れを口実に崇徳(スウトク)宮にやってきた。実は皇后から皇帝に伝言があるという。「将軍は戦場へ馳せるべし、都に隠れ、怠惰であれば、子晟の徳は位負けすると指摘される…」「本当に皇后が言ったのか?」皇后は皇太子の一件から身体が衰える一方だった。皇帝もそんな中での諫言を無視できなかったが、やはり子晟を無事に成婚させなくては気が休まらない。しかし少商は子を思うなら背後から支持すべきだと諌め、親だけでなく妻も夫を支持する必要があると訴えた。皇帝は仕方なく子晟の出征を認めた。ただし彭坤を捕らえてすぐ都に戻り、必ず予定通り婚儀を上げろと命じて2人を解放する。すると少商は凌不疑の顔を両手で挟み、まじまじと見つめた。「じっくりと眺めて覚えておかなくちゃ 阿父が戻った時は目の半分と歯が白いだけで、残りは真っ黒だったから 身を粉にして戦わないで、墨と成婚するのは嫌だもの」「それほど心配ならなぜ陛下に出征を勧めたんだ?」「舅父の死と孤城の全滅はあなたの心痛であり、わだかまりでもある ご不調の皇后の世話がなければ私もあなたと敵を倒しに行っていた …子晟、あなたが彭坤を捕らえる姿を見たかった、敵討ちの痛快さを私も味わいたいもの」「はお、その言葉だけで十分だ」「早く戻ってきてね、待ってるわ、あなたが娶ってくれるのを」「最も盛大な婚礼を挙げるよ、待っていてくれ」ある夜、少商は大きな荷物を背負い、黒衣で変装して凌軍の大営に潜入した。しかし難なく将軍の天幕に到着、もしこれが敵の偵察だったらあっさり手中に落ちているだろう。少商はあきれたが、凌不疑は巡回中の兵士たちが気づかないと思うのかと笑った。実は兵士たちはわざと将軍の新婦を見逃し、それとなく将軍の天幕まで誘導してくれたという。「つまり私を笑って眺めていたの?…チッ!クソリンブーイー(ボソ」すると不疑は出発前に贈り物があると言った。凌不疑は少商を連れて櫓に登り、草原を指差した。実は皇帝に凱旋後、何が欲しいか問われ、軍営の横の土地と答えたという。不疑は少商が自分で屋敷を建てるのが夢だと覚えていた。「そこが私たちの住む屋敷になる、全て自由にしていい、今後、あの地が私たちの家だ 求めていただろう?正真正銘の自由な地を…そこなら誰にも責められず、誰からも足蹴にされない あの地で子を産み育て、老いていく、連れ添いながら…」少商は感激のあまり声が出なかった。誤解した不疑はまた勝手に決めたことを謝ったが、少商は喜んで口づけする。「気に入ったわ…」少商は自分も三叔父夫妻のように花や月を愛でながら、子晟と共白髪となり、生死を共にできると思うと万感迫る思いだった。「約束して、凱旋したら私たちの新しい家を建てると…」「はお、約束するよ」「私が危険を冒して来た理由が分かる?…贈り物を持ってきたの」凌不疑の出征の日、城門では若い未婚夫婦が別れを惜しんでいた。不疑は少商がくれた鎧をまとっていたが、少商の痛々しい指に気づいて驚く。「今後は2度と裁縫しなくていい」「鴛鴦が気に入らないの?」「鴛鴦?てっきり鶏の羽かと…」「鴛鴦よ!命を顧みない時、この羽を見れば都で待っている私を思い出すでしょう?」背後で控えていた護衛・梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は愕然となった。まさか若公主の甲冑に鴛鴦の羽が施されていたとは…。( ̄▽ ̄;)<出征したくなくなった…敵軍に笑われる「気に入らなければ羽は外していいけれど、この帷子(カタビラ)は脱がないでね 銅の糸と麻で織ってあるから、軽いけれど刀傷を防げる…兎の刺繍も入れたのよ?」「あれは兎?…鼠だとばかり」「兎よ…私の干支だから…」「そうだ、兎だ、君が兎と言えば兎だ」「…もともと兎なんですけど(ボソッ」そんな仲睦まじい若夫婦の様子を城楼から皇帝たちが眺めていた。皇帝と越(ユエ)妃は2人にかつての自分たちの姿を重ねて懐かしんだが、そこに皇后の入る隙はない。一方、少商の父も支援部隊として銅牛(ドウギュウ)県へ銅を運ぶ任務を命じられていた。程始(チォンシー)は娘が自分には襪子(シトウズ)すら縫ってくれなかったとぼやいたが、蕭元漪(シャオユエンイー)はあの恥ずかしい鎧を着たいのかと笑う。「そうだな、鶏の羽なんぞまとったらさらす顔もないw」凌不疑は必ず生きて戻ると誓い、馬にまたがった。すると少商に小さな袋を投げ渡す。中には凌府の印章が入っていた。「世の情人が結ばれるのは最も美しいことですね」皇后は若い夫婦の姿に感銘を受けたが、ふと寂しさを覚えた。…だけど私はそんな想いを味わえなかった…つづく( ;∀;) イイハナシダナーと思っていたのに、羽のせいで台無しよwwwww
2023.11.05
コメント(1)
爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第3話「偽装夫婦」秦施(チンシー)は何とか陽華(ヤンホワ)を説得しようとしたが、とりつく島もなかった。「あなたは自分の利益しか考えない卑怯な人間だ」陽華の辛辣な言葉に秦施は呆然、一旦は帰ろうとしたが、プライドを傷つけられたまま逃げるわけにいかなかった。「…私は優秀な弁護士よ、法の下の平等と正義を守っている でも私のような人間は不合理な人事制度でつまづいてしまう 大手の事務所に入れず、重要案件も任されない、でもまだ諦めるには早いの なぜ自分を夫に選んだのか聞いたわね?…本当の理由を教えるわ ″魂が震える感覚は痛快で心が満たされる、だが同時にリスクが伴い戦々恐々だ 上質のものほど脆く、彩雲は散りやすい″ SNSに投稿したでしょう?今は削除されているけれど… その言葉に惹かれてあなたを選んだの、どうやら人選ミスだったようね」結局、秦施は説得をあきらめてマンションに帰った。整理整頓が苦手で散らかし放題の自宅、一方、陽華は親友・蔡亮(ツァイリャン)の車で旅館に到着した。蔡亮はさすがに言い過ぎだったと呆れ、謝罪するよう助言して帰って行く。すると陽華は携帯電話を取り出し、秦施に連絡した。「秦律師…僕が悪かった、ごめん、もう一度、会えないかな?」翌日、陽華は改めて秦施と話し合う場を設けた。聞けば陽華は結婚を口実に就職を迫る母親を牽制するため、偽りの婚約者が必要だという。「…君のことはよく知らないが、正義を貫くための嘘なら必ずしも間違いとは言えない」まさかあっさり自分のポリシーを曲げ、大嫌いな相手に頼らねばならないほど陽華は追い詰められているらしい。2人の立場は逆転、交渉権は秦施が握った。「条件は簡単、私の夫になって… もちろん名義だけで、たまに私の夫として社交の場に出てくれればいいの 期間は半年、その後は2度と関わらない」「いいだろう」「口約束より念書ね、今日は私が書くわ」「半年だけ君を信じるよ、嘘をついたり僕に損害を与えた場合は…」「うちの事務所に暴露すればいいわ」陽華は念書にサインすると早速、自宅へ一緒に来て欲しいと頼んだ。しかし秦施も夫としてパーティーに出席して欲しいという。「じゃあ1時から2時間ほど御宅で過ごして、それから出張に同伴してくれる?」「2時間あれば母を説得できるだろう」交渉は成立、すると秦施はふと例の投稿をなぜ削除したのか尋ねる。陽華は一瞬、言葉につまったが、正直に答えた。「自分の価値観が少数派だと嘆いたが、幼稚な行為だった 他人に見られるとは思わなかったし、ましてや共感されるとは… それが君を呼び出した理由の1つだ」陽華にはすでに母を動揺させる予想図が完成していた。6歳も年上の秦施を紹介すれば母も驚くはず、そこで結婚後は自分が買った家から引っ越せと脅し、母名義の貯金の管理も秦施に任せると畳み掛ける。母が慌て始めたらこっちのもの、最後に子供は作らないと駄目押しすれば母から折れるはずだ。しかし陽母はそんな息子の魂胆などお見通しだった。…バカ息子め、私に勝とうなんて100年早いわ…「私たちは何も口を挟まないわ 父さんとも話していたの、あなたが結婚したら小さな家に引っ越そうってね そりゃ孫の顔も見たいけど、あなたたちの人生だもの、好きにしていいわ 1年後と言わず、3ヶ月もあればいいんじゃない?」陽華は予想外の展開に戦意を喪失、押し黙ってしまう。すると秦施が口を開いた。「さっきの話は彼の考えです、ご両親に反対されるのが心配だったようで… 私はもう若くないのですぐにでも結婚したい でもご両親を転居させるわけにもいきません 結婚後は彼が私のマンションに引っ越し、私が稼いで彼に家事をしてもらいます」「ちょ、ちょっと待って…つまり息子は入り婿になるの?」「そうなりますね、彼は私に従うと…」陽華は母の動揺を見逃さなかった。…ふっ、お見事、女主人に挑戦状を叩きつけ、ママの支配欲という急所を突くとは…焦った陽母はならばまず両家の顔合わせが必要だとかまをかけた。すると秦施は親も自分に従うのでどちらでも構わないという。「私の父も寛大なんです、何しろバツ3ですから」勝負はあった。陽華は秦施をすっかり見直し、予定通り一緒にパーティーへ向かう。すると秦施はファイルを渡し、移動中に夫のプロフィールを覚えておくよう頼んだ。夫はカナダの金融機関で企業のM&Aを担当、大学の専攻は国際金融だという。「え…息子までいるのか?!」2人の息子は2歳半、しかし病弱なため海外の病院で療養中という設定だ。「牡羊座でAB型、アニメが好きなの」「待った、結婚2年なのになぜ2歳半の子が?」「ふふ」秦施はいたずらっぽく笑うと、パーティーでボロを出さないよう釘を刺しておいた。秦施と陽華は浙江省平湖のホテルに到着、客室に入ると早速、お互いに準備を始めた。スーツに着替えた陽華はチャリティーのパンフレットを読んでいたが、秦施からドレスのファスナーを上げてくれと頼まれる。秦施の美しい背中に動揺してうっかりつまずく陽華、何とか震える手でファスナーを閉めたものの、秦施から正装するよう要求された。「これが正装だけど?」「他にないの?」仕方なく秦施は陽華をホテルのブティックへ連れて行き、タキシードに着替えさせた。タキシード姿の陽華は秦施の夫として申し分ないエリート銀行マンに変身した。「とても払えないんだけど…洋服代」「いいのよ、返品するからw」しかも陽華は顧客を奪い返しに来た秦施の力強いパートナーになってくれる。「趙丹平(ジャオダンピン)は自分から1200万を奪った李黛(リーダイ)を代理人に指名した その手腕を買ったからよ、でも私の能力を見ずに決めるのは不公平だわ だから今日は私の能力をアピールしたいの」秦施は蘭暁亭(ランシャオティン)の情に訴えかけてみると言ったが、陽華は説得するなら夫・龐定方(パンディンファン)が先だと助言した。陽華はそれとなく龐定方たちの話に加わり、経済について議論を交わした。大物の前でも堂々とした様子の陽華、その姿に秦施は目を細める。しかしその輪の中に陶俊輝(タオジュンフイ)がいると気づいて秦施の表情が一変した。それでもこの好機を逃すわけにいかず、陽華の元へ駆けつける。「こんにちは会長、誠(チョン)&慧(フイ)の弁護士、秦施です、彼は夫の陽華です」陽華は秦施と陶俊輝のぎくしゃくした様子から2人の関係にすぐ気づいた。新世界法律事務所の陶俊輝は秦施と同窓生で2期上だった。2人は結婚を約束していたが陶母が大反対して破局、秦施は新世界をやめて今の事務所に移ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)陽華と元カレの落差よw
2023.11.04
コメント(0)
爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第2話「コーヒーと緑茶」見合いをドタキャンして家を追い出された陽華(ヤンホワ)。陽父は息子を心配していたが、陽母はどうせ数日で戻って来ると高を括っていた。そもそも引きこもりの息子には数えるほどしか友人がおらず、行き先は向かいにある安い旅館しかないだろう。案の定、陽華は長春(チャンチュン)旅館にいたが、おぼっちゃま育ちにとって決して清潔とは言えない安宿での生活は確かに苦痛だった。架空の夫と対面した秦施(チンシー)は結局、一睡もできないまま唐伊慧(タンイーフイ)とのジョギングに出かけた。しかし今朝は走らず、ヨガ教室へ行くという。例の女性経営者協会の会長・蘭暁亭(ランシャオティン)がヨガ教室に通っているからだ。秦施は唐伊慧が法律顧問の座をあきらめていないと知ったが、なぜここまで執着するのか分からない。実は夫の金誠(ジンチョン)には唐伊慧と付き合う前に7年も交際していた恋人がいた。先週、金誠の同窓会があり、唐伊慧はふと元カノを思い出してネットで調べてみたという。すると彼女の夫は上場企業の社長となり、妻の実家の援助で今や資産は数十億になっていた。唐伊慧は夫がもし彼女と別れず結婚していたら、もっと出世したのではと考えたという。「だから夫の地位を高めてあげたいの」唐伊慧はヨガ教室から蘭会長に連絡、コーチを紹介して欲しいので朝食でもどうかと誘った。しかし蘭暁亭は出張のため空港へ向かっていると伝え、今後は協会を任せている姪・趙丹平(ジャオダンピン)に連絡して欲しいという。唐伊慧は避けられていると分かったが、夫のためにもここで引き下がるわけにいかなかった。「こうなったら直接、趙丹平と話すわ」その頃、陽華は親友の蔡亮(ツァイリャン)とジムで汗を流していた。陽華は母の本当の狙いが結婚ではなく就職だと分かっていたが、今回ばかりは本気らしい。しかし蔡亮は陽華を心配する母親の気持ちも理解できた。国の棟梁となるべきエリートが今や引きこもり、株売買で年に20万も稼げれば十分だとぬかす。当の本人は自由でストレスがないと飄々としていたが、蔡亮は自由を得るには何かを犠牲にする必要があると諭した。「昔、仕事を失った件で自棄になっているんだろう?彼女と別れたのもそのせいか? ともかく親を心配させるべきではない、時には善意の嘘も必要だ」すると陽華はふと秦施のことを思い出した。「たとえば仕事のために既婚者だと偽るのも同じことか?」「お前は男だからまだ良いよ、もし女なら仕事と結婚は絶対に切り離せないから大変だ」陽華は秦施が嘘をついた理由を理解したが、それでも賛同はできないと頑なだった。誠&慧法律事務所ではシニア弁護士・李黛(リーダイ)がデスクにいた新人に調べ物を頼んでいた。しかし呉菲(ウーフェイ)は秦施の補佐弁護士のため、すぐ対応はできないと断ってしまう。李黛は他の補佐に頼んで部屋に戻ったが、先輩の周茜茜(ジョウチェンチェン)が慌てて呉菲に助言した。「助理と言ってもただの職位で従属関係ではないの、シニアは全員あなたの上司よ、分かる?」実は秦施と李黛はまるでコーヒーと緑茶のように相入れないライバルだった。つまり呉菲は自ら秦施側の人間だと宣言したも同然だという。秦施は補佐たちを集めてミーティングを始めた。しかし指名された呉菲は準備不足のため、誰でも調べられるような情報しか発表できない。「…趙丹平を調べるようメールを送ってから3時間よ? しかも元夫はうちのクライアント、データも残っているはずなのに調べる時間がなかったの? 仕事に集中して、コネだけで事務所にいられると思わないで」すると他の補佐たちが次々に手を挙げた。趙丹平は驚いたことに唐伊慧との面会に応じてくれた。同行した秦施は趙丹平が人情と責任を重んじる高潔な人間で、裏工作を嫌うタイプだと教える。「この件が成功したらプライベートのことで話があるの…怒らないで」その時、趙丹平が現れた。秦施は率直に協会の法務を担当したいと希望し、公平なチャンスが欲しいと訴える。すると趙丹平は顧問になりたいなら夫に取られた1200万を取り返してくれと迫った。困惑する唐伊慧だったが、秦施は職業倫理の遵守は専門家として基本的な素養だと暗に批判する。「私たちを試すためにおっしゃっただけですよね?」「…私は原則を重んじる人が好きなの、よろしくね」趙丹平は顧問を任せることにしたが、担当弁護士は秦施ではなく李黛を指名した。秦施は自分の手柄を李黛に奪われ、その代わり夫と過ごせるよう3日間の休暇をもらった。苛立ちをごまかすため甘い物に手を出してしまう秦施、一方、陽華は母と話し合おうとしたが、けんもほろろに電話を切られてしまう。📱<あなたの求める幸せはこの家にない、自分の居場所を探しなさい!ブチッ陽父は何とか妻と息子の間を取り持とうとするも、上手くいかなかった。事務所では秦施と李黛の立場が逆転した。李黛の不興を買ってしまった呉菲は仲間はずれにされ、仕事を手伝わせてもらえない。「まだ2日目で何も分からないのに…酷すぎると思わない? 秦律師には叱られ、李律師に嫌われ、敵ばかりよ でも私にも落ち度があったわ、考えが甘かった」呉菲はランチを買いに出かけがてら恋人に電話で愚痴った。すると恋人は自分が養うので嫌になったらいつでもやめて良いという。実は呉菲の恋人・陶俊輝(タオジュンフイ)は蘭会長を調べていた。調査員の報告では数日前、とあるパーティーで弁護士数人と接触していたという。陶俊輝は証拠の写真を見ていたが、その中の一枚に目を留めた。思わず画像を拡大してみる俊輝、やはり蘭会長の前に立つ美しい女性は秦施だ。李黛は補佐たちを連れてランチに出掛けていた。事務所でひとり昼食を取る呉菲、すると周茜茜から連絡があり、仕事を頼まれる。「秦律師からよ、蘭总の資料を集めて、李律師には内密にね」陽華は母との交渉に失敗、途方に暮れながら自分のSNSを眺めていた。『なぜ僕を夫に選んだ?』『オーストラリア旅行に行った時の写真をアップしたでしょう? その写真を偶然、見かけてフォローしたの、すごく良い写真だと思ったわ』陽華は秦施が気に入ったという写真を改めて見てみたが、何の変哲もないごく普通の写真でしかない。すると陽華はふと思いつき、ネットの掲示板でレンタル彼女を募集することにした。周茜茜は呉菲に集めさせた情報を横取り、何食わぬ顔で秦施に報告した。蘭会長は54歳で玉蘭(ユーラン)グループ取締役、グループは不動産や医療、教育を手掛け、時価総額は数十億、実質経営者は夫・龐定方(パンディンファン)だという。「それだけ?」秦施は落胆し、蘭会長の出張先はどこか聞いた。自分で調べていない茜茜は言葉に詰まったが、その時、呉菲が入って来る。「確認が取れました、蘭总は浙江省平湖の慈善パーティーに… 白内障無料手術イベントの祝賀会です」「パーティーの招待券を手に入れて」するとちょうど呉菲の携帯が鳴る。「(…はい、そうです)秦律師、明日のパーティーは家族同伴だそうです、ご主人の都合は?」「大丈夫」こうして呉菲は見事にミーティングの失敗を挽回した。その夜、陽華はカフェでレンタル彼女と待ち合わせした。念のため蔡亮を身代わりにして座らせ、斜め後ろの席で様子を見るという。「お前はIQ146の天才だろ?なぜレンタル彼女なんか…相手が詐欺師だったらどうするよ? 数十ページの財務諸表を一瞬で理解するお前が母親に手を焼くとはな~ いっそのこと自立したらどうだ?30歳目前の男が両親と同居するのは変だぞ?」その時、蔡亮は店に現れた美しい女性に目が釘付けになった。「彼女ならいい!」するとその女性は迷わず陽華の席にやって来る。「お待たせ、私が″花火″よ」しかし陽華は応募してきた秦施を断り、席を立って出て行ってしまう。外は激しい雨だった。蔡亮は訳がわからないまま車に乗り込んだが、助手席の陽華からまだ車を出すなと止められる。その時、予想通り秦施が現れ、傘を捨てて後部座席に乗り込んだ。「あなたは私の登場に驚いていなかった、つまり私が来ると分かっていたのね?」「思い過ごしだ」「いいえ」「だとしても断る、嘘を切り札に使う人間は信用できない」秦施は一瞬、言葉を失った。思えば師匠に推薦されて事務所を移った時にはすでに32歳。それでも当時は嘘をついてまで夢を叶えるつもりはないと師匠に反発していた。しかし退路を失った今、秦施は陽華を説得するしかない。「…私はあなたの敵じゃない、双方が利益を得られるのよ?」つづく( ゚ェ゚)実は陽華、一目惚れだったのか?
2023.11.03
コメント(0)
爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第1話「離婚協議書」…今日は憂鬱だわ…弁護士の秦施(チンシー)は朝から実家の経営するホテルに向かった。1046号室の前で激高しているのはクライアントの任梅梅(レンメイメイ)、どうやら夫の浮気現場に乗り込もうと躍起になっている。秦施はひとまず興奮する梅梅をなだめて引き上げさせ、客室に閉じこもっている秦文宇(チンウェンユー)に中へ入れて欲しいと頼んだ。すると文宇は覗き穴から外を確認、妹だけしかいないと分かるとドアを開ける。客室には文宇1人だったが、秦施はあっさりクローゼットの中に隠れている女を見つけた。しかし文宇は女性と会っていただけで、さすがに自分のホテルで浮気などするはずないという。任梅梅は秦施の同級生で兄嫁でもあった。梅梅の代理人として離婚協議に同席する秦施、しかしいざとなるとどちらもサインしない。実は夫婦の痴話喧嘩は日常茶飯事で、離婚協議書もかれこれ第17版になっていた。「いい大人がみっともない 2人とも経済的に自立して子供もいない、さっさとサインして幸せな新生活を始めたら? それが嫌なら互いに反省して 別れられないくせに何かと離婚と騒いで…次は弁護士費用も倍額よ」↓その肩パット…w一方、陽華(ヤンホワ)は一流大学を卒業しながら28歳にもなって無職、実家暮らしだった。陽母はせめて結婚して欲しいと見合いをセッティングするが、息子は何かと難癖をつけてことごとく断ってしまう。「ママの夢は息子がそれなりに出世して家庭を持つこと…すぐ結婚しろとは言わない ただ皆のように年相応の生き方をして少しずつ社会復帰すればいいの」しかし母の苦言もどこ吹く風、陽華はデイトレードで小銭を稼ぎながら相棒の亀・財神(ツァイシェン)と過ごす毎日に満足している。すると我慢も限界に来た陽母は再び見合い相手の写真を渡し、これが最後のチャンスだと釘を刺した。「今夜8時、相手の名前は李黛(リーダイ)、弁護士よ…失敗したら家から追い出すから」そんな2人の様子を陽父は黙って見ているしかなかった。↓シューカイのタートルネック((( *´꒳`* )))ここは上海の大手法律事務所・誠(チョン)&慧(フイ)。今夜は経営者である金誠(ジンチョン)と唐伊慧(タンイーフイ)の結婚20周年パーティーだ。秦施はこの事務所でシニア弁護士として個室を持つまでに出世し、いつかパートナー弁護士となって11階に移ることを夢見ている。すると出先で今夜のドレス選びをしている唐伊慧から電話が入った。実は今日から弁護士協会の副会長の姪・呉菲(ウーフェイ)が出社しているという。「あなたに頼むわね、それから11階の卞静(ビエンジン)が辞めることになったの」卞静とは秦施をこの事務所に推薦してくれた師匠だった。しかし2人の間には誰にも明かせない因縁がある。2年前、卞静は自慢の教え子である秦施を事務所に紹介したが、その時、秦施も既婚者だと嘘をついていた。何も知らなかった秦施は仕事柄、嘘をつくことに罪悪感があったが、結局、師匠の助言に従いキャリアを優先する。それ以来、秦施のデスクには偽の夫との合成写真が飾ってあった。夫は金融業界で働くため世界中を駆け回り、年に数回しか会えないと嘘をついている。すると唐伊慧は可愛がっている秦施を卞静の後任に推するつもりだと話し、それまで問題を起こさないよう警告した。結婚20周年パーティーには多くの招待客が集まった。その中に女性経営者協会の会長・蘭暁亭(ランシャオティン)の姿がある。唐伊慧は協会の法律顧問の座を手に入れようと尽力していたが、ここに来てついに協会が法律顧問を変えることになった。そこで秦施に蘭会長を取り込めたらすぐパートナーに昇格させると発破をかけ、送り込む。一方、陽華も見合いのため、とあるパーティー会場に到着した。李黛という弁護士を探す陽華、その時、突然、誰かが陽華を英語名で呼び止める。「…ジェームス・ヤン?」「あの…あなたは?」「やっと会えたわね、彼女ならこっちよ」唐伊慧は写真でしか見たことがない秦施の夫を見つけて喜んだ。「秦施ったら水臭い、サプライズだったのね?」「何が?」秦施は意味が分からないまま振り返ると、そこには決して会うはずのない架空の夫が立っていた。秦施は嘘がばれるのを恐れ、陽華が何か言う前に咄嗟に口づけした。当然ながら陽華は呆然、その隙に秦施は陽華を引っ張って控室へ逃げ込む。「あの…自己紹介するわね、私は秦施、あなたは陽華でしょう?」「なぜ名前を?どこかで会った?」陽華は憮然としながらベッタリとついた口紅を拭き取った。陽華は自分が秦施の架空の夫だと知った。実は今の事務所に入る時、師匠が勝手に既婚者として秦施を推薦したという。どの業界も独身女性やバツイチは敬遠され、出世のためには既婚である必要があった。「なるほど、それでネットで偽装結婚相手を探し、僕は知らぬ間に夫にされていたわけか…」「無作為ではないの…ともかく申し訳ないと思ってるわ まさかこうして出会うなんて夢にも思っていなくて…でも決して迷惑はかけない」しかし陽華は秦施の嘘が自分に影響がないとは言い切れないと冷たかった。そこで秦施はそれとなく携帯の録音ボタンを押し、要求があるなら聞くという。「話し合いましょう」「…離婚したい」唐伊慧は取り込み中の秦施に変わって蘭会長を接待していた。そこへ蘭会長の姪・趙丹平(ジャオダンピン)が現れる。唐伊慧は若く美しい丹平を称賛したが、なぜか丹平は唐伊慧に辛辣だった。「優秀さでは弁護士には及びません、弁舌で人を屈服させるんですから… 贈り物がないのでお祝いの言葉だけでごめんなさい」「お気遣いなく、どうぞごゆっくり」唐伊慧は会長の姪の態度を訝しんだが、その理由はすぐに分かった。陽華の見合い相手である李黛は秦施の同僚で、パートナーの席を争うライバルでもあった。実は趙丹平が夫と離婚した時、夫の弁護士が李黛だったと分かる。「だから誠&慧と聞いて顔色が変わったのね…そりゃ1200万も取られたら私だって逆上するわ この1年の努力が水の泡になった」唐伊慧は落胆したが、金誠は挽回の余地があるとなだめた。「ダメでも今の顧客で十分じゃないか」「数百億の価値がある一大商圏なのよ?!」すると金誠は妻の機嫌を直そうと優しく抱きしめた。一方、秦施は離婚を公表するまで3ヶ月の猶予が欲しいと頼んでいた。しかし陽華は3日しか認めず、それでも応じなければ今すぐ上司に真相を暴露するという。秦施は仕方なく条件を飲んだが、陽華は口約束では効力がないので念書にサインするよう頼んだ。なかなか侮れない陽華、これでは録音しても意味はなく、秦施はせいぜい条件を追加することしかできない。そこで秦施は3日間の秘密厳守を要求し、その間に陽華が原因で損失を受けた場合は年棒の2倍を払ってもらうと脅した。「3日間?」「3日間」「…はお」秦施は急いで事務所に戻った。その時、ちょうど大きなお腹を抱えて事務所を引き上げる卞静と出くわす。秦施はあの日、屋上で師匠と話したことを思い出した。『私は良妻賢母を目指すわ』『…ゆっくり目標に近づくはずが、スピードアップが必要みたい』『あなたらきっとできる、ただ目標達成まではしっかり自分を守るのよ? 私があなたなら絶対に秘密を暴かない』『皆が保身に走れば過ちが正されることはない…結局、各自が代償を払うことになる』卞静は秦施に気づいて微笑んだが、そのまま何も言わずに去って行った。陽母は宣言通り陽華を追い出すことにした。家中の部屋の鍵を交換し、すでに息子の荷物と亀は部屋の前に出してある。やがて帰宅した息子の声が聞こえてきた。しかし陽母は息子と会おうとせず、戻りたければ結婚しろと叫ぶ。「こんな夜中にどこへ行けっていうんだ?!」その時、陽華の携帯に父からメッセージが届いた。…ママは頭に血が上っている、しばらく避難しろ…メーターボックスに小遣いを入れておいたつづく( ๑≧ꇴ≦)相変わらず衣装の破壊力がハンパないそれにしてもシューカイかっこいいわ~
2023.11.02
コメント(1)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第13話)第40話「首謀の尻尾」梁尚(リャンシャン)殺害事件は私事として袁(ユエン)夫人が審理を取り仕切ることになった。曲泠君(チューリンジュン)は無実を主張、あの日、夫の部屋に食事を届けたのは自分の外套を来た侍女・幼桐(ヨウトン)だったという。そのため下僕たちはてっきり夫人が部屋に入ったと誤解したのだ。程少商(チォンシャオシャン)は審理を見守っていたが、自分に調べさせて欲しいと嘆願し、袁夫人も認めてくれる。すると袁慎(ユエンシェン)がまた難癖をつけて少商を挑発した。「自分を有能だと思っているのか?…学もないのに捜査したいとは笑わせる、ふっ」しかし少商は言い返しもせず、袁夫人に拝礼して出て行ってしまう。「おい!本気なのか?!」肩透かしを食った袁慎は自分も調べてくると母に断り、慌てて少商を追いかけた。袁慎は相変わらず減らず口を叩いていたが、内心では女子の身で現場に入った少商が心配だった。「あいつの捜査を待ったらどうだ? …それにしても穏やかになったな、以前ならすぐ言い争いになったのに」「子晟(ズーション)のおかげね、彼は私を溺愛し、大切にしてくれる、だから私も他人と争わなくなった 彼に嫁ぐなんて想像もできなかったけれど、でも考えてみたの もし彼と出会えなければ一生の心残りだとね…って、あなたに言っても無駄よね」少商は袁慎も早く妻を見つけるよう勧めた。意中の相手がいないため、自分たちのように仲睦まじい夫婦が気に食わないのだという。「あ、でも理想は下げた方がいいわ、私のような優秀な娘は見つからないから」袁慎の気持ちを知ってか知らずか痛い所を突く少商、すると捜査の妨げとばかりに袁慎は部屋から追い出されてしまう。少商は現場の部屋が外観に比べてやけに狭いと気づいた。そこで回廊を歩いて外周を図ってみたところ26歩、しかし部屋の中は20歩だと判明する。「残りの6歩はどこ?」壁には梁尚が大事にしていた金石で作った彫刻が飾られていた。その頃、凌不疑(リンブーイー)は真犯人に目星をつけ、梁家の男全員を集めていた。「梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧(シュウボク)、あなたが真犯人では?」「私は梁家の養子に過ぎぬ、梁尚に代わり家主を務めているだけ 梁尚と梁遐(リャンシア)は同腹の兄弟で梁太公の血脈だ 梁尚を埋葬してから家主の位は三弟の梁遐に引き継がれる…」梁無忌(リャンウージー)は三弟に話を振ろうとしたが、梁遐はいつの間にか姿を消していた。少商は壁を叩きながら歩いているうち、音が違う場所を見つけた。そこで力一杯、壁を押してみると、隠し部屋に潜んでいた梁遐に引き込まれてしまう。「三公子…あなたが犯人ね?」隠し部屋には血だらけの衣があった。梁遐は凌将軍の捜査が自分に及ぶと恐れて密かに隠し部屋へ戻り、証拠となる衣を処分しようとしたのだろう。すると梁遐は少商の首に短刀を突きつけ、少商を殺して逃げると言い出した。少商は咄嗟に自分を人質にして交渉すれば逃げられると提案したが、梁遐は信じようとしない。その時、突然、外から凌将軍の号令が聞こえた。「部屋を壊せ!」現場を捜査していた少商がこつぜんと姿を消した。報告を受けた凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)に離れを破壊するよう命令、追い詰められた梁遐は仕方なく少商を人質にして外へ出る。驚いた袁慎は思わず身を乗り出したが、袁夫人は息子を止めた。「君子、危うきに近寄らずよ…行っては駄目」すると凌不疑はちょうど集まっていた梁一族を包囲し、少商を放せば一族も母親も見逃すと条件を出す。その時、少商が真犯人は三公子だと暴露した。退路を失った梁遐は少商を道連れにすると言い放ち、母親など殺せばいいと開き直る。そこで凌不疑は梁母を引きずり出し、目の前で腕を捻り上げた。母の悲鳴を聞いた梁遐はさすがに気が動転、その隙を突いて凌不疑が短剣を放ち、見事に梁遐の手に命中させる。少商は梁遐の手が離れた瞬間に逃げ出し、不疑は無事に少商を奪還した。↓少商、いつの間に護身用の刀を出したの?黒甲衛は梁遐の両膝に矢を放ち、逃亡を阻止した。老夫人は溺愛する梁遐に抱きついて悲しみに暮れたが、当の息子は母が自分のために何もしてくれなかったと嘆く。父は養子である長兄の無忌を州牧に推挙し、家主には二兄の梁尚を指名した。これも一族に有能な子弟がいなかったせいだが、梁遐は嫡子で志もある自分だけ何も手に入らなかったと母に八つ当たりする。「俺がこうなったのもお前のせいだ!いちいち騒ぎ立てるから収拾がつかなくなっただろう?!」凌不疑も少商も梁遐が誰かにそそのかされて急に事を起こしたと分かっていた。そこで不疑は廷尉府に梁遐を連行し、首謀者の名を聞き出すことにする。しかし梁遐が何か言いかけた時、上階から梁無忌が放った矢が喉を貫通した。皇帝は梁州牧が証人の口を封じをしたと知り激怒した。これでは自ら首謀者だと明かしているようなものだが、梁無忌はこの件を追及しても大局にとって利なしだと訴える。皇帝も子晟もその意味を悟っていた。そこで皇帝はひとまず梁州牧を下げる。「子晟…首謀者はもしや太子妃の従兄では?別院の警護を任されておるし」「孫勝(スンション)ならもう捕らえました、解放すれば数日も生きられないでしょう 首謀者が誰なのか、陛下もすでにお気づきかと…」その夜、越姮(ユエホン)は永楽宮に三兄を呼びつけ、厳しく追及した。「亡き大兄の半分でも知恵があったら太子を陥れようなんて愚かなことはしない!」「不服だったのだ… もともと饟(ジョウ)県越氏は安泰だったのに、なぜ文(ウェン)氏と共に造反せねばならなかったのか」小越侯は妹から何度、諌められても諦めがつかず、恨み言を漏らした。本来なら妹が皇后となり、三皇子が世継ぎとなって次の皇帝になれたはずだという。しかし越姮は三兄が自分たち母子のためではなく、自分が国舅(コッキュウ)になりたいだけだと分かっていた。「霍翀(フォチョン)に代わって不満を言える立場?! 三兄、なぜ孤城に遅れて到着したの?瘴気(ショウキ)を口実に霍翀を死に追いやろうとしたのでは?」「言いがかりだ!」すると越姮は凌不疑のこと、貨幣の鋳造の件も韓武(ハンウー)に刺客を送り込んだことも、少なからず証拠を揃えているはずだという。それでも上奏しないのは越氏の面子を考えて三兄の自首の機会を与えてくれたのだろう。「なぜ瘴気に毒があると言いながら馬だけは無事だったの?なぜ軍報には記されてなかったの? 答えなさいっ!」「…救援の要請を受け出征後、道中で前方に瘴気があると知ってな しかし調査した斥候が瘴気は問題ないと報告した ちょうどその頃、乾安(ケンアン)王の軍も急いで向かっていた そこで考えた、乾安王の救援の時間を遅らせることができたら陛下は宣(シュエン)氏を咎めるとな だから斥候を殺した」その話を皇帝と凌不疑が聞いていた。凌不疑は越妃の公正な判断のおかげでついに小越侯の尻尾をつかんだ。あの時、乾安王は長年、不仲だった小越侯を信じられず、自ら一隊を率いて瘴気を調べに向かったという。やがて配下の彭坤(ポンクン)から乾安王が瘴気に侵され、密林で死んだと報告を受けた。しかし瘴気に毒はなかったはず、つまり彭坤がこの機に乗じて乾安王を殺害し、兵権を奪ったのだろう。一方、孤城は雍(ヨウ)王が兵器をすり替えたせいで10日は持ちこたえられる所、2日で陥落していた。孤城の惨劇は奇しくもそれぞれの私心が重なり招いた結果だった。小越侯は武器のすり替えなど知らなかったと否定、確かに援軍が遅れるよう画策したが、たとえ数日、遅れても間に合うと確信していたからだという。「乾安王を殺してなどおりません!ましてや兵器のすり替えなど… 陛下、私は孤城陥落とは無関係です!」しかし15年前ならいざ知らず、皇太子を失脚させるべく罠にはめたことが皇帝の逆鱗に触れた。兄との今生の別れを覚悟し、そっと目を閉じる越姮。すると皇帝は越氏一族の忠誠と生き残った兄妹に免じて命は奪わず、爵位を剥奪して皇陵の墓守を命じるという。越姮はむしろ皇帝の優柔不断さに驚いたが、凌不疑は反発する様子もなく、ただ黙っていた。凌不疑が長秋宮に戻るとまだ少商がいた。少商は今日のことを両親が知れば説教されるため、帰らなかったという。「無茶をするなと言ったのに、なぜ危険を侵す?」「私でなければ誰が皇后と太子の汚名をそそぐの?…助けたかったの、だから怒らないで」「はぁお、責めないよ、でも君に何かあったら自分を許せない」すると少商は凌不疑の眉間の皺を伸ばした。「孤城の件は決着したのに嬉しくないの?」「少商…家族を傷つけた相手を法で裁けないとしたらどうする?」「まだ敵がいるの?」「いや、仮定の話だ」「私はやられたら必ずやり返す、家族を傷つけた人は許さない、千倍にして返すわ」「ではもし復讐することで愛する人を傷つけるとしたら?」「…人生は取捨選択、重要な方を選ぶ」その答えを聞いた不疑は思わず少商を抱きしめた。一方、屋敷へ戻った袁夫人は息子に妻を選ぶよう勧めていた。母の思わぬ言葉に驚く袁慎、実は夫人は息子の意中の相手が程娘子だと気づいたという。袁慎は少商が婚約してから何度も縁談を探したが、満足する相手が見つからなかったと話した。「今になって思えば、面影が重ならぬからかも…一手の遅れが運の尽きでした しかし程少商が成婚しても私は日々を生きていかねば」↓(´ω`)しょぼん凌不疑は越妃に呼ばれて再び永楽宮を訪ねた。実は越姮が兄を誘導して処罰させたのは霍家と霍兄、そして何より子晟のためだという。「兄に対する処罰に不満でしょうね… でもあなたには長年のわだかまりを捨て成婚して欲しい、普通の暮らしをするべきよ」しかし不疑は小越侯の処分に不満はなかった。舅父は小越氏の手で死んだわけではなく、越氏とて大勢が亡くなっている。「皇帝が厳罰を避けた心情を子晟も理解できます 今後は越氏に償いは求めません、ただし黒幕の罪は一生を費やしても償いきれないでしょう」すると不疑は帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)うわっ!不吉な予感!w子晟、どうやら黒幕を知っているみたいだねそれにしても袁慎がらしくなくてちょっとつまらないw
2023.10.30
コメント(0)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第12話)第39話「積もる痴情のもつれ」皇帝に呼ばれて参内した小越(ユエ)侯。すると崇徳(スウトク)宮には杖刑で負傷した凌不疑(リンブーイー)の姿もあった。「越卿、実はそちに相談があってな…五公主とそちの末息子を早く成婚させたい」小越侯は困惑した。今や都中が五公主の噂でもちきり、そんな中で成婚すれば越氏まで影響を受け兼ねない。しかし皇帝は越氏があえて今、五公主を嫁に迎えることで噂が嘘だと示し、五公主の名誉を守りたいという。小越侯は皇帝の命に背くこともできず拝命するしかなかったが、これが凌不疑の差し金だと分かった。一方、皇太子の想い人だった曲泠君(チューリンジュン)は旧友と積もる話もできないまま慌ただしく宮中を出た。夫・梁尚(リャンシャン)が曲泠君をぞんざいに扱う様子を目の当たりにした五皇子妃は、かつて仲良く遊んでいた友の境遇が気がかりでならない。しかし程少商(チォンシャオシャン)は常識的で誠実だと評判の梁(リャン)州牧(シュウボク)が義兄なら夫人も大丈夫だと安心させた。その頃、梁尚は苛立ちながら曲泠君を連れて城門を出ようとしていた。すると東宮の使いが現れ、辞別の品を届ける。曲泠君は夫の手前、辞退したが、使いは皇太子が別れを惜しんで自ら授けた品だと釘を刺した。そこで代わりに梁尚が化粧箱を受け取ったが、中身が皇太子の手巾だと知るや馬車に乗り込むなり曲泠君に暴行してしまう。走り去る馬車から漏れ聞こえる曲泠君の悲鳴、皇太子妃はその声を城楼で耳にしながらほくそ笑んでいた。そんなある日、凌不疑が長秋宮にやって来た。少商はちょうど皇后や皇太子夫妻と談笑していたが、驚いたことに曲泠君が夫を殺したという一報が入ったという。「廷尉府が捕らえに向かいました、殺めたのは昨日の午の時の頃だとか 曲泠君が食事を届け、その後、刺された梁尚を下僕が発見しました」しかし皇太子が殺したのは曲泠君ではないと断言した。実はその時間、皇太子と曲泠君は紫桂(シケイ)別院で会っていたという。一方、梁府では廷尉府侍郎である袁慎(ユエンシェン)が舅父・梁無忌(リャンウージー)と対峙していた。袁慎は不明な点が多いため廷尉府が遺体と容疑者を預かると決めたが、公にしたくない舅父に邪魔されてしまう。「お前の母も梁家の嫡女だ、母方の名声にも関わる、連行はさせられん」結局、袁慎は伯父に阻まれ断念、改めて人を遣わすことにした。皇太子妃は皇太子と曲泠君が密会していたと知り深く傷ついた。「それほど彼女は魅力的ですか?再会しただけで理性を失わせ、醜聞を引き起こすとは… しかも死人まで出して、とても取り繕えない」皇太子妃は曲泠君が皇太子と復縁するため夫を殺したと決めつけると、ついに皇太子は堪忍袋の尾が切れた。「彼女と会ったのは梁尚から十余年も乱暴されていたからだ 曲泠君の悲惨な境遇もそなたのせいだ!答えよ、余の手巾がなぜ曲泠君の手に?」実は皇太子妃の嫌がらせは今日に限ったことではなかった。皇太子は皇太子妃がこの十余年、自分の名義で梁家に事ありげな品を贈り続けていたことを把握していたという。これでは梁尚が自分たちの関係を疑い、乱暴するのも当然だった。少商は衝撃の事実に驚愕、その時、初めて東宮を訪れた時のことを思い出し、はっとする。あの時、確かに皇太子妃は自分のかんざしを外し、梁夫人に渡すよう指示していた。しかし皇太子妃は原因なら皇太子にあると反発する。「曲泠君にとってこの十余年は生き地獄だったしょう、では私はどうだったと? 枕を同じくしても殿下の心は遠く離れていた…私の心が痛まないとでも思いますか?」「縁は切れたと言ったであろう?!成婚した時に誓った、そなたと余生を歩むと… だかそなたは改めもせず、結果、今に至り、余が好まぬばかりか、宮中の誰にも尊敬されぬ」すると皇太子は皇太子妃に最後の機会を与えた。「望むなら曲泠君のために陛下の前で余と一緒に嘆願するのだ 望まぬのならすぐに消えうせろ!」「…曲泠君はまるで私と殿下の心に刺さる棘のよう あんな女、今すぐ廷尉府の牢に入れられ死ねばいいのよ!絶対に嘆願などしない」皇太子妃は積年の恨みをぶちまけ、皇后に拝礼して長秋宮を出た。その夜、皇太子は父皇に事情を説明し、廷尉府に曲泠君の潔白を証明してほしいと嘆願した。皇帝は臣下の妻と密会していた皇太子に激怒、すぐ廃することもできると怒号を響かせる。「男女が別院で密かに会いながら潔白だと主張して誰が信じるというのだ?! 天下の見本になるべき太子が男女の情などで己の名声を壊すとは!」すると皇后が矢も盾もたまらず、涙ながらに母として子を信じると訴えた。「陛下は父として息子を信じてくださいますか?」結局、皇帝は東宮と天下のために示しをつけるとし、子晟(ズーション)に真相解明を命じた。凌不疑は拝命して寝殿を出た。すると物陰で聞き耳を立てている少商を見つける。ばつが悪い少商だったが、調査に行くなら一緒に行きたいと頼んだ。本当のところ不疑は嫁選びを誤り、自分の首を絞める結果になった皇太子に呆れているという。しかし少商は皇太子の果敢な決断に敬服すると言った。「太子が自分の名誉のために曲泠君の苦難を見過ごせば、それこそ失望するわ …ねえ、行ってもいいでしょう?」「分かった、だがかき乱さないと約束してくれ」「いつ私がかき乱したの?」「いつもだろう?」凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)を引き連れ、梁家の捜査にやって来た。梁州牧と梁尚の同腹の弟・梁遐(リャンシア)が現場となる部屋に案内したが、まだ生々しい血の痕が残っている。不疑は同行した少商を気遣い、曲泠君の様子を見て来るよう頼んで外へ出した。「私は梁州牧に話がある、事は梁府の男全員に関わる…全員に同席してもらおう」その頃、曲泠君は子供たちと引き離され、君姑から容赦ない制裁を受けていた。「お前を打ち殺してくれる!息子の敵討ちだ!」驚いた侍女・幼桐(ヨウトン)は咄嗟に主に覆い被さってかばったが、そこへ少商が駆けつけ止めた。「老夫人、調査中なのに私刑に処すとは…」しかし老夫人は少商が皇后付きだと知り、皇后が息子を助けるため送り込んだと誤解してしまう。「自分の息子は大事で、私の息子は死ねばいいというの?そんな理不尽なことがあると?」老夫人は興奮して再び曲泠君を打ち据えろと叫んだが、その時、袁慎が母を連れてやって来た。袁夫人は早速、長老を呼び集め、嫡女として一族の掟に従い審理を始めた。当時はまだ父の側女だった庶母、寒門の出なのはともかく、狭量で私心しかなく、到底、父の妻とは認められないという。すると老夫人は正妻となっても一族に見下されていたと不満を漏らした。溺愛する梁遐を仕官させたくても一族が推挙してくれず、家主にしようとしても年功序列だと言って機会を与えてくれなかったという。しかし袁夫人はそもそもこんな騒動となった発端は老夫人にあると指摘した。実は老夫人が正妻になったのは梁尚を産んだ時ではなく、梁遐を産んだ時だったという。そのため老夫人は梁尚が庶出だと知られるを嫌って梁遐にばかり目をかけ、そのせいで梁尚は神経質で疑り深い性格に育っていた。「末子に家主を継がせたいから曲泠君の断罪を急いだのね 梁家がなければ甲斐性なしの2人の息子の命など何の価値もないけれど…」袁夫人は聡明な曲泠君がなぜ虐げられても訴え出なかったのか訝しんだ。実は曲泠君は何度か離縁を申し出たが、梁尚から皇太子との醜聞を言いふらすと脅され断念したという。子ができてからも離縁を考えたが、出て行くなら子を置いて行けと迫られ諦めていた。すると袁夫人は事件当日、梁尚に食事を届けたのは誰なのか確認する。「侍女の幼桐です」その頃、凌不疑は梁家の男たちを集め、この中に犯人がいると踏んでいた。女が背後から一太刀(ヒトタチ)で胸を刺し、命を取るのは難しい。しかも梁尚は交友がなく、終日、部屋に閉じこもって金石の彫刻に没頭していた。「彼に恨みがあり、利害を争うのは外部の人間ではない、梁家の者だけだ 本件は太子に関わり、たった1日で都中に広まった 犯人の手際がいいのも呼応する者がいたからだ それに梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧、あなたが真犯人では?」つづく( ゚ェ゚)… ←皇后も所在なさげw
2023.10.28
コメント(2)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第11話)第38話「愛を叫んで」凌不疑(リンブーイー)の企みにより情夫を囲っていたことが都中に知れ渡ってしまった五公主。程少商(チォンシャオシャン)は五公主の噂をわざわざ皇后の耳に入れた皇太子妃に憤ったが、皇后は皇太子妃の胸中をおもんばかった。思えば皇太子妃は五公主から日常的に侮辱を受けており、平静でいられないのも仕方がない。何より寿誕の宴で美しい曲泠君(チューリンジュン)の姿を見れば心中、穏やかではいられないだろう。実は皇太子にはもともと想い人がいた。曲泠君は皇太子妃より家柄や品格に優れ、当時は頻繁に宮中に来て皇太子ら兄妹と遊んでいたという。「2人が想い合っていることは誰の目にも明らかだった ただ陛下が故郷にいた頃に婚約を決めていたの、権力を得た後に破棄すれば信用を失う だから太子は約束通り孫(スン)氏を娶るしかなかった」「太子は約束を守らなければ良かったのに…」「子晟(ズーション)も同じことを言ったわ… 幼いながらも私や陛下にこの縁談は太子にとって害になるとね」しかし結局、皇太子は孫氏を娶り、曲泠君も別の人に嫁いでしまう。「聞くけれどあなたは心から子晟のことが好きなの?」「…好きです、以前は彼のことを天上の明月のような遠い存在だと思っていました でも彼も私と同じように血が通い、喜怒哀楽もある、想いは深まりました」「陛下は子晟が身を固めぬことを案じ続け、余は子晟を理解できる者が現れるだろうかと案じた 子晟があなたを選んだのは正解だったわ」その時、翟(ジャイ)媪(ウバ)が血相を変えて寝所に駆けつけた。「皇后!大変です!十一郎が陛下を怒らせ、杖(ジョウ)刑に処されると…」少商が駆けつけるとちょうど凌不疑が皇帝から叱責されていた。何でも不疑は少商を落水させた八家の息女を突き止め、その父兄を殴打したという。実は皇帝は五公主に加担した息女たちが普段から傍若無人に振る舞っているのではと懸念した。そこで父兄らが権勢を笠に着ていないか調査させていたが、賄賂をもらっていたことが発覚する。すると不疑はこの機会を利用し、廷尉府を無視して自ら制裁を加えていた。皇帝は皇権を乱用した私刑だと激怒、厳しく罰すると怒号を響かせた。驚いた少商は許しを乞うたが、不疑は嘆願なら必要ないと冷たい。「己の罪は己で償う…君と同じように私にも矜持(キョウジ)がある、これが凌不疑だ」少商は自分への当てつけだと気づき、無茶をして婚約を台無しにするつもりかと言いかけた。その時、不疑の口から思わぬ言葉が飛び出す。「辞官して君と隠居したい、君の求める田舎でな」凌不疑の無謀な行動は全て少商のためだった。そこで少商は昨日、自分と言い争ったことが原因だとかばったが、かえって皇帝からなぜ喧嘩ばかりするのかと責められてしまう。「今度、言い争ったら何だ、朕の崇徳(スウトク)殿を襲うのか?!」すると皇帝は罰として杖刑100回後、流刑に処すと命じた。少商は何とか見逃してもらおうと必死だったが、不疑はあっさり拝命すると告げて出て行ってしまう。「ちょ…凌不疑っ!」刑場はちらちらと雪が舞い始めた。少商は皇帝と共に城楼から刑の執行を見守ったが、やがて耐えられなくなり刑場へ降りてしまう。すると知らせを聞いた皇后と越(ユエ)妃が城楼へ駆けつけた。皇后は皇帝の非情な仕打ちに心を痛めたが、越姮(ユエホン)はこれが皇帝の謀だと気づく。実は軍営での杖刑には一見、血みどろに見えても大して支障のない打ち方があった。そうとは知らず刑場に入ろうとした少商は衛兵に止められながら、なりふり構わず叫んでいる。「子晟!誓うわ!2度とあなたと喧嘩しない! いくら私に怒っていても自分の身体を犠牲にしてまで意地を張るなんて馬鹿なことしないで!」そこで皇帝は少商を止めている衛兵の手を緩ませ、子晟に近づかせるよう命じた。少商は執行台へたどり着くと、杖を振り下ろそうとした衛兵を突き飛ばして刑を止めた。「子晟、今後は何事もあなたに相談すると約束するから… これからは真心をあなたに捧げる、私のために馬鹿な真似はやめて、いいわね?」すると少商は思わず凌不疑を抱きしめた。「もうとっくにあなたを愛していた…なぜ気づかないの?」「…今、何と言った?朕は聞こえなかったぞ?!何だって?!」城楼では皇帝が少商の気持ちを確認しようと必死だった。しかし越姮は聞こえずとも見れば分かると呆れる。安堵した皇帝は刑の中止を命じたが、皇后は皇帝のやり方に反発して帰ってしまう。凌不疑は幼い頃に過ごした長秋宮で静養することになった。夜になっても不疑が心配で落ち着かない少商、しかし皇后は医官がついているとなだめる。「翟媪に安神薬を用意させたわ、ずっと泣き続けて声も枯れたでしょう? 薬を飲んで早く眠りなさい」しかし少商は矢も盾もたまらず、こっそり不疑の部屋へ行ってしまう。不疑は少商の姿を見ると嬉しそうに身体を起こした。負傷した割には元気そうな不疑、少商は思えばあの時、子晟があまりにあっさり皇帝の罰を拝命したことに気づく。「負傷したのは芝居なの?」「なぜ芝居だと?」「私が心を傷めれば目的を果たせる」「…少商に心を痛めてもらえるなんて、こんな幸せはない」少商は子晟が愛しくなり、おでこに口づけした。すると2人は見つめ合い、自然と顔を近づけて唇を重ねる。「こんなことは成婚まで待つべきか?」「それは私の台詞でしょう?」少商は子晟に笛を吹いて聴かせた。すると不疑は灯会(トウエ)で初めて少商の顔を見た時のことを思い出す。「あの時も今のように君は美しかった」「だったらなぜ後日、会いに来なかったの?」「あることを遂げるまで娶る決断ができなかった」「一目見ただけで娶ると?」「一目で十分だ…一度、見ただけで分かった、余生を共にするのは君だけだとね」「この先、欺かれない限りこの少商、あなたを裏切らないわ」こうして何度もぶつかり合いながら愛が深まった少商と不疑。その頃、曲陵(キョクリョウ)侯府では蕭元漪(シャオユエンイー)がなかなか戻ってこない嫋嫋(ニャオニャオ)に苛立っていた。少商は皇后から賜った外套を母に届けたが、蕭元漪は皇后に懐いてすっかり母を忘れた娘からの贈り物に見向きもしない。程始(チォンシー)は思わず失笑し、会えなくなると気がかりになるのかと揶揄した。「夫人、嫋嫋は凌不疑と一緒になってから、さほど問題は起こしていない」「そうね、誰が予測できた?凌不疑の方が嫋嫋より常軌を逸しているなんて…」凌不疑が報復した八家のひとりは御史中丞だった。皇帝は不疑が乗り込んでめちゃくちゃにした御史台の修理を命じたが、不疑はこの機に乗じて15年前の越氏の軍報を持ち出すことに成功する。すると予想通り軍報には戦馬の損傷は記載されていなかった。「恐らく兵の死因も瘴気ではない、小越侯は嘘をついている」しかし証人の軍医が死んで韓武(ハンウー)も殺され、当の小越侯は狡猾でなかなか尻尾を出さない。「奴がボロを出さねば…仕向けるまでだ」つづく( ˘ω˘ )さすがに真心うんぬんはもう飽きてきた…それにしても今回は上手い人が多いね~
2023.10.24
コメント(2)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第10話)第37話「報復の流儀」程少商(チォンシャオシャン)は池に落ちてびしょ濡れになった五皇子を長秋(チョウシュウ)宮で着替えさせることにした。五皇子は誰かに見られたらあらぬ誤解を受けると心配したが、嫌な予感は的中する。「あらあら、本当に皇兄と程娘子が密会していたのね~」五公主の勝ち誇った顔を見た少商はこれが五公主の仕業だとすぐに分かった。五公主は父皇と母后の前で五皇子と少商を追及した。焦った五皇子は五公主の取り巻きから鏡心(キョウシン)池で佳人が待っていると聞いたと訴えたが、肝心の証人の姿がない。少商も池に落ちた五皇子を助けただけだと釈明したが、五公主はそんな言い訳を誰が信じるかと鼻で笑った。「ごぅら(够了)っ!」皇后は思わぬ騒ぎに不快感をあらわにし、宴に戻らず長秋宮に帰ってしまう。皇帝は祝宴を台無しにされ怒り心頭だった。しかし皇后の寿誕に免じて今日のところは不問に付すという。こうして一同が引き上げ、五皇子も逃げるように帰って行った。すると凌不疑(リンブーイー)がやっと少商に声をかける。「大丈夫か?」「私を信じる?」「もちろん」「よかった、私は皇后のところへ行くわね」少商はそれ以上、何も言わずに急いで戻って行った。皇后は結局、寝付けないまま朝を迎え、付き添ってくれた皇帝を見送りに出た。するとまだ夜が明けたばかりというのにどこへ出かけていたのか、少商が長秋宮に戻ってくる。「少商、宴の準備で大変だったわね…早く支度して家に帰りなさい」「ありがとうございます、陛下、皇后」その時、五公主が凄まじい剣幕で長秋宮に乗り込んできた。「程少商!殺してやる!」五公主はなぜかびしょ濡れで、全身が真っ黒に汚れていた。五公主は息女たちと飲み明かし、朝方に瓏園(ロウエン)へ戻った。しかし息女が扉を開けた途端、仕掛けてあった桶が飛び出し汚水をぶちまけ、さらに勢いよく放たれた荊が身体を打ち、最後には灰を浴びせられたという。五公主は全て少商の仕業だと訴えたが、皇后は証拠がないと退けた。これに五公主は憤怒、なぜ娘ではなく少商の肩を持つのかと嘆く。そこへ越(ユエ)妃が現れた。「母后の干渉を嫌がって公主府で悠々自適に暮らし、孝行することもなかったくせに 何を今さら…」越姮(ユエホン)は自分の瓏園で起きた騒ぎのため座視できないという。すると五公主は日頃の越妃への鬱憤が爆発、暴言を吐いた。「母が皇后だと忘れている!四六時中、父皇と睦み合い、長秋宮を…」その時、越妃が五公主を平手打ちした。「私を叩いたわね…ワナワナ」「母親の寿誕の宴で程少商を陥れたのよ?ぶたれて当然では?」「嘘よ!証拠があるの?!」「あるとも!」凌不疑が五皇子を池に誘い出した息女を連行した。すでに息女は全て五公主の所業だと白状したという。「五公主は我が新婦が池に行くと知り、五皇子を誘い出して彼女の名声を辱めようとしました」しかし御前に突き出された息女は恐怖のあまり、証言する前に気絶してしまう。五皇子は全て五妹の指示だったと告発した。これに激怒した五公主は兄である五皇子を″雑種″呼ばわりしてしまう。「父皇、私は長秋宮の嫡出、なぜ卑しい者の言葉を信じるのですか?!」皇后は傍若無人な娘の姿に唖然とし、全ては自分の過ちだと嘆いた。「余は若い頃、苦労を重ねた分、子には楽をさせたかった…まさかここまで思い上がるとは… 兄弟への情がなく、越妃に不敬を働き、父皇も尊ばない しかも余の寿誕の宴で少商を陥れるなんて…誰かっ!」驚いた五公主はひざまずき、悪いのは何の因縁もない自分に報復した程少商だと訴えた。しかし五皇子が因縁ならあるとばらしてしまう。「先日、息女たちと程少商を池に落としたくせによく言うよ」何も知らなかった凌不疑は驚愕、少商がまた独りで行動を起こしたと知った。少商は自分が罠を仕掛けたと認めて謝罪した。確かに五公主に池に落とされたが、皇后の寿誕の宴を目前に控えていたため、終わるのを待って報復したという。「池に落とされたから汚水をかけ、宴をぶち壊しにしたから″荊の杖を背負う罰″を負わせたのです 五公主、少しは目が覚めました?…どうやら無駄だったようですね」「程少商っ!こんなことなら毒蛇を放って殺しておけば良かった!(はっ!)」激情に駆られた五公主はうっかり口を滑らせたが、開き直って武将の娘など死なせれば済むことだと言い放った。「公主の私が殺すのは蟻を潰すも同じ、彼らの命に価値はない! 父皇、母后、娘ではなく他人に味方するのですか?!」「…お前はどうかしている、どうかしているぞ!」増長した五公主の悪辣な行動は皇帝と皇后の逆鱗に触れた。皇后はすぐに消えろと叫び、怒りのあまり卒倒してしまう。そこで皇帝は五公主を皇陵に閉じ込め半日ほど反省させるよう命じ、今後は許可なく公主府を出るなと厳命した。皇帝は人払し、皇后を心配して寝殿に入った。すると越姮が引き上げようとした駱済通(ルオジートン)を引き止める。「五公主は帝后が罰する、では密会だと騒ぎ立てた春笤(チュンティアオ)は?」「心ある奴婢を留めて置くことはできません、父兄に頼んで辺境へ売ってもらいます」「ふっ…あなたを侮っていたわ、これほど果敢だったとはね」凌不疑は少商を連れて長秋宮を出た。「あの夜、泣いていたのは辱められて悔しかったからだったのか…いつまで隠すつもりだった? なぜ自分だけで動く?私が信じられないのか?」不疑は縁談が決まった時、これからは少商の後ろ盾となり、知己となって、少商の恐怖や孤独を共有しようと思っていたという。しかし結局、少商にとって自分は恐れ多く、近づきがたい存在のままだった。「楼垚(ロウヤオ)なら君は怯えずに済み、自由気ままでいられた だが私は君を宮中に閉じ込め、恐れを抱かせてしまう…嫌悪感すらも…」不疑は今さらながら少商を留めるべきではなかったと後悔し、独りで行ってしまう。「凌子晟(ズーション)!私は一匹狼、やられたらやり返す!そんな私が好きなのよね?! なのになぜ急に変われと強いるの?!私は程少商よ!凌子晟の新婦というだけじゃない!」すると不疑がふと立ち止まって振り向いた。「分かっている、そのままでいい」少商は皇宮も不疑も受け入れているつもりだった。…それなのになぜこのままの私を受け止めてくれないの?…少商は長秋宮に戻り、改めて皇帝と皇后に謝罪した。すると自分がめちゃくちゃにした瓏園を凌不疑がすでに配下に命じて修復させたと知る。驚いた少商は自分で責任を取ると言ったが、その時、ふせっていた皇后が身体を起こした。「少商、子晟があなたの未婚夫なら余と陛下はあなたの君姑(クンコ)であり君舅(クンキュウ) 誰かに陥れられたのに相談もせず自分で動くとは… 私や陛下を親とも思わず、子晟に愛も注がぬのなら、皆の心を失望させるだけよ?」「…もっと早く教えてくださればいいのに、今さら手遅れです(ボソッ」少商は思わず恨み言を漏らしたが、皇帝は不疑への真心を学ぶことなら今からでも間に合うと諭した。一方、凌不疑は五皇子を待ち伏せし、少商を池に落とした息女たちを全て教えるよう迫った。すると不疑は宮中にいる息女の父親を次々と捕らえ、引き回しの刑にしてしまう。「世に知らしめなければならぬ、これが我が子を躾けぬ親の末路だとな」その夜、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は皇帝の命で五公主を公主府まで送り届けた。しかし五公主に反省の色は見えず、父皇と母后の容赦ない罰もしょせんは自分を怯えさせたいだけだと侮っている。その余裕も屋敷に入るまでだった。前庭には公主をそそのかして愚行たらしめた罪により死を賜った幕僚たちの亡骸が並んでいる。五公主はようやく自分の過ちの大きさに気づき、その場で泣き崩れた。五公主の″情夫″に死を賜るよう上奏したのは凌不疑だった。そのせいで都中に五公主が情夫を囲っていたと噂が広まり、小越侯は将来の君舅として面目丸潰れとなる。怒り心頭で酒楼に閉じこもった小越侯、すると番頭の田朔(ティエンシュオ)が現れ、いずれ吉報が届くとなだめた。「三皇子は品行方正で厳正中立、陛下も絶賛しておられるとか 君子とは真っ直ぐで邪のない者、三皇子は天子になる運命かと…」「…だが太子という邪魔者がいるかぎり、吉報が届くのは無理だろうな」皇太子と皇太子妃は母后を見舞った。すると皇太子妃が五妹の悪い噂が都に広まっていると報告、皇太子と少商は眉をひそめる。「…母后、どうか気に留めないでください」皇太子は五妹も少しずつ改めるはずだと安心させたが、皇太子妃は罰してこそ教訓になるため溺愛は禁物だと諫言した。「儲妃、少し遠慮しては?良かれと思っても、その言い方は人を不愉快にさせるだけ 慈悲深い皇后は怒りませんが、もし越妃だったらどうなると?」見かねた少商が釘を刺すと、皇太子妃は気まずくなって口をつぐんだ。皇太子妃は東宮に戻ってから皇太子に叱責された。いくら五妹と確執があるとは言え、父母が娘のことで胸を痛めている時に火に油を注ぐなという。皇太子妃は失言を詫びたが、皇太子はあきらかに悪意があったと指摘した。すると皇太子妃は報復するとすれば相手は五妹ではなく、我が子を死なせた曲泠君(チューリンジュン)だという。「曲泠君と殿下が怪しい仲でなければ、私も体調を崩して子を失いませんでした… 彼女は宴であなたに何度か視線を向けた、それだけでこの数日、殿下は心ここにあらずです」皇太子妃はそもそも自分を娶ったのが間違いだと嘆いた。曲泠君に未練があるなら入内(ジュダイ)させて良娣(リョウテイ)に封じれば自分も苦しまずに済むという。皇太子は疑心暗鬼に陥った皇太子妃を持て余し、無益な争いは好まないと言い捨て出て行った。つづく( ゚ェ゚)え?また振り出しに戻るの?ってか今さら阿垚を持ち出すとかエェェェ…そもそも不疑ソックの不具合が原因なのに…w
2023.10.22
コメント(2)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第9話)第36話「負けず嫌いの涙」凌不疑(リンブーイー)は宮中に留まる程少商(チォンシャオシャン)を気遣い、曲陵(キョクリョウ)侯府から少商の荷物を運び込んだ。少商は届いた荷物を見ると家が恋しくなる一方だとぼやいたが、皇后は単に宮中での暮らしが窮屈なだけだと見抜く。思わず顔を見合わせて失笑する皇后と少商、しかしそこへ五公主が現れ、寝殿のなごやかな空気は一変した。五公主は珍しく殊勝な様子だった。「どんな貴重な礼品も父皇と母后の権勢を借りて得たもの そこで自ら舞人を招いて演舞を編成し、長く練習しました」「母后はあなたの孝心を知っているわ」少商の前で褒められ得意げな五公主、しかし喜んだのも束の間、母后から弘農(コウノウ)郡で広大な田畑を荘園にしたことを咎められてしまう。「でも放置されている荒れ地です 荘園にして水路を開き流民に開墾させれば、食糧も増え、民も安心かと…」「天下は王の領地ゆえおのずと開墾する民もいる、心配には及ばない」しかし五公主は少商のすることには援助しても自分は叱責されると恨み言を漏らした。皇后は少商なら自腹であり私欲でもないと呆れ果て、話をそこで終わらせてしまう。病み上がりの皇后は五公主が宴に招いた世家の息女たちが煩わしく、越(ユエ)妃の永楽宮へ預けることにした。少商は駱済通(ルオジートン)と一緒に五公主たちを瓏園(ロウエン)まで案内することになったが、庭園の橋を渡っている時、五公主の取り巻きに突き飛ばされて池に落ちてしまう。すると五公主は少商を怖がらせようと池に蛇を投げ込ませた。驚いた少商は必死に逃げ惑いながら岸に上がったものの、足首をかまれてしまう。蛇には毒がなく少商は無事だった。五公主はびしょ濡れのまま逃げるように長秋宮へ戻った少商の姿を見て溜飲を下げ、駱済通に口止めしておく。「嫁ぐ前に公主を怒らせて騒ぎを起こせばどうなるかしら…」思わず口ごもる駱済通、その時、物陰から音が聞こえた。「何の音?!出て来なさい!」全てを見ていた五皇子は申し訳なさそうに姿を現したが、嫡子の五公主には頭があがらない。五公主も父皇が過って宮人に産ませた五皇子など歯牙にも掛けず、余計なことは言うなと釘を刺しておいた。少商が湯浴みから上がる頃にはすでに夜になっていた。すると急に凌不疑が訪ねてくる。「宮中なら昼夜、会えると思ったが、君はずっと忙しくて差し入れも使いをよこす 以前よりも会うのが難しくなるとはな…それで今夜はどうにも恋しくなって会いに来た」少商はかろうじて笑みを浮かべたが、涙があふれそうになって背を向けた。「今や朝堂では誰もが私を羨む、賢恵な女子を妻にできると… 陛下すらも君が賢く有能だと褒めた、長秋宮を見事に差配しているとね 君は誰かに尽くすと決めたら全身全霊でその人のために献身する、たとえ自分が辛くても…」不疑の称賛の言葉を聞いた少商はかえって悔しさと惨めさが募り、ついに泣き出した。「嫋嫋(ニャオニャオ)?どうした?」少商は思わず不疑に抱きつき、泣きじゃくってしまう。驚いた不疑は少商を強く抱きしめながら理由を聞いたが、少商は家が恋しいだけだと嘘をついた。凌不疑はそれ以上、追求しなかった。その代わり少商を抱き寄せる口実に、背中にある急所・命門(メイモン)の場所を教える。「…他に教えられることがある?例えば誰かに虐げられた時、応戦する方法よ」「私がいる、誰も虐げない」「でもいない時は?!」「何を学びたい?」「こんな風に後ろから押されたら?」少商が不疑の背中を押そうとすると、不疑はあっさり避けて少商の腕をつかんで見せる。「じゃあこうしたら?」すると不疑は攻撃を華麗にかわし、少商を捕まえて寝台の上に押し倒した。「どうだ?」「…使えるのは手一本よ」「はお」不疑は片手だけでも軽々と少商の手を封じてしまう。「手一本も使わないで」そこで不疑は両手を使わず、少商に覆い被さった。思いがけず唇と唇が触れ合いそうなほど接近してしまう2人…。少商は恥ずかしくて視線をそらしたが、その時、不疑が少商の手を取って自分の背中に回した。「この先、私の命門は君に託した…嫋嫋、何が起きたんだ?」「…ひとつお願いがあるの」「君が望むなら全て叶える」皇后の寿誕を祝う宴、少商は見事に取り仕切って見せた。最初の余興は意表をついて凌将軍が琴を披露、実は不疑は皇帝に頼まれても腕が鈍っているからと断り続けて来たという。どうやら不疑を弾かせる気にさせるのは少商だけらしい。次に三皇子がちょうど皇后の寿誕前に封土で新たな鉱脈を発見したと報告した。「これも母后の福がもたらしたものでしょう」皇帝が上機嫌になったところで今度は皇太子と皇太子妃が西域で購入した玉麒麟(ギョクキリン)一対を献上した。しかし皇太子妃がうっかり銀銭をつぎ込んだと口を滑らせ、失笑を買ってしまう。倹約を推奨する皇帝の前での失言に顔を引きつらせる皇后と皇太子、その時、少商が助け船を出した。少商は皇太子妃の隣にひざまずき、皇太子からの祝いは他にもあると上奏した。実は今日の酒は皇太子が西域から取り寄せた種から実った果実で作ったという。「果実酒なら浪費にならず存分に飲めます」また料理も皇太子が求めた胡桃の油を使っていた。「胡桃は腹持ちするため欠かせぬ食物なのです、太子に感謝します」少商の機転で皇太子は面目を保ち、皇帝も民の心が分かる皇太子だと喜んで褒賞を授けた。安堵して席に戻った皇太子、しかしふいに向かいの席にいる想い人に気づく。2人はしばし見つめあったが、それを見た皇太子妃は激しい嫉妬に苛まれた。五公主は二公主と駙馬(フバ)が奏でる音楽に合わせて群舞を披露した。しかし人数が多すぎたせいか途中でぶつかり合い、転んでしまう。皇帝は意気消沈する小五を慰めるため褒美を出すと言ったが、宴席は何とも言えない微妙な雰囲気に包まれた。凌不疑と少商からの祝いの品は書簡だった。皇后は献上された書簡を早速、開いてみると、それが亡き父が記した詩文だと分かり、思わず涙ぐむ。宣(シュエン)太公は詩文を好んでいたが、記した詩文を惜しむことなく友に贈り、屋敷には書簡が残っていなかった。「…父の墨宝は2度と見られないと思っていたわ」皇帝は心がこもった礼品だと感激し、皇后も子晟(ズーション)と少商が自分を心から気にかけていることを知っていると感謝した。宴席で並んで座る凌不疑と少商はすでに夫婦のように仲睦まじかった。皇帝はそんな2人の様子を見て目を細めたが、袁慎(ユエンシェン)や駱済通は内心、穏やかでない。そうとは知らず、少商と不疑は同じ杯の酒を分け合いながら飲んでいた。その時、少商は不疑の右薬指に巻いた包帯に気づき、琴の練習のせいかと尋ねる。しかし不疑はなぜか黙ったまま何も答えなかった。少商はふいに昨夜、不疑が自分を押し倒した時のことを思い出し、何とも言えない愛おしさが湧き上がる。すると少商は衝動的に不疑の横顔に口づけし、照れくさそうに宴席を出て行った。駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は五公主が取り巻きの娘を呼んで悪巧みしていることに気づいた。すると令嬢が早速、五皇子に何やら耳打ち、五皇子は千鳥足で宴席から出て行ってしまう。春笤はこっそりあとをついていくと、五皇子が庭園で少商を待ち伏せしていた。五皇子は酔った勢いで少商にちょっかいを出そうとしたが、少商は凌不疑を真似て五皇子の腕をつかむと池に落としてしまう。「俺は泳げないんだぞ!助けてくれ!」しかし少商は泳げなくても岸へたどり着けることを知っていた。すっかり酔いが覚めた五皇子は激怒、少商の悪辣さは凌不疑と同じだと批判した。実は五皇子は幼い頃から凌不疑にいじめられていたという。「奴は陰湿で必ず報復する、手段も選ばない、そなたとお似合いだな!冷酷で無慈悲だ!」出自のせいで卑屈な五皇子は少商まで軽視すると嘆いたが、少商は五皇子が独特な見解を持っていると知っていた。「五皇子は異国の風土の話がお好きだとか? …朝堂に無益と知りながら探求しようとするのは純粋な心からです 誰にも称賛されないからって何です?自分が好きならそれでいい その点で私と五皇子はよく似ています」「…そこまで言うならもう難癖はつけまい」「はお、では今日から私たちは友ですね」駱済通はせめてもの思い出に凌不疑と別れの杯を交わしたかった。そこでちょうど少商が席を離れた隙に凌将軍に声をかける。「北西に嫁いだら今度はいつ会えるか…私から将軍に一献を…」すると春笤が慌てた様子で戻ってきた。「大変です!…五皇子と程娘子が鏡心(キョウシン)池で密会しています!」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 にゃおにゃお〜それにしても3も5も声が上手いわ、意地悪だけどw
2023.10.16
コメント(0)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第8話)第35話「月と星の関係」袁慎(ユエンシェン)は程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)の婚約の宴から追い出される汝陽(ジョヨウ)王妃と城陽(ジョウヨウ)侯夫人を目の当たりにした。「程娘子の婚約は慶事と言えなくもないが、汝陽王にとっては大慶事だな…」「″言えなくもない″って何よ?」少商は回廊にいた袁慎の失礼な物言いを聞き逃さなかった。「そんなに嫌味ったらしいのは嫉妬しているから?前の縁談が潰れてもすぐ次が決まった 善見(シャンジエン)公子なんて子晟(ズーション)と同年代なのに妻もいない 今日は世家の娘が大勢来ているから私が取り持ってあげましょうか?」すると憤慨した袁慎は低俗だと言い捨てて行ってしまう。万松柏(ワンソンバイ)が凱旋、匪賊を討伐して無事に人質だった王隆(ワンロン)を解放した。事情を聞かれた王隆は、持ち場を勝手に離れたのも父・王淳(ワンチュン)の軍令に従ったからだと釈明したという。皇太子は自分が慎重に調査すると申し出たが、その時、廷尉(テイイ)府・紀遵(ジーズン)が自分たちに任せて欲しいと嘆願した。「善見、陛下にご挨拶を…」仕官した袁慎は御前で拝礼し、見解を述べようとした。すると凌不疑が話を遮り、実は昨夜のうちに調査を済ませたという。実は王隆への軍令は文修君(ウェンシウジュン)が夫の文として偽造し、印章も偽物だった。しかも文修君は寿春(ジュシュン)にいる弟・小乾安(ケンアン)王を援助するため、銭の鋳造をそそのかしたという。皇帝もこれ以上かばい立てできず、文修君の封号を剥奪して自害を命じ、また王父子は官位を剥奪され庶民に落とされた。朝議が散会した。すると朝堂を出た凌不疑に少商からの差し入れが届く。何とも微笑ましい様子に紀遵は目を細めたが、袁慎は内心、面白くなかった。「善見、お前もいい年だ、身を固めないのか?」「縁談に興味はありません」↓善見ザマアァァァwww王姈(ワンリン)は長秋(チョウシュウ)宮へ駆けつけ、皇后に母の命乞いを続けた。しかしちょうど母の見舞いに来ていた五公主が現れ、立ち去らなければ宮廷を騒がせた罪で打ち据えると脅す。驚いた少商はそこまでせずとも自分が追い払うと約束し、王姈を助けた。「死にたくなければ黙って…事は重大よ、私たちでは何もできない」その夜、少商は寿春料理を作って皇帝に届けた。皇帝は舌鼓を打ちながら老乾安王を懐かしんだが、少商が遠回しに嘆願に来たと見抜く。すると少主は嘆願が皇后のためでもあると言った。「皇后は乾安王に養育されました 文修君がどれほど横暴で不敬な態度でも耐えて来たのは、ひとえに故人を偲んでのこと 文修君が死を賜ることになり、皇后はまた病に伏されました、きっとお辛いはずです」皇帝は子晟からも同じことを言われたと明かした。老乾安王は霍(フォ)兄のために亡くなり、文修君と弟はその乾安王が残した唯一の血脈だという。「…いいだろう、幸いひどい事態は招いておらぬ、死は免じよう」 王姈は彭坤(ポンクン)へ嫁ぐことが決まり、その前に生涯軟禁となった母を訪ねた。夫や娘を顧みず大罪を犯した母、しかし未だ過ちを認めず、気概がない娘を引っ叩いてしまう。すると王姈はついに母を見限った。「阿母、舅父は陛下への書状で全ての罪を阿母に着せたわ 自分は貨幣のことも知らず、軍を動員したこともないと… 最初、陛下は自害を命じた、でも皇后に免じて監禁に留めてくださったのよ」結局、文修君は自分が守ろうとした弟に裏切られ、恨んでいた相手に命を救われることになった。それでも文修君は弟をかばい、全ては大局を考えてのことだと訴える。王姈は哀れな母に深くし失望し、寿春へ行ったら毎日、皇帝と皇后のために祈ると言った。「あなたは永遠に実現しない夢を見ながら、この部屋で一生、過ごすのね」五公主は病み上がりの母后を訪ね、寿誕の宴を自分に任せて欲しいと頼んだ。父皇は少商を指名したが、母后から推薦して欲しいという。しかし皇后は娘が宴の予算に目をつけ、自分の懐を潤すつもりだと分かっていた。五公主は悪びれる様子もなく、幕僚たちを養う元金が必要だと訴える。その時、どこからともなく甘い匂いが漂って来た。「(クンクンクン…)何の匂いですか?」少商が新しい甘味を作っていると、皇后と五公主が様子を見にやって来た。「また子晟に食べ物を?」実は大臣たちも少商が子晟の馬車に差し入れを運ばせているのを目撃し、今や賢妻と評判になっているという。「でも孝行者とは聞かないわね~」皇后が遠回しに嫉妬すると、少商は今回の試作が皇后のためだと教えた。早速、試食した皇后は甘くて美味しいと笑顔、そこへ皇帝が凌不疑を連れてやって来る。「…誰かさんは朕より皇后を喜ばせられるようだな」少商は皇帝にも新しい甘味を勧めた。飴糖(イトウ)は高価なため甘蔗(カンシャ@サトウキビ)を絞り、小豆と糖汁を煮詰めたという。すると少商は五公主を尻目に不疑にも甘味を渡した。「ご安心を、甘蔗は自腹で買いました、皇后を喜ばせるため一文なしです、ふふふ~」「そなたは孝行者だな、子晟、お前の新婦は出来がいい」皇帝は喜んで不疑に食邑200戸を授けたが、少商はなぜ自分ではなく不疑が褒美をもらえるのか分からなかった。↓(๑・᷄ὢ・᷅๑)何でなん?五公主は娘の自分を差し置いて父皇と母后に寵愛される少商が面白くなかった。すると帰りの道すがら回廊で偶然、駱済通(ルオジートン)と出くわす。「あなたは私の伴読を務め、翟(ジャイ)媪(ウバ)を支えて宮中の雑務を行って来たわ でも母后は差配を程少商に任せるそうよ? …母后はあなたを十一郎に与えると思ったのに、まさか先を越されてしまうなんてね~」駱済通は寛容な対応を見せたが、内心は少商に激しく嫉妬していた。その気持ちを見透かすように侍女の春笤(チュンティアオ)は皇后の寵愛があっさり少商に移ったことに不満を漏らす。しかし何にせよ誰が皇后の意向に異論を唱えられるというのか。その夜、少商は皇后に今日の皇帝の褒賞について尋ねた。「陛下は私を褒めたのに、子晟に褒美を与えました… 200戸が惜しいわけではなく、私の出来が良かったのになぜ子晟の手柄になるのですか?」すると皇后はかつて楼(ロウ)家で少商が皇帝から表彰されたのは子晟が願い出たからだと明かした。当時、子晟は自分の褒賞を求めず、少商が楼家で見下されぬよう嘆願したという。何も知らなかった少商は驚いたが、ただ周りから子晟の妻としか見られず、自分自身がないことに納得できなかった。皇后はならば皇帝の麾下(キカ)である将士や大臣たちなど自分の居場所すらなくなるという。「良策を立て戦に勝利しても陛下の領土を広げただけ、自分たちとは何も関係ない 策が悪く、破れれば陛下の落ち度になる…でも古(イニシエ)よりこの満天の星の下では 合従(ガッショウ)や連衡を唱えて来た名将や策士も同じ星の河に名を連ね、明るくその輝きを放つ…」皇后は孤独に育った少商がこれまで自分の栄辱ばかり考えて来たが、成婚すれば別のやり方が必要だと諭した。「…皇后の言うとおりです、郎君が陽光で万里を照らすなら、私たち女は明るい星、星河に輝く」少商は日月と星河に高低は関係なく、互いが欠かせない、共存することでこの天地を成すのだと理解した。程家では一家が宮中から戻らない嫋嫋(ニャオニャオ)を恋しがっていた。嫋嫋がいない食卓は火が消えたようだったが、老夫人だけは気にかける様子もなく食欲が落ちることもない。すると朝餉の時間というのに突然、凌不疑が尋ねて来た。実は少商が皇后の寿誕の宴を仕切ることになり、皇帝に命じられて宮中に留まることになったという。「宴が終われば帰れるかと… それで少商が暮らしに困らぬよう、使い慣れた小物を取りに伺いました」程始(チォンシー)は了承したが、凌将軍は全ての荷物を運び出し、少商の部屋は空っぽになってしまう。つづく( ゚ェ゚)そしてまた独り消えた…ようやく原題の意味が出て来ましたね
2023.10.14
コメント(0)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第7話)第34話「役者揃う婚約の宴」婚約前に程少商(チォンシャオシャン)を母に会わせた凌不疑(リンブーイー)。しかし急に錯乱した霍君華(フォジュンホワ)から激しく手を噛まれてしまう。少商は中庭で手当てしながら、不疑がなぜ冷酷無情で親不孝と噂されても城陽(ジョウヨウ)侯と夫人を嫌うのか分かった。「子晟(ズーション)、あなたは無情なんかじゃない… それに心配しなくても阿母(アームウ)のそばには優しい叔父(シューフー)がいるじゃない」その叔父とは崔祐(ツイヨウ)将軍だった。実は将軍は霍君華を娶ると心に決めながら、母親に成婚を強いられて諦めたという。結局、夫人は難産で亡くなり、程なくして霍君華も凌益(リンイー)から離縁された。「それで崔叔父は誓ったのだ、後添えは取らず、母のために独り身を貫くと…」「そんな一途な郎君がいるのね…その篤い情義は万金でも代え難い」「少商、君への情義もかくの如しだ」不疑は今後、頻繁に母に会う必要はないと安心させた。しかし少商は未来の君姑(クンコ)に覚えてもらえるよう杏花(キョウカ)別院を訪ねたいという。不疑はそんな少商の気遣いが嬉しかった。すると少商はこれから宮中への送迎なら不要だと断り、代わりに自分が早起きして宮門で落ち合おうと提案する。「だがそれでは君が早起きしないと…」「皇后の前で居眠りすればいいわ」「私のために支障が出たら…」「心は2つに割れない、宮中の任務だけに捧げるか、あなたに捧げるか、あなたが選んで」「私に捧げてくれ」不疑はそんな少商が愛しくなり、明日にでも婚約の宴を開きたいと言った。「いいわ」「ふっ、ちょっとからかっただけだ、さすがに宴の準備には最低でも3日はかかる 早く当日になって欲しい、婚約すれば安心できるよ」「安心?どうかしら、以前も大勢の人を招いたのに、結局、縁談は…」その時、突然、不疑が少商に口づけした。「もし耳障りな話をしたら、また口を塞いでやる」( *´꒳`* )ふふふ… ←勝手に参加している気分w屋敷に戻った少商は婚約の宴が3日後に決まったと報告した。蕭元漪(シャオユエンイー)や程姎(チォンヤン)は慌ただしすぎると難色を示したが、少商は全て凌不疑に任せれば大丈夫だと太鼓判を押す。すると耳ざとい城陽侯夫人・淳于(チュンユー)氏が早速、曲陵(キョクリョウ)侯府にやって来た。淳于氏はすっかり態度を軟化させ、婚約の宴について相談したいと切り出した。どういう風の吹き回しかと思えば、礼品として少商に2人の侍女を贈るという。「城陽夫人って面白い人…ふふ 私が子晟の寝所も触っていないうちから美しい侍女と夫の寝所を享受しろと?」淳于氏の魂胆は見え見えだった。呆れた少商は城陽侯夫人が姉も同然だった霍君華から夫を寝取ったと言い放ち、淳于氏は激怒して帰ってしまう。蕭元漪は娘がわざと城陽侯夫人を挑発したと分かった。しかし凌不疑の実母でなくても名義が立つため、家に面倒を招くかもしれないと嫌味を言う。侍女・蓮房(リエンファン)も未婚妻が婚約の宴で門前払いされたら笑い物になると心配した。「阿母、昨日、霍夫人に会いました、あの人のせいで子晟母子は苦しんでいます 私は横恋慕が大嫌い、あんな人におべっかは使えません …見てなさい、どちらがどちらの家で門前払いされるか」婚約の宴の当日、淳于氏は少商に凌府の敷居をまたがせまいと意気込んで出かけた。しかし婚約の宴が行われるのは曲陵侯府、しかも招状を持っていなければ入れないと知る。その頃、曲陵侯府にはすでに多くの招待客が集まっていた。凌不疑の姿はまだなかったが、その時、蓮房が宴席にいる女公子の元へ駆けつける。「凌将軍から伝言です、すぐ着くので焦らなくて良いと、それから… ″今日、誰に会い、何が起きても怖がらず、好きなだけ啖呵を切れ″と…」少商は何のことか分からなかったが、その意味をすぐ知ることになった。曲陵侯府に袁慎(ユエンシェン)の馬車が到着した。従者は賑やかな場所を嫌う主がなぜ他人の婚儀の見物に来たのか分からなかったが、袁慎は師匠として弟子を苦海から救いに来たという。「この世で人を溺れさせるのが成婚、このまま危険に飛び込ませられぬ」公子の屁理屈に呆れる従者、その時、ちょうど汝陽(ジョヨウ)王妃が淳于氏を連れて曲陵侯府にやって来た。門衛は招状を確認しようとしたが、王妃の侍衛に追い払われてしまう。「…これで私が手を出すまでもないな、ふっ」宴席に汝陽王妃と淳于氏が乗り込んできた。汝陽王妃は少商を見つけるなり跪けと命じ、未来の君姑である淳于氏への無礼を罰するという。しかし少商は拒否、蕭元漪と万萋萋(ワンチーチー)が咄嗟に盾となって少商を守った。「君姑なら2日前にお会いしました、今は杏花別院で療養中です 今日、来た君姑とはどなた?…ああ~外従兄の寝床に入り込んだ人のこと?」「何て言い草なの?!しかと指導してやらなくては…誰が私を阻めると?!」「叔母(シュームウ)?…余(ヨ)が阻むと言ったら?」その時、皇后が現れた。↓( ๑≧ꇴ≦)アルソック皇后!少商は皇后の顔を見ると自然と笑顔になった。その様子を見た蕭元漪は2人の間に深い絆があると気づき、何とも複雑な気分になる。「今日は子晟と少商の婚約を祝いに来ました 程伯夫人、他に静かな場所はある?ここでは客人たちの興を削いでしまうわ」「はい、ご案内します」「叔母、城陽侯夫人(フーレン)、行きましょう…少商、あなたもよ?」「はい」蕭元漪が偏殿を出ると戸が閉まった。程家も客人たちも露台に集まり固唾をのんで見守ったが、その時、皇帝が越(ユエ)妃や凌不疑を連れてやって来る。慌てて平伏する程家と客人たち、すると皇帝は礼を免じて偏殿に入った。汝陽王妃は皇帝に程少商の無礼を告発、放任してはならないと訴えた。ちょうど汝陽王も一緒にいたことから自分に加勢するようけしかけたが、けんもほろろに断られてしまう。汝陽王妃は仕方なく数日前、城陽侯夫人を辱めた落とし前をつけるよう少商に迫った。その時、越姮(ユエホン)が凌不疑の未婚妻である少商に立つことを許す。皇帝も目配せして少商を立たせた。「感謝します…陛下にお答えします、私は事実を述べたまで、辱めたりしていません」「陛下!本当です!命を懸けて誓います!」焦った淳于氏が泣きつくと、汝陽王妃も城陽侯夫人の方が信頼できるという。「…王妃、それは違います 私は目上の方に従い婚約しました、自ら画策して嫁いだ人とは違います 長年、霍家の世話になりながら機を見てその地位を奪った… 私の誓いは信じられても、あの方は信じないように」「程少商にここまで侮辱される謂れはありません、陛下が咎めぬのなら私は命を断つしか…」「城陽侯夫人…十数年前もなぜ同じように振る舞わなかったのですか? そうすれば霍夫人も離縁されず、様々なことが今とは違っていたのに…」越姮は少商の言葉に深く感銘を受けた。確かに霍君華とは因縁があったが、成婚後の霍君華は凌家に尽くし、夫にも情義は深く、惜しみなく支えていたという。それに比べ凌益は妻子が行方知れずとなって1年も経たずに淳于氏と深い仲になった。「母子でさまよっていた時、霍君華は皮衣を子晟に着せ、わずかな食物も子晟に与えた 戻った時の霍君華は骨と皮だけで誰か分からないほどだったのよ? 良い母親だったことに違いない」越姮は淳于氏を嫌って参内を禁止すると命じた。しかし汝陽王妃が反発、自分の命の恩人である淳于氏への侮辱は自分への侮辱だと訴える。「もし納得のいく説明がなければ…」「(はっ!)死ぬのか?死ぬのか?それは良かった!」汝陽王は早合点して喜ぶと、王妃は外で嘆願するだけだと慌てて否定した。汝陽王はもはや癇癪持ちの王妃に耐えられなかった。「陛下、ご覧の通り、手がつけられません! 少しでも気に食わぬと叫びまくる!当時もそうでした」実は汝陽王が修行に出たのは皇帝からの提案だった。当時、皇帝は糟糠(ソウコウ)の妻を捨てないよう汝陽王を説き伏せ、修行と称して別居させたという。しかし王妃は相変わらず、汝陽王も我慢の限界だった。「縁を切る!これで終わりだ!」「こんな仕打ちをするとは!」王妃はひとしきり汝陽王を叩きまくると、その場で泣き崩れた。すると皇帝は儒教が盛んな今、離縁を持ち出せば儒生たちに非難されるのは必至だと叔父をなだめる。その時、越姮に名案が浮かんだ。「世俗を好む叔父が修行してどうします?むしろ叔母が三才観で修行すべきでは?」皇帝は汝陽王妃が耄碌(モウロク)して暴挙を重ね、御前で失態を犯すに至ったとし、三才観での静養を命じた。また淳于氏は禁足を命じられ、今後は屋敷から出られなくなってしまう。程家の面々は偏殿から連れ出される汝陽王妃と城陽侯夫人の姿を見送りながら、少商の無事を確信して胸を撫で下ろした。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャアァァァァァァ〜!ウーレイ!思うところは色々あったのですが、ウーレイがカッコよすぎて全て吹っ飛びましたwww
2023.10.09
コメント(3)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第6話)第33話「夫婦のあり方とは」皇帝から虎符の管理を任された皇太子。しかしその重責から寝食もままならなくなってしまう。見かねた皇太子妃は人の多い宮中ではなく、紫桂(シケイ)別院に預けてはどうかと提案した。皇太子は妙案だと喜んだが、これが思わぬ事件を引き起こしてしまう。凌不疑(リンブーイー)に叱られた程少商(チォンシャオシャン)は書卓で考え込んだままいつのまにか眠っていた。すると朝の支度にやって来た侍女・蓮房(リエンファン)が床で倒れている少商を見つける。「女公子?どうしたんですか?そんなところに寝て…今日は凌将軍とお出かけですよね」「…行かない」「また喧嘩ですか?…ふふ、都で誰もが知る″鉄面将軍″と喧嘩できるのは女公子だけですよ~」そこへ使用人の符登(フードン)が現れた。皇太子妃の使いから連絡があり、すぐ参内して欲しいという。皇太子は皇太子妃の従兄・孫勝(スンション)に命じて虎符を別院へ運ばせた。しかし道中で虎符が紛失、万(ワン)将軍の出征は2日後に迫っている。知らせを聞いた凌不疑は慌てて東宮へ駆けつけた。「なぜ動かしたのですか?!東宮に置くよう念を押したはずです!」不疑は全て皇太子の身びいきが招いた結果だと呆れたが、そこへ皇太子妃が現れた。「私たちにはお手上げでも、陛下が溺愛する子晟(ズーション)なら造作ないのでは?」「確かに難しくはない、ですが太子妃から陛下に謝罪してください 全ては己の過ちで太子を巻き込んだと…」その話をちょうど東宮に到着した少商が聞いていた。「男が揃って責任転嫁ですか?」「少商?休みの日だろう?なぜ東宮に?…出ていろ」不疑は皇太子妃がこの大事に少商を巻き込んだと知って驚き、思わず語気を強めた。すると憤慨した少商は自分を呼んだのは皇太子妃だと反発、焦った皇太子妃は母后から信頼されている少商に力になってもらいたかったとかばう。「私のせいで争わないで…少商、行きましょう」皇太子妃は少商を連れて回廊へ出た。自分を追い出した凌不疑への不満を漏らす少商、すると皇太子妃は同情を引くため自分が罪を認めれば済むと漏らす。「殿下には想い人がいたの、私が座を譲れば想いを遂げられるわ…」「儲妃…」少商が何か言いかけた時、不疑が回廊に現れた。しかし不疑は黙って城門の方へ歩いて行ってしまう。珍しく不疑に無視された少商は困惑、急いで後を追いかけたが、城門で待っていたのは馬車だけだった。梁邱起(リャンチゥチー)は若主公から命で少商を送ると伝えた。若公主は王隆(ワンロン)救出の件で万将軍に呼ばれたという。しかし少商は車に上がる踏み台がないことに気づいた。「なぜ踏み台がないの?」「踏み台があると若主公が若女君を抱き上げることができません…ぁ!」梁邱飛(リャンチゥフェイ)は慌てて口をつぐみ、自分の背中を使うよう促した。困惑した少商は必要ないと拒否、歩いて帰るという。するとふいに引き返して来た不疑が少商を片手で抱え、馬車まで連れ戻した。「うわっ!りんぶーいー!降ろして!」「…少商、君を責めたことは謝る、ただ虎符の件は一大事だ 語気を荒らげたのも君を巻き込まないため、この件は私に任せてくれ、いいな?」しかし少商は横暴な不疑に憤慨して返事もせず、宮中に戻ってしまう。( ・ノェ・)コショッ<若女君、怒ってる?@飛(# ー̀ωー́ )<シッ!@起梁兄弟は2人の仲を心配したが、不疑は簡単に納得したら少商ではないと言った。「東宮を見張れ、特に儲妃をな…」少商は長秋(チョウシュウ)宮を訪ねた。すると寝殿からちょうど皇后と翟(ジャイ)媪(ウバ)の昔話が聞こえてくる。皇后は二子三女を出産したが、皇太子が生まれた時は皇帝の大業がまだ道半ばで、10時(トキ)もの難産でようやく生まれたという。「陛下が虎符を授け、異論がある者を震撼させた…これで太子の座も安泰ね 確かに太子が後継者にふさわしいとは思わない でも廃された皇家の子の末路は自害するか殺されるかよ お腹を痛めて産んだ子が後継争いで非業の死を遂げたら、私の余生もそこで終わりとなる…」少商は敬愛する皇后を案じ、結局、そのまま引き返して太子妃を訪ねた。「虎符の形を見たことはありますか?」いよいよ万将軍が匪賊討伐へ出征する朝、皇太子は皇帝の前で万将軍に虎符の片割れを授けた。その様子を遠目から少商と皇太子妃が固唾をのんで見守っている。すると小越(ユエ)侯が万将軍を呼び止めた。「虎符には磁石が入っており、ぴたりと合う…念のため調べてはどうか」小越侯は明らかに虎符が偽物だと疑っていたが、不疑が皇太子の虎符と万将軍の虎符を合わせると、驚いたことにぴたりと吸いついた。皇太子は大役を果たし、万将軍を見送った。しかし少商は困惑する。…私が作った虎符は形だけが同じで磁石は入っていない、なぜぴたりと合ったのかしら…その時、少商は点将(テンショウ)台にいた凌不疑と目が合った。『私に任せておけ』昨夜、凌不疑は梁兄弟から少商がやはり東宮を訪ねたと聞いた。『彼女らしい、自分の敵は許さず、よくしてくれた者に報いる…』実は小越侯は孫勝を抱き込み、難なく虎符を手に入れていた。不疑はもはや皇太子では収拾できないと考え、かつて皇帝が溺愛する霍(フォ)家だけに授けた虎符を使うことにする。『若主公、霍将軍の唯一の遺品ですよ?渡せば霍氏の遺物がなくなってしまいます』梁兄弟はさすがにそこまでする必要があるのかと訴えたが、不疑は虎符が偽物だと露呈すれば少商に行き着くと分かっていた。『少商と約束した、何をしようと私が守ると…そしてこたびも例外ではない』少商は再び凌不疑に救われた。しかし2人の関係は一進一退、自分の意思を通すこともできず、もはや成婚そのものに疑問が湧いてくる。そんな中、少商の堂姉・程姎(チォンヤン)にも縁談が舞い込んでいた。実は22話で姎姎に一目惚れした班嘉(バンジア)が毎日のように屋敷を訪ねて来るという。蕭元漪(シャオユエンイー)は良縁を喜んで姎姎の気持ちを確認したが、姎姎は自分の意思で何かを決めたことがなかった。「好きな人には好かれていないし…(ボソッ)でも伯母が嫁げというなら喜んで嫁ぐわ」(・Д・)<それでいいの?!@嫋嫋一方、万萋萋(ワンチーチー)と少商の二兄・程頌児(チォンソンアル)は口づけ以来、急接近、2人は婚姻の約束を交わしていた。萋萋は自分が嫁ぐのではなく婿を娶ると話し、夫唱婦随(フショウフズイ)ならぬ婦唱夫随だと笑う。( ー̀ωー́ )<…聞くだけ無駄だった@嫋嫋すると萋萋はあれこれ悩むなど少商らしくないと鼓舞し、男女の間柄など本来は至極、単純なものだと諭した。「好きなら一緒にいる、嫌いなら別れる…で、凌不疑が好きなの?よく考えてみて 相手といる時、嬉しいと感じる方が多いか、それともあんたを怒らせる方が多いか」少商は早速、良いことと悪いことを順番に思い出しながら数え始めた。しかし早々に萋萋から止められてしまう。「ちょっと~それじゃ不公平よ? 惚れた弱みにつけ込んで相手だけ尽くすのが当然のことだと思っているの?」萋萋は命を懸けて少商を救った凌不疑と比べれば、少商の不満など大したことではないという。姎姎も自分が危険な時に命を顧みず救ってくれたり、助けがない時に守ってくれる人なら好きになるに値する人だと言った。「絆を築くのは真心を捧げ合うことよ?深い情を無下にしないで」少商は萋萋と姎姎の言葉で目が覚めた。そこで慌てて凌不疑に会いに行こうと決めたが、門を飛び出すと不疑の姿がある。少商は今さらながら不疑がこうしていつも自分を見守っていたのだと気づいた。「これまで妥協して譲歩した気でいた、でも妥協して譲歩していたのはあなたの方だったのね」「私が好きなのは勇敢な君なのに、君を束縛して干渉してしまった… 嫋嫋、私が好きなのはありのままの君だ」「…実はふたつ伝えたいことがあったの、この先は精一杯、あなたによくする」「はお、ひとつ目は覚えておく、でふたつ目は?」「共白髪になるまであなたの優しさと今日のことを忘れない」すると不疑は少商を抱き寄せ、婚姻を早めたいと言った。凌不疑は少商を連れて杏花(キョウカ)別院の母を訪ねることにした。「少商、中に入って何を見聞きしようと、まずは黙って合わせてくれ あとで説明するよ、いいね?」屋敷に入った2人はちょうど中庭にいる霍君華(フォジュンホワ)と崔祐(ツイヨウ)を見つけた。しかし不疑は母を女公子と呼び、甥として挨拶する。どうやら霍君華は錯乱し、自分が16歳だと思い込んでいるらしい。「待ってるがいいわ!越姮(ユエホン)の顔に泥を塗って笑い物にしてやる!」少商は越妃の昔話を思い出し、2人の間に因縁があったのが事実だと分かった。そこで崔祐は天下には文(ウェン)兄以外にも男がいるとなだめる。「他の男にも嫁げるぞ?」「そうね、あの″凌″って男、顔は見るに堪え得る… でも田舎から避難して来て薬代もままならないほど貧乏よ あ、兄長が援助すればいいわ!兄長?…兄長はどこかしら…兄長…(はっ!)兄長は死んだ!」霍君華は兄が亡くなったことを思い出し、急に興奮した。すると不疑を凌益(リンイー)だと勘違いして激高、不疑の手に噛みついてしまう。崔祐は慌てて霍君華を不疑から引き離すと、あとは自分に任せて手当てをしろと言った。つづく( ๑≧ꇴ≦)念願の片手抱っこ来たわ!やっと想いが通じ合いめでたしめでたし?とはいかないのでしょうな〜
2023.10.07
コメント(3)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第5話)第32話「予期せぬ波紋」文修君(ウェンシウジュン)が独断で息子に山賊の討伐を命じ失敗、全軍が捕虜となった。皇太子は凌不疑(リンブーイー)から身びいきを諌められたが結局、王淳(ワンチュン)を罷免できず、皇帝からも厳しく叱責されてしまう。これをきっかけににわかに廃太子の憶測が流れ、途端に小越(ユエ)侯に取り入ろうとする輩が増えた。皇后の寿誕の宴の差配を任された程少商(チォンシャオシャン)は東宮で皇太子妃の協力を仰いだ。何事もてきぱきこなせる少商だが、さすがに文武百官の家族の席順まで決めようがない。( ;∀;)<十一郎の妻になるのは驊(カ)県の管理より大変よ〜皇太子妃は思わず自分も夫が皇太子になるとは思わなかったと吐露した。実家の一族は娘を当てに出世を望むが、自分にそんな力などない。「祖先を捨てたと罵られようと、誰が私の苦しい胸の内を分かってくれるというの…」しかし少商は優しい皇太子夫婦をかばい、周りが欲深いだけだと慰めた。その時、東宮に五公主が現れる。実は昨夜、五公主は酒楼で偶然、小越侯と出くわした。小越侯は息子の未婚妻が幕僚と称する男たちと遊んでいる様子に眉をひそめたが、ふと思い立ち、番頭に頼んで廃太子の噂を吹き込むよう頼む。寝耳に水だった五公主は憤怒、早速、東宮へ駆けつけ、優柔不断な皇兄を厳しく追求した。「王隆(ワンロン)なんて死なせておけばいい!父皇を怒らせて廃されたいの?! 太子でなくなったら我ら長秋宮の子女は何を拠り所にしろと?! 私が男だった皇兄に役目は回ってこなかったのに!」皇太子は妹の暴言にも罰を与えることはなかったが、その代わり越氏に嫁ぐ時には嫁荷を奮発すると嫌味を言った。皇兄と話してもらちが明かない五公主は長秋宮で母后に不満をぶちまけた。これに皇后は激高、娘を追い出すと寝込んでしまう。駱済通(ルオジートン)が差し入れた粥にも口をつけず、翟(ジャイ)媪(ウバ)もお手上げだった。しかし東宮から戻った少商が事情を知り、一計を案じる。「皇后にお願いが…これは家で育ててみた胡瓜(キュウリ)です 胡瓜は西域の朝貢品、皇后なら味をご存知のはずです 西域の胡瓜と同じ味か比べてみてもらえませんか?」皇后は仕方なく一欠片だけ食べてみたが、塩気が強過ぎた。そこで少商は塩辛ければ粥で薄めるよう提案、見事に粥を食べさせることに成功する。「悪知恵が働く子ね…まだしょっぱいわ」皇后は少商の機転で笑顔になり、不思議と食欲が戻った。安堵した翟媪は駱済通を連れて寝殿を出た。「2人の邪魔をしないようにね、皇后が宮中で心を開ける人に出会えて良かった 十一郎も良い妻を選んだわね」嬉しそうに仕事へ戻った翟媪、しかし駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は程娘子が主から皇后と凌将軍を奪ったと恨みを募らせた。駱済通も心中穏やかではないが噯(オクビ)にも出さず、これも運命だとなだめる。「実に幸運な人ね…想い人に嫁ぎ、帝后の庇護も得られるなんて」少商を幸運だと羨む者がいれば、皇后はどうすれば少商のような利口な子に育つか両親に教えて欲しいと羨んだ。すると少商はすぐ両親を呼び寄せ、2人の前で思い切り自分を褒めて欲しいと懇願する。「そうすれば悪いのは私ではなく、我が子を大切にせず他人の子を羨んでいると気づくはずです 皇后のように我慢強く諭すのがいい親だと知らしめなくては…」しかし皇后は少商も間違っていると諭した。「世の親は我が子が一番だと思うものよ、他の家の子を羨むのは教えの一環に過ぎない」親も当然、子から恨まれると分かっているが、人生に2度目はなく、やり直しができないという。「子が強くなる分、親も安心できるの、子に強いることは自分に強いることも同じなのよ」少商が寝殿を出ると皇太子が中庭で待っていた。皇太子は父皇を失望させて母后を傷つけたと意気消沈し、合わせる顔がないという。しかし少商は皇后が傷ついているのは自分が息子を守ってやれないためだと話した。「殿下は太子である前に陛下と皇后の息子です 太子として王将軍を助けるのではなく、子の立場で従兄の嘆願をすることはできます 確かに陛下は冷徹になれない太子に失望するでしょう でも父親なら情け深い子に失望するはずがない この件で両親と疎遠になれば、かえって子の指導が誤っていたと失望させるだけです」「…程娘子、ありがとう」朝臣たちは先走って後継者の交代を上奏し始めた。その夜、皇帝は野心をあらわにした臣下たちに怒り心頭だったが、そこへ皇太子がやって来る。皇帝は息子もようやく尻に火がついたと思ったが、皇太子は碁盤を運んできた。「寝付けないので一局どうかと…」すると皇帝はまだ幼い皇太子に碁を教え始めた頃を懐かしんだ。当時は皇太子が少しもじっとしておらず、碁盤のそばに貼り付けようと必死だったという。一方、少商を迎えに行った凌不疑は少商の様子がいつもと違うことに気づいた。「機嫌が良さそうだ、何か良いことでもあったか?」「そうでもないわ、ただ問題を解決できて痛快なの」すると不疑は三公主が禁足になったことも痛快かと聞いた。少商はやはり自分の仕業だとばれていたと知り、法事をぶち壊したことを謝罪する。「君は私が強引だと怒るが、君こそ独断で決める、あまり無茶をされると心配になる」「…怒らないの?」「私を信じるならやりたいことは私に任せて欲しい、敵への報復も…」確かに必ず守ると約束はしたが、不疑はせめて機会が欲しいという。そこで少商は皇后が廃太子の噂を聞いて心を痛めていたと報告し、雁回(ガンカイ)塔で皇太子を悪く言っていた人と関係があるのかと訝しんだ。不疑は驚き、皇太子に不満を抱く者も多く、広範囲に及ぶため関わるなと釘を刺す。「君も東宮へは行かないほうがいい…で、痛快だったとは何のことだ?」「ぁ…皇后が粥を食べてくれたの…」少商は皇太子に助言したことを言い出せなかった。皇太子は途中で手を緩め、わざと負けた。もちろん皇帝には見抜かれていたが、皇太子は囲碁を学び始めた当初、父も同じように手加減して負けてくれたという。「父皇は勝ち負けより私の気持ちを考えてくださった、今日の私も同じです」皇太子は勝敗より家族の気持ちが大切だと訴え、全てに負けたとしても我が手に悔いはないと言った。翌日、皇帝は朝儀の場で皇太子に虎符の管理を任せると宣言した。皇太子は事実上、全軍を動かすことが可能となり、皇帝は暗に廃太子の意思がないと示したことになる。結局、皇帝は大軍を危険にさらした王隆(ワンロン)を罷免するに留め、父の王淳には罪を問わなかった。匪賊の討伐については凌不疑と将軍たちに任せ、出征の時には皇太子が点将(テンショウ)台で将兵を遣わすよう指示する。しかし不疑はなぜ皇帝が急に譲歩したのか分からなかった。朝儀が散会、子晟(ズーション)を連れて東宮に戻った皇太子はようやく従兄を救出できると喜んだ。すると子晟が皇帝をどうやって説得したのかと訝しむ。皇太子は少商から助言されたことを明かし、昨夜、父皇と碁を打ちながら昔話をしたと教えた。「父皇は我ら父子の情に免じて王将軍と私に機会を与えてくれた お前たち夫婦は余(ヨ)の幸運の星だな」凌不疑は昨夜、少商の機嫌が良かった理由を知った。その夜、少商を迎えに行った凌不疑は改めて皇太子に助言したのかと確認する。少商は認めたが、皇太子を助けたのではなく、皇后の力になりたかったと説明した。しかし皇后のためを思ってしたことが、実は皇后と皇太子を追い込むことになると知る。「君の献策のおかげで陛下は王家を見逃した 少商、何度も言ったはずだ、宮中や朝廷の争いに巻き込まれるなと…なぜ耳を貸さない? もう一度だけ言っておく、宮中では少し触れても全体に及ぶ、簡単なことではない」不疑は厳しく戒めておいたが、少商は最も難儀なのは宮中ではなく凌不疑だと反発した。「あなたの計算や考えを何も教えないくせに何を気をつけろって言うの? そもそも私は関わる必要などなかった 普通の夫に嫁いで普通に暮らせるはずだったのに、あなたが引き入れたのよ? それでも一緒になると決めてから受け入れようとしてる でもあなたは複雑な世界に愚かな私は関与するなという」「君を思ってのことだ」「阿母からもよく言われたわ、あなたのだめだと…私が不十分だからそう言うのね?」少商はまた分からなくなった。ありのままの自分でいながら周りの期待に応えるためにはどうしたら良いのだろうか。「…失望させたわね」すると少商は不疑が引き止めるのも聞かず、独りで帰ってしまう。 屋敷に戻った少商は凌不疑の話を思い出し、悶々とした。…少商、自分は正しいとでも?…陛下が王家を追及しないことで朝臣らの恨みや不満が皇后と太子に向けられる…東宮位を狙う者がいる以上、君の行動は太子を助けるどころか不利にする…しかも皇后も巻き込む、彼らを生贄にするも同じだ「はあ〜凌不疑との成婚は面倒ね」つづく( ゚ェ゚)うむ、確かに少商の不満は分かるな
2023.09.30
コメント(3)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第4話)第31話「天下の母の苦悩」霍(フォ)将軍の命日。汝陽(ジョヨウ)王妃は愛孫を出家へ追い込んだ程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)への腹いせに家族の宴へ乗り込んだが、皇帝の寵姫・越姮(ユエホン)から辛辣な言葉を浴びせられてしまう。「子晟(ズーション)、あなたの妻に難癖をつける者などくそ食らえよっ」文(ウェン)帝も子晟が望む者を娶れば良いとかばったが、汝陽の怒りは収まらない。「確かに陛下が決めた縁談なら誰も口を挟めません ただ淳于(チュンユー)氏にはしかるべき対応があっても…」すると越妃は急に話を遮り、子晟と少商だけを残して皇太子夫婦と皇子たちを下げた。汝陽は霍君華(フォジュンホワ)と因縁がある越妃がなぜ淳于氏の肩を持たないのか分からなかった。当時、霍君華は越妃を誘き出して匪賊(ヒゾク)に襲わせたことまであったという。しかし越姮は淳于氏も劣らずろくでもないと言い放った。「叔母、まだ淳于氏をかばうなら叔母の″功績″を評価させてもらいますよ?」すると頃合いを見ていた皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)が助け舟を出した。「昔の出来事は私も口を挟めないわ…食事を中断したことだし、そろそろ奉先(ホウセン)殿へ…」こうして人騒がせな汝陽王妃も退散するしかなくなった。少商は祭壇に供物を並べながら霍将軍の絵姿に見入っていた。そこへ皇太子妃が薫物(タキモノ)を届けにやってくる。「子晟は霍将軍によく似ていますね…」「舅夫に似ることは珍しくないわ…すぐ気づくとは子晟と情が深いのね」「太子と太子妃には到底、及びません 殿下は朝臣から側妃を娶るよう進言されても応じないとか…」皇太子妃は愛想笑いで誤魔化したが、運悪く三公主が現れた。「皇兄が応じないのは夫婦の情が深いからではなく、″旧知″が忘れ難いからよ~」すると三公主は少商が持っている薫物に目をつけた。「母后は宮中の倹約を求めているけれど、儲妃の実家は普通の農民… 用度品を削られ困窮しているのでは? 供養向けのも薫物も安くはない、銭をかき集めても足りないかと心配したほどよ? 夫に嫌われているから助けてもらえないものね~」三公主は勝ち誇ったように偏殿へ向かうことにしたが、その時、少商が咄嗟に薫物を床にばら撒き、足を滑らせた三公主は転倒してしまう。その時、少商は三公主のめくれた裾の下からちらりとのぞく赤色を見逃さなかった。(´・ω・`)<三公主、お怪我はありませんか?(`ω´ )o<しらじらしい…程少商、いずれ片をつける!霍将軍の法要が始まった。皇帝は改めて今日の栄華を与えてくれたのが霍氏であると知らしめ、粛々と焼香が始まる。抹香(マッコウ)を渡す役目の少商は祭壇の横に控えていた。やがて三公主の順番になると、三公主は差し出された抹香にわざと息を吹きかけ、少商の顔に浴びせかける。「あら、少商妹妹、気をつけて〜粉は目に入りやすいわ」少商は黙って耐えたが、三公主が焼香している間にこっそり腰飾りの紐を燭台の足に絡ませておいた。すると焼香を済ませた三公主が立ち去ろうとしたその時、引っ張られた燭台が倒れ、衣に飛び火してしまう。火はすぐ消されたが、皇后は侍女たちに急いで三公主の上着を脱がせるよう指示した。しかし三公主は慌てふためき、自分に触るなと拒む。越妃は実は娘が着替えていなかったと気づいて激怒、すぐ上着を脱がせろと命じた。すると案の定、上着の下から赤い衣が現れる。五公主は犬猿の仲である三公主の失態を喜び、ここぞとばかりに追い詰めた。「父皇、三駙馬の表哥の俸禄は1年で300貫ほど、でもその身なりは百金は下らぬはず 最近の三姉は羽振りが良いようで、新品の装飾品も多いわ〜」金の出どころを怪しまれた三公主は酒楼を開いたと誤魔化した。しかし思いがけず同腹の三皇子に裏切られてしまう。「父皇…これは三妹の領地で流通した贋金(ガンキン)です」実は貨幣を運搬する者を捕らえて尋問したところ、贋金は寿春(ジュシュン)で鋳造されたものだと分かった。三公主は知らずに使ったと言い訳し、寿春は小乾安(ケンアン)王の封地で管理しているのも配下の彭坤(ポンクン)、つまり宣家の仕業だと訴える。すると皇帝は凌不疑に紀遵(ジーズン)と共に調査するよう命じ、小乾安王から鉱山を召し上げるよう指示した。「父皇!小乾安王を殺さないのは皇后の恩人だからですか?!」舅父から入知恵されて育った三公主は思わず口を滑らせた。「黙れ!この後に及んで反省もせず、他人を巻き込むとは…ワナワナワナ…」皇帝は激怒して三公主を引っ叩き、杖罰を命じた。小越侯は知らせを聞いて慌てて永安宮に駆けつけた。三公主は程少商が罠にはめたと泣きわめいたが、越姮は娘を心配するどころか、そのおかげで面汚しが止まったと感謝する。実は越姮は三公主が贋金を意図的に使ったと見抜き、愚かな娘が文修君(ウェンシウジュン)を利用して金を稼ぐ方法など思いつくはずないと分かっていた。「陛下が厳しく追及せぬのは私たち越氏の面目を残してくれたからよ」しかし小越侯は長秋宮の顔を立てて小乾安王を許した皇帝への不満を募らせた。当時、越氏が追随した時、皇帝は無一文で、挙兵した時も越氏が支えた。皇帝は妹に一目惚れして妻にすると誓ったが、幼馴染の情も天下の偉業には勝てず、宣氏の財を借りて兵馬を使うため宣神諳も娶ることになる。それだけならいざ知らず、天下平定後、皇帝は宣氏を立后し、妹は妃嬪に成り下がった。「不公平だ!」「…宣氏は陛下の覇業のため身代まで潰した、追随した霍氏も一族は死に絶えたわ でも越氏は我ら兄妹が残った それに陛下は私を慰めるため両宮を同位と命じたわ、天下の母である皇后にとって公平かしら? 錯乱した霍君華にとって公平だと思う?」越姮は自分の望みなら叶ったと話し、また面倒を起こせば兄妹の情を断ち切るとまで言い放った。一方、凌不疑は母が暮らす杏花(キョウカ)別院の祠堂にいた。母と越妃に因縁があると知った不疑は母に越氏を怒らせたのか聞いたが、霍君華は悪びれる様子もない。「越姮を襲わせたの、二兄と文兄が助けなければ終わりだったのに… でもあの日から文兄は私を避けるようになったわ」←当たり前w不疑は実は母が小越侯の恨みを買っていたと知り、顔を曇らせた。梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)は庭で若主公を待ちながら、少商を絶賛していた。「程四娘子が暴いてくれて幸いだ」「こんな報復上手な若女君は実に痛快だ!」実は三皇子に贋金の情報を流したのは不疑だった。梁兄弟に調べさせたところ予想通り文修君は小越侯に利用され、小乾安王に貨幣を鋳造させるよう指示したと分かる。結局、皇帝は三公主、文修君、小越侯に関わることから公平さを鑑みて軽い処分に留め、小越侯を追い詰める事はできなかった。ただ乾安王の子女が死罪を免れたことを思えば、これで舅夫への恩は返せたことになる。しかし不疑は命拾いした文修君が全く懲りていないと知った。そんなある日、少商は皇后が皇帝と囲碁に興じている間、苦手な刺繍に手こずっていた。皇帝は皇后から自分の寿誕の宴の差配を少商に任せたいと聞いたが、嫁荷の刺繍さえままならない少商では心配になってしまう。「そんな手際で務まるのか?」「陛下、もちろん無理です! それに私は陛下の指導を毎日、胸に刻み、凌将軍とも愛を語り合いませんと…」少商はとても重積に耐えられないと訴えたが、かえって皇帝から責任逃れのために自分を言い訳にしたと叱られてしまう。「決めたぞ!嫌でもそなたに仕切らせる!」一方、梁兄弟から報告を聞いた凌不疑は皇太子を訪ねていた。実は文修君が息子・王隆(ワンロン)に名を上げさせるため勝手に山賊の討伐を命じ、全軍が捕虜になってしまったという。不疑はこの機に乗じ、車騎将軍・王淳(ワンチュン)に責任を取らせて辞官させるよう提案した。しかし皇太子は壮年の王将軍が官を辞するのは忍びないと難色を示し、不疑にこっそり救出して欲しいという。「殿下、独断で出征するのは君主を欺く大罪ですぞ?」「だが王将軍は親戚でもある」「殿下、天子は群臣を操るもの、操られてはなりません そもそも王淳は将の器ではなく、殿下が職位を与えねば遠く値しない 皇位を継ぐのなら、一家や一族だけ顧みるのではなく、天下の民を見なければ… 君主として身びいきは御法度です」少商は皇帝から差配を命じられ、慌てて辞退しようとした。すると皇后はいずれ凌府の差配を一手に担うことになり、避けて通れないと説得する。「あなたならできるわ、もう辞退しないで」(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコクその時、皇太子が駆けつけ、急用のため謁見したいと願い出た。皇后は少商と自分の寝殿に戻ったが、正殿から皇帝の怒鳴り声が聞こえてくる。心配そうに正殿を眺める皇后、実は皇帝の叱責は初めてではないと明かした。「太子は優柔不断で身内に甘く、母譲りの性分に育ってしまったわ」少商にはそれのどこが悪いのか分からなかったが、皇后はしみじみ普通の母子でいられたらどれだけ良いかとため息をついた。その夜、蕭元漪(シャオユエンイー)は宮中から戻った娘が回廊で物思いにふけっている姿を見かけた。「どうしたの?何も羽織らないで…」蕭元漪は娘に外套をかけた。すると少商は自分が産まれる前、娘がどんな子になるのか考えたことがあるかと聞いてみる。「急になぜそんなことを?」「皇后が言ったの、太子が普通の子ならたとえ凡庸でも、楽しく平穏に暮らせれば一番だって(あっ)阿母は堂姉のような物分かりのいい子が好きだったわ 阿母を失望させましたね…ではもう寝ます」程始(チォンシー)は回廊で物思いにふけっている夫人を見つけた。「どうした?こんなところで」蕭元漪は娘が皇后から聞いた話を伝え、嫋嫋(ニャオニャオ)もようやく親の苦労が分かるようになったと感慨深い。しかしその苦労が自分たちの苦労ではないと思うと複雑だった。「夫人?…親の苦労を感じ取らせた皇后に嫉妬しているのか?」すると図星だった蕭元漪は怒って寝殿に戻ってしまう。つづく( ˘ω˘ )皇后と少商のシーンはいいわ〜
2023.09.29
コメント(1)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第3話)第30話「招かれざる客」皇后をかばって手首を痛めた程少商(チォンシャオシャン)。帰りの車の中、凌不疑(リンブーイー)は少商を手当てしながら、今後は己の力の及ばぬことに首を突っ込まないよう釘を刺した。いくら文修君(ウェンシウジュン)が愚かでも限度はわきまえているはず、燭台を倒すにしても皇后に当たらない方向だったはずだ。「高貴な2人の争いに君の保護が必要だと思うか?」しかし少商はカチンと来てつい言い返してしまう。「つまり皇后は私の保護など必要としていないと?確かに皇后はこの上なく尊いわ でも彼女が文修君(ウェンシウジュン)に蔑まれていた時、あなたと陛下はどこにいたの? なぜ強い人は守る必要がないって思うの?」「では君はどうなんだ?少商、君のように強い人はなぜ私の保護など必要ないと思う?」その時、馬車が曲陵(キョクリョウ)侯府に到着した。少商は馬車を降りると、不貞腐れたまま門に向かった。すると不疑が少商を呼び止める。「君が私と話をする時の縛られぬ姿が好きだ、権勢も苦難も恐れぬ君が好きだ 覚えておいてくれ、君が先に仕掛けたと…」少商は慌てて言い訳しようとしたが不疑に遮られた。「私は簡単に真心を委ねぬ、だが一度、委ねたら撤回はしない だが君が私に真心を委ねることができないというなら、私の真心を引き払うこともできる」結局、翌日の朝、凌不疑は用事があって少商を迎えに来なかった。一方、三公主は舅父(キュウフ)・小越(ユエ)侯と酒楼で密談していた。何も知らず皇宮から逃げるように帰っていった文修君、まさか舅父の妙策で小乾安(ケンアン)王が鋳造(チュウゾウ)権に食いついたとも知らず皇后に無心に来たのだろう。実は舅父はすでに文修君の腹心も手なずけていた。「いずれ贋金(ガンキン)は安値で我らの手に入る、その際はお前も封地で使うがよい」貨幣の偽造は謀反と同罪だった。しかし鉱山があるのは寿春(ジュシュン)で鋳造するのは小乾安王、もし追求されても過って贋金を使ってしまったとごまかせば良いという。独りで参内した今日に限って少商は意地悪な三公主と遭遇した。少商は掟通り拝礼したが、三公主は自分の許可なく頭をあげたと難癖をつけ、ひざまずけと命じる。「私は身の程知らずが一番嫌いなの」すると侍女たちが少商を無理やり平伏させ手を踏みつけ、頬を引っ叩いた。しかし運良く皇太子妃が通りかかり、少商を助けてくれる。「宴が始まるのに程娘子(ニャンズー)がいないと母后が案じていたわ、何と説明するつもり?!」「それほど慌てること?ちょっとふざけていただけよ~」皇太子妃は東宮で少商の腫れた手首を冷やしてくれた。2度も同じ手を負傷した少商、しかし多忙な皇后を煩わせることはできず、かと言って凌不疑には意地でも頼りたくない。すると皇太子妃が三公主の性分を教えてくれた。三公主は皇帝の寵姫である越妃の娘で、兄の三皇子も有能なため長秋(チョウシュウ)宮も東宮も眼中にないという。小越侯のもとで育ったせいか贅沢を好み、傍若無人なのも仕方がないのだろう。幼い頃は子晟(ズーション)を見下していたが、功績を残すようになると急に気に留めるようになった。恐らく子晟を好きというより、容貌と権勢に執着しているだけだという。「子晟も宮中に入った時は蔑まれ、あなた以上に酷い目に遭ったのよ? ある時、川に突き落とされてね…幸い太子が助けたの その頃の子晟は宮女を連れて食事に付き合わせるのが好きだった 家族と座して食事をしたことがなかったから… 幼い頃は毎年、必ず灯会(トウエ)に出かけ、灯火の見える高台で世の人々の団らんを見渡していたわ」一方、皇太子は長秋宮での騒ぎを知り、凌不疑を呼び出していた。車騎(シャキ)将軍・王淳(ワンチュン)も凌不疑も大事な右腕、婦人の諍いで離間して欲しくないという。しかし不疑は恨みではなく、王淳の能力では任に耐えられないと諫言した。「後継者として親族を重用するのではなく、国事を第一にお考えください 太子妃の従兄も遊びにかまけ酒で事を誤る、東宮侍衛の首領など務まりません できるだけ早く最適な人選を…では他に用件もありますのでこれで」「あ、お前の未婚妻が東宮に来ているぞ?」皇太子妃の寝殿に侍女が礼品の受け取りにやって来た。皇太子妃はすでに準備していた礼品を渡したが、ふと思い立って自分のかんざしを外し、梁(リャン)夫人に渡すよう頼む。「太子妃、それは殿下への朝貢の品では?」「殿下の物なら功績ある大臣に与えるのが一番だわ」やり取りを見ていた少商はしみじみ皇家の妻を務めるのは至難の業だと漏らした。「確かに宮中など身を置かぬ方が良い、でも今となっては突き進むしかありません 彼がここで成長したのなら、私も同じ道を歩んでみたいのです」その話をちょうど皇太子と凌不疑が聞いていた。凌不疑は少商の言葉が内心、嬉しかった。そこで手を取って連れて帰ろうとしたが、少商は思わず顔を歪ませてしまう。驚いた不疑が袖をまくってみると、少商の手はひどく腫れていた。気が強い少商は相変わらずなぜ負傷したか言おうとしなかった。すると凌不疑は少商を欄干に座らせ、隠しても自分で調べれば分かることだという。「それからもうひとつ、少商、今後、東宮や太子妃とは距離を取れ」「なぜ?太子妃は威張らず、東宮では侮辱されたりしないわ」「参内して日の浅い君にはまだ分からないことがある 宮中の内情はそう簡単ではないし、心の善悪も一目では見抜けないものだ 利害がなければ誰もが善良だが、権勢が絡むとそうもいかない」東宮と言えば争いの渦中、雁回(ガンカイ)塔での一件もあり、不疑は宮中のもめ事から少商を遠ざけたいという。しかし少商は凌不疑の未婚妻になって遠ざけられるのかと聞いた。「あなたのために順応しているのよ?あなたの直面する全てに私も直面するのだから あなたが宮中で経験したことを私も少しずつ理解するつもり だって未来の夫がどんな人か知りたいから…」「それはつまり…全ては私のためだと?」「違う、自分のためってことよ」「分かった、望むままやってみればいい、私が守る」すると2人はわだかまりが解け、見つめ合った。( ๑≧ꇴ≦)アップデートしたアルソックw三公主が真紅の衣に豪華な装飾品で永楽宮に現れた。越姮(ユエホン)はつくづく皇帝に追随して出征するため娘を三舅母(キュウボ)に預けたことを後悔し、俗っぽく山猫のようだと揶揄する。「でもなぜ急に豊かになったの?」「ささやかな商売を始めただけ、都の酒楼よ」三公主は母に牡丹の金のかんざしを献上したが、越姮は全く興味がなかった。「今日は霍(フォ)将軍の命日よ、昼は長秋宮で宴があり、午後は陛下が弔いを行う お前も奉先(ホウセン)殿へ…」すると越姮は侍女に命じ、三公主を白い衣に着替えさせろと命じた。長秋宮での宴、少商も凌不疑の未婚妻として列席した。少商の斜め後ろには相変わらず風来坊のような五皇子がいる。当時、皇帝が酔った勢いで徐(シュ)美人を寵愛し産ませたのが五皇子、その過ちを深く反省した皇帝はそれ以来、后妃と曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)しかそばに置かなくなった。他にも駙馬や皇子の夫人たちも顔を揃えていたが、気性の激しい三公主や五公主と違い、二公主や五皇子妃は穏やかで少商を家族として歓迎してくれる。しかしその様子を見た三皇子が思わず失笑した。「今や誰もが子晟に擦り寄るとはな…」皇帝は亡き義兄を思うと酒を飲む気分にもなれず、沈み込んでいた。そんな中、宴に招かれざる客が現れる。汝陽(ジョヨウ)王妃は家族の宴を理由に参内し、愛孫の裕昌(ユーチャン)を出家に追い込んだ少商と孫を捨てた凌不疑への鬱憤を晴らしにやって来た。そこで普段は宴に参加しない越妃の席に勝手に座ったが、珍しく越姮がやって来る。「叔母(シュームー)、そこは私の席です、空けていただけますか?」越姮は叔母の席を用意するよう命じ、汝陽王妃を移動させた。越姮は孫を甘やかす汝陽王妃を牽制するため、子女たちに厳しい戒めを与えた。三公主には騒ぎを起こせば食邑(ショクユウ)や奴婢を全て召し上げると脅し、二公主が妹をかばえば、女媧(ジョカ)に頼んで三妹のような愚かな娘を産ませると容赦ない。皇太子妃に至っては自分の手の内を管理しろと叱られ泣き出す始末、五公主はひどいクマができていると指摘され、今夜は独りで過ごしたらどうかと揶揄された。さすがに汝陽王妃は残酷過ぎると呆れたが、越姮は子女たちを教育しているだけだという。すると越姮は駙馬や公主たちを下げてから昔話を始めた。「当時、長公主は懐妊中で身体が弱るも、叔母は肉を買う金も貸さなかった 陛下は姉のために獲物を狩ろうと凍える雪の日、山に入るしかなかったのです 霍翀(フォチョン)兄が駆けつけた時、陛下は凍えていたとか その後、霍翀兄が金を出して長公主と凍傷の陛下を世話してくれました…」汝陽は慌てて皇帝が山に入ったことなど知らなかったと言い訳したが、皇子たちの目は冷たい。「…子晟、私と陛下はあなたの成婚を待ちわびてきた 子孫がいれば舅父一族を供養し、亡き彼らの魂が孤独にさまようこともない あなたの妻に難癖をつける者など、くそ食らえよっ」つづく( ;∀;)ずーしょん…やっぱり相当、拗らせてるね〜 ←そっちwそれにしてもこの手の長台詞は耳触りが合わないとキツいわ( ̄▽ ̄;)
2023.09.24
コメント(2)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第2話)第29話「偏愛される喜び」宮中での花嫁修行が決まった程少商(チォンシャオシャン)。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は早速、長秋(チョウシュウ)宮に少商の部屋まで準備し、自ら案内してくれた。思わぬ厚遇に少商は母でもここまでしてはくれないと目を丸くしたが、皇后は女将軍として戦った母では子にも厳格になるものだとかばう。実は皇后は少商が凌不疑(リンブーイー)の未婚妻であること以外にも、その生い立ちに共感していた。皇后もかつて少商と同じような境遇に身を置いたことがあり、苦労が痛いほど分かるのだという。「だから哀れに思い大切にしたくなるの、たとえ言葉が過ぎたとしても無礼には感じないわ あなたを偏愛する余(ヨ)の心が分かる?」少商は皇后がなぜ一族の王姈(ワンリン)を訴えた自分に寛大なのか納得し、思わずひざまずいた。「ありがとうございます、皇后」日も暮れた頃、長秋宮を出た少商は凌不疑と一緒に城門へ向かっていた。実は不疑は少商が皇帝と皇后の出方を見ようと王姈を訴えたことに気づいていたという。まだ幼く怖いもの知らずの少商、不疑は危険を冒さず、2人の性分が知りたいのなら自分に聞けばいいと言った。しかし少商は例え殺し合いになろうとも座して死を待ったりしないと威勢が良い。「では私について何か聞きたいことはあるか? 私は長秋宮で育った、知りたくないか?私がどんな人間なのか…」そこで不疑は少商の手を引っ張って城楼へ連れて行った。凌不疑は幼い頃、何度もここに来ては眼下に広がる世の灯火と燦爛(サンラン)と輝く星を眺めた。「心から望んでいた、この灯火のうちわずかな光でもいい、自分のものであったならと…」それは一見、簡単なことのように見えて、不疑にとってはとても難しいことだった。実は従軍したのは皇帝の恩に報いるためだったが、戦場に身を置くことで、この世の星河を守りたかったという。すると少商は目を輝かせながら話す不疑の顔をまじまじと見つめた。「…どうした?」「見たいの…その瞳に映っている星が…」少商は思わず不疑の顔をのぞき込んだ。「もっと近づけばよく見えるだろう、私の瞳に映る一番、輝く星は君だ」不疑はふいに少商を抱き寄せ、おでこにそっと口づけした。その夜、少商は床に入っても不疑のことが頭から離れず、なかなか寝付けなかった。おかげで翌朝、蓮房(リエンファン)に叩き起こされ何とか迎えの馬車に乗り込んだが、護衛の梁邱飛(リャンチゥフェイ)もあくびが止まらない。「昨夜、月を眺めながら散歩する若主公にずっと付き添っていたんだ…眠いったらないよ~」「初めて口づけすれば興奮もするだろう」梁邱起(リャンチゥチー)は阿飛も口づけすれば同じようになるとなだめた。「今後も早起きは続くぞ、未婚妻を心配する方がいるからな…」( ;∀;)<誰か~助けてくれ~いつまで続くんだ~@飛凌不疑は眠い目をこすりながら毎日、少商を送迎していた。一方、少商は厳しい掟や難しい教えに戸惑い、身が入らず一向に進歩しない。確かに典籍など幼い少商が理解するには難しく、実際に役立つわけでもなかった。そこで皇后は試しに九連環を渡してみると、少商はあっという間に解いて見せる。皇后は誰にも得手不得手があるものだと考え、少商の長所を伸ばしながら、苦手な読み書きや掟は少しずつ学ばせることにした。少商は物作りの才能を伸ばし、そのおかげで詩や典籍も楽しく学べるようになった。「皇后、実は仕掛け作り以外にも得意なことがあるんです」門で控えていた皇后の側仕え・翟(ジャイ)媪(ウバ)は皇后の悲鳴を聞いて慌てて寝殿に飛び込んだ。「程娘子!なんたることです!皇后の背中を蹴るとは!」「ぁ…これは骨開きです、これで重かった腰や背中が軽くなるんです」すると皇后は確かに身体が楽になったと喜んだ。ちょうど菓子の差し入れに来た駱済通(ルオジートン)はやり方を教えて欲しいと頼んだが、翟媪から嫁ぎ先の夫のためかとからかわれてしまう。「許されるなら程娘子のように皇后にお仕えしたいわ、そうすれば遠くへ嫁がなくて済むのに… 幸運な程娘子が羨ましい」「幸運なんて初めて言われたわ」幸運とは最も縁遠い少商、まさかこれが凌不疑に未練が残る駱済通の本音だとは知る由もなかった。その時、突然、誰かのけたたましい声が聞こえてくる。「…あれは文修君(ウェンシウジュン)だわ」駱済通の言葉に皇后と翟媪の顔から急に笑顔が消えた。↓さすがにこれはダメだろうwww文修君が王姈(ワンリン)を連れて長秋宮に乗り込んできた。少商は自分が王姈を訴えたせいだと気づいて皇后を守ろうとしたが、宣神諳は人払いしてしまう。仕方なく部屋に戻った少商、すると後をつけてきた王姈が入ってきた。相変わらず傲慢な王姈だったが、少商は平然と王姈のことが好きだという。「だって愚かだから…」少商は王姈がその愚かさゆえ、口を開けば弱みを握られるのだと呆れた。文修君は宣神諳が程娘子を可愛がるのも無理はないと嘲笑った。「夫に愛されず、息子は無能、娘は良心もないと来てる… だから慈しみを他人に注ぐしかないものね」「妹妹、わざわざ余を辱めに来たの?」すると文修君は本題に入った。実は弟の小乾安(ケンアン)王から文があり、寿春(ジュシュン)での生活が苦しいため銭を鋳造したいという。宣神諳は相談する相手が違うと断ったが、突然、文洲君が怒鳴り始めた。「乾安王一族からの恩を忘れたの?!養ってやったでしょう?!」少商と王姈は文修君の怒号に驚き、寝殿に駆けつけた。外で控えていた翟媪は言い争いになっていると話したが、皇后から誰にも中に入れないよう命じられたという。しかし少商は激しく罵倒される皇后を案じて思わず中に飛び込んだ。その時、ちょうど文修君が怒って燭台を倒し、少商は咄嗟に皇后をかばって腕に怪我をしてしまう。興奮冷めやらぬ文修君は殿門を開いて恩知らずな皇后の過去を知らしめてやると叫んだ。少商は皇后が殿門を閉めたのは文修君を守るためだと言い返し、口汚い言葉が外に漏れたらただでは済まないはずだと牽制する。「…ふん、私が死を恐れるとでも?」「では直接、陛下に文句を言って死んではいかがですか?皇后は無関係です!」すると文修君はさすが凌不疑が選んだだけあって弁の立つ娘だと鼻で笑った。「程少商、何様のつもり?!お前の夫も離縁され錯乱した女の息子 宮中で育てられて皇子だと勘違いしている」「子晟(ズーション)の功績は戦場で命を懸けて勝ち取ったもの、陛下の偏愛ではないわ 一族の権勢を笠に長秋宮で無礼を働くよりはましです!」その話をちょうど長秋宮を訪ねた文(ウェン)帝と凌不疑が聞いていた。文修君は新参者の少商の無礼に激高し、掟を教えてやると手を振り上げた。しかし皇后に腕をつかまれ止められてしまう。「鋳造権も渡さず、小娘さえ懲らしめられないと?やはりあなたは恩義を忘れた裏切り者よ!」「もうよい」そこへ皇帝が凌不疑を連れて現れた。( ๑≧ꇴ≦)まさかのアルソック皇帝皇帝はなぜそこまで執拗に皇后へ恩を着せるのか理解に苦しんだ。確かに皇后の父が亡くなった時、乾安王が夫人を哀れんで母子を引き取ったが、そもそも文修君の祖父が難に遭った時に死線を潜り抜けられたのは宣氏全族の助けのおかげ、乾安王はその時の恩を返したに過ぎない。「奏上したければなぜ車騎(シャキ)将軍を通して朝堂で訴えぬ? 長秋宮で皇后を困らせるのは、皇后がそなたに寛容だと知っているからだ 今日の皇后への不遜、行き過ぎた言動と不敬の数々はどんな罪になる?」驚いた皇后はそれとなく不疑に助けを求めた。「では文修君、お選びください、ここで陛下の処罰を待つか、私と共に皇宮を出るか」文修君は凌不疑と宮中を出たが、全く懲りていないように見えた。しかし不疑は城門への道すがら思わぬ情報を得る。「あなたのように両親の情も解さず冷酷な者には私のやり方は理解できないでしょうね? 陛下が父を孤城へ救援に行かせねば、勝利する前に父が死んだと思う?」「文修君はご存知なのか?乾安王が亡くなった理由を…」「もちろんよ」文修君の話では小越(ユエ)侯が乾安王に先んじて瘴気(ショウキ)を調査させるも、調べた兵士が死んだので報告してきたという。それでも乾安王は孤城を救おうと危険を冒して瘴気の中へ入り、結局、命を落とした。「あなたの舅父(キュウフ)を助けるために父は荒れ地で死んでいったのね 父が生きていたら今頃、天下は誰の手にあったかしら」「この件には裏がありそうだ、これ以上、利用されぬことです 小越侯と宣氏は不仲、小越侯の言葉は鵜呑みにできない それに陛下は小乾安王に義理を尽くしている、鉱山があれば困らぬはずだ 過分な望みは持たず、一方だけの言葉を信じぬように…」しかし文修君は不機嫌そうに帰ってしまう。実は小越侯は宣氏が皇帝に嫁いだせいで妹が后位を逃し、乾安王を恨んでいた。「…小越侯を見張り、調査を続けよ」三公主はちょうど馬車に乗ろうとしていた文修君母娘を見かけた。「長秋宮を追い出されたのは文修君だったのね~ 鋳造権の件で嘆願に来たとか…よほど切羽詰まっているのかしらん」「三公主こそ足元を見られませんように」すると文修君は逃げるように帰ってしまう。その様子を城楼から凌不疑が見ていた。つづく( ゚ェ゚)え?ずーしょんのママは離縁されてたのか…今さら?w
2023.09.24
コメント(3)
※ネタバレご注意ください!长相思 lost you forever【何となく視聴した気分になれる長相思1季】※第1話はイントロダクションで紹介しています昔々、人、神、妖が共存していた頃母と西炎国に身を寄せていた女主・小夭(シャオヤオ)は戦乱で遺児となり、玉山へ修行に出されます幼馴染で王孫の哥哥こと玱玹(チァンシュエン)は必ず迎えに行くと誓いますが、小夭は行方知れずにそれから300年後、身分も本当の容貌さえも失った小夭は清水鎮で医者・小六(シャオリウ)として気ままに暮らしていました1~13話までは女主と彼女をとりまく男主たちとの出会いそしていよいよ小夭の身分が明かされ、父と再会を果たします第15話「小夭の母が生きていた?!」このシーンを見た時、まあまあ驚きました( ̄▽ ̄;)何しろ叫ぶ叫ぶ「にいやあ~」「ぐぁ~ぐぁ~」「ぐぉ~ぐぉ~」第22話「小夭、哥哥を守る」気を抜いていたらまた来ましたwww泣くわ叫ぶわでもうお腹いっぱいw第25話「禁断症状で暴れる哥哥」哥哥熱演?いや怪演?w第30話「まさかの女主死す!」なのにキリトルのが↓ここw第36話「失恋の末に…」最後はどんだけ盛大な泣き芸が来るのか?!と待ち構えていたら急にしおらしくなるという…ガガはそばにいてね・・・( ತ _ತ)知らんがなさて1季は小夭の後押しもあり玱玹が王位を継承したところで終わりました結局、このドラマって小夭が最終的に誰を選ぶのか?って話なのかな?そうなるとわりとどうでもいいような気がwww(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ…楽しかったんですよ(←フォローになってないw果たして2季はいつになるのでしょうか?あのごたごた加減から、しばらくかかりそうですねそれともエンタメは関係なく、3季までまとめて公開!となりますか乞うご期待!(←何に?w
2023.09.21
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper最終話長意(チャンイー)は生きていた。天君・汝鈞(ジョキン)の菩提樹の実が凍結を解きながら経脈を修復、長意は鮫尾を取り戻し、霊力が回復したという。こうして危機一髪だった紀雲禾(ジーユンファ)を救った長意、しかし妖魔と化した汝菱(ジョリョウ)は不敵な笑みを浮かべた。「鮫尾が戻れば世間の邪念に勝てるとでも?!」すると邪念を操る鈴の音が北淵の地に鳴り響いた。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)は蝶の姿で戦場を飛び回り、愛しい空明(コウメイ)を探していた。空明は操られた仲間たちに目を覚ますよう訴えていたが、突然、前方から我を失った姫成羽(キセイウ)が迫ってくる。弟弟子に手を出せず呆然と立ちすくむ空明、その時、洛洛が人像に戻って空明の盾となり、姫成羽に刺されてしまう。「…成羽uuuuuuuu!」空明は姫成羽を掌で吹き飛ばし、洛洛を抱き止めた。「あなたは私にとって霊石より大事だと分かったわ…」洛洛は最後にうっすら笑みを浮かべ、空明の腕の中でそっと目を閉じてしまう。驚いた空明は泣きながら霊力を与え続けたが、そんな2人に向かって敵兵の剣が飛んで来た。すると姫成羽が咄嗟に飛び出し、身を挺して師兄を守る。姫成羽は心魂を操られながらも師兄の怒号を聞いてわずかに良心を取り戻していた。( ๑≧ꇴ≦)るおるおーっ!って、姫成羽って生きてたの?!雲禾と長意は力を合わせ汝菱に挑んだ。激しい攻防が続く中、やがて雲禾は汝菱の鈴を取り上げ、目の前で粉々に砕いてみせる。すると操られていた弟子たちが一斉に我に返り、戦いは収束した。しかし目を覚ました思語(シギョ)が林昊青(リンコウセイ)の姿がないことに気づく。実は林昊青は別の場所にいた。「あはははは~!鈴を壊せば終わるとでも思ったの?!」高笑いした汝菱は別の鈴を招喚、合図を送ってしまう。「あの鈴が操るのは単なる傀儡(クグツ)、でも魔気で作った鈴は破壊できないわ 林昊青にぴったりでしょう?」「師兄?…長意、天君が危険だわ」雲禾は林昊青の狙いが天君だと気づき、長意に汝菱を任せた。汝菱に心魂を操られた林昊青は殞魔(インマ)陣を開こうとしている天君を背後から襲おうとしていた。しかし危ないところで雲禾が現れ、師兄を阻止する。「天君、ここは私にお任せ下さい!」一方、長意は汝菱を追い詰め、最後は鮫尾の一撃で陣の中に放り込んだ。その頃、天君を守っていた雲禾は師兄と差し違えていた。思わず顔を背けた雲禾、しかし刺されたのは林昊青だけで雲禾は無事だと気づく。「師兄っ…」「雲禾…私はこの巨大な碁盤の中に捕らわれてしまった… だが最後の力を大切な人のために使える…これで死んでも悔いはない… ″怖くはない、私が雲禾を守る″…」林昊青は幼い時に師妹に誓った約束を果たし、崖から身を投げた。( ๑≧ꇴ≦)師兄nnnnnnnnnnn!殞魔陣を開いた汝鈞は姉を封印するため、雲禾と一緒に駆けつけた。陣に捕らわれた汝菱は弟の仕打ちに激怒、恩知らずには天地を掌握する資格はないと暴言を吐く。「身は滅んでも術と魂は滅ばない!そうよ、風となって1人残らず殺す! この四海八荒(シカイハッコウ)を道連れにしてやる!」その時、汝菱は自ら身体を消散させ、魔気となって衆生に復讐しようとした。雲禾は咄嗟に長意を突き飛ばすと、その隙に九尾狐となって陣に飛び込んでしまう。「風になるというなら私が全て受け止める、共に滅ぼうとも構わない」雲禾は全ての魔気を自分の身体に取り込むと、琉璃心灯を封じた。「ごめんなさい長意、こうするしかないの」すると雲禾はどこかへ消えてしまう。雲禾は火口へやって来た。そして琉璃心灯を放り込み、心灯で天地の火をおこしてあらゆる悪を焼き尽くすと決める。すると長意が駆けつけ雲禾を引き止めた。「雲禾!悪を滅ぼすために、また犠牲になるつもりか?!」「順徳が死なないと平和は訪れない…」「なら私も飛び込む!」しかし雲禾は自分が飛び込んだ後、封印して噴火を防げるのは鮫族の権杖(ケンジョウ)を使える長意だけだという。「辛いでしょうけど、信頼できるのはあなただけなの…長意、これは私の選択よ 安心して、心灯が守ってくれるから私は死なない、魔気が消滅したら戻る方法を見つけ出すから… 将来はあらゆる困難を共に乗り越えましょう」「分かった、では約束してくれ」長意は雲禾に唇を重ね、再び鮫珠を渡した。「鮫珠があれば私を忘れない、私は永遠に君の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)だ、帰りを待っている 鮫人は生涯、独りの相手と添い遂げる」「約束するわ、どんなことがあろうと必ず戻る道を見つけると… だって私の居場所はあなたのそばしかないんだもの でも私のために北淵に留まらないで、遊歴して世の中を見て欲しいから…いいわね」「分かった、約束するよ」こうして雲禾は長意から手を離し、火口へ身を投げた。北淵に平和が戻った。しかし空明はまだ洛洛を抱きしめたまま涙に暮れている。「私に責任を取りたくないのか?」「…高くつくの?」「洛洛?!」意識が戻った洛洛は晴れ渡る空を見上げ、すでに何もかもが終わったと気づいた。( ๑≧ꇴ≦)洛洛、生きてたのかーい@絶叫w長意は火口を氷で閉ざした。その場からなかなか離れることができない長意、そこへ天君がやって来る。「やっと分かった、父が遺した百万の神兵とは謎の部隊ではなかった 悪と戦うあらゆる者たち、つまりそなたたちだったのだな だが紀雲禾が犠牲になるとは思わなかった、すまない」「天君は関係ありません、雲禾がこうと決めたら誰も止められない だが彼女は必ず約束を守るでしょう」しかし魔気が消えるまで100年か1000年か、もしくは1万年か、天君にも分からないという。すると長意は東海の封印を解き、万花谷を見守って欲しいと頼んだ。「北淵なら卿瑤(ケイヨウ)がいれば安心でしょう」こうして長意は尊主の座を卿瑤に譲り、独り旅立った。洛洛は空明と結婚、その日、待ちきれずに仙師府を訪ねた。姫寧(キネイ)は天君が仙師と審議中だと止めたが、ちょうど2人が外へ出て来る。「洛洛?!」仙師府に復帰した空明は仙師として忙しい毎日を送っていた。すると洛洛が意味ありげに自分のお腹を指さしている。「空腹なら家に帰ろう」「私じゃない…ふふ、もう父親よ」喜んだ空明は人目もはばからず洛洛を抱き上げ、喜んだ。洛洛の慶事は北淵にも届いた。微妍(ビゲン)は尊主もそろそろ伴侶を見つけてはどうかと言ったが、卿瑤は北淵の平和だけで十分、心が満たされているという。その頃、天君は菩提樹を眺めながら姉を思い出していた。合虚(コウキョ)神君は未だ順徳のことが諦められないのだと分かったが、時には過去を振り返ることも必要だという。「今日はやけに機嫌が良いな、吉報か?」「飛廉(ヒレン)と雷沢(ライタク)が復活したと聞けば元気にもなります」「それは良かった!万花谷の雪(セツ)統領にも知らせよう! だが離殊(リシュ)世子の逝去が悔やまれるな…」すると合虚はここへ来る途中で月下(ゲッカ)仙君と出くわし、もう一つ朗報を聞いたという。「いや、やはり秘密にしましょう、相思相愛の者たちを驚かせてやりたい」三月(サンゲツ)は今日も離殊が遺したかんざしを髪に挿していた。するといつも遊びに来る黒猫が庭先に現れたが、今日に限ってどこかへ行ってしまう。三月は仕方なく干物を持ってあとを追いかけると、やがて大きな藤の木の下で猫を捕まえた。「今日はどうしたの?」「美しい毛並みにしなやかな体、大切に飼われていますね」「…誰なの?!」三月は勝手に入って来た男の声に腹を立てて振り返ったが、我が目を疑い呆然となった。「人間界から来た新弟子だ、なぜかここに迷い込んでしまって… 君も弟子だろう?万花谷で最強だという雪統領に憧れている 彼女の好みを知っているかい?歓心を買って気に入られたら感謝するよ」その新弟子は離殊とうり二つだった。( ๑≧ꇴ≦)てっきり黒猫が生まれ変わりだと思ってたー!思語は雪統領が無事に離殊の生まれ変わりと再会したのを見届け、谷主に報告した。「奴の絵姿を見た時、天の計らいだと思った、三月の弟子にしよう」崖から身を投げた林昊青は命拾いしていた。しかし重傷を負って歩けなくなり、かつての父のように車椅子での生活を余儀なくされている。思語は三月と離殊の幸せな結末を喜びながらも、そんな谷主の姿を見ると胸が痛んだ。「万花谷は残っているし、お前もいる、それで十分だ」「でも谷主ご自身は?」「私?歩けないが思うまま生きられている、本来の自分に戻れたのだ、お前も喜んでくれ それより雲禾と長意の新たな情報はあるか?」「火山に動きはありません、長意も人間界へ行ったきりです、探ってみますか?」「いや忘れてくれ」すると林昊青は良い天気なので散歩へ行こうと笑った。( ๑≧ꇴ≦)師兄、生きてたのかーい!@絶叫その2その頃、長意はかつて雲禾と一緒に人間界を眺めた崖の上に立っていた。あれは成婚の夜のこと、今でも昨日のことのように覚えている。雲禾は来世では尊主や護法ではなく、普通の夫婦として温かい家庭を築きたいと願い事をしていた。『春は夜桜、夏は満天の星、秋は満月、冬は初雪を楽しみたい 春夏秋冬ずっと一緒よ、けっしてそばを離れない』…雲禾、君は私の心に咲いた最も美しい花だ…私たちの過去は愛に満ちていた…2人で自由に憧れ、手を携えて逃げたが、お互いを誤解した…紆余曲折を経て再会し、君に私の烙印をつけた…1度ならずも2度も君を失い、そして1度ならずも2度も君を待った…私は信じていた、必ずまた会えると「チャンイー、私たちの馴れ初めはおとぎ話みたいね」長意と雲禾は再び巡り合い、東海を見渡す崖の上にいた。「それであなたの鮫尾は?」「君が初めて見た時とすっかり変わらないよ…でも君はまだ見たことがなかったね」「不思議だったの、あなたがなぜそんなに純粋で無邪気なのか… 確かに広大な海の前では全てが小さく見える、険しい道も波しぶきと同じ、すぐに過ぎ去るのね」「これからは大空の下で共に生きよう、雲禾…もう2度と離れない」「ねえ…どっちが早く泳げるか試してみない?」すると雲禾と長意は手をつないで東海に飛び込んだ。海面から飛び上がった2人の鮫尾は夕陽に照らされ、美しく輝いている。終わり( ๑≧ꇴ≦)終わったあぁぁぁぁぁぁぁ!配信当時はなぜ雲禾が生まれ変わったのか良く分からなかったけれど、ようやくこれで個人的にも完結できました!では次は安楽伝でお会いしましょう~(^ꇴ^)ノ″ ←勝手に決めているw
2023.09.18
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第19話ようやく結ばれた紀雲禾(ジーユンファ)と長意(チャンイー)、しかし幸せも束の間、長意は婚礼の午夜には凍結する運命だった。空明(コウメイ)から話を聞いた洛錦桑(ルオジンサン)は雪三月(セツサンゲツ)と一緒に雲禾の元へ行こうとしたが、空明が止める。実はこれが雲禾と長意の選択であり、最期の夜は2人だけで過ごさせたかった。一方、雲禾の幸せを祈って酔い潰れていた林昊青(リンコウセイ)は花海で朝を迎えた。すると妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)が現れ、雲禾への慕情を見抜かれてしまう。汝菱はそんな林昊青の心の隙間に目をつけ、呪術を放った。霊力を使い果たしていた林昊青は抵抗できず。汝菱に心魂を操られてしまう。↓白雪姫の魔女と化粧が濃くなった師兄翌朝、雲禾が寝殿を出ると洛洛たちが心配して回廊で待っていた。長意の件はすでに空明から聞いたという。「長意の身体は凍ったわ… 長意は私の縫った衣を着て一緒に天灯を眺め、歌も歌ってくれた、それで満足よ」すると雲禾は皆を心配させまいと笑顔を見せ、戦に向けた防備の確認へ足早に出かけてしまう。残酷な2人の運命に胸が痛む雪三月、しかし離殊(リシュ)は2人に自分たちの姿を重ねていた。天君・汝鈞(ジョキン)は琉璃心灯(ルリシントウ)の最後の破片が見つけられず、修復できずにいた。しかし琉璃心灯は上古の仙族が仙骨で作った神器、思いつめた汝鈞は雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君の目を盗み、自分の仙骨で補おうとする。その時、飛廉と雷沢が現れ、止めた。実は新たな妖魔の正体が仙姫だと分かり、これは天君が乗り越えねばならない天劫だという。「ゆえに心灯の修復は我々にお任せください」すると2人は天君を陣に封じ、己の仙骨抜いて修為を使い果たし、琉璃心灯を修復した。雪三月と離殊が辺境にいた雲禾の元へやって来た。「皆を動揺させまいと耐えているのね、でも私に気遣いは無用よ」悲しみをこらえていた雲禾はついに涙があふれ出し、ようやく胸の内を明かした。「覚悟はできたつもりだった… でも一度、手にした幸せを失うのは辛過ぎる、痛くて胸が張り裂けそう」離殊は長意を連れて凍結を解く方法を探しに行くよう勧めたが、雲禾は長意から引き継いだ責任をまっとうしなければならないという。「北淵と衆生のため、私の命はとうに私のものじゃないの」その時、天君が現れた。天君は見事に琉璃心灯を直していたが、そのために飛廉、雷沢両神君が犠牲になったという。すると汝鈞は妖魔の正体が姉だと知った上で、自分が始末すると言った。雲禾は天君に凍結した長意を診せた。空明たちは回廊で待っていたが、寝殿を出てきた天君と雲禾の表情は険しい。「やはりもう誰も救えないのか…」落胆する空明、しかし雲禾はそれより今は明日にも北淵に到達しそうな順徳の大軍を心配した。卿瑤(ケイヨウ)は天君の琉璃心灯で制圧できると期待したが、実は琉璃心灯が直ったところで雷が生む天光がなければ殞魔(インマ)陣を開くことができないという。そこで三月が取りに行くと名乗りを上げたが、天君にも天光のある場所が分からなかった。離殊は独りで長意と会った。命を賭して戦を止めた雲禾、朱厭(シュエン)を始末するため命を投げ出した長意、琉璃心灯を修復するため犠牲となった神君たち、そして姉と戦わねばならない天君…。離殊は皆の潔さに敬服し、自分の宿命を受け入れると決めた。「次に英雄になるのは俺だな…行ってくる」離殊は高台へ登ると首飾りの鈴に呼びかけた。「祖父、天火はどこですか?!」すると鈴が天に舞い上がり、巨大な雷雲が現れる。見回り中だった雲禾たちは急な雷鳴に驚いたが、そこへ汝鈞が駆けつけた。実は琉璃心灯が急に何かに反応して熱を帯びたという。三月は何やら胸騒ぎがして洛洛に離殊を見たか聞いた。しかし洛洛は離殊が長意の寝殿から出たのを見たのが最後だという。三月たちは離殊を探した。するとどこからともなく天火が現れ、天君の琉璃心灯を照らしてくれる。「誰が取りに行ったの?」洛洛が困惑していると、何かに気づいた三月が急に飛び出した。離殊は使命を果たし、ついに琉璃心灯を天火で灯した。しかしついに身体が消え始めてしまう。「離殊っ!」三月は離殊の姿を見つけて走り出したが、あと一歩というところで離殊は消散した。すると雪の上にかんざしだけが落ちてくる。そのかんざしにはわずかに離殊の元神が留まっていた。「離殊…」…本当は愛する妻へと刻もうと思ったが、名だけにしておいた…別の男に嫁げなくと困るだろう?…君は己に厳しく生きづらいだろうが、もっと自由に生きて欲しい…大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)に家を用意させてある…何もかも終わったらそこで思うまま生きて欲しい…先は長い、君を守ってくれる者を見つけたらいい…俺のように君に嘘をつかず、傷つけない者をな…だが俺は悔いていない、君の猫になれたことは1番の幸せだった離殊の残像が消えた。三月は離殊の形見となったかんざしを手にすると、そこに″愛する妻の三月″と彫られている。「私を騙して逃げるなんて…虫が良過ぎるわ」三月はしばし悲しみに暮れていたが、やがて涙を拭いてかんざしを髪に挿し、立ち上がった。「天君、この心灯で北淵を守り、順徳の成敗を…」「はお」一方、閬風巓(ロウフウテン)では合虚(コウキョ)神君が天をながめながら命数を数えていた。「天君、今、星が全て南を向き命宮に集まり、陽の気が最も盛んです 妖魔を退治するのに最も適しています、機を逃さぬように…」雲禾は凍結している長意に出発を伝え、寝殿を出た。凌霜(リョウソウ)台は卿瑤に任せたが、最後は天君にかかっている。「天君、ご覚悟は?」「…姐姐には何度も機会を与えたが顧みなかった、今こそ終わらせなければ」一方、洛洛は空明の居所に駆けつけ、自分も一緒に戦いたいと訴えた。空明は心配でかえって足手まといになるとなだめ、ここで待っていて欲しいという。その時、戦鼓が鳴り響いた。「言い争っている時間はない、いいな?」すると空明は洛洛のおでこに口づけして出て行ってしまう。雲禾たちは辺境に戦力を集め、敵を迎え撃つ準備は整った。その時、瞿暁星(クギョウセイ)が敵軍の中に思語(シギョ)や長老、万花谷の御霊師たちがいると気づく。空明は衝突しないよう攻撃はせず、何とか結界で持ち堪えることにした。すると高台で酒を飲みながら見物していた汝菱が結界に悪念の杖を放ち、ひびを入れる。雲禾は仲間たちと結界を守ったが、汝菱を倒さねばらちが明かなかった。「ここは任せたわ、順徳にお返しする」しかしついに結界に穴が開き、敵兵が北淵に雪崩れ込んでしまう。雲禾は高みの見物を決め込む順徳を挑発した。「遠路はるばる来たのに、手下に戦わせて自分は隠れているの?」「お前を早く殺しておくべきだった」「でもその願いは永遠に来ないわね…」雲禾は順徳を陣がある雪山まで誘き出し、2人は対峙した。鮫人(コウジン)の教化から始まった2人の因縁、ならば自分たちが決着をつけて終わらせるしかない。そんな2人の姿を高台の崖から汝鈞が見つめていた。…姐姐、今度こそこの手で阻止します…紀護法、殞魔陣が開くまで持ちこたえてくれしかし汝菱はあっさり雲禾を捕まえてしまう。汝菱は雲禾の首を締め上げ、高笑いした。「この程度でおしまい?哀願したら?そうすればひと思いに殺してあげる」「ぐっ…順徳、あなたは本当に哀れね…」「今や全能の私をお前が哀れむとは笑止!ふん、九尾を振って命乞いしたらどう?」その時、突然、凄まじい霊力が順徳を吹き飛ばした。_:(´ཀ`」∠):_ グハッ!雲禾を助けたのは長意だった。「長意、やっと目を覚ましたのね」「すまない、遅くなって…」「来ると信じていたわ」汝菱は長意の姿に呆然となった。「あり得ない…」「私が死ななければお前は油断しなかっただろう?」実はあの時、汝鈞は100年に一度だけ実る菩提樹の実で長意の凍結を解いていた…『この実は姐姐が私を育ててくれた菩提樹に実ったものなのだ これまで記念に持っていたが、ここで役に立つとはやはり縁なのだな…』2人は汝菱を油断させて勝機を確信させておくため、ひとまず秘密にしておいたしかし凍結を解いたと言っても、長意がいつ目覚めるのかまでは分からない『危険な賭けでは?』『必ず長意が来てくれると信じています』つづく( ๑≧ꇴ≦)分かってたーっwww
2023.09.18
コメント(1)
月升沧海 Love Like the Galaxy (第1話)第28話「神像に嫁ぐ心得」自分の気持ちと向き合い、改めて凌不疑(リンブーイー)との婚姻を決めた程少商(チォンシャオシャン)。そうとは知らず、少商にこっ酷く追い返された不疑は城楼で独り、少商のために作った悪酔いしない酒をあおっていた。すると眼下で刺客から逃げ惑う韓武(ハンウー)の姿を見つける。不疑は急いで駆けつけ韓武を助けたが、刺客の最後の1人を始末しようとしたところで止められた。「生き証人にっ!」韓武は当時、小越(ユエ)侯の陣営にいた軍医を発見、接触していた。思った通り軍医は瘴気(ショウキ)を調査した将士の馬を陣営で目撃したという。瘴気を浴びて馬だけ無事とは考えられず調べを進めてみると、実は将兵たちが刀で斬られて死んでいたと分かった。恐れた軍医は名を隠して帰耕(キコウ)していたが、結局、若主公と会わせる前に殺されてしまう。「一体、何者だ?」韓武は若公主が踏みつけている刺客の覆面を外して顔を見た。その時、刺客が口に含んでいた毒針を放ち韓武の額に命中、不疑も驚いた一瞬の隙を突かれて足を斬られてしまう。しかし不疑は落ちていた剣を咄嗟に蹴り飛ばし、刺客を殺した。韓武は即死だった。刺客は身分を示す物を何も持っていなかったが、暗器の針には毒を入れる空洞があり、普通の鉄匠(テツショウ)が作れるとは思えない。「軍で使われる物だ…」当時、小越侯は瘴気が消えてから救援するよう乾安(ケンアン)王に提案していた。自軍の兵士を口封じしてまで瘴気があると主張したのは、孤城への救援を遅らせて陥落させるためだろう。「韓武が殺されたのも小越侯が察知したからだ、この先はあからさまに調査できなくなった さらに慎重を期さねば…」その夜、文(ウェン)帝は寵姫・越姮(ユエホン)の永楽宮で過ごしながら、怪我をした子晟(ズーション)を心配していた。いつも無駄口を叩かない子晟が驚くことに″落馬した″と見え見えの嘘をついたという。「6歳から自在に馬を走らせていた子晟が落馬だと? 実は負傷する前、程娘子(ニャンズー)に会っていたらしい」皇帝は怪我の原因が程娘子だと考え、自分が罰するのを恐れて子晟が程娘子をかばったのだと深読みした。「今や子晟の心には程娘子だけ…朕は排除された(ボソッ」するとは越妃はそれが若さだと懐かしんだ。かつて皇帝も首を蚊に刺されただけで、あらゆる手段を使って自分に知らせようとしたことがあったという。「でももし程娘子が何も知らないなら…子晟は負傷したかいがないですね」「( °◊° )ピコーン!なら朕が知らしめてやろう!」そこで皇帝は早速、少商と子晟を参内させることにした。「程娘子には朕と同じくらい子晟を愛おしんでもらわんとな!」参内した少商を案内してくれたのは五公主の伴読・駱済通(ルオジートン)だった。すると運悪く回廊で三公主と出くわしてしまう。「程娘子、また会ったわね、その顔で十一郎を誘惑したのね」「…誘惑とはどういう意味でしょうか?」掟を知らない少商はうっかり聞き返し、三公主を怒らせた。「口答えしたわね、誰か、頬を叩いて」「やめないか!」その声は凌不疑だった。アルソック不疑キタわ~!‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/››‹‹\( ´ω`)/››三公主は少商など十一郎の妻に相応しくないと訴え、人を惑わせ、足まで怪我をさせたと非難した。許嫁に因縁をつけられた不疑は嫌悪感をあらわにし、三公主こそ倹約する皇帝と皇后を顧みず強欲だと非難する。「私も今年で齢21、少商と出会ってやっと妻帯する気になった この生涯で少商以外の誰かに心が動くことはない」すると不疑は呆然と立ちすくんでいる少商の手をつかみ、連れて行ってしまう。凌不疑の仕打ちに憤慨する三公主、実は駱済通も人知れず深く傷ついていた。凌不疑は少商が縁談を辞退するつもりだと誤解していた。しかし少商は自分が足を怪我したと知って心配してくれる。「一応、未婚妻として気遣わないと陛下の怒りを買うでしょう?」少商の物言いは相変わらず容赦ない。「あなたは熱過ぎる、修造?…違う、神像みたい、畏怖され崇められる その神像と成婚して一緒に住むのよ?誰だって躊躇するわ」「少商、妻と決めた以上、私には君しかいない 破談にしたいなら陛下に申し出よ、だが私は決して応じない」すると少商はあっけらかんと破談にするつもりはないと言った。「幼い頃から愛されず、愛することも知らない、だから下心を疑ってしまうの でもあなたは私によくしてくれたわ」「…少商、君は私の妻、私の持つ全ては君のものだ…全力で君を守る、いずれ信じてもらえる」「信じるかどうかはあなた次第ね~」そこで不疑は少商の好物の焼餅(シャオビン)を出した。「今後は好きな時に食べるといい」皇帝と皇后は皇太子夫妻を同席させ、少商と引見した。すると心配した凌不疑が現れ、一緒に話を聞くという。皇帝は不疑を静養させるつもりで呼んだが、不疑は頑として動かず、仕方なく2人に足を崩すよう促した。皇帝は少商を皇后に預け、花嫁修行させることにした。しかし少商はうつむいたまま黙ってしまう。不疑は何でも正直に言えば良いと助言したが、少商は何を思ったのか急に訴えたい人がいると言い出した。朝廷では皇帝への諫言や上奏は大ごと、一つ間違えば重罪となる。「朝廷のことは分かりません、でも凌将軍は陛下が寛大で実父も同然だと… あ、礼に適っていないのなら言いません」すると不疑が大丈夫だと答えたため、皇帝も認めざるを得なかった。「…臣女が訴えたいのは車騎将軍・王淳(ワンチュン)の娘・王姈(ワンリン)です 楼(ロウ)家の婚礼で私を中傷したからです」皇太子妃は少商の思わぬ訴えに目を白黒させた。まさかよりによって皇后の従姉妹・文修君(ウェンシウジュン)の娘を訴えるとは。文修君と言えば、ちょうど屋敷を訪ねてきた寿春(ジュシュン)の使者から鋳造権を無心されていた。かつては権勢を誇った乾安王府も皇帝の天下取りで老王が亡くなり没落、弟の小王が地盤となる寿春で不遇の日々を送っているが、それを支えているのが使者の家主である彭坤(ポンクン)だった。「天下は本来、乾安文氏のものだった、なのに我ら姉弟がかくも苦労するとは…」そこへ客人とは知らず王姈が現れた。すると使者は美しい王姈を気に入り、父親ほど歳の離れた家主に嫁がせたいという。「…お忘れなきよう、家主がなぜあんな身体になったのか 家主が瘴気も顧みずに乾安王を背負って戻ったからでは?! ずっと子宝に恵まれぬのもそれが原因です!」少商は王姈たちから大勢の前で女狐だと中傷されたと訴えた。もし自分が訴え出なければ凌将軍は女狐に惑わされたとの名折れになるという。「陛下の家は国に関わる、家が乱れれば国も危うい、国のために訴えるのです 私も根に持ちたくはありませんが、王娘子は子晟のことで絡むのをやめません」すると皇太子も確かに王姈が人目もはばからず子晟の縁談に何度も憤慨していたようだと明かした。皇帝は更なる災いを防ぐため王姈に戒めを与えると言ってくれた。少商も皇后の長秋宮に住み込むことになったが、まだ幼い少商は戸惑いを隠せない。そこで不疑は少商がようやく両親と過ごせるようになったことから、自宅から通わせてはどうかと提案した。「また別れを経験させたくありません、私が毎日、送り迎えします」「子晟自ら送迎とは…」皇帝は仕方なく許可した。「では毎日、辰時前に長秋宮に入って申時末に皇宮を出る、10日に1日が休みよ」一方、王姈は母から舅父のいる寿春へ嫁げと言われ、号泣していた。「程少商は凌不疑に嫁ぐのに、なぜ私は未開の地の年寄りに嫁ぐのですか!」しかし彭坤は乾安王一族の恩人、無下にはできない。将軍は娘をかばい婚姻に反対したが、文修君は未だ自分の境遇に納得できなかった。「我ら乾安王一族がいなければ陛下は大軍を得て戾(レイ)帝を平定できたと思う? 皇后とて我が家に身を寄せたから今日があるのよ! 我が一族が犠牲となり、残っているのはお前の舅父だけ…天下が我が家に恩があるの!」その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が皇帝の命を伝えにやって来た。気位の高い文修君は皇帝の言葉とは言え、決して宦官の前で跪こうとはしなかった。仕方なく曹常侍は程少商を辱めた王姈に父娘で自省するよう伝えたが、これに激怒した文修君は娘を引っ叩いてしまう。「横暴でも何でも良いが恥をさらすのだけは許さない!」文修君は程氏をかばった皇帝だけでなく、それを諌めない皇后への怒りが爆発した。「もし私と陛下が同族でなかったら、私が皇后だった!」つづく( ತ _ತ)文修君の金切り声でテンションが下がるわ___それにしてもずーしょん21歳なのか?!にゃおにゃおが15歳だから、せいぜい18歳くらいかと思ってたェェェェェ…( ̄◇ ̄)( ̄◇:;.:... ( ̄:;....::;.:. :::;…
2023.09.16
コメント(2)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第27話「本当の気持ち」凌不疑(リンブーイー)の権勢に反発しながらも聘礼(ヘイレイ)の儀を済ませた程少商(チォンシャオシャン)。すると不疑は程家も自分の家族だと言って黒甲衛(コクコウエイ)に曲陵(キョクリョウ)侯府を警固させた。「これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」(๑•̀ㅂ•́)و✧<お任せください!( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)アルソック?さらに翌日は早朝から屋敷の人間が中庭に集められ、厳しい訓練が始まった。2人の兄はもちろん、堂姉・程姎(チォンヤン)や侍女まで体力作りのためだと鍛錬を強いられてしまう。凌将軍の威光に程始(チォンシー)も逆らえず、穏やかな姎姎さえ生まれて初めて反抗したくなったと嘆いた。喉が渇いても身体が冷えるからと白湯しか飲ませてもらえず、夜になっても護衛の目が光り気が休まる時がない。やがて家族は限界に達し、凌将軍の対応を嫋嫋(ニャオニャオ)独りに任せると決めた。その夜、少商は塀をよじ登って脱出、万萋萋(ワンチーチー)と酒を飲んで憂さ晴らしした。「以前は書を読めと見張られたけど、今はみんな凌不疑から隠れるのに必死でそれどころじゃない 今や阿母の代わりに凌不疑が干渉するの、母の干渉なんて凌不疑に比べたら可愛いもんだったわ 鍛錬って…ケッ!屋敷中を集めて訓練を始めたのよ?!(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ バンバン!」しかし軍生活に慣れている萋萋は確かにその病弱で非力な姿を見れば鍛えるべきだと失笑した。少商は何も指図しなかった楼垚(ロウヤオ)を懐かしみ、食事にまで口を出す凌不疑への不満が爆発する。「あの笑い話、何なの?あれは嫁がなければ一家が死ぬっていうおどしよ!凌不疑は極悪非道!」「でも…凌不疑は色々と尽くしてる…で、あんたは凌不疑が好きなの?嫌いなの?」「好きってどんな感情?」「そうね〜たとえば目を閉じても顔が浮かんでくるとか…」少商は目を閉じて考えてみたが、ふと目を開けると凌不疑の顔があった。凌不疑が泥酔した少商を背負って帰って来た。家族は凌将軍が少商を酔わせたと誤解して非難したが、聞けば少商が屋敷を抜け出して萋萋と酒を飲んでいたという。「少商だけでなく馬車で万娘子が寝ています」すると驚いた程頌児(チォンソンアル)が馬車の様子を見に行った。蕭元漪(シャオユエンイー)はいくら許嫁とは言え成婚前だと指摘、ともかく夫に少商を渡すよう頼んだ。しかし凌不疑は無理だという。「離したくないわけではなく、ご覧ください」すると不疑は両手を離してみせた。どうやら少商は凌不疑を馬だと思い込んでいる様子、しがみついて離れようとしない。「程夫人、私が運びます」一方、馬車でも泥酔した萋萋が程頌児に絡んでいた。手を焼いた程頌児は萋萋を押さえつけ、静かにさせるため口づけしてしまう。↓(*≧∀≦)ノ<ジィァ! ヒッ!(゚ロ゚ノ)(゚ロ゚ノ)ノ翌朝、少商は蓮房(リエンファン)から凌不疑におぶさって帰って来たと聞いた。すると早速、凌不疑が酔い覚ましの汁物を届けに来る。「私が酒を止めるのが気に食わなくて痛飲したのか?」そこで凌不疑は宮中の医官に生薬で作らせた桃花釀(トウカジョウ)を差し入れた。「これなら悪酔いしない、酒を飲みたい時はこれを… 自由を奪う気はない、身体を大切にして欲しいだけだ」「これは嫌い…生薬配合なら養命酒の方が好き」←とは言ってないw「もしや嫌いなのは酒ではなく私か?…少商、私は努力している、なぜ避けるのだ?」蓮房は仕方なく女公子の代わりに酔い覚ましと桃花釀を受け取り、出て行った。少商は自分たちの住む世界が違うと訴えた。「こればかりはどうにもならないわ、それにここは私の家で私の家族、あなたのものじゃない」「確かに…」不疑は幼少より軍で育ったため、命令を第一に考えるきらいがあった。決して強制したり支配するつもりはなく、ただ相談する習慣がないという。不疑には長年、家族もおらず、誰かと打ち解ける機会もなかった。「だから学びたい、私が権勢で抑圧したと言うが、私も普通の人間だ 君と普通の暮らしを送りたいと願っている」「でも私にとっては抑圧なの、桃花釀もいらない、私や家族への過剰な気遣いも不要よ そもそもあなたは普通の人じゃないし、私たちは平等じゃなかった あなたは私の気持ちも確認せず陛下に婚姻を頼んだわ、私を尊重していると言える? あなたのやり方は息が詰まるの…」すると凌不疑は何より自分のことをどう思っているのか聞いた。「私を好きか?…好きではないのか?!」しかし少商はこれまでの不満が一気に爆発してしまう。「あなたの言う″好き″とはあなたに服従して監視されることなの? 行動や食べる物も管理され、朝から一家中で鍛錬を強いられ怯えることが? それが″好き″だと言うなら私には耐えられない!永遠に望まぬ日々よ!」「では君が望む日々とは?」「それはあなたのいなぃ…(はっ!)」「それが本音か…」「嘘偽りなくね…私の家から出て行って、ここで別れてお互いに別々の道を行きましょう」「…帰るよ」蓮房は女公子に朝餉を運んだ。「あれだけ吐いたらさすがに空腹でしょう?」聞けば凌不疑は昨夜から一睡もせず少商を介抱していたという。その上、少商は一晩中、笑ったり泣いたり、しまいには凌不疑を叩くは蹴るは噛みつくはで、蓮房は激怒した凌将軍に殺されやしないかと怖かったと笑った。少商は何も覚えていなかったが、ともかく両親の部屋を訪ねることにする。すると寝殿の前に新しい履き物が置いてあった。「あ、これは女公子の足が冷えないように凌将軍が大蛇の皮で作らせたそうです 熱がこもらず、四季を通して履けるとか」程始は凌不疑に何ら非はないとかばった。そもそも人生はままならぬもの、凌不疑に嫁がなくても自分の望むまま生きて行けるとは限らない。蕭元漪は自分で応じておきながら躊躇するのは君子の所業ではないと呆れたが、ただ娘の幸せのためなら全てを捨てて縁談を断る覚悟はあると言った。「だから阿母にあなたの本音を聞かせて。凌不疑が本当に嫌いなの? この世に完璧な人間などいない、好きになっても全て意に沿うとは限らないわ 阿母と阿父さえ、ぶつかり合いながら円満な夫婦になったの 心を動かせる人に嫁げることだけで貴重なのよ?ちゃんと考えてから決めなさい」すると最後に程始は嫋嫋がどんな結論を出そうと賛成すると言った。少商は部屋に戻り、初めて凌不疑とのことを真面目に考えた。やがて日も暮れ、蝋燭に火を灯す。確かに凌不疑は不器用だが常に自分を守り、尊重してくれた。あの優しいまなざしも大きな背中も、いつの間にか少商の心の中に深く刻み込まれている。すると少商は凌不疑への本当の気持ちに気づき、部屋を飛び出して母屋へ走って行った。「阿母、阿父!決めました!…嫁ぎます!」つづく( ;∀;)やっぱり親の愛を越える愛はないのね~
2023.09.15
コメント(2)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第18話妖魔と化した順徳(ジュントク)仙姫・汝菱(ジョリョウ)。北淵(ホクエン)では迫り来る戦に向けて準備が急がれたが、空明(コウメイ)は長意(チャンイー)を失ってしまう悲しみに打ちひしがれていた。そんな中、紀雲禾(ジーユンファ)と長意は3日後に婚礼を行うと発表する。卿瑤(ケイヨウ)は準備が間に合わないと心配したが、雲禾と長意は格式や慣習にこだわるつもりはないと言った。「親しい友と酒を飲めればそれでいいの」何も知らない洛錦桑(ラクジンサン)は2人の婚礼に諸手を挙げて喜んだが、空明だけは浮かない顔をしていた。雲禾は卿瑤にも招待状を渡した。しかし卿瑤は親しい友だけを呼ぶはずだと困惑する。「共に戦ったら友よ」一方、長意は空明に招待状を届けていた。空明は15話で自分が長意を巻き込んだせいでこんな運命になったと後悔を募らせる。すると長意は真実の友との出会いは何物にも代え難いと笑顔を見せた。「だから後悔はない」長意が寝殿に戻ると雲禾が針仕事に勤しんでいた。雲禾は長意に気づいて慌てて婚礼衣装を隠したが間に合わない。「あなたの好みを聞いて作りたかったけど、私は手仕事が苦手なの、一番簡単な様式しか作れない 法術は便利だけど婚姻は2人の誓約よ?誠意をもって臨みたくて…」すると長意は鮫族に婚礼衣装がないことから、どんな衣装でも嬉しいと言った。「今の君を見ていて分かった…これが″家″なんだな」長意は雲禾に口づけすると、そのまま寝台に連れて行った。翌朝、長意はそっと寝台を抜け出して空明の治療を受けた。凍結は予想より早く、長くもっても明日の午夜までだという。「婚礼の夜までか…」長意は身体の衰えをしばし抑える方法がないか聞いた。←あ、下ネタじゃないですwしかし寒気を抑えれば凍結の速度が上がり、寒さが骨を刺すという。「本気なのか?」「間もなく死ぬ身だ、雲禾には美しい記憶として残りたい」一方、天君・汝鈞(ジョキン)は雷沢(ライタク)、飛廉(ヒレン)両神君と共に琉璃心灯(ルリシントウ)の修復を急いでいた。しかしなぜか最後の破片が見つからず、行き詰まってしまう。雷沢と飛廉は思い詰める天君を心配し、自分たちに任せてしばし休息を取るよう勧めた。その頃、自分の使命を知った離殊(リシュ)は雪三月(セツサンゲツ)に打ち明けられないまま悶々としていた。すると情報を集めて来た大歓(タイカン)・小歓(ショウカン)が駆けつける。実は新たな妖魔の正体は順徳だった。三月はそれより雲禾が生まれ変わって戻ったことを喜んだが、なぜか離殊の様子がおかしい。しかし離殊は新たな戦いが始まると思うと長意が心配だとごまかした。「だから私たちが手伝うのよ、順徳を始末したら私たちも仙島に家を持てばいいわ …これでやっと私も普通の女子のように平凡な暮らしができるのね」三月の夢を聞いた離殊は胸が痛み、思わず三月を抱きしめた。「俺がどこかへ去ったら君はどうする?」「どうしたの?どこへ行くの?どこへ行こうと私たちは離れない、生きるも死ぬも一緒よ」結局、離殊は三月へ使命のことを告げられず、すぐ北淵へ出発しようと言った。大歓と小歓は世子が紆余曲折を経て三月と結ばれることを祝福した。そこで長老から預かった誓いの品を渡しておく。「妃を娶るにはこれが必要だそうです」化粧箱の中には美しいかんざしが入っていた。林昊青(リンコウセイ)は絵姿を焼くため霊力を使い果たし、万花谷で静養していた。思語(シギョ)の報告では仙師の死後、順徳が仙師府を牛耳り、山には黒い邪気が立ち込めているという。また瞿暁星(クギョウセイ)からも知らせが届いていた。北淵は紀雲禾と長意が結界を巡らせ警戒中、実は今夜、2人が婚礼を行うという。「雲禾の望みが叶ったのだな…」卿瑤は姑獲鳥(コカクチョウ)を呼び寄せ、雲禾の花嫁支度を任せた。「あなたは恩人よ、恩返ししなくちゃね」「私は身寄りがないから嬉しいわ」しかし姑獲鳥は紀雲禾が夫との未来を夢見る幸せな新婦に見えず、心配になる。雲禾は添い遂げるだけが本当の愛ではないと話し、たとえ一瞬でも一生の支えになると明かした。「苦しみ迷った時ほど愛は深い意味を持つわ…ありがとう、前輩、でも決して後悔しない」その日は美しい夜だった。雲禾と長意は婚礼衣装に身を包み、親しい仲間たちが集まる大殿に現れる。2人は夫婦の杯を交わし、仲間たちを媒酌として誓いの言葉を述べた。「私、紀雲禾は長意と夫婦となり、苦難を恐れず永遠に共にいると誓います」「私、長意は紀雲禾と夫婦となり、今を大切に生き、死んでも共に眠りたいと願う」すると北淵の民が尊主の婚礼を祝うために揚げた天灯が夜空を彩った。「家族だけが祝うものだと思っていた」「長意、皆も家族なのよ…」それはまるで辛酸を嘗めてきた長意への天からの償いのように見えた。しかし長意は雲禾とこの美しい天灯が自分にとって最高の贈り物だという。「長意…あなたは優しすぎる」一方、林昊青は花海で独り雲禾の婚礼を祝っていた。その手には大切に残しておいた思い出の花冠@11話参照がある。林昊青はついに花冠を手放し、雲禾の望みが全て叶うよう祈った。「望むものを手にし、災難とは無縁であるように…そしてもう何も失うな、喜び多く、長く幸あれ」( ;∀;)師兄nnnnnnnn!婚儀もお開きとなり、洛洛は空明と居所に戻った。「婚礼の時、どうして仏頂面だったの?教えて」「…間もなく午夜だ」「それが何?…隠し事なの?」その時、離殊と三月が現れた。「なぜ婚礼を知らせてくれなかった?」洛洛は空明の様子から雲禾に何かあったと誤解し、三月を連れて様子を見に行くことにした。しかし空明が止める。「洛洛!…もう話してもいい時分だ」その頃、雲禾と長意は床に入って仲良く手を繋いでいた。雲禾は唯一の後悔が長意に尾を失わせてしまったことだと言ったが、長意は雲禾と出会えただけで何の心残りもないという。すると長意は急に雲禾の手を強く握りしめ、その後そっと離した。「もう午夜だ、眠ろう」「まだ眠くない…もう少しだけ」「分かった、あちらを向いてくれないか、歌を聴かせてあげよう」「十方陣の中で聴かせてくれた歌がいいわ」昨日の朝、長意と空明の話を立ち聞きした雲禾はその時が来たことを知っていた。雲禾は背中で長意の歌を聞きながら声を殺して泣いた。次第に身体が凍り始めた長意、すると雲禾は眠くなって来たと告げる。「長意、とても素敵な夜だわ、ありがとう…」「雲禾…私は陸に上がったことを後悔していない… 順徳もひとつだけ正しいことをしてくれた…私を万花谷に送り…君に会わせた…」すると長意は愛する人の隣で永遠の眠りについた。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ちゃんいぃぃぃぃ…∩(∩ ゚ェ゚)ん?ちゃんいー凍ったってことは…離殊の炎で解凍できるんじゃ?!
2023.09.14
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第17話紀雲禾(ジーユンファ)は寧清(ネイセイ)の弱点が師匠の寧悉語(ネイシツギョ)だと分かった。そこで寧悉語に寧清の元神を導くので説き伏せて欲しいと頼み、単独で仙師府に乗り込む。寧清は雲禾が師匠と夢で会ったと聞いて激高、いきなり首を締め上げた。「この千年間、再会を待ち焦がれる私が夢でも会えぬというのに、なぜお前ごときが?!」しかしふいに風が吹き、寧悉語の呼ぶ声が聞こえる。「小清、私よ」「師父…?!」その時、長意(チャンイー)が現れ、一瞬の隙を突いて雲禾と寧清を陣に封じ込めた。寧清は雲禾を介し、寧悉語と感動の再会を果たした。しかし師匠は自分の復讐を喜ぶどころか、ここで終わりにしろという。すると寧悉語は寧清に過去の記憶を思い出させた。…あの時、寧若初(ネイジャクショ)は信頼する師匠と弟弟子だけに隠れ家を教えていたしかし寧清は巻き込まれることを恐れ、長老たちに師兄の居所を明かしてしまう寧清はこれで兄弟子も青姫と別れると思ったが、目論見は失敗寧若初は青姫をかばって万花谷と対立し、師匠は2人を守って追放されてしまう師匠と共に谷を出た寧清は後悔が募り、師匠を万花谷へ戻そうと過激な手段で御霊を行うようになったそして段々とたがが外れていく結局、それが凶獣の報復を招く結果になった寧清が長(オサ)を惨殺して追い詰めなければ、凶獣も寧悉語を襲ってくることはなかっただろう…敬愛する師匠を死に追いやったのは誰でもない寧清本人だった。寧清は絶望から現実逃避して全てを忘れ、誰かを恨むことで自分を欺き、正気を保ってきたのだろう。結局、これまでの虐殺は復讐ではなく、自分の記憶を塗り替えるための所業でしかなかった。『若初に気づかれることを恐れ、あなたは手を下したのね 良心の呵責に苦しみ、いくつもの罪を重ねるうち、引き返せなくなった あなたが憎んでいたのはこの世界ではない、自分自身だったのよ』寧清はなぜ師匠が夢にさえ出てきてくれなかったのか、その理由をようやく理解し泣き崩れた。一方、朱厭(シュエン)は汝菱(ジョリョウ)に助けを求めた。紀雲禾と鮫人が仙師府に乗り込み、寧清を追い詰めているという。まさに積年の恨みを晴らす千載一遇の機会。汝菱は仙姫府を飛び出したが、長意が必死に守っている陣をなかなか破れなかった。寧清は全ての過ちに気づいたが、今さら手を引くこともできなかった。「どうせ私など誰からも愛されぬ存在です…」『私は衆人だけでなくあなたを救いに来たのよ? …最も辛い時にそばにいてやれなかった、長い歳月を寂しく過ごさせてしまったわね あの頃、一緒に過ごした家に戻りたくない?私が連れて行きましょう、どう?」その時、長意の陣が突然、破れた。汝菱は師匠のもとへ駆け寄り、雲禾と長意を殺してくれと頼んだ。しかし寧清はこれまで犯してきた罪を償うと決め、朱厭との血の契りを反故にし、強引に指輪を引き抜いてしまう。「紀雲禾、あとはお前に任せる!」寧清はみるみる白髪になり、精気を失って膝をついた。寧清に裏切られた朱厭だったが、千年の間に蓄えてきた力があった。すると指輪から邪念があふれ出し、空に暗雲が立ち込める。長意は意を決し、雲禾を陣で封じて守ると、独りで飛び出した。「長意!ダメよ!」長意は心血鋳剣(シンケツチュウケン)で我が身を削り攻撃、ついに朱厭に止めを刺した。すると寧清は安堵し、そろそろ旅立つ時が来たと気づく。その時、独り悶々としていた汝菱は朱厭の一条の残魂に気づき、咄嗟にその力を吸収した。「このまま帰れると思うな!」汝菱はいきなり雲禾と長意に悪念を放ったが、寧清は最後の力を振り絞って結界を開き、2人を逃してしまう。汝菱は寧清を恨みながらも、師弟の深い絆を忘れられなかった。そこで自分に従うなら殺さないと言ったが、寧清は今さらながら正しい師弟のあり方や愛し方を教えられなかったと後悔する。「その手で殺すがいい、お前が道を誤らなければそれでいい」「…許さないわ!今度はあなたが私に従う番よ!」しかしその時、寧清の目に映っていたのは風に乗って現れた寧悉語の残像だった。すると寧清はまるで師匠に導かれるように呪符を描き、自ら止めを刺して消散してしまう。汝菱はしみじみ師匠には最初から自分に一片の情すらなかったのだと痛感した。深く傷ついた汝菱は激しい嫉妬と絶望から、この世界を恨み、復讐を誓う。↓ウェ〜ハッハハハハハ〜!その頃、無量山に閉じ込められた離殊(リシュ)は夢の中で祖父と会っていた。祖父は先帝と共に朱厭と戦い肉体は滅んだが、琉璃心灯(ルリシントウ)に留まった元神のかけらが無量山が開く機に乗じ、離殊を呼び寄せたという@14話。実は神獣陸吾(リクゴ)の末裔が他の者と違って9つの命を持つのには理由があった。『無量天火(ムリョウテンカ)は天上の雷海(ライカイ)で生まれる 最強の陸吾の末裔のみが蘇りの強みを生かして雷海を越え、天火を手にできるのだ』陸吾の末裔は天火のために生を授かり、心灯に火をつけることが使命、祖父が死んだのもこのためだという。『そんな…婚姻目前なのに!』『使命は巡り回ってくるものだ、時が来たら果たさねばならぬ、いずれお前にも分かる』『俺には分かりません…分かりたくもない!』その時、離殊は目が覚めた。すると同時にうなじに激痛が走った雪三月(セツサンゲツ)が思わず悲鳴を上げる。離殊は慌てて三月に駆け寄ると、驚いたことに寒花の印が消えていた。天君・汝鈞(ジョキン)は三月の寒霜が解けたことから、朱厭が滅んだと分かった。これで無量山の結界も壊れただろう。しかし飛廉(ヒレン)神君は寧清と朱厭が消えた代わりに別の妖魔が現れたと分かった。「邪気を吸収して強大化しています、このままでは朱厭に比肩(ヒケン)する力を得るかと…」汝鈞はひとまず山を離れ、琉璃心灯の修復に集中することにした。「雪統領は身体が弱っている、離殊、2人は英気を養っていてくれ、北淵で再会しよう」寧悉語はわずかに残っていた元神も消え、雲禾に別れを告げた。『もう会うことはないでしょう、順徳(ジュントク)が寧清と朱厭の力を我が物にしたわ 熾烈な戦いになる、でももう助けられない、この先は自分たちで…』雲禾が目を覚ますと洛錦桑(ルオジンサン)が付き添っていた。洛洛は雲禾に抱きついて再会を喜び、2人が凌霜台で倒れていたのを見つけた時は驚いたという。しかし長意は空明(コウメイ)の居所でこもったまま、洛洛にも状況が分からなかった。雲禾は空明の居所を訪ね、そこで偶然、2人の話を聞いた。実は長意は朱厭の残魂を砕いた時に逆襲され、もはや空明でも手の施しようがないという。雲禾は部屋に入り、長意の病状を包み隠さず教えて欲しいと頼んだ。すると空明は朱厭の寒気で長意の全身の骨と血が凍り始めていると教える。「…全身が凍れば命も尽きる」「長意の病状は誰にも知られてはならないわ」雲禾は長意と寝殿に戻り、婚礼を挙げようと言った。しかし長意は束縛したくないと拒否する。すると雲禾はかつて死にかけた時、何より時を無駄にしてしまったことを悔やんだと訴えた。「妻という名義はあなたが存在した証しになる、あなたが去ってもその証しが2人を繋いでくれる 長意、これは束縛ではなく成就なの…」雲禾は思わず長意に抱きついた。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、私の想いを成就させて」「雲禾…私の想いはもう成就している」つづく( ;∀;)ああああ〜離殊〜
2023.09.13
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第16話凌霜台(リョウソウダイ)大殿。長意(チャンイー)は林昊青(リンコウセイ)にも雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符を見せた。実は寒霜(カンソウ)は朱厭(シュエン)の実体である玄冰(ゲンヒョウ)が生んだもので、玄冰が死なねば寒霜も消えないという。その時、林昊青は急に寒霜の発作に襲われたが、何とかこらえてやり過ごした。「玄冰は上古の凶獣、先帝でも滅ぼせなかった、手ごわい相手だぞ?」しかし長意は天君からの依頼であり、紀雲禾(ジーユンファ)の願いでもあると教えた。長意は林昊青を寝殿に案内し、まだ昏迷している雲禾と会わせた。阿紀(アージー)のため好物の桂花糕(ケイカコウ)を持ってきた林昊青、しかし包みを開けてみるとすっかりつぶれている。「気をつけていたのだが…ふっ」林昊青は仕方なくそのまま枕元に菓子を置いた。「分かっている、阿紀は2度と戻らないのだろうな…決めるのはお前であって私ではない 幸せに生きられるなら邪魔はしない、自分の道を行け、師兄が守ってやる」すると林昊青はまたいつか再会できると信じて寝殿を出た。「奪われたくなければしっかり面倒を見てくれ」「見るとも、代償を惜しまず…」凌霜台を後にした林昊青は思語(シギョ)に寒霜の秘密を明かし、雲禾のためにも朱厭と戦うと決意した。思語は身体がもたないと反対したが、もし寧清(ネイセイ)と朱厭を引き離せることができれば残魂を破壊できるという。その話をちょうど北淵の危機を知って駆けつけた青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫が聞いていた。「面白い話を聞かせてもらったわ、紀雲禾が言っていた寧清の背後の力とはあいつだったのね」青姫は恨みがある者同士で手を組まないかと提案した。「私が寧清、あなたは朱厭を始末するのはどう?」「…決まりだ」雲禾は再び夢の中で寧悉語(ネイシツギョ)と接触した。『やっと戻ったのね』『前輩、私は瀕死ではないのになぜ…』『一度、死んだ者は超越した存在なのよ…あなたと長意は今度こそ丸く収まるはずよ』一方、洛錦桑(ルオジンサン)は寝殿の外で雲禾が目覚めるのを今か今かと待っていた。すると急に長意の御水術の光が消え、ついに雲禾の意識が戻ったと気づく。待ちきれず寝殿に入ろうとした洛洛だったが、空明(コウメイ)が止めた。「久々の再会だ、2人きりにしてやろう」雲禾の意識が戻った。長意は空明に診てもらうことにしたが、雲禾が引き止める。「長意…長い間つらかったでしょう?」「いいさ、君が戻ったんだ」「…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、苦労をかけたわね」すると雲禾はまだ身体が思うように動かない中、外へ出たいと頼んだ。長意と雲禾は北淵を一望できる高台に立った。「なんて美しいのかしら…長意、山の向こうの景色はもっと美しいの?」長意はやはり雲禾がここを離れたいのだと気づいて落胆した。しかし雲苑(ウンエン)に閉じ込めてしまった過ちから、回復したら好きな場所へ行って構わないという。「引き留めないよ」「あなたは?」「私は尊主としての責任がある…」すると雲禾は自由とは遊歴することではなく、心のまま選択できることだと気づいたという。「私が望むのはどこへ行ったとしてもいつでも帰れる場所よ 天地広しと言えど私の居場所はあなたのそばしかない」長意は喜んで雲禾を抱きしめた。「長意…崖で何があったか聞いたでしょう?私は裏切っていない」「分かっていた、全ては私を助けるためだったと…」こうして雲禾と長意は長年のわだかまりが解け、変わらぬ愛を誓った。「雲禾、全てが片付いたら尊主の座を退き、君だけの大尾巴魚に戻るよ 君に付き添い、どこへでも好きな所へ行こう!」一方、空明の居所を訪ねた姫寧(キネイ)は師兄・姫成羽(キセイウ)を助けて欲しいと頼んだ。師兄は恩人の師匠をどうしても見放すことができず、不本意ながら命令に従っているという。「大師兄なら助けられませんか?!」しかし空明は自分の運命を決めるのは自分しかいないと教えた。「今の成羽を救えるのは本人だけだ」青姫は寧清を楽游(ラクユウ)山に誘き出した。「まさかあなたが同門の師兄を殺していたとはね 大事に思ってくれる人に手を下すとは…どこまで冷酷なの?!」「あの時、寧若初(ネイジャクショ)がお前を捨て我々の元に戻っていれば、師父の悲劇は起こらなかった」「寧悉語のことを分かっていないのね、だから人でなしの順徳(ジュントク)に面影を重ねていたんだわ」「ごぅら(够了)!」珍しく寧清は動揺、そこで師兄の最期の言葉が青姫を見逃してくれだったと明かした。実は青姫だけ生かしておいたのは愛する者を失った苦しみを味わわせるためだったという。その頃、林昊青は寧清の密室に忍び込み、薊柏(ケイハク)草で作った炎で姿絵を燃やすことに成功した。すると侵入者に気づいた姫成羽が現れる。姫成羽は師匠が絵姿に魔物を隠していたと知り呆然、良心に従い林昊青と思語を見逃すことにした。「いっそ私と一緒に…」「いや、師父を裏切ることはできない」楽游山に合図の照明弾が上がった。青姫は林昊青が朱厭の残魂を始末したと気づき、寧清が本領を発揮できなくなったところで攻撃を仕掛ける。こうしてついに寧清は消散、青姫は復讐を果たした。しかし死んだふりをして身を隠していた寧清が現れ、突然、背後から一撃を受けて激しく吹き飛ばされてしまう。姫成羽は師匠が戻ると自ら罰を請うた。「お前が青羽鸞鳥と林昊青を助けたのか?」「はい…悔いはありません」寧清は一瞬、ためらったが、結局、愛弟子に手をかけてしまう。しかし朱厭には姫成羽の霊力だけではまだまだ足りなかった。「異変を察知し、避難していて良かった…」実は朱厭は寧清の指輪に宿っていた。雲禾が眠っていると寧悉語が風に乗って青姫の危機を知らせに来た。『私の目を貸すわ…』すると従棘所(ジュウキョクショ)に閉じ込められた青姫の姿が見える。朱厭は鳳凰の強い霊力に目をつけ、寧清に内緒で青姫に手を組まないかと持ちかけた。もし青姫の肉体を譲ってくれるなら、青姫の姿になって敵討ちを手伝えるという。「いいわ…」青姫は自分の霊丹を差し出したが、それは罠だった。青姫は朱厭が霊丹に取り憑いたところで自ら霊丹を潰し、喀血して倒れた。その時、寧悉語が風の中に隠して送ってくれた雲禾の意識が現れる。『前輩?』「…朱厭と一体になった時、感じ取ったの、朱厭の残魂は寧清の指輪の中よ 重傷を負わせてやった、今は指輪に逃げ戻り、回復するまでどこにも移れないはず 始末するなら今のうちよ…機会を逃さないで」すると青姫は自分の役割を果たしたと満足し、愛しい寧若初の元へ旅立った。雲禾は長意の呼びかけで目を覚ました。「長意…青姫がようやく家に戻ったわ」青姫は紆余曲折を経て、思い出の山荘で待っていた寧若初と再会を果たした。『今までどこへ言っていた?』『ちょっと迷ったけれど、やっと辿り着いたわ』『これからどこへ行く?』『あなたと一緒ならどこへでも、さあ行きましょう』一方、深手を負った朱厭は慌てて寧清の指輪に飛び込んだ。「欲張ると痛い目に遭うと言っただろう?」寧清は朱厭が何を企んでいるのか知りたくて泳がせていたという。しかし結果的にうまく駒を進められたと満足した。「対局も終盤だ…」雲禾は長意に青姫の話を伝え、全てを終わらせる時だと覚悟を決めた。すると長意は一緒に立ち向かおうと約束、そこで雲禾は無謀な攻撃ではなく、知恵を働かせることにする。「敵の弱点は技ではなく心、どうやって操ればいいか分かった気がするの」翌朝、仙師府に紀雲禾が現れた。「紀雲禾、まだ生きていたとは…まあ良い、お前に何かあれば鮫人が暴れ出すはずだ」寧清はこれで北淵が挙兵すれば天庭が迎え撃ち、終わりなき乱が始まると喜んだ。すると雲禾が寧清を挑発する。「確かに身近な人の死で生きる意味を失うのは理解できる …でも寧悉語がそれを知ったら喜ぶかしら?」「その名前をどこで聞いた?!」「本人からよ」つづく( ゚ェ゚)皆様の熱いご要望にお応えし、洛洛と空明のイチャイチャシーンはカットですw
2023.09.12
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第15話長意(チャンイー)は外に出たいという阿紀(アージー)を連れて冰湖(ヒョウコ)にやって来た。阿紀は楽しそうに走り回ったが、なぜ急に尊主が優しくなったのか解せない。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」…機嫌がころころ変わるなんて変、やっぱり早くここを離れよう…「なら師父が迎えに来たら出ていきます 閉じ込められるのは嫌なんです、もっと外の世界を見たい」尊主は考えておくと言ってくれたが、どこか寂しそうだった。一方、鹿台(ロクタイ)山に留まった林昊青(リンコウセイ)はついに寒霜(カンソウ)の解毒薬を完成させた。そこで早速、自らの身体で試してみたが、効果があったのは一瞬だけ、すぐ寒霜が復活してしまう。「…なぜだ」すると北淵(ホクエン)の瞿暁星(クギョウセイ)から伝令符が届いた。…北淵に現れた阿紀という狐狸が紀雲禾(ジーユンファ)を思わせます…今、長意といますが紀雲禾と関係が?生まれ変わっても再び巡り会った雲禾と長意、林昊青はこれが天意なのかとぼやいた。その頃、朱凌(シュリョウ)は仙姫に命じられ、北淵の雷火地脈(ライカチミャク)を探していた。すると偶然にも北淵を追放された奇鋒(キホウ)を捕まえる。もはや霊力のない奇鋒は抵抗できず命乞い、長意への恨みを晴らすため協力を申し出た。長意は阿紀を自由にしてやりたいと思う一方で、雲禾を手放すと思うと耐え難い苦しみに襲われた。すると空明(コウメイ)から戦が迫っていると知らされる。雪三月(セツサンゲツ)から届いた伝令符によれば天君・汝鈞(ジョキン)がついに仙師の秘密を突き止め、寧清(ネイセイ)の後ろに朱厭(シュエン)がいたと分かった。しかし仙師が天君たちを無量山に閉じ込め、この機に乗じて動く可能性がある。「そうなったら雲禾をどうしたい?」辺境の猿翼(エンヨク)営に戻った阿紀は北淵を発とうかどうか悩んでいた。すると瞿暁星と合流した林昊青と思語が迎えにやって来る。「師父!」阿紀は師父に抱きついて喜び、道中で人助けをしたところ仲間だと思われて連行されたと説明した。「でもここに夢の中で出会った鮫人がいました、鮫人に会うとドキがムネムネして…」「師父が何と教えた?」「振り返るなと…」「違う!言い間違えるな!」←とは言ってないwしかし侵入者の存在に気づいた護衛が凌霜台に急報を送っていた。奇鋒の案内で朱凌はついに雷火地脈を発見、法術により眠っていた地脈を復活させた。「これで山河の力がこの陣法を動かし、岩漿(ガンショウ)を全て流出させれば北淵は地火に包まれる」すると朱凌は用済みとなった奇鋒に斬りかかり、地脈へ突き落としてしまう。長意は林昊青が阿紀を連れ去ったと知り、矢も盾もたまらず飛び出した。ちょうど裏山で怪しい2人組を捕まえた長意、しかし外套をめくってみると、おとりになった思語と瞿暁星だと分かる。思語はこれも紀雲禾を守るためだと訴えたが、その時、急に地面が揺れた。すると空明が駆けつけ、雷火地脈が復活したと知らせる。このままでは地が裂け、川が煮えたぎり、溶岩が噴出して生類は絶滅するだろう。「空明は卿瑤(ケイヨウ)と協力して皆を逃がせ、私には東海の権杖(ケンジョウ)がある!」空明は長意が独り犠牲になる覚悟だと分かったが、仕方なく凌霜台へ戻った。焦った瞿暁星は谷主と阿紀にも避難を手伝ってもらおうと提案、しかし長意は必要ないという。「林昊青に遠くへ逃げろと伝えろ、北淵には2度と戻るなと…」その頃、林昊青は阿紀を連れて林を抜けていた。すると阿紀がふいに立ち止まり、北淵を離れると思うとなぜか胸が痛むという。「やはり私と鮫人には何か関係があるの?」その時、激しく山が揺れた。2人が呆然としていると、思語が戻ってくる。実は雷火地脈が再燃、このままでは火山が爆発して溶岩が噴出するという。「長意は炎洞に入るので阿紀を連れて逃げろと…」林昊青は長意が死を覚悟して地脈を鎮めるつもりだと分かった。阿紀は尊主や仲間たちが心配になり引き返すことにした。しかし林昊青が引き留め、戻れば全てが無駄になるという。「確かにお前と鮫人は過去に関わりがあった、お前たちには辛い過去がある お前は苦しみ抜いて、やっと自由になれたのだ、阿紀、北淵を出よう」「師父は言ったわ、いずれ必ずやりたい事が見つかると…見つけた、北淵を守りたい」阿紀はなぜか無性に鮫人を救わねばならない衝動に駆られた。そこへ運悪く朱凌が仙師府の弟子たちを連れて通りかかる。朱凌は紀雲禾が生きていたと知り、すぐ仙師府へ連行すると決めた。すると林昊青は朱凌に剣を突きつけ、その間に阿紀を逃がす。「阿紀、お前の好きにしろ…行け!」林昊青は寒霜で凍えた身体だったが、相手が朱凌なら事足りると強気だった。卿瑤は狐族を避難させ、長意が入った炎洞に駆けつけた。しかし洞窟の中は灼熱地獄、いくら長意が心配でも近づくことさえできない。侍女の微妍(ビゲン)は必死に少主を引き止めていたが、その時、突然、2人の横をすり抜け、紀雲禾が洞窟へ入っていた。「紀雲禾?!…なぜなの?!」長意は陣を敷いて氷を操り、溶岩を鎮めようとしていた。そこへ突然、阿紀が現れ、自分も協力するという。「ここは危険だ!去れっ!」長意は阿紀を逃がそうとしたが、その時、阿紀の首飾りの真珠が砕け散った。すると真珠に封印されていた紀雲禾の記憶が阿紀の中に戻り、阿紀はついに自分の過去を思い出す。「早く去れ!雲禾!」しかし阿紀は九尾狐の力で長意の陣に加勢した。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!うぉらいらっ!」長意と雲禾は雷火地脈を爆発寸前で止めた。力尽きた雲禾は喀血、長意が慌てて抱き留める。「何もかも忘れたいと思っていたのに、阿紀になってもあなたを忘れられなかった あなたが心から離れない…」すると雲禾は昔のように長意の頭を撫でながら気を失った。林昊青は寒霜と霊力の消耗で満身創痍ながら、思語の協力で朱凌を始末した。そこで阿紀の無事を確かるべく炎洞に向かったが、ちょうど雲禾を抱いて出て行く長意の姿が見える。…生まれ変わりさえすれば過去は無縁と思っていたが、どうあがこうと阻めないことがあるようだ…雲禾は帰ってしまった一方、汝菱(ジョリョウ)は北淵の地火が消え、朱凌も行方不明だと聞いた。このままでは御霊師から霊力を奪えないと苛立つ汝菱、そこへ師匠がやって来る。寧清は最終段階の薬を飲むよう命じたが、恨みを募らせた汝菱は咄嗟に最強の力を持つ師匠の霊力を奪おうとした。しかし寧清にあっけなく跳ね返されてしまう。「薬を飲め」「…この顔のせい?自分に背いた弟子を殺しもしない、それほどこの顔が大事なの?! ならば私が師父の望みを奪ってやる!」汝菱は自ら顔を潰そうとしたが師匠に止められ、無理やり薬を飲まされてしまう。姫成羽(キセイウ)は仙姫を訪ね、師兄として互いに改心すべきだと諭した。かつては善良だった仙姫。姫成羽は自分も悪行の結果を負うつもりだと言ったが、お互いにまだ贖罪の機会が残されているのか定かでない。しかし汝菱はすでに魔道に落ち、師匠だけでなく全ての者を従わせると憎しみを募らせた。雲禾は熱毒で心脈を痛め、目覚めるまでには時間がかかりそうだった。そこで長意は寝殿にこもって御水術で雲禾を救うと決め、その間の政務を空明に任せる。いつもなら反対する空明だったが、北淵の恩人である雲禾のためにも了承した。すると卿瑤が雲禾へ霊薬の差し入れを持って来る。「心配しないで、私も先生に協力します」卿瑤は何のためらいもなく死地に赴いた雲禾に感服し、今や深く思い合う長意と雲禾を祝福したいと言った。林昊青が凌霜台に現れた。長意は林昊青を大殿に呼び、阿紀は記憶を取り戻して雲禾に戻ったと教える。「私が完治させる」「会うのを拒まれると思っていた、雲禾を連れ去った私を恨んでいるのかと…」「お前は雲禾を救ってくれた、それに朱凌を殺したと聞いた」長意はこの恩に必ず報いると約束したが、雲禾を返すとは言わなかった。「雲禾が引き返した時、よく分かったよ、記憶を失ってもやはり雲禾なんだと… 私には止められなかった」すると長意は林昊青に三月から届いた伝令符を渡した。実は寒霜は玄冰(ゲンヒョウ)が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。その時、急に林昊青が寒霜の発作に苦しみ出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)チョコボール割れたぁぁぁ~色は関係なかったのかーいw
2023.09.11
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第14話符恒(フコウ)復活の儀式に乗り込んだ奇鋒(キホウ)。しかしそれは阿紀(アージー)が長意(チャンイー)に献策した罠だった。奇鋒はまんまと騙され馬脚を現したが、まだ奥の手があると不敵な笑みを浮かべる。実は奇鋒は長意が阿紀に紀雲禾(ジーユンファ)の面影を重ねていると気づき、配下に阿紀を捕らえるよう命じていた。その頃、阿紀はこの機に乗じ、姫寧(キネイ)と一緒に北淵を離れることにした。すると雪山で奇鋒の配下に阻まれ、迷煙のせいで霊力が弱まってしまう。反撃できないと知った阿紀は姫寧に目配せ、二手に別れて走り出した。しかし阿紀は追っ手が放った剣気で足を負傷してしまう。↓この人が奇鋒の方が良かったw奇鋒は自分に手出しすれば阿紀が死ぬことになると脅した。すると長意はいきなり仙縄を放って奇鋒を岩に縛り付けてしまう。「よく聞くがいい、私と交渉できると思うな」そこへ姫寧が逃げ込んできた。「尊主!尊主!阿紀が冰湖(ヒョウコ)で襲われて…」足を怪我した阿紀は転倒、そのまま動けなくなり、元の姿に戻った。…幻形術が保てない、だから師父は北淵に入るなと?私ここで死ぬの?…その時、首飾りの真珠が急に光を放った。すると長意が現れ、奇鋒の配下を一撃で退ける。長意は直ちに阿紀の元へ駆けつけたが、雪の中で倒れていたのは阿紀ではなく、夢にまで見た紀雲禾だった。「雲禾…」しかし阿紀は気を失ってしまう。阿紀は尊主の寝殿で目を覚ました。ちょうど鮫人に救われた夢を見ていたが、もしや過去にも助けてもらったことがあったのだろうか。すると尊主が現れた。阿紀は術が解けていることを思い出して慌てふためいたが、尊主は怒るどころか優しい。「幻形術を使っていたのか…やっと戻った、2度と会えぬと思ったぞ」「誤解です!私は散歩していただけで(汗)じゃあ私はこれで…」「まだ私のことを怒っているのか?今度こそ一緒にいて欲しい」「怒るなんて滅相もない、何か誤解があったのなら水に流して友だちになりましょう?」「友だち?!」長意は阿紀に昔の記憶がないと気づき、愕然となった。大殿では卿瑤(ケイヨウ)が長意から奇鋒の処分を任されていた。安堵する奇鋒だったが、卿瑤は狐族が見守る中、北淵が担う責務は狐族の栄誉より重いと糾弾する。ただし従兄の命までは奪えず、結局、奇鋒の全ての霊力を廃して北淵から追放した。長意は阿紀を自分の部屋に留め、独り冰湖にいた。すると空明(コウメイ)が現れる。「なぜ戻った?」「文を読んで奇妙に思ってな、古書を調べ回ったところ理由が分かった」実はあの時、紀雲禾は死んでいなかった。「紀雲禾の体内には林滄瀾(リンソウラン)が注入した両極の力が双脈を作っていた 御霊師としての心脈は尽きたが、九尾狐の霊丹は残っていたのだろう 事情を知る誰かが九尾狐に人像を与えたのだ」「それで…御霊師としての紀雲禾が死んだ時、記憶も消えてしまったのか 双脈の原理を知っているのは林昊青(リンコウセイ)、阿紀の師父とはあの者だな」空明は記憶を取り戻す方法を探してもいいと言ったが、長意は断った。「今の雲禾は明るく楽しそうだ、これは天からの恩情かもしれない、過去には戻って欲しくない」そこで長意は久しく封印していた雲苑(ウンエン)まで消した。洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星(クギョウセイ)は羅策(ラサク)から思わぬ話を聞いた。長意が阿紀を抱いて凌霜台(リョウソウダイ)へ連れて帰り、自ら治療までしたという。「まるで阿紀が紀雲禾のように思える」洛洛は長意が長く思いつめたせいで狐狸を雲禾の身代わりにしたいのだと誤解した。すると瞿暁星はもし阿紀と紀雲禾が似ているのなら奇跡だと喜ぶ。「雲禾が阿紀となって戻って来たのかも!」「いい?雲禾はたった1人、誰も取って代われないの!」空明は居所に戻り、自分が帰ったことを知らない洛洛を驚かせようと考えた。その時、突然、洛洛が現れ、空明に気づかず薬材の棚をあさり始める。「何か探しているのか?」「毒薬を…ってえっ?!」空明は感動の再会を期待して両手を広げて待ったが、洛洛は一方的にまくし立てた。「長意が小狐狸にたぶらかされたの! 毒薬を盛ろうと思ったけど、ちょうどいいわ、一緒に追い出しましょう!」「長意が立ち直ったならいいじゃないか?」「はあ?!雲禾が死んだから野狐を後釜に据えてもいいの?! あたなも私が死んだらすぐ乗り換えるのね?! いい?あの狐狸を追い出さないならあなたを殴るから!」すると空明は話を聞こうとしない洛洛を抱き寄せ、口づけした。洛洛は急に頭がぼうっとして何を話していたのか忘れてしまう。「君の代わりなんていない、この世で誰より君が大切だ」一方、長意は阿紀の寝顔を眺めながら、今度こそ雲禾に何の憂いもなく幸せであって欲しいと願っていた。人間界では雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が山猫族の夫婦の家に身を寄せていた。山猫夫婦の幸せな様子を見た三月はこの平凡で単純な″家″こそが得難いものだと実感する。するとついに無名山を調べていた天君・汝鈞(ジョキン)たちが戻って来た。「やっと謎を突き止めたぞ」無名山は″朱厭(シュエン)の乱″で戦場となった無量山のことだった。当時、無量山に反乱軍が集まり、先帝が琉璃心灯(ルリシントウ)で鎮圧を試みたという。戦は数ヶ月続き、結局、先帝は自分の身を犠牲にして朱厭を滅ぼした。その時の凄まじい衝撃で無量山は天界と人間界の狭間に落下、それ以来、500年に一度だけ陰陽が交錯する時にしばし山が開くという。飛廉(ヒレン)神君の計算によれば、ここ数日内に山が開くはずだった。「早く行かなくては!」離殊が突然、立ち上がり、雷沢(ライタク)神君はなぜそんなに焦っているのかと驚いた。すると離殊は一刻も早く仙師を倒して三月と婚姻を挙げたいという。飛廉は自分の″贈り物″が功を奏したのだと気づき、思わず失笑した。天君たちは再び地図にあった無名山の場所へやって来た。しかし崖のどこが狭間なのか、いつ開くのかも定かでない。すると離殊は誰かが自分を呼ぶ声を聞いた。三月は崖から足を踏み外しそうになった離殊を止めたが、確かに前方から声がするという。「あなたを信じるわ」そこで三月と離殊は硬く手を繋ぎ、思い切って崖から一歩、踏み出した。驚いたことに2人は落下せず、宙に浮いている。その時、前方に無量山へ入る結界が現れた。道なき道を渡り無量山へ入った汝鈞、するとなぜか四方(シホウ)神君の識海(シキカイ)にいた。四方神君と言えば父と共に戦死したはず、しかし先帝がわずかな元神を守り、この日が来るのを待っていたという。実は朱厭は完全に滅びていなかった。朱厭は悪念の権化(ゴンゲ)、そのため悪念がある限り消滅しない。あの戦いで肉体と霊丹が滅ぼされたが一条の魂が残り、先帝はかろうじてこの山に封じていた。そんなある日、偶然にも寧悉語(ネイシツギョ)と寧清(ネイセイ)が山に迷い込む。汝鈞は四方神君が見せた当時の映像で寧悉語が姉にそっくりだと知った。この時、寧悉語は高潔ゆえ影響を受けなかったが、まだ幼い寧清は心に隙があったのだろう。寧清には朱厭の言葉が届いた。…いつかお前は戻ってくるだろう…朱厭の期待通り師匠を失った寧清が姿絵を持って無量山にやって来た。その日は無量山の陰の気が極まる日、四方神君も朱厭と寧清の接触を阻止できなかったという。朱厭は自分と血の契りを結べば禁術を授けるとそそのかし、寧清は復讐を果たすため取引に応じた。こうして寧清は絶大な霊力と権勢を手にし、朱厭は姿絵に取り憑いて山を出ることに成功する。寧清はあの密室で朱厭をかくまいながら、その肉体を再生させるため殺伐の気を集めていたのだ。実は朱厭の真の姿は永年の玄冰(ゲンヒョウ)だった。寒霜(カンソウ)とは玄冰が生み出すもので、玄冰がいる限り寒霜も消えないという。「先帝は仙令のみ遺して落命された 私はここを離れられず、真相を知らせるべくお待ちしておりました 使命を果たせば消えるまで…」すると四方神君は朱厭を制することができる″殞魔(インマ)陣″を入れた琉璃心灯を渡して消散した。汝鈞が目を覚ますと皆も同じ結界の中にいた。実は全員が四方神君の識海の中へ入って全てを見ていたという。しかし異変に気づいた寧清が無量山に結界を張り、神君たちでも破ることはできなかった。三月もせいぜい北淵に伝令符を送ることしかできないという。そこで汝鈞は琉璃心灯を出した。先帝が戦った際に破損していたが、汝鈞は自分で修復し、主になってみせるという。朱厭は天君が琉璃心灯を手に入れたと知り動揺を隠せなかった。しかし寧清は天君にはまだ修為が足りず、心灯の修復は無理だという。「お前の望みは間もなく叶う」すると寧清は弟子の姫成羽(キセイウ)を連れて仙姫府を訪ねた。汝菱(ジョリョウ)は師匠から霊力を集めていることを指摘されたが、咄嗟に傷を早く治したいからだとごまかす。そこで寧清は朱凌から″雷火地脈(ライカチミャク)″について聞くよう助言し、出て行った。寧清は姫成羽が空明と通じていることなどお見通し、改めて自分を失望させるなと釘を刺した。一方、汝菱は雷火地脈が北淵の地下にあり、燃え上がると爆発して北淵ごと吹き飛ぶと知る。「これなら逃げる御霊師を簡単に捕えられます」阿紀は長意の術のおかげですっかり元気になった。「傷も治ったし、鮫人もいない…今のうち逃げようかな」「何だと?」そこへちょうど阿紀の独り言を聞いた長意が入って来た。「その…ちょっと散歩したいだけなんです」「では一緒に行こう」長意は急に阿紀の手を取り冰湖へ連れて行った。阿紀は冰湖の冷たい風を全身に浴びて嬉しそうだった。「気に入ったか?」「うん、思い切り走ってみたい!(はっ)いえ、逃げません」「構わぬ、好きにせよ」すると阿紀は嬉しそうに氷の湖を走り出した。しかしふと自分を眺めている尊主に気づき、足を止める。…あの目、なぜか懐かしくて、それに胸が高鳴る…長意はここが好きなら毎日でも来ようと言った。驚いた阿紀は苦役に戻ると言ったが、長意は阿紀を働かせたのは間違いだったという。「もう何も強制しない、好きに過ごせばいい」つづく( ๑≧ꇴ≦)戻った〜!
2023.09.10
コメント(0)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第26話「縁談ぶち壊しのすゝめ」楼何(ローハー)両家の成婚の宴。凌不疑(リンブーイー)は掟を破って女家族の宴席に乗り込み、あらぬ中傷を受ける許嫁・程少商(チォンシャオシャン)を守った。凌将軍の権勢におののいて口をつぐむ招待客たち、そんな中、袁慎(ユエンシェン)だけは独り歯ぎしりしている。しかし少商もまた何とも言いようのない苛立ちを感じていた。帰りの馬車の中、凌不疑は浮かない顔をして押し黙っている少商を訝しんだ。「なぜ黙っている?」「…今日、権勢とは何かを見たわ」少商は何を言ってもしつこく絡んでくる令嬢たちに手を焼いていたが、凌将軍は一瞥をくれるだけで容易に黙らせることができた。「権勢は嫌いか?」「だってあなたの権勢だわ」「夫婦は一心同体、成婚後、私のものは君のものだ、それが悪いと?」確かに悪いとは言わないが、そんな風に夫に従い生きて行くなら、もはやそれは程少商ではない。少商は気を紛らせるため焼餅(シャオビン)を出して食べようとした。しかし不疑が腕をつかんで止める。「もう遅い、就寝前に食べるともたれる」少商は正論でねじ伏せる不疑に反感を抱き、例え自分のためであっても束縛されるのが一番嫌いだと訴えた。そこで焼餅を持ち替えて食べようとしたが、不疑が再び腕をつかんで制し、身体に悪いと知りながらなぜ食べるのか教えて欲しいという。「全てに理由があるわけじゃない、あなたが求婚したのも同じ、その理由は何?」不疑が言葉に詰まると、護衛の梁邱起(リャンチゥチー)が車に声をかけた。「若主公、西(サイ)村から急報です」不疑はそこで車を降りたが、少商は結局、焼餅を食べる気分ではなくなった。西村へ向かった韓武(ハンウー)が約束の3日を過ぎても戻らなかった。梁邱起が調査したところ、不審者の痕跡があったという。凌不疑はその足で西村へ行くことにしたが、明日は程家で聘礼(ヘイレイ)だった。「…私に考えがある」今日は凌家と程家の聘礼の儀。程老夫人董(ドン)氏は早朝から中庭を片付け、凌家から届く聘礼品を楽しみに待っていた。すると凌家から城陽(ジョウヨウ)侯夫人淳于(チュンユー)氏の体調が悪いため訪問できないと知らせが届く。ガーン!(꒪ꇴ꒪〣)<オワタ…せっかく決まった縁談がまた壊れるかも…私の聘礼品ががが…しかし老夫人の落胆を他所に蕭元漪(シャオユエンイー)は淳于氏の仮病だと気づいていた。案の定、その頃、淳于氏は汝陽(ジョヨウ)王府で子晟(ズーション)の縁談をいかに壊すか浅知恵を絞っていた。裕昌(ユーチャン)郡主は勅命では断りようがないと落胆したが、汝陽王妃は孫のため皇帝に直談判すると意気込む。すると侍女がやって来た。何でも凌不疑は自分に父がいないと称して皇帝に婚儀の進行を嘆願、皇帝も応じたという。「老王が礼官として明日、聘礼品を届けるとか…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)<何だって!汝陽王妃はよりによって夫が礼官として程家に行くと知り激怒した。「あなたと山に入り、田を耕してどれだけ苦労したか…私なくして夫と陛下を養えたと?! 朝臣も農民上がりの頃から知っています! 陛下とて私が米一口、水一口惜しんで立派に育てたのよ! 文(ウェン)家の男どもは良心もないのね!」悍婦(カンプ)に罵られ、孫娘からは出家すると脅され、汝陽王はやむなく縁談を壊すと安請け合いした。翌日、曲陵(キョクリョウ)侯府に城陽王がやって来た。婚姻に不満が募る少商は蓮房(リエンファン)を手伝いに行かせて大工仕事で鬱憤を晴らしていたが、そこへ汝陽王が現れる。汝陽王はまさか座卓を力任せに壊しているのが女公子だとは思わず、程少商がどこにいるのか聞いた。「孫娘は昨夜、夫を奪われ泣き腫らしておった、なぜ玉の輿に乗りたがるのか聞きたくてな」「誰もが凌不疑に嫁ぐのは玉の輿だと言う、でも私はこんな不公平な婚姻、惜しくもないわ!」実はその粗暴な娘が程少商だった。程少商は驚いたことに都中の女子が慕う子晟との縁談を自ら壊そうとしていた。何でも最初から不公平な婚姻で、平等に尊重し合えないのなら独りの方がましだという。そこで汝陽王は必ずしも平等とは限らないと諭した。「私と女房は成婚して50年だが少しも話が合わん、互いに敬いも尊重もせずだ ただ長年の修行で悟った、無為に争わぬ道を追究せよと…ゆえに耐えるしかない」「王爺、離縁できないのを修行のせいにしませんように 明らかに権勢が怖いだけでは?陛下のご不興を買うと…」「そなたこそ、不公平な婚姻だと思うなら、なぜ断らぬ?」「ゥッ…私も怖いのです、権勢が…(はっ!) 王爺?!郡主を助けたいなら聘礼品を全部、持ち帰っては? 婚姻はぶち壊しになり、どちらも満足です」しかし汝陽王は自分をそそのかして破談にさせようとしても無駄だと笑った。「私も子晟の成長を見て来た、婚姻を是非、実現させてやりたい」こうして汝陽王は無事に聘礼品を届け、皇宮へ報告に向かった。(; ゚ェ゚)<…まだ耄碌(モウロク)してないわ(ボソッ汝陽王妃は縁談を壊さなかった夫に激怒した。しかし少商の話を聞いて吹っ切れたのか、汝陽王はこれから自分のために生きたいと願い、離縁するという。もはや祖母の脅しさえ効かなくなったと知った裕昌は御前で首を吊ると言い出した。これに汝陽王は激高、始めて孫娘に手を挙げてしまう。「バカもん!両親が早世し哀れに思って甘やかして来たが、不満がある度に死ぬと騒ぐとは… 自分を大切にしなければ夫に尊重されるわけがない! 凌不疑のことはあきらめよ、程少商とは雲泥の差だ、勝てぬ!」思わぬ夫の反乱に汝陽王妃は呆然となった。そこで夫に殴りかかりながら、皇帝に恩を思い出させてやるとわめき散らす。「もうたくさんだ!何かにつけ一口、食わせて救ったと言うが、天地は知っているぞ? あれは腐っだ飯、お前も食わぬ飯だった! それと引き換えに十余年の栄華を得たなら元は取れたであろう?」すると汝陽王は裕昌に別の相手に嫁ぐか出家するか、自分で選べと言い放った。一方、西村に到着した凌不疑たちは依然、韓武の消息をつかめずにいた。しかし軍医の屋敷の周りには足跡どころか馬蹄の跡もない。不疑は短時間で跡形もなく片付けられるのは軍だと気づき、韓武が残した手がかりを探すことにした。その時、やけに土が柔らかい場所を見つける。「掘れ…」すると土に埋められた包みを発見、中から折れた枝が出て来た。「長短2本ずつ…つまり韓武は無事だ」不疑は追っ手に気づいた韓武が合図を残して逃げたと知り、安堵して急いで都へ引き返すことにした。「聘礼に伺えなかった詫びに行かねば…」「若主公…その殺気では詫びというより断罪に行くような…」梁邱起が申し訳なさそうに指摘すると、梁邱飛(リャンチゥフェイ)も思わず頷いてしまう。「もっと笑ってみては?」「…お前、笑い話はあるか?」翌朝、程家の食卓はどこか殺伐としていた。程頌児(チォンソンアル)と程少宮(チォンシャオゴン)は聘礼に凌不疑が来なかったせいで嫋嫋(ニャオニャオ)の機嫌が悪いと誤解している。「私のことなんてどうせ二の次よ、だから阿母は破談を口にもしなくなった ねえ、権勢がどんなものか分かる?!知らないでしょう?!」少商は今さら母に八つ当たりし、兄たちに噛みついた。驚いた程姎(チォンヤン)は伯母なら心配で眠れず食欲もないとかばったが、蕭元漪は話を止めただけでいつもの勢いはない。その時、突然、屋敷が黒甲衛(コクコウエイ)に包囲された。程家の食卓に凌不疑が現れた。その迫力に度肝を抜かれる程家の面々、すると不疑は軍務で聘礼に間に合わなかったと謝罪する。蕭元漪は青蓯(チンツォン)に九騅(キュウスイ)堂を片付けて凌将軍の食事を用意するよう命じたが、不疑はここで一緒に食べると座った。(  ̄꒳ ̄)<皆さん、どうぞ堅苦しくならず、子晟、こう見えて気さくなんです( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ぉおうすると不疑は早速、阿飛から教えてもらった笑い話を披露した。全く面白くない上、落ちがない話、仕方なく少宮が切り出してみる。「で最後、舟に乗っていた書生はどうなったのです?」「もちろん溺死しました、わっはははは!」しかし笑ったのは不疑と梁邱飛だけだった。その時、唯一、凌不疑を恐れない強者が現れる。「アイヨー!あなたが凌家の郎君?!眉も目も鼻も口もやっぱり際立ってるわ~」老夫人は馴れ馴れしく不疑の隣に座って上機嫌、少商は目も当てられず、そっぽを向いた。「程老夫人はさすが叡智(エイチ)があります」「そう!そのエイチ~!ぶっははははは~♪」(・Д・)<…って何それ?美味しいの?少商は父や兄たちと買い物に出かけ、沢山の荷物を抱えて屋敷に戻った。すると突然、正門で門衛に止められ、包みを確認するという。困惑する少商たち、そこへ凌不疑が現れた。「少商と婚約したからには程家は私の家族です これからは私の親衛が毎日、出入りを調べて安全を守ります(キリッ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)VIPアルソック!見ているこっちまで息苦しくなって来たわ…やっぱりルースー上手いね~
2023.09.09
コメント(3)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第25話「妻のお披露目」凌不疑(リンブーイー)の母・霍君華(フォジュンホワ)は孤城での凄まじい体験から正気を失い、今も少女時代を生きていた。「もし真相を伝えたら文(ウェン)家阿兄は我らの無念を晴らしてくれるかしら?」不疑は祠堂にいる母に外套をかけ、因果は応報するもの、いずれ画策した者に罰が下ると安心させる。「悪人はまだ世にのさばっている…逃がさないで」「阿母…妻を娶ることにしました」その時、回廊から招かれざる客の声が聞こえた。「子晟(ズーション)、縁談の話を阿父が最後に知るとは…まだ私を恨んでいるのか?」凌不疑が回廊へ出ると父がいた。護衛の梁(リョウ)兄弟が止めるのも聞かず上がり込んだ城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)は、今日になって夫人・淳于(チュンユー)氏から息子が程(チォン)娘子に求婚したと聞いたという。当然、何の権勢もない曲陵(キョクリョウ)侯の娘など反対、それより家柄も血筋も良い裕昌(ユーチャン)郡主を選ぶべきだと諭した。しかし不疑はとりつく島もなく、けんもほろろに追い返されてしまう。「阿母が言ったはずだ、己の視界の中に入ってくれるなと…お見送りを」その時、突然、母が祠堂から出てきた。すると霍君華は夫の前まで歩いて来たかと思うと、いきなり凌益を引っ叩いてしまう。「何様のつもり?!基盤もない無名の輩が求婚だなんて… 私は霍氏の一人娘、お前など私の履物取りにも値しない!懲らしめてやる!」凌益は興奮した霍君華に何度も殴られ、顔を真っ赤に腫らして帰って行った。その夜、凌不疑は霍家軍伝令官・韓武(ハンウー)を祠堂に案内した。「将軍…参上しました…15年も遅れて…」←見事なジャンピング土下座!韓武は位牌の前で泣き崩れたが、孤城の真相を突き止めることで亡魂の無念を晴らせという若主公の言葉で奮起する。あれから小越(ユエ)侯の麾下(キカ)の軍医を追っていた韓武、実は行方を突き止めていた。その軍医は早々に名を変え、都の郊外にある西(サイ)村で隠居中だという。不疑は配下を一緒に行かせると言ったが、韓武は慎重を期して独りで行くと断った。「3日以内に戻ります、しかし戦況は瞬時に変化するもの 霍将軍は身近な物で隠密裏に伝達させました 例えば枝を4本折り、そのうち1本だけ短ければ危険、長短2本ずつなら無事です」すると韓武はなぜ慌てて孤城の生き残りを探しているのか聞いた。不疑は孤城陥落に裏があると踏んでいたが、実は急ぐのには別の理由があるという。「慕う者ができた、調査から戻れば結納に間に合うだろう」「成婚なさると?…めでたい!将軍もあの世でお喜びでしょう」不疑は許嫁が普通の女子ではないと教えた。「私のように過去に縛られる人間は本来は孤独の身 だがもしこの苦難の道を共に歩める人がいるなら彼女だ…試す価値はある」但倘若一路艰辛里 同行之人是她( ;∀;)やだ、そうだったの〜って…イヤイヤイヤ~何も知らずに試される方の身にもなってよwその頃、蕭元漪(シャオユエンイー)はなかなか寝付けずにいた。すると少商(シャオシャン)が吹く笛の音が聞こえて来る。まさか娘が冷徹な凌将軍より母親である自分を何万倍も恐れていようとは…。親の苦心など子に分かるはずもないが、母娘ともに強情で一歩も引かず、最も人を傷つける物言いを選び、容赦がない。蕭元漪は娘を置き去りにしたことが全ての元凶だと分かっていたが、これも因果応報なのだろう。縁談が決まった以上、あとは娘が凌将軍と仲睦まじく、共に白髪になれるよう祈るしかなかった。( ゚ェ゚)うーん、どうもママンの心情がつかみ切れない言ってることも何となく的外れなような…字幕だと端折られちゃうせいかな~明日はいよいよ楼何(ローハー)両家の成婚、袁慎(ユエンシェン)は一緒に行かないかと母を誘った。すると袁夫人梁(リャン)氏は他家の縁談など興味ないという。「では私の婚姻は?」袁慎は程家のように干渉する親を羨んだ。そこで自ら縁談相手の絵姿を持って来たが、母は息子の婚姻にも無関心、自分で決めろと冷たく突き放されてしまう。( ゚ェ゚)そうか、善見も親が仮面夫婦で屈折してたっけ…ってだからって同情するかゴルァ!w翌朝、凌不疑はまだ寝ていた少商を起こし、楼何両家の成婚の宴に同行させた。久しぶりに顔を合わせた少商と楼垚(ローヤオ)、すると早速、袁慎がからんでくる。「少商も鞍替えが早い、たった数日で新しい相手とは… 怖いもの知らずの程娘子がついに権勢に屈する日が来るとはね〜「あなたには関係ない」すると不疑は少商から袁慎を遠ざけるため、席に案内して欲しいと頼んだ。( ๑≧ꇴ≦)殴ってくれ、頼む!w楼垚は凌将軍と善見(シャンジエン)を男家族の部屋に案内することにした。そこで安成(アンセイ)君・何昭君(ハージャオジュン)が少商を女家族の宴席に連れて行くことにしたが、少し話がしたいと回廊を遠回りする。「阿垚を返してくれたこと、感謝しているわ」かつては横暴でわがままだった何昭君、しかし馮翊(ヒョウヨク)郡での壮絶な体験で人を見る目もすっかり変わったという。「今なら分かる、男は性根が良く温厚な人がいい、あなたも…多少は誠実ね」「分かればいいの…今や阿垚は私の兄長、虐げたら許さないから」「私にとって弟を除けば阿垚だけが家族、うまくやっていける、あなたと凌不疑もね」すると何昭君は喪中のため宴席には顔を出せないと断り、そこで引き返した。一方、凌不疑は何かと突っかかる袁慎を警戒した。「今後、程家の家塾は私に任せよ、もし暇で仕方がないなら仕官に推薦しよう」「必要ない、すでに恩師・皇甫儀(ホワンフーイー)が推薦してくれた」/(^o^)\オワター!凌不疑と袁慎はこれから朝堂で顔を合わせることになった。不疑は少商との成婚には祝い酒を飲んで欲しいと優位に立ったが、袁慎は少商と楼垚が破談したことを持ち出し、成婚するまで何があるか分からないと牽制する。「袁公子は程氏で師を務め、今度は私と少商の縁談を聞きつけた… まさか私の妻に邪(ヨコシマ)な思いがあるのではあるまいな?」「ふっ、程少商に男女の情など分からぬ、計算ずくなだけ 私は婚姻に打算的な者が一番嫌いだ、程少商には何の私情もない」「と言うことは標的は私だけか?」「見てみたいだけだ、腹に一物ある女を好む男がどんな末路を辿るか…」「私と少商の心は一つ、末長く添い遂げる 袁公子のごとく狭量で口さがない者にそんな日は訪れまい」「凌将軍、私は文官、あなたより長生きだ、本当に添い遂げられるとでも?」一触即発の様相となる不疑と袁慎、そこで楼垚が割って入り話を止めた。(  ̄꒳ ̄)ここで一服の清涼剤少商は宴席に到着、万萋萋(ワンチーチー)や程姎(チォンヤン)と合流した。すると早速、王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が次の縁談が決まった少商を中傷、言い争いになってしまう。破談にしたそばから婚約なんて…>(*´・ω・)(・ω・`*)ネー( ತ _ತ)<お前は皇帝から賜った縁談を断れんのかバカ!一方、凌不疑は楼犇(ロウベン)と再会、改めて仕官を勧めた。しかし楼太傅が聞きつけ、楼垚が何昭君を娶れたことが皇帝の一番の恩寵だと圧力をかける。楼犇も伯父に反発できず、仕官は望んでいないと断るしかなかった。そこへ王延姫(ワンイエンジー)がやって来る。「阿延?なぜ男客の席へ?」「程四娘子に頼まれたの、凌将軍の馬車に外套を忘れたと…」不疑は大公子夫人の目配せで少商に助けが必要だと気づいた。王姈は萋萋から凌不疑に相手にもされないと馬鹿にされ、思わず少商を女狐と蔑んだ。その時、宴の席に突然、黒甲衛(コクコウエイ)が現れ、騒然となる。すると向かいの男客の宴席から凌不疑が出て来た。「恥を知り礼儀を知るは何か教えてやろう」男の客人たちは凌将軍に守られる程娘子は幸運だと噂した。しかしそれを聞いた袁慎は急に不機嫌になり、わざと料理をひっくり返して客人の衣を汚してしまう。(  ̄꒳ ̄)ホント、器の小さいヤツw凌不疑は男女の宴席を隔てる衝立を倒し、少商を女狐と呼んだ王姈を非難した。「そう言えば先月、五皇子に2人の美女を贈られてな 君の兄長王が羨んでいたため譲ったが、数日後、君の阿父が2人を受け取ったと聞いたよ 狐媚風情と言うならこの2人に使うべきでは? 私の妻を貶めようとする前に考えたらどうだ?その2人を阿嫂と呼ぶのか、阿母と呼ぶのか…」王姈は家族の恥を晒され笑い者になった。しかし少商は黙ったまま視線を落とし、不疑と目を合わせようとしない。そこで不疑は少商の杯を持ち、堂々と妻を紹介した。「私と程娘子の婚約の件は聞き及びのはず、成婚の暁にはどうか各位の来臨を賜りたい」( ๑≧ꇴ≦)アルソックの圧が強いのよwwwつづく
2023.09.08
コメント(2)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第13話北淵(ホクエン)で捕らわれの身となった阿紀(アージー)。しかし機転を利かせて脱獄し、姫寧(キネイ)を連れて南方へ向かうことにした。すると雪深い森の中で急に首飾りの真珠が光り出し、方角を示す。阿紀は念のため姫寧を待たせ、独りで先を探ってみることにした。阿紀はやがて凍った湖に出た。すると酔い潰れて眠っている男の姿が見える。阿紀は試しに男の元まで行ってみると、驚いたことに夢に出て来る変わった男とそっくりだった。…なぜこんな所に?…その時、ふいに阿紀の脳裏に紀雲禾(ジーユンファ)の記憶が蘇る。万花谷(バンカコク)に運び込まれたその男は美しく大きな尾ひれを持ち、助けてくれた御霊師に″長意(チャンイー)″と名乗った。「長…意?」長意は誰かが自分の名を呼んだと気づき、目を覚ますと同時に阿紀を法術で吹き飛ばした。「何者だ?!」尻餅をついた阿紀は立ち上がった男が紋様入りの黒い外套を着ていることから、高貴な位だと気づく。その時、阿紀を探しに来た姫寧が叫んだ。「早く逃げろ!そいつは北淵尊主・長意だぁぁぁぁ!」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノしかし長意はあっという間に侵入者2人を拘束してしまう。「誰の差し金だ?!」激高した長意は阿紀を凍らせようとしたが、驚いた阿紀は無意識に叫んだ。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)!」長意はその名を久しぶりに耳にし、しばし茫然と立ちすくんでしまう。そこへ羅策(ラサク)が駆けつけ、狐狸が牢を破って仲間を連れて逃げたと報告した。するとちょうど尊主が狐狸を捕まえている。「あ…こりゃずい分と可愛い狐で…」阿紀が夢で見た男は北淵の尊主だった。師匠が北淵に行くなと言ったのは自分と何か因縁があり、恨まれているせいなのかもしれない。…師父のためにも正体を隠し通さなくては…一方、奇鋒(キホウ)は長意が盧瑾炎(ロキンエン)をなかなか処刑せず、苛立ちを募らせていた。すると配下が駆けつけ脱獄騒ぎがあったと報告、すでに全員が捕まって大殿に連れ戻されたという。奇鋒は卿瑤(ケイヨウ)と一緒に大殿に駆けつけ、脱獄した4人を即刻、処刑場へ連れて行くよう命じた。しかし阿紀が反発、尊主は誰一人殺せないはずだと訴える。「尊主は″北淵は争うより手を携えることを望む″と言ったわ!」「…なぜそれを?」長意はあの時の宣言をなぜ狐狸が知っているのか訝しむ。そこで阿紀は咄嗟に風の便りに聞いたと誤魔化した。「調べもせず俺たちを殺せば噂になる、北淵も仙師府と同じだとな」「お前の名は?」「阿紀」「アージー?」すると長意はなぜか4人の死罪を免じ、猿翼(エンヨク)営での苦役を課した。盧瑾炎と符超(フチョウ)は尊主と堂々と渡り合った阿紀に一目置いた。しかし阿紀は実は怖くて尻尾が出そうだったという。「俺が話したから助かったわけじゃないさ」「じゃあお前の名前で助かったとでも?」盧瑾炎はからかったつもりだったが、阿紀はまさに名前がきっかけかもしれないと感じていた。盧瑾炎は聡明で度胸もある阿紀に自分の無実を晴らして欲しいと頼んだ。早く北淵を離れたい阿紀は面倒ごとはごめんだと断ったが、そこへ突然、尊主が現れる。蜘蛛の子を散らすように逃げて行く仲間たち、すると阿紀はなぜか鮫人に罪悪感を感じ、やはり仇敵なのだと確信した。「お前を鍛えてくれた師父はどこの神仙だ?」「師父?…」阿紀は言葉につまり、咄嗟に厠へ行くと断って飛び出した。阿紀は元の姿に戻って侍女になりすまし、北淵から逃げることにした。そこで女の衣装を招喚したが、着替えに行こうとしたところで尊主に見つかってしまう。長意は阿紀がまた逃げるつもりだったと知り、再び無妄窟(ブボウクツ)で反省させると脅した。「また閉じ込めるのか?!…尾は大きいのに心はちっぽけだな!」その時、長意の顔色が一変する。実は紀雲禾も全く同じことを長意に言ったことがあった。阿紀はその隙に逃げようとしたが、あっさり捕まって衣装を落としてしまう。「女子の衣…お前は女子なのか?!大尾巴魚と呼んだな?なぜその名を?!何者だ?!」(´・_・`).oO(まずい、このままじゃ正体を暴かれる…「どんな衣を着ようと勝手だろ?!女だと疑うな調べろよ!ほら!男同士だ、気にするな!」すると阿紀に迫られた長意は呆れて帰ってしまう。一方、林昊青(リンコウセイ)は謁見を求めて仙姫府の前で嘆願を続けていた。やがて汝菱(ジョリョウ)は引見したが、例の謎の力を使って林昊青から霊力を奪おうとする。しかしなぜか林昊青の霊力は身体が受けつけなかった。林昊青は人間界で捕縛した御霊師の身柄を引き渡して欲しいと上奏した。しかし汝菱は長老から取り上げた薊柏(ケイハク)草を放り投げ、本当に欲しいのはこれかと迫る。「全てお見通しよ、薊柏草は寒気をしのぐ、最も冷たい寒霜(カンソウ)でさえもね」激怒した汝菱は御霊師を皆殺しにすると言ったが、林昊青は自分が罰を受けると泣きついた。「私をお使いください、私の霊力は朱凌より強い、必ず役に立つでしょう」「万花谷を救って欲しいなら忠心を証明してみせなさい」林昊青は薊柏草を諦めるしかなかった。その時、思語(シギョ)が落ちている薊柏草を招喚、後ろ手に隠してしまう。林昊青は思語を引っ叩いて薊柏草を取り返し、仙姫の目の前で粉々に破壊した。すると汝菱は喜び、人質は解放するという。林昊青は仙姫に従順なふりをして長老たちを無事に解放した。東濂は谷主が薊柏草と自分たちの命を引き換えにしたと知って自責の念に苛まれたが、実は消滅した薊柏草は偽物だという。あの時、思語は本物と偽物をすり替え、林昊青に返していた。林昊青は長老たちを先に万花谷へ帰した。思語は谷主がかつて情鏡をすり替えた紀雲禾と同じ手を使ったと気づいていたが、今はあの時とは違って危機にいても生き生きして見えるという。「私を待つ人がいると思うと希望が持てる、阿紀との約束は守らなくては」「再会できるよう私が2人をお守りします」「お前こそ気をつけろ、思語姐姐に何かあったら阿紀が泣くぞ?」「分かりました」しかし寧清(ネイセイ)と悪念は汝菱ほど簡単に騙せなかった。寧清と悪念は林昊青の企みを見抜いていた。自分たちに必死に抗おうとする勇気は称賛できるが、残念ながら結果はすでに出ている。「それだけだ…」寧清は冷静だったが、悪念は順徳(ジュントク)が大勢の弟子を駆り出したことはどう収拾をつけるのかと心配した。「望み通りでは?そのために夢で彼女と会ったのだろう?」悪念は結局、自分に協力してくれる寧清に安堵し、それより無名山が見つかることを恐れた。「すでに人間界に人を遣わしてある」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は久しぶりに同じ寝床で眠った。しかし翌朝、三月が目を覚ますと、離殊は猫の姿ではなく人像のまま眠っている。三月は急に恥ずかしくなり、思わず離殊を寝台から突き落とした。どうやら子猫の誕生はまだまだ先のことになるらしい。その日も無名山を探しに向かった三月と離殊、すると2人の前に姫成羽(キセイウ)たちが現れた。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)を放った罪で捕縛する!」2人は反撃したが、離殊は三月をかばって姫成羽が放った呪詛で深傷を負ってしまう。「空明(コウメイ)はお前が悔い改めると信じているが、見誤っていたようだな」姫成羽は師兄の名を聞いて動揺、その隙に三月は離殊を連れて姿を消した。三月と離殊は思いがけず山猫族の夫婦に助けられた。山猫世子に恩がある夫婦は自分たちの家で静養するよう勧め、結界を張ってあると安心させる。一方、姫成羽は師匠に三月と離殊の捕縛に失敗したと報告していた。寧清は姫成羽が2人を見逃したと気づき、2度と失望させるなと釘を刺す。確かに姫成羽の手には師父からもらった呪詛がまだ残っていた。長意は阿紀に多くの監視をつけたが、特に変わった様子はなかった。しかしなぜか阿紀が気になり、ふと天君の言葉を思い出して空明に伝令付を送る。…先生、故人は本当にいつか戻って来るのだろうか?…阿紀は脱出する方法を思いつき、尊主に会いたいと頼んだ。尊主は通常、そんな些事に対応しないが、長意は阿紀だと聞くと大殿で会うという。すると阿紀は手柄を立てたら解放して欲しいと持ちかけた。「符恒(フコウ)を殺したのは盧瑾炎じゃない、尊主はどうせ分かっているんだろう? だから符恒を起こして聞いてみれば分かる 符恒は相柳(ソウリュウ)の末裔で9回、復活するんだ」阿紀は呪符を招喚し、この秘術を使えば生き返らせることができると言った。「やり方はここに記した…おっと、その前に約束してくれ、俺と姫寧を解放すると…」しかし長意はあっさり法術で呪符を奪い取ってしまう。「取引するなら品定めは欠かせぬ」長意は阿紀の妙案に内心、驚いた。そこでひとまず阿紀の苦役を解いて自由にし、沙汰は追って知らせるという。「秘術を得たんだ、裏切るなよ」阿紀は仕方なく大人しく戻った。すると長意は羅策に阿紀の計画を渡し、誰にも知られないよう密かに手配させる。しかしその話を奇鋒の配下が聞いていた。奇鋒は配下から報告を受け、羅策たちを追跡した。人目のない雪山ではすでに蛇族が棺を置いて待っている。羅策たちが早速、秘術を試すと、棺のふたが開いて亡骸が立ち上がる様子が見えた。驚いた奇鋒は口封じするため配下と共に駆けつけ、符超(フチョウ)たちも一緒に始末すると脅す。ついに馬脚を現した奇鋒、しかし棺の男が振り返って奇鋒の首に剣を突きつけた。「俺を陥れたのはお前か…」実は棺に入っていたのは盧瑾炎だった。そこへ長意が現れる。「復活の呪文などない」つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!アクアクさんになったと思ったらいつの間にか手がある!
2023.09.07
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第12話成長するにつれて紀雲禾(ジーユンファ)の記憶を夢で見るようになった阿紀(アージー)。その日も阿紀はまた奇妙な夢を見て師父に相談したが、それは雲禾の身体が消散した時のことだった。阿紀は夢の中で美しい男に抱かれ、氷の上に横たわっていたという。「そうだ、その人は長くて大きな尾があったわ! 彼は悲しそうな顔をして、目から珠が落ちたの…あ、これと似てる!」すると阿紀は自分の首飾りの真珠に触れた。驚いた林昊青(リンコウセイ)は咄嗟に阿紀の好物・玉釀酥(ギョクジョウソ)を招喚、阿紀の興味をそらす。「良くある夢だろう…阿紀、実は師父もある夢を見た、好きな人と恨んでいる人が出てくる夢だ 好きな人が離れるのを命懸けで留めようとしたが、恨んでいる人が言ったんだ ″お前にはなすべきことがある、お前の命や心よりもずっと大切だ″と…」「うーん…阿紀には良く分からない」一方、北淵(ホクエン)では尊主・長意(チャンイー)に反発する狐族・奇鋒(キホウ)が深酒していた。そこへ狐族の駐屯地を分けてもらった蛇族・符恒(フコウ)が現れ、奇鋒をからかう。「お前の従妹は尊主に首ったけだが相手にされていないとか…なら従妹も俺に差し出すか?」激情に駆られた奇鋒は方術を放ち、符恒が避けた一瞬の隙を狙って湾刀で首を切り裂いた。駐屯地の件で蛇族と争った盧瑾炎(ロキンエン)が酔って符恒を殺害、凌霜(リョウソウ)台に連行された。盧瑾炎は酔い潰れて目が覚めたら凶手にされていたと釈明したが、符超(フチョウ)は弟の手に盧瑾炎の腰牌が握られていたと証言する。「無実の者がなぜ冰湖(ヒョウコ)まで逃げたのだ?!」冰湖と聞いた長意の顔色は一変、盧瑾炎と符超を無妄窟(ブボウクツ)へ収監するよう命じた。卿瑤(ケイヨウ)は早まって処断しないよう諫言したが、長意は命乞いなど無用だと一蹴する。「北淵の掟だ、騒ぎを起こした者は殺す」奇鋒はまんまと身代わりに罪をなすりつけほくそ笑んだが、実は長意が本当に疑っていたのは奇鋒だった。長意は羅策(ラサク)に奇鋒の監視を命じた。そもそも北淵に来て間もない盧瑾炎が符恒の居場所を探り当て、酩酊状態で音もなく侵入し殺害するとは到底、考えられない。駐屯地での騒ぎの時も現場には奇鋒がいて険悪になっていた。奇鋒の御霊師への憎しみが増す中、なぜか今日は珍しく長意の判断に反対していない。長意は2人を断罪したと見せかけ、奇鋒が尻尾を出すのを待つことにした。「どちらにしても冰湖の静けさを脅かす者は許さぬ、あの2人には教訓を与える」万花谷では阿紀がついに幻形術を習得、林昊青も寒霜(カンソウ)の解毒薬の完成が間近になった。「もうすぐ東濂(トウレン)長老が薬材を持って帰ってくる、解毒薬が完成したら阿紀と出発だ」しかし東濂から思いがけない伝令符が舞い込んだ。…谷主、朱凌(シュリョウ)の埋伏(マイフク)に遭いました、谷主はどうかご無事で…結局、最後の薬材は手に入らず、火を入れた丹炉も爆発してしまう。林昊青は長老たちを救うため仙師府へ向かうことにした。そこで阿紀に急用ができたと伝え、ひとまず先に遊歴に出すことにする。「お前の法術は未熟ゆえ法宝を用意した、明日、独りで発て 南方に元部下がいる、文を出したゆえそこで待っていてくれ」思語(シギョ)は谷主が自分の留守中に阿紀の存在を仙師府に勘づかれるのを恐れ、逃すのだと分かった。すると林昊青は思語も阿紀と共に発つよう命じる。「父の敷いた道は独りで歩み、独りで死ぬ…」林昊青は思語の霊丹を戻すことにしたが、思語が咄嗟に取り出すのを止めた。「谷主に追従することがただ一つの望み、こたびの命には従えません!」翌朝、林昊青は幻形術で少年になった阿紀を送り出した。「今日から自由だ、好きなことをしろ、私が来なくても探さなくていい 自分のしたいことが必ず見つかる、だが3つの約束は忘れるな」林昊青は必ず行くと約束はしたが、いつもの指切りはしなかった。師匠に背中を押されて出発した阿紀、ふと振り返るとすでに師父の姿はない。その時、林昊青は木の影に姿を隠していた。「阿紀…いいか、もう振り向くな」↓皆さん、お忘れなく、周りにはこの顔に見えていますw北淵を旅立った洛錦桑(ルオジンサン)は人間界にいた。しかし紀雲禾を失った今、独りで賑やかな市場を散策してもちっとも楽しくない。その時、ちょうど御霊師たちを連れて帰来(キライ)客桟へ入って行く瞿暁星(クギョウセイ)を見かけ、後を追った。瞿暁星は洛洛がてっきり空明(コウメイ)を探しに来たと誤解した。「空明先生なら上で診療中だ、すぐに来る」「あの人は関係ない!…良縁を探してブラブラしていただけ」その様子を上階から空明が見ていた。すると良縁と聞いた御霊師たちがクスクス笑い出し、その器量では難しいという。「このそばかすなら修練で美しくなれるわ!」憤慨した洛洛は瞿暁星に一緒に修練しようと迫ったが、その意味を知る瞿暁星は断った。「君はただの友だちだし無理だ」「大丈夫、責任は取るから!」しかし突然、空明が現れ止めた。「また″責任か?!」空明は洛洛を客室へ連れて行った。洛洛は腹いせに部屋にあった酒を飲み始めたが、空明に取り上げられてしまう。すると空明も酒をあおり、2人は酒の勢いそのままに言い争いになった。「酔って次は誰に責任を取る?!」「先に去ったのはあなたでしょう?!」「いいか!君は私だけに責任を取ればいい!」「取らせないのはあなたよ!あなたは逃げてばかり!」その時、空明が洛洛の口をふさぐように口づけし、そのまま寝台へ連れて行った。再び情を交わした洛洛と空明、するとついに洛洛の顔からそばかすが消える。「もしかして私が好きなの?」「今さら?!君にとって私は何なんだ?!」「あなたがいないと毎日が楽しくなかった…あなたがいい、あなただけよ」一方、阿紀は独り人間界を楽しんでいた。大道芸をながめ、美味しい物を食べ、色々な土産を買うと、その日の宿を取る。…何だか前にも人間界に来たような気がするわ、夢で見た大尾巴魚(ダーウェイバーユー)と何か関係が?…しかし阿紀は師父が夢の話を嫌っていることを思い出し、手紙には書かなかった。「あ、霊力を感じる…もう師父が来たのかも!」阿紀は喜んで帰来客桟を飛び出したが、そこに現れたのは御霊師に追われる仙師の弟子だった。仙師府の弟子・姫寧(キネイ)は客桟の前で転倒、仙姫の命令でやむを得ず来ただけだと命乞いした。「私は誰も傷つけてはいない!」阿紀は無抵抗の姫寧を見捨てられず、思わず飛び出して姫寧をかばってしまう。そこへ偶然、洛洛が現れた。洛洛は目の前の少年がまさか紀雲禾だと思わず、御霊師に英雄気取りの狐狸も一緒に北淵へ送るよう頼む。…北淵?師父から行くなと言われているわ…驚いた阿紀は咄嗟に仙縄で洛洛を捕縛、陣を敷いて姫寧と洛洛を連れて姿を消してしまう。山へ逃げた阿紀は洛洛を木に縛りつけた。姫寧は恩人に感謝し、自分たちは悪党ではなく、命じられて仕方なく働いていると釈明する。「ふ~ん、どうやら悪党は北淵のようだな?」そこで阿紀はわざと洛洛を怖がらせたが、結局、何もせず解放することにした。すると連絡を受けた空明が瞿暁星たちと駆けつけ、背後からいきなり2人に法術を放って眠らせる。「洛洛!大丈夫か?!」しかし空明は狐狸と一緒に倒れているのが姫成羽(キセイウ)の弟弟子だと気づいた。ともかく2人を北淵に連行させ、洛洛も一緒に帰すことにする。再び離れ離れになってしまう空明と洛洛、しかし空明は御霊師たちの治療が終わり次第すぐ戻ると安心させた。長意が冰湖で独り酒を飲んでいると青(セイ)姫が現れた。青姫は仙師の様子を聞きに来たが、今のところ何の動きもないという。すると長意がすでに酒を2瓶も空けていると気づいた。「酔い潰れたいのは夢の中で誰かに会うため?」長意は説教じみたことでも言われると思ったが、青姫は自分も十方陣に閉じ込められた当初、酒ばかり飲んでいたと笑う。「でももし紀雲禾が健在なら、魂が抜けたあなたを見たいかしら?」青姫が帰ると、長意はまた飲み始めた。…構わないさ、夢の中でひと目でも君に会えるなら…しかしどんなに酒を飲んでも長意の前に雲禾が現れることはなかった。阿紀は戦の夢を見ていた。それは紀雲禾と朱凌が戦う様子だったが、記憶がない阿紀には意味が分からない。すると姫寧に起こされ、阿紀はようやく自分が北淵の無妄窟に収監されたと知った。…どうしよう、師父に怒られる…阿紀は何とか脱獄できないかと牢を調べたが、同じく収監された盧瑾炎が自分も試したが無理だったと教える。しかし阿紀は隣の牢にいる符超が蛇族だと分かった。符超が法術で姿を消すと、阿紀は守衛に隣の蛇族が穴を掘って逃げたと知らせた。守衛は慌てて駆けつけたが牢はもぬけの殻、そこで阿紀たちを呼んで蛇が逃げた穴を教えろという。阿紀は適当に岩壁の穴を指差すと、守衛が穴の中をのぞき込んだところで背後から盧瑾炎たちが頭を殴って気絶させた。阿紀の機転で脱獄した4人は雪山へ出た。盧瑾炎と符超はひとまずお互いの怨讐を忘れ、助けてくれた阿紀に感謝して別れる。阿紀は姫寧を連れて南方へ行くことにしたが、その時、急に首飾りの真珠が輝き出した。つづく(  ̄꒳ ̄)この顔はいつまで続くのか…
2023.09.06
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第11話汝菱(ジョリョウ)の顔の治療に固執する仙師・寧清(ネイセイ)。そんな中、不思議な霊力を手に入れた汝菱は朱凌(シュリョウ)を呼びつけ、人間界に逃げた御霊師たちを捕らえるよう命じた。上仙・姫成羽(キセイウ)は師匠に汝菱をたしなめるよう嘆願したが、ちょうど碁譜を解いていた寧清から遠回しに脅されてしまう。「…碁石は従えば石だが、逆らえば敵となる」「弟子としての本分を忘れるところでした…」「この件は朱凌に任せよ」姫成羽は朱凌に令牌を渡したが、最後まで手を引くよう説得した。しかし功名を得たい朱凌は無視し、仙師府の弟子たちを連れて出発してしまう。その中には仲間を捕えるのは嫌だと訴えていた弟弟子・姫寧(キネイ)の姿もあった。姫成羽は恩を受けた師父に背くのは罪だと言い聞かせたが、後ろめたさに苛まれてしまう。その時、22話で長意(チャンイー)から聞いた空明(コウメイ)師兄の伝言を思い出した。…愚かさに気づいて己の道を歩め…一方、雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は天君・汝鈞(ジョキン)たちと合流、無名山を探していた。しかし広物集(コウブツシュウ)が示す場所に到着しても山は見当たらない。そこで汝鈞は一度、天庭に戻って古書の記録を調べることにした。三月と離殊はこのまま人間界に残って引き続き調査することになったが、別れ際、飛廉(ヒレン)神君が離殊に贈り物を用意しておくと悪戯っぽく笑う。「いずれ分かる…では」姫成羽は長意が伝言と一緒に返してくれた縫いぐるみを大切に持っていた。それはかつて姫成羽が空明の誕辰に贈ったお祝い、2人は親がないため玩具とは無縁に育っている。実は姫成羽は人間界で師兄が縫いぐるみを眺めていたのを偶然、見ていた。『人間界では魔除けの意味があり、平安と勇気を示す物だと…師兄に贈ります』姫成羽はあの時のことを思い出し、空明がなぜ縫いぐるみを返したのかその意味を察した。「平安と勇気か…」その夜、三月と離殊はふもとの町で宿を取った。しかしその日に限ってどの宿も満室、唯一この宿の1室だけが空いているという。「奇妙な話です…あ、ちなみに布団もその1組だけしかありませんから~」離殊は神君の言った贈り物がこれだと気づき、戸惑う三月を尻目にほくそ笑んだ。長意は紀雲禾(ジーユンファ)の死後、ほぼ不眠不休で政務に没頭していた。時折ふいに冰湖(ヒョウコ)へ行っては、ただ立ち尽くしている。羅策(ラサク)は鮫珠が戻って霊力が強くなっても、これでは身体が参ってしまうと心配していた。すると空明が現れ、姫成羽が仙師府の様子を伝えて来たと知らせる。「順徳(ジュントク)が仙師府の弟子に命じて人間界にいる御霊師を捕らえるそうだ」空明は御霊師を救えば仙師と順徳を見限って北淵に集まり、北淵の力も増すと期待した。「分かった、行ってくれ、私は残る」「…紀雲禾のこと、すまなかった」「雲禾が決めたことだ、誰も阻めない」「少し休むべきだ、こうなった今、自分を責めても仕方がない」空明は人間界へ出かける前に洛錦桑(ルオジンサン)に会いに行った。青(セイ)姫も三月も離殊もいなくなった屋敷に独り残された洛洛。実は霊石を貯めて雲禾と約束した通り常春の仙島を買うことにしたという。「ここを去るわ、嫌なことは全部、置いて行くの」「私も遠くへ行く、別れを伝えに来た」洛洛も空明も相手を思いやりながら、結局、素直な気持ちを伝えられず、離れ離れになった。その頃、万花谷では林昊青(リンコウセイ)に守られながら阿紀(アージー)がすくすくと育っていた。胸元には今も赤い真珠の首飾りがある。やがて阿紀は不思議な夢を見るようになった。これも外の世界を知らないせいだと考えた阿紀は結界から出たいと懇願、すると林昊青は護身の法術を覚えたら遊歴に連れて行くと約束する。「本当に?!やったー!早く行きたいわ!」そして阿紀は眠るたびに成長、あっという間に当時の紀雲禾とほぼ同じまでに戻った。阿紀はほとんどの法術を習得した。すると林昊青は最後に最強の法術を授けるという。それは外見を変える幻形術だった。「鏡を見よ」阿紀が鏡をのぞいてみると、驚いたことに見知らぬ少年の姿が映っている。実はこれは九尾狐だけが使える法術だった。林昊青はこの術を習得したら外へ連れて行くと約束したが、その代わり3つの条件を出す。「鹿台(ロクタイ)山へ行かないこと、元の顔を絶対にさらさないこと、そして北淵に入らないこと」「誓います!」北淵は御霊師や多くの仙友たちが集まり、今や人間界の町のように賑やかになった。しかしそのせいで思いがけず御霊師と地仙たちの間で諍いが起きてしまう。南方からやって来た盧瑾炎(ロキンエン)たちは仲間が多いので蛇族たちに駐屯地を譲れと迫った。双方は一触即発となったが、卿瑤(ケイヨウ)が駆けつけ、盧瑾炎たちに場所を譲る代わりに蛇族たちには狐族の駐屯地から3分の1も譲るという。蛇族は喜んで条件をのんだが、奇鋒(キホウ)は長意のために譲歩ばかりする卿瑤に不満を募らせた。卿瑤は長意の書斎を訪ね、騒ぎを収めたことを報告した。空明のおかげで仙師に不満を持つ御霊師は増える一方だったが、狐族の長老たちは尊主が御霊師ばかり厚遇していると誤解している。「尊主は有能な者を多く集めたい、全て北淵のためなのに…」卿瑤は批判されても釈明せず、黙々と政務を続ける長意の姿に胸が痛んだ。「まるで紀雲禾があなたをここに閉じ込めてしまったみたい」長意の書卓の上には今も雲禾からもらった貝殻があった。今日は紀雲禾の誕辰、思語(シギョ)は阿紀を起こし、師匠が花海(カカイ)で待っていると教えた。かつては政敵だった紀雲禾、当初は谷主のために世話を焼いていた思語だったが、無邪気に慕ってくれる阿紀に自然と顔がほころぶ。花海では林昊青が阿紀の生誕祝いに人間界から持ち帰らせた花火を見せた。阿紀は無邪気に喜んだが、なぜか見覚えがあると気づく。それは紀雲禾が人間界で長意と見た花火だった。しかし記憶がない阿紀は今は花火より菓子が食べたいと訴える。「幻形術は習得したか?」「…それが幻形術だけはなかなかうまくいかないの」すると林昊青は習得するまで食事抜きだと命じた。阿紀は謎の魚の幻影に悩まされ、訓練に身が入らなかった。そこへ林昊青が現れ、実は人間界の長寿麺を作ったという。「師父はやっぱり優しいのね!おいしい!」すると阿紀は修練を怠けているわけではなく、悪夢に心を乱されていると告白した。「なぜか氷の上に横たわっていて、雪も降っていて寒いの 誰かが私を抱いて、私は顔を見上げている 見たところかなりの美男よ、その人は長くて大きな尾があったわ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)変なカツラキター!
2023.09.05
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第10話天君・汝鈞(ジョキン)は姉の不始末の責任を取るため北淵(ホクエン)を訪ねた。しかし長意(チャンイー)は紀雲禾(ジーユンファ)の亡骸のそばを離れられず、雲苑(ウンエン)に閉じこもったまま出てこようとしない。雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)は説得に向かったものの、長意の気持ちを考えるとまだまだ時間がかかりそうだった。雲禾の死を受け入れられない長意。すると窓から吹き込んだ風で広物(コウブツ)集が転がり落ち、その衝撃で間に挟まっていた紙が飛び出した。そこには13話で2人が仲良く崖から人間界の町を眺めている様子が描かれている。裏には雲禾の遺書が残されていた。…風のように自由でいろと言ったわね…死んだ後も風に身を任せて世間を見ることができれば満足よ…私がいなくなったらあなたは悲しむかしら…この文を読んでもらえるかどうかは天意に任せるわ雲禾の手紙を読んだ長意は天君を雲苑に呼んだ。汝鈞は雲禾の死を悼み、北淵への謝罪と償いに来たという。そして力を合わせて仙師府を倒し、平和を取り戻そうと提案した。「尊主にも恨みがあろう、でも衆生への愛は消えていないはず… 返事は急がぬゆえ考えてみて欲しい」汝鈞は長意のやりきれない悲しみを思い、無理強いはせず戻った。長意は独り人間界へ出かけた。雲禾と中秋節を楽しんだ町も今夜は閑散としている。…雲禾、四海八荒(シカイハッコウ)の幸が永続するならどんなにいいだろう…すると長意はようやく雲苑の結界を解いた。洛錦桑(ルオジンサン)、三月、離殊、空明(コウメイ)が身守る中、長意は雲禾の亡骸を抱いて冰湖(ヒョウコ)に出た。そして雲禾が以前、脱走して倒れていた場所までやって来る。…覚えているか?ここは君が逃げてきた所だ…″心から幸せを感じた″と言っていたな…あの日、本当は早くから君を眺めていたんだ、君の本来の姿を見てすぐには止められなかった…あれは私が知る限り最も単純で幸せそうな君だった…実を言うと羨ましい、人生の最後に君は解き放たれた、私からもその時、長意の血の涙がこぼれ落ち、雲禾の手のひらで赤い真珠となった。ついに亡骸の封印を解いた長意。すると雲禾の身体が消散し、風に乗って舞い上がって行く。…雲禾、君はもう世界中を自由に飛び回れる、世界の争いや束縛は私が取り払うよ…同じ頃、凌霜(ヒョウソウ)台からも御霊師や地仙たちが北淵のために散った雲禾を見送っていた。長意はいくつか書物を持ち出してから雲苑を封印、氷で固く閉ざした。その時、偶然、羅策(ラサク)の腕から落ちた広物集が開き、雲禾が印をつけた頁が開く。小さく折り畳んだ頁の角には″寧清(ネイセイ)″とあった。「天君を大殿に呼んでくれ」長意は天君に雲禾が印をつけた広物集の頁を見せた。詳しいことは何も分からなかったが、そこへ空明がやって来る。すると天君はかつて遊歴で出会ったあの男だと気づいた。「そなたか?!」「あの時の?!」実は天君こそ空明が人間界で失意のどん底にいた時、救ってくれたあの神仙だった@15話。「全ては運命で繋がっていたのですね」死を覚悟した雲禾は戦場に赴く前、空明に寧悉語(ネイシツギョ)から聞いた話を明かしていた。「いつか天君に会えたら伝えて欲しいと…その書物の作者は寧悉語です」天君たちは寧清の悪行の全てが亡き師匠・寧悉語のためだと知る。当時、寧清は一介の御霊師に過ぎず、林(リン)氏より位が低かったが、ある時、瞬く間に目覚ましい進歩を遂げた。寧悉語の話では寧若初(ネイジャクショ)を殺してから寧清はしばらく万花谷を離れたという。風に乗って寧清を追跡してみたところ、行き先はかつて偶然に迷い込んだ奇妙な山だと分かった。しかしその時、寧悉語はなぜか山に入ることができなかったという。遊歴が好きな寧悉語は寧清と各地を巡っていた時、いつの間にかある荒れ山に足を踏み入れたことがあった。そこは最も憧れることと恐れることが幻覚となって現れる奇妙な山だったという。寧悉語は別世界に入ったと気づいて探ろうとしたが、気がつくとすでに外へ出ていた。戻ろうとしても2度と入れず、広物集に″無名山″と書き記しておいたという。寧清はその山を降りた時から不思議な力を身につけていた。その後、修為を伸ばして出世、御霊師の頭領となり、やがて寒霜(カンソウ)を作って万花谷を支配する。雲禾が19話で偶然にも密室を見つけたのは寧悉語が風で導いたからだった。『あの絵姿は妙よ、何か隠されているはず…』雲禾が印をつけたのはどうやら無名山の頁だった。その時、汝鈞は無名山の絵と砕けた仙令が示した図が似ていると気づき、2つを重ねてみる。すると無名山の絵と仙令の図がぴったり一致した。汝鈞は神君たちと早速、無名山を探しに行くことにした。そこで最後に長意に思わぬ言葉を残す。「尊主、朽ちた花は形をなくすが、息吹はまだ世間を漂っている、緑が絶えぬ限り流転する 数千年後、故人も戻るかもしれない」一方、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)を解放していた。帰順した御霊師は北淵で受け入れるが、中には自由に生きたい者もいたという。どちらにしても空明の薬があり、命の危険はないと安心させた。思語は仙師の目が光る万花谷へ戻るより北淵に留まった方が安全だと進言した。しかし林昊青にとって万花谷は家、まだ谷に残っている力ない者たちを放っておけないという。何より寒霜を解毒する方法を必ず見つけねばならない。すると瞿暁星(クギョウセイ)と東濂(トウレン)長老たちが駆けつけ、谷主と一緒に帰ると言った。林昊青は感謝したが、瞿暁星には北淵に残って欲しいという。「お前は長意と親しいだろう?…北淵で仲間の面倒を見てくれないか」「分かりました…でも雲禾は本当に死んだのでしょうか?」「…生きていればいつか願いは叶う」長老は谷主に頼まれ、弟子を連れて寒霜の薬に必要な薬材を探しに出かけた。すると林昊青は万花谷ではなく山へ入り、やがてうずくまっている狐を見つける。「紀雲禾だ…」実は双脈の雲禾は元神が散っても卿舒(ケイショ)が授けた九尾狐の霊丹が残っていた。思語はようやく谷主が仙姫から雲禾を殺せと命じられても怯まなかったのは、雲禾が復活できることを知っていたからだと気づく。「彼女をどこへ?長意には?」「雲禾は北淵や万花谷のために犠牲を払い過ぎた…もう過去の苦しみを忘れさせてやりたい」林昊青は大事そうに狐を抱きあげると、万花谷に連れて帰った。一方、三月は志半ばで力尽きた雲禾のため、代わりに願いを叶えようと決めた。離殊はそんなことだろうとすでに飛廉(ヒレン)神君に後を追いかけると連絡しておいたという。こうしてそれぞれが前を向き始める中、洛洛だけは雲禾を失い途方に暮れていた。雪山で独り酒をあおる洛洛、そこへ空明が現れる。「身体を大切にしろ」「…独りで生きて何になるの?」雲禾は天敵に襲われ万花谷に落ちて来た洛洛を助け、いつもかばってくれた。「でも雲禾は死んだ…誰のために生きればいいの?」「私だって君を必要と…」空明は大義をなすため言葉を飲み込み、そっと外套を掛けた。「自分の道は必ず見つかる、それまでは身体を大切にするんだ」すると空明は帰ってしまう。林昊青は雲禾の生存を隠すため、かつての居所から雲禾の好きな花海(カカイ)まで結界で覆い隠した。そこで狐に自分の半生分の霊力を分け与え、千年の修為が必要とされる人像(ヒトガタ)を与えてやる。人間の姿になった狐は幼い頃の雲禾そのものだった。しかし雲禾は過去の記憶を失い、自分のことも林昊青のことも何も覚えていない。「生まれ変わったんだな…」すると雲禾は美しい真珠を一粒、大事そうに握りしめていた。思語は長意の涙だと気づいて回収しようとしたが、林昊青は持っていても構わないと許す。「君の名は″阿紀(アキ)″、私は君の師父だ」「師父!」北淵での戦が失敗に終わり、姿絵に封印される悪念は苛立ちを隠せなかった。しかし寧清は汝菱(ジョリョウ)の顔の傷を治すことに執着し、全く話を聞こうとしない。痺れを切らした悪念は寧悉語にとって最も大切な弟子は寧若初だけだと挑発したが、憤慨した寧清は出て行ってしまう。「好きにしろ!」悪念は汝菱の夢の中に入り込み、最も恐れる幻覚を見せた。…師父と弟に見捨てられ悲しみに暮れる汝菱、するとどこからともなく声が聞こえてくる『力を持たねば誰からも侮辱される、力こそが全てなのだ 踏みにじられる弱者のままでいるか?それとも万民に君臨する仙姫に戻るか?』『力をちょうだい、ここから出して!』『ここを出たいのなら他人の霊力を奪うのだ』すると汝菱の手の平に不思議な力が宿る…汝菱はそこで目を覚ました。夢を見ていたのだと分かったが、ふと手の平を見ると本当に力が宿っている。その時、仙娥が薬を持ってやって来た。汝菱は試しに手の平の力を使ってみると、驚いたことに本当に霊力を奪うことができる。つづく( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!まさかアクアクだったとは!w
2023.09.04
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第9話洛錦桑(ルオジンサン)に紀雲禾(ジーユンファ)を助けると約束した空明(コウメイ)。しかし北淵(ホクエン)と万花谷(バンカコク)の戦を止めたいという雲禾の強い意志に共感し、一度だけ霊力を奮起させる薬を渡した。「だが戦を阻む方法はあるのか?」「その前に会っておきたい人がいるの」その頃、父を弔った狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は位牌の前で敵討ちを誓っていた。すると空明が父を殺した紀雲禾を連れて現れる。興奮して今にも雲禾に掴みかかりそうな卿瑤、しかし空明が止めた。実は雲禾は狐王の霊を慰め、長意(チャンイー)を救う方法を伝えるために来たという。「従棘所(ジュウキョクショ)に捕らわれていた時、仙師から聞いたの、鮫族は霊力を回復できると… 鮫珠が長意の身体に戻れば、あるいは失う前より強い霊力を取り戻せる 私は争いを阻止したいだけ、この美しい北淵で皆に楽しく酒を飲んで欲しい」御霊師たちは自分たちが寒霜(カンソウ)で操られていると知り、そのせいで士気が下がっていた。両軍の共倒れを狙う朱凌(シュリョウ)は撤退させるつもりなど毛頭ないが、そんな敵軍の変化に長意が気づく。そこで兵を退く引くなら林昊青(リンコウセイ)を引き渡すと提案した。「長意!我々も不本意だが戦わざるを得ないのだ!」瞿暁星(クギョウセイ)はついに号令をかけ飛び出した。その時、雲禾が空明と卿瑤を連れて両軍の間に割って入る。「やめて!」長意は雲禾の元気な姿に驚き、急いで駆けつけた。雲禾は林昊青が北淵に進行した目的は仲間たちを帰順させるためだと明かした。仙師から寒霜を強制された時からすでに万花谷の負けは決まっていたという。「今後も支配され続けていいの?!」すると空明は自分が寒霜を抑える薬が作れると伝えた。実は以前、助けた御霊師たちは薬を飲んで健やかに暮らしているという。しかし長老は御霊師を恨んでいる地仙たちが自分たちを受け入れるとは思えなかった。そこで卿瑤が御霊師たちを安心させるため、自分たちの敵は父の霊丹を砕いた仙師であり、仙友たちを脅かしたのは順徳仙姫(ジュントクセンキ)だと伝える。「ここに誓う!北淵に帰順し、共に戦いたいと願う御霊師を快く受け入れ、決して傷つけないと!」雲禾は寒霜に侵されようと正義や希望まで失うわけではないと叱咤し、自分たちの魂は永遠に自由だと訴えた。(」゚ロ゚)」<自由だぁあ~~~~~~!!! ←違うw長意は尊主として争いより手を携えることを望み、北淵に加わる者を決して裏切らないと約束した。すると真っ先に瞿暁星が帰順を表明、御霊師たちは次々に剣を捨てて追従する。雲禾たちは平和的解決に安堵したが、そこへ仙姫の仙侍・朱凌(シュリョウ)が現れた。朱凌は投降した万花谷軍に激怒、仙姫から授かった術で御霊師たちの寒霜を発動させてしまう。「ぶっはははは~!薬があると言ったか?御霊師3000人を一度にどうやって救えるかな?」その時、意を決して雲禾が舞い上がった。雲禾は御霊師たちの暴走する寒霜を止めるため、霊力を全て使い果たした。驚いた長意は落下する雲禾を抱き止めたが、その隙に朱凌は逃げてしまう。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)…本当に風になれた…」「雲禾…暖かい雲苑(ウンエン)に戻ろう」その頃、無妄窟(ブボウクツ)にいた林昊青(リンコウセイ)と思語(シギョ)は戦鼓の音が止んだことを訝しんでいた。するとふいに風が舞い込み、林昊青は雲禾の散った霊力だと気づく。「まさか…」長意は雲禾を連れて湖心島に戻った。すると雲禾はこのまま外で雪が見たいという。「私は君を許していない、死なせないぞ!」しかし雲禾は激しく喀血した。必死に自分の霊力を送る長意、その悲痛な面持ちを見た雲禾は最後の力を振り絞って長意の頭に手を伸ばす。「なでると…楽に…なるわ…」その時、雲禾は心海の中で長意の幻影にようやく全てを明かした。…本当は言いたかった、私は裏切っていないと…でも言えなかったの、大局のため嘘をつき、自分の心も偽った…怖かったの、私のした事全てが誤りに思えて…あなたを騙し、去るよう仕向けたこと、崖であなたを刺して絶望させたこと…あなたの純粋な心を引き裂き、別人のように変えてしまった…今さら言っても無駄ね、私たちはもう戻れない『大尾巴魚、私を忘れてどうか楽になって欲しい』すると雲禾の手が力無くだらりと落ちた。空明は洛錦桑を連れて湖心島へ駆けつけた。するとちょうど雲禾の体内にあった鮫珠が長意へ戻る様子を目撃する。それは雲禾が息絶えたことを意味していた。「雲禾…目を開けて…起きるのよ…」洛洛は雲禾に呼びかけた。「騙しているんだ、いつも嘘ばかりつく、あの時も私を逃がそうと嘘をついて刺したんだ 今度は自由になるために死んだふりをしている」雲禾の死を受け入れられない長意、その時、激怒した洛洛が長意を突き飛ばして雲禾を奪った。「あなたのせいよ!全てあなたのためだと知っていたのに、なぜ雲禾を閉じ込めたりしたの?! 雲禾はあなたのことが一番好きだった、でもあなたは譲歩しなかった 雲禾は最後まであなたを助けたのに…」しかし長意は洛洛から雲霞を取り返し、黙って雲苑に入ってしまう。長意は雲禾を寝台に寝かせて結界で身体が消散しないよう守った。「過去の事などどうでもよかった…君をどうしても留めておきたくて 結局、どこへ閉じ込めようと君は離れて行ってしまうのか? …お願いだ、私をまた1人にしないでくれ」長意の涙は大きな真珠となり、床にこぼれ落ちた。長意は雲苑を封印、洛洛は中に入れなかった。空明は泣きじゃくる洛洛をなだめ、これも天意であり雲禾の願いだったと言い聞かせる。その時、洛洛はふと気づいて空明と距離を取った。「雲禾を守ってくれると約束したはずよ?…だましたのね?」「…すまない」「もう2度と会いたくない、責任も取らないから…」すると洛洛は逃げるように去ってしまう。洛洛は青(セイ)姫を頼ったが、すでに出立した後だった。…楽游山(ラクユウザン)にへ帰るわ、縁があればまた会いましょう…。゚( இωஇ )゚。<みんな去ったぁぁぁ~一方、卿瑤は父の位牌に雲禾が亡くなったと報告していた。最期まで北淵を案じていた雲禾。卿瑤は雲禾を誤解して偏見を持ち尊大だったと反省し、ようやく大局を理解できたという。「父王の仇敵は必ず討ちます、でもやはり自分の過ちが悔やまれます」雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)が玉露霊芝(ギョクロレイシ)を手に入れて帰ってきた。しかし悲嘆に暮れる洛洛の様子で間に合わなかったと知る。一方、汝菱(ジョリョウ)は独りでのこのこ帰ってきた朱凌に激怒した。「またしても失敗するとは!」「仙姫!お待ちを!紀雲禾が死んだのです!それで急いで戻りました!」汝菱は急に機嫌を直したが、その時、三月から訃報を聞いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが現れる。すると汝鈞は朱凌に最も重い罰を与え、姉を閬風巓(ロウフウテン)へ連れて行った。汝菱は両親が混沌へ戻った時、この菩提樹に弟の元神を入れて世話をした。「この中に肉親がいると思えば寂しさが紛れたわ」「そうだ、懸命に守ってくれた…だが過去の話だ」汝鈞は姉の堕落ぶりを嘆き、心を入れ替えて欲しいと訴えたが、その思いは届かなかった。「紀雲禾は私の顔を傷つけ、仙師は私を身代わりにした、私を侮辱したの 失った物を取り返して何がいけないの?」姉に全く悔いる気持ちがないと知った汝鈞は北淵の出兵が天道に背くとして姉の仙号を剥奪、禁足を命じた。汝菱は猛反発、しかし菩提樹が放った強力な霊力の仙縄で拘束されてしまう。「これは両親が植えた木、霊性の宿る木も姉上に怒っているようだ …また過ちを犯した時は姉上を捨てる」楽游山では青姫が独り酒に溺れていた。雲禾が亡くなってから届いた思わぬ知らせ、実は寧若初(ネイジャクショ)は約束を破ったわけではなく、寧清(ネイセイ)に殺されたという。…若初、寧清が弱りきった時を待つわ、その時、あなたと共に敵討ちをする…つづく( ;∀;)ぁぁぁぁぁ~
2023.09.03
コメント(0)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第24話「一世一代の決断」長秋(チョウシュウ)宮で五公主からいきなり罰を受けそうになった程少商(チォンシャオシャン)。すると駱済通(ルオジートン)が現れ、皇帝が程娘子を宴に呼んでいるため遅れてしまうととりなした。おかげで難を逃れた少商だったが、穏やかな皇帝や皇后を思うと五公主がなぜあれほど横暴なのか分からない。実は駱済通は長水校尉・駱住(ルオジュー)の娘で数年前から五公主の伴読だった。五公主は天下平定後に生まれた末娘のため兄姉ほど苦労を知らず、裕福に育ったせいでわがままなのだという。「宮中は掟に厳しい、貴人の噂話はこの辺で…家族にも災いが降りかかるわ」「ご教示ありがとうございます、でも幸い2度と宮中に来ることはありません」駱済通は少商を宴の席に案内して下がった。隣の席にはあの意地悪な王姈(ワンリン)が座っていたが、もはや少商にとって嫌味な王姈を負かすのは朝飯前。すると思いがけず犬猿の仲の五公主と三公主が舌戦になった。少商は手持ち無沙汰で隠し持っていた焼餅(シャオビン)を食べ始めたが、五公主に見つかり、焼瓶の盗み食いとは何事かと叱責されてしまう。これに乗じて王姈は出征した両親が娘を躾けず少商はただの野生児だと蔑み、初めての参内で宮中の掟など知らないと馬鹿にした。しかし少商は怯まず、開き直ってさらに焼瓶を頬張る。「これは瓶ではなく黍(キビ)ナンです、皇帝と皇后が倹約されているのにご存じないと? 確かに公主は驕(オゴ)り高ぶる尊い娘、毎日、宮中に閉じこもっていれば見識も狭くなりましょう(うっ)何だかお腹が痛くなって来た…失礼します」少商は公主をやり込め回廊へ出た。しかし後を追いかけて来た侍女が少商の履き物を取り上げ、放り投げてしまう。少商は相手にするまいと胸を張って堂々と取りに向かったが、侍女がさらに遠くへ投げた。すると前と後ろから現れた侍女がいきなり花瓶を放り投げ、少商の足元は割れた破片だらけになってしまう。その様子を公主たちが笑いながら見ていた。少商は破片を避けて行こうとしたが、突然、背後から侍女に蹴られてしまう。「あっ!」破片の上に顔から落ちていく少商、その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、危ないところで少商を抱き留めた。( ๑≧ꇴ≦)アルソック発動!凌不疑は少商を欄干に座らせ、自ら履き物を履かせた。思わぬ援軍の登場にざわつく公主たち、しかし偶然その様子を見ていた駱済通は心中おだやかでない。実は以前、皇后は駱済通を凌不疑に嫁がせたいと明かしたことがあった。凌不疑は悔しがる公主たちを尻目に少商を自分の横の席に座らせた。三皇子は皇太子のそばに若い娘を座らせるとは何事かと呆れたが、五皇子は愛らしい少商が気に入り、自分の妾にならないかという。「五殿下、ご心配なく、少商にはもう縁談話があります」「子晟(ズーション)偽るな、楼(ルオ)家とは破談になったであろう?」「そうです、つまり私が娶れるようになったのです」(´゚ω゚):;*.’:;.. ブハッ!<凌将軍、落ち着いて…少商は凌将軍の発言に思わず咳き込むと、ちょうどそこへ皇帝が両親や万(ワン)伯父たちを引き連れてやって来る。程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の姿を見つけて仰天、少商も目で父に助けを求めたが、話は意外な方向へ進んだ。凌不疑は席を立っていきなり御前で跪くと、皇帝に嘆願した。「陛下、陛下は私の親代わり、程四娘子へ縁談の申し込みを…」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン@程家皇帝は意外にも早い展開に大喜びし、早速、程将軍に縁談を申し込んだ。言葉に詰まる程始、その時、蕭元漪が撤回を求めた。蕭元漪は夫と共に跪くと、若き英雄である凌将軍に娘は不釣り合いだと訴えた。「娘は幼少より躾に欠け、目も当てられません 私の帰還後も学問、練武、どれもだめで、女徳にかけ、口さがない 厳格にしたくとも目上の者に従おうとしません もし娘が他人なら、こんな嫁を程氏は決して迎えないでしょう 程氏の他の娘が陛下のご厚情を賜れば、我らは心から誇りに思います 陛下、少商は好戦的で容赦ありません もし凌将軍に嫁いだら大きな災いを起こし、程氏一家に累を及ぼすやも… 陛下、素晴らしい縁談でも少商にとっては身に余ります」程始はそもそも出征で娘の躾を疎かにした自分たちの責任だと少商をかばったが、蕭元漪は容赦無く娘を貶めた。「凌将軍は娘と出会って日も浅い、娘は聡明そうに見えて口八丁で軽率でもあります」傍観していた三皇子もさすがに驚きを隠せず、思わず口を挟んだ。「子晟に嫁がせまいとこれほど我が子を貶めるとは… 都中の女子が競って子晟に嫁ぎたがるが、程家だけが皇命に逆らってまで拒む 程夫人が悩み抜いたあげくか、子晟を恐れているからか」すると衆人の前で顔を潰された皇帝は憤慨、程始に罰を与えようとしたが、慌てて皇后と凌不疑が止めた。少商はこのままでは家族を巻き込んでしまうと焦った。「陛下、母の言うように私は問題児です、到底、従順な妻にはなれません 凌将軍、あなたは将来、私より何千倍も素敵な妻を娶れるはずです 私は強情で人の話に耳を貸さず、服従もしない、それでも妻にしたいと望みますか?」「もちろん、君にとって私がそんなに立派に見えていたとは…君とて同じ 私にとって程少商はこの都城で最も素晴らしい女子だ」不疑は少商が世間の理想の妻と違っても、自分にとっては誰より勝る女子だと訴えた。「君は純粋で果敢、感情を惜しみなく表し、唯一、自分と肩を並べて歩める女子だ この凌不疑、生涯、他の女子を娶ることはない」すると少商は一世一代の決断を下した。「臣女、厚かましくも凌将軍に応じます!」皇帝はすっかり機嫌を直し、これで誰も2人の縁談を反故にできないと釘を刺した。曲陵(キョクリョウ)侯府へ戻った少商、すると蕭元漪は勝手に縁談を承諾した娘への怒りがふつふつと沸き上がった。しかし少商は楼垚(ロウヤオ)との縁談を壊すため凌将軍を持ち出し、凌将軍が求婚すればまた不満なのかと呆れる。「不満なのは私が選んだ相手?それとも娘の私ですか?」蕭元漪は激高して机を叩いたが、程始が鎮めて代わりに説明した。実は凌不疑の実母・霍君華(フォジュンホワ)は霍翀(フォチョン)の妹として栄華を誇っていたが、哀れな末路を迎えていた。15年前、霍将軍は皇帝が危機の際、孤城で戾(レイ)帝の20万軍を足止めしたという。しかし城門が破られ霍家はほぼ全滅、霍夫人と凌不疑は行方不明になった。城陽(ジョウヨウ)侯は結局、寄宿中の母方の従妹・淳于(チュンユー)氏を後添えに迎えたが、成婚後1年も経たずに霍夫人が凌不疑を連れて戻って来たという。霍家の功績を思えば本来、離縁させるところだが、淳于氏が汝陽(ジョヨウ)王妃と昵懇(ジッコン)のためできなかった。蕭元漪は淳于氏という姑など心配の種の一つに過ぎないと言った。むしろ心配なのは凌不疑本人、楼垚と違って揺るがぬ意志を持ち、決めたことは貫くという。「あなたも強情なのに、頑固者同士で夫婦になれると思う?」確かに城陽侯府は虎穴なのだろう。しかし少商はあの時、他に選択肢などなかったと言った。「阿母は厄介な婿を拒みたいあまり、私を価値がないほどまでに貶めた でも私にも自尊心や誇りがあり、堂々と生きたい …阿母、縁談の相手が堂姉なら今日のように衆人の前で辱めましたか?」「ゥッ…姎姎(ヤンヤン)は心配する必要もない!」蕭元漪は自分でもやり過ぎだったと分かっていたが、娘に煽られやり返してしまう。そこで程始はこれも皇帝を説得するための苦肉の策だったと言い訳した。「いくら傷ついたからと言って意地になって応じるとは…」「意地じゃない、真剣に考えました」少商は例え誰に嫁ごうと母の心配が絶えないのなら、早く嫁いで憂いをなくしたいという。「嫁ぐ相手を間違えたら一生、不幸になるのよ?!」「皇命に背いて一門が没落するより私一人が不幸な方がましです …放置されたことを恨んだこともありました、でも分かったのです、私も孝行娘ではありません だからお互いに負い目はない、私を置き去りにして得た栄華を壊す必要はないわ それでは私が生まれたこと自体、滑稽に思えて来る…」少商の言葉を聞いた蕭元漪は何も言い返せなかった。「自分で決めた縁談に悔いはない、迷惑はかけません」「はお…はお!いいわ、凌不疑に嫁ぎたいなら希望を叶えましょう」つづく(´-ω-。` )おう…少商があまりに不憫で初めて挫折しそうになった…善見が出てこなかったのにwでも原作通り中身がタイムスリップ?した人だと思うと腑に落ちるわ
2023.09.02
コメント(1)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第23話「皇宮へ参上」療養中の凌不疑(リンブーイー)を見舞うため父と凌府を訪ねた程少商(チォンシャオシャン)。しかし広大な屋敷はいかつい黒甲衛(コクコウエイ)が警固し、殺伐とした正殿はさながら軍営のようだ。「女子の使用人もいない…」「君が女子では?」その時、ふいに凌不疑が現れ、程始(チォンシー)と少商は緊張のあまり身体を硬直させた。「…女子は君一人で十分だ」(°_°)ハイ?凌不疑は少商の来訪を喜んだが、程将軍を見ると不機嫌になった。少商は足が震えてどうにも落ち着かず、早々に引き上げようと父に目配せする。そこで程始はゆっくり静養するよう社交辞令でごまかし、娘を連れて逃げるように帰った。しかしあと少しで門というところで梁邱起(リャンチゥチー)に呼び止められてしまう。「これは女公子の落とし物ですか?半分が見つからぬため探して欲しいと…」少商は例の割れた玉佩だと気づき、仕方なく引き返した。すると父だけ黒甲衛に囲まれ、足止めされてしまう。「程将軍は怪力の持ち主で十人力だとか、教えを乞うても?」程始は自分が邪魔なのだと察し、家で用事があると断って娘を置き去りにした。(^ꇴ^)ノ″<嫋嫋(ニャオニャオ)~気をつけるんだぞ!(°_°).oO(そういう感じ?凌不疑は玉佩で少商を脅し、連れ戻した。「私が怖いのか?父親を連れて見舞いに来るとは…」少商は自分一人で来なかったことが不服なのだと気づき、うつむいてしまう。「古傷を痛めたのに見舞いも渋々か…」「…まだ痛みますか?」「武術に支障がないか聞かないのか?」「武術ができるかどうかは二の次でしょう?」凌不疑は驊(カ)県でも痛いかどうか聞いてくれたのは少商だけだったという。「君は特別だな」すると思いがけず皇太子が裕昌(ユーチャン)郡主たちを連れて見舞いにやって来た。少商はこの機に乗じて帰ろうとしたが、皇太子たちがすぐ正殿に到着し、逃げる機会を失ってしまう。袁慎(ユエンシェン)は皇太子をけしかけ、一緒に見舞いにやって来た。すると王姈(ワンリン)が皇太子に楼(ロウ)家と破談になった程四娘子だと紹介し、次の目当ては凌不疑かと毒づく。しかも自分の奴婢が程氏客桟のそばで少商と男が密会しているのを見たと辱めた。袁慎は自分のことだと思い出し、師匠の伝言を少商に託しただけで他意はないと釈明する。ただでさえ居心地が悪い中、王姈に侮辱され踏んだり蹴ったりの少商。「男女の卑猥なことしか頭にないから誰もが淫らだと思うのかしら? 袁公子とやましいことがあれば馬車にひかれて死ぬわ! 凌将軍、どうぞお大事に!失礼します!」袁慎も袁氏の栄誉に関わる流言だと憤慨、改めて説明を求めると言って帰ってしまう。不疑は少商との時間を邪魔され怒りが収まらず、王姈を節穴だと罵しり追い返した。その頃、凌府にちょうど三皇子と側近の小越(ユエ)侯が到着した。すると正門から皇太子が慌てて出て来る。「何かあったのですか?」「裕昌が子晟(ズーション)のことで傷ついてな…思い詰めるやもしれぬ」三皇子たちは皇太子を見送ったが、その間に医者らしき男が凌府へ入ったかと思うと正門が閉められてしまう。「若主公は休んだばかりのためお待ちを…」「ならば戻るとしよう、舅父が上等の薬を求めた、子晟に煎じてくれ」実はその医者は15年も行方知れずだった霍(フォ)家軍の伝令官だった。韓武(ハンウー)は凌不疑と面会、逃亡兵としてどんな罰でも受けると拝跪した。しかし逃げ回っていたわけではなく、同袍と接触すれば殺される危険があり、名を隠して市井に紛れていたという。「″凌 将 軍″…ご無事で何よりです」孤城が破られ霍家が全滅した時、韓武は救援を求め城外にいた。当時、孤城の兵器は劣悪な物にすり替えられ、抵抗するのも困難だったという。霍将軍は仕方なく伝令官を近くの越氏部曲と乾安(ケンアン)王の軍に派遣したが、結局、援軍は到着せず、孤城は陥落した。実はあの日、城外に瘴気(ショウキ)がこもり、越氏と乾安王が進軍不能となって3日遅れたという。確かに小越侯は一隊を率いて瘴気を探りに行くも全滅したと報告したが、韓武は後日、出動した戦馬が兵営にいたという目撃証言を得ていた。「瘴気に毒あらば、なぜ人は死に馬だけ無事だったのでしょうか?」妙なことはもう一つあった。瘴気が散ってから軍医たちが検視のため林に入ったが、なぜか軍医たちは全員、失踪したという。「私に軍医たちの捜索をお命じください」「許可しよう」少商と袁慎の噂は皇帝の耳にも届いていた。すると文(ウェン)帝は立ち話だけで噂になる袁公子に比べ、命を助けた子晟とはなぜ噂が立たないのかと苛立つ。( ゚ェ゚)<いやそこですか?@皇后「ようやく子晟の目に適う女子が現れたのだ、仲を取り持ちたい」そこで早速、程娘子に参内を命じ、接見することにした。翌朝、程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は少商を連れて参内することになった。凌不疑を見舞ったと思えばいきなり皇帝との謁見、蕭元漪は嫋嫋が何かやらかしたのではないかと気が気でない。そんな母の心配などどこ拭く風、少商は馬車に揺られながらこっそり持って来た焼餅(シャオビン)をつまんでいた。皇帝と皇后は正直で素直な少商を気に入った。蕭元漪は出征している十数年の間、娘の躾けが疎かになったと謝罪したが、皇后は学業が疎かになっていても賢いのかと感心する。「お褒めに感謝します、皇后ってなんて美しいのかしら…」少商は母と違ってありのままの自分を受け入れてくれる皇后を敬愛し、思わず口を滑らせた。慌てる蕭元漪だったが、皇帝はならば母と皇后ではどちらが綺麗かと聞く。「皇后!」「なかなか面白い子だ」皇帝は喜び、一家を家族の昼餉に招いた。そこへ万(ワン)将軍が参内して崇徳(スウトク)殿で待機していると知らせが来る。皇帝は程始たちも同行するよう命じ、少商は皇后の長秋(チョウシュウ)宮で休むことになった。長秋宮の偏殿、少商は普通の民家とは全く違う造りの宮殿に興味津々だった。書卓はどうやら楡(ニレ)の木で作られているらしい。「皇后は倹約しているのね…」その時、五公主がすごい剣幕で皇后の寝殿に入って行った。五公主は父皇が決めた縁談に不満があり、母を訪ねた。「父皇は越姮(ユエホン)とその子供しか眼中にない、朝廷内外でも越姮が真の皇后だと噂してるわ」「ふぁんすー(放肆)!」皇后は思わず声を荒らげ、人払いした。「誰が離間させるようあなたをそそのかしたの?」実は自由奔放な五公主は幕僚と称してお気に入りの郎君の出入りさせており、何かと噂が耳に入って来るという。皇后は縁談が決まった娘が郎君たちと往来することを叱責したが、五公主は縁談を断ると言い出した。「越姮の甥は三公主の宣(シュエン)氏駙馬にも劣ります、私には放蕩息子をあてがうなんて…」皇帝は娘を皇后の宣氏と越妃の越氏に嫁がせることで帝家の結束を強めたいと願っていた。三公主は母の寝宮を訪ね、五公主が慌てて長秋宮に駆け込んだと失笑した。自分が子晟を慕いながら父皇に命じられ泣く泣く嫁いだ以上、当然、五公主も断って良いはずがない。しかし宣氏駙馬は功績もあり清く正しい家門で人柄も立派、三公主にはもったいない相手だった。片や小越侯の息子は四六時中、花街に入り浸り、五公主でなくても嫁ぎたくないだろう。越妃は五公主に同情し、舅父の家で育った三公主が長秋宮への恨み言を吹聴されたせいで敵対するのだと分かっていた。「私の願いは静かで平穏な日々よ、騒ぎを起こさないで…でないと守ってやれないわ」五公主は凌不疑も身を固めていないと訴え、不公平だと言い出した。「実の子以上に寛容なんて…もしや凌不疑は父皇が外に作った子なのでは?!」皇后は娘の妄言に激高したが、わがままな五公主の暴言は止まらない。「霍翀(フォチョン)はたかが舅父ですよ?大勢死んでもそれは母方 自分の両親は生きているのに近づこうともせず、宮中に居座って私の両親を奪うなんて…」「お黙り!本当に罰を与えるわよ!」少商が偏殿の装飾品を見ていると、急に皇后の寝殿の門が開いて大きな声が聞こえた。<私は男子のごとく功績を立て、大事を成し遂げたいのです!婚姻を強要するなら死にます!<何ですって?!少商は何事かと様子を見てみたが、ちょうど激怒した皇后が五公主を置いてどこかへ行ってしまう。すると五公主が偏殿にいる少商に気づいた。「ちょっと!盗み聞きしたわね!…無礼者!」五公主は見知らぬ娘に罰を与えようとしたが、そこへ五公主の伴読が現れ、とりなした。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははははは~腹抱えて笑った!パパが好きだわ〜
2023.09.01
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第8話100年に一度しか現れない無量金雷に見舞われた雪三月(セツサンゲツ)と離殊(リシュ)。三月は離殊を突き飛ばして逃したが、離殊はすぐさま戻って三月を抱きしめかばった。しかし危機一髪のところで天君・汝鈞(ジョキン)が仙令を放って2人を金雷から救ってくれる。2人は無事だったが、金雷が直撃した仙令は身代わりとなって砕けた。三月は天君が先帝の法宝を犠牲にして自分たちを守ったと知り、どう償えば良いのか分からなかった。しかし汝鈞は罰を受けるなら使うと決めた自分だという。「今日1人を見捨て、明日は千人、万人の命を見捨てれば、私は永遠に衆生を救えまい 仙令や神兵がなくとも、世を救う決意は揺るがぬ」こうして新たな悟りの境地を開いた汝鈞、すると急に仙令の破片が飛び散り、また新たな図を示した。汝鈞は玉露霊芝(ギョクロレイシ)が成熟したと確認、自ら摘み取って三月に託した。「紀雲禾(ジーユンファ)に届けよ、いずれまた会おう」汝鈞は三月たちを見送ると、しみじみこれが合虚(コウキョ)神君の言う″縁″なのだと感慨深かった。一方、雲禾は林昊青(リンコウセイ)と一緒に逃亡を決意、呪符を使って烙印の効果を消した。「長意(チャンイー)…私は行くわ」ちょうど同じ頃、林昊青に呼応した御霊師が敵陣に夜襲をかけ、長意たちを引き付けた。雲禾はその間に無妄窟(ブボウクツ)へ潜入、護衛を倒して林昊青と合流する。しかし思いがけず狐王・卿玄(ケイゲン)が狐族を率いて現れた。雲禾は狐王が目を覚ましたと知り驚いた。ともかく和睦のために逃して欲しいと懇願したが、狐王の目的は長意を惑わし娘を苦しめる雲禾を始末することだという。「林昊青と紀雲禾を殺せ!」その頃、長意と空明(コウメイ)は高台から戦況を見ていた。しかし御霊師は進んでは戻り、挑発しているように見える。「陽動作戦か?…しかし目的は?」すると洛錦桑(ルオジンサン)が現れた。「大変よ、雲禾が林昊青と脱走して狐王に見つかったわ」「狐王?」雲禾はこのままでは術の効果が切れ、長意に気づかれると焦った。そこで隠魂針(インコンシン)を招喚、自分たちを解放するよう脅す。狐王は雲禾が妹の霊力を奪ったと誤解し、思わず襲いかかった。驚いた雲禾は咄嗟に師兄をかばって盾になったが、その時、卿舒(ケイショ)からもらった霊力が反応、狐王は激しく吹き飛ばされてしまう。狐王は九尾狐の霊力が雲禾を守ったことに驚きを隠せなかった。実は霊力はおのずと主を守る。林昊青はこれで卿舒自ら雲禾に霊力を与えたことが証明されたと言ったが、激情に駆られた卿瑤(ケイヨウ)は2人を殺せと命じた。林昊青は咄嗟に結界を開いて別の洞窟へ移動した。そこで偶然、谷主を心配して探しに来た思語(シギョ)と合流するが、すぐ追っ手に囲まれてしまう。すると知らせを聞いた長意が現れた。「これが目的だったのか…全ては逃げるための手段だったとは…結界を緩めるべきではなかった」雲禾の計画は失敗、結局、衰弱した身体で再び湖心(コシン)島に監禁され、林昊青と思語は牢に閉じ込められてしまう。狐王は卿瑤の与えた霊力で一瞬、息を吹き返しただけだった。すでに霊丹が砕けて死んだも同然だったことから、空明はもうもたないと宣告する。奇鋒(キホウ)はこれも全て長意が紀雲禾を連れて来たせいだと八つ当たりしたが、長意はそもそもなぜ狐王の蘇生を隠していたのかと怪しんだ。「その間、雲禾を監視し、牢へ行くのを見届け、牢破りの罪で殺すつもりだったのか?!」その時、狐王がふいに意識を取り戻し、紀雲禾の殺害を謀ったのは自分だと明かした。狐王は霊丹が砕けた長意を救ったのは自分ではなく娘だったと明かした。あの時、卿瑤は人像(ヒトガタ)を失う覚悟で自分の霊力の半分を長意に与えたという。しかし卿瑤は恩を売ることを嫌がり、これまで父が助けたことにして隠していた。狐王は娘の恩に報いて欲しいと哀願し、長意に卿瑤と北淵を託して死んでしまう。林昊青と思語の牢に長意がやって来た。長意は全て林昊青の仕業だろうと激怒、頑なに雲禾は渡さないと拒む。すると林昊青は雲禾が計画を明かそうとしないのは長意を他人だと思っている証しだと指摘した。「雲禾との縁は尽きたのだ、手放せ、お前では守れぬ」「紀雲禾は私が守る!」林昊青は長意が出ていくと早速、瞿暁星(クギョウセイ)に伝令符を放った。狐王の死で北淵と万花谷は一触即発、何とか衝突を避けなければならない。一方、大殿に集まった狐族は狐王の復讐を果たすべく、紀雲禾を殺して開戦しようと声を上げていた。知らせを聞いた長意は騒ぎを鎮めるため凄まじい法力を放って狐族を圧倒、紀雲禾に手を出すことは許さないという。そして恩返しとして卿瑤に自分の半生分の霊力を一方的に返した。「その霊力があればこの戦いで命を落とすことはない、北淵は私が責任を持って守る これで狐王との約束は果たした、その代わり誰も私から雲禾を奪うことはできぬ!」↓スタイリストさん、もうちょっと何とかならなかったのか朱凌(シュリョウ)は瞿暁星が林昊青の命令に従って勝手に動いていることに激怒した。「逆らえば皆、寒霜(カンソウ)で死ぬことになるぞ?」「寒霜とは何だ?」その声は長老の東濂(トウレン)と木沢(ボクタク)だった。2人は谷主が捕らわれたと聞いて駆けつけたが、そこで思いがけず朱凌の口から″寒霜″という流言を聞く。しかし朱凌は説明するのも面倒だと言い放ち、瞿暁星に北淵を攻めろと命じた。木沢は谷主の命にしか従わないと猛反発、すると激怒した朱凌は木沢の寒霜を発動させてしまう。「素直に従うんだな、私に逆らえばどうなると?」瞿暁星は解毒薬を渡すよう頼んだが朱凌は無視、木沢は見せしめとして死んでしまう。卿瑤は長意の仕打ちに動揺したが、空明は長意を追い詰めたのは卿瑤だと指摘した。北淵の敵は本来、仙師府であり、万花谷でも紀雲禾でもない。しかし卿瑤は長意が林昊青と結託して父を殺した雲禾をなぜ守るのかどうしても納得できなかった。「…世に矛盾は多く、人の心は複雑だ、時には目で見るより心で悟るべきなのでは? 狐王はもういない、今後どう歩むべきかは自分でよく考えて決めるしかない」雲禾は昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会した。すでに反発は心脈に迫り、余命はわずかだという。寧悉語はこれが万花谷と北淵の運命であり、雲禾には何もできないと言った。雲禾が目を覚ますと洛洛がいた。聞けば万花谷軍は朱凌が率いてすでに布陣しているという。卿瑤も敵討ちを叫び、今にも戦いが始まりそうだった。長意は雲禾を復讐から守るため恩返しという名目で半生分の霊力を卿瑤に渡したという。これまで運命に翻弄されて来た人生、雲禾は仙師が自分を手駒として使うつもりなら、徹底的に抵抗すると決意した。「洛洛、長意に会いたいと伝えてくれる?命が尽きる前に会いたいの…」洛洛は尊主の居所に駆けつけたが、長意は会わないと突っぱねた。「長意、前はあんなに素直だったのに、どうして心を隠すの?」「心を隠す?…隠しているのは誰だ?!」すると激高した長意は方術で洛洛を外に放り出してしまう。…雲禾、私は最初から間違っていたのか?…( ゚ェ゚)知らんがな長意に追い出された洛洛は回廊でばったり空明と出くわした。そこで願いを聞いてくれるならもう2度と煩わせないと誓う。「雲禾を逃して欲しいの」洛洛の涙を見た空明は情にほだされ、思わず同意してしまう。長意は雲禾に会う勇気がなかったが、外から雲苑を眺めていた。すると青(セイ)姫が現れる。「雲禾を自分のそばに置くことで満足できると思っていた しかし身体も心も弱り、生気のない姿を見ると考え違いをしていたのかと思う」「愛に正解も誤りもない、でも失って後悔するのは耐え難い苦痛になるわ」青姫は雲禾と長意には自分と違う結末を迎えて欲しいと期待したが、その時、万花谷軍の戦鼓が聞こえて来た。「前輩、行かなくては…この戦が終わったら紀雲禾を解き放ちます その時は2人であなたと酒を酌み交わしたい」雲禾は阿鳴(アメイ)に書簡を託し、全て終わったら渡して欲しいと頼んだ。そこへ突然、空明がやって来る。阿鳴は預かった書簡を持って帰ると、空明は洛錦桑に頼まれて来たと教えた。「北淵と万花谷が戦えば共倒れとなる、仙師と順徳(ジュントク)の思う壺だ それを阻止するため、君に手を貸そう」「昔のよう戦える方法はある?あるのでしょう?」確かに残った霊力を奮起させる丹薬があった。しかし体内の生気を全て失い、最後は激しい痛みの中で死ぬことになる。「自害と同じだぞ?」「護法としてそんな死に方も悪くないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)師兄、ペース配分!結界を開いたならせめて林まで逃げて欲しかったわwww
2023.08.31
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第7話長意(チョウイ)は万花谷(バンカコク)軍から紀雲禾(ジーユンファ)の引き渡しを求められるも拒否した。そこで林昊青(リンコウセイ)をよく理解する雲禾が布陣を読み解き、3陣営を長意・空明(コウメイ)・青(セイ)姫がそれぞれ攻めてはどうかと提案する。空明は賛成したが、長意はもしや雲禾が自分に鮫珠を返すための口実ではないかと疑った。「そんな風に考えないで、総帥には強い霊力が必要でしょう?」「…はお、ならば必ず1時(トキ)で戻ってくる」「え?!それじゃまた口移しするの?!私も手伝うわ!」空明は洛錦桑(ルオジンサン)の思わぬ言葉に驚き、慌てて連れ出した。一方、敵陣から戻った思語(シギョ)は林昊青に北淵(ホクエン)との交渉が決裂したと報告した。紀雲禾が監禁されている湖心(コシン)島の警備は厳重、その上、紀雲禾の耳には鮫人の烙印がついていたという。「危機を感知する烙印だとすれば連れ去るのは困難かと…」「ならばこちらから出向くまでだ」林昊青も雲禾が攻めてくるであろう3経路を特定し、わざと囚われの身となって凌霜台(リョウソウダイ)に潜入すると決めた。明朝、空明と洛洛が出発、長意も雲禾から鮫珠を取り戻した。雲禾は笑顔で長意を見送ったが、激しい反噬(ハンゼイ)に耐えられず血を吐いてしまう。実はこれも昏睡し、寧悉語(ネイシツギョ)と再会して当時の真相を聞くためだった。寧悉語は雲禾が自分と会うために鮫珠を取り出してわざと衰弱したと気づいた。『死の瀬戸際よ?』『ですから急いで話をお聞かせください…真相を確かめてから協力するか結論を出します』すると寧悉語は寧清との出会いから話し始めた。…あれは寧若初(ネイジャクショ)を連れて遊歴していた時のこと寧悉語と若初は人間界の竹林で偶然、ある少年を見かけた若初は自分たちに気づいて逃げ出した少年を悪霊だと誤解して追い詰めたが、寧悉語が止める実は寧悉語は少年に内なる霊力があると気づき、御霊師の末裔だと見抜いたなぜ人間界に落ちたのか分からなかったが、少年は両親も家もないという『私と一緒に来る?』寧悉語は少年を連れて万花谷へ戻り、″寧清″と名づけて直弟子としたしかし明るく活発な若初とは違い、孤独で卑屈に育った寧清は繊細で剣術に不向きだと分かるそこで寧悉語は寧清に剣術ではなく陣法を教え込み、2人の直弟子はそれぞれの個性を伸ばしながら成長したそしてやがてあの寧若初と青姫の騒動が起こる寧悉語は2人をかばったせいで指導が甘いせいだと非難を浴び、谷主失格だと断じられたこの機に乗じ、谷主の座を狙っていた林氏一派が皆を焚きつけ寧悉語を糾弾結局、寧悉語は修為を廃され、万花谷を追放されてしまう林氏は寧悉語を万花谷の汚点として痕跡を抹消し、やがてその名も忘れさられていった寧悉語は寧若初を苦しませないよう何も知らせなかったその後、自分を慕ってついて来た寧清と共に人間界を渡り歩き、かつて寧清が住んでいた人間界の家に逗留した時、風景や人々の暮らしなどを紀行文として書き残したという…雲禾は仙師が自分に読ませた紀行文が寧悉語のものだと知った。実は愛読していた広物書も寧悉語が万花谷で記したものだという。それにしても弟子になって情義に厚くなった寧清がなぜ暴虐な仙師になってしまったのだろうか。…寧悉語と寧清は人間界で御霊を行っていたすると寧清は次第に情け容赦なく、残忍な手段を取るようになったというこれも師匠が万花谷へ復帰できるよう、手柄を焦っていたせいだったそんな寧清を戒めようと思っていた矢先のこと寧悉語は林で凶暴な獣の悪霊に取り囲まれてしまう万花谷に助けを求めたが、救援が来ないまま深傷を負い、寧悉語は命を落とした寧清が師匠を発見した時にはすでに手遅れだった師匠を抱きしめ絶叫する寧清しかし身体が朽ちても寧悉語の元神は完全に消えることなく、広物集に一条の元神が残ったという寧清は寧悉語の死を受け入れられず、師匠を苦しめた者たちへの恨みを日に日に募らせた師匠を陥れた林氏、悪霊を放逐した万花谷、そして全ての発端となった寧若初と青羽鸞鳥(セイウランチョウ)の駆け落ち『誰一人、許すものか!この手であやつらを全員、葬ってやる!』寧清は万花谷に師匠の訃報を伝え、三日三晩の嘆願で帰還を許された思えばこの時から寧清は道を外れたのだろう寧清は寧若初を呼び出し、安住の地を得られると持ちかけて青姫を十方陣に封印させ、その後、寧若初を殺した…寧悉語は今や寧清に対抗し得るのは青姫だけだと訴えた。その時、不意に風が吹いて寧悉語は長意たちが勝利したと気づく。『そろそろ戻った方がいいわ』すると雲禾は寧悉語の瞳を通して戦況を見た。どうやら青姫と洛洛がいきなり本営に乗り込み、御霊師ではなく林昊青を捕縛したらしい。雲禾はこれも師兄の作戦だと見破った。それにしても寧悉語は青姫ではなく、なぜ自分に助けを求めたのだろうか。寧悉語は自分が天地の法則に逆らう存在であり、ここは五行の内ではないと教えた。『双脈という天地の法則に逆らったあなただけがここへ来ることができたの』『辛く苦しい運命だと諦めていたのに、こんな邂逅(カイコウ)が残されていたなんて… 少しだけ報われます』雲禾は協力を約束したが、その時、体内に鮫珠が戻って急に引き戻されてしまう。↓さすがにもうお腹いっぱいw長意は雲禾に口づけして鮫珠を戻した。約束通り1刻で戻るところは長意らしい。長意は気恥ずかしくて目が泳いだが、その時、ものすごい剣幕で空明が入って来た。「のんきだな!鮫人さえ無事に戻ればいいのk…(はっ)」空明は我ながら興奮して言葉が過ぎたと気づいた。聞けば洛洛が青姫と一緒に林昊青の陣へ行ったきり戻らず、心配らしい。そこへ洛洛が嬉しそうにやって来た。「雲禾!林昊青を捕まえて無妄窟(ブボウクツ)に閉じ込めたわ!」すると空明になぜ危険な真似をしたのかと激しく責められてしまう。雲禾と長意は空明が洛洛を心配するあまり怒っていると分かったが、当の本人は全く気づかない。「私が大手柄を立てたからひがんでいるの?」「…救い難いやつだ!」雲禾は林昊青と面会したいと頼んだ。長意は認めたが、その代わり1刻だけだと釘を指す。「過ぎたら踏み込むぞ」「分かったわ」しかし雲禾は約束の時間より早く戻って来た。「交渉はまとまらなかったの、状況は複雑ね、条件を話し合わなくては… 明日もう一度、ここへ来て話をするわ」「いや一度きりだ、あとは空明に任せる」その頃、林昊青は空気孔から伝令符を放った。…今夜、陽動作戦を決行せよ、騒ぎに乗じて紀雲禾を連れ出す…密かに伝令符を受け取った思語、そこへ焦った瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけた。「このままでは朱凌(シュリョウ)に軍を乗っ取られる、谷主を救出しよう!」思語は仕方なく伝令符を見せ、実は全て谷主の計画だと明かす。雲禾を解放すると知った瞿暁星は喜んで準備に向かったが、思語はまだ半信半疑だった。…谷主、本当に紀雲禾を手放せるのですか?…雲苑に戻った雲禾は笑顔だった。すると長意は嫉妬し、思わず林昊青と会えて嬉しいのかと聞いてしまう。「北淵へ侵攻しないと林昊青が約束したら大きな懸念が消えると思っただけ… どうしたの?妬いているの?」「…だとしたら?弁解すらしないのか?」雲禾は気まずくなって休むことにしたが、急に長意が腕をつかんで引き留めた。「誰とでも楽しそうに話をするのに、なぜ私にだけは胸の内を明かさぬ?!」「長意、あれほどはっきり告げたのにまた蒸し返すの?」その時、偶然、洛洛がやって来たが、2人の争う様子に驚いて中に入れなかった。「信じないと言ったら?崖で言ったことは本心じゃないと言ってくれたらすぐ信じるのに… 今までの言葉に1つも真実はなかったと言うのか? 言い訳ならいくらでも聞く!だから話してくれ…何とか言ってくれよ!」しかし雲禾は黙ったままだった。↓るおるおは見た!長意は何も言ってくれない雲禾に深く失望し、雲苑をあとにした。洛洛は慌てて雲禾のもとへ駆けつけ、長意は雲禾を信じているとかばう。「どうして話してあげないの? …誰かを愛したら心が躍るものだと思ってた、でも2人はいつも苦しそう」すると雲禾は愛にも色々な形があると教えた。「私はもう長くない、長意に悲しみを引きずらせたくないの…あなたもいつか分かる」「苦しいだけなら愛なんていらない」雲禾は空明のことをどう思うか聞いたが、洛洛にはまだ男女の情など分からなかった。「私が手柄を立てたのに頭ごなしに怒鳴るなんて何なの?! まあいいわ、それより薬を持って来る!」雲禾は長意のことを思うと胸が張り裂けんばかりだった。…長意、私にとってあなたは暗闇を照らす光、悲しみを渡る舟、だから巻き込みたくないの…林昊青があっさり捕縛されたのは自分に会いに来るためだと分かっていた。実は北淵を守る唯一の方法は自分を順徳(ジュントク)に差し出し、釈明するしかないという。『はお、師兄と共に行くわ』『いいのか?順徳の要求はお前の死なんだぞ』『私は先が短い、囚われたまま逝くより、皆の役に立てるなら幸せよ 私の亡骸で師兄の前途が開けたら本望だわ』すると林昊青は今夜、陽動作戦で雲禾を連れ出すと伝え、ある呪符を授けた。『時が来たらこの術を使え、鮫人の烙印を1時だけ封じられる』雲禾は結局、また長意を欺くことになると思うとやりきれなくなった。「これであなたは永遠に私を許してくれないわね…」狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は一向に反省する様子がない従兄・奇鋒(キホウ)に手を焼いていた。するとついに狐王が目を覚ましたと報告が来る。父との再会を喜ぶ卿瑤、しかし奇鋒は舅王が眠っている間に長意のせいで北淵を失いそうになったと吹き込んだ。経緯を聞いた狐王は長意を警戒、自分が目覚めた事を公表せず、林昊青と紀雲禾に怪しい動きがあれば誅すると決める。卿瑤は父が誤解していると気づき、長意と将来を誓い合った仲だと話したのは秘術を使うための嘘だったと明かした。しかし長意を救うため娘が多大な犠牲を払ったと知っている狐王は、北淵の尊主である長意が私心のまま行動すべきではないという。一方、岱輿(タイヨ)ではついに玉露霊芝(ギョクロレイシ)のかさの周囲が金色に変わった。これは成熟した証しだが、玉露霊芝は霊性が強く、身を守るための見せかけの成熟もあるという。雪三月(セツサンゲツ)はどちらか見極めるため霊芝に接近、その時、離殊(リシュ)が駆けつけた。「成熟したと思って来てみたんだが…」岱輿に突然、暗雲が垂れ込めた。驚いた天君・汝鈞(ジョキン)たちが外へ出ると、100年に一度の無量金雷が見える。「なぜ急に?(はっ!)雪統領のいる場所が危ない!」つづく( ゚Д゚)うわっ!急に腕をつかむからびっくりした~!←ぼ〜っと見てるのバレバレw
2023.08.30
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第6話岱輿(タイヨ)で玉露霊芝(ギョクロレイシ)の成熟をじっと待ち続ける雪三月(セツサンゲツ)。そこへ心配した飛廉(ヒレン)神君がやって来た。神君は三月が万花谷(バンカコク)を離れたと知り、天君に仕えてはどうかと誘う。そんな2人の様子を離殊(リシュ)の従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が盗み見ていた。「何かあってからではまずい、まとめて始末するか?」すると離殊が現れた。「何を企んでいる?私を騙せると思ったか?」大歓と小歓は仕方なくこれも世子のためだと訴える。「崇吾(シュウゴ)山にだって″業障(ゴウショウ)″に劣らない美女はいますよ!」2人は三月の恨みが消えれば世子は晴れて自由になり、山へ帰れると誤解していた。しかしその話を三月に聞かれてしまう。( ತ _ತ)<誰が業障じゃ!三月は離殊に釈明の機会も与えず、万花谷の雷符を放った。「今後、3丈(ジョウ)以内に近寄らないで」すると三月は霊芝の崖に戻ってしまう。離殊は再び三月を怒らせてしまったと動揺したが、飛廉神君は三月が霊芝に何か起こった場合、離殊を巻き込まないよう遠ざけたのだと分かった。万花谷との戦が迫る北淵(ホクエン)。狐族少主・卿瑶(ケイヨウ)は尊主のために作らせた鎖帷子(カタビラ)を差し入れたが、長意(チャンイー)はすでに見事な鎖帷子を持っていた。しかし長意は紀雲禾(ジーユンファ)からの贈り物だとは言えず、偶然、手に入れたとごまかす。その頃、無理を押して鎖帷子を作った雲禾は衰弱が激しくなり、横になるとそのまま昏睡した。雲禾は夢の中で自害を邪魔した謎の神仙と再会を果たした。『力を貸して欲しい、全てを見せるわ…』すると神仙は雲禾の腕を握り、楽游山(ラクユウザン)で談笑する青(セイ)姫、寧若初(ネイジャクショ)、寧清(ネイセイ)の姿を見せた。しかし寧清は兄弟子を万花谷へ呼び出し、十陣法で青姫を封印させた後、寧若初を殺したという。雲禾は思わぬ事実に困惑したが、急に苦しみ始めた。卿瑤は長意と軍務について話し合った。すると突然、話の途中で長意が血相を変えて飛び出してしまう。一方、謎の神仙は雲禾が極度に衰弱した時だけ会えると明かした。『夢が長引くとあなたの元神が滅びてしまうわ…』そこで雲禾は神仙に正体を聞いた。実はその神仙こそ仙師府の密室で見た姿絵の女子、雲禾はその神仙が寧若初と寧清の師匠・寧悉語(ネイシツギョ)だと知る。『青姫に伝えて、寧若初を殺したのは寧清、寧清を阻止しろと…』長意は洛錦桑(ルオジンサン)や羅策(ラサク)と一緒に外で空明(コウメイ)の治療が終わるのを待った。やがて長意は烙印の反応で雲禾が目覚めたと気づき、急いで部屋に戻る。卿瑤も長意の様子を心配して湖心島(コシントウ)に駆けつけたが、令牌を取り上げられた手前、雲苑には入らなかった。雲禾の意識が戻った。しかしいよいよ霊力の反発が心臓を圧迫し、死にかけているという。もはや一刻の猶予もないと気づいた長意は雲禾を引き寄せ、口移しで自分の霊力を鮫珠に送った。空明は戦が迫る大事な時に霊力を雲禾のために使った長意に憤り、出て行ってしまう。困惑した雲禾は鮫珠を返そうとしたが、やはり自分では取り出すことができなかった。「長意と2人で話をさせて…」雲禾は人払して長意と2人だけになった。「あなたは東海へ帰るべきだった、恨みに執着などせずに…」「執着しているのは最初から恨みではない」「…じゃあ何?」←気づかないw「当ててみろ」←どうしても言いたくないw「…長意、私の命が残り少ないのは自分の責任よ、無駄に霊力を使う必要はないの 鮫尾(コウビ)を断たれ、鮫珠も失い、どうやって北淵を守るの?」「鮫尾や鮫珠など最初から当てにしていない」すると長意は出て行ってしまう。卿瑤は雲禾が長意の鮫珠を持っていると知り、父が眠る洞窟で独り悲しみに暮れた。「とうに気づいていたのに自分を騙し続けた…でももう無理です 長意は紀雲禾が憎いと言いつつ、心の中では誰よりも大切に思っています もう彼を止められない、私はどうすればいいの?」その時、かすかに父の指が動いた。「父上、早く目を覚まして…長意を諭せるのは父上だけです」雲禾は長意の霊力のお陰で回復したように見えた。洛洛は喜んだが、青姫は一時的に元気になっても助かるわけではないという。長意も分かっていながら頑なになるばかり、しかし青姫は自分も長意のようにもう一度、錯乱してみたいものだと懐かしんだ。「でももうあの人はいない…」すると雲禾は夢のことを思い出し、寧若初と寧清は兄弟弟子だったと聞いたが、確執があったのか尋ねた。しかし青姫の話では2人とも師匠の元で家族同然に育ち、確執はなかったはずだという。実は2人の師匠である寧悉語は万花谷で唯一の女谷主だった。「前輩、まだ寧師祖を恨んでいますか?」「…恨んだわ、でも時と共に思いも薄れた、月日が経てば笑い話になるものよ」雲禾はせっかく過去を手放した青姫に真実かどうかも分からない夢の話など伝えるべきではないと断念した。空明は雲禾のために北淵を顧ない長意に腹を立てていた。しかし長意は初めから万花谷に和睦を持ちかける計画だったと明かす。もし万花谷が今回の遠征に不満があれば″緩み″があるはずだ。今の自分たちに仙師と順徳を倒す力量はないが、御霊師の長である万花谷と手を組めば勝算が見込めるという。「説得するために攻撃せずに待つ」空明は長意が尊主としての役割を忘れたことがないと分かり安堵したが、恨みであれ情であれ、執着は大局を見誤らせると警告した。「君だって洛錦桑が好きだろう?」「いっ、いきなり何を言い出すんだ?!」長意は動揺する空明に失笑しながら、公私ならわきまえていると自信を見せた。万花谷軍は北淵の森へ侵攻した。しかしそのまま全軍が敵の陣に入り、辺境の森で足止めされてしまう。仙姫に自薦して督軍となった朱凌(シュリョウ)は林昊青の失態を責め、兵符を渡せと迫った。その時、北部の部隊だけが攻撃して来たと報告が来る。林昊青は北淵の内紛だと気づいた。「北の峠から突破する」長意は阿鳴(アメイ)から雲禾が一睡もしていないと聞いて雲苑に駆けつけた。すると雲禾は万花谷との交渉に自分が行きたいと頼む。林昊青とは敵対していたとは言え一緒に育った師兄であり、今となっては最後の身内でもあった。「身内?…そんなに親密だったか?北淵から連れ出してくれると期待しているのか?」「そんな…」その時、空明が洛洛と一緒にやって来た。「大変だ、林昊青が陣を破って森から出た」実は北を守っていた奇鋒(キホウ)が卿瑤の話を聞かず、勝手に攻撃を仕掛けて反撃されてしまったという。「形勢は不利だ」しかし思いがけず林昊青の使者として思語(シギョ)がやって来る。雲禾と会わせてくれるなら交渉に応じるというのだ。実は林昊青の仙侍・思語は生きていた。長意は思語を雲苑に呼んで雲禾と会わせたが、交渉の条件として紀雲禾を引き渡して欲しいという。しかし長意は断固拒否した。「紀雲禾は絶対に渡さない、空明とて同じ、北淵で保護する者は誰1人として渡さない」雲禾は長意の姿に驚いた。…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、以前とまるで違う…交渉は決裂、空明と洛洛は思語を見送りに出た。「長意…」「言いたいことは分かっている、保護などされたくないと言いたいのだろう」「私が言いたいのはそうじゃない、堂々として立派だったと言いたかったの」すると雲禾は長意に協力すると言った。「一緒に戦いましょう」つづく( ゚ェ゚)またしても口づけするためだけの1話でしたっ
2023.08.29
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第5話旧友と再会し、久しぶりに笑顔が戻った紀雲禾(ジーユンファ)。長意(チャンイー)は少しでも雲禾が元気になればと思い直し、友人たちの出入りを認めることにした。しかし雲苑(ウンエン)の警固を任されている羅策(ラサク)は尊主が一体、紀雲禾をどうしたいのか分からず混乱してしまう。一方、洛錦桑(ルオジンサン)は青(セイ)姫でも雲禾を治せないと知り、深く失望した。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)が空明(コウメイ)より役立たずなんて(ボソッ」離殊(リシュ)は暴言を吐いた洛洛を叱り、青姫のこと本当は方法があるはずだと言った。すると青姫は岱輿(タイヨ)にある玉露霊芝(ギョクロレイシ)が手に入れば少しは命を長らえられるかもしれないという。「たとえ1日でもいいわ、ありがとう前輩!」雪三月(セツサンゲツ)は離殊に家を守るよう頼み、飛び出して行った。寧清(ネイセイ)は今日も激しい痛みを伴う塗り薬を持って仙姫府にやって来た。すると順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は治療を受ける代わりに褒美が欲しいという。「師父と同じ強い法術が欲しいのです」「お前が望むなら何でも与えよう」「では全ての御霊師を自由に使っても?」「もちろんだ」洛洛が嬉しそうに雲苑にやって来た。こうして自由に雲禾に会えるのも長意の誤解が解けたからだと思ったが、雲禾は違うという。「どうして本当のことを話さないの?」「私を恨んでいてもこんなに優しいのよ?真相を知ったらどうなるか…」雲禾は北淵の尊主となった長意はもはや自分だけの大尾巴魚(ダーウェイバーユー)ではないと言った。「でももう大丈夫、私たちが何とかするから!」「ふふ…洛洛、こうしてあなたに会えるって素敵ね」一方、離殊は三月が気になって上の空、得意料理さえ失敗してしまう。すると呆れた青姫は家なら自分が守ると安心させ、三月を探しに行くよう背中を押した。洛洛は三月が戻るまでひとまず空明をおだてて雲禾の治療をさせることにした。そこで居所に汁物を差し入れ、忙しい空明のため手伝いたいと申し出る。「薬を煎じるくらいはできるわ!」「そんな簡単な仕事じゃない、一瞬も目を離せないんだぞ?」「分かった!一瞬たりとも離さない!」すると洛洛は土瓶をじっと見つめ、瞬きもしなかった。空明は主に忠実な仙侍だと感心したが、洛洛は雲禾から″衆生に貴賤はない″と教えられたという。「私たちは主従じゃなく一番の友であり仲間なの、親友に尽くすのは当然でしょう? あなたにもいる?親友や兄弟分が…あ、長意は数えないでいいから」「…過去にはいた」「えー?死んだの?!マジか…でも私がいるわ!元気出して!」ね!>(๑•̀ㅂ•́)و✧ ( ̄▽ ̄;)<おおう…林昊青(リンコウセイ)は仙師の絵姿を利用して仙姫をあおったが、そのせいで次の解毒薬は遅れると連絡が来た。「こうなればあえて危険を犯さねば…」そこで再び仙姫を訪ね、今度は北淵を平定すべきだとけしかける。「私が仙姫の代わりに北淵を征伐します!」「認めるわ、その代わり紀雲禾を殺して!」すると汝菱は言葉に詰まった林昊青を法術で吹き飛ばし、顔を足で踏みつけた。「私につくなら誠意を見せるのね…」万花谷ではここ数日、御霊師が謎の病で相次いで死亡していた。北淵から流れてきた噂では″寒霜(カンソウ)″という病が原因らしい。万花谷に不安が広まる中、鹿台(ロクタイ)山からようやく戻ってきた谷主が北淵を攻めると言い出した。長老たちは反対したが、林昊青は相談ではなく軍令だと一喝、反感を買ってしまう。実は長老たちも自分たちが寒霜で操られているという事実を知らずにいた。寧清は林昊青を刺激するため、解毒薬を遅らせ、寒霜の噂を流した。思惑通り焦った林昊青は北淵の討伐を決めたという。霊力はこれで殺伐の気を得られると喜んだが、近頃、寧清はどこか上の空だった。一方、万花谷から宣戦布告を受けた北淵も一致団結していた。長意は自ら前線に立ち戦うと宣言、仙友たちも尊主と一緒に北淵を守ると誓う。そこで長意は雲禾の耳に入らないよう軍務は大殿で話し合うと決めた。しかし青姫と一緒に見舞いに来た洛洛が早速、雲禾に報告してしまう。すると雲禾は林昊青の行動を訝しんだ。「変ね…林昊青なら順徳と北淵の争いをあえて傍観し、漁夫の利を狙うはずよ?」「まあどっちにしても青姫がいれば私たちは無敵よ!」「ちょっと…1瓶の酒と1杯の甘酒で看病に果し合い、雑談まで付き合わされるの?」青姫は調子が良すぎると呆れたが、洛洛はあの酒なら命懸けで造ったと訴える。「あの日、空明と修練して何とか生き延びてね、お陰で美人になったの! あの時、光が差して、空明をこうやって押し倒して…」(  ̄꒳ ̄)<離殊にその能力があれば苦労しないのにねえ~@青( ̄ェ ̄;)<修練って…押し倒したってそういうことなの?@雲洛洛は雲禾のため空明の居所に足しげく通っていた。すると洛洛は美人になるためまた一緒に″修練″したいという。「修練したいのは美人になるためなのか?」「うん」空明は落胆し、仕方なく準備しておいた洛洛への贈り物だけ渡して追い返した。「わあ~良い香り!」珊瑚の粉をもらった洛洛は雲禾以外の人から初めて何かをもらったと喜び、空明の頬に口づけしてしまう。「本にあったお礼の仕方よ!間違ってる?」洛洛は呆然とする空明など気にする様子もなく、嬉しそうに帰って行った。長意は自ら雲禾のために薬草を採りに出かけていた。そうとは知らず雲禾は苦そうな薬だと顔をしかめながら、気休めと分かっていても飲むしかない。「長意、林昊青が攻めてきたらどうするの?」「心配するな、下手な根回しも必要ない」すると長意はまた大殿に戻ってしまう。「いいわ、どうせ私はもう戦えないし…」そこで雲禾は何もできない代わりに長意のために鎖帷子(カタビラ)を作った。↓ラバちゃんが〜夜なべ〜をして…編んでいますw岱輿に到着した三月は霊芝を発見、しかし偶然にも天君たちとかち合った。「友の命を救うためです、譲ってください」「譲るのは構わぬ、ただし触れてはならぬ」実は玉露霊芝は霊性があり、成長を阻止すればすさまじい力で反撃してくるという。「成熟を待ってから摘むしかない」汝鈞が試しに石を投げてみると、霊芝の霊力により粉々になってしまう。汝鈞は霊芝を必要としているのがあの紀護法だと知った。まさかそれほどの反発に苦しんでいたとは知らず、自分も縁ある紀護法を助けたいと願う。そこで霊芝が成長するまで自分の居所で待つよう勧めたが、三月はこの場で霊芝を見守りたいと遠慮した。一方、離殊は大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)と一緒に三月を探していた。しかし大歓と小歓は嗅覚で三月が他の男といると気づき、咄嗟に東の方角だと嘘をついてしまう。翌朝、軍務を終えた長意が雲苑に戻って来た。すると雲禾の顔色が悪いと気づき、糖蒜(トウサン)を卓に出す。「私の好物を覚えていてくれたの?」素直になれない長意は自分が食べたいだけだと嘘をつき、苦手なにんにくを食べる羽目になった。「ふふ、糖蒜に免じて贈り物をあげるわ」雲禾は鎖帷子を招喚し、これで少しでも身を守って欲しいという。「こんな物で機嫌を取るつもりか?」「要らないならいいの」しかし長意は慌てて受け取った。「…まだ用がある、遅くなるから待たなくていい」雲禾は笑顔で送り出したが、鎖帷子に霊力を使ったせいで体力を激しく消耗していた。つづく(  ̄꒳ ̄)まだまだ引っ張る…w
2023.08.28
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第4話湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に居を移した長意(チャンイー)。紀雲禾(ジーユンファ)は部屋の中を埋め尽くすお宝を眺めながら、奢侈(シャシ)に流れると尊主の地位を失うと笑った。すると雲禾の治療を頼まれた空明(コウメイ)が現れ、長意が散財するのを見るのは初めてだという。実はお宝は全て雲禾の身体を癒すための宝器だった。空明は雲禾の容体を見たが、余命ひと月だと宣告した。それでも長意はあきらめがつかず、天命さえ変えてみせるという。呆れた空明は無垢の者なら全力をかけて助けるが、悪党などどうなろうと構わないと言い放った。しかし長意は仙師府から仙友たちを解放したのが雲禾だと明かし、そもそも雲禾を苦しめる原因となったのは寒霜だと指摘する。「君なら道理が分かるはず…違うか?」天君・汝鈞(ジョキン)は岱輿(タイヨ)で修行することになり、姉に別れを告げにきた。岱輿と言えば師匠と初めて出会った場所、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)はふと当時のことを思い出す。「あの時、猛獣に襲われたことを覚えている? 師父が現れ、私たちを天庭へ送り、私を弟子に迎えてくれた」「姐姐、あの時は姐姐が命懸けで私を守ってくれたことしか覚えていません」すると汝鈞は修行が終われば自分が姉を守れると伝え、出発した。汝菱は居ても立ってもいられず、仙師府に駆けつけた。ちょうど寧清(ネイセイ)は留守、そこで林昊青(リンコウセイ)から聞いた話が事実かどうか調べることにする。汝菱は法術で密室の場所を探し当てると、確かにそこには自分とそっくりの絵姿があった。「師父が私に重ね合わせていた女ね?」その時、寧清が現れる。「汝菱…戻りなさい、2度とつまらぬことをしてはならぬ」「私は身代わりにはならない!」師匠の裏切りに激怒した汝菱は絵姿を燃やそうとしたが、寧清が阻止した。すると寧清は汝菱を仙縄で縛りつけ、再び激痛を伴う治療を始めてしまう。空明は雲禾に薬湯を差し入れた。しかし善良な長意を騙して傷つけても悔いる様子がない雲禾を見て憤る。長意は策を練り、好機を見て仙師府から雲禾を救い、尊主の就任式典の時も雲禾の自害に気づいて飛び出したという。雲禾は長意がそんな無茶をしていたと知ったが、空明も本当は雲禾が長意を守っていると見抜いた。ただし大業のためには雲禾の存在が大きな障害となり、長意にとりなすつもりはないという。「とにかく早く薬を飲んでくれ、長意が来る」仙姫府では汝菱が酒を飲んで荒れていた。仙侍・朱凌(シュリョウ)たちは手が付けられず殿前で控えていたが、そこへ林昊青が現れ、勝手に寝殿に入ってしまう。「仙姫、このまま引き下がるのですか?」憤慨した汝菱は床に杯を投げつけると、林昊青は躊躇なく破片の上にひざまずいた。「仙師があなたを見る目には情がありません…」すると汝菱は孤独な胸の内を明かした。「父母は落命する前、汝鈞の養育を私に託したわ…それ以来、私は責任だけを求められた 1人で閬風巔(ロウフウテン)を守る私を誰も顧みず、私の望みなど意に介さなかった 弟を育てるのが唯一、私が存在する価値だった、でも師父は違った ″自分らしくあれ″と言ってくれたの、それなのに… 何も知らない方がよかった!なぜ私を覚醒させようとするの?!」汝菱は激怒して剣を招喚、林昊青の首に突きつけた。しかし林昊青は怯むことなく、どれほどの苦痛が伴っても知らない方が惨めだという。「もしあなたが強い力を持てば愛する者を留めておけます」一方、尊主となった長意は政務に追われ、夜も寝ている様子はなかった。さすがに雲禾も根を詰める長意が心配になり、自分から折れることにする。「私が以前と同じように接すれば言うことを聞いてくれる?」「考えすぎだ。あり得ない」すると雲禾は優しく長意の腕に手を乗せた。「試してみない?」「そうか…では試してみよう」長意は突然、雲禾を引き寄せ口づけしてしまう。その時、急に戸が開いて空明が入ってきた。雲禾はふいに現実に引き戻され、慌てて身体を離し、うっかり薬をこぼしてしまう。「試したが無駄だったな」( ゚д゚)おおう長意は気恥ずかしさから今夜は空明の居所で戦術を練りたいと頼んだ。しかし雲禾との口づけが頭から離れず、上の空になってしまう。一方、雲禾は長意が自分を恨んでいながらなぜ口づけなどしたのか分からず、独り悶々としていた。長意は夜が明けてから雲苑に戻った。すると一睡もせず待っていた雲禾がなぜ口づけしたのか尋ねる。「敵との口づけは鮫族の掟破りじゃないの?」「私が掟を破ることはない、君は永遠に私のものだ 鮫人の烙印は私と君の五感を繋ぐもの、君がどこで何をしているか私にはいつでも分かる 鮫人が心に決めた者に与える印だ」「だから死にかけた時、駆けつけられたのね…長意、私は一体、何?あなたの影?」「違う、檻の中の獣だ、烙印を使い閉じ込めておく」「どうかしてる…他の伴侶を求めず、私を一生、監禁するの?」情愛に疎い雲禾に長意の本音が分かるはずもない。長意はため息をつき、雲禾を寝台に寝かせて結界で閉じ込めた。「ねえ答えてよ」「眠れ」『余命が短くて良かった、私が死ねば彼は孤独な一生を送らずに済む でも鮫人は後妻を娶らないはずよ?…もういいわ、今は休もう』『雲禾、閉じ込めないと留めることができないなら、あえてそうするしかない…』洛錦桑(ルオジンサン)は冰湖(ヒョウコ)を眺めながら雲禾の身を案じていた。すると偶然、狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)と侍女が現れ、2人の立ち話を耳にする。「…式典の日の騒ぎも尊主を惑わす手管では?」「死にかけたのは本当よ、尊主にも考えがあるの…今は待ちましょう」雲禾が死にかけたと聞いた洛洛は驚き、空明の居所に押しかけた。空明は長意に頼まれ雲禾の薬を準備していたが、余命はひと月だという。「林滄瀾(リンソウラン)に施された術で身体に異変が起こったんだ 君が混乱すると思って言えなかった…私では治せない」しかし洛洛は空明が雲禾への復讐で治療をしないと誤解した。「冷酷ね…もう顔も見たくない!」洛洛は青(セイ)姫に事情を説明し、雲禾を診て欲しいと訴えた。青姫は相変わらず情のもつれには関わらないと断ったが、離殊(リシュ)の説得のかいもあって重い腰を上げる。「私が後悔しているのは皆に乗せられ、この子の酒を飲んだことよ」長意は洛洛たちが来ても雲禾に会わせようとしなかった。衰弱した雲禾にとって感情の高ぶりは命取りになる。しかし何も知らない洛洛は空明に雲禾を救う気がないなら青姫に診せるべきだと迫った。離殊も今の雲禾にとって友との楽しい語らいこそ一番の薬だと訴える。「最近、雲禾の素直な笑顔を見たか?」雲禾は洛洛たちと再会を果たした。「これは夢なの?…青姫まで来てくれるなんて」万花谷から別れて色々なことがあったが、こうして集まると何も変わっていないような気がする。久しぶりに心からの笑顔を見せた雲禾、しかし青姫にも雲禾を治す手立てはなかった。「早く楽にしてあげるべきよ…」長意は雲禾を休ませるため、治療法がないなら帰れと洛洛たちを追い返した。しかし雲禾の幸せそうな笑顔を思い出し、雲苑の結界を解くことにする。つづく( ゚ェ゚)ただ口づけするためだけの1話?話は全く進まずw
2023.08.27
コメント(0)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第22話「天子のやきもき」皇帝に招待され、涂高(トコウ)山の祭典にやって来た程(チォン)家。易占に傾倒する少商(シャオシャン)の双子の兄・少宮(シャオゴン)は喧騒を離れ、独り林の中で妹の縁談を占っていた。「お?嫋嫋(ニャオニャオ)は楼垚(ロウヤオ)以上のご縁に恵まれそうだな」←( ゚д゚)おっ!そこへ突然、道に迷った班嘉(バンジア)が現れる。「すまない!山道はどこか分かるか?」少宮はせっかく並べた卦(ケ)を蹴散らされ、これで良縁がおじゃんだと落胆した。←( ๑≧ꇴ≦)えー!騎射場へやってきた少商は思いがけず楼垚と何昭君(ハージャオジュン)にかち合った。するとここぞとばかりに王姈(ワンリン)と楼縭(ロウリー)が少商たちの隣の席に移動して嫌味を言う。「破談になってもよく顔を出せるわね~」憤慨した楼垚は思わず席を立ったが、冷静な何昭君が制止し、結局、2人は静かに帰って行った。萋萋(チーチー)は少商をかばって王姈と喧嘩になり、2人は騎射で勝負することになった。もはや止める気力もない少商、すると萋萋の席に天敵の袁慎(ユエンシェン)が座る。「平素より得意満面の程娘子(ニャンズー)も意気消沈する日がきたか?」相変わらず嫌味な師匠に少商も視聴者もへき易、相手をする気分ではないと席を立ってしまう。程姎(チォンヤン)は思いがけず想い人と2人になれる好機を得たが、袁慎は少商を追いかけて行った。しかし少商が袁慎を足止めしようと企む。「あ!袁善見(シャンジエン)公子よ!」すると息女たちが一斉に袁公子を取り囲み、袁慎は身動きが取れなくなってしまう。( ತ _ತ) 本当イラつくわ〜w一方、少宮は方向音痴の班嘉を連れて騎射場へ戻ろうとしていた。やがて山道が見えると、ちょうど息女たちに追い回されている袁慎を見かける。班嘉は人が多いと怖いと訴え、息女ならなおさらだとぼやいた。しかし一行の姿が見えなくなると、独りぽつんと取り残されている息女が見える。班嘉が一目惚れしたのは姎姎だった。少商は気晴らしに馬で散策に出かけた。やがて石段を見つけて登ってみると、雁回(ガンカイ)塔という建物にたどり着く。建築に興味がある少商は見事な柱の作りに感激し、そのまま階段を登った。窓から見る景色は壮観、不思議と破談などたわいない事だと思えて来る。しかしその時、最上階から誰かの話し声が聞こえて来た。…何楼両家を縁組させた陛下は楼家に対し後ろめたいゆえ、さらに楼一族に肩入れするだろう…平素より楼太傅が東宮を笠に来て寒門出身の官吏を抑えつけていることも追求せぬ…東宮は無能だ、必ずや廃嫡を働きかけねば少商は思いがけず反太子派の密談を耳にし、慌てて戻ることにした。その時、うっかり腰牌を落とし、音を立ててしまう。「誰だ?!」少商は玉佩をあきらめ、階段を駆け降りた。すると突然、凌不疑(リンブーイー)が現れ、少商を捕まえる。不疑は咄嗟に窓から飛び出し、少商を抱えたまま片手で屋根にぶら下がった。その時、密談者たちが窓を開けて外を確認する。「この辺りから聞こえたはずだが…どこへ消えた?」「下へ行くぞ」ありがとうアルソックw凌不疑と少商は屋根によじ登り、無事に塔の中へ戻った。しかし無理をした不疑は驊(カ)県での古傷を痛めてしまう。少商は密談者の話を聞いていたが、不疑はここへ来たことも全て忘れるよう言い聞かせた。一方、萋萋と王姈の騎射勝負は萋萋の圧勝だった。「王姈、最後を射たところで負けだし、条件を下げてあげる 馬を止まらせたままで的に当ててもいいわ~ふふふ」すると王姈は矢をつがえたかと思うと、突然、萋萋の馬の足元に向かって矢を放ってしまう。驚いた馬は萋萋を乗せたまま暴走、咄嗟に馬にまたがった頌児(ソンアル)が追いついたが、止めることはできなかった。このままでは崖から転落してしまう。頌児は仕方なく萋萋に飛びつき、2人は坂道を転げ落ちた。頌児のおかげで萋萋は無事だったが、萋萋をかばった頌児は足を怪我してしまう。「阿頌!歩けなくなったら私が一生、養うから!」軍営で血を見慣れている萋萋は頌児の怪我を確認しようと衣をめくり上げたが、思いがけず下履きが破れて太ももがあらわになっていた。(; ꒪ω꒪ ;)<ぁ…( ̄▽ ̄;)<無理やり見るからだろう?一生、責任とってくれよ?凌不疑は少商が落とした玉佩を持っていた。「あ、私のです、幼名も刻まれているわ」「…弱弱(ルオルオ)?面白い幼名だな」「ルオルオ?違うわ嫋嫋(ニャオニャオ)よ」実は少商が落とした玉佩は真っ二つに割れ、不疑が拾った玉には女偏がなくなっていた。少商は玉佩を取り返そうとしたが、不疑は自分が預かると言って返してくれない。一方、文(ウェン)帝は騎射場や袁公子の騒動を聞いて憤慨していた。皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)は一族の娘である王姈の失態を詫びたが、越(ユエ)妃・越姮(ユエホン)は皇后の責任ではないとかばう。「そもそも大したことではありません、私たちも若い頃は色々ありましたよ?」天幕の外では王将軍、万将軍、程将軍が子供たちと一緒にひざまずいていた。その時、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)が慌てた様子で天幕へ入って行く。「陛下!凌将軍が戻りました!しかも程四娘子と一緒です! 何でも程四娘子を命を賭して助け、古傷が再発したそうです! 程四娘子は涙を流し、凌将軍に命で償うと…」皇帝は子晟(ズーション)がまた程娘子を助けたと聞いて急に機嫌が直った。「そうかそうか…まあ今日の目的は祈祷と娯楽だ、若い頃は行き過ぎてしまうこともある」すると皇帝は嬉しそうに天幕を出ると、なぜか程始(チォンシー)だけ連れて行ってしまう。程始は訳もわからず皇帝に同行し、凌将軍の天幕へやって来た。すると驚いたことに嫋嫋が一緒にいる。不疑と少商は崖から落ちそうになったところを助けてもらったと口裏合わせしていたが、いざ皇帝を前にすると少商は言葉が出なかった。子晟の想い人に興味津々の皇帝、しかし何を聞いても子晟が口を出す。仕方なく皇帝は程父娘に子晟への恩を一瞬たりとも忘れず感謝し、その恩に報いるよう命じて帰した。ウーレイのモフモフ皇帝は子晟を宮中で静養させるつもりだったが断られた。子晟が屋敷で治療したがるのは程娘子が原因だろう。しかし見たところ程娘子は凡庸だった。すると黙って聞いていた越妃は子晟が禁欲過ぎれば心配し、ようやく想い人が現れれば凡庸だと難癖をつけると呆れ、面倒臭くなって皇帝を追い出してしまう。皇帝は仕方なく皇后の天幕を訪ねたが、慎ましやかな皇后は何を聞いても皇帝の決定に従うとしか言わなかった。「朕の苦しい心中を誰が知ろうか…まったくどいつもこいつも役に立たん!」皇帝一行は帰京した。程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は凌将軍がまた嫋嫋を助けたと聞いて動揺を隠せない。偶然にしてはあまりに不自然だが、皇帝から恩を忘れぬよう命じられた手前、挨拶に行かねばならなかった。「ここはお前が付き添っては?」「将軍、今でなければいつ父親の出番が?」家塾の講義にも身が入らない少商。やっと退屈な時間が終わって席を立ったが、袁慎に呼び止められ、独りだけ居残りになった。「人としての道理を学びなさい、婚姻を利用し自由を求めるなど、何と浅はかなのか 嫁げれば一族を逃れ、束縛されないとでも?別の者に束縛されるだけだ しかも門閥世家だぞ?楼家の件で何も学ばぬとは… そんなに急いで凌不疑に近づく必要があるのか?!」少商はとんだ言いがかりにふつふつと怒りが込み上げてきた。「誰が婚姻を利用した?いつ凌不疑に近づいたのよ?…あなたどうかしてる」(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<そうだ!どうかしている!すると袁慎はあくまで学のない少商への忠告だと言い訳し、凌不疑から離れるよう説得した。その時、少宮が駆けつけ、父が呼んでいると伝える。「少商、阿父が凌将軍府へお礼に行くから一緒に来るようにって…」袁慎は口惜しさから思わず背を向けた。「両親の命では夫子も阻めないのでは?」「…程娘子は破談の傷が癒え、痛みも忘れたようだ、将来、後悔しないように」少商は激情に駆られ拳を振り上げたが、思い留まって出て行った。o(`ω´ )o<なぜ殴らなかった!殴ってくれたらすっきりしたのに!wつづく
2023.08.26
コメント(2)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第21話「それぞれの選択」一族の敵を討ち、肖(シャオ)世子の首を取った何昭君(ハージャオジュン)。程少商(チォンシャオシャン)はその境遇に同情しながらも、やはり楼垚(ロウヤオ)を譲ることはできないと伝えた。しかし何昭君はもはや情愛など問題ではないという。「阿父は最期に私の頬を叩いて言ったわ ″もう何家でお前を守れる者はいない、将来の何家と幼い弟にはお前だけが頼りだ″と… 程少商、もう昔の私とは違う… 私が阿垚を好きだと思う?私だって自分の幸せを犠牲にするの 父や兄が戻ってくれるなら楼垚なんて惜しくもない!」その時、凌不疑(リンブーイー)が現れ、程娘子(ニャンズー)に食ってかかるなと割って入った。「ふっ、こんな憐香惜玉な十一郎(ジュウイチロウ)を見るのは初めて… 程少商、凌将軍がいるんでしょ?なのに楼垚まで奪うの?!」何昭君の怒号が響き渡り、少商は思わず身をすくませた。すると不疑は少商に自分の馬車で送ると伝え、先に車に乗せる。「安成君、父兄の忠勇に今は皆が何家姉弟を哀れむが、時は移ろうもの… 敵を作るか、善意で接するかは安成君の心がけ次第だ」アルソックw少商は馬車の中で凌将軍から馮翊(ヒョウヨク)郡の話を聞いた。馮翊郡は何将軍たちの命懸けの抵抗があり、驊(カ)県のような惨劇は免れたという。「だからと言って破談を勧めているわけではない 私の本音はひとつ…程娘子がどう選ぼうと全て正しい」すると少商はなぜ自分ばかり運が悪いのかと号泣してしまう。( ;∀;)ァァァ…にゃおにゃお…楼垚は曲陵(キョクリョウ)侯府の前で少商を待っていた。すると少商がなぜか凌将軍の馬車で帰って来る。実は少商は何昭君と一緒に肖世子の処刑に立ち会っていた。「何だって?!抗議して来る!」しかし少商が止める。「阿垚…しばらく来ないで、独りで考えたいの」楼垚は少商の背中を見送ったが、思わず呼び止めた。「少商…点心の新しい店ができたんだ、落ち着いたら食べに行こう」少商は笑顔を見せたが、うなづくだけで精一杯だった。楼垚は夜まで曲陵侯府の前に立っていたが、少商が現れることはなかった。…少商、約束しただろう?決して離れないと…程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)は楼垚の一途な想いに胸を痛めたが、結局、嫋嫋(ニャオニャオ)とは縁がなかったのだろう。しかし程家には楼家との縁談をどうしても諦められない者がいた。程老夫人董(ドン)氏は先走って孫が皇太子の夫子の家に嫁ぐと言いふらし、破談に反対して楼家からの聘礼(ヘイレイ)を手放そうとしない。蕭元漪は仕方なく今日は婚姻の相談に行くだけだとごまかしたが、そこへ少商がやって来た。「阿父、阿母、大母…阿垚とは破談にします」(꒪ꇴ꒪〣)ガーン!@老太太少商は両親と共に楼家を訪ね、破談したい旨を伝えた。寝耳に水の楼垚は少商が何昭君から脅されたのだと疑ったが、少商は否定する。すると少商にまで見限られた楼垚はこれまでの鬱憤が爆発した。「誰もが大義をかざして仁義の行いや恩に報いることを説く… でも我慢を強いられるのはいつも私だけ! 私の代わりにもなれぬくせに、なぜ私だけを犠牲にするんだ? 少商、なぜ君まで私を追い詰める?」楼垚の苦しい胸の内を誰より理解しているのは少商だった。「阿垚、2人だけで話があるの」 ( ;∀;)あーやお…楼垚は激しく反発、破談にはしないと断言した。しかし少商は悲しみをこらえ、楼垚を説得する。「前に何昭君のことは嫌いだけど何将軍には可愛がられたと話してくれたわね 五公子とも親しい間柄で、弓術を教わったのでしょう?」少商は馬車の中で凌不疑から聞いた何家の壮絶な死に様を教えた。実は五公子は賊から数十の矢を受け、回収した亡骸は穴ばかりだったという。他の息子たちは馬に踏まれ、亡骸の欠けている者もいた。「今回、馮翊郡の民は驊県とは違ったそうよ 何将軍が息子5人を率いて矢面に立ったから、民を守り災いを阻むことができたの 何将軍は国のために散った、将軍の前では男女の情なんて取るに足りないことだわ」そうは言っても犠牲になるのは楼垚、少商は代われるものなら自分が代わってあげたいと涙した。「…少商、君は正しい」楼垚は驊県での辛い体験から民を守れるようになりたいと誓っておきながら、少しの我慢もできないと反省する。すると少商が未来なら変えられると励ました。「阿垚、何昭君を娶ったらただの夫ではなく、兄であり、寄る辺となる だから大切にして教え導くのよ、彼女が過ちを犯したら譲歩してはだめ、言いなりにならないで」「…また強情を押し通せば何将軍の墓前で反省させるよ」楼垚は少商と一緒に破談を決めたと報告した。安成君を娶ればこの先、十余年は何家の部曲が二房の指示に従うことになる。楼垚は大房の干渉を牽制し、もはやこれまでの怯える二房公子の面影はなかった。「程叔父、程叔母、今後は私を身内と見なしてください…少商、これからは私を兄と呼んでくれ」「はお、今後は順風満帆で、いつか外地で仕官し、高く飛べるように祈っているわ」「私も祈っている、君が良い人に出会い、共白髪となって添い遂げ、情愛を貫くと…」こうして2人は笑顔で別れた。汝陽(ジョヨウ)王妃は孫の裕昌(ユーチャン)と凌不疑の仲を取り持つため、城陽(ジョウヨウ)侯府を訪ねた。しかし城陽侯凌益(リンイー)が皇帝に上奏して息子を呼び寄せていたにもかかわらず、子晟(ズーション)は現れない。王妃と郡主は仕方なく帰ることにしたが、話題は自然と楼家の縁談話になった。裕昌はさすがに巻き込まれた程娘子に同情し、もう良縁はないだろうという。すると汝陽王妃は強情で品行が悪い程少商の心配など必要ないと冷たかった。その時、ちょうど門前に凌不疑が現れる。「皇帝が望んでまとまった楼何両家の縁談にとやかく言うのは天下の罪人だ …先日、陛下より半年の俸禄を召し上げられた、その理由をご存知か?」慌てた城陽侯妃淳于(チュンユー)氏は中で食事をしようと話題をそらしたが、不疑はそんな気分ではないと一蹴した。「皇帝を煩わせずとも今後は頻繁に会いに来るつもりだ そうだ…程娘子の縁談だが心配には及ばない、彼女の婚姻は私が責任を持つ」←唐突に何?wその頃、曲陵侯府では老夫人が楼家との破談を知って大泣きしていた。 皇帝は涂高(トコウ)山での祭典に曲陵侯と夫人、子供たちの随行を認めた。程始はちょうど嫋嫋の気晴らしになると喜んだが、少商は祭天の儀にも出ずにひとり鬱々としている。そんな少商を心配した万萋萋(ワンチーチー)は少商と程姎(チォンヤン)を騎射場に誘った。「班(バン)侯がひ孫を紹介したくて若い息女たちを招待したの でも班侯もお気の毒よね、戦乱で子も含めて一家が亡くなり、5人の孫まで失うなんて… だから唯一の子孫・班嘉(バンジア)を宝のように溺愛しているらしいわ でも身を固める年頃になって初めて遠出し、都も不案内ときてる」すると少商は何昭君と似たような境遇だと気づき、かえって気落ちしてしまう。騎射場の貴賓席には少商がお目にかかる機会などない公主たちが座っていた。唯一、天下平定後に生まれた五公主は末娘ということもあり溺愛され、天敵の王姈(ワンリン)と仲が良いという。五公主と犬猿の仲なのは越(ユエ)妃の娘・三公主。生まれてすぐ小越侯に育てられ、派手好きは萋萋と良い勝負に見えた。実は皇帝が宣(シュエン)越両族の婚姻を決め、五公主は三公主の従兄に嫁ぐことになっている。「従兄を怒らせないことね、気が短いの、屋敷の″幕僚″をどう片付けるのか考えたら?」一番、落ち着いて見えるのは二公主だった。二公主は騎射を見ないなら駙馬と囲碁でも打てと三妹を叱り、五妹をかばう。その中でただ一人、装飾品も身につけない質素な貴賓がいた。実は皇帝が天下平定前に皇太子に娶らせた太子妃だという。「実家は貧しく田舎の出身でね…」その時、程頌児(チォンソンアル)が萋萋の頭をこずいた。「口は災いの元だ、嫋嫋に皇族の秘話など吹き込むな」すると運悪く騎射場に何昭君と楼垚がやって来た。つづく。゚(∩ω∩`)゚。 ←思いの外、あーやおショックが響いている管理人w
2023.08.25
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第3話長意(チャンイー)が紀雲禾(ジーユンファ)に烙印をつけたと知り、慌てて話をつけに来た山猫族世子・離殊(リシュ)。しかし烙印だと思っていた″鮫人の印″は互いの五感を繋ぐものだった。離殊は長意が雲禾を諦められないと分かったが、長意は決して認めようとしない。「…まだ好きだと言ったか?」「口に出さずとも心は分かっているはずだ」一方、空明(コウメイ)は長意から押し付けられた洛錦桑(ルオジンサン)に手を焼いていた。すると長意が苛立ちながら戻ってくる。「長意、あんまりよ!雲禾が自由を望んでいると知っているくせに!」「外の状況を知らぬのか?!」実は北淵(ホクエン)では雲禾が卿舒(ケイショ)を殺したと言う流言が広がり、今、自由にしても狐族に復讐されかねないという。「監禁と復讐とどちらがましだと?!」長意は空明と洛洛をつないでいた仙縄を解くと、洛洛は大人しく帰って行った。空明は確かに紀雲禾が身を隠すには雲苑(ウンエン)が最も安全だと気づいた。北淵の外に出れば仙師府に追われ、北淵内では狐族に狙われる。「ようするにまだ諦められないのだな?」「…執念でも未練でもいい、必ず生かし続ける」空明は長意と雲禾、雪三月(セツサンゲツ)と離殊、どちらも情のもつれから抜け出せないと嘆いた。( ;∀;)ちゃんいー三月は長意を説得する離殊の姿に深く感銘を受けた。するとちょうど離殊が冰湖(ヒョウコ)から戻って来る。雲禾を想いながら決して認めようとしない長意と釈明もしないで辛い現状を受け入れている雲禾。三月は2人の意地の張り合いに自分の姿が重なり、後悔する前に素直になろうと決めた。「長意に話していたでしょう?好きな人を喜ばせることが愛情だと…」離殊は三月が全て聞いていたと知った。「だからあなたをもう不安にさせたくない…私はあなたが好き、やり直しましょう」三月は傷ついた自分を遠くから見守ってくれた離殊の深い情に応え、勇気を持って前進した。一方、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は激しい傷の痛みに苦しんでいた。すると万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)が薬を差し入れてくれる。「仙師が鎮痛薬を与えないのはあなたの痛みに無頓着だからです 仙師の懸念はその顔のみ…仙姫も疑ったことがあるはずです 仙師が大事なのはあなたか、別の誰なのか?」汝菱はふと思い出した。確かに鮫人の美しい鱗で作った袴で舞を披露した時、師匠から厳しく叱られたことがある。激高した汝菱は思わず鞭で林昊青を打ちつけ、自分たちを反目させるつもりかと迫った。「これも忠誠心ゆえ、お疑いなら仙師の書斎にある密室へ…答えはそこにあります」林昊青はいずれ仙師と対する時、仙姫が最上の武器になると踏んでいた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は北淵の安定のため、仲間たちの同意のもと長意を新たな長に推挙した。空明は長意の性格からして断ると思ったが、長意はためらいながらも結局、引き受けることにする。一方、微妍(ビゲン)は長意が尊主になったのは少主を想ってのことだと喜ばせていた。卿瑶もまんざらでもないが、ともかく早く就任の式典を行い、長意の威厳を示して一族の士気を高めたいという。毎日、欠かさず父に自分の霊力を注いでいる卿瑤、しかし未だ父が目覚める様子はなかった。その頃、長意に烙印を押された雲禾は絶望の淵にいた。しかしこれまでどんな圧力にことごとく抗い、屈したことはない。「最期くらい自分で選ばせてもらうわ」雲禾は思い立って帷(トバリ)を外し、梁(ハリ)に引っ掛けようとしたが、運悪く長意が現れた。( ತ _ತ)<何をしている?(^ꇴ^)、<…埃を落とそうかな〜なんて( ತ _ತ)<やれ(^ꇴ^)、<…もう終わったわ雲禾は今日も長意に監視されながら食事を始めた。…首を切るのは痛すぎる、飛び降りてもせいぜいお尻を打って終わりよね…絶食したくてもこれじゃ無理だし、喉を詰まらせて窒息?ダメか…部屋に火をつけてみるのは?でも長意に氷漬けにされて終わりよねその時、雲禾はある方法を思いついた。「長意、ここ数日、冷え込んできたから練炭をもらえない?」すると羅策(ラサク)が世子を迎えにやって来た。卿瑤少主が呼んでいるという。長意が席を立つと、急に雲禾が呼び止めた。「長意、あなたは私が出会った中で一番美しく、一番優しくて、一番善良な人よ あの崖の1日がなければ大好きなままでいられた、生涯の伴侶になれたかもしれないわね」しかし長意はなぜ今さら雲禾がそんな事を言い出すのか分からない。「…明日は重要なことがあり来られない、しかと薬を飲んで食事を取れ」「ええ…安心して」雲禾は最後に伝えたいことが全部、言えたと安堵し、独り涙を流した。翌日、雲禾は窓を全て閉め切り、紅羅(コウラ)炭を焚いた火鉢を並べて横になった。「最期にあの美しい尾ひれを夢で見られたらいいのに…」一方、長意は狐族や仙友たちが見守る中、尊主就任の儀に臨んでいた。しかしふいに鮫人の印が雲禾の異変を知らせる。驚いた長意は矢も盾もたまらず、卿瑤が止めるのも振り切って大殿を飛び出して行った。その頃、雲禾の魂は肉体を離れ、まさに混沌に帰ろうとしていた。しかし急に面紗(メンシャ)で顔を隠した仙女に止められ、引き戻されてしまう。「…まだ生きている」目を覚ました雲禾はいつのまにか窓が開き、風が吹き込んで練炭を消してしまったと分かった。そこへ式典を抜け出した長意が駆けつける。「本気で死のうとしたのか?」長意は雲禾の無事な姿に安堵したのか、寝台に腰をかけた。すると雲禾が長意の冠からかんざしを引き抜き、自分の首を突き刺そうとする。焦った長意は咄嗟に阻止、雲禾の首をつかんで押し倒した。「雲禾、勝手に命を絶っていいと言ったか?!」「長意、あの崖で懲りていなかったの?…ふっ、私の筋書き通り東海へ帰ってくれたら良かったのに 結局あなたを傷つけ、私は順徳に捕まったわ、あなたを順徳の下僕にしたくなかったから」「黙れ…黙れっ!」「復讐したら?…憎いのなら殺せばいい、殺してよ、殺して!」「いくら望んでも死なせない」雲禾は誰が自分の邪魔をしたのか分からないまま憎しみを募らせた。一方、長意は雲禾が自分との時間より自害を選んだことに落胆を隠せない。空明はひとまず長意が体調不良だったと取り繕っておいたが、これで尊主としての権威が失墜したのは事実だった。しかし長意と言えば雲禾が自害しようとしたと嘆き、衰弱が激しいので治療して欲しいという。空明は仕方なく治療を引き受けたが、長意に一途な想いを抱く卿瑤には自分で釈明するよう言い聞かせた。卿瑤は仲間たちの信頼を取り戻すためにも雲禾を追放するよう提案した。「尊主のそばに置くにはふさわしくない」長意は雲禾を追い出す口実に自分を尊主に祭り上げたのかと疑ったが、卿瑤は誤解だという。「今日から私がしかと彼女を見張る、騒動は起こさせない」「構わないわ、強要するつもりはない、ただ尊主と北淵のために言っただけよ」一方、閬風巓(ロウフウテン)では天君・汝鈞(ジョキン)が仙令の示した模様に頭を悩ませていた。ひとまず模様を図に写してみたが、それが何を表しているのか見当もつかない。その時、偶然、風にあおられた図が碁盤に乗り、その上に碁石が落ちた。「岱輿(タイヨ)へ行くべきだ」合虚(コウキョ)神君の助言を聞いた雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君はこの図が地図とも限らないと首を傾げたが、汝鈞はこれも巡り合わせだと確信して出かけることにした。雲禾は騒がしい音で目を覚ました。すると侍女たちが雲苑に荷物を運び込み、忙しく準備をしている。「何をしているの?」「尊主がこちらに越して来ます、議事や巡視以外の務めは全て雲苑で行うとのこと 睡眠の邪魔にならないよう結界を張って音を遮りますのでご安心下さい」「これ以上どこに結界を増やす…(はっ)まさか寝台の周りに?」「そうです」…やってくれるわね、私を見張るためここまでするなんて…雲禾は自由に死ぬこともできず、解放どころか居場所は寝台ひとつ分だけになった。つづく(  ̄꒳ ̄)ちゃんいー、やってくれるわね~
2023.08.24
コメント(0)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第2話仙師・寧清(ネイセイ)の密室にある姿絵が万花谷(バンカコク)谷主・林昊青(リンコウセイ)の知るところとなった。実は姿絵に封印された霊力は早く元の姿に戻りたいと焦り、仙師を焚き付けるため自ら誘き寄せたという。寧清は戻りたければおとなしく待つよう言い聞かせたが、霊力は開き直った。「もし従わなければどうする?私を殺すのか?」しかし寧清は霊力と血の契りを交わしているため、約束を破れば死が待っている。わずか1000年で修為がここまで激増したのも霊力から授かった力だった。「殺すわけがない…ただ大乱を起こすならとことんやらなくては…」( ๑≧ꇴ≦)モクモクさん!一方、湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)に監禁された紀雲禾(ジーユンファ)は今日も窓際で外を眺めていた。すると食事を運んで来た侍女がいきなり襲いかかってくる。雲禾は咄嗟に赤い狐火で応戦、隠魂針(インコンシン)を放った。「(はっ!)なぜ姑姑の隠魂針が使えるの?!」「姑姑?」雲禾は卿舒(ケイショ)が狐王の妹だったことを思い出し、侍女が実は狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)だと気づいた。そこでこの霊力は卿舒からもらったと釈明したが、卿瑤は信じられず、叔母の敵を討つという。しかし危ないところで長意(チャンイー)が駆けつけ、卿瑤を連れて出て行った。「ふふ、噂通り美人ね…」雲禾は卿瑤が長意を好きだと分かったが、急に霊力を使ったせいで反噬に襲われてしまう。「生きられる日も残り少なくなって来たわ…」卿舒は愛する林滄瀾(リンソウラン)のため自分の霊力を雲禾に差し出し、自害していた。「やはり御霊師は人心掌握術に長ける…」卿瑤は叔母が林滄瀾に惑わされたと落胆し、もしや長意も雲禾に惑わされているのではと心配する。しかし長意は雲禾に自分の苦しみを味わわせるまで死なせたくないだけだとごまかした。そこで卿瑤からも令牌を取り上げ、雲苑を立ち入り禁止にしてしまう。凌霜台(リョウソウダイ)では奇鋒(キホウ)に焚き付けられた狐族が集まっていた。卿瑤は雲禾なら叔母を殺していないと報告したが、奇鋒たちはどちらにしても御霊師を生かしておくのは危険だという。すると卿瑤は長意への反発を押さえるため、軍心を乱した罰として奇鋒に20日間の禁足を命じた。長意は独りで雲禾の世話をすることにした。しかし雲禾は衰弱が激しく、身体が薬を受け付けない。驚いた長意は咄嗟に鮫珠(コウジュ)に霊力を送ったが、その時、雲禾は一瞬、無垢だった頃の大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の面影を見た。「…紀雲禾、あの時、崖の上で何があったんだ?」雲禾は言葉に詰まり、話をそらしてしまう。「知っているのになぜ聞くの?…長意、もう時間がない、最後の数日だけ自由にして」すると失望した長意は雲禾の望みを叶えるつもりはないと言い放ち、出て行ってしまう。…長意、今さら真相を伝えて何になるの?恨まれたままでいい……紀雲禾、君の愛が本物だったのか、なぜ教えてくれないんだ…( ;∀;)ちゃんいー卿舒にまつわる噂が広がり、雪三月(セツサンゲツ)はこのままでは雲禾が危険だと焦った。そこで凌霜台の前で長意を待ち伏せ、力づくでも雲禾を連れて帰ると迫る。しかし離殊(リシュ)が駆けつけ止めた。「長意、お前とは争わないが、雲禾のことは後日、話し合おう」凌霜台では騒ぎを聞きつけた空明(コウメイ)が長意を待っていた。空明は雲禾への執着を捨てるよう言い聞かせたが、長意は何を吹っ切れても雲禾だけは無理だと吐露する。「本当に知りたいのは当時の真相なんかじゃないんだろう?」長意は空明に心を見透かされ、思わず疲れたとごまかして帰ってしまう。( ;∀;)ちゃんいー離殊は道すがら三月を説得した。例え今、雲禾を解放しても、北淵を出れば仙師府に追われるだけだという。「慎重に考えた方がいい、俺から話してみるよ、とにかく身体が冷えるから帰ろう」離殊は魚汁を作ると言ったが、三月はもう自分の面倒を見る必要はないと突き放した。「あなたはもう私の仙侍じゃない、山猫世子に世話をさせるなんて恐れ多いわ」「なぜそんな言い方を?!…わだかまりを解くには時間がかかるだろう 三月、とにかく信じて自然に身を任せよう」しかし三月は素直になれず、独りになりたいと頼んだ。(´-ω-`)ウム…離殊は一足先に山荘へ戻り、厨房で魚汁を作り始めた。すると楽游山(ラクユウザン)に置いて来たはずの従者・大歓(タイカン)と小歓(ショウカン)が現れる。2人は雪三月のため自ら料理をする世子の姿に困惑し、どうすれば世子を解放してもらえるのか考えあぐねた。長意は雲苑で調べ物をしながら雲禾を監視していた。やがて時間になると薬湯を招喚、すると雲禾は自分が死んでも閉じ込めたままなのかと聞く。「こんな方法で私を苦しめるのは絶望させるためなのね…成功よ」雲禾はもはや抵抗する気力もなく、素直に薬湯を飲み干した。哀れな雲禾の姿、長意は居たたまれなくなり席を立ったが、ふと思い立ち、以前、雲禾からもらった広物(コウブツ)集を出す。「まだ持っていたの?」雲禾が微笑みかけると、長意は気恥ずかしくなったのか、慌てて出て行った。( ;∀;)ちゃんいー雲禾はこのままおとなしく死期を待つつもりなど毛頭なかった。そこで霊力で結界を壊そうと試みるも、簡単に破れるはずもない。その時、仙師府から逃した地仙・阿鳴(アメイ)が食事を届けにやって来た。「北淵にいたのね?」「狐族世子の側近は立ち入りを禁じられたの、代わりに私がお世話するわ」一方、洛錦桑(ルオジンサン)は九寒洞で図らずも一夜を共にしてしまった空明に協力を頼むことにした。空明は突然、居所に乗り込んで来た洛洛にたじたじ、しかし涙ながらに雲禾の解放を訴える姿を見て情にほだされてしまう。…女子に手をつけておいてうやむやにはできないしな…「洛錦桑、責任はと…」その時、洛洛がいきなり空明を押し倒して馬乗りになった。「本当だ!本で読んだ通りね!男は同情を引けば油断するものだって!」洛洛の目的は空明から湖心島の令牌を奪うことだった。「持ってないって!」そこへ何も知らずに長意がやって来る。洛洛は悪びれる様子もなく退散したが、焦った空明は洛洛と一時の関係があったと認めた。「責任を取ろうとしても、あっちは恋愛感情が欠落している!」雲禾は阿鳴の協力でついに結界を破り、最後の力を振り絞って雲苑を抜け出した。しかし空明と辺境の防衛について相談していた長意が結界の異変に気づく。すると外で様子をうかがっていた洛洛は雲禾が逃げ出したと知って部屋に飛び込んだ。「帰ったと思ったでしょう?…ここにいてもらうから!」洛洛は雲禾を逃すため鱗粉(リンプン)を放ったが、長意は咄嗟に回避、洛洛と空明の腕を仙縄でつないでしまう。長意は雲禾が嬉しそうに走っている姿を見た。しかし雲禾は雪山までたどりつけず、あと少しというところで氷の上に倒れ込んでしまう。それでも自由を味わった雲禾は幸せだった。「解放された…やっと自由になれたわ!」冰湖(ヒョウコ)に響き渡る雲禾の笑い声、その時、長意が現れた。「やはり…こんな方法は甘かったわね…でも価値はあったわ」長意は雲禾を仙縄で縛り、連れ帰ることにした。雲禾は隙をみて逃げようとしたが、今の霊力では長意に叶わない。すると憤慨した長意はいきなり雲禾を引き寄せ、耳に噛みついた。「覚えておけ、天下広しと言えど、君の居場所は私の目の届く範囲のみだ」この様子を偶然、大歓と小歓が見ていた。離殊は2人から長意が雲禾に烙印を入れたと聞いて呆然、慌てて長意に会うことにする。「三月には秘密だぞ」しかし三月は離殊が慌てて出て行くのを見ていた。長意は雲禾が再び逃げないよう、雲苑の中にも結界を敷いて出ていった。すると阿鳴が雲禾の耳にある烙印に気づく。雲禾は長意が自分の所有物だと思い知らせるため印をつけたと気づき、深く傷ついた。「私は私自身のもの…誰にも操られず、支配もされない…長意でも無理よ…」( ;∀;)ラバちゃん…世子を迎えに冰湖へやって来た羅策(ラサク)、すると世子の耳に印があると気づいた。「世子?!鮫人の印を誰に?!…(はっ!)まさか紀雲禾ですか?!」長意は否定も肯定もしなかったが、それが答えだった。「鮫人の印は互いの五感を繋ぐんですよ?!紀雲禾の反噬の苦しみを分かち合うつもりですか?!」すると離殊が現れた。「雲禾を忘れられないんだな…生涯、守りたい人に出会えただけで幸運だ だが自分に縛りつけて死なせるな」「そういうお前こそ、縛られているのでは?」しかし離殊は自分と長意では全く違うという。「俺は三月に疎まれ、捨てられたら潔く諦めるね、だがお前はどうだ? 殺しもせず、こんな所に監禁して…彼女は何より自由を欲しがってる 北淵に引き留めたければ監禁するな、少しは譲歩しろよ」その話を三月が聞いていた。つづく( ゚ェ゚)…必ずどこかで誰かが見ているw
2023.08.23
コメント(1)
驭鲛记之恰似故人归 The Blue Whisper第1話…万花谷(バンカコク)の最強御霊師・紀雲禾(ジーユンファ)ある日、雲禾は順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が捕らえた鮫族世子・長意(チャンイー)の教化を任される心を通わせるうち、互いに惹かれ合うようになった雲禾と長意長意は寒霜に冒された雲禾を救うため、自ら尾ひれを切り落とすという鮫族の禁忌まで犯してしまうしかし雲禾は自分の命がわずかだと知り、長意だけでも逃そうと考えたそうとは知らず雲禾に胸を刺され、海へと突き落とされてしまう長意運良く従者と再会し、元仙師府の空明(コウメイ)に救われるも、自分を裏切った雲禾への憎しみは募った長意は新天地を求め北淵(ホクエン)へそこで仙師府と対抗している青丘の残党を助け、手を組む青丘は長意と空明のおかげで凌霜台(リョウソウダイ)を奪還、狐王を解放したさらに仙師府に捕らわれた仙友たちを救おうと計画する長意は絶大な霊力を誇る青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青(セイ)姫の協力を得て鹿台(ロクタイ)山へ侵攻しかし思いがけず仙師に捕らわれた雲禾が策を巡らせ、ひと足先に地仙たちを逃していた長意は矢も盾もたまらず雲禾を救出再会を喜ぶ雲禾だったが、長意が自分を深く恨んでいると知る雲禾は自分なら間もなく死ぬと安心させたが、長意はこれから雲禾の命は自分のものだと言い放った『私が死んでいいと言うまで生きなくてはならない』すると長意は裏切りの代償を払わせるべく、満身創痍の雲禾を北淵へ連れ去ってしまう…ここは北淵にある氷に閉ざされた湖・冰湖(ヒョウコ)。長意は意識のない雲禾を湖心島(コシントウ)の雲苑(ウンエン)で休ませていた。すると雲禾の容体を見た空明はかろうじて脈はあるものの、骸も同然の身体だという。「天仙と地仙、両極の力が注入されているのは寒霜を解く手段だろう それが体内に双脈と霊丹を生んだ、だがこの方法は禁忌だ ゆえに寒霜は解けても体内で大きな反発が起こっている」長意は雲禾の話が本当だと知って驚いた。ともかく誰も近づかないよう湖心島の周囲を禁域に決めるが、羅策(ラサク)と空明は反対する。「無妄窟(ブボウクツ)に置かず、ここで静養させるのですか?」「長意、それは反感を買うぞ?」しかし長意は自分に考えがあると突っぱねた。狐族少主・卿瑤(ケイヨウ)は父の仙体を前に悲しみに暮れていた。一族を救うため自ら霊丹を取り出し犠牲になった狐王・卿玄(ケイゲン)。かろうじて凝丹(ギョウタン)術で経脈を保つことはできたが、目覚めることは難しい。しかし卿瑤はどうしても諦められず、空明の助言に従って仙体を凍らせ、父が目覚めるのを待つことにした。その頃、洛錦桑(ルオジンサン)と雪三月(セツサンゲツ)は雲禾を追いかけ北淵にいた。ひとまず青姫の居所に身を寄せたが、雲禾が監禁されていると知り困惑する。すると長意が訪ねて来た。長意は青姫の助力に感謝したが、青姫は感謝されるほどの働きはできなかったという。実は仙師・寧清(ネイセイ)は青姫が封印されていた1000年の間に修為が激増、そのため青姫の霊力をもってしても寧清が仙師府へ戻るのを阻止できず、負傷していた。「あれほど強くなるなんて、何か裏がある気がするわ」そこへ羅策が駆けつけ、紀雲禾が目覚めたと知らせた。長意は慌てて帰ることにしたが、すかさず洛洛が止める。「どうして雲禾を閉じ込めるの?!…雲禾はあなたを逃して捕まった、何て恩知らずな!」「恩か仇かは私が決めて片をつける、君は関係ない」その時、厨房にいた山猫世子・離殊(リシュ)がやって来た。「長意!…滋養のある魚汁ができたところだ、飲んでいけよ」しかし長意は魚汁を奪って、帰ってしまう。洛洛と三月は雲禾の身を案じた。しかし青姫は″情のもつれ″には関与できないと冷たい。三月は腕づくでも雲禾を解放させると息巻いたが、離殊が止めた。「様子を見よう、長意が雲禾をいたぶるとは思えない、さっき魚汁を奪ったのは誰のためだと思う?」雲禾は窓を開けて外を見た。「雪だわ!大尾巴魚(ダーウェイバーユー)の計らいかしら?私が雪を見たいと知ってるから…」しかし腕を伸ばすと結界に触れてしまう。そこへ卿瑤侍女・微妍(ビゲン)が食事を届けにやって来た。「立場をわきまえるのね、ここは湖心島の雲苑、あなたは監禁されているの」雲禾は自由を手に入れたわけではなく、牢から牢へ移動したに過ぎないと知る。「食事があるだけ上等よ、面倒をかけないで」微妍が帰ると入れ違いで長意が現れた。「長意…」雲禾は過去のことを謝罪し、解放して欲しいと頼んだ。しかし長意は食事をしろの一点張り、他には何も話そうとしない。「喉を通らないの…もう霊力を養う必要もないし…」「自分で食べるか、法術で食べさせるか、好きな方を選べ」憤慨した雲禾は卓をひっくり返そうとしたが、もはやその力もなかった。仕方なく食事を済ませて寝台に横になった雲禾、すると長意は黙って出て行ってしまう。「本当に帰った…私と話す気もないのね」すると長意は法術を放って日の光を隠し、代わりに満点の星空にして帰った。その頃、仙師府では顔に深傷を負った汝菱が目を覚ました。しかし付き添っているのが師匠ではなく弟の天君・汝鈞(ジョキン)だと知って深く落胆する。すると顔の怪我を思い出し、寝台から飛び出して鏡を見た。「この顔は…?!だから師父は会いに来てくれないのね」汝菱は包帯だらけの顔に激しく動揺し、すべて弟のせいだと八つ当たりしてしまう。「知ってるわ、あなたが元凶よ…紀雲禾の勝手を許して罪仙どもを逃したでしょう? 私の顔が傷ついたのもあなたのせいよ!全てあなたの過ちよ!」汝鈞は確かに全て自分の過ちだと認めた。「私が放任したせいで姉上は善悪も分からなぬ者になってしまった…」ここは閬風巓(ロウフウテン)。合虚(コウキョ)神君は以前、天君が置いた石を碁盤から浮かせて聞いた。「こうなると前もって知っていれば、ここに打ちましたか?」すると汝鈞はまた同じ場所に石を置いてしまう。親も同然の姉が苦しむ姿には確かに気が咎めるが後悔はしていなかった。「私は弟である前に天君なのだ」汝鈞はついに父から仙令を得たことで自信がついたが、まだ神兵を招集するほどの修為はない。その時、仙令から不思議な模様が飛び出した。「父上はこの模様で何をお示しなのだろうか?」一方、仙姫を救った万花谷の谷主・林昊青(リンコウセイ)は仙師府に傷の治りを良くする荀草(ジュンソウ)の実を差し入れた。姫成羽(キセイウ)はありがたく受け取り、師匠が戻るまで待って欲しいと頼む。その頃、寧清はようやく仙姫府を訪ね、治療を始めることにした。敬慕する師匠の来訪を喜ぶ汝菱、しかし寧清が回復を急ぐあまり荒療治を行い、激痛に苦しむことになる。「これも全て紀雲禾とあの鮫人のせいよ…必ずや悲惨な代償を払わせてやる!」雲禾が窓を開けて外を眺めていると、微妍が薬を届けにやってきた。寒い中、憎き御霊師の世話を任され不満が募る微妍。そこで半ば強引に窓を閉めることにしたが、雲禾の狐火で吹き飛ばされてしまう。微妍はこれに激怒、雲禾に立ち向かうも長意が現れ、窓から放り出されてしまう。雲禾は数日だけでも外へ出たいと頼んだ。しかし長意は認めてくれない。「私が死ぬのを待たなくていいわ、ひと思いに殺してちょうだい」「紀雲禾、君は死なない、私が苦しめる間は決して死なせない」雲禾は仕方なく薬草を食べ始めた。…ばかね、毎日あなたに会えるのに苦しいわけがない、短い余命の中で最大の喜びよ…仙師府に突然、悪霊が現れた。実は悪霊を放ったのは林昊青の仙侍・思語(シギョ)。三月に解毒薬を奪われた林昊青は姫成羽が悪霊退治に出かけている隙に解毒薬を盗もうと計画した。しかし解毒薬はどこにあるのか。その時、誰かの気配を感じた。林昊青は幻覚でも見たのかと思ったが、戸棚の隙間から不自然に風が出ていることに気づく。そこで戸棚を押してみると、隠し部屋が現れた。寧清はちょうど悪霊退治を終えた姫成羽と合流、林昊青が待っていると聞いた。足音に気づいた林昊青は慌てて隠し部屋から飛び出し、危機一髪のところで間に合う。「碁の盤面を見ていました、戻し忘れがあればご容赦を…」一方、微妍は主に紀雲禾が奇妙だと訴えていた。囚徒と言いながら鮫族世子が頻繁に通っており、今日は雲禾が赤い狐火を使ったという。卿瑤は世話係を変えると安心させたが、なぜ御霊師が狐火を操れるのか分からなかった。「詳しく話して」赤い狐火を操れるのはかつて林滄瀾(リンソウラン)に従い万花谷へ行った叔母の卿舒(ケイショ)だけだった。すると卿瑶の従兄・奇鋒(キホウ)は紀雲禾が叔母を殺して霊力を盗んだと疑う。「表哥、私に調べさせて、本当に紀雲禾が凶手ならその時は許さない」林昊青は結局、解毒薬を見つけられず万花谷へ戻った。それにしてもあの密室にあった絵姿は誰なのか。一見すると順徳に似ていたが、その顔には順徳にはない英気があった。聞けば仙師は順徳の治療に幽虫(ユウチュウ)を使っているという。思語は驚いた。確かに幽虫は腐肉を除いてくれるが、薬性が極めて強く、火に焼かれるより激しい痛みを伴うという。林昊青はもしや仙師が愛しているのは順徳の顔だけではないかと疑った。「今日の最大の収穫はあの絵姿だ…」寧清は林昊青が密室に入ったと気づいていた。「お前が招き入れたな?」「だから何だ、お前が約束した大乱が始まらぬゆえ、足元に火をつけてやったのだ これ以上、引き延ばすな!私を元の姿に戻らせよ!」絵姿に封印された霊力は不満を爆発させた。「戻りたくばおとなしく待て」「もし従わなければそうする?私を殺すのか?」つづく( ゚ェ゚)幽虫ぶ…w
2023.08.22
コメント(0)
风起霓裳 Weaving a Tale of Love最終話「嫁ぐ日」上元節、庫狄琉璃(コテキルリ)と裴行倹(ハイコウケン)は一緒に過ごせない代わりに手作りの切り絵を交換した。于(ウ)夫人はこれでは自分がまるで2人の仲を引き裂く西王母(セイオウボ)だと苦笑い、そこへ蘇定方(ソテイホウ)がやって来る。「実は守約(シュヤク)と賭けをした、守約が勝てば2人で外出してもいいぞ」蘇定方は琉璃と背格好が同じ侍女を4人ほど集めさせた。そこで琉璃を入れて5人にすっかり同じ白い外套を着せ、仮面をつけさせる。一見すると誰が琉璃か全く分からないが、これが裴行倹との賭けだった。「誰がお前か見抜ければ守約の勝ちだ」すると于夫人は琉璃のかんざしを外し、別の娘の髪に挿してしまう。蘇家は揃って灯籠祭りに出かけた。仮面のせいで美しい夜景が堪能できず落胆する琉璃、その時、舞を披露する一団が一行を取り囲む。その時、蘇定方は琉璃を連れ去ろうとする裴行倹に気づいた。「(はっ)こわっぱめ!」蘇定方は見事な軽功で裴行倹の行く手を阻んだが、仮面を剥ぎ取ってみると裴行倹の従者・阿成(アセイ)だと知る。実は本物の裴行倹はすでに琉璃を連れて姿を消していた。琉璃は裴行倹がなぜかんざしを挿していなくても自分だと見抜けたのか不思議だった。しかし裴行倹はどんな格好をしていようと琉璃の姿はすぐ分かるという。「君に会えない苦痛に耐えて来たが、こうして会うともっと苦しくなる…」「苦しい?苦しいなら耐えなければいいわ」すると裴行倹は琉璃に口づけした。裴行倹は臨海(リンカイ)大長公主が琉璃に屋敷を贈ったことを知っていた。確執があるとは言え河東(カトウ)公府に恩があるのも事実、別に屋敷を買えば盾をつくことになってしまう。何より吏部(リブ)に移動すれば配下の宿舎も必要になり、今の屋敷ではまかなえなかった。「屋敷を買おうと思っていたが手間が省けた、この件は私に任せてくれ」屋敷も決まり婚礼を待つだけとなった琉璃、しかしまだ側仕えの侍女が見つからなかった。そこで顔の広い伯父・安四郎(アンシロウ)に相談する。確かに中眷裴(チュウケンハイ)家の一族と河東公府の難しい関係を思えば如才ない侍女が必要だった。さらに琉璃は洛陽にある裴行倹の資産を密かに調査して欲しいと頼む。一覧を見た安四郎は莫大な資産に驚いたが、洛陽で長年、店を営んでいる琉璃の大叔父に現状を調べてもらうと安心させた。琉璃は実家から嫁ぐため、婚礼の前日に庫狄府に戻った。河東公府に嫁ぐと決まった珊瑚(サンゴ)は媵妾(ヨウショウ)とは言え県令の妻より上だと無視していたが、曹(ソウ)氏が娘の尻を叩く。「大長公主の命があるでしょう?」「(はっ!)そうだった!忘れてた!」庫狄延忠(コテキエンチュウ)は今頃になってやっと珊瑚が裴如琢(ハイジョタク)に嫁ぐと伝えた。琉璃は父が決めれば良いことだとあえて何も言わなかったが、珊瑚には嫁いでも分を守るよう釘を刺しておく。すると曹氏がこれまでの償いとして婚礼祝いに侍女を贈ると言い出した。しかし阿春(アシュン)と阿桃(アトウ)は身なりも身のこなしも上品で明らかにただの奴婢ではない。珊瑚は伯父が探してくれたと嘘をついたが、琉璃はこれが珊瑚に縁談を持ち込んだ大長公主の目的だと分かった。「伯父上が仕込んだ侍女なら琉璃が頂くわけにはいかないわ、珊瑚が連れて行くべきです」その時、安四郎が琉璃を訪ねて来た。明日の婚礼を前に安四郎も琉璃に侍女2人を贈った。焦った珊瑚は反対したが、安四郎になぜだめなのかと怪しまれ、口ごもってしまう。その時、琉璃は侍女が阿霓(アゲイ)と小檀(ショウダン)だと気づいて驚いた。阿霓は如意衣装店の番頭、琉璃は侍女にできないと断ったが、安四郎は阿霓が自ら申し出たと教える。実は阿霓は以前、高陽(コウヨウ)公主の側仕えの宮女として公主府を管理していた。しかし駙馬(フバ)の夜伽を断ったせいで不興を買い、人買いに売られたところを安四郎に救われたという。臨海大長公主は琉璃が自分の間者となる侍女を断ったと聞いて激怒した。崔(サイ)夫人はこれで珊瑚との縁談を破棄できると期待したが、大長公主は琉璃と犬猿の仲なら使い道があるという。「どうやら庫狄琉璃は痛い目に遭いたいようね…」翌日、裴行倹は花嫁を迎えに庫狄府へ向かった。琉璃は皇帝から賜った宝飾品で美しく着飾ったが、最後に母の形見である腕輪と耳飾りをつける。…喜びの日なのに阿母がそばにいないなんて、この心の痛みは言葉にできない…天から見守っていてね、愛する人と出会えて私は幸せよその頃、花婿一行が庫狄府に到着した。しかし花婿が迎えに来ても、慣例によりなかなか花嫁とは会わせてもらえない。まずは花嫁の部屋を探し出し、次に立派な雁(カリ)を贈る。そして美しい詩を詠んで客人たちが認めると、やっと美しい花嫁が姿を現した。裴行倹と琉璃は裴府に入り、拝礼の儀が執り行われた。そこへ宮中から孫徳成(ソントクセイ)と順子(ジュンシ)が駆けつけ、昭儀・武媚娘(ブメイニャン)からの祝辞と祝いの品を届ける。「しっかりやるのだぞ、もう義父も武昭儀もいないのだからな」「ご安心を、琉璃はこの裴行倹が守ります」琉璃は義父に拝礼して感謝を伝えることにしたが、孫徳成はひざまずこうとした琉璃を止めた。琉璃と裴行倹は晴れて夫婦となった。2人は固い絆で結ばれ、永遠に離れることはない。終わり終わった~!・:*+.\(( °ω° ))/.:+/.*・ って…え?!終わってねぇぇぇぇ~!そうです!実は2季があるんです!しかしまだ配信されていない?もしかすると裴行倹が実在の人物だけに検閲でダメだったのかもしれませんねえ~( ゚ェ゚)ま、いいか ←いいのかいw
2023.08.20
コメント(1)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第20話「火花散る婦女たち」孤城でも兵器を横流ししたと認めた雍(ヨウ)王。しかし当時、皇帝の征戦に追随した自分たち老臣の苦悩を若い凌不疑(リンブーイー)が分かるはずもないという。当時、群雄が競い情勢が見通せない中、皇帝が天下に号令をかけると誰が予想できただろう。「私はただ予防線を張り、帰郷するという退路を残しただけだ 密かに兵器を横流ししたが、まさか一度だけであの惨事を招くとは…孤城陥落は私の本意ではない 霍翀(フォチョン)は援軍が来るまで持ちこたえると思った、だが誰も現れなかった 孤城陥落の原因は私一人ではない、陛下はなぜ援軍が到着しなかったことを責めぬ?」すると雍王は急に高笑いした。いずれにせよ皇帝の性分からして凌不疑の望み通り徹底的に解明してくれるはずがないという。急に静かになった牢に梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が入った。するとはりつけにされた雍王がめった刺しにされ、すでに事切れている。若主公が自らの手で霍(フォ)家の敵を討ったのは明らかだった。廷尉府が検視すれば追及されるのは必至、しかし凌不疑は雍王が自害したと報告するよう命じる。「それから雍王が教えてくれた、当時、孤城は援軍を要請するも兵器が粗悪で数日で陥落 つまり援軍を求めた者はまだ生きているやも…2人でその者たちの行方を探せ」その夜、凌不疑は霍家の祠堂にいた。正気を失った母・霍君華(フォジュンホワ)は植木の手入れをしながら、不疑の話を聞いている。「阿母、兵器を着服した者はすでに突き止め、この手で葬り去りました、ご安心を 我ら霍家の仇は決して忘れません、いつの日か孤城の真相を突き止めます 全ての罪人たちの息の根を止める、一人残らず…」その時、君華の脳裏にふと孤城で目の当たりにした惨劇が蘇った。「…流れた血は血で贖(アガナ)う」君華は無意識に恨みを募らせ、うっかり棘のある枝を握りしめて手を切ってしまう。「血が…手当てしましょう」「いいのよ、阿狸(アーリー)、昔から血が苦手だったでしょう?手を切った時も気絶したじゃない?」「私は成長しました、戦場で敵も殺せます」「戦場?(はっ!)戦場はだめ!兵器が壊れてる!彼らを倒せないの! 彼らは誰一人来てくれなかった!」すると不疑は動揺する君華を強く抱きしめた。「大丈夫、兵器を壊した者は全員、殺しました…来なかった者も一人一人見つけ出します」祭壇に並んだ霍家兄弟の位牌、その後ろには孤城で無念の死を遂げた将士たちの位牌がずらりと並んでいた。凌不疑の私刑は皇帝の耳にもすぐ入った。不疑はすでに3時(トキ)ほどひざまずいている。「お前を甘やかしすぎた!審理前に殺すとは、君主を欺く罪だぞ?!」「雍王父子は無辜の将士と何(ハー)将軍一族を殺した、それを始末して何の罪が? 他の事案にも関わっているのです!」「死者は戻らぬ!なぜ執着する?…お前を甘やかすのも天下の民の安逸が前提なのだぞ? 戾(レイ)帝が世を乱して数十年、民は平穏な日々を待ち望んでいた それなのにまた朝堂を乱して天下を混乱に陥れると?!」「…滅相もない」頑なだった不疑はようやく自分の過ちを認め、罰として半年の食邑(ショクユウ)没収と半等級の降格を命じられた。その頃、破談問題で揺れる程(チォン)家に楼(ロウ)家から話し合いたいという旨の書簡が届いた。程家から破談にして欲しいという思惑は明らか、少商(シャオシャン)は楼太傅ではなく楼伯夫人の企みだと気づく。「はお、話を聞いてやろうじゃないの!」憤慨した蕭元漪(シャオユエンイー)は早速、嫋嫋(ニャオニャオ)を連れて楼家に出かけることにしたが、婦人の問題につき程始(チォンシー)はひとまず留守番になった。「我らが楼家と格闘になったら、止めに来くればいいわ」(; ̄▽ ̄).oO(格闘する気満々だな…@父楼家では楼伯夫人と娘の楼縭(ロウリー)が待ち構えていた。案の定、楼伯夫人は栄誉ある何家との縁談は楼垚(ロウヤオ)にとって身に余る光栄だと言いのける。母娘は楼太傅の権勢を笠に着て程家を見下し言いたい放題、しかし相手が悪かった。蕭元漪は理不尽な物言いに呆れ、けりを付けるなら外へ出ろと圧力をかける。驚いた楼伯夫人は使用人たちを呼びつけ対抗、皇太子の太傅である楼府での狼藉だと責めた。「母娘して楼府でのさばるとは…ギギギギ!いい度胸ね!」「そもそも求婚してきたのは楼家、本来なら楼太傅が謝罪に来るのが筋でしょう? 楼伯夫人が口を出すことかしら? 私たちがのさばる?…その言葉、そっくりそのままお返しするわ」楼垚は少商たちの来訪を聞いて慌てて母たちと母屋に駆けつけた。すると興奮した大夫人と楼縭が金切り声を上げる。「阿母!早くこの人たちを追い出して!程家の出入りを禁じて…」「何をしてるの?!早く追い出しておしまい!…出て行けぇぇぇぇ!」絶叫しながら程伯夫人に迫る楼伯夫人、その時、蕭元漪が思い切り楼伯夫人の横っ面を張り倒した。「今までは姻戚になる手前、顔は立ててやった 破談となった以上、この一発を境に2度と来るもんですか!足が汚れるわ!」激怒した楼縭は母の敵を討とうとしたが、すかさず少商が引っ叩いた。「阿母の出る幕でもない、あんたは私が片づける」「行くわよ」蕭元漪は引き上げることにしたが、二房たちが引き止めた。↓鼻セレブの会…少商は楼垚が足を怪我していると気づき、楼大夫人の仕業かと疑った。しかし二房夫人が否定し、実は息子が塀を乗り越えようとして落下したと教える。安堵した少商だったが、その時、ようやく楼垚を支えているのが袁慎(ユエンシェン)だと気づいた。「なぜここに?」「楼大公子とは良朋(リョウホウ)でな、弟御が負傷したと聞いて見舞いに来た」( ತ _ತ).oO(いつも騒ぎを嗅ぎつけるのね…ボソッすると板挟みとなった二房夫人はいっそ少商と何昭君(ハージャオジュン)を一緒に娶ってはどうかと持ちかけた。蕭元漪は呆然、程氏三兄弟で側室を取った者はいないと憤慨して出て行ってしまう。そこで少商は最後に楼垚の考えを聞くことにした。楼垚は絶対に昭君を娶らないと拒否、改めて少商との破談はないと断言する。( •̀㉨•́)<絶対に嫌だ!(๑•̀ㅂ•́)و✧<約束よ?( •̀㉨•́))<うん!少商は楼垚の気持ちを確認し、ひとまず帰ることにした。しかし短気な母が自分たちを置いてさっさと帰ってしまったと知る。門前で途方にくれる少商、すると思いがけず袁慎が自分の馬車で送ると言った。袁慎は馬車に揺られながら、何将軍が昭君をなぜ楼垚に嫁がせたかったのか説明した。今は昭君が何家の遺産や一族の孤児たちを管理しているが、いずれは成人した末子が引き継ぐことになる。それまでの十数年、遺産を守るためには権門の楼家に嫁ぐことが最も安全な選択だった。「だったら袁夫子、あなたはどう? あなたなら何家の財は狙わないし、才覚も学識も容貌も阿垚より何倍も勝る あなたなら何昭君もきっと…」すると袁慎は少商の無神経な提案に憤怒、急に馬車を止めて少商を降ろしてしまう。( ತ _ತ).oO(送ったり降ろしたり…マジで何なん? ←分かってないにゃおにゃお洛陽の城門、少商と楼垚は帰京した何昭君に縁談を諦めてもらうよう説得することにした。この機会を逃せば皇帝が楼垚との縁談を賜る可能性がある。すると馬車から昭君が顔を見せた。少商は大事な話があると切り出したが、昭君はこれから重大な用件があるという。「程娘子、どうしても話したいなら同行して」驚いた楼垚は少商を責めるなとかばったが、昭君は亡き父に誓って危害は加えないと安心させた。「阿垚…大人になったわね」安成君の馬車は廷尉獄の前で止まった。恐る恐る昭君の後を追って門をくぐった少商、すると中庭の執行台ですでに肖(シャオ)世子がその時を待っている。世子は見送りに来た昭君に気づき、夫婦の誼で肖家の者を善処して欲しいと頼んだ。「誼?どんな誼かしら?大兄と四兄の首を槍に刺して阿父を挑発した誼? それとも五兄を射(イ)殺し、身籠もっていた嫂嫂を突き刺した誼?!それとも乳母を惨殺した誼?! …陛下は慈悲深いわ、肖家の功績を鑑み、屍は残すつもりだった でも私が訴えたの、さらし首にして欲しいとね! 今日から肖氏は代々、首を切られた逆賊として世人に唾棄(ダキ)されるのよ!」「何だと?!」肖世子は昭君の思わぬ仕返しに激しく抵抗したが、もはやどうにもならない。すると昭君は往生際の悪い世子の顔を引っ叩いた。「急いで帰京したのはお前の首が落ちるのをこの目で見るためよ!」少商は昭君にそろそろ執行の時間だと知らせた。しかし昭君は皇帝が敵討ちを許可してくれたと明かし、執行台へ上がってしまう。「私の手で…あの世へ送ってやる!」昭君は執行人の手から剣を受け取ると、いきなり振りかぶった。驚いた少商は咄嗟に背を向けて逃げようとしたが、誰かにぶつかってしまう。「…怖くない、私がいる」少商を抱き留めたのは凌不疑だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!最後にブチギレた何昭君が全部もっていった~それにしても善見、本当イラっとするわw
2023.08.19
コメント(1)
星汉灿烂 Love Like the Galaxy 第19話「急転直下」晴れて楼(ロウ)家との縁談がまとまった程少商(チォンシャオシャン)。凌不疑(リンブーイー)は想い人のために皇帝に嘆願し、少商を楼家で表彰することで花向けとした。そんな事とはつゆ知らず、少商は突如、社交場の花となり、まんざらでもない。一方、楼家二房の楼犇(ロウベン)は弟を連れて人目のない回廊へ来た。恐らくあの詔書は凌不疑が皇帝に頼んだのだろう。楼垚(ロウヤオ)はならば少商と一緒に感謝を伝えに行くと言ったが、楼犇は必要ないと止めた。「凌将軍も知られたくはないだろう、今後、将軍との往来は控えよ」↓可愛いピンク阿垚(๑´ω`๑)♡楼犇が弟を宴席に帰すと、凌不疑が現れた。実は不疑は尺素(セキソ)を交わす㭌(モウ)先生の正体が楼犇だとすでに調べをつけていたという。「やはり子晟(ズーション)は騙せぬな、ふっ」すると不疑は馮翊(ヒョウヨク)郡の地形を熟知している″㭌先生″に地図を描いて欲しいと頼んだ。「力になってくれたら今後の道は大きく開かれるだろう ただ同袍(ドウホウ)となれば往来を控えることは無理だが…」楼犇は不疑が弟との会話を聞いていたと知り、率直に弟を傷つけてまで餌に食いつくつもりはないと牽制した。しかし不疑は今夜、馮翊郡へ向かうと教え、目的は地図だけだと安心させる。楼犇は安堵して不疑を見送ったが、振り返ると伯父の姿があった。( ゚ェ゚)え?Benは不疑が少商が好きだって知ってるの?蓮房(リエンファン)は女公主に凌将軍の伝言を伝えた。何でも女公主に話があり、もし来なければ縁談をぶち壊しに行くと脅されたという。警戒しながら指定された雑木林へ向かった少商、すると木漏れ日の中でたたずむ凛々しい凌将軍の後ろ姿が見えた。凌不疑は人払いしたので誰にも見られていないと安心させた。「少しだけ話をしたくて…」少商は戸惑いの表情を浮かべていたが、不疑から嫁ぐ以外に将来、何をしたいのか聞かれると目を輝かせた。「医者を集めて医術や経験を書にまとめて人々に役立てたい 重い農具の改良も…労力を減らして、多くの収穫を見込めるわ それから鍛冶場を作って器械を設計する、何か作り出せるかも…」不疑は戦場で殺し合いに明け暮れる自分とは全く別人だと笑った。「当然です、あなたはあなた、私は私です」「そうだな、君は君、私は私だ…」すると不疑は少商と会うのは今日が最後になると伝えた。「今夜、発つ、命を賭した戦いになるだろう 程少商、楼垚と外地に行くにしても焦ってはいけない、私が陛下に頼み、安住の地を探そう」その時、ふいに風が吹いて銀杏の葉が舞い落ちてきた。しばし落ち葉を眺める2人。「思えば君の笛の音を聞けなかった」「危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう」「…やめておこう、笛は夫に聞かせると良い、安心して嫁げ 凱旋できたとしてもこの先は他人だ、会うこともない」その夜、凌府に楼大公子から地図が届いた。しかし推挙は辞退するという。凌不疑は楼太傅の横槍が入ったと分かったが、楼家二房がここまで非力だと思うと少商の行く末が心配になった。…危険な戦なので御身大切に、お望みなら凱旋後に笛を吹きましょう…少商の言葉を胸に馮翊郡へ出発した不疑、その頃、少商もなぜか凌将軍との別れが頭から離れず、眠れぬ夜を過ごしていた。凌不疑は呉(ウー)将軍と合流、馮翊郡を平定し、雍(ヨウ)王父子を捕らえて凱旋した。しかし一足遅く、孤軍奮闘した何(ハー)家父子は国に殉じたという。文(ウェン)帝は忠臣の死を心から悼み、朝堂は悲しみに包まれた。すると呉将軍は臨終前の何将軍から遺言を託されたと報告する。何将軍は最期まで幼い息子と娘の昭君(ジャオジュン)を案じていた。何昭君は成婚前、楼垚公子の許嫁だったが、肖(シャオ)賊が捕らわれたことで婚姻も消滅、楼家と再度、縁組したいと言い残したという。恐らく何将軍は楼垚の程家との縁談を知らなかったのだろう。朝廷は紛糾した。程家と懇意の万松柏(ワンソンバイ)は真っ先に難色を示したが、一方で何氏一族の忠勇に鑑み、何将軍の遺言に応じるべきだと訴える大臣もいる。その頃、少商は何も知らずに家塾で不貞腐れていた。楼垚が程家の家塾を辞めた。少商は師匠・袁慎(ユエンシェン)の嫌がらせだと嘆いたが、そこへ萋萋(チーチー)が駆けつける。「少商、大変よ!参内した阿父から聞いたけど馮翊郡の戦は勝利したって! でも例の何将軍一家は戦死したらしいわ」「それはお気の毒ね…でもそれが私と何の関係が?」万松柏は程始(チォンシー)たちに朝議での騒動を説明した。卓にうつぶしたままぐったりしている少商、そんな娘の姿を見た程始と蕭元漪(シャオユエンイー)は憤懣やるかたない。「私は運が悪い、だから不思議だった、なぜ縁談が順調に進んだのか…(ボソッ」少商の失望は大きかったが、深く傷つきながらも冷静だった。楼家が意思表示しないのは恐らくどちらの縁談の方が得られる利益が大きいか天秤にかけているからだろう。あと一歩で自由な生活を手に入れられるはずだった楼垚、しかも望まぬ相手を娶らねばならない。「一番辛いのは阿垚よ…」その夜、楼垚は裏庭の塀を登って楼家から逃げようとしていた。しかし伯父に見つかり、焦ってはしごから落下、足を負傷してしまう。↓にゃおにゃおと視聴者の姿…_(:3 」∠)_何昭君は安成(アンセイ)君に封じられた。大局を重んじた楼太傅は結局、楼垚と昭君の縁組を決める。楼大夫人は負傷した楼垚を見舞ったが、今回ばかりは二房も黙っていなかった。いつもは怯えている仲夫人も楼家に嫁ぐなら相手が阿垚である必要はないと猛反発、王延姫(ワンイエンジー)も大夫人が自分の息子可愛さに阿垚に押し付けていると非難する。すると楼垚は重い身体を起こし、きっぱり縁談を断った。「これ以上、強いるなら婚礼の日に賓客の前で明かす 大房が縁談を押し付け、自分たちが何昭君を娶らない理由を… そうすれば皆が楼家大房のしたたかさを知るはずだ」しかし楼大夫人は程家に書状を送り、向こうから破談にさせると言い放って帰って行った。王延姫は楼垚が大夫人と堂々と渡り合う姿に驚いた。「程四娘子と出会ってから本当に変わったわ、理詰めで争えるようになるなんてね」「少商が言ったんだ、望む暮らしは自分で勝ち取ると…」楼垚は少商との婚姻を諦める気は毛頭なかった。一方、廷尉府大獄では凌不疑が侍衛を全て引き上げさせ、はりつけにされた雍王と向き合っていた。雍王は全て自分一人の責任だと訴え、息子の命だけは見逃して欲しいという。「…全て?全てとは孤城の件も含まれるのか?」もし肖世子が兵器を売っただけなら、皇帝も雍王の謀反までは信じなかったはずだ。しかし当時、孤城でも兵器が横流しされ、皇帝の義兄一家全滅を招いたとなれば話は別だろう。「陛下は絶対に許さない」「なるほどな…」雍王は息子が許尽忠(シュージンジョン)から兵器を入手したと聞いていた。「許尽忠がお前に捕らわれてから隠し通せないと覚悟していた 奴が私を裏切り孤城の件を吐かねば、半生の功績を犠牲にしてまで挙兵すると思うか?!」雍王は不疑に誘導され、うっかり先走った。実は許尽忠は審理する前に自害し、何も語っていないという。「陛下は釈明の機会を与えるために呼んだのだ、お前は許尽忠が裏切ったと疑い、挙兵した」「違う!陛下は私を殺そうとした!だから挙兵した!私は間違っていない!」「因果応報だ!」不疑は孤城での惨劇を思い出し、ふつふつと怒りが込み上げた。雍王の利益のために霍(フォ)家は全滅、孤城で無念の死を遂げた将士や離散した民を思うとやるせない。「あの日から悪夢にうなされず、安らかに眠れているか?」つづく( ๑≧ꇴ≦)うわあぁぁぁぁ〜!まさに急転直下!
2023.08.18
コメント(0)
全1833件 (1833件中 201-250件目)