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覆流年 Lost Track of Time第10話慶(ケイ)王・穆澤(ムーヅー)は捕縛された高承賢(コウショウケン)と話を付けることにした。すでに高承賢は腹を括って待っていたが、穆澤は利用価値があるなら殺す必要はないという。高承賢はあっさり寝返り、翊(ヨク)王を裏切って慶王に忠誠を誓った。しかしいきなり侍衛に腕を捻られ、踏み付けにされてしまう。「陸(ルー)家と慶王府は今や身内の間柄、そなたが陸安然(ルーアンラン)を陥れたことは分かっている 私の犬になるなら、咬みついて良い相手と触れてならぬ者をしかと見極めねばな」「分かりました…」激しい雨が続く中、町に告示が張り出された。支援米強奪の首謀者は柴広(サイコウ)、陸家は無実だという。驚いた穆川(ムーチュアン)は役所にいる二兄を訪ねたが、そこには復職した高承賢がいた。「二哥、高承賢の処罰は?!」「奴は役に立つ」穆澤は弟に帳簿を渡し、秦野闊(シンヤカツ)が翊王の金庫となり、軍が搾取した裏金が絶えず翊王に流れていると教えた。「高承賢は生き証人なのだ」「ならば父皇に帳簿を渡せば…」「だからお前は子供なのだ!それでは警戒されて徹底的な追求ができない 奴を使えば軍の腐敗を一掃できる」すると侍衛が駆けつけた。この豪雨で土石流が発生し、支援米の輸送隊が生き埋めになったという。穆澤は高承賢に崩壊現場の復旧と被災者の救出を命じ、穆川には必ず高承賢に罪を償わせると約束した。清河幇(セイカホウ)に帰った穆川は部屋に閉じこもり、ひとり煩悶していた。すると安然が雨に濡れて戻った穆川を心配し、薬湯を差し入れる。「不愉快でも身体は大切にして…触れ書きを見たわ」「澹州の民に申し訳ない、君にも…」安然は穆川が責任を感じる必要はないと言ったが、慶王を止めるなら今しかないという。「まだ間に合うわ、慶王がさらに道を外れることがあったらどうする? その時には兄弟の仲も戻らなくなってしまう…自分をしっかり持って」翌朝、穆川は独り清河幇を飛び出して行った。穆川が何をするつもりか分からなかったが、安然も沈長青(シンチョウセイ)に協力を頼み、先手を打つことにする。すると投獄された柴広の前に安然が現れた。「取り引きに来たの、慶王はあなたを米泥棒の主犯にしたわ 清河幇を裏切ればあなたの家族も唾棄され、生き地獄を味わう でも私に協力してくれるなら家族の平穏な生活を約束する」脱獄した柴広は妓楼にいた高承賢を引きずり出して短剣を突きつけた。「慶王を呼んで来い!」何事かと集まって来た民衆、その様子を安然は冬青(ドンチン)と一緒に高楼から見下ろしていた。やがて知らせを聞いた慶王がやって来た。すると柴広は濡れ衣を着せられたままでは死ねないと訴え、高承賢に真実を話すよう強要する。仕方なく高承賢は自分が黒幕だったと認め、しかも分け前が7対3だったと明かした。高承賢に向けられる民衆の激しい憎悪、その時、沈長青が背後から斬りかかり、裏切り者の柴広を始末して高承賢を解放してくれる。穆澤は幇主に感謝したが、沈長青は頭脳明晰な慶王なら悪人を懲らしめてくれると民衆を煽った。穆澤は引くに引けなくなった。そこで騒ぎを収めるためひとまず高承賢を投獄しようとしたが、思いがけず穆川が高承賢に恨みを持つ民たちを引き連れてやって来る。「高承賢のような権力を笠に着る輩が大勢の人を苦しめている! これ以上、犠牲を出してはならない!本人に償わせるべきだ!」穆澤はともかく役所で話そうとなだめたが、穆川は譲らなかった。すると穆川は穆澤の前でひざまずき、直訴状を掲げる。「澹州(タンシュウ)の民に代わり、慶王殿下に直訴します! どうか勅使の特権をもって、この場で高承賢を斬首に!」高承賢は驚いて慶王にすがりつき、盟約があると口を滑らせた。穆澤は民の矛先が自分に向くのを恐れ、咄嗟に侍衛の剣を抜いて高承賢の首を斬ってしまう。翌日、穆川は役所の兄を訪ねて謝罪した。穆澤は鬱憤を晴らすように剣術を稽古していたが、結局、穆川を許してくれる。「まさか弟に怒るはずないだろう?」その夜、安然と穆川は2人で祝杯を上げた。「帰郷したら弟を連れて瀚京(カンケイ)へ行くわ、あなたは?」「明日、二兄と帰るよ」安然は穆川が食糧庫の案を皇帝に上奏するつもりだと分かった。「瀚京で再会しましょう」帰路に着いた慶王一行、しかし山中で奇襲に遭った。穆澤も自ら剣を手に応戦したが多勢に無勢、何とか刺客を排除したものの、侍衛が慶王を救うため犠牲になってしまう。馬車は火矢で燃やされ手遅れ、大事な証拠もろとも灰になった。穆澤は朝堂で澹州の平定を報告し、高承賢の長年の悪事を見過ごして来た秦野闊を処罰するよう上奏した。しかし皇帝は事件の真相を暴いた慶王に褒賞を与えただけで終わらせてしまう。そんな中、皇帝は久しぶりに戻った九皇子を歓迎した。穆川は持ち帰った新種の稲を献上し、陸家を手本に食糧倉庫を提案、皇帝は民を思う九皇子に関心し、科挙の出題を任せるという。驚いた翊王・穆霖(ムーリン)は官職もない九弟には荷が重いと反対した。すると皇帝は確かに重積を担うには官職が必要だと失笑する。「詔を下す、九皇子・穆川を斉(セイ)王に封じる」こうして穆川は農事と水利を任され、安平街(アンヘイガイ)の屋敷を賜った。穆澤は自分のために死んだ昭烈(ショウレツ)の無念を思うと居たたまれず、独り皇帝を訪ねた。実は澹州で翊王と秦野闊が高承賢に搾取を命じた証拠を入手しながら帰路で賊に襲われ、侍衛が殺されたという。「私と九弟も死にかけました…」しかし皇帝は穆澤の野心を見抜いていた。今や澹州では慶王を″清廉にして文武両道、戦場では勇敢にして民の心に寄り添い、賢王の風格あり″と評している。あえてここで胸の傷を見せてまで翊王の処罰を迫るとはいささかやり過ぎだろう。「良(リョウ)妃がそちの出自を隠していたな、朕が知らぬとでも思ったか? …慶王の座を守り、養生せよ、余計なことは2度と考えなくて良い」蔡望津(サイボウシン)は慶王が戻ったと聞いて書斎へ駆けつけた。しかし慶王はどこか様子がおかしい。「何が軍功だ、戦績を上げても全ては徒労に終わった… もう結果は決まっていた…とっくの昔にな! 私は父皇に疎まれていたのだ…だから何をしても無駄だった!」虚しく積み上げられた戦の記録、穆澤は全て床にぶちまけ、嘆き悲しんだ。すると蔡望津が慶王を励まし、奮起させる。「今までの努力は陛下の歓心を買うためですか? 殿下は偉業を成して歴史に名を残すお方、違いますか?! 目指すは至尊の位、昭烈が天から我らを見ていますよ?」「その通りだ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ムーヅー上手い!
2024.01.25
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覆流年 Lost Track of Time第9話皇帝の勅命で澹(タン)州に入った慶(ケイ)王・穆澤(ムーヅー)。駐屯軍都尉(トイ)・高承賢(コウショウケン)は不正を隠すため上辺だけ取り繕い、やり過ごすことにした。しかしかえって足元を見られ、慶王は善行と称して飢えた民に米を無料で配ってしまう。一方、清河幇(セイカホウ)にいる陸安然(ルーアンラン)は冬青(ドンチン)から慶王の様子を聞いていた。どうやら自分の贈り物が届いたらしい。その時、早朝から出かけていた穆川(ムーチュアン)と沈長青(シンチョウセイ)が戻って来た。安然の警告通り柴広(サイコウ)を警戒していたところ、高承賢に文を送ろうとして捕まったという。沈長青は安然のお陰で清河幇の名を汚さずに済んだと感謝し、拱手した。すると安然は昨夜の自分の無礼を謝罪し、償いに妹を差し出すという。沈長青はうろたえて逃げようとしたが、安然は失笑した。「生き別れの妹よ?」安然は当時、穆澤から沈幇主の生き別れの妹を探し出した話を聞いていた。その時の冬青は高承賢の屋敷の侍女で、いたぶられて容姿が変わっていたが、腕にある蝶のあざで分かったという。安然は冬青のあざを見た時、すぐその正体に気づいていた。「冬青の腕には蝶の形のあざがあるの」冬青は袖をまくって沈長青にあざを見せた。「本当に私の哥哥なの?」沈長青は黙って冬青の手を左ではなく右胸に当てると、冬青はその意味を悟って涙した。こうして柴広の捕縛と兄妹の感動の再会を演出した安然。計画は全て順調に見えたが、その頃、高承賢が陸家に横流しの罪をなすりつけようとしているとは知る由もなかった。安然と穆川は町に出た。穆川はさすがに何もかもお見通しの安然に困惑したが、安然は自分の労力を知らないだけだとはぐらかす。「私は君より1つ年上だぞ?人を子供扱いして」「ふふ(だって私はあなたより10年、長く生きてる…)」「ほら、また弟を見るような目だ」すると穆川はこのまま一緒に澹州の水利を整え、それから遊歴に出かけようと誘った。しかし安然は陸家を守るため、慶王のもとへ行くという。思いがけない返答に言葉を失う穆川。「出会いと別れ、一期一会よ、でも知己との縁はとこしえに続く…分かるでしょう?」「はお」その時、陸家の蔵から煙が上がるのが見えた。安然と穆川は慌てて駆けつけたが、待っていたかのように高承賢が配下を連れて現れる。高承賢は穆川を安然の護衛と誤解、2人を捕らえようとした。そこへ穆澤がやって来る。「やめよ!…高将軍、彼は我が国の九皇子・穆川だ」穆川はようやく二兄が勅命で盗賊の討伐と支援米の調査に来たと知った。すると高承賢が陸家の蔵で水害の支援米を見つけたと報告、証拠の米を差し出す。「陸安然、何か言うことは?」「…私の潔白は殿下がご存知のはずでは?」しかし穆澤は安然を助けず、結局、安然は連行されてしまう。穆川は安然の仕業ではないとかばったが、実は安然が二兄の澹州行きを知っていたと聞いた。「陸安然は私に″澹州で待つ″と伝えて来た、支援米を調べるよう仕向けたのも陸安然だ 何もかも陸安然の手のひらの上で転がされていた 陸安然からは我々がはっきり見えているが、我々にとって陸安然は雲をつかむよう…」「陸安然の意図が何であれ事実は明白だ、高承賢と通じていた清河幇の柴広を捕らえてある!」穆澤は収監された安然を訪ねた。安然は拷問で両肩を脱臼、慶王がこの機を利用して輿入れしなかった自分への鬱憤を晴らしたのだと気づく。すると穆澤は安然の肩をはめ込みながら、策を巡らせたのは自分に下るためかと聞いた。安然は激痛のあまり涙を流しながら、役立つ女子だと示して信頼を取り戻したかったと訴える。しかし穆澤は何より他人に動かされることを嫌った。「もっと壮大な計画があると思ったが、こんな惨めな姿をさらすとは…」「殿下、私はまだ生きています、なぜこれで終わりだと?」「…はお、楽しみにしておく」安然は裁きの場で潔く罪を認めた。翌日、慶王一行が安然を連れて帰京し一件落着、高承賢はすっかり気が緩んでしまう。その夜、高承賢は側近たちと祝杯を挙げた。金がつまった豚の丸焼きも届いて宴もたけなわ、しかし中身がただの石や紙切れだと分かる。そこへ瀚京(カンケイ)城へ戻ったはずの慶王たちが現れた。安然は自分が護送されれば高承賢がボロを出すと分かっていた。そこで牢に面会に来た穆川に先手を打ってもらうことにする。安然の予想通り高承賢はすぐ動き出した。柴広が捕らわれたとも知らず、清河幇に金を回収するよう鳥文が届く。穆川は密かに金をすり替え、この時を待っていた。「翊(ヨク)王も私を見捨てたのか…」開き直った高承賢は安然を道連れにしようとしたが、穆澤にあっけなく蹴り飛ばされてしまう。その夜、安然は澹州府衙で慶王と顔を合わせた。安然は穆澤の協力に感謝したが、思いがけない事実を知る。実は慶王は10日前から柴広を管理下に置いていた。「10日前…つまり私が捕えられた日?」安然は穆澤がやはりわざと自分を投獄したのだと知り、思わず乾いた笑いが出てしまう。「手土産は足りていない、残りは都へ戻ってからもらうとしよう …なぜそんな目で私を見る?」「余も更けました、これで失礼します」安然はまたしても穆澤にしてやられた。…帝王の心に情などない、最初からそうだった、慶王府での日々はすべて偽りだった…陸安然、あなたの人生は何だったの?穆澤は回廊を歩いて行く安然の後ろ姿を見ていた。「私を見る目が何やら気になる…まるで古い知己を見るような目だ」…陸安然は穆澤に対し、恨みしかないと思っていたただ再びその術中にはまると、かつてに比べれば些細な罠であっても、やはり傷ついたしかしその傷は愛ゆえではなく、10年を無為に捧げた後悔、そして憎しみからだった…安然はどこか元気がなかった。穆川は二兄のせいだと気づき、宮中では身を守るため用心深くなってしまうとかばう。「でも公正を重んじる人だ、私は二哥のことを知ってる 時に策を弄するのは朝廷で生き抜くための術なんだ」「もういい、あの人の何を知っているの?!」安然は昔を思い出して声を荒らげたが、その時、急な雨に降られた。そこで穆川は安然と軒下でしばし雨宿りする。「確かに知らない…でも心の暗い部分は人に見せなくていい、自分が分かっていればいいんだ 私はただ二哥の幸せを願っているだけ…陸安然、君の幸せもね」穆川は安然に自分の上着をかけたが、安然は必要ないという。「君は私を刃から守ってくれた、上着くらい貸すよ」「いつ私が守った?」「蔵で襲われた時だよ」「…勘違いよ」安然は気まずそうに否定したが、穆川は言葉を偽れても行動は偽れないと笑った。「君のことが分かりかけてきたよ、先は長い、時間はまだある」つづく(  ̄꒳ ̄)やっと字幕で見たのにイマイチピンと来ない安然と穆澤の心理作戦w
2024.01.24
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覆流年 Lost Track of Time第8話陸安然(ルーアンラン)の訃報を知り、蘇城(ソジョウ)へ急ぐ穆川(ムーチュアン)。…一目でいいから君に会いたい、これ以上、人生に悔いを残したくないんだ…穆川は気が急くあまり安然の幻を見ては本物ではないと気づいて落胆した。一方、安然は冬青(ドンチン)に説得され、穆川に手紙で元気だと伝えることにした。「九殿下が来たらこれを渡して…」しかし穆川が都からわずか2日で到着、農民から九皇子が田んぼにいると知らせが届く。安然はすぐ駆けつけたが、穆川はまた安然の幻覚が現れたと誤解した。「対面しなければ、これからもこんな風に君の幻が現れてくれるかもしれない…それもいい」「私が幻だと?」そこで安然は穆川の腕をつかんだ。「私は生きてる、バカね、幻と現実の区別もつかないの?」穆川は目の前にいる安然が本物だと気づき、思わず抱きしめてしまう。安然は空腹の穆川のため、焚き火で川魚を焼いた。喜んだ穆川だったが、二兄ならすぐ偽装に気づくはずだと心配する。しかし安然は盟約のための結婚のため、妹が嫁いでも同じことだと安心させた。「今は様子見ってところ…欣然(シンラン)のことだから上手くやっているはずよ?」するとよほど疲れていたのか、穆川はいつのまにか木にもたれかかって眠ってしまう。「穆川、私に自分が好きか聞いて?…私もあなたが好き」安然は熟睡している穆川に自分の上着をかけ、屋敷へ戻った。安然は穆川宛ての手紙を燃やすよう頼み、朝一番の船で出立することにした。母は病み上がりの娘の澹州(タンシュウ)行きを反対したが、父は水害で大きな被害を受けた澹州を見過ごすことができないという安然に理解を示してくれる。しかし安然にも気がかりがないわけではなかった。二夫人の死が因果応報だと分かっていても母は母、弟は深い悲しみに打ちひしがれている。何より慶(ケイ)王府へ同行した侍女・霊奚(レイケイ)のことが心配だった。「欣然の機嫌を損ねるようなことがあれば罰を受けるかも…」冬青はいずれ救い出す機会があると励ましたが、なぜ澹州へ行くのかまだ知らない。実は安然は穆澤(ムーヅー)が皇帝の勅命を受け、水害支援物資を奪う盗賊の討伐で澹州に向うと知っていた。安然はこの機会を利用し、再び慶王に近づくつもりだという。「黒幕である高承賢(コウショウケン)の首を穆澤への手土産にする 陸家を救う鍵を見つけるには慶王に近づかなくては…」翌朝、安然は父と母に見送られて馬車に乗り込んだ。すると車の中に穆川がいる。「衫越(サンエツ)に聞いたよ、朝一番の船だって 私も澹州に用があってね、一緒に乗せてくれないか?」従者の衫越は何とも気まずそうな顔をしていたが、穆川は遊歴の最後の地が澹州だと釈明した。「澹州は雨季の度に洪水が頻発する、根本的な解決策がないかずっと探っていたんだ」安然は衫越が変な気を回したと分かったが、穆川の同行を受け入れた。穆川と一緒に旅する束の間の幸せ、しかしその頃、陸府に慶王の侍衛が現れた。陸軽舟は侍衛に真実を打ち明けた。当日は家庭内の諍いで安然が妾に毒を盛られて倒れ、急遽、欣然を身代わりにするしかなかったという。調査を終えた侍衛は慶王府に戻ると、陸軽舟から預かった安然の手紙と玉佩を届けた。屋敷内で聞き込みしたところ、安然が毒を盛られたのは事実だという。…毒を盛られるも闇医者の手により命拾いしました、澹州での再会を楽しみにしています…「なぜ澹州なのだ?」その時、慶王府に皇帝の使者がやって来た。皇帝は澹州で盗賊による物資強奪が横行しているため、慶王に盗賊一掃を命じるという。…私が澹州へ行くとなぜ分かった?あの女人、ますます面白い…果たして陸安然の狙いは何なのか。澹州の現状は想像以上に深刻だった。民たちが飢えに苦しむ中、店先では白米が高額で売られている。そこで安然は陸家の倉庫から備蓄している食糧を開放した。これで民も支援物資が届くまで食いつなげるが、水路や田畑の修復には人手が足りない。すると穆川は名案が浮かんだ。「清河幇(セイカホウ)でしょう?」「なぜ知ってるんだ?」「内緒よ」実は安然は当時、慶王府で清河幇の幇主・沈長青(シンチョウセイ)と対面していた。穆川と沈長青は旧知の間柄、そこで穆川は澹州分舵(ブンダ)から人手を借りたいと頼んだ。事情を聞いた沈長青は快諾し、早速、腹心の柴広(サイコウ)に指示を出したが、なぜか安然は失笑する。実は安然は柴広が裏切り者だと知っていた。あの時、沈長青は慶王が逆賊・柴広の排除に協力してくれたと感謝している。『危うく清河幇は天下の笑い物になるところでした』安然は先手を打ち、清河幇こそ高承賢と手を組んで支援物資を強奪している盗賊だと非難した。「善人面とは笑わせるわ」言いがかりをつけられた沈長青は激怒、慌てた穆川も何か証拠があるのかと尋ねる。安然は船を襲う盗賊の手口が明らかに江湖(コウコ)の手練れだと訴え、疑うなら襲われた船を調べれば分かると言った。「どんな技を使ったか、刀傷を見れば分かるはずよ それに高承賢は盗賊すら討伐もできないのにあれだけ羽振りがいい、おかしいと思わない?」その頃、穆澤の馬車が澹州へ入った。すると見知らぬ男が現れ、主人に頼まれたと言って米と文を渡して去って行く。…米問屋と駐屯軍が支援米を横流ししている…穆澤は安然の仕業だと分かった。「何度、私を驚かせるつもりだ」その夜、冬青は燃やさずに持っていた安然の手紙をこっそり穆川に渡した。穆川は文をひとまず懐にしまい、星空を眺めている安然のもとへ向かう。「澹州に来た真の目的は?盗賊のことも清河幇のことも君は知り過ぎている 最も効果的な方法で沈大哥を焚きつけるなんて…」安然は穆川の鋭い指摘に動揺したが、陸家の港がある町のことに詳しいのは当たり前だとはぐらかした。しかし穆川は何よりあの無礼な態度が安然らしくないと困惑する。「私の何を知っていると?」「人を見る目はある」「…私もそうだと思っていた、でも今なら分かる、嘘や演技で人を騙すのは簡単よ 誰かのことを理解するどころか、時には自分さえ見失ってしまう」「私を心から信頼できないと?」「違うわ」安然はそこで話を終わらせ、水を注いで勧めた。その時、うっかり茶碗が傾いて水をこぼしてしまう。穆川は慌てて手紙を取り出し、無事を確認して安心した。「誰からの手紙?」穆川は安然の手紙だと明かさず、独りで読み始めた。…時々、思うの、人の世に潜む魑魅魍魎は妖怪より醜い…どす黒い企みは田んぼの泥より汚い…人生とは長い夢のよう…純粋なあなたはこれからも心の欲するままに自由に生きて「言いたかったのはこういうことなのか」穆川は急に安心し、確かに人は簡単に理解できないものだと笑った。しかし自分の手紙だと気づいた安然はヘソを曲げて部屋に戻ってしまう。「私の真心を世間話のネタにするなんて無神経ね」沈長青は安然の話を思い出して悶々としていた。…捜査の手が伸びれば高承賢は清河幇に罪を着せようとするはず…大事な仲間を守ろうと思わないのですか?一方、穆澤は高額で売られている米が確かに水害の支援米だと報告を受けた。蔡望津(サイボウシン)はなぜ陸安然が自分たちのために証拠を集めたのか分からなかったが、穆澤は贈り物をありがたく受け取るという。つづく( ゚ェ゚)そうか、てっきり9皇子のおかげで嫁ぐのが嫌になったのかと思ったけれど、姨娘を片付けるためだったのね〜って今さらw
2024.01.23
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覆流年 Lost Track of Time第7話姉の成婚を阻止すべく桃酥(トウソ)に毒を盛った陸欣然(ルーシンラン)。するとその夜、安然(アンラン)が激しく血を吐き、意識を失ってしまう。医者はすでに手遅れだとさじを投げ、毒の回りの速さから食べ物が原因だと言った。陸軽舟(ルーケイシュウ)はならば夕食かと考えたが、柳鳴玉(リュウメイギョク)は同じ物を食べた自分たちに症状がないと否定する。その時、侍女の霊奚(レイケイ)は安然が桃酥(トウソ)を食べたことを思い出した。しかし桃酥は夫人の手作り、まさか我が子に毒を盛る母などいない。陸軽舟は沈蘭渓(シンランケイ)なら無関係だとかばったが、その時、冬青(ドンチン)が口火を切った。「犯人は二小姐です」冬青は安然を訪ねた欣然だけが桃酥に毒を盛る機会があったと指摘した。実は数日前にも婚礼祝いだと言って毒入りの頬紅が届いたが、安然は騒ぎにならないよう侍女・翠姑(スイコ)への罰だけで済ませたという。すると沈蘭渓も二夫人が自分の病を長引かせていたと暴露した。何も知らなかった陸軽舟は呆然、そこで冬青は夫人の部屋から観音像を持って来る。「奥様の病は二姨娘(イーニャン)が贈った観音像に隠された薬のせいでした ちょうど大夫もいます、この観音像を調べてもらってはどうでしょう?」驚いた欣然は父の前でひざまずき、追い出された翠姑が母を恨んで陥れたのだとかばった。柳鳴玉は娘の機転に便乗し、翠姑には薬の知識があったと証言する。「きっと薬舗に牛膝(ギュウシツ)を買った記録があるはずよ」その時、冬青が観音像を床に落として割ったが、何も入っていなかった。「二姨娘、私は牛膝とは言っていません」柳鳴玉はまんまと安然の策略にはまり、馬脚をあらわした。すると開き直った柳鳴玉は、頬紅の毒も桃酥の毒も全て自分の仕業だと認める。激高した陸軽舟は離れで柳鳴玉を棒打ち50回に処し、医者に診せてはならないと命じた。陸昀(ルーイン)は母の所業にうろたえるばかり、欣然は父にすがって母を救おうとしたが、冷たくあしらわれてしまう。しかし柳鳴玉の捨て身の行動には驚くべき狙いがあった。陸軽舟は夜が明けても安然を救うため奔走していた。もはや安然の命は風前の灯、その時、花嫁の迎えの一行が陸府に到着してしまう。すると欣然が安然の婚礼衣装をまとって父の前に現れた。「姐姐が死んだら陸家の娘は私1人、慶王府に嫁ぐのは私よ もう迎えが来ている、待たせると九皇子にバレて陸家は終わるわ」陸軽舟はこれが柳鳴玉の企みだと知った。今さらながら柳鳴玉の恐ろしさにわなわな震える陸軽舟、しかし陸家を守るためにはそれしか方法はない。「爹、ここでお別れね…そうだ、私の娘は慶王の岳母になる 医者にも見せず万一のことがあれば、この恨みは絶対に忘れないから」陸欣然は紅蓋頭で顔を隠し、替え玉だとバレないように霊奚を侍女として付き添わせた。何も知らない穆川(ムーチュアン)は傷心の中、兄嫁を連れて都へ出発する。実はその頃、解毒した安然は元気な姿で柳鳴玉の前に立っていた。「なぜ…生きているの?」「あの桃酥は冬青がすり替えたの、私が飲んだのは自分で用意した毒よ」柳鳴玉は驚いたが、それでも輿に乗ったのは欣然だと勝ち誇った。しかし安然は一笑に付す。「双魚令も持たない庶子が嫁げばどうなると?慶王が役立たずを手元に置くかしら?」そこへ冬青が現れ、棺が届いたと報告した。「二娘、どうぞ安らかに」すると安然と冬青は出ていってしまう。その夜、慶王府では盛大な祝宴が開かれた。穆川は空元気を出して酒を飲まないニ兄に代わって客人の相手をし、嫌がらせに来た翊(ヨク)王も上手く追い返す。しかし夜も更けた頃、穆川は閑散とする中庭で独り、意気消沈した。「…おめでとう」一方、穆澤(ムーヅー)は花嫁が待つ寝所に入った。しきたり通り夫婦の杯を交わすことにしたが、安然は受け取らない。穆澤は仕方なく安然の杯も空け、確かに情で結ばれた結婚ではないが、協力関係を結ぶ意味でも交わすべきだと戒めた。その時、背後から急に安然が抱きつき、衣を脱がせようとする。穆澤は思わず安然の手を握ったが、その白魚のような指でぴんと来た。「陸安然は外で働き、何事も自分でこなす…このか細く柔らかい手はそぐわない」穆澤が紅蓋頭を外すと、花嫁は陸安然ではなく庶子の陸欣然だった。「姐姐は死にました」欣然は姉が婚礼の直前で倒れ、父が町中の医者を呼んだが手遅れだったと説明した。しかし安然には急死する病などなかったはず、穆澤は姉妹で共謀したのではと疑う。「私を愚弄すれば陸家がどうなるか考えなかったのか?」「愚弄などするはずありません…姐姐は遺言で陸家を私に託しました 陸家の双魚令を継承するのは私です、娶ってくださるなら陸家の全てを差し出します」「言っておく、私に必要なのは陸家と陸安然だ… 今は追求しないが、いずれ片はつける 陸欣然、陸家の実権を握るがいい、さもなくば若妻が早逝しても気に留めぬ」すると穆澤は出ていってしまう。穆川は重い腰を上げて帰ることにした。その時、霊奚が慌てた様子で回廊を走って行く様子を見かける。侍女が主の初夜に寝所を離れてどこへ行くのだろうか。霊奚は回廊で命を絶とうとしていた。しかし穆川が現れ、短剣を奪われてしまう。「めでたい婚礼の夜に何をしている?!」「九殿下…実は小姐が亡くなりました」霊奚は嫁いだのが替え玉の陸欣然だと明かした。欣然親子が安然に毒を盛り、穆川が到着した頃には虫の息だったという。「詔には″陸家の娘″とだけ、名前はありませんでした 老爺は陸家に災いが及ぶことを恐れ、陸欣然を嫁がせたのです」霊奚も陸家を守るため協力して同行したが、芝居はもう終わりだという。すると穆川は霊奚が死ねば花嫁が偽物だと証明することになると説得、取るものも取り敢えず馬にまたがった。…蘇城へ調べに行く…本当に安然が殺されたなら必ず仇を討つ一方、安然は次の手を準備していた。すると冬青がせめて九皇子だけには元気な姿を見せるよう進言する。その頃、一晩中、走ってきた穆川は竹林の中で休憩していた。「陸安然、もうクタクタだ…」穆川はもうろうとしているうち、安然の幻覚を見てしまう。つづく(  ̄꒳ ̄)いや〜どうするの?これ
2024.01.20
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覆流年 Lost Track of Time第6話蔡望津(サイボウシン)が結納品を持って陸(ルー)府にやって来た。柳鳴玉(リュウメイギョク)はてっきり娘の縁談だと誤解して歓迎したが、実は慶(ケイ)王の代理だという。その時、穆澤(ムーヅー)が現れた。「私の求婚相手は安然(アンラン)だ」柳鳴玉は慶王が侍衛に成りすまして安然を懐柔したと知り呆然、すると安然はすでに自分の心なら決まっていると言った。「私は慶王殿下に嫁ぎます」陸軽舟(ルーケイシュウ)は宮中の恐ろしさを分かっていた。しかし安然は野獣が逃げた獲物を諦めるはずもなく、かえって征服欲を募らせることになると警告する。「安心して、何もかも承知の上よ、万全の策を講じれば陸家は泥沼にはまらずに済む」一方、柳鳴玉は安然の玉の輿を妬み、嫁ぐ前に手を打とうと考えた。陸欣然(ルーシンラン)は今さら手遅れだと泣きじゃくったが、母は慶王が策を弄して安然に近づいたのは陸家の娘だからに過ぎないという。「もし陸家に娘が独りだったら?殿下はどうするかしら…」その夜、穆川(ルーチュアン)は陸府に安然を訪ねた。「昨日、二哥と会ったんだ…」穆川は安然が自ら籠の鳥になるのは二兄を深く愛しているからなのかと落胆する。しかし安然は愛ではなく取り引きだと言い放った。「水運を掌握した以上、しがらみは避けられないの、翊(ヨク)王か慶王か… 帝王の心は冷酷なものよ、この道を選んだあの人に情などないわ」穆川は安然の選択に困惑しながら、結婚祝いと称して銀の腕輪を渡した。「時間がなくて蘇城の店で買ったんだ」安然は穆川がなぜ買ったなどと嘘をつくのか分からなかったが、黙って受け取った。「安然、必要な時は私が力になるよ」「分かってる」安然は瀚京(カンケイ)城へ戻る慶王と九皇子を見送った。婚礼まで半年、その間に陸家の問題を片付けなくてはならない。すると早速、敵が動き出した。陸欣然から頬紅が届いたが、かつて薬舗で働いていた冬青(ドンチン)が蓖麻(ヒマ)が入っていると気づく。「使い続ければ顔がただれるところでした」陸欣然は何日経っても安然の顔に異変が現れないと訝しんだ。何でも安然は侍女たちに帳簿を調べさせているとか。柳鳴玉も確かに最近、大夫人・沈蘭渓(シンランケイ)の顔色が良いと首を傾げた。しかし大夫人の部屋に変わらず観音像があったことから心配ないと高を括る。すると側仕え・翠姑(スイコ)が大夫人に捕らわれたと知らせが来た。安然は第二夫人から贈られた白粉に毒が入っていたと報告した。「白粉をうっかり落として店に持ち込んだところ、香りが変だと言われたの 調べると蓖麻が入っていたわ…きっと翠姑の仕業よ 帳簿を調べたら翠姑が釣り銭の額をごまかしていた 咎めるつもりはなかったけど、私に恨みでも?」沈蘭渓は黒幕がいるなら白状すれば見逃すと言ったが、翠姑は主を裏切らなかった。「私がやりました、悪事がバレるのを恐れて…」翠姑は陸家の掟により棒打ち50回となった。柳鳴玉と陸欣然は安然が全て知りながら仕掛けてきたと気づく。腹心を失った柳鳴玉は悲しみに暮れ、必ず復讐すると誓った。「娘は欣然1人になる、双魚令はあなたのもの、慶王殿下もあなたのものよ…」一方、穆澤は国境を侵した北臨(ホクリン)を討つため戦場にいた。そして半年にわたる激闘の末、穆澤はついに凱旋を果たす。穆澤は皇帝から褒美として陸安然との婚姻を賜ったが、蔡望津は正室を名門から選び、安然を側室にするよう進言した。しかし穆澤は安然がいない陸家なら何の価値もないという。「あの者なら軍船を作ることも可能だろう、陸安然を取り込めるなら戦功も惜しくはない」穆川は慶王の使者として結納品と共に蘇城へ入った。しかし陸家には顔を出さず、田んぼの様子を見に行ってしまう。農民は病気の苗を抜いたおかげで見事な穂が出たと喜んだ。「さすがは稲香居士(トウコウコジ)ね」その声は安然だった。安然と穆川は2人だけでしばし一面の稲を眺めていた。「力になってくれると言ったわね…あなたは各地を遊歴したから色々と知っているはずよ」しかし安然は口ごもってしまう。「どうした?何だよ?」「…農業に詳しいでしょう?毎年ここへ来て指導してくれない?」「それだけ?驚いた、新しい品種の研究がしたいんだ、君に口添えしてもらおうかな」安然は結局、穆川に打ち明けることができなかった。その夜、安然はロウソクの灯りで偶然、銀の腕輪の細工に文字が刻まれていると気づいた。…今宵は美しき夜、良き人に出会えた、あなたを愛し、背かないと誓う…安然はこの腕輪を作ったのが穆川だと気づき、ようやく穆川の自分への想いを知って涙があふれてしまう。一方、冬青は安然が穆川から毒をもらえなかったと知り、思い切って九皇子を訪ねた。「殿下、鉤吻(コウフン)と雪蝉子(セツセンシ)を頂けませんか? 実はあの時の男たちに付きまとわれています 劇薬の鉤吻を飲んでも3刻以内に雪蝉子を飲めば死なないと聞きました」穆澤はそれが安然の計画だと気づいた。翌朝、穆川は陸府を訪ねた。安然はちょうど中庭の亭(アズマヤ)で独り茶を飲んでいたが、幸せな花嫁には見えない。「どうしたんだ?そんな憂い顔で… 安然、もし君が笑顔を失わず、家族を守れる道があればどうする?」「そんな上手い話、あるはずないわ」「これでも皇子だ、父皇に頼んで陸家と手を組み、水路を整えて田を広げることができたら? 陸家の水運を狙う者も私がいれば手を出せぬはず…面倒が起これば私が解決する」しかしもはや手遅れ、安然は穆川まで巻き込むわけにいかなかった。「(もう少し早ければ考えられた…) 皇上の詔が下ったのよ?今さら断れば陸家がどうなるか… 心遣いに感謝します、でも殿下の本心は分からない、慶王や雍王と何が違うのかしら?」「私まで陸家を狙っているというのか?」安然の思わぬ言葉に穆川は落胆し、鉤吻と雪蝉子を置いて帰ってしまう。穆川は安然の計画を知っていた。「冬青、あなたが九殿下に頼んだの?」「小姐が九殿下に対して後ろめたさを感じないよう勝手な真似を…」冬青は罰を請うたが、安然は覚悟を決めた。「どうせ叶わぬ夢、これで良かったのかも…」するとその夜、案の定、陸欣然が現れた。安然は母が差し入れてくれた好物の桃酥(トウソ)を食べていた。そこで欣然は安然が目を離した隙に桃酥に毒を盛り、何食わぬ顔で帰って行く。「娘、安然は私の目の前で桃酥を食べたわ、これでうまく行くはずよ」柳鳴玉は娘の報告を聞いて安堵したが、黒猫は何かを察したように腕から飛び降りた。つづく(ΦωΦ)シャーッ!
2024.01.19
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覆流年 Lost Track of Time第5話酒館で意気投合した陸安然(ルーアンラン)と穆川(ムーチュアン)。すると通りで揉め事の声がする。2人は店を出て現場へ駆けつけると、妓楼の前で都尉(トイ)の高承賢(コウショウケン)が娘を虐げていた。憤慨した安然は女将に大金を出して娘を身請け、自由にしてやる。冬青(ドンチン)は見ず知らずの自分を助けてくれた恩人に忠誠を誓い、安然の侍女になりたいと懇願した。侍女の霊奚(レイケイ)は安然が連れて来た新しい侍女に嫉妬、闘志を燃やした。しかし冬青の境遇を聞いて同情し、これからは自分が味方だと励ます。実は冬青は客の相手を嫌がり、その度に殴られて傷だらけだった。聞けば幼い頃、家が洪水で流され、両親や兄と一緒に避難するもはぐれてしまい、養父に拾われたという。最初は平穏な日々だったが、やがて養父が怪我で働けなくなり、博打や酒に溺れて暴力を振われ、妓楼に売られていた。安然は冬青の痛々しい腕に薬を塗りながら、偶然、蝶のような不思議なあざがあると気づく。「大丈夫、私が家族を見つけてあげる」冬青はすでに家族の記憶も薄れていたが、かろうじて兄の珍しい体質だけは覚えていた。「哥は心臓が左ではなく右にあるんです」安然は母の病が治らないのは第二夫人・柳鳴玉(リュウメイギョク)のせいではないかと疑っていた。しかし薬も食事も問題がないと分かり、母の部屋を調べることにする。霊奚と冬青は夫人の部屋にある第二夫人からの贈り物をかき集めて調べたが、結局、何も出てこなかった。沈蘭渓(シンランケイ)は考え過ぎだと娘を戒めたが、安然は諦めきれず殿内を見回す。その時、母がいつも手を合わせている観音像に目を止めた。「あれも柳鳴玉からの贈り物では?」すると安然は観音像を床に落として割ってしまう。観音像の中には漢方の生薬が入っていた。安然は早速、医館を訪ねて調べてもらったが、牛膝(ゴシツ)は血を補う薬で毒性はないという。そこで冬青が夫人の薬の処方を見せた。「あ、これはいけません、肺の薬は出血を抑えますが、牛膝は気血を補う薬 併用すれば激しい咳で意識を失うか、下手をすれば喀血で死に至ります」(  ̄꒳ ̄)やっぱり…今日は花朝節(カチョウセツ)、安然は帰り道で母親に灯籠を買ってもらう幼い男の子を見かけた。「少し独りで歩きたいの、2人は同じ観音像を探してくれる?」安然は2人と別れ、うさぎの灯籠を買って川に流した。そこへ穆川がやって来る。「毓児(ユーR)に会いたいのかい?…この前、酔って話していたよ、うさぎの灯籠を作れってね」「毓児は飼っていたうさぎの名前なの、池に落ちて死んでしまった」安然は手を合わせ、我が子の来世の平穏を祈った。…毓児、母は戻ったわ、でも全てを挽回できてもあなたには会えないのね…すると穆川も蓮の灯籠を流して手を合わせた。「私も母に会いたくてね…もしも…いや、やめよう、母の魂は戻りたくないだろうから」「考え過ぎよ、私たちは故人を偲べばいいだけ 去った人の分まで日々を楽しむの、再会した時、話してやれるように」「悟りきってるな」穆川はまさかその言葉を10年前に自分が言ったとも知らず、敬服した。「そうだ、実はうさぎの灯籠を作ったんだ、取ってくるよ!」安然は穆川を待つ間、船頭がなぜか客を断っている様子を見かけた。聞けば全て貸し切りのため、どの舟にも乗せられないという。ぴんと来た安然は船着場へ向かい、船頭に舟を借り上げた貴客の名は″穆″か確認した。「その通りさ、ある娘との出会いを企んでいるんでね、邪魔してはダメだよ」(  ̄꒳ ̄)スムージーめ…(違うw)何もかも偶然ではなかった。安然は10年前の橋での出来事を思い出し、必ず穆澤が近くにいると気づく。すると橋の上で穆澤が男と立ち話ししていた。「叔父を使って信頼させたとはいえ、陸安然は手強いですよ?」「付け入る隙はある、今夜のうちに落としてみせるさ しょせん女は惚れた男には逆らえない」安然は呆然となった。…過去でも現在でもあなたから逃げられないのね…最初から私への愛などなかった、出会いすら巧妙に仕組まれた罠だったなんて…ここで逃げても別の策を仕掛けてくる…ならば逃げずに立ち向かおう、私から攻めるしかない安然は橋を渡ると、真下にちょうど舟が来たことを確認、あえて自ら落下した。…今度は自分の意志よ穆川は姿が見えなくなった安然を探して人混みをさまよっていた。すると橋から人が落ちたと騒ぎになっている。穆川が慌てて駆けつけると、驚いたことに二兄が安然を抱き止めていた。2人を追いかけた穆川だったが、穆澤と一緒に月老廟に入って行く安然を見て深く傷つき、うさぎの灯籠を落として帰ってしまう。穆澤は月老廟でも安然を手に入れるための策を弄していた。しかし安然は簡単にはなびかず、おみくじの籤(セン)が全て大吉に変えられていることまで見破られてしまう。「殿下は自分が欲しいものは必ず手に入れるのですか?」「私に言わせれば手に入れたいものがあれば、どんな手段でも講じればいい」安然はその言葉が真実だと知っていた。…穆澤、欲しいなら何でもあげるわ、受け取るか受け取らないかはあなた次第よ…「ではお心に従って殿下に嫁ぎます、私を慶王妃として正式に娶ってください」「やはり非凡な小姐だ」すると穆澤は腰から玉佩を外し、婚約の証しとして安然に渡した。「共に白髪になるまで添い遂げよう」「殿下、覚えておいてください、私たちは盟約で結ばれた仲、色恋とは無縁です」「分かっている、明日、陸家に挨拶に行く」それは10年前、穆澤が慶(ケイ)王だと知らずに受け取った玉佩だった。あの時はまさか陸家が極刑を言い渡され、この玉佩を投げ返すことになるなど誰が考えただろう。穆澤が宿に戻ると九弟が部屋の前で待っていた。「どうした?益(エキ)州での害虫駆除はどうした?」「二哥に菓子の差し入れに…でこの地で何を?」穆澤は個人的な用事だと話し、実は蘇城陸家の娘・安然を娶ると報告する。「陸家は国の水運を一手に握っている 我々には夢があったな?水害を防いで餓死者をなくすことだ その娘と組めば夢が実現できる 彼女は心が広く、並の女と違う、陸安然こそ王妃に相応しい」穆川は突然の報告に動揺し、思わずむせてしまう。すると穆澤はふと幼い頃の苦労を思い出し、腹違いの兄弟とは言え、穆川の情は生涯忘れられないと感謝した。「明日、陸家に同行するか?」「あ…遠慮するよ、用事もあるし」その夜、穆川は田んぼで独りやけ酒を飲んだ。美しい細工が施された銀の腕輪を眺めながら、出会うのが遅かったと悔やむ穆川。まさか10年前、その腕輪を安然に贈ったことなど知る由もない。つづく( ゚ェ゚)てか…先に穆川とまとまっちゃえば良くない?
2024.01.18
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覆流年 Lost Track of Time第4話陸安然(ルーアンラン)が目を開けると、なぜか10年前のあの日に戻っていた。自作した水雷の実験、そして海賊に襲われる船…。すると助けに向かった船にはやはり蔡望津(サイボウシン)の侍衛になりすました若き穆澤(ムーヅー)の姿があった。安然は自分が本当に過去に戻ったと確信し、いきなり憎き穆澤に斬りかかってしまう。手練れの穆澤は安然の攻撃を簡単に交わし、咄嗟に安然を抱きしめ、流れ矢から守った。実は10年前も同じように穆澤は安然を流れ矢から助けている。しかし命を救った英雄でも安然の心を動かせないと知った。復讐に失敗した安然は水雷の煙のせいで侍衛を海賊と誤解したとごまかした。「商売で来たわけじゃなさそうね? 船に上等な油木(ユギ)が使われている、貨物が積めないから商船ではない それにあなたの侍衛、その武芸は宮中の貴人に学んだものでしょう?」安然の鋭い指摘にたじたじの蔡望津。そこで娘に名前を尋ねたが、安然は二度と会うこともないと言って引き上げてしまう。穆澤は娘の船の双魚(ソウギョ)の紋章に気づき、陸家の嫡女・陸安然だと分かった。「当初の策では籠絡できぬかと…」「たやすい相手なら翊(ヨク)王に先を越されていたさ…」安然は母・沈蘭渓(シンランケイ)と弟・陸昀(ルーイン)に再会、2人の元気な姿に感激もひとしおだった。しかし唐突に武館に通うのをやめて家業を継ぐよう弟を戒めたせいで、大将軍を志す陸昀を怒らせてしまう。安然はともかく霊奚(レイケイ)に頼んで母の薬を別の医者に調べてもらうことにした。「陸家の者には秘密にね…それから口に入る物は全て毒が入っていないか調べて」一方、柳鳴玉(リュウメイギョク)と陸欣然(ルーシンラン)は急によそよそしくなった安然に困惑していた。…宮中は過酷な世界、争いに巻き込まれたら陸家はまた皆殺しになる…今度は決して同じ轍を踏まない安然は過去の記憶を思い出しながら先手を打つことにした。安然は柳鳴玉が準備してくれ衣装を欣然に渡した。思った通り翌日、成人の儀に現れた陸欣然は首や手をかきむしっている。娘の衣装を見て驚きを隠せない柳鳴玉、そして10年前と同じように陸軽舟(ルーケイシュウ)は安然に双魚令を贈った。すると案の定、叔父・陸延(ルーエン)が異論を唱えようとする。しかし安然は叔父を制した。「阿叔が陸家に何をしたか話すわ 先月、阿叔の船が2隻、沈んだけれど、高波のせいだと言ったわね?」そこで安然は船を調べさせた衫越(サンエツ)を呼び、証言させる。実は船の甲板の下に隠し倉があり、密かに穀物や茶葉、織物を積んで重量を超えたため沈んだと分かった。何も知らなかった陸軽舟は欲のため犠牲者を出した弟に激怒、内通していた柳鳴玉も見限り、陸延は陸家を追い出されてしまう。その夜、安然は中庭で密会している陸欣然と蔡望津の様子を見ていた。「花を贈ればいいのに…あれなら女心をつかめるわ」「陸小姐、何を見ている?」安然が振り返ると10年前と同じように偶然を装って穆澤が現れた。「ささやかな誕辰祝いだ」安然は化粧箱の中身を知っていたが、ふたを開けると花ではなく、水系図が入っている。しかし興味を示さず、さっさとふたを閉じて脇に置いた。「陸小姐、私が何か気に障ることを?なぜ敵意を向ける?」「…慶(ケイ)王殿下、こんなことをして何が楽しいの? 素性を隠して陸家と盟を結ぼうだなんて滑稽じゃない?」穆澤は自分の正体がバレていると知り、確かにつまらない策を弄したと認めた。すると安然は水系図を置いたまま帰ってしまう。部屋に戻った安然は衫越を呼び、念のため追放された叔父を見張るよう頼んだ。穆澤のことを考えれば考えるほど虚しさに襲われる安然、そこで気晴らしに酒館へ出かけることにする。一方、陸欣然は姉の衣装に細工したと教えてくれなかった母を責めていた。柳鳴玉は伝える時間がなかったと釈明したが、どうやら安然を侮っていたらしい。しかし所詮は小娘、それより娘を慶王の腹心に取り入らせることが先決だった。「あの人に嫁げたら陸安然なんてお呼びじゃないわ」その頃、安然は酒をあおっていた。「酔えば憂いは消えてくれる、今はとことん飲んで忘れたい」霊奚は泥酔した安然を心配して馬車を頼みに行った。しかし独りになった安然は酒がないと気づき、ふらふらと回廊へ出てしまう。その時、ちょうど2階へ上がって来た男とぶつかった。泥酔した安然は男が憎き穆澤だと思い込み、個室に引き込んでからんでしまう。安然は母の病に必ず何か裏があると踏んでいた。しかし霊奚は夫人の薬も食事も問題がなかったと報告する。すると慌てた様子で衫越が戻って来た。実は陸延が翊王の配下と密会、その後、人相書きで見たお尋ね者と一緒に港へ向かったという。罪人をかくまえば死罪になる。安然は翊王が叔父を利用して父を罠にはめ、事が済んだら陸家の水運を手中に収める計画だと気づいた。安然は県衙に助けを求めたが、門は閉まっていた。どうやら役人はすでに翊王に買収されたらしい。港には安然の成人の儀を祝うため駆けつけた船が100隻、全て調べるにも半年はかかる。結局、安然は穆澤を頼るしかなくなった。穆澤は少しもったいぶってから戸を開けた。「陸小姐、何の用かな?」安然は慶王が蘇城(ソジョウ)へ来た目的なら知っていると切り出し、取り引きを持ちかける。「近頃、翊王に手を焼かされているの、これまで金銭で解決して来たけれど、今回は… 陸家がどの道を選ぶかは殿下の態度次第です」「私が何とかしよう」「私がいる限り陸家が翊王につくことはありません あなたの求めには民の利になるのなら手を貸しましょう」慶王は通報を受けたとして自分の兵に港を捜索させた。慌てた県衙も急いで駆けつけ、陸延が呆然とする中、無事にお尋ね者が捕まる。屋敷で報告を聞いた安然は安堵したが、その時、村人が駆けつけ、田んぼで騒ぎだと知らせた。穆川(ムーチュアン)は10年前と同じように田んぼで苗を抜いていた。元気な九皇子の姿に思わず涙ぐむ安然、しかし穆川はなぜか安然を知っている。「君か…」「覚えているの?」「忘れたのか?この前、絡んできただろう?」安然は何の事か分からなかったが、ともかく穆川の言う通り苗が病気だと農民に説明した。安然は穆川を食事に誘った。そこでようやく安然が酒館でからんだのが穆川だったと知る。「覚えていないの…私、何かした?」「かんざしで殺されそうになった」「酔って人間違えを…」「構わないよ、酔うのも悪くない、人生は一度きりだ」「さすが九皇子ね」「なぜ私の正体を?!」安然はうっかり口を滑らせ、実は遊歴した際、ある皇子が野良仕事をしていると聞いたとごまかした。するとすかさず穆川も商人なのに水利に私財を費やす者がいると聞いたとやり返す。「おかげで蘇城の泥池は立派な田んぼになったそうだ」つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…筋書きを変えても結局、運命は変えられないのか?
2024.01.17
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覆流年 Lost Track of Time第3話慶(ケイ)王・穆澤(ムーヅー)と九皇子・穆川(ルーチュアン)は病床の父皇を見舞った。その時、皇后は姜(キョウ)侍医から薬湯を受け取り皇帝に飲ませたが、皇帝は激しく血を吐き、絶命してしまう。葬儀は滞りなく終った。父のいなくなった寝宮で呆然とたたずむ穆川、すると穆澤が現れ、弟を抱きしめた。「今や私の肉親はお前だけになった」それから3日後、昏睡していた慶王王妃・陸安然(ルーアンラン)がついに目を覚ました。侍女・霊奚(レイケイ)は九皇子が採って来た血参(ケツジン)のお陰だと喜んだが、戦死した陸昀(ルーイン)は安然が眠っていた1ヶ月の間に埋葬されたという。最期の別れもできなかったと涙する安然、しかし慶王が弟の仇を討ってくれたと知った。実は皇帝が崩御、3日後には慶王が即位するという。感激した安然は慶王が戻ったと聞くや、おぼつかない足取りで寝殿を飛び出し、穆澤のもとへ駆けつけた。「良かった、意識が戻ったんだな 陸昀の死は四弟の残忍さを知らなかった私のせいだ だがもう心配ない、今後は私が命を懸けて君と家族を守る」「はお」穆澤は新帝に即位、安然は皇后に封じられた。するとその夜、穆澤は安然に出自の秘密を明かす。実は亡き良(リョウ)妃は実母ではなく、生母は墨(ボク)氏だった。良妃は墨氏を利用して妃の位を手に入れると、邪魔になった墨氏を毒殺して井戸へ捨てたという。当時まだ幼かった穆澤は全てを知りながら何もできず、井戸から母の骨を拾って埋葬し、自分の寝所にこっそり位牌を祀ることしかできなかった。しかし安然はこれから自分たちが生母の霊を慰められると励まし、義母の位牌に拝礼する。「苦難は過ぎ去り、穆澤が玉座につきました…どうぞご安心を」景和の時代となり3年。宮中は落ち着きを取り戻し、安然も辛い過去から立ち直ろうとしていた。大晦日には家族が集まって花火を楽しみ、安然は穆澤に第二子の懐妊を報告する。再び幸せを手に入れたかに見えた安然だったが…。2ヶ月後、穆澤と穆川の育ての母でもある皇太后が急死した。皇帝は侍医・姜林甫(キョウリンフ)の誤診として即刻、死罪にしたが、穆川はなぜ調査もせず殺したのかと憤る。実は皇帝は翊(ヨク)王一派の赦免を約束していたが、この3年の間に全員が謎の死を遂げていた。遠回しに関与を疑われた穆澤は激怒、穆川に禁足を命じてしまう。安然は穆川が監禁されたと知り、見張りを脅してまで強引に面会した。事情を知った安然は後宮にいても皇帝の残忍な噂は耳に入っていたと明かしたが、信じたくなかったという。「もう見て見ぬふりはできない、私たち家族が目を覚まさせなくては…」安然は含光(カンコウ)殿を訪ねたが、穆澤はすでに安然が穆川と会っていたことを知っていた。安然はなぜ穆川に皇太后の死因を調べさせず、腹心だった姜侍医まで処刑したのかと迫った。もし皇太后の死が本当に姜侍医のせいなら、先帝の死にも疑問が湧くという。核心を突かれた穆澤は憤怒、その姿にはもはや安然が愛した小侍衛の面影はなかった。「朕を疑うとは…いつから心変わりを?九弟が腕輪を贈った時からか?」「私と九弟を疑うと?」「潔白だと天に誓えるか?」「不義を働いたなら雷に打たれて死ぬわ…ならあなたも誓える? その手を汚さずに皇位を得たと…人の誠意を信じようとせず、大志さえ捨ててしまった 変わったのはあなたの方よ!」「陸安然!ふぁんすー(放肆)!」穆澤は思わず安然に手を上げた。「そなたの后位も陸家の栄華も朕が与えてやったのだ!その恩を仇で返すとは! 陸安然…口答えする前に陸家のことを考えるんだな、本分をわきまえよ」穆澤は皇位と引き換えに多くの人間を犠牲にしていた。腹心の蔡望津(サイボウシン)は皇后と清(セイ)王に勘づかれたからには早々に手を打つべきだと進言する。そんなある日、安然は偶然、含光殿の前で父皇に会いに来た蕭(ショウ)妃の息子・麟児(リンR)と出くわした。「皇后娘娘、母妃が折ったウサギをあげます これは母妃しか折れないウサギだよ、尻尾を引っ張ると飛び跳ねるの」折り紙を見た安然の顔色は一変した。そのウサギは確かに毓児(ユーR)が溺死した池に落ちていた折り紙だ。安然は息子を殺したのが蕭驚雀(ショウキョウジャク)だったと気づき、寝殿に乗り込んだ。しかし皇帝が陸家を見限ったと知った驚雀は開き直り、次々に残酷な真実を告げる。実は穆澤は当時から驚雀が殺したと知っていながら伏せていた。しかもすでに陸家は北臨(ホクリン)に武器を密売したとして捕縛され、今にも処刑の聖旨が出るという。さらに弟の戦死も穆澤の策略だった。穆澤は翊王を失脚させるため秦野闊(シンヤカツ)を買収、文を偽装させて援軍を足止めさせたという。朝堂では皇帝が陸一族の極刑を命じていた。ただし皇后だけは後宮にいて内情を知らなかったとし見逃すことにしたが、突然、安然が現れる。朝堂は騒然、すると穆澤は朝臣を下げ、安然と向き合った。「3つ質問があるわ、皇位を懸けて答えて…陸家を皆殺しにするのは港と船隊が狙い?」「その通りだ」「弟の先陣が全滅したのはあなたの策略ね?」穆澤は安然が全て知っていることに驚いた。「翊王を失脚させる好機だった、だが陸昀の死は想定外だった」「想定外?徹底的にやるのがあなたの主義でしょう?」「それは…」「最後の質問よ、毓児を殺したのが蕭驚雀だと知っていたの?答えて!」「…当時、蕭映(ショウエイ)の兵力の方が勝っていた、やむを得なかった」安然は穆澤が愛していたのは自分ではなく皇位だったと知った。絶望の中、朝堂をあとにした安然は雪道で倒れ、流産してしまう。目を覚ますとすでに日が暮れていた。明日は陸家の処刑、すると妹の陸欣然(ルーシンラン)が訪ねてくる。霊奚は陸家を助けて欲しいと泣きついたが、安然は妹が裏切ったと気づいていた。「霊奚、席を外して、護国夫人は私に話があるはず…」陸家をはめたのは誰であろう陸欣然だった。偶然、皇帝が陸家を潰すつもりだと知り、皇家側につくと決めたという。陸家で見つかった密売の証拠は全て欣然の指示で叔父の陸延(ルーエン)が用意していた。「陸欣然…いつかバチが当たるわよ?」「ふふ、最後に勝つのは私よ」欣然はいきなり安然に襲いかかった。危ないところで霊奚が駆けつけ助けたが、激怒した欣然に刺殺されてしまう。「霊奚!」安然は寝台から転がり落ちるように這い出したが、霊奚はそのまま事切れた。「欣然!なぜなの?!」すると欣然は恐ろしい真実を告げた。「もうそろそろ教えてあげましょうか? あの日の桃酥(トウソ)は姐に用意したの、まさか自分の母親を殺すなんてね」婚礼前夜、両親と最後の夜を過ごしていた安然は霊奚が持って来た桃酥を食べようとした。しかし母から太ると注意され、咄嗟に母の口に押し込んでしまう。まさかあの桃酥が母の命を奪ったとは…。翌日、陸一族は処刑された。その夜、監禁されていた穆川は毒酒を賜り、安然を案じながら静かに最期の時を待つ。ちょうど同じ頃、安然は含光殿にいた。…皇位や富など儚い幻あなたの野望のために大勢が命を失い、多くの血が流れたあなたに嫁いだせいで私の人生は破綻し、こんな結末を迎えることに「燃えろ!全て燃えてしまえ!」安然は寝殿に火を放ち、あっという間に炎に巻かれてしまう「穆澤、自分の弟まで殺すなんて…」やがて寝殿の天井が崩れ始めたするとなぜか青空が顔を出し、陽の光が差し込むその時、何か大きな爆発音がした…安然が目を開けると霊奚と衫越(サンエツ)がいた。「小姐?小姐?…大丈夫ですか? 小姐の様子がおかしいわ、明日は成人の儀なのにどうしよう」「成人の儀?」その光景は確かに10年前と同じだった。つづく( ๑≧ꇴ≦)終わった!w
2024.01.16
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覆流年 Lost Track of Time第2話陸安然(ルーアンラン)が慶(ケイ)王・穆澤(ムーヅー)に嫁いで5年。安然は世子・毓児(ユーR)を授かり、妹・陸欣然(ルーシンラン)も蔡望津(サイボウシン)に嫁いでいた。しかし穆澤は政務で忙しく、今日も安然の誕辰だというのに留守だという。欣然は弟・陸昀(ルーイン)と一緒にささやかな祝宴を囲んだが、姐夫への不満を募らせた。「蕭驚雀(ショウキョウジャク)を側室に娶っておいて陸家にはお金や船を差し出させるなんて、あんまりよ」「蕭映(ショウエイ)ほどの勇猛な将軍は得難い人材よ、その妹を身内にしただけ」安然は穆澤の心にいるのが自分なら構わないと寛容だったが、陸昀はこれも姉に後ろ盾がないためだと分かっていた。「姐(ジェ)…私も北臨(ホクリン)へ戦に行く、賊を退治するだけの″王妃の弟″で終わりたくないんだ」欣然は弟の出征に大反対だったが、安然は志高い弟の背中を押した。その夜、安然と毓児が中庭にいると、慶王が帰って来た。毓児は父王の元へ駆け出し、母と一緒にずっと待っていたと訴える。しかし安然は船の設計図を見ていた時、息子に引っ張り出されただけだと釈明した。「例の軍船か?」「車船(シャセン)というの、人力で動かす羽根車を積み、速さは普通の船の10倍よ」穆澤は自分のために尽力する安然に感謝しながら、今年も誕辰祝いに花を贈った。今も仲睦まじい安然と穆澤、すると侍女が駆けつけ、側夫人が倒れたと知らせる。実は蕭驚雀は懐妊していた。5ヶ月後、蕭驚雀のお腹も次第に目立って来た。戦場では兄が功績を上げ、妹は懐妊、蕭家は安泰に思えたが、驚雀は側室として庶子しか産めないと不満が募る。そんなある日、驚雀は回廊で遊んでいた毓児の凧糸に足がひっかかり、危うく転びそうになった。憤怒した驚雀は罰と称して腹いせに世子の手を何度も叩き、泣かせてしまう。幼い毓児は理不尽な側夫人に反発、思わず蕭驚雀を突き飛ばした。『父王に叩かれたって言いつける!生まれてくる弟や妹も許さないぞ!』駆けつけた乳母が謝罪し、騒ぎが大きくならないよう世子を池に連れて行ったが…。造船房から帰って来た安然はすでに冷たくなった我が子と対面した。乳母・雲娘(ウンジョウ)が釣りの餌を取りに戻ったわずかな隙に毓児が池に転落、溺死したという。聞けば安然の留守中、毓児と側夫人の間で諍いが起こっていた。「目を覚まして…母が戻って来たわ…」息子の亡骸を抱きしめ悲嘆に暮れる安然、その時、侍女・春児(シュンジ)が池から走り去る側夫人を見たと証言する。激情に駆られた安然は剣を片手に側夫人の寝殿に乗り込んだ。しかし慌ててが穆澤が駆けつけ、剣を奪い取られてしまう。「やめろ!安然!」蕭驚雀の無実を証明したのは妹の陸欣然だった。欣然は毓児が池に落ちた頃、側夫人を莫懸寺(バクケンジ)で見たという。「本当?嘘なら一生、子にも恵まれず、無惨な死を遂げると誓える?」「…誓うわ」結局、毓児は事故死と断定され、春児は雲娘をかばって嘘をついたとし、2人とも処刑されてしまう。しかし穆澤は蕭驚雀が毓児を殺したと気づいていた。その夜、驚雀は裁きが済んだと安堵していたが、思いがけず慶王に厳しく追及されてしまう。「確かに皇族の子は平民より早死にするものだ、子など失ってもいい、だが好き勝手は許さぬ! 過ちを犯したのなら償わなければな」蕭家が多数の私兵を抱えていると知っていた穆澤はこの機を利用し、まんまと全ての兵を献上させた。安然は息子を失っても冷静な穆澤に失望し、造船房に閉じこもった。穆澤とはすっかり疎遠になり5ヶ月。安然は完成した車船が無事に進水したのを機に屋敷へ戻った。しかしちょうど蕭驚雀が男子を出産、慶王府でお披露目の宴が開かれる。安然は顔も出さず、ここぞとばかりに驚雀は女主人のように振る舞った。安然は母屋の喧騒を離れ、中庭へ向かった。すると偶然、祝宴を抜け出した九皇子・穆川(ムーチュアン)と再会する。穆川は老僧からもらったという銀の腕輪を贈ったが、安然は遠回しに自分を慰めてくれていると分かった。「私も死に別れた人がいる、でも悟ったんだ 残された我々は去った人の分まで日々を楽しむ、再会した時に話してやれるように…」「ありがとう、頂くわ」そこへ穆澤がやって来た。穆川は兄の手前、独り身なので渡す人がいないと言い訳したが、そのせいで安然から意中の相手がいると見抜かれてしまう。「彼女は…他の令嬢たちとは全然違う、利発で魅力がある、志を語る時、目が輝くんだ 農作業が終わったら訪ねるつもりだった、でも…他の人に嫁いでいたよ」安然はまさかその相手が自分だとは知らず、縁がなかったのだと慰めた。安然は穆川の励ましのおかげで、久しぶりに気分が晴れた。するとその夜、穆澤が早世した息子のために放った灯籠を見かける。驚いた安然が慶王の書斎へ駆けつけると、書卓に毓児の思い出のおもちゃがあった。その時、穆澤が書斎に戻って来る。「我が子への想いをどうして隠していたの…毓児のことを忘れたと思っていたわ」「自分の子を忘れるはずない…安然、今の私にはもう君しかいない」実は穆澤は九弟から安然が″なぜ息子の死を悼んでいるのは自分だけなのか″と嘆いていたと聞いていた。こうして安然の信頼を取り戻した穆澤。2人は再び仲睦まじい夫婦に戻ったが、安然に再び不幸が襲いかかる。数日後には帰還すると聞いていた弟が伏兵に襲われ戦死、形見の品として血まみれの鉄兜だけが戻ってきた。安然は衝撃のあまり卒倒し、心労が祟って昏睡状態となった。穆川は参内した兄に代わって付き添っていたが、侍医にも打つ手はないという。「ただ血参(ケツジン)なら効くかも…しかし宮中の蓄えは尽きました」「私が採りに行く、絵を描いてくれ」侍医は危険だと警告したが、穆川は愛する安然をこのまま見過ごすわけにはいかなかった。一方、朝堂では帰還した将軍・蕭映が翊(ヨク)王・穆霖(ムーリン)を告発していた。上奏によれば翊王は叔父・秦野闊(シンヤカツ)と結託し、援軍を出さなかったという。そのため陸昀の先陣が全滅、証拠も証人も揃っていた。「これは陸将軍の軍営で見つけました、陸将軍は翊王の軍費着服の証拠を得ていたのです ゆえに翊王は口封じのため秦将軍を足止めしたのです、これが真の敗因です」翊王は皇太子候補の筆頭だった。穆霖は慶王の策略だと訴えたが、激怒した皇帝から親王を剥奪され、禁足を命じられてしまう。これを不服とした穆霖は激情に駆られ、父に暴言を吐いた。「もうろくした老いぼれめ!私を廃してこの国を根無草に渡すつもりか?!」穆霖は直ちに朝堂から引きずり出されたが、皇帝は頭に血が上って倒れてしまう。穆澤は密かに皇后・林婉貞(リンエンテイ)と接触した。皇后には実子がなかったが、その代わり幼くして生母を失った穆澤と穆川を我が子のように育てて来た。「あなたが太子の座を狙っているのは知っていた 皇上が目を覚ましたら、早く太子を立てるよう勧めるわ」しかし穆澤には別の考えがあった。皇后は穆澤の提案に呆然となったが…。つづく(  ̄꒳ ̄)さていよいよ次回は最終回です・・・・・( ゚д゚)え?!
2024.01.14
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覆流年 Lost Track of Time第1話景和(ケイワ)3年2月、瀚京(カンケイ)城全てを失った皇后は自ら寝殿に火を放ち、あっという間に炎に巻かれた『あなたに嫁いだせいで私の人生は破綻し、こんな結末を迎えることに』物語は10年前にさかのぼる…蘇城(ソジョウ)で最大の商家・陸(ルー)家。陸家には男勝りで聡明な嫡女・陸安然(ルーアンラン)がいた。その日は男衆を引き連れ、大河で自作の水雷を試していたが、偶然、航路で海賊に襲われる船を発見する。安然は早速、水雷を使って海賊を蹴知らすことに成功、そこで凄腕の侍衛と出会った。「師父はどなたです?うちの男衆を鍛えて欲しいの」「それがすでに他界しています」「じゃああなたは?報酬ははずむわ」しかしその船は先を急ぐという。安然はまた縁があればと無理強いせずに帰ったが、侍衛の男は娘の船の双魚の紋章が陸家のものだと知っていた。「あの娘が安然だ、間違いない」翌日、18歳になった安然は成人の儀を迎えた。母・沈蘭渓(シンランケイ)は咳が酷く欠席となったが、第二夫人・柳鳴玉(リュウメイギョク)が準備してくれた美しい衣装に身を包んで儀式に臨む。会場には安然が海賊から助けた慶(ケイ)王府の使者・蔡望津(サイボウシン)も祝いに駆けつけていた。陸軽舟(ルーケイシュウ)はこの機に娘を後継者に指名、36港の船隊を動かせる双魚令を託した。しかし陸延(ルーエン)が兄に横槍を入れ、庶子とは言え唯一の男子である陸昀(ルーイン)が当主になるべきだと訴える。すると安然を慕う陸昀が姉こそ後継者にふさわしいと表明した。焦った柳鳴玉は陸延に引き下がるよう目配せ、その場を取り繕う。こうして安然は家業を引き継ぎ、新当主を祝う宴が始まった。安然は身体中が痒くなり、早々に祝宴を切り上げた。「どうしてこんな時に湿疹なんて…」屋敷に戻った安然が回廊でふてくされていると、思いがけず蔡望津の侍衛と再会する。「どうしてここに?」「私の主人が陸小姐の祝賀会に招かれてね…まさか君だったのか」「あなたの主人も陸家と商談?この前は翊(ヨク)王で今度は慶王… そんなに暇なら水害対策を進めてくれればいいのに(ボソッ」瀚国は水の国、水害が多いのは仕方ないが、災害支援の食糧は役所に中抜きされ、民に届くのは米ぬかだけだった。すると侍衛は被災者の支援もさることながら、災害を防ぐことが根本的な解決だという。「国中を巡る無数の水路を活用する、運河の整備が最上の対策だ 陸家が港を管理するのも同じ目的では?ならば朝廷と協力する事で大業の成就は早まるだろう」「…朝廷より自分を信じるわ」安然は同じ志を持つ侍衛に一目置いたが、役人と関わるのはごめんだった。「そうだ、誕辰祝いを…それから痒み止めだよ」侍衛の贈り物は花だった。「あなたの名前は?」「…次に会った時に」「次はないかも」「あるとも…じゃあこれで」翌日、陸軽舟は慶王の誘いを丁重に断った。蔡望津は好機を逃さぬよう柔軟になるべきだと戒めたが、陸軽舟はこれが自分のやり方だという。「陸家の望みは巨万の富より一家の平安です、ご理解ください」一方、安然は回廊で父と使者の話が終わるのを待っていた。そこへ腹違いの妹・陸欣然(ルーシンラン)が駆けつける。欣然は姉の目当ても使者かと焦ったが、安然は侍衛を待っていると釈明した。しかし屋敷へ来たのは使者独りだと分かり落胆する。その時、村人が駆けつけ、田んぼで騒ぎだと知らせた。農民たちは安然のために道を開けた。何事かと思えば見知らぬ青年が勝手に田んぼに植えた苗を引き抜いている。「捕まえて」すると村人たちは青年を羽交い締めにして安然の前に連行した。「放蕩息子なら賭場や妓楼で遊んだら?泥遊びの何が楽しいの?」しかし青年は苗が病気だと訴え、最終的には稲が全滅してしまうと説明する。確かに苗を割いてみると蜘蛛の巣のような白い糸を引いていた。安然は青年に謝罪した。そこで早速、農民たちと一緒に苗を調べることにする。青年はあの頑固な農民たちがなぜこの若い娘には従順なのか首を傾げた。すると陸家の従者・衫越(サンエツ)がこの田んぼを作ったのが小姐だからだと教える。「川を整備して3本の水路を引いた、土は洪水で流されて来た泥だ」「それを全部独りで?」驚いた青年は娘に名前を聞くと、自分の身分は明かさず、いつの間にか姿を消した。その夜、安然は妹に誘われて花朝節(カチョウセツ)の縁日に出かけた。安然は縁結びの祈願で月老廟(ゲツロウビョウ)へ行きたいと言う妹と別れ、侍衛を探すことにする。しかし橋を渡っている時、前から来た男とぶつかって川へ落下してしまう。「小姐っ!」侍女・霊奚(レイケイ)は慌てて下をぞき込んだが、ちょうど船に乗っていた侍衛が安然を抱き止めてくれた。「劇的な再会だな」「小侍衛?!」侍衛は穆懐恕(ムーカイジョ)と名乗り、次男坊だと明かした。2人はしばし舟遊びを楽しんだが、ふいに穆懐恕が実は安然に一目惚れしたと告白する。「分かっている、私はしがない護衛だ、あるのは志だけ」「富や名誉に興味はない、相手に求めるのは″誠実な愛″だけよ」すると安然は穆懐恕の頬に口づけした。翌日、安然は穆懐恕を船まで見送りに行った。「私を忘れないでね」「迎えに来るよ」そこで穆懐恕は約束の品として玉佩を贈った。「共白髪になるまで添い遂げよう」「もちろん」しかし2ヶ月経っても穆懐恕から何の音沙汰もなかった。欣然宛てに届いた蔡望津の文によれば、穆懐恕も慶王のもと北臨に出兵したという。果たして無事でいるのだろうか。そんなある日、港に瀚京からの船が到着した。安然は待ちきれず港に駆けつけたが、やはり穆懐恕からの文はない。すると偶然にも田んぼの青年と再会した。「君が水路で水を引き込み、幅も深さも増したことで港が発展したんだね」「私ひとりの力じゃないわ、父が協力してくれたおかげよ」青年は稲香居士(トウコウコジ)と名乗り、凛とした安然にすっかり魅了された。陸家に突然、朝廷の使者がやって来た。何事かと思えば安然が皇帝から縁談を賜ったという。「慶王・穆澤(ムーヅー)とは相思相愛の間柄と聞く、当人の願いを汲み婚姻を許可する 9月8日に瀚京にて婚儀を執り行う」「あの…人違いでは?」「大胆な!皇上のご厚情を無にすればどうなるか分かっておるのか?!」安然は動揺しながらも陸家を守るため、聖旨を受け取るしかなかった。「おめでとうございます、慶王妃 来月8日に九皇子殿下が王妃を迎え、都まで付き添われます」すると使者は慶王からの文を安然に渡して帰った。…安然、無沙汰をしたね、北臨との戦で忙しく便りが書けなかった…真実を明かそう、大瀚王朝の二皇子、これが私の本当の身分だ…戦功の褒美に婚姻の許しを請うた…父皇には色恋を咎められ、翊(ヨク)王には平民を娶る気かと冷笑された…だが構わぬ、そなたと生涯を共にすると決めたのだ…瀚京で待っている安然が結婚を約束した穆懐恕の正体は慶王だった。いよいよ安然が嫁ぐ日を迎えた。真紅の婚礼衣装に身をつつんだ安然、しかしそこへ侍女が駆けつける。「小姐!夫人がお倒れになりました!」母は朦朧としながらも安然の美しい姿を見られたが、そこで血を吐き、息絶えてしまう。「阿娘を置いてなんていけない…」悲しみに暮れる安然、その時、九皇子一行が陸府に到着してしまう。父は心を鬼にして安然を母から引き離し、母の願いは娘を良家に嫁がせることだったと明かした。「嫁いで幸せになり安心させてやれ」安然は後ろ髪を引かれる思いで寝殿を出た。中庭では兄嫁を迎えに来た九皇子が待っている。その時、ふいに風が吹いて花嫁の紅蓋頭がめくれ上がった。安然は使者の九皇子・穆川(ムーチュアン)が稲香居士だと気づき、呆然となる。「あなたが九殿下?」安然は泣いていた。「何かあったのか?」「いいえ…全て順調よ」この時、陸安然は母の急逝という人生最大の悲しみに襲われていた誰が予想しただろう都へと向かう安然の運命の絵巻にあれほど苛烈な物語が綴られていようとは…つづく( ゚д゚)長っ!これ50分もあるのね全30話なので楽勝だと思ったら甘かったわwそしてまたまた勝手なルビですがご了承くださいませw
2024.01.12
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第40話「本当に大切な物」事務所を追われたものの、セクハラ集団訴訟の準備で忙しい毎日を送る秦施(チンシー)。そんなある日、情報屋・剛子(ガンズー)の読み通り、天航(ティエンハン)ホテルの社長・尹志強(インジーチアン)が移動になった。経営監察室に飛ばされたと聞いた姚遥(ヤオヤオ)は失笑、そこは定年を迎えた役員の隠居部屋で、事実上の左遷だという。秦施は天航が尹を見限ったと気づき、無防備になったところで一気に攻めると決めた。「今日、訴状を提出するわ」その夜、秦施は李黛(リーダイ)、姚遥、剛子の4人で祝杯をあげた。剛子は着信に気づいて席を離れたが、突然、秦施が現れ、携帯を奪われてしまう。「陽華でしょう?…何か言ったら?私と姚遥を何だと思っているの?」陽華は黙ったまま何も答えず、剛子も他の依頼人だと否定した。仕方なく剛子に携帯を返した秦施、一方、姚遥は李黛に明日、息子を連れて豪州に発つと報告していた。「もう戻らないわ、後のことはよろしく、実は陽華も一緒なの」「🍺_(´゚ω゚).:;*.’:;..ブハッ!ちょっと、陽華を梱包して持って行くとでも?」「陽華は離婚したわ」そこへちょうど秦施と剛子が戻って来た。「秦施?離婚したって本当?!なぜ黙っていたの?!」李黛は姚遥のために尽力してくれた秦施への仕打ちに憤慨した。しかし秦施は陽華が姚遥と豪州へ移住するとはにわかに信じられない。「彼は行かないわ」「明日11時半の便よ、自信があるなら引き留めに来たら?」その時、陽華が店の外まで姚遥を迎えに来た。李黛は陽華を引き止めるよう急かしたが、秦施は身体が動かなかった。一方、陽華のために一肌脱いだ姚遥は秦律師には確かに劇薬が必要だと納得する。「でも相思相愛なのになぜ意地を張るの? とにかくあなたが彼女を好きなのことは良く分かったわ」「初めてここまで人を好きになったよ…」「私の前でそれを言うか?w ともかく99歩まであなたが歩み寄っても、最後の1歩は秦律師が踏み出す必要があるわ」陽華は追いかけて来ない秦施に落胆し、姚遥と車に乗り込んだ。その時、秦施が息急き切って駆けつけたが、陽華が気づかないまま車は走り去ってしまう。秦施は陽華を引き止めることも叶わず、雨の中をあてもなく歩いた。すると秦施を探し回っていた2人の兄が現れる。秦施は思わず秦文斌(チンウェンビン)に抱きつき号泣、気がつくと自宅のベッドで眠っていた。秦施は物音に気づいて目を覚ました。もしや陽華が戻って来たのかも?秦施は慌てて寝室を出たが、そこにいたのは2人の兄だった。2人は昨夜、泥酔した秦施を連れてマンションまで送ったが、深夜だったため泊まったという。すると秦文宇(チンウェンユー)は出社する時間だと気づいて仕事へ出かけた。秦施はどういう風の吹き回しかと驚いたが、長兄の話では文宇は本当に変わったという。「きちんと出社して真面目に働いているよ 梅梅(メイメイ)が戻って来た時、だらしない姿を見せたくないからだと…」実は秦施も最近、ようやく梅梅と連絡が取れたところだった。「…私はもう幸せになれないような気がする」「陽華と何があったのか知らないが、これだけは言える 人の幸せを決めるのは安心感だ、心の安らぐ場所がお前の居場所だよ」秦施は気を取り直し、自宅で裁判の準備を始めた。すると母が食材を持って訪ねてくる。「あら家にいたの?…しばらく来ないともうこんなに散らかして…」「数日前に来たでしょう?冷蔵庫にはまだ食料がいっぱいよ?」胡小妹(フーシャオメイ)は冷蔵庫に整然と積まれた料理を見て呆然、これは自分ではないという。実は秦施の留守に掃除をして料理を作ったのは陽華だった。「…小施、あなたと陽華のことだけど、ママもパパも全て知ってるの」陽華は離婚した日、秦家を訪ねて事情を明かしていた。離婚証を見た秦軍(チンジュン)は当然、憤慨したが、陽華は秦施が自分の心から目を背けたり、本来の幸せを避ける姿を見たくなかったという。『僕が彼女にあげられるものは自由でした、どうか彼女を責めないでください 僕にとって大事なのは結婚より彼女と共にいることなんです 彼女が望むなら一生、結婚しなくてもいい、でもどうか生涯、彼女を支えさせてください』母の話を聞いた秦施は慌ててマンションを飛び出した。秦施は空港に来なかった。姚遥はさすがにやり過ぎたと反省し、陽華にカードを返す。「あなたのお金でしょ?一銭も手をつけてないわ…別れのハグする?」「いや、彼女がいるからダメだ」陽華は姚遥たちを見送って空港を出た。ちょうどその頃、秦施は出発ロビーに駆けつけたが、またしてもすれ違ってしまう。あれから7ヶ月が経った。秦施と李黛はセクハラ集団訴訟で多額の賠償金を勝ち取り、今や時の人となる。尹志強は強制わいせつや何東娜(ホードンナー)の裁判での偽証教唆で逮捕、工事による不正も関係者が全て勾留された。そんなある日、秦施は誠(チョン)&慧(フイ)からパートナー弁護士として招かれることになった。唐伊慧(タンイーフイ)は11階の秦施のオフィスを一新して機嫌を取ったが、呼び戻さねばならない案件があると見抜かれてしまう。実は海外逃亡していた龐定方(パンディンファン)が交通事故で愛人と共に死亡、蘭暁亭(ランシャオティン)が遺産の受け取りを秦施に担当して欲しいと頼んでいた。また秦施が辞めてから事務所の内規を見直し、今では独身でも育児中でも同等に扱うことになったという。「陽華の言う通りね、事務所の長期的発展には信念が必要なの 弁護士の職業倫理は公平と正義、それが事務所の良心よ」「…陽華とまだ連絡しているの?」「もちろん!」陽華は今や胡平(フーピン)の右腕、投資部最高責任者として誠&慧豪州支部設立時にも顔を合わせたという。「離婚したことは聞いていないの?…それでも私を呼び戻す?」何も知らなかった金誠(ジンチョン)と唐伊慧は顔を見合わせたが、秦施を呼び戻す理由は素晴らしい弁護士だからだと言った。「君がここへ戻るということは君の勝利を意味する」しかし秦施は所長夫婦に感謝しながらも断った。「独りで外の世界にいた数ヶ月、本当に楽しかった…だから独立すると決めました まずは蘭会長の案件から協力しませんか?その代わり報酬は折半で」「乗ったわ!」秦施と唐伊慧は抱き合い、かつての仲の良い姉妹に戻った。秦施は帰り際、10階へ挨拶に寄ることにした。その時、偶然、エレベーターホールで西北支所の責任者として栄転になった陶俊輝(タオジュンフイ)と出くわす。「幸せになってね」「俺のことより自分の心配をしろ、独身のままおばあさんになったら俺のところへ…」秦施は相変わらず口が減らない元カレに失笑しながら、エレベーターに乗り込んだ陶俊輝を見送った。「秦施…幸せになれよ」「あなたもね」笑顔で別れた秦施と陶俊輝、すると秦施の携帯が鳴った。「秦施!…産まれそう!」陶俊輝が車のトランクに荷物を乗せていると、呉菲(ウーフェイ)が現れた。「陶俊輝律師、ニーハオ、私は新人補佐弁護士の呉菲です、よろしくお願いします」すると呉菲は握手を求めて手を伸ばした。陶俊輝はしばし呆然としていたが、ふと笑顔になる。「よろしく、頑張って」陶俊輝と呉菲は初対面の時のように握手を交わし、最初からやり直すことになった。一方、秦施は秦文宇(チンウェンユー)に子供が産まれると連絡、2人で産気づいた梅梅を病院まで連れて行った。梅梅は無事に出産し、兄夫婦はまるで何事もなかったかのように幸せに包まれている。そんな新しい家族を秦施は感慨深そうに眺めていた。…確かに独りは自由だけれど、結局、2人でも同じ…陽華は正しかった、私には確かに自分を見つめる空間と時間が必要だったのね…ようやく気づいたの、でも彼は?そんなある日のこと…。秦施がマンションへ帰ると、ちょうど引越し業者が前の部屋にせわしなく出入りしていた。数ヶ月まえから内装工事が始まっていたが、どうやら誰かが越して来たらしい。すると秦施の部屋の前に亀がいた。「どこの子なの?なぜ私の家の前に?…何だか見覚えがあるわ」その時、前の部屋から陽華が現れた。「…師哥、この子を探しているの?」陽華は両手を広げて秦施を待つと、秦施は迷わず陽華の胸の中に飛び込んだ。秦施はようやく陽華が豪州に行かなかったと知った。すると陽華は秦施の手を自分の胸に当て、心にいるのは秦施だけだと告白する。「そうだ、あの数字は何?」秦施は陽華がカードに残しておいた数字が気になっていた。陽華の書き残した数字はPCのパスコードだった。ログインしてみると株価チャートが出て来る。実は陽華は入籍した日に結婚記念日が証券コードの銘柄を買っていた。「僕が分析せずに買った唯一の銘柄だ、どんな値でも毎月、買い増ししている 暴落した時も売っていない、たとえ利益が出なくてもね」「じゃあ…いつ売るの?」「売らない、長期保有の予定だ、永遠にね 必ず上がると信じている、そしていつか子供たちの財産になる」おわり( ;∀;)ァァァァァァァァ~平日のお楽しみが終わってしまった~シューカイだけは圧倒的に現代劇派だわなぜだろう?顔が小さすぎてカツラが合わないとか?初シューカイの瓔珞は髪の毛がなかったから良かったのねw
2024.01.08
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第39話「名誉ある敗北」姚遥(ヤオヤオ)の労働訴訟でホテル側の代理人となった秦施(チンシー)。キャリアと倫理の板挟みになったが、どちらも失わずに済む方法を思いついた。姚遥は陽華(ヤンホワ)の後押しもあって秦施の提案通り起訴を取り下げ、これで秦施は事務所への義理を果たしたことになる。しかし尹志強(インジーチアン)は姚遥と李黛(リーダイ)が自分をセクハラで訴える準備をしていると勘づいた。そのせいで今日の天航(ティエンハン)との法務契約が流れ、唐伊慧(タンイーフイ)は秦施が裏で関わっていると怪しむ。秦施は何も知らないとごまかしたが、唐伊慧はどちらにしても取り下げさせるよう迫った。「これが最後の警告よ、嫌なら辞めてもらう」すると秦施は席を立ってオフィスを出て行ってしまう。秦施は自分の信念を曲げられず、ついに退職を決めた。10階は荷物をまとめて出て行く秦施の姿に騒然となったが、その時、陶俊輝(タオジュンフイ)が現れ、屋上へ連れて行く。「目標を達成するまで辞めないと言っていただろう?」「もう私が憧れていた誠(チョン)&慧じゃないからよ」しかしもし所長が弁護士会に偽装結婚の件を報告すれば秦施は法曹界で生きられない。陶俊輝は感情的にならず、考え直すようなだめた。「俺が所長を説得する、待っていてくれ」秦施は陶俊輝が戻るのを待たずにエレベーターに乗った。すると偶然にも玄関ロビーでベビーカーを押している卞静(ビエンジン)と出くわす。卞静は近くを通りかかったので秦施の顔を見に来たと話したが、思いがけず辞めると知った。「卞姐、ごめんなさい、私のために尽力してくれたのに、期待を裏切ってしまった…」実は事務所の独身女性への差別を失くすという壮大な計画は卞静の夢でもあった。しかし卞静は事務所を離れて初めて社会の公平性が1人の問題ではないと気付いたという。「声を上げるだけでも大きな進歩よ 知ってるわ、あなたが精一杯、努力して来たこと 彼らもあなたが去ることで気がつくかも…言葉より説得力がある、そうでしょう? 失敗のように思えて、これは″名誉ある敗北″かもしれないわ」李黛と姚遥はセクハラ被害者に接触、証人を募ったが無駄だった。しかも頼みの綱だった秦施が事務所を辞め、最悪なことに尹志強が自分たちの動きに勘づいたという。「これで証拠集めは難しくなったわね… 諦めるなら食事して解散しましょう、私は新しい案件を探す」秦施は依頼人に判断を委ねた。「諦めないと言ったら?」「厳しい道のりになる、でも成功したらあのセクハラおやじを徹底的に潰せるわ 他のセクハラ男にも良い見せしめになる」「やるわ」姚遥は即断、秦施と李黛と3人で戦うと決めた。秦施は小さなレンタルオフィスを借りた。姚遥と李黛は再びセクハラ被害者たちの説得に奔走していたが、証人は一人も現れないという。すると突然、陶俊輝がやって来た。実は所長が唐伊慧を説得してくれると約束したという。秦施は自分のことより呉菲(ウーフェイ)はどうしたのかと聞き返したが、その時、陶俊輝は秦施の顔に赤い発疹があることに気づいた。その頃、陽華は蔡亮(ツァイリャン)と2人で飲んでいた。「入社の件はもう少し待ってくれるか?」陽華は蔡亮と一緒にベンチャーキャピタルへ移ると決めたが、その前にセクハラ案件に方をつけたいという。「入社を1週間ほど遅らせてもらったんだ」「胡平(フーピン)に毒でも盛ったのか?お前の言いなりだな~」「良いアドバイスをしたからさ」陽華は第36話で胡平と面会した時、将来において最も重要な物は何かと聞かれていた。『何に投資すればいい?』『御社に合うかどうか分かりませんが…基準になることがあるとすれば″良心″です 幼稚に聞こえると思いますが気づいたんです 企業と製品が業界や社会、人類に有益であれば、その企業生命力と柔軟性は計り知れないと』蔡亮は陽華が姚遥に未練もないのに支援し、秦施を想っていながら手放したことに混乱した。何より秦施のそばには陶俊輝という強力なライバルがいる。陽華は今も結婚指輪を外していなかったが、陶俊輝の名を聞いて急に顔をこわばらせた。秦施は牛肉入りとは知らずにエッグロールを頬張り、アレルギー症状が出た。相変わらずな様子に思わず口元がゆるむ陶俊輝、すると秦施の車に珍しく期限の切れていない薬がある。「陽華がリマインダーを入れてくれたの」「水は?」陶俊輝はグローブボックスの中を探すことにしたが、そこで偶然、秦施の離婚証を発見した。「秦施…離婚したのか?どうして俺に言わないんだ、結婚しよう、明日、手続きする」「バカなこと言わないで」「本気だ、俺と結婚して誠&慧に戻れ、所長が11階に戻すと約束してくれた」しかし秦施は自分のように結婚に不向きな人間もいると断った。「まだ心に迷いがあるの、だから自分にもあなたにも嘘はつけない あなたも呉菲を手放さないで、彼女の方がお似合いよ」陶俊輝は秦施の心がすでに陽華にあると気づいていた。秦施は認めなかったが、今になってようやく陽華の言葉が胸に突き刺さる。…隠れ蓑は嫌だ、人生を直視することから逃げないで欲しい…嘘の中で生きる君を見たくない秦施がマンションへ帰ると部屋がきれいに掃除されていた。キッチンには美味しそうな料理もできている。秦施はママが来たのだと気づいてすぐメッセージを送った。…ありがとうママ、愛してる…陽華は誰より秦施を理解していた。複雑な家庭で育った秦施は優等生として成功することで自己肯定感を得て来たのだろう。しかし人生は終わりのない試験だ。中でも結婚という科目は難しく、大勢の落第者を見て来た秦施は人一倍、臆病になっている。「彼女は怖気づいてジレンマに陥っているんだ…失敗を恐れ、幸せになれる自信もない 失敗しない近道は?選択しないことだ」蔡亮はますます混乱した。「秦律師が結婚を恐れているとは言え、お前は彼女が好きなんだろう?なぜ別れたんだ?」「落第より悪いことは?不正行為だ… 試験はゲームであり自己顕示に過ぎない、でも結婚は1人で臨む試験じゃない 鍵はいかに試験に強いパートナーを選ぶかになる パートナー選びの権利を彼女に委ねたい、それが双方にとって公平なんだ」「哀れなやつだ、秦律師がお前の努力を知っても戻らなかったら胸が痛いよ」「僕が決めたことだ」そこへ陽華の依頼で動き始めた情報屋・剛子(ガンズー)が現れた。翌朝、秦施のオフィスに剛子が証人を連れて来た。セクハラ被害を受けた韓恵婷(ハンフィティン)が姚遥と一緒に尹社長を訴えたいという。剛子は被害者が泣き寝入りするのは尹志強が社長の座にいるためだと説明した。しかし工事の不正の証拠を手に入れ、天航グループに告発、これで尹志強はクビになるという。「まだほんの糸口さ、これから芋づる式に暴かれるよ、姚遥以上の騒ぎになるぞ」秦施と李黛はなぜ剛子が協力してくれたのか分からなかった。すると剛子は他に雇い主がいるという。秦施も李黛もその雇い主が陽華だと気づいた。李黛はまさか秦施と陽華が離婚したとは知らず、陽華が姚遥のために必死らしいと秦施の嫉妬を煽ってしまう。剛子は陽華の指示通り証拠集めに奔走し、密かに秦施をフォローした。韓恵婷の告発に触発されセクハラ被害を訴え出た従業員は20名、集団訴訟に参加するのは11名に上る。すると剛子は民事で勝っても謝罪と賠償が関の山だと指摘した。「…やけに詳しいけれど法典を勉強したの?」「知恵ってやつだよ~問題を解決するには最善策を見つける、それでどんな問題も解ける」「ちょっと~誰に教わったの?」李黛は意味ありげに笑いながら、もっと証人や証拠があれば強制わいせつ等で起訴できるという。しかし秦施は高望みせず、着実に進めようと言った。実は補佐弁護士・海涛(ハイタオ)は尹志強のセクハラの証拠を持っていた。第36話で偶然、セクハラ現場を見かけた陶俊輝と海涛。陶俊輝は乗り込もうとした海涛を制止し、自分が部屋に入ったらスマホで証拠を残すよう指示していた。そこで海涛はこっそり証拠を送信しようとしたが、陶俊輝に止められる。「弁護士資格が剥奪になるぞ?」「分かっています」あの夜、海涛は被害者の女性に通報するか聞いたが、女性は仕事を失いたくないと怯えていた。海涛は姉がもし被害者だったらと思うとやるせないという。すると陶俊輝は自分に任せて欲しいと言って証拠を受け取った。つづく( ゚ェ゚)ようやく離婚した理由が分かったわ~でもやっぱり意味不明だわw ←どっちよ?w
2024.01.06
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第38話「愛と恐怖」陶俊輝(タオジュンフイ)は秦施(シンシ)に天航(ティエンハン)の労働起訴から下りるよう勧めた。しかし秦施は頑なに拒否する。陶俊輝はあの夜のことが原因で自分を拒んでいると気づき、改めて謝罪した。「すまない、あの日は酔っていた、でも何を言ったのか全部、覚えている 君の選択は尊重するよ、でも気持ちと仕事は別だ、仕事に関する助けは拒むな」陶俊輝は仲直りの証に麻辣湯(マーラータン)店へ誘ったが、秦施は仕事があると断って戻ってしまう。それでも陶俊輝は22時に待っていると一方的に約束した。姚遥(ヤオヤオ)は李黛(リーダイ)がサニーを遊ばせてくれる間、陽華(ヤンホワ)との旧情を懐かしんだ。実はてっきり陽華は邱建祥(チウジエンシャン)の娘と結婚したと思っていたという。「それはない、言ったはずだ」「あの頃は悔しくてあなたを呪ってた…今になって思えば私たちは別れて正解だったかも 私は頑固で劣等感の塊だった 何かを手に入れても不安で、何が大切なのかも分かっていなかった」李黛と陽華は姚遥とサニーをタクシーに乗せて見送った。李黛はサニーと陽華の関係を追求しようとしたが、陽華に逃げられてしまう。そこで早速、秦施にゴシップを知らせた。📱<サニーを見たら驚くわよ?陽華にそっくりだものまさか秦施と陽華が離婚したとは知らず、李黛は陽華をしっかり捕まえておけと釘を刺した。複雑な心境で電話を切る秦施、すると今度は陶俊輝から連絡が来る。📱<今どこ?「やっぱり行けない…あ、ごめん、電話が入ったから切るわね」一方、バスに乗った陽華は蔡亮(ツァイリャン)に住宅ローンの申請を取り下げて欲しいと連絡した。蔡亮は頭金が無駄になると止めたが、陽華は電話を切ってしまう。すると突然、任梅梅(レンメイメイ)から着信が鳴った。秦文宇(チンウェンユー)の行方が分からなくなった。慌てた梅梅は咄嗟に秦施と陽華に助けを求め、秦施は思いがけず兄夫婦のマンションで陽華と久しぶりに顔を合わせる。聞けば文宇は集金に出かけて数百万の小切手を持ったまま連絡がつかなくなっていた。同行した社員は取引先で買った海産物を持って先に帰り、最後の1軒だけ文宇に任せたという。最後の集金先は文宇の弟分・胡鵬(フーポン)のクラブだった。秦施は陽華の運転で店に到着、すると後部座席に常備している護身用の警棒をつかむ。驚いた陽華は秦施から武器を取り上げ、自分に任せて車で待つよう言い聞かせた。店内は大音量が流れ超満員だったが、陽華は店のブレーカーを落として電気を消してしまう。停電に驚いたクラブの客たちが一斉に店を出た。秦施は最後に店から出てきた胡鵬を見つけ、車から出る。「久しぶりね」こうして文宇の行き先が判明した。秦施は梅梅に連れて帰ると連絡したが、梅梅はすぐホテルへ向かうという。📱<私を親友と思うなら何もしないで…自分で見届けたいの秦施と陽華が文宇の部屋の前で待っていると梅梅が駆けつけた。陽華は防犯カメラの映像で確認したところ文宇は泥酔していたとかばったが、梅梅は部屋に入ってしまう。秦施は憔悴した梅梅を自分のマンションに連れ帰り休ませた。梅梅が眠ったと聞いた陽華は安心して帰ることにしたが、秦施は何か食べて行かないかと誘う。「またデリバリーを?」「料理は苦手だから…実家に戻ったの?」「いや賃貸に仮住まいだ」「…慣れた?」「慣れない…でもそのうち慣れるよ」どこかぎこちない秦施と陽華の会話、すると陽華は今回の文宇と梅梅の騒動でしみじみ自分の選択が正しかったと漏らした。「君が結婚を恐れる理由が分かったよ、″問題がある結婚″は人を消耗させるんだね」「…うん、離婚して良かった、あの2人より大騒ぎしたかもしれないわ」「そうかな?」陽華は秦施がまだ自分の意図に気づいていないと分かり、落胆して帰ってしまう。翌日、秦施はいきなり姚遥の自宅を訪ねた。本当は陽華に手を出すなと脅したいところだが、弁護士としての職業倫理はある。何より陰湿な尹(イン)社長を放任することができず、陽華の元カノに手を差し伸べることにした。「あなたの協力があれば逆転できる可能性がある…その代わり起訴を取り下げて欲しいの」しかし帰り際、やはり持ち前の勝気な性格が出てしまう。「過去に陽華と何があろうと、サニーが陽華の子供だとしても気にしない、彼は私のものよ」秦施が帰ると奥の部屋から陽華が現れた。「一体どうなってるの?先に奥さんに話を通してよね」「あれでよく弁護士になれたと思うよ」「おのろけは結構よ… 陽華、別人のように優しくなったわね、変わったのは彼女のせい? で、さっきの提案を実行して彼女の立場は大丈夫なの?」「それは僕が考える」「じゃあ彼女を信じていいのね?」「ああ、彼女は腕が立つ」すると姚遥は陽華がローンを解約して工面してくれたお金を返すことにした。しかし陽華はいずれ必要になると受け取らない。「僕はまた稼ぐから、でも秦施には秘密にしてくれ」「ふふ…彼女のことが本当に好きなのね」その頃、文宇はビクビクしながら自宅マンションへ戻った。しかし運良く梅梅は出かけているらしい。安心した文宇は一風呂浴びてクローゼットに向かったが、そこでようやく梅梅の荷物だけがないことに気づいた。すると書斎に梅梅がサインした離婚協議書だけがある。文宇はともかく梅梅に連絡しようとしたが電池切れ、慌てて充電すると真っ先に胡鵬のメッセージが届いた。…家賃を下げないと嫂子に送る…それは泥酔して見知らぬ女とベッドにいる自分の写真だった。文宇は昨夜のことを何も覚えていなかった。胡鵬にはめられたと気づいた時には手遅れ、梅梅とは連絡がつかず、メッセージも拒否されている。文宇は秦施を呼んで釈明したが、秦施も梅梅の居場所を知らなかった。「私宛のメッセージよ」…秦施、私は出て行くことにした…あなたの推察通り文宇はハメられただけよね…あれから眠れず、ずっと考えていたわ、私はなぜこの結婚を手放せずにいるのかしら…答えは簡単、文宇への愛よ、習慣になり依存になってしまった愛…妊娠が分かった時、怖かった…彼が良い父親になれるか不安で自信がなくて、でもホテルに入った時、不安は恐怖に変わった…本当に浮気していたらどうすればいいの?独りで子供を育てられるかしら?…何より怖かったのはこれからのこと、次はどうなるの?そのまた次は?…考えているうちに気がついたわ、私の文宇への信頼は完全に失われていた…毎日、彼を疑いながら生きていくのは嫌、もうゲームは終わり…秦施、後のことはお願いね文宇は梅梅がこのまま会社や自分を見捨てて出て行くとは思えなかった。これも妹が梅梅をけしかけたせいだと思いたかったが、秦施に現実を突きつけられてしまう。「あなたの結婚よ?!梅梅を何度も怒らせたのは誰? そうやって人のせいにしてばかりだから誰も助けてくれないのよ! …今まではどれだけ喧嘩しても心配しなかった、2人には愛があると思っていたから でも今度ばかりは私が何を言っても無駄、もう何もできない」これまで喧嘩しては仲直りを繰り返して来た文宇と梅梅。その度に愛情が深まっていると思い込んでいたが、実際は愛をすり減らしていただけだった。「梅梅の選択がどうであれ、ともかく真っ当に生きて」つづく( ๑≧ꇴ≦)ってか何?そのワンピースw
2024.01.05
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第37話「弁護士の務め」天航(ティエンハン)と南洲(ナンジョウ)の合併がまとまり、あとは正式な契約を残すだけとなった。陶俊輝(タオジュンフイ)は海涛(ハイタオ)に引き継いで寧波(ネイハ)へ出張したが、唐伊慧(タンイーフイ)は困惑する。昨夜の祝賀会では陶俊輝と尹(イン)社長がすっかり意気投合したと聞いていた。てっきり姚遥(ヤオヤオ)の労働起訴も担当してくれると思ったが、これも海涛に任せるという。確かに労働起訴は利益が見込めず企業部では役不足、誰もやりたがらない案件だった。離婚手続きを済ませた秦施(チンシー)は傷心のまま事務所へ車を走らせた。すると唐伊慧から到着次第、オフィスへ来るよう連絡が来る。何事かと思えば、唐伊慧は降格だけでは飽き足らず、秦施に天航の労働起訴を押し付けた。しかし秦施は孤軍奮闘していた姚遥に同情的でホテル側には不信感がある。「私は補佐弁護士です、案件を担当する資格がありませんが…」「単刀直入に言う、家庭部にあなたより経験があって能力の高い人はいない ずっと考えていたけれど、このまま辞めさせるのも続けさせるのも納得がいかない ただ事務所の利益を考えればあなたは必要な人材よ、尽力してくれる人が必要なの この案件は事務所じゃなく、あなたが受けて」唐伊慧はこの案件を断るなら退所だと脅し、その代わりやり遂げられた暁には11階へ戻すと約束した。胡平(フーピン)と面会した陽華(ヤンホワ)はチーフ財務アドバイサーに誘われた。話を聞いた蔡亮(ツァイリャン)は歓喜、自分も一緒に行きたいと懇願し、一家の大黒柱となるため転職すべきだと訴える。しかし陽華は離婚したと明かした。「秦施には時間が必要なんだ…」「はあ?夫婦を演じることすら面倒になったのか?一体、何を考えてる?」その夜、秦施は誰もいないマンションへ帰った。陽華が引き払った書斎をのぞいてみると、メッセージカードと数冊の本が残されている。【収納術】【ひとりご飯】【別れからの再スタート】秦施は本の題名を見ただけで気が滅入った。しかもカードのメッセージは数字の羅列だけで全く意味が分からない。【775094】開廷前協議のため李黛(リーダイ)と姚遥が誠(チョン)&慧にやって来た。2人はホテル側の代理人が秦施なら協力できると期待したが、思わぬ要求を突きつけられる。尹社長の要求は違約金200万、もしくは25万の研修費返還で和解する代わりに向こう10年、ホテルを含む飲食業界全般に戻らないことが条件だった。李黛は悪徳弁護士に成り下がった秦施の目を覚まさせるため陽華を呼び出した。姚遥の代理人になったのは秦施からの依頼だったが、当の本人が今やホテル側の代理人になって法外な条件を出してきたという。「あなたは秦施の考え方を変えるキーパーソンよ」「買いかぶりだよ」「事情があって結婚したけれど秦施の想いは本物 だからあなたと姚遥との関係を知って不愉快になった、それが判断力を鈍らせたのよ」「″秦施の想いが本物″って…どういうこと?」「偽装結婚から本気になったんでしょう?」「本人が言ったの?」「本人は認めないけれどバレバレよ~愛を手に入れて生き生きしているもの 片思いならこうはならないわ」李黛の指摘に思わず笑みがこぼれる陽華、一方、姚遥は帰国する息子の出迎えで空港にいた。出張から戻った陶俊輝は天航の担当が秦施になったと知った。驚いた陶俊輝は唐伊慧に掛け合うことにしたが、逆に呉菲(ウーフェイ)との結婚準備で忙しいはずだと牽制されてしまう。「逃しても取り戻せることもあるけれど、2度とチャンスがこないこともあるわ…分かるわね?」「分かります、では仕事に戻ります」陶俊輝はすぐ秦施に連絡したが、秦施は陶俊輝の電話には出なかった。陽華は自分なりに労働起訴の案件を分析、姚遥の案件は本来の労働起訴と違うことに気づいた。指摘を受けた李黛は改めて姚遥の話を聞くことにしたが、陽華にも店内でこっそり聞いてもらうことにする。一方、天航ホテルで調査していた秦施も今回の案件が労働法では解決できないと気づいた。問題は姚遥とホテルの契約ではなく、どうやら姚遥と尹志強(インジーチアン)の不和らしい。そこで秦施は姚遥から詳しく事情を聞こうと連絡、するとちょうど李黛と一緒だった。実は姚遥にとって尹社長は恩人だった。当時、結婚出産を経て離婚した姚遥は路頭に迷うところだったが、尹志強が今の仕事をくれたという。姚遥の直属の上司となった尹志強はいつも姚遥を励まし支援、すぐに才能を発揮した姚遥は異例の速さで出世したが、海外研修から帰国してから状況が一変した。「尹志強はよく女性スタッフを接待に同席させていた 最初は仕事だと思っていたけれど、実は尹志強の私的な行為だったの 酔ってはセクハラを繰り返し、憤慨した私は行かなくなった 怒った尹志強は私を辞めさせようとしたけれど、10年の雇用契約があったから失敗したわ」経緯を聞いた陽華は次の策を考えるため書店を出ることにした。その時、ひょんなことから独りで母を待っていた少年と知り合う。実はその少年こそ姚遥の息子・サニーだった。陽華は息子を迎えにきた姚遥と再会、しばし呆然と立ちすくんでしまう。唐伊慧は秦施が天航ホテルで勝手に調査したと知り激高した。「これが最後のチャンスだと言ったわ! うちに必要なのは優秀な弁護士!記者や聖人は要らないっ!よく考えなさい!」そんな中、すっかり夫婦仲が戻った秦文宇(チンウェンユー)と任梅梅(レンメイメイ)に思いがけない変化が起こる。ついに梅梅が妊娠したのだ。文宇は妻に代わって自分が会社を守ると奮起、早速、経理部から帳簿を取り寄せ仕事を始める。すると思いがけず帳簿の不備を発見し、梅梅に報告した。「ここだ…こんなに安いはずがない」李黛は姚遥に秦施が陽華の妻だと明かし、陽華に協力を頼んだと説明した。「世間って狭いわね」「それより案件の話をしてもいいかな?」陽華はこのまま起訴を進めても勝算はないと断言した。それより尹志強のセクハラの証拠をつかんでホテルから追い出し、社長を代えれば姚遥が止める必要もないという。しかし姚遥は消極的だった。この数年、姚遥にも戦友がいたが、1人また1人と諦め、結局、自分だけになったという。「私も疲れたわ、今の願いはサニーのそばにいること…もう戦う気力がなくなってしまった」陶俊輝が屋上で待ち伏せしていると、予想通り秦施が現れた。「なぜ返信しない?」しかし秦施はふてくされて黙っている。「ここを辞めようと思ったことは?…君には合わない」「その気があればとっくに辞めているわ、でもここで辞めたら今までの努力が水の泡よ 辞めるとしても今じゃない」すると陶俊輝は唐伊慧が天航の起訴を秦施に振ったことに責任を感じ、自分に任せて降りるよう勧めた。つづく( ゚ェ゚)いや全然、似てないだろう、シューカイと子供w
2024.01.04
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第29話)最終話「輝く星河の下」程少商(チォンシャオシャン)は梁邱起(リャンチゥチー)たちと郭(カク)村に入った。郭村は天下の食糧庫、1年の生産でいくつもの都城を養うことができる。少商は貯蔵された油を回収して水源を探すよう命じたが、ふと王延姫(ワンイエンジー)の言葉が頭をよぎった。…皇太子が訪ねる郭村の道中に油を撒いたわ…少商は火が起これば高所から吹いてくる風に煽られ、村だけに留まらないと気づく。「田朔(ティエンシュオ)は峪(ヨク)州の食糧を焼き尽くし、民を飢えさせて国の根幹を崩すつもりね」その時、突然、村に火矢が飛んできた。一方、霍不疑(フォブーイー)は梁邱飛(リャンチゥフェイ)たちと皇太子を援護し、田朔を追いつめていた。しかし山の向こうから黒い煙が上がるのが見える。「霍不疑、私の術中にハマったな? 郭村には勇者200人がいる、油で広大な田畑を焼けば天下の民は死ぬしかない、ふふ 確か皇帝は仁義に篤いのであろう? 息子を救って民を見捨てたとなれば、衆口にどう向き合うのか見ものだな!」田朔は勝ち誇ったように笑ったが、不疑は郭村なら少商が守ると自信を見せた。驚いた皇太子は再び少商を失えば一生、後悔すると訴えたが、不疑は退こうとしない。「霍不疑…国や民を思う忠良を気取りながら、結局、権貴を選ぶのか?! 文(ウェン)賊に取り入り、無能な太子は救うが自分の女は見殺しか?!この偽善者め!」「少商と約束した、天下を第一に夫婦で肩を並べ戦うと… 少商は知恵と勇気で必ず郭村を守り抜く、私はそう信じている」不疑は田朔に襲いかかり、胸を突き刺した。「グッ…お前の手で死ねたら忠義の名に恥じぬ」「殺せと挑発を?…戻帝が臨終の際、名のある官員や宮人は全て殉死したな お前が生き延びたのは無名の虫ケラに過ぎぬからでは?」「黙れ!忠臣が虫ケラなわけがない!敵討ちのために私を生かしたのだ!」田朔は不疑を出し抜いたつもりだったが、逆に足下を見られ激しく動揺してしまう。「敵討ちを託したか…それとも名を覚えていないだけか?」結局、不疑は止めを刺さず、田朔から剣を引き抜いた。「郭村へ!」その頃、焼き討ちをかけられた郭村では少商や梁邱起たちが身を挺して民を守っていた。じりじりと迫る残党たち、しかし間一髪のところで知らせを受けた程家が駆けつける。「嫋嫋(ニャオニャオ)に指一本、触れるな!」少商が父の声に気づいて振り返ると、激しい煙の合間から両親や兄夫婦たちの姿が見えた。「嫋嫋!阿母が来たわ!」こうして程家は一丸となり郭村の民と田畑を守り抜く。霍不疑は必死に郭村まで馬を駆けたが、到着した時にはすでに戦いが終わっていた。「郭村は無事よ、私たちは勝った…」「勝ったんだな」再会を果たした2人は固く抱き合い、ようやく夫婦一心となった。深傷を負った袁慎(ユエンシェン)は軍営で静養していた。すると幕舎に不疑が現れ、いつまで寝ているのかとしつこく聞いてくる。「私はお前の家の居候か?口うるさいぞ?」「妻を心配させるからだ」袁慎は大事ないと安心させたが、最後に伝えたいことがあった。「私と少商は似ていると思って来たが、間違いだった 両親の影響で私は深い情愛を嫌悪していた 幼心にも誠実すぎる情愛は刃や劇毒も同じだと感じたのだ 前途ある己の足を引っ張り、志を奪ってしまうと… だが少商は違った、だからお前たちは情愛が深いのだな」「…お前が気に食わなかった、だがこの5年、少商が最も辛い時に見守ってくれた だが安心してくれ、もう彼女を辛い目には遭わせない」「どうだかな、さもなくば…」「その心配はない」袁慎は即答する不疑に失笑し、これで少商への想いにけじめをつけた。子晟(ズーション)と少商の復縁は皇帝の耳にも届いた。その夜、皇帝は越(ユエ)皇后と夜空を見上げながら、これも宣神諳(シュエンシェンアン)が静かに2人を見守ってくれたおかげだと感慨深い。一方、軍営でも少商と不疑が満天の星空を見上げていた。「故人は本当に星になるの?」「昔、私もこうして星河を見上げたものだ、父母や兄妹が星に姿を変えて私を見ていないかと… それで分かったんだ、彼らに語りかけていると、声が届いた時には星が瞬く」「…皇后?私です、少商です、聞こえますか?」すると驚いたことにある星が瞬いた。「皇后だ…阿父、阿母、彼女が一生を共にする相手です、見えますか?」不疑が家族に少商を紹介すると、いくつもの星が一斉に輝いた。「皇后は私たちの復縁を望んでいたわ、だからきっと喜んでいるはずよ」不疑は少商の手を取り、愛おしそうに見つめた。すると少商は不疑の手首にある″少商の弦″に目を留め、これを見るたびに胸が熱くなるのを感じたと明かす。「子晟、あなたは情が深く感情豊かで純粋な心を持っている、この天下で一番の郎君だわ あなたとの出会いはこの上ない幸せよ」「少商、君は最も純粋で善良だ、確固たる意志を持ち、この天下で誰より勝る女子だ 君に出会えて私もこの上なく幸せだ」2人は互いの真心を捧げ合い、唇を重ねた。しかしちょうど幕舎から出て来た程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)に見られてしまう。程始は父として何とも複雑な気持ちだったが、愛妻に諌められて目をつぶるしかなかった。「えっへん…霍不疑よ、娘を託したぞ だがうちの嫋嫋に不義理をしたら程家が一丸となって殴り込む」「…ぜひ」その時、程頌(チォンソン)と万萋萋(ワンチーチー)、程少宮(チォンシャオゴン)、程姎(チォンヤン)、青蓯(チンツォン)も天幕から出て来た。曲陵(キョクリョウ)侯府では老夫人が夜空に手を合わせ、天の加護に感謝していた。少宮の手紙によれば大郎と嫁が再び功績をあげ、頌児夫妻まで手柄を立てたという。しかも霍将軍と四娘子はそのまま驊(カ)県で成婚するとあった。「婚約ではない、成婚よ?これで聘礼(ヘイレイ)の品も逃げないわね、ぶははははは~! 孫娘の成婚を阻む度胸のある者はいるかしら?!」実は2人の成婚を阻む者が宮中にいた。「驊県で成婚だと?!だが朕がその場におらぬぞ?!無効だ!絶対に許さぬ! 今すぐ2人を呼び戻せ!都で再度、婚礼をやり直す! あんまりではないか!この日のために長年、苦心して来たのは朕だ!」すると越皇后は呆れ果て、寝殿に戻ってしまう。そんな皇帝の嘆きなど知る由もなく、程家は揃って星河を見上げながら幸せに包まれた。完( ˙꒳˙ )終わった…ここはやはり不疑と少商の復縁てめでたしめでたし~♪と納得すべきでしょうかしかし管理人はそんな多数派の歓喜とは裏腹に…( ˙꒳˙ )え?こんな感じ?管理人的最終話は54となりました追憶のような最後を期待していたので、この安易なまとめ方にちょっと肩透かし途中でまさかの必殺早送りが出そうになりましたが、ここでウマーで駆けるウーレイ登場!ウーレイがコーナー攻める!攻める!wwwなるほど、全てはこの瞬間のためにあったのね! ←いや違うwもう内容はどうでもいい! ←え?wだってウーレイがカッコいいんだもの♡( ˶´꒳`˵ )
2024.01.03
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第28話)第55話「肩を並べる時」楼縭(ローリー)は程少商(チォンシャオシャン)に協力を頼み、産気づいた何昭君(ハージャオジュン)を連れてなぜか廟に案内した。違和感を感じて殿内を見回す少商、するとふと安置された神像に目が留まる。その時、楼縭が隠し持っていた短剣を取り出し、突然、少商に襲いかかった。「程少商!あなたが従兄を自害に追い込み楼家は没落した、命をもらう!」少商は間一髪で楼縭の腕をつかみ助かったが、そのまま揉み合いとなった。「何昭君!神像を調べて!隠し扉があるかも!」少商の予想通り何昭君が神像を動かすと後ろの壁が開いた。少商は楼縭の足を思い切り踏みつけ、楼縭が怯んだ隙に何昭君と一緒に密室へ逃げ込んだ。すると思いがけず鉄鎖で拘束された傷だらけの袁慎(ユエンシェン)を発見する。度田令の推進中だった袁慎は油の買い占めに気づき、巡察中の皇太子が通過する郭(カク)村に貯蔵されていると突き止めた。そこで急いで知らせに向かうはずが、途中で戻(レイ)帝の残党に捕まってしまったという。少商はともかく袁慎を解放するため鍵を解錠することにしたが、袁慎は無駄だと止めた。「最も難解な連環鎖(レンカンサ)だ、解けやしない、早く逃げろ、私のために命を捨てるな」「この天下に私の解けない仕掛けはない、だから黙っていて」ちょうどその頃、外套を目深にかぶった女が廟に入って来た。楼縭は復讐を果たせなかったが、女は少商を誘い込めただけで上出来だと労う。「でも全てやり遂げてくれたのならもう用なしね…」女はいきなり楼縭の腹を刺した。「霍不疑(フォブーイー)と程少商以上に楼大房が憎い…あの世で父や母と再会するが良いわ」「阿父と阿母を殺したのは…あなた…」楼縭はようやく両親の敵に気づいたが、そこで事切れた。霍不疑一行は急遽、驊(カ)県に入った。一見、穏やかに見える城内、すると民に成りすましていた残党がいきなり襲いかかり、不疑を配下から引き離して孤立させてしまう。その頃、少商は解錠に成功し、何昭君と袁慎を連れて密室から脱出しようとしていた。しかし突然、床が開いて地下室へ落下してしまう。袁慎は自分に構わず逃げろと言ったが、天井が閉まる寸前に誰かが飛び降りて来た。「少商?!無事か?!」「なぜあなたがここに?」不疑は巡察中に異常を察知、驊県に駆けつけたところ戻帝の残党に県庭へ追い込まれたという。「ここに私を誘い込んだのは私の一番、大切な者が罠にかかったからだ」「罠だと知りながら飛び込むなんて…救援を求めてから敵を討てばいいのに!」「失ってからでは敵討ちに意味はない…生きていることが重要なんだ」その時、楼縭を殺した女が現れた。「餌には釣られないと思ったのに…ふっ、情愛にどっぷり浸かると英雄も愚鈍になるのね」少商は女の声で行方知れずとなった王延姫(ワンイエンジー)だと分かった。王延姫は面紗を外して正体を明かした。「今日、お前たちには私が作った墓場で死んでもらう 川で救われたあの瞬間から敵討ちを誓った、やっと果たせる…」地下室には楼犇(ロウベン)の位牌が安置され、床には藁が敷き詰められていた。どうやら王延姫は不疑だけでなく少商たちまで道連れにして死ぬつもりらしい。「少商、楼家で良くしてあげたのに、どうして夫を追い詰めたの? 袁慎、お前は知り過ぎたわ、計画を阻止する者は殺すしかない」少商は自分たちを逆恨みする気持ちは分かったが、身重の何昭君は無関係だと憤る。しかし王延姫は楼垚(ロウヤオ)を自由にするためだと言った。「楼垚は彼女を愛していない、無理やり娶らされたの、夫は死ぬ間際まで弟を案じていたわ 義姉として助けてやらなくては…子なら別の女が産む」その頃、楼垚は楼縭に騙されたとも知らず、従者と清(セイ)県にいた。産婆は夫の実家へ戻ったと聞いて訪ねてみたが見当たらず、従者は楼縭の勘違いではないかという。仕方なく楼垚は激しい雨の中、片っ端から医師をあたり、ようやく対応してくれた医師をなかば強引に連れ出した。夫の後を追って入水した王延姫を救ったのは田朔(ティエンシュオ)だった。復讐のため賊に寝返った王延姫、すでに皇太子が訪ねる郭村の道中にも油を撒いたという。「妻より野心を選んだ男だ、そんな者のために命を懸ける価値があるのか?」「あなたこそ少商より痛快に報復することを選んだくせに」「凌益(リンイー)を殺した後、少商を一目見て後悔した、夫婦は同心で肩を並べるべきだと… この5年、後悔しない日はない、復讐が難しくとも成婚すべきだった 共に明るい道を歩むべきだった」不疑の言葉を聞いた王延姫は夫もこうして悔い改めてくれたらと思うとやるせなくなった。「あなた…どうして私だけ置いていったの?」すると少商が楼犇も後悔していたと明かした。楼犇は少商に地形図を贈る際、窮地の時は心を縛られず天地を見いだせるようにと戒めたという。「その言葉をあなたに送るわ」しかしもはや夫の言葉も心に響かず、王延姫はついに火を放ってしまう。王延姫は積み上げておいた油を次々に倒し、地下室はあっという間に激しい炎に包まれた。すると王延姫は自ら煙に巻かれて倒れてしまう。その時、黒甲衛が駆けつけ、天井をこじ開けた。「若主公!」梁邱起(リャンチゥチー)は縄梯子を下ろし、身重の何昭君と負傷した袁慎を次々と引っ張り上げる。そして2人に続いて少商も無事に脱出、登ってくる不疑に手を伸ばしたが、突然、不疑の足に王延姫がしがみついて邪魔した。「…連れて行け、彼女を連れて行くんだ!」少商を守るため苦渋の決断を下した不疑。梁邱起は涙をのんで少商を床から引き離すと、ついに黒甲衛も力尽き、床は再び固く閉ざされてしまう。「子晟!子晟nnnnnnnnnnnnnnnn!」梁邱飛は少商を密室から逃がし、仲間たちも一斉に避難した。その時、地下室が爆発、少商たちは吹き飛ばされながらも九死に一生を得る。しかし不疑は…。少商は絶望の中、頑なだった自分を責めた。「子晟、後悔しているのでしょう?私の手を離さないと言ったのに! 私を散々つらい目に遭わせたから、この先はずっと私に尽くすのでしょう? 分かった、もう許すわ、だから返事をして、お願いよ!」不疑を失った悲しみに耐えられず絶叫しながら泣き崩れる少商、しかし、うなだれていた梁邱飛(リャンチゥフェイ)が物音に気づいて門を見た。「若主公…」霍不疑は生きていた。不疑は王延姫が中へ入れたのなら出られると判断、激しい煙の中で抜け道を探し当て、はい出したという。「少商…私を許してくれるのか?撤回しないでくれ」少商と不疑は硬く抱き合い、5年間のわだかまりが溶けて行くのが分かった。その時、ようやく清県から戻った楼垚が飛び込んで来る。「昭君!私と連れ添うと約束しただろう?共に子を育てると…約束を破ってはダメだ?!」崩れた密室の前で呆然となる楼垚、しかし何昭君は無事だった。「…楼垚?私ならここよ」「(はっ!)良かった!」楼垚は妻の手を握りしめ涙を流し、何昭君も楼垚の心に自分がいると分かって安堵した。田朔の陰謀を阻止するため、霍不疑と少商は共に立ち上がった。しかし不疑は道中の皇太子の元へ、少商は郭村で民を守ることになる。「少商、危険な任務になるぞ?」「大勢の民や天下に比べたら私たちの愛憎なんて微々たるものよ」「少商、君は唯一、私と肩を並べる者だ」こうして2人は県庭の前で別れた。郭村を目指してた皇太子一行の前に田朔が立ちふさがった。「三皇子、息災のようだな?」皇太子は今度こそ田朔を捕えようと意気込んだが、その時、伏兵が現れ、包囲されてしまう。劣勢を強いられた皇太子は自ら剣を抜き応戦するも負傷、満身創痍で田朔と対峙した。「国の後継者として死ぬのは戦場のみ…決して退かぬ!」「では主公に代わり正義の鉄槌を下す!」しかし危機一髪のところで霍不疑が駆けつけ、皇太子を守った。「霍不疑?!生きていたのか!王延姫の役立たずめが!」田朔は計画が失敗したと気づいて悪態をついたが…。つづく( ̄▽ ̄;)ちょっと田朔の声www最終話が不安になって来たw
2024.01.03
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※この日記は予約投稿ですクリスマス休暇につき12月24日から1月2日まであらすじはお休みさせて頂きますなお【マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~】【星漢燦爛】は年内で最終話を迎えますが、あらすじは来年アップの予定ですご了承ください本年もお世話になりました来年もどうぞよろしくお願い致します管理人 (^ꇴ^)v
2023.12.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第27話)第54話「母娘の雪解け」宣(シュエン)皇后は程少商(チォンシャオシャン)と霍不疑(フォブーイー)の縁が再び結ばれることを祈って旅立った。主を失った長秋(チョウシュウ)宮の夜。不疑は少商の飴糖(トウイ)作りを手伝いながら、彼女の言葉を待っていた。やがて少商は静かに自分の胸の内を明かす。「捨てられて恨んだわ、独断専行で死を選んでも共に歩もうとしなかった 私は本音で接したのにあなたは嘘ばかり…でも5年が経ち、苦労の末に吹っ切れた 今はどうしても心を預けられない、信頼できないの」「少商…すまない、君がどう決めようと尊重するよ 君が捨てられることを何より恐れていると知りながら、私は最も傷つける方法を選んでしまった これまでの20年間は恨みの中で生きて来たが、この先の余生は悔恨の中で生きる できることなら心を取り出し、君にあげたい…でも私にはその資格がない…」すると少商は居たたまれなくなり、黙って部屋を出て行った。少商は回廊から満天の星空を見上げた。すると霍不疑が現れ、隣に並ぶ。「以前、皇后に言ったの、郎君が陽光で万里を照らすなら、私たち女は明るい星、星河に輝く 日月と星河に高低は関係なく、互いが欠かせない、共存することでこの天地を成すと… 私もしっかり生きるわ、皇后の髪を埋めたら遊歴に出る、私も天地の広さを見たいから」「私も度田令の任務が終わったら北西に戻って国境を守る、世の星河を守るために… これからは自分を大切にする、お互いにしっかり生きよう」少商と不疑は笑顔で別れた。しかし互いに相手の姿が見えなくなると立ち止まり、こらえ切れず涙してしまう。。゚(∩ω∩`)゚。少商は曲陵(キョクリョウ)侯府に戻った。すると母が初めて少商の好物を手作りしたという。5年の月日が流れ、ようやく親子3人で過ごす穏やかな時間、しかし蕭元漪(シャオユエンイー)は急に点心を食べている娘の手を止めてしまう。「もういいわ、どうせ上手じゃないから」「嫋嫋(ニャオニャオ)は何も言っていないだろう?」程始(チォンシー)は相変わらず自分に厳しい妻に失笑した。「嫋嫋、阿母が悪かった…初めての女の子だったから… 兵の指導とどう違うかも分からなかった、息子を育てるのとはもっと違うし… 娘の成長はあまりに早過ぎた、どう改めていいのかも分からなかったの 私が間違っていた、もう一度やり直せるなら決してあなたを置き去りにしない 自分のそばに置くわ、家族で生死を共にするのよ」少商は母の涙にほだされ、長年のわだかまりがゆっくり解けて行くのを感じた。少商は母の手作りの点心を甘い物に目がない祖母に届けることにした。すると偶然にも過去を悔やむ祖母の話が聞こえてくる。当時は二房の葛(ゴー)氏にそそのかされ、老夫人は父と母を支配しようと躍起になっていた。その結果、幼い嫋嫋が最も被害を被ることになったという。「やり直せるなら嫋嫋によくしてあげたい、だって私の孫だもの… 私が死んだら蓄えた金銀財宝は全てあの子に残すわ もし一生、嫁がなくても暮らしていけるようにね、本当にあの子に申し訳ない…」少商は複雑な心境になり、結局、引き返した。少商は蓮房(リエンファン)と東屋に腰掛けた。思えば田舎の別宅に送られた時、蓮房の献身的な世話がなければ今頃、自分の墓が建っていたはずだ。「あなたは私が唯一、信頼できる人だった」「もう昔のことです」少商は祖母とも仲良くなりたかったが、どうにも近寄りがたかった。程家の危機では祖母も身を投げ打ち、徐々に家族になれたと思ったが、やはりまだどう向き合えば良いのか分からない。しかしこれからは誰が自分を憎み、嫌うのかではなく、自分を大切にしてくれる人のことを考えようと決めた。「それが生きる活力になる…人は良い事を考えないと… そうしないと余生をしかと生きられなくなってしまう」蓮房はすっかり大人になった女公子の言葉に大粒の涙をこぼした。。゚(∩ω∩`)゚。 少商は宣皇后の故郷に向かう前に参内、袁慎(ユエンシェン)に別れを告げた。実は善見(シャンジエン)も外地に赴任することになり、皇帝に挨拶したところだという。「2年前、父が義兄を救出するため部隊を離れ、味方が不利な状況に陥ってな 霍不疑は父を助けるため駆けつけ、死にかけたんだ しかし陛下の恩情で父は降格の上、膠東(コウトウ)に戻るだけで済んだよ」父は祖先に面目ないと身体を壊したが、これを機に母も夫を気遣うようになってすっかり夫婦仲が改善されたという。「2人は出発前、我らの縁談を案じていた」「…ごめんなさい、望みには応えられない」「残念だな~将来、私は三公に並び称される、三公夫人になり損ねたな?」袁慎はかつてのように茶化して笑ったが、初めから不疑に勝つ見込みがないと分かっていた。この5年、少商を見守り続けた袁慎、最後は少商の立ち去る姿を見送りながら未練を断ち切った。袁慎が城楼から都を眺めていると霍不疑がやって来た。「決めたのか?」「そうだ、父のためお前は死にかけた、これ以上、競っては恩知らずになる」実は不疑も度田令の推進のため、各地を巡察し、監督すると申し出たという。袁慎は不疑が程将軍の代わりに戾(レイ)帝の残党を掃討するつもりだと気づいた。しかし少商の父や兄を助けるのはまだ分かるが、なぜ恋敵の自分の父を命懸けで救ってくれたのだろうか。すると不疑は少商が袁慎を案じているからだと明かした。「お前が達者でなければ少商は安心できない、楼垚(ロウヤオ)を推挙したのも同じ 彼女は口とは裏腹に情に篤いからな…関心を持つ者が達者なら彼女は安心できる 私がお前たちを守れば、彼女はようやく自分の道を模索できる」「お前は私より情が深く、愚かだ…彼女の愛に値する」袁慎は最後まで少商に寄り添える者がいるとしたら、不疑であって欲しいと願った。。゚(∩ω∩`)゚。不疑…サイコーか宣皇后の四十九日が過ぎ、少商は双子の兄・程少宮(チォンシャオゴン)と一緒に宣皇后の故郷へ向かった。やがて驊(カ)県から十数里の山道を進んでいたが、その時、待ち伏せしていた馬車が一行を足止めする。馬車に乗っていたのは都を追われた楼太傅の娘・楼縭(ロウリー)だった。楼縭は楼垚が少商に今の驊県を見てもらいたいと願い、招待したいという。「ありがとう、でも宣皇后の郷里に向かっているのでごめんなさい」しかし少宮はここで待っているので行ってこいと背中を押した。楼垚と何昭君(ハージャオジュン)は少商の来訪に驚いていた。どうやら自分は招待されたわけではなく、楼縭が勝手に連れて来たらしい。しかし夫婦は両親を相次いで亡くした楼縭を気遣っていた。すると空席がひとつある。何かおかしいと警戒する少商、その時、身重の何昭君が急に苦しみ出した。「お腹が痛い…産まれそう」予定日はまだ先のはずだったが、楼垚はともかく産婆に連絡するため慌てて出ていってしまう。一方、巡察に出発した霍不疑一行は道中の山林で襲撃に遭った。黒甲衛(コクコウエイ)は賊を一掃、すると付近の溝で数十人の死体が見つかる。「驊県の侍衛の鎧を着ていました、他には…袁家の部曲の身なりに酷似を…」驚いた不疑は行き先を驊県に変更した。楼縭は少商に手伝いを頼み、何昭君を連れてなぜか廟に入った。「県衙(ケンガ)に廟を立てるなんて、誰かが修行でもしているの?」少商は困惑したが、その時、突然、楼縭が隠し持っていた短剣を抜き、襲いかかって来る。「少商!」つづく( ;∀;)イイハナシダ〜って、え?これが最終回かってくらい良かったのに今さらローリーって…ないわ___w
2023.12.23
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第26話)第53話「長秋からの旅立ち」霍不疑(フォブーイー)に嫁ぎたいと願うも手酷く追い返された駱済通(ルオジートン)。これも全て程少商(チォンシャオシャン)のせいだと逆恨みし、長秋(チョウシュウ)宮に少商を訪ねた。少商は殊勝にも先のぶしつけな態度を謝罪する駱済通を追い返せなかったが、どちらにしても助けることはできない。「彼とはもう関わりたくないし、とりなす気もない、成婚を勧めることもね…あなたの問題よ」「今日はあなたに伝えに来ただけ、北西に戻って余生を過ごすわ、これで永遠にお別れよ 明日にも出発する、ただやり残したことがあるの…」宣神諳(シュエンシェンアン)の心疾(シンツウ)は悪化の一途をたどり、今朝は身体を起こすこともできなくなった。そんな宣神諳の元に帰京した霍不疑が見舞いにやって来る。「子晟(ズーション)なの?」「私です」不疑は宣皇后が力無く伸ばした手を取り、頬に当てた。「少商ならまだ婚約していない…少商の心の中にはまだあなたがいるわ」「知っています、私の過ちです、一生かけて贖罪すると決めました」その時、宣皇后が重い身体をどうにか起こした。「少商は幼き頃、最も愛が必要な時に家族がそばにいなかった 愛しているなら少商の心に欠けたものを補ってあげて… あなたの決断を理解させるのではなく、相談し合って初めて肩を並べて進めるのよ?」「はい、今後、少商には全てを明かし、語り尽くします、隠し事はしません」「だけどもう私には時間がない、2人の成婚を見届けられないわ」「私は不肖者です…ご心配をかけて…」不疑は育ての親でもある宣皇后への不孝を思うと涙があふれ出した。すると宣神諳は子晟の涙を拭い、来世では子晟と少商を息子と娘にしたいという。「そして長生きして2人に養ってもらいながら笑顔で晩年を送るの これこそ満ち足りた人生というものよ」そこへ翟(ジャイ)媪(ウバ)が現れた。「霍将軍に急務だと…」宣神諳は最後に少商としっかり話すよう念を押し、必ず許してくれると励ました。不疑が寝殿を出ると翟媪が待っていた。梁邱起(リャンチゥチー)から知らせがあり、少商が都を離れる駱済通の馬車に同乗して郊外に向かったという。実は駱済通は宣皇后の心疾を治せる神医に心当たりがあると嘘をつき、少商を連れ出していた。少商はなかなか到着しないことを訝しんでいたが、やがて駱済通が本性を現す。「…幼き頃より彼を慕うも身分の差で明かす勇気はなかった その後、互いに婚約して望みは絶えた、でも天は私を哀れみ北西で再会させてくれたの あなたに分かる?愛する人がいながら別の人を世話する気持ちが…」駱済通は不疑への思いの丈をぶちまけると、少商に隠し持っていた短剣を突きつけた。「彼は女に目もくれないのにあなただけは別、なぜ霍不疑の目にはあなたしか映らないの?! 彼のためなら何だってやる、夫だって殺したのよ?でも彼は私を愛してくれない でもあなたを殺せば彼は私を忘れられなくなる、恨まれても本望よ」御者は崖に向かって馬を走らせた。しかし背後から凌不疑の馬が追いつき、驚いた御者は飛び降りてしまう。その時、短剣を振り上げる駱済通の姿が窓から見えた。不疑は無我夢中で手を伸ばし、素手で短剣をつかんで取り上げる。その間も馬の暴走は止まらなかった。不疑は何とか馬車に飛び移ったものの間に合わず、咄嗟に車から少商を抱きかかえ脱出、駱済通は馬車と共に谷底へ転落してしまう。( ;∀;)ァァァ~ウマーの扱いィィィィィ~不疑は少商の手をつかみ、かろうじて岩肌にしがみついた。しかし少商は不疑の手から流れる鮮血で真っ赤になった自分の手に気づき、覚悟を決める。「手を放して、あなた独りなら登ることができる」少商は自ら手を放したが、不疑は少商の手を握りしめて決して放さなかった。「独りで生きるつもりはない、君に許してもらえるとも思っていない だが歯形の誓いから君は私の妻になった、君が生きれば私も生きる、君が死ぬなら私も死ぬ!」その時、2人を探していた黒甲衛(コクコウエイ)が到着、不疑と少商は無事に引き上げられた。少商は不疑の手の傷を心配してくれた。不疑は包帯を巻けば支障はないと安心させ、皇宮まで送りたいと申し出る。しかし少商は必要ないと断った。落胆しながら馬の元へ歩き出した不疑、その時、宮中から早馬が駆けつける。「霍将軍!程娘子!すぐ皇宮へ!宣皇后が危篤です!」少商と不疑が長秋宮に戻る頃には激しい雨となった。2人はびしょ濡れのまま寝殿に駆けつけ、一番後ろで静かにひざまずく。文(ウェン)帝は枕元で付き添いながら、自分が宣神諳の一生を台無しにしたと涙した。しかし宣神諳は皇帝と出会えて幸せだったという。「分かっています…阿姮(ホン)妹妹が流した涙が私より多いことを… これからは彼女と手を取り合い暮らして欲しい…私という存在がなかった頃のように… 陛下、阿姮と話をさせてください」越姮(ユエホン)は宣氏一族のことなら心配ないと安心させた。しかし宣神諳が話したいのは自分たちのことだという。「我が子は19歳の時に襲われたけれど、あなたを疑ったことはないわ」「分かっています…あの年、私の息子も4ヶ月で夭折しました でも疑ったことはありませんでした」「分かってる、決して私を疑わないから外の流言も恐れることなく子供たちを受け入れてくれた」「…私たちは姉妹同然でした」「普通の家の姉妹だったらどれだけ良かったか…」すると宣神諳は子供たちを呼ぶよう頼んだ。皇帝は宣神諳を抱き起こして子供たちの顔を見せた。すると宣神諳は最後の望みとして父が隠居した山で眠りたいという。「この身体は皇陵に葬るしかない…だからお願いです 私の髪を一束ほど切って少商に燃やさせてください、その灰を埋めて欲しい」「分かった、全て望みのままにしよう」そして東海(トウカイ)王には闊達に生きるよう諭し、翟媪の面倒を頼んだ。嫁いだ五公主にはしっかり生きて欲しいと願い、美しい歳月を大切にして欲しいという。「子晟…」不疑は宣皇后に負い目があった。しかし宣神諳は子晟も苦汁をなめて生きて来たと理解を示す。「私が逝った後は過去のことは水に流すといいわ…あなたも自分を許してあげて… 少商、ここへ…」少商は寝台へ近づくと、宣皇后の手を握りしめた。「少商、あなたを巻き添えにし、5年も無駄にさせたわ…」「巻き添えなんて…少商が望んだのです、5年でも10年でも…」「バカな子ね…私のために多くを犠牲にしてしまった だから将来の日々は自分のために生きなさい…私のように無意味な余生を送らないで欲しい 母としてはあなたたち2人の縁がそのまま続いて欲しい… ただ情理を知る目上の者としては婚姻が強引に求められないことも分かる だから万事、心に従えとしか忠告はできない…今を大切にして悔いなきように…」すると宣神諳は苦しくなったのか大きく息を吸い込んだ。「陛下…来世では太平な盛世に生まれ、放浪の苦を免れますように… 来世では両親が健康で長生きして憂患の苦を免れますように…ハァ… あなた…あなたに嫁げて幸せでした… でもどうか来世では…あなたと会うこともないように…」宣神諳は夫婦の情を得られぬまま不遇の人生を終えた。悲しみに包まれる長秋宮、その頃、心の支えを失った少商は呆然と宮中を歩いていた。やがて憔悴した少商は激しい雨の中で倒れてしまう。不疑は意識を失った少商を曲陵(キョクリョウ)侯府へ送り届けた。突然のことに困惑する程始(チォンシー)と蕭元漪(シャオユエンイー)、聞けば宣皇后が逝去したという。「…私は送って来ただけ、すぐ失礼します」「霍不疑、待たんか!」程始は娘を簡単に捨てた霍将軍への怒りが爆発、5年前に娘は死にかけたと明かした。今でも裏庭の離れには作りかけの棺が残っているという。不疑は思わずその場にひざまずき、少商を傷つけたことを謝罪した。「ゆえに2度と邪魔はしません…」しかしどんなに謝られても失った5年間は戻ってこない。蕭元漪は長秋宮にこもっていた嫋嫋を思うと胸が痛んだ。「私が重病を患った時も、阿兄が妻を娶る時も、堂姉が嫁ぐ時にさえあの子は帰らなかった 嫋嫋の選択はあなたのためよ、霍不疑!」不疑は床に頭を打ちつけるように叩頭した。「私の過ちです、少商の一途な情を裏切り、程家の信頼を裏切った 少商と程家には負い目があります、その償いは一生かけても終わらない 北西で戦死できればと思っていたが死ぬ勇気もなく、彼女の恨みも消せず… 私には死ぬ資格さえない」しかし蕭元漪も決して霍将軍に自責の念を植え付けたいわけではないという。そもそも自分たちにも娘が幼い頃に構ってやれなかった苦い経験があった。「今後は嫋嫋の望み通りにさせるわ あなたと娘は互いに情があっても天に翻弄されてしまった 今後も縁が続くかどうかはいずれ答えが出る」つづく( ;∀;)宣皇后…泣けたわ〜
2023.12.22
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第36話「プロポーズ」家庭部の補佐からを再起を図ることになった秦施(チンシー)。一方、陽華(ヤンホワ)は胡平(ウーピン)の自宅に招待されていた。…陽華の旧友・老周(ラオジョウ)の息子は胡平の会社に再就職していた陽華は胡平のメルアドを聞き出してもらい、新エネルギーシティに関する自分の分析結果をメールしてみるすると興味を持った胡平は陽華に連絡、真の目的は何か聞いた『誠(チョン)&慧(フイ)への投資はご再考を…』…胡平は陽華のメールが届く前、すでに可立信(コーリーシン)に新エネルギーシティの調査を頼んでいた。陽華と可立信はほぼ同じような分析だったが、出した結論が全く異なったという。すると胡平は離婚協議の件で秦施を巻き込んだことを謝罪した。「君の奥さんだとは知らなかった…誤解を招くことになったのでは?」「妻は仕事への責任感が強い、謝罪の必要はありません」陽華はそれより可立信が高評価を出していながら、なぜ自分と会う気になったのか聞いた。「最後の決断を下したのは今日だ、決め手となったのは君の報告書にある言葉だよ」…掌中の一羽の鳥は林の千羽に勝る…これは陽華の師である邱建祥(チウジエンシャン)の言葉だった。投資はあらゆる物事と同じ、秘訣は引き際を見極めることだという。胡平は陽華を見送るため門まで出た。「先ほどの提案をもう一度、考えてくれ、返事は急がないよ」胡平はプロジェクトから手を引いたが、その裏で天航(ティエンハン)と南洲(ナンジョウ)の合併は成功した。秦施は降格となっても腐らず、その日も残業していた。すると呉菲(ウーフェイ)に取り入って出世した周茜茜(ジョウチェンチェン)が申し訳なさそうにやって来る。「知ってるわ、呉菲に情報を流していたでしょう?謝りに来たの?それとも報復が怖いの?」しかし茜茜は黙って立っていた。「利害を秤にかけたのよね?…近道を使ってもそれで得た成功はもろいの お説教するつもりはないわ、でも人として守るべきものは守ってね」その頃、天航担当チームは尹(イン)社長と合併成功の祝杯をあげていた。陶俊輝(タオジュンフイ)たちは若い女性従業員に接待させる尹社長に困惑気味だったが、秦施が懸念した通りやはり姚遥(ヤオヤオ)がホテル側を訴えたと知る。一方、姚遥を心配する秦施は李黛(リーダイ)を差し向けていた。陶俊輝は呉菲との諍いや秦施への未練で珍しく泥酔した。「大丈夫ですか?」補佐の海涛(ハイタオ)は陶律師を心配して介抱したが、宴席に戻る途中、尹社長が女性従業員を別室に連れ込む様子を目撃する。驚いた海涛は部屋に乗り込もうとしたが、陶俊輝がなぜか止めた。秦施の思惑通り李黛は姚遥の代理人になった。📱<今回は引き受けるけど勝てる保証はないわよ姚遥の自宅を出た李黛はすぐ秦施に連絡したが、実は姚遥には息子がいた。今は父親とオーストラリアにいるが、もうすぐ帰国する予定だという。部屋に飾ってあった写真を見ると母親とはあまり似ていなかった。『父親似なの…5歳です』ピンと来た李黛は秦施に姚遥に関わらないよう警告した。しかし秦施は一方的に電話を切ってしまう。秦施が地下駐車場へ到着すると、エレベーターホールで酔い潰れている陶俊輝を見つけた。どうやら車を取りに戻ったらしいが、探しても車は見当たらない。秦施はひとまず陶俊輝を自分の車に乗せて走り出した。しかし呉菲に連絡しても無視され、自宅の場所を聞いてもかつて2人で住んでいた秦施のマンションの住所しか言わない。そこで仕方なく秦施は陽華に助けを求めた。「陽華?手を貸してくれる?」秦施は陶俊輝を外で休ませ、陽華が来るのを待った。すると陶俊輝は秦施を抱きしめ、これまで秘めていた想いをぶちまけてしまう。「あの時、君の手を離したことを今も後悔している…秦施、もう一度チャンスをくれ 結婚してくれ!忘れられると思ったが無理だった、王傑森(ワンジエセン)の件で分かったんだ 憎めば憎むほど君への想いが募る!」驚いた秦施は陶俊輝を突き飛ばし、近寄るなと警告した。「私は結婚しているのよ?忘れたの?!」「偽装だろう?そっちこそ忘れたのか?…なぜ離婚しない?奴を好きになったのか?」その様子を陽華が見ていた。陽華は秦施の答えを待ったが、結局、秦施は口ごもってしまう。それが秦施の答えだと気づいた陽華は深く失望し、やっと歩き出した。陽華は陶俊輝にからまれている秦施を助けて先に車に乗せた。「飲み過ぎだ、明日、酔いが覚めてから話した方がいい」陽華は陶俊輝をなだめて車を出したが、一言も口をきかなかった。「さっきは…」「家に帰ってから話そう」マンションに到着すると、陽華はなぜ陶俊輝と結婚しないのか聞いた。秦施はすでに陽華と結婚していると答えたが、陽華が聞きたいのは結婚できない理由ではなく、結婚しない理由だという。「僕たちは偽装だ、いつでもやめられる…僕を愛している?」秦施はやはり即答できなかった。「結婚していなかったら彼を選んだ?」「姚遥と復縁するか聞いた時、あなたは何と答えた?仮定の話なんて意味がないのでしょう? 私はあなたと一緒にいる」すると陽華は見せるものがあると断って一旦、書斎へ入った。本当なら陽華は住宅ローンの契約書を見せて秦施にプロポーズするつもりだった。しかし結局、契約書ではなく入籍前に交わした結婚協議書を持って来る。「秦律師、正式に伝える、君は協議書に違反した、第1条の全てにね これは2人が自由に生きるための協議書だ 各自の生活だけでなく、恋愛や仕事を選ぶ権利も含んでいる この協議は選択から逃げる口実じゃない、弱さの隠れ蓑でもない 君の行動は協議書の理念に反している、だからこの関係を終わりにしたい …離婚しよう」秦施は耳を疑った。きっと陶俊輝のことで怒っているだけだろう。そう思ったが、陽華は明日にも手続きすると譲らなかった。「陶俊輝が酔って騒いだだけでしょう?私の気持ちなら分かっているはずよ?」「彼は関係ない、むしろ感謝している、彼のおかげで君の本心を知り、決断できたんだ 君にとってこの結婚は何?現実から逃げる手段?人生と向き合わない口実? 君の城壁になりたかった…仕事で疲れた君の港になりたかった、君を支えたかったんだ でも隠れ蓑は嫌だ、人生を直視することから逃げないで欲しい 嘘の中で生きる君を見たくない…明日、手続きしよう」翌日、朝一番で秦施と陽華は離婚した。「できるだけ早く荷物を運び出すよ」「好きにして」秦施は結婚や愛への不信感が拭えず、どうしても陽華へ素直な気持ちを明かせなかった。なぜ愛していると言えなかったのか。どうして一緒にいたいとすがりつかなかったのか。しかし後悔してももう遅い。すると秦施は自分に苛立ちながら、離婚証をグローブボックスに投げ入れた。秦施は久しぶりに兄嫁であり親友の任梅梅(レンメイメイ)とエステに出かけた。「私みたいな人間は人を愛せないのかも…親密な関係を長く維持する能力がないのよ もしそれが陽華の願いなら、確かに私には叶える自信がない だから思うの、一緒にいる楽しみだけを味わって、彼の願いを蔑ろにはできないって…」「聞けば聞くほど意味不明よ~彼が好きなの?」「愛してるわ」「それで十分よ~愛に正解なんてないの、必要なのはその気持ちよ 会いたいなら会う、一緒にいたいなら手を引っ張るの! 結果が分からないから諦めるなんて、後悔するだけよ」結局、秦施は梅梅にも偽装結婚だったことを明かした。事情は分かったが、全く理解できないという梅梅、そもそも今さら離婚する必要があったのだろうか。秦施は陽華との愛が本物だとしても、結婚は偽装だからだと説明した。「未来があるとしても嘘の上に築くわけにいかない 嘘を終わらせて新しい人生を始めるべきなのよ」「嘘が本当になったのならそれでいいじゃない?なぜ形式に捕らわれるの?」「もう別れたの、離れて冷静に考えるのも悪くないわ」「まだ何かありそうね?」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 うわ〜ん
2023.12.21
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第35話「パートナー契約書」金誠(ジンチョン)と唐伊慧(タンイーフイ)は秦施(チンシー)をパートナーへ昇格させると決め、契約書にサインするよう求めた。しかし罠だと気づいた陽華(ヤンホワ)が急いで書斎に駆けつけ、秦施にサインしないよう訴える。「サインしたら君は詐欺犯になってしまう!彼らは全部、知っているんだ!」実は秦施もすでに自分の嘘がバレたと気づいていた。「弁解はしません…でもこの事務所には独身女性に対する雇用差別があった どうか皆に平等な機会を与えてください、そうすれば私のような嘘つきは現れないでしょう 信頼を裏切ったことを心から謝罪します」その頃、陶俊輝(タオジュンフイ)は呉菲(ウーフェイ)を心配して自宅を訪ねていた。しかし呉菲は部屋に閉じこり、会いたくないと拒む。呉父はおそらく女問題が原因だと察し、陶俊輝をバルコニーへ連れ出した。「女は愛があれば一生、幸せでいられる、だが男の幸せは愛だけではだめだ、仕事が必要だ 賢者なら損得を見極めて正しい選択をすべきだ」「…肝に銘じます」「娘の君への愛は誰にも負けない、娘を裏切らないでくれ」秦施は家に帰るなりソファーに倒れ込んだ。「なぜバレたのかしら…ああ~もういい、これで終りよ」一方、唐伊慧も妹のように大事に育ててきた秦施の裏切りに憤慨していた。確かに事務所の内規は公平性に欠けていたと認めざるを得なかったが、女性を雇っても数年で結婚し妊娠、クビにすることもできず給料だけ払わされることになる。金誠は嘘を取り繕うため結婚までした秦施にむしろ感心したが、唐伊慧の怒りは収まらなかった。「もう忘れるんだ、許せないならクビにすればいい」「…クビ?冗談じゃないわ」秦施は酒を飲んで憂さ晴らししていた。「実はこの前、嘘をついていたことを兄に白状したの でも兄は私を叱らず慰めたわ、そんなに強がらず頑張らなくていいって… 幼い頃から母を見ていて、弱者はいじめられるから強くなろうと思った 努力して上位20%の人間になるんだって…でも自分の本心が分からなくなった」秦施はインターン時代、刑事部に配属されて大勢の犯罪者を見てきた。彼らは決まって出来心だったと言い訳したが、秦施はどうせ生まれつきの悪人だと思っていたという。「でも今日、気づいたの、私も彼らと同じよ、陽華、こんな私を軽蔑するでしょう?」すると陽華は秦施の肩を抱き寄せて慰めた。「人は失敗して初めて自分の弱さや強欲さに気づくんだ 僕が姚遥(ヤオヤオ)と別れたのは邱建祥(チウジエンシャン)が娘と僕を結婚させようとしたからだった」当時の陽華はエリートで順風満帆、母も客室乗務員の姚遥では釣り合わないと反対し、傷が浅いうちに別れるよう説得したという。あの時、陽華は姚遥に縁談を断ると言ったものの、迷いがなかったと言えば嘘だった。そんな陽華の心を見抜いたのか、姚遥は陽華がすっかり変わってしまったと失望し、去ってしまったという。結局、永利(ヨンリー)21で全てを失い、陽華はようやく才能や知性も欲の前では何の意味もないと気づいた。「でも君は違う、土壇場で自らを反省して正しい選択をした」するとすでに秦施は陽華の腕の中でぐっすり眠っていた。翌朝、秦施が目を覚ますとすでに陽華は出かけていた。枕元には酔い覚ましや念のため風邪薬も置いてある。秦施は身支度を整え戦闘体制、しかしいざとなると出勤できなかった。「一度転んだらしばらく立ち上がれない…ゥッ…でもいずれは向き合わなきゃ」秦施は折れた心を奮い立たせ、唐伊慧のオフィスを訪ねた。「どんな罰でも受け入れます…でもこれまでの努力と貢献に免じて合理的な範囲で…」「秦施、交渉の余地はないのよ?甘えてもムダ!」しかし唐伊慧は結局、秦施に最後のチャンスを与えた。秦施は10階の家庭部へ戻され、補佐弁護士としてやり直すことになった。天航(ティエンハン)の案件は陶俊輝が引き継ぐことになったという。📱<ぶははははは~!秦施!バチが当たったわね~!報告を聞いた李黛(リーダイ)は大笑い、自分なら恥ずかしくて今さら家庭部に戻れないという。すると姚遥から着信があり、秦施は話の途中で切った。姚遥は秦施が担当から外されたとも知らず、騙されたと激怒して電話を切った。陶俊輝から話を聞いたところ、天航と南洲(ナンジョウ)の交渉が大詰めを迎え、もはや姚遥の協力が必要なくなったという。尹(イン)社長は態度を一変、確執がある姚遥を教育係に異動させていた。「私たちまで信用を失ったのよ?」「俺たちはM&A担当だ、他は関係ない」「姚遥の性格だと間違いなく天航を訴える、うちが代理人になればまた敵対することに…」「姚遥より自分のことを考えろ、否定すればよかったのに、証拠はないんだぞ? 甘いんだよ、正直者がバカを見るんだ」一方、呉菲は事務所を休むつもりだったが、秦施の異動を知って慌てて家を出た。秦施は陶俊輝のせいでストレスが溜まった。しかし今は食べて発散するより陽華の言葉が何より効果がある。📱<天航のM&Aが失敗すると言ったら機嫌が直る?陽華は胡平(フーピン)も関わっている新エネルギーシティのプロジェクトが頓挫すると予想した。胡平が興味を示していたのは新型の発電所だが、初期投資でかなり損失が出るという。確かに長期的に見れば優良案件とも言えるが、プロジェクトでのエネルギーコスト増大が見込まれ、そうなれば損失も大幅に増えてしまう。📱<僕は胡平が手を引くと思うな~陽華は家を買うと決意、蔡亮(ツァイリャン)にローンの申請を頼んだ。「積立金で買うんじゃなかったのか?」「家を買って秦施にプロポーズしたいんだ」( ๑≧ꇴ≦)<そうか~って、あれ?結婚したんじゃ…一方、補佐に降格された秦施は初めからやり直せばいいだけだと自分に言い聞かせていた。さすがに補佐たちはかつての上司に仕事を頼めなかったが、秦施は仲間たちに差し入れしたり、間違いを教えて指導したり奮闘する。その時、呉菲がオフィスに現れた。呉菲は補佐にされても事務所にしがみついている秦施を蔑んだ。「もっと気骨ある人だと思った、プライドはないの?ドブにでも捨てた?」すると秦施は外にいる補佐たちを指差した。「彼らは多くの試練を乗り越えたからこそ、今のポジションを得たのよ?」「言っとくけど、私はあんたたちとは違う!(バン!」呉菲が思わず机を叩いて声を荒らげると、補佐たちは驚いてオフィスに注目した。「そうね、あなたは高級(シニア)弁護士だもの、広いオフィスも手に入れた でも考えたことがある?買収した子を除いてなぜあなたを敬う部下がいないのか… あなたから学ぶことは何もないからよ、だってそこに座れたのは父親のおかげだもの 自分の努力でここまで来た彼らにとって最大の侮辱だわ」秦施は確かに自分も嘘をついたが、言い訳はしないと潔かった。誰かに罵られてバカにされても文句は言えないが、呉菲にはその資格がないという。「同じ出世の近道を選んだとは言え、あなたはレベルが低い、だって父親の力を利用したのよ? 最初は親頼みも許された、でもその後は?ケンカを売り、小細工した以外に何をしたの? 彼らより優秀ならそれに見合ったスキルを見せて そうじゃないといつ誰にその座を追われても不思議はないわ その時は父親に泣きついても無駄よ?」「秦施ィィィィィ~出てって!」秦施がデスクに戻ると、補佐たちは呉菲を言い負かしてくれた秦施を称賛した。呉菲は秦施を追い出そうと画策したが、結局、自分が退職願を出した。唐伊慧は引き止めることもせず、今後も西美(シーメイ)との良好な関係が続くことを願って送り出す。その頃、陽華は胡平から食事に招待されていた。つづく( ゚ェ゚)え?陶俊輝って結局、姚遥を利用しただけだったの?
2023.12.20
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第34話「絶体絶命」天航(ティエンハン)の買収案件を担当することになった秦施(チンシー)。秦施の偽装結婚の目的を知った陶俊輝(タオジュンフイ)もチームへの参加を承諾し、ホテルの付加価値を高めるため、最近、警察の容疑者逮捕に協力した姚遥(ヤオヤオ)が利用できると思いついた。早速、尹(イン)社長は姚遥と和解すべく自宅を訪れ謝罪、何東娜(ホードンナー)も起訴を取り上げ、会見を開いて謝罪すると報告する。しかし姚遥の社長への不信感は強く、事実上の和解金も突き返した。「もし私を慰留させたいなら、社長が引責辞任することが条件です」一方、呉菲(ウーフェイ)は携帯の電源を切ったままふて寝していた。陶俊輝は仕方なく自宅へ電話したが、母親が繋ごうとしても呉菲が切ってしまう。呉母は仕方なく陶俊輝にかけ直して謝ったが、2人の間に何かあったのだと分かった。「若い人たちにケンカはつきものよ、でも溜め込まずに何かあったら話してね」尹社長が姚遥の説得に失敗、秦施は仕方なく直接、姚遥と話すことにした。陶俊輝は同行すると申し出たが、秦施は姚遥が裁判で自分を傷つけた弁護士に会うとは思えないという。しかし陶俊輝は頑固で決めたことは変えない女性の扱いなら慣れていた。「ともかく今夜はこれで引き揚げましょう、また明日ね」陽華(ヤンホワ)は秦施が姚遥に会うと聞いて動揺した。「融資元との関係で″あなたの姚遥″がキーパーソンなの」「あなたのじゃない」「いいのよ、別に責めてるわけじゃないの、誰にでも恋愛経験はあるわ あんな美人だも、好きになるのも分かる」「え?!誰に聞いたの?!」「…認めたわね?あなたって隠し事が下手なんだから」陽華は秦施の誘導尋問にまんまと騙され、結局、姚遥が元カノだと認めた。姚遥とは同じ横町で育った幼なじみで、交際が始まったのは大学に入ってからだという。「別れたのは僕の若気の至りだ…連絡は取っていなかったが、この間、裁判所で再会した」秦施は寛容な妻を装いながら、陽華と姚遥がどんな付き合いだったのか探りを入れた。「で最後の質問ね、もし今、選べるとしたら姚遥と復縁する?」「…その仮定は成立しないから答えられないな」「だからもしもよ、もし選べるなら復縁するの?」「あり得ない話をしても意味はないだろう?そんな議論はつまらないよ」すると秦施は急に席を立って寝室に戻ってしまう。「別に怒ってなんかいないからね!おやすみ!」「え?寝るの?」↓何がいけなかったんだろう?翌日、秦施は唐伊慧(タンイーフイ)のオフィスを尋ね、昨夜の陽華の呆れた返答を嘆いた。↓もう絶交よ!唐伊慧はまるで新婚夫婦の痴話喧嘩のようだと大笑いしながら、今夜の食事会で陽華本人から真意を聞いてみようという。「食事会?」「夫婦同伴でね」一方、陶俊輝は弁論部の飲み会に誘われていた。秦施も誘ってみたが、成功した男たちの集まりに参加しても居心地が悪いと断られてしまう。「それに今夜は大事な用があるの」秦施と陶俊輝は姚遥と面会した。姚遥は以前、エレベーターで一緒になった秦施が弁護士だと知ったが、社長の件で来たのなら無駄だという。「もう関わる気はありません」すると秦施は姚遥が協力することでリストラされる仲間たちを救うことができると訴えた。陽華の話では幼い頃から姚遥は面倒見が良く、いじめられっ子を助ける英雄的存在だったという。秦施は彼女の義侠心を揺さぶったが、姚遥は自分を助けてくれなかった相手を守る義理はないと冷たかった。「では1ヶ月だけ…」実は秦施はホワイトナイトとなる買収先を探していた。陶俊輝の報告では安(アン)トラベル以外に2社が天航に興味を持っており、有力候補は南洲(ナンジョウ)グループだという。確かに南洲の蒲(プー)社長は蘇(スー)会長の友人、関係も良好だった。「…1ヶ月の間、天航の広報に協力してくれたら買収は上手くまとまります その後、辞めても構わないし、辞めないなら解雇された従業員の違約金を勝ち取ります 女性が働きにくい環境も改善させるわ」陶俊輝も必ず上層部を説得すると約束し、姚遥の心を動かした。陶俊輝は姚遥が陽華の元カノだと気づいた。どうやら陽華の好みは一貫しているらしい。「君たちは似ている、2人とも自立した強い女性だ」秦施は陶俊輝に言われると悪口に聞こえると憤慨、穏やかな人生なら自分も穏やかだと否定した。「それよりどうして何社も天航を奪い合ってるの?」「新エネルギーシティを?」実は天航は未来都市の予定地に4つのホテルを持っていた。秦施は陽華と一緒に所長の自宅を訪ねた。集まったのはパートナー弁護士だけ、秦施は何やら重要な話だと気づく。すると唐伊慧は胡平(フーピン)から3億の融資を受けたと報告、まずは3500万が振り込まれ、これを元手に海外支社を広げるという。また事務所は全国優秀法律事務所のトップ10に選出、馬(マー)律師と陳(チェン)律師も弁護士100人に選ばれた。「それから皆さん、事務所の歴史で最も若いパートナーが誕生します…秦施、あなたよ」秦施は感激のあまり言葉がなかなか出てこなかった。「皆さん、感謝します」一方、飲み会に参加した陶俊輝は同窓生たちと久しぶりに大学の講堂を訪ねた。友人たちは伝説のカップルと呼ばれた陶俊輝と秦施の破局に皆がショックを受けたと話したが、陶俊輝はすでに過去のことだという。しかし友人はあきらめきれず、秦施を呼び出そうと言い出した。その時、廊下に人影が映る。「秦施が来たのか?!」陶俊輝が廊下を見に行くと、掲示板を眺めている秦施を見つけた。「最優秀弁護士の登場か?」しかし振り返ったのは秦施ではなく呉菲だった。「菲菲?…どうしてここに?」陶俊輝は友人たちの話を聞かれたと気づき、誤解だと訴えた。「誤解?私に嘘ばかりついているくせに!…私は恋人の心に他の女がいるのは嫌 会いたいなら秦施に会いに行ったら? 良いことを教えてあげる、秦施は偽装結婚よ、いつでも離婚できる」「いつから知っていた?」「…あなたはいつから知っていたの?ふふ、あなたにできないから私がやってあげたわ」呉菲は大学を飛び出し、車に飛び乗って帰ってしまう。秦施は念願のパートナーに昇格、まるで夢を見ているようだった。「ついにやり遂げた…所長に本当のことを話すわ…でも本当は迷ってる」しかし陽華は所長夫婦が大局を見て許す確率が高いと判断、秦施の背中を押した。その時、窓から他のパートナーたちが続々と帰って行く様子が見える。すると陶俊輝から電話がかかってきた。📱<秦施、偽装結婚を認めるな、証拠があっても否定しろ(ガチャ陽華は嫌な予感がしてすぐ帰ろうとしたが、所長夫妻が現れ、引き止められてしまう。秦施は手続きのため金誠(ジンチョン)の書斎に入った。その間、唐伊慧は陽華の相手をしながら、実はある親しい友人の会社に投資するかどうか決めかねているという。「その友人が嘘つきだったの、あなたはその友だちと仕事を続けるべきだと思う?」一方、秦施はパートナー契約書に目を通していた。金誠は焦らずゆっくり考えてからサインするよう助言したが、秦施は心の準備ならできているという。「もう一つ大きな質問がある、君の子供のことだ」実は金誠夫婦も秦施の師匠である卞静(ビエンジン)と同様、35歳までは子供を持たないと決めていた。しかし唐伊慧が病気で子供を産めない可能性があると分かり、苦労の末、2人の子に恵まれたという。「だがこれは初耳だろう、子供が生まれた年、離婚話が出たんだ」当時、唐伊慧は仕事と育児の両立ができなくなり、追い詰められたという。「だから君も良く考えて欲しい」陽華は偽装結婚がすでにバレていると分かった。「僕なら…嘘をついた理由によると思います」「私もそう思う、でも仕事柄、他人を信用することが難しい、私は確実な根拠を必要とするの だから友人の会社に多額の投資をするなら条件があると言ったわ 私はその条件を全て書き記した、当然、その内容は彼女に当てはまらない 確かに彼女の嘘は仕事に影響しない、私の信頼を得たかっただけ でもその契約書にサインしたら事情は変わる」一方、秦施は陽華が家庭を選んでくれたので自分は仕事ができると答えていた。すると金誠が別の契約書を差し出す。「秦施、これは君のために設立した福利だ、君との契約書の中に特別な補助を盛り込んだ」つづく(´-ω-。` )呉菲…若いって素晴らしいw
2023.12.19
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第33話「失敗しない女」陶俊輝(タオジュンフイ)は秦施(チンシー)が出世のため王傑森(ワンジエセン)に身を捧げるつもりだと誤解、慌てて杭州(コウシュウ)に駆けつけた。しかし秦施は無事だと分かる。一方、別荘に誘き出された何東娜(ホードンナー)は愛人の王傑森が他の女と逢引きしていると知り激高していた。罠だと気づいた王傑森はすぐ逃げようと言ったが、興奮した何東娜は手がつけられない。その時、胡平(フーピン)が現れた。「子の親権は私が持つ、それ以外は弁護士と話してくれ」同行した代理人・梁衛紅(リャンウェイホン)は妻の不貞の証拠として2人の姿を録画していた。…陶俊輝が秦施の偽装結婚を知った夜、秦施は唐伊慧(タンイーフイ)から呼び出されていたオフィスで待っていたのは思達(スーダー)の梁律師、実は何東娜と王傑森が兼ねてより不倫関係にあったという胡平と何東娜は離婚協議中だったが財産分与で同意できず難航していた会社の事情が妻に筒抜けなことを怪しんだ胡平は内通者を疑って調査したところ発覚したというしかし難題は子供の親権だった子供には障害があったが、何東娜はうつ状態で薬を服用しており、育児などできる状態ではなかったというホテルでの強制退去も、情緒不安定な何東娜が起こした騒ぎだった裁判で争うこともできたが、子供のプライバシーが公になることを危惧し、胡平は協議離婚での早期解決を望んでいるという…何東娜は夫に内緒で不動産を買っていたが、そのうちの1つが今回の杭州の豪邸だった。「浮気現場を押さえるとは…さすが胡总!見事だ!」剛子(ガンズー)は秦施の話を楽しく聞いていたが、陶俊輝はそろそろ帰ろうと2人を急かす。「剛子、秦施を送ってくれ」「今日はありがとう、私を探し回ったと剛子から聞いたわ」すると陶俊輝は緊張が解けたのか、急に秦施を抱きしめてしまう。「2度と無茶なことはするなよ」(  ̄꒳ ̄)え?秦施のスカートがビニール?w陶俊輝はタクシーを拾って独りで帰った。すると呉菲(ウーフェイ)から電話がかかってくる。呉菲には急な仕事で紹興(ショウコウ)に行くと嘘をついていた。「着いたばかりだ、早く休んで」「…気をつけてね」呉菲は電話を切るとこらえ切れずに号泣してしまう。自宅のノートパソコンの画面には周茜茜(ジョウチェンチェン)が隠し撮りした陶俊輝と秦施の写真があった。秦施は車中で陶俊輝が陽華(ヤンホワ)に電話したと知り驚いた。剛子の話では秦施に身の危険が迫っていると聞いても陽華は我関せず、どちらが夫なのか分からなかったという。「このままじゃ兄貴がバカを見るだけだ、2人で解決策を見つけたらどうだい?」秦施がマンションへ帰ると陽華はおでこに絆創膏を貼っていた。陽華はちょっとぶつかったとごまかし、今夜のこともあえて何も聞かない。「陶俊輝から聞いたわ、私のこと、全く心配していなかったって本当?」「君が自分を犠牲にするはずないから…」秦施は急に寂しくなって少しは心配して欲しいと嘆いた。すると陽華は秦施を抱きしめ、本当は心配で焦っていたと明かす。「でも信じようと思ったんだ、君は失敗しない人だから大丈夫だと…」(๑ ŏ_ŏ),<…そうね、私は強い女、失敗しない女よ、おやすみ!(バタン)陽華はなぜ秦施の機嫌を損ねたのか分からず、翌日、実家を訪ねた。「″失敗しない女″が最高の褒め言葉?我が息子ながら情けないよ…」陽父は失笑し、勇敢な戦士だろうと女性の心は傷つきやすいと諭した。秦施が陽華にわがままを言ったり、怒ったりするのは、信頼できる相手だからこそだという。「お前を頼っているんだ、彼女がお前の前で自分らしくいられるよう支えてやれ」陽華は秦施が自分だけに本来の姿を見せていると気づき、幸せな気分になった。暴漢に襲われた姚遥(ヤオヤオ)だったが、結局、かすり傷で済んだ。すると急に天航(ティエンハン)ホテルが手のひらを返し、何東娜が告訴を取り下げなければドライブレコーダーを公表すると反撃、裁判を覆してしまう。姚遥は汚名返上となったが、会社側の対応に不信感が募った。そこで従業員に偽証を強要した尹(イン)社長に謝罪を要求する。実はこれまでも社長はVIPたちの従業員に対するセクハラを黙認し、内部告発を阻まれた苦い経験があった。社長は激怒したが、姚遥は退職願を突きつけ帰ってしまう。喬(チャオ)主任は秦施に高級外車の鍵と10万元を渡した。秦施はさすがに怖くなって突き返したが、これは所長夫妻から陽華への償いだという。あの日、陽華は秦施を助けようと焦り、蔡亮(ツァイリャン)から借りた車で自損事故を起こしていた。所長夫妻はおでこから血を流しながら現れた陽華に困惑、すると陽華は秦施をすぐ呼び戻して欲しいと頼む。実は陽華は邱建祥(チウジエンシャン)の娘から王傑森がインサイダー取引により″永利(ヨンリー)21″で利益を得た証拠となる音声を受け取っていた。すでに胡平にも同じ証拠を送ったという。『なぜ警察に渡さなかった?』『王傑森のことはどうでもいい、でも秦施が巻き込まれてしまった 秦施に何かあったらあなたたちを道連れにする』『似たもの夫婦ね〜』唐伊慧は秦施が杭州へ出かけた理由を明かした。実は秦施が協力したのも陽華のために王傑森を金融業界から追放するためだったという。蔡亮は陽華の事故処理のため警察に行かねばならなかった。責任を感じた陽華は同行することにしたが、その時、駐車場に止めてある真っ赤なスポーツカーから秦施が現れる。「このカードはあなたのものよ、それから修理代も出すわ」「さすが秦律師!太っ腹だな!」蔡亮は喜び、秦施の新車を見せてもらうことにする。「杭州に行って事故を起こしたこと、どうして黙っていたの?」「夫として当然のことをしただけだ」誤解していた秦施は陽華に口づけし、しばし2人は抱き合った。「私は失敗しない女よ?なぜだか分かる?…あなたがいるからよ」(  ̄꒳ ̄)もはやただキスしたいだけのような…w蔡亮はカードに10万も入っていると知り、秦施と陽華を誘って飲みに出かけた。そこで陽華は父のアドバイス通り秦施にプレゼントを贈る。「バッグにしようと思ったけど、この方が実用的だと思って…」プレゼントは万年筆だった。「ありがとう、すぐに役立ちそうよ!」秦施の協力と陽華の証拠のおかげで誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所は胡平と融資交渉で合意した。王傑森はクズだったが、事務所の評価報告書は悪くなかったらしい。「これで私も大手を振って事務所を歩けるわ!」すると翌日、秦施は所長夫妻に呼ばれ、天航のM&Aを担当することになった。理想的な戦略的パートナーが見つかれば買収額の1%を上乗せしてもらえるという。秦施は早速、陽華に報告した。今回の案件で成功したらパートナーに昇格してもらえるという。これで2年越しの計画が成功する。一方、陶俊輝は呉菲のオフィスを訪ね、食事に誘った。すると運悪く秦施から連絡が来てしまう。陶俊輝は会議に呼ばれたと言ったが、呉菲は秦施だと気づいて不満が爆発した。「杭州へ行ったわね?…なぜ嘘をついたのか説明して!」困惑した陶俊輝は帰ってから話そうとなだめたが、呉菲はこれが最後のチャンスだと迫った。「今すぐ辞めて、起業してもパパの会社に入ってもいい…私と一緒にここを辞めて!」しかし陶俊輝は何も言えず、傷ついた呉菲は帰ってしまう。企業買収のリーダーを任された秦施は経験豊富な陶俊輝をパートナーに選んだ。しかし陶俊輝から断られてしまう。「やりたくないですって?!」呆れた秦施はいきなり陶俊輝の足を蹴飛ばし、感情的な小娘の影響かと呆れた。「唐姐が呉菲の仕事ぶりにひどく失望してる、あなたにも累が及ぶかも… この前は助けてもらった、だから今度は私が助けるわ」秦施はこの案件で名を挙げたら堂々と偽装結婚を明かすと話した。陶俊輝は秦施の目的がパートナーとなって独身女性に対する雇用差別を失くすことだと知り、協力を約束する。一方、自宅に戻った呉菲は着替えもせずベッドに滑り込み、独り悶々としていた。秦施たちの会議が始まった。当初、天航の蘇(スー)会長は星際(シンジー)グループとの買収に乗り気だったが、その矢先、思わぬ伏兵が現れる。天航出身で会長の部下だった安(アン)トラベル・田安盛(ディエンアンション)だ。どうやら先の裁判で故意に敗訴しようとしたのは姚遥に違約金を払うことなく、株価を下げて星祭に安値で買わせるためだったらしい。すると陶俊輝が今回の姚遥の件を利用しようと提案した。「姚遥の協力で警察が容疑者を逮捕しました、これはチャンスです」尹社長は姚遥の自宅を訪れ謝罪した。役員会議では姚遥の報奨金を申請し、さらに10万元まで差し出す。「会社はバトラーサービスを再開することにした、君がリーダーだ」つづく(*ノωノ)あああ〜菲菲知らない方が良いってこともあるのよ〜 ←誰?w
2023.12.18
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第32話「誘惑」陽華(ヤンホワ)の過去の女性関係を知って虫の居所が悪い秦施(チンシー)。そこに来て李黛(リーダイ)から姚遥(ヤオヤオ)が陽華の元カノらしいと聞かされ、ますます憂鬱になった。しかし本題は別のことだという。実は李黛が邱建祥(チウジエンシャン)に陽華を証券界から追放したのか確認したところ、否定したという。本人が新華(シンホワ)バイオ株のミスを認めている以上、今さら嘘をつく必要もないはずだ。「誰かが陽華を罠にはめたのかも…」秦施が真っ先に疑ったのは王傑森(ワンジエセン)だった。その時、パーティーを抜け出した秦施を探していた王傑森が現れ、秦施は咄嗟に電話を切ってしまう。呉菲(ウーフェイ)は周茜茜(ジョウチェンチェン)に秦施の動向を探らせていた。すると携帯に秦施と王傑森の親密そうな画像が送られて来る。呉菲は秦施のゴシップを手に入れ喜んだが、恋人の陶俊輝(タオジュンフイ)は仕事があると断って早々に帰ってしまう。秦施を失脚させるため早く融資話をまとめたい呉菲、しかし肝心の何東娜(ホードンナー)はいつもはぐらかしてばかりだった。一方、王傑森は秦施に寄り添い、誠&慧への融資について自分が全権を握っていると明かした。明日は杭州(コウシュウ)支所の視察、そこで秦施を一緒に連れて行きたいという。秦施は秘密を守ってくれるならと思わせぶりな態度を取ったが、その時、ちょうど店を出ようとしていた陶俊輝と目があってしまう。秦施が事務所に戻るとオフィスの前で陶俊輝が待っていた。「君は変わったな、カネや株、地位のためなら何でもするのか? 陽華と結婚したのはいつだ?愛はあるのか?もしや結婚まで…」実は陶俊輝は陽華の職歴が嘘だと知り、さらにこの数年の渡航歴まで調べていた。「君は陽華が嘘つきだと知っているのか?」驚いた秦施は陶俊輝を慌ててオフィスに押し込み、仕方なく真実を明かした。陽華の携帯に秦施と王傑森の画像が届いた。驚いた陽華はタクシーに飛び乗ったが、秦施に連絡しても応答はない。一方、陶俊輝は秦施が出世のため既婚者だと偽り、その嘘をごまかすために結婚したと知った。なぜか嬉しそうな陶俊輝、しかしどちらにしてもいつか嘘はバレると警告する。「もしや王傑森も知っているのか?だからすり寄っていると?」「あなたには関係ない…確かに私のシナリオにミスはあった、でもそもそも拒んだのは陶家よ?」秦施は呉菲のおかげで苦労せず地位を得た陶俊輝に自分を責める資格はないと辛辣だった。「確かに俺は何も言えない…ただ王傑森には近づくな、身を捧げる価値などない 安心しろ、秘密なら守るよ」思達(スーダー)の梁衛紅(リャンウェイホン)が急に事務所へやって来た。金誠(ジンチョン)と唐伊慧(タンイーフイ)はパーティーを切り上げて事務所に戻ったが、梁律師からある協力を依頼される。📱<秦施?すぐオフィスへ…一方、陶俊輝は秦施が裏切っていなかったと知り、上の空で仕事が手につかなかった。すると酔っ払った呉菲がやって来る。「私を愛している?」「バカだな、当然だろう?…愛しているよ」「口だけなんだから…」「愛してる」陶俊輝はまるで秦施への未練を断ち切るように自分に言い聞かせた。陽華が慌てて事務所へ駆けつけると、ちょうどビルから秦施が現れた。「どうしたの?」「近くまで来たから迎えに来たんだ…」陽華は秦施の無事に安堵し、マンションへ戻ると夜食を準備した。すると秦施から裁判で知り合いに会ったのかとツッコまれてしまう。「李黛から聞いたの?ああ、知り合いだ 近所に住んでいて小中と一緒だった…ってか、ただの同級生だよ」陽華は蔡亮(ツァイリャン)から元カノの話は命取りになると吹き込まれ、適当にごまかした。「彼女なら私も事務所のエレベーターで会ったわ、背が高くて美人だった、昔から美人だった?」「まさか~ガキ大将でみんな言いなりだったよ」「みんな?あなたも?…陽華、蔡亮に口止めされたでしょ?」全てお見通しの秦施にたじたじの陽華、しかし運良く陽父から着信が鳴った。陽父の電話も姚遥の件だった。実は今日、陽母が近所で噂を聞いて来たという。📱<息子よ、甘く考えるな、隠し切れないだろうが考えもなしに話すのは禁物だぞ?陽華は電話を切ると、ひとまず話題を変えてテレビでも見ようと誘った。しかし秦施は不機嫌そうに寝室へ戻ってしまう。(๑・᷄ὢ・᷅๑)<おやすみ翌日、陶俊輝はやはり秦施が杭州へ行くと知って引き止めようとした。しかし喬(チャオ)主任に足止めされてている間に秦施は出かけてしまう。一方、陽華は秦施を怒らせてしまったことより、王傑森のことが気がかりだった。もしやあの写真も王傑森からの挑発なのだろうか。蔡亮はそれより独身に戻った姚遥との再会に興味津々だった。「選べるなら秦律師と姚遥、どちらを選ぶ?」「…僕に選ぶ権利なんかないよ」秦施は唐伊慧から任務を与えられ、王傑森と杭州へ向かった。…これが成功すれば大手柄よ…そうとは知らない陶俊輝は秦施が出世のため身を捧げるつもりだと誤解、矢も盾もたまらず剛子(ガンズ)の車で杭州へ行ってしまう。ちょうどその頃、ドラマ撮影で忙しい何東娜にメッセージが届いていた。…杭州に到着した、いつもの場所で食事を…何東娜は王傑森との密会のため午後の予定をキャンセルしたが、実は胡平(フーピン)の罠だった。陽華がランチを終えてデスクに戻ると、また差出人不明のメッセージが届いた。…あなたの奥さん、ここで浮気してるわよ…驚いた陽華は蔡亮に事情を説明し、車を出してもらうことにする。一方、姚遥は部下たちが退職を迫られ偽証したと分かった。今さら泣いて謝られても信頼関係は戻らないが、どちらにしても今日で退職すると決めている。しかしホテルで思いがけず事件が起きた。失恋した男が自殺すると動画で配信しているが、何号室か分からないという。姚遥は咄嗟に非常ボタンを押して宿泊客を部屋から出すと、非常階段で怪しい男を発見した。「お待ちください」陶俊輝は杭州の支所に駆けつけたが、秦施たちはいなかった。「剛子、陽華の電話を知ってるか?」「まあ~」そこで陶俊輝は陽華に事情を説明、2人の居場所が分からず緊急事態だと訴える。しかし陽華はなぜか冷静だった。「秦施なら大丈夫、ただの出張だ、問題ない」「正気か?!」すると陶俊輝は呆れて電話を一方的に切ってしまう。その時、蔡亮のSNSに記者の友人から速報が入った。「姚遥がホテルでヤバい奴に刺されたって!」「行こう…」「え?どっちへ?秦律師か姚遥か?」その夜、呉菲は秦施のオフィスに忍び込んだ。娘のため奔走していた呉父はようやく何東娜が離婚寸前だと気づき、唐伊慧もすでに知っていたと分かる。…だから王傑森に取り入っていたんだ、協議書も交わしているだろう…かつて秦施の補佐をしていた呉菲は秦施のPCの暗証番号を知っていた。すると思いがけずフォルダの中に入っていた秦施と陽華の婚前協議書を見つけてしまう。王傑森は報告書を書き上げ、秦施との夢のような一夜に期待して書斎を出た。その頃、ついに杭州にある何東娜の別宅を突き止めた陶俊輝が到着する。車を降りるなり門をよじ登る陶俊輝、まさかの不法侵入に驚く剛子だったが、念のため護身用の警棒を渡した。「15分経ったら通報してくれ」玄関の鍵はなぜか開いていた。すると2階でドアが閉まる音がする。陶俊輝は階段を上り、廊下に落ちている花びらを頼りに奥の部屋へ向かった。ドアの前で警棒を準備し寝室に乗り込もうとする陶俊輝、その時、誰かの足音が聞こえる。驚いて振り返ると、なぜか秦施が立っていた。寝室はバラの花びらとロウソクの灯りでロマンチックに演出されていた。背中を向けて立つ美しい秦施、王傑森はたまらず後ろから抱きついてしまう。「俺のそばにいろ、そうすれば天国みたいな生活をさせるよ」「本当?」しかし相手は秦施ではなく何東娜だった。つづく( ๑≧ꇴ≦)ワンさん…今さら女で身を滅ぼすとかw
2023.12.17
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第31話「愛憎劇」呉菲(ウーフェイ)は秦施(チンシー)と一緒に依頼人を調査した陶俊輝(タオジュンフイ)に激怒。しかし陶俊輝は証拠がないまま勝ちを焦れば失敗すると警告し、告訴は不利だと断言した。そんな中、何東娜(ホードンナー)が事務所にやって来る。陶俊輝は示談にするよう勧め、新たな証拠を示した。実はホテルの送迎車がドライブレコーダーを装備していたと気づいて調べたところ、事件当夜に何東娜を必死になだめている姚遥(ヤオヤオ)の様子が映っていたという。映像の元本はホテルにあり、裁判になれば必ずホテル側がこの証拠を出してくる。それでも何東娜は告訴を取り下げないと拒んだ。「告訴は私の本意じゃないの、頼まれたのよ、天航(ティエンハン)ホテルに…」一方、王傑森(ワンジエセン)はようやくオフィスに戻った秦施を捕まえた。陶俊輝と呉菲がもめているを見た王傑森は何東娜の案件に不安材料があるのか聞いたが、秦施は担当外だと誤魔化し、逆に″永利(ヨンリー)21″事件について探りを入れる。「陽華(ヤンホワ)に新華(シンホワ)バイオ株を買わせたのは邱建祥(チウジエンシャン)?」「そうだ」「どうして陽華に責任を押し付けたの?」「理由は簡単だ、真相を話したところで事態は好転しない 何より我々の生活は邱建祥頼みだった、彼を守ってこそ前途が開ける 部下が身代わりになることはよくあることだ」「恥ずべきことを堂々とおっしゃるのね…敬服します」すると王傑森は性懲りも無く秦施を食事に誘った。心配なら陽華も呼んで3人で話したいという。「なぜ君は無職の男をエリートに仕立て上げた? 喬(チャオ)主任から君たちが海外で結婚したと聞いた、子供までいるとか…」秦施は陽華の敵を討つどころか、まんまと弱みを握られた。何東娜の案件は陶俊輝の知名度を上げるため呉家がセッティングした案件だった。陶俊輝から代理人を降りたいと言われた呉菲は困惑、仕方なく全て暴露する。「実はあなたが胡平(フーピン)を落としたらパートナーに昇格させる約束なの」一方、秦施も唐伊慧(タンイーフイ)から思わぬ事実を聞かされた。呉菲が何東娜の案件を持ち込んだ時、確かに陶俊輝が交換条件だったが、他にもあったという。「その前にあなたたち、本当に縁が切れてるの?」「あんなおじさんに未練はないわ~ ←( ๑≧ꇴ≦)ちょw 私と陽華はいつもラブラブ~これからもずーっとね!」すると唐伊慧は笑いながら、呉菲が秦施を事務所から追い出すよう要求したと明かした。しかし黙って小娘に利用される唐伊慧ではない。「彼女が攻撃を仕掛けて来るなら、あなたにも反撃の機会をあげないとね」「だから私を王傑森に近づけたの?でもハニトラなんて絶対に無理よ~」「バカね~違うわ…実は何東娜が離婚する、代理人は思達(スーダー)の梁衛紅(リャンウェイホン)よ でも何東娜がなかなか応じないらしいわ」秦施は陶俊輝を出し抜くチャンスだと知り、俄然、やる気を出した。何東娜と姚遥の裁判は奇しくも邱建祥の裁判と同じ日だった。証人として出廷した陽華はデータの解析を説明し、邱建祥に故意はなかったと証明する。裁判長は新証拠が出たため継続審議を要請、李黛(リーダイ)はすぐ保釈申請をすると決めた。一方、何東娜と争うことになった姚遥は自分が孤立無援だと知った。証人として呼ばれたホテルの従業員たちは急に証言をひるがえし、何東娜の言い分が正しいと認めてしまう。しかも自分の弁護士まで買収されていた。陶俊輝は良心が痛んだ。そこで法廷に残っている姚遥に飲み物を差し入れたが、姚遥の視線は冷たい。「表に記者がいる、もう少し待ったほうがいい」「独りにしてください」一方、李黛と陽華はちょうど裁判所を出ようとしていた。すると何東娜がマスコミに囲まれてインタビューを受けている。「彼女の裁判も今日だったのね…」李黛は姚遥に同情し、手を貸すことにした。そこでお互いのジャケットを交換、自分がマスコミを引き付けているうちに姚遥を逃し、陽華が車に乗せて走り出す。実は秦施がSNSで目を止めた陽華の写真を撮ったのは姚遥だった。「…どうしてあなたが?」「住所はマスコミにバレている、しばらくどこかへ避難するといい」その時、陽華は李黛に気づいて車を歩道に寄せた。「大変なの、邱建祥が心筋梗塞で倒れたって…すぐ病院へ」姚遥は2人に感謝し、そこで車を降りた。…姚遥は陽華の初恋の人だったしかしカナダ行きが決まり、姚遥は邱建祥が陽華を自分の娘婿にするつもりだと知る陽華は仕事のためだと否定したが、姚遥は裏切られたと思い込み別れてしまう…李黛と病院へ向かっていた陽華は邱建祥が認知症だと気づき、すぐ連絡するよう頼んだ。その頃、秦施の弱みを握った王傑森は念願叶って2人だけのランチを楽しんでいた。秦施はそれとなく投資の可能性を探るが、王傑森はまだ何も教えられないとはぐらかす。「それより君の話を教えてくれないか?」「あ…この間の件ですね」すると秦施は正直に既婚者の方が出世しやすいと偽装夫婦を認めた。王傑森は野心のために嘘も辞さない秦施の度胸と野心に魅了され、自分たちは馬が合うはずだと喜ぶ。「君は大業を成す人だよ、もっと広い舞台が必要だ」そこで王傑森は誠(チョン)&慧(フイ)の実地調査が完了したら、一緒にチューリッヒへ行こうと誘った。「でも帰って陽華に聞いてみないとぉ~」「アイヤー!普段は賢いのにこういう事となると頭が固いな~ もし同じ提案をしたら陽華なら迷わずついて来るはずだ かつて陽華はチャンスに直面した時、手中の切り札を取り換えたこともあった…」実は陽華には幼なじみで初恋の恋人がいたが、邱建祥の娘婿候補だったという。邱建祥は陽華の指摘した通り脳梗塞により認知機能が低下していた。連絡したおかげで手遅れにならず、医師の話では以前から症状が現れていたはずだという。「どうして認知症だと分かったの?」「本来なら専門家の証人など必要なかった、自分でもなぜその決断をしたのか思い出せないんだ 今は僕を追放した彼に感謝するよ、あのまま業界にいたら僕も二の舞になっていたかも…」しかし李黛は陽華がいなければもっと惨めだったと言った。「そうだ、姚遥と知り合いだったの?」( ̄O ̄;)ドキッ!その夜、金誠(ジンチョン)は裁判の成功を祝って飲み会を開いた。秦施は陽華の元カノ話のせいで心ここに在らず、控え室で李黛と話し込んでいる。📱<陽華は邱建祥を恨んでいると思ってたのに、病院でも助けてくれるなんてね李黛は陽華を見直したが、かつての職場には深く落胆した。実は姚遥の裁判も今日だったが、唐伊慧は天航と組んで姚遥を陥れたという。しかし秦施は全く知らない様子、李黛はもしや事務所で孤立しているのかと驚いた。📱<そうだ、特ダネよ!陽華と姚遥は知り合いだったみたい、あれはきっと付き合ってたわね李黛はどうせ偽装夫婦なら気にしないだろうと笑ったが…。つづく((((;゚Д゚))))))) もう王さんがホント無理なんですけど…
2023.12.15
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第30話「選択」事務所の上場を目指し、ベンチャーキャピタルに投資話を持ちかけた唐伊慧(タンイーフイ)。すると胡平(フーピン)の右腕・王傑森(ワンジエセン)が誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所の調査にやって来た。「弊社は融資先に関して実地調査を行なっています」唐伊慧は秦施(チンシー)に対応を任せたが、陽華(ヤンホワ)の敵である王傑森に秦施はあからさまな敵意を見せた。しかし王傑森は美しい秦施に興味津々、そこで2人だけで食事に行こうと誘う。「…どうしても無理なら唐总に頼んで会食を許可してもらおう、では」「ふっ…(キモッ)」一方、陽華はまだ邱建祥(チウジエンシャン)の証人になるかどうか決めかねていた。そこで李黛(リーダイ)に頼んで邱建祥と面会、なぜ当時、新華(シンホワ)バイオの株を買うよう命じたのか聞いてみる。「金銭の授受が?」すると邱建祥は急に興奮して否定した。「私は汚れた金を受け取ったことはない!天に誓って本当だ!」↓シューカイのタートルは正義w李黛は煮え切らない陽華に業を煮やし、秦施を呼び出した。「結婚だけでなく夫の職業まで嘘だったのね? 引きこもりの夫の意見を事務所に採用させるなんて…私が全部、暴露したらどうするつも…」「陽華に証言させたくないの?」「分かった、私が秘密を守れば陽華に協力させるのね?」「私、そんな話した?」その頃、帰宅した陽華は証言台に立つかどうか、財神(ツァイシェン)と仙子(シェンズー)に投票させていた。そこであえて″協力しない″にたくさんの餌を置いたが、どちらも協力する方を選んでしまう。その夜、秦施は陽華に李黛と会ったと報告した。陽華は邱建祥と面会したものの何も得られなかったと明かし、それ以上は何も言わない。仕方なく秦施は話題を変え、事務所の調査にあの王傑森が来たと教えた。陽華は以前の自分なら秦施を助けられたと落胆したが、秦施は今も十分、助けられているという。「前の僕なら君はもっと好きになっていた?」「答えられないわ、だって前の陽華を知らないもの、どんだけエリートだったのよ?ふふ でもあなたはあなた、今も昔も変わらず善良な心を持っている、そんなあなたが好きなの」陽華は秦施の優しい言葉に励まされたが、やはり計算高い王傑森には近づかないよう警告した。しかし事務所にとって胡平との人脈は大事、秦施は隠れるのも性に合わないという。(๑•̀ㅂ•́)و✧<あなたを傷つけた奴よ?弱点をつかんで息の根を止めてやる!秦施は自分の身内を傷つけた以上、必ず報復すると決めた。「僕に優しいんだね?」「あなたも私に優しいわ、お互い様ね」翌日、事務所に到着した秦施はちょうど地下駐車場に降りて来た陶俊輝(タオジュンフイ)を見つけた。「私が送るわ、まだ運転するの大変でしょう?…行きましょう?」「俺の行き先が分かるのか?」「真相を探るんでしょう?」一方、王傑森は秦施を食事に誘うためオフィスを訪ねたが、空振りだった。秦施は陶俊輝の火傷に責任を感じていた。「しばらく使い走りや運転を手伝うわ、助手だと思って 今、大事なのは信頼できる第三者の証言を得ることね?録音や録画、宿泊客の証言でもいい」仕事でも私生活でも呉菲(ウーフェイ)とわだかまりが残る陶俊輝、そんな彼にとって黙っていても自分の考えが分かる秦施との時間は居心地が良かった。やがて車は天航(ティエンハン)ホテルに到着、秦施はミラーを見ながら口紅を塗り直し、香水を振りまく。「どう?」「綺麗だ…健闘を祈る!」秦施は環竜(ホワンロン)国際の秘書と偽り、会長が滞在するホテルの下見に来たと称して事件のあったスイートルームに入った。しかし室内に防犯カメラはなく、スタッフも勤務中は宿泊客に関する録音・録画を禁止されているため、証拠を持っていないと分かる。一方、待機していた陶俊輝は偶然、ホテルの送迎車を見かけていた。秦施と陶俊輝はランチを取りながら証拠探しの方法を探った。右手が使えない陶俊輝のために甲斐甲斐しく世話を焼く秦施、しかし陶俊輝は気恥ずかしくなって自分でできると遠慮する。「手がかりを見つけさせるよ」「まさかあの剛子(ガンズ)に?彼の実力なら知ってる…私にやらせて」陶俊輝がオフィスに戻ると剛子が待っていた。すると剛子は秦律師が元カノなのかと聞いて来る。実は剛子は呉菲から秦施の夫を調べて欲しいと依頼されていた。「これがその結果だ」実は陽華の就職歴は1社だけ、ただの失業者だったという。「…菲菲には黙っていてくれないか?」秦施が大荷物で帰って来た。何でも今日こそ自分が料理して陽華にご馳走するという。(´・ω・`)ぇ… 何て顔するの?!>(,,Ծ‸Ծ,,)実は秦施は麻辣湯(マーラータン)の店でレシピを手に入れていた。「スープは骨で取って肉は入れてないわ…タレは分けてもらったの」「…うん、美味しいよ」すると陽華は後片付けをしながら、李黛から証言を頼まれたと相談した。秦施は陽華を何年も苦しめた男を助ける義理などないと一刀両断、しかしもし承諾しても陽華が寛容だという証明だという。「自分を傷つけた人を許すなんて立派だと思う、とにかく自分の思う道を選べばいい」と言ったものの、秦施は李黛との話を思い出し、発言を訂正した。「と言うか私たちは正義を胸に悪と戦う勇気を持つべきよ!」「…何かあったの?」「その~少し李黛に脅されて…」「仕事のやり口を家庭に持ち込まないでくれ」陽華は秦施の下心に気づいて部屋に戻ってしまう。陽華は投資部への異動を辞退した。しかし一緒に出世できると期待していた蔡亮(ツァイリャン)は呆然、すでに妻にまで昇給すると伝えてしまったという。一方、誠&慧では呉菲が秦施のオフィスに乗り込み、暴れていた。「秦施、なぜ勝手に私の依頼人を調査したの?!」そこへ向かいのオフィスにいた陶俊輝が慌てて駆けつける。「俺が頼んだんだ」「秦施…ワナワナワナ…手段を選ばないのは知ってた、まさか陶俊輝まで利用するなんて!卑怯者!」陶俊輝は興奮する呉菲を自分のオフィスへ引っ張って行った。しかし運悪くもめている様子を王傑森に見られてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょw呉菲wwwサイコーかw
2023.12.14
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第29話「嘘つき」王傑森(ワンジエセン)から″永利(ヨンリー)21″の話を聞き出した呉菲(ウーフェイ)。当時、マスコミに公表はされなかったが、呉菲はミスを犯したマネージャーが秦施(チンシー)の夫・陽華(ヤンホワ)だと気づいた。「もしかして退職後に投資銀行で働いていたなんて嘘なんじゃない? 秦施は陽華が嘘つきだって知らないのかしら…」しかし陶俊輝(タオジュンフイ)は話題をそらして食事へ行こうと誘った。実は陶俊輝も2年振りに秦施と再会した時、陽華の素性を調べていたが、確かにこの数年の職歴は不明だった。秦施は傷ついた陽華を元気づけるため、昔なじみの店にいた。「ここの麻辣湯(マーラータン)を食べればパワー回復、言った通りだったでしょう?」陽華はやっと笑顔を見せたが、また急に表情が固くなる。店に偶然、陶俊輝と呉菲が入って来たのだ。秦施と陽華は2人を無視して帰ることにしたが、呉菲に呼び止められてしまう。「秦律師、あなたが帰った後、王总からご主人のことを色々と聞いたわ~ 多分、あなたも知らないことよ?おごってくれるなら教えてあげてもいいけど~」「…食事と引き換えなの?じゃあ学長?私も彼女に教えていい?」秦施は嫉妬深い呉菲を挑発、その時、ちょうど料理を運んできた店員がつまずいた。無意識に腕を伸ばして秦施を守る陶俊輝、するとまともに煮汁が右腕にかぶってしまう。秦施は自分の車で病院へ連れて行くと言ったが、呉菲は陶俊輝に2度と近づくなと言い捨て帰って行った。陽華は秦施が陶俊輝を心配していると分かった。「あとで電話してみたら?火傷しているはずだ」「必要ない、どうせ事務所で会うんだし…」陽華はすっかり自信を失っていた。「彼とやり直したいなら離婚してもいいよ? どうせいつか別れるんだ、僕の経歴が疑われて君に迷惑がかかるかも…」「もうやめて、今夜は私が悪かったわ」秦施は出世のため陽華を連れ出しことを謝罪し、2度と巻き込まないと約束する。しかし陽華は勇敢な秦施や陶俊輝に比べ、自分は臆病者で意気地なしだと思い知った。一方、呉菲は陶俊輝を医者に診せて自宅まで送った。今夜は右手が使えない陶俊輝に付き添いたいという。「先生も言っていたでしょう?動かして化膿したらせっかくの結婚式に痕が残るって…」「…なら延期しないか?新居もまだ見つからないし」「新居ならパパが買ってくれたわ」呉菲は陶俊輝が婚前協議書にサインしてからずっと不機嫌だと気づいていた。実は結婚祝いの新居も夫婦の共同名義にするつもりで父に買わせたという。「私のものはあなたのものよ?全部、あなたにあげる!私は何もいらない! だから早く結婚しましょう?」しかし陶俊輝は焦る必要はないと冷静だった。呉菲は今も陶俊輝の心に秦施がいると気づき、どんなに努力しても追い出せないと落胆する。「今もあんな目で彼女を見るなんて… 私の気持ちも考えて、せめて顔には出さないで欲しい、耐えられないの!」呉菲は居たたまれなくなって部屋を飛び出したが、陶俊輝は追いかけてこなかった。陽華は秦施と手を繋いで歩きながら、初めて過去について重い口を開いた。王傑森は陽華が現れるまで邱建祥(チウジエンシャン)の自慢のファンドマネージャーで、後継者と目されていたという。その座を奪われた王傑森は2年間も感情を押し殺し、陽華にとって最高の親友を演じて来た。「…新華(シンホワ)バイオの株は僕が選んだわけじゃない だが企業価値は申し分なく、邱建祥から集中して買えと命じられた時も拒む理由はなかった だがライバル会社が新商品を出して完敗、再起不能になったんだ その後、株売買の異常な動きに気づいたが、時すでに遅し 王傑森は事の経緯を把握していたが僕に口止めし、自分が取締役会で報告すると言ったんだ」「なぜ邱建祥はあなたを陥れたの?」「分からない…」どん底に突き落とされた陽華は退職して帰国した。2ヶ月休養して就職先を探したが門前払い、邱建祥から脅された通り2度と証言業界に戻れなかったという。挫折した陽華は家に引きこもり、1ヶ月も外へ出ない時期があった。しかし半年ほど我慢していた母の不満がついに爆発、これを機にようやく髪を切ってヒゲを剃ったという。陽華は家に生活費を入れるためデイトレードで小銭を稼ぎ、こうして毎日が淡々と過ぎて行った。「自分を敗者と認めれば落ちこぼれても平気だ、他人に踏みにじられても気にならなくなる でも間違いだと分かったよ… 失敗は時間と共に消えることなく、立ち直るのを待ってから一撃を食らわせて来るんだ」「…失敗したっていいじゃない、誰にでもあることよ?」「こんな男に好かれても嬉しくないだろう?」「実はあなたが勇敢でも臆病者でもどうでもいいの 忘れないで、壁にぶつかってもこれからは2人で乗り越える、それが結婚の意義でしょう?」すると陽華は秦施を抱きしめ号泣してしまう。。゚(∩ω∩`)゚。翌朝、陽華はベッドから出てこなかった。出勤した秦施は念のため蔡亮(ツァイリャン)に様子を見るよう頼んだが、蔡亮は仕事が山積みでそれどころではないという。「知ってるのよ?陽華にいくら預けているか…」「ギギギギ…分かったよ」しかし陽華は出社しなかった。秦施は電話を切って陽華にメッセージを入れながらエレベーターを降りた。「…まだ泣いているのかしら(ボソッ」その時、うっかりブレスレットを落としてしまう。すると同乗していた女性が拾ってわざわざ手首にはめてくれた。「ありがとう…」実はその女性は何東娜(ホードンナー)の案件の当事者だった。陽父は胃腸炎で仕事を休んでいる息子を訪ね、弁護士から預かった邱建祥に関する書類を届けた。実は邱建祥の弁護を引き受けたのは李黛(リーダイ)、陽華と連絡が取れず、やむを得ず実家を訪ねたという。『邱建祥は陽華の恩師です… トラブルはありましたが、今でも彼が一番優秀な弟子であることに変わりはありません』しかし陽母は激怒、邱建祥のせいで息子は廃人となって帰国し、それから4年間も引きこもっていたと恨みを募らせた。『全てあの″恩師″のせいよ!…どうぞお帰りください 息子が潰されると知っていたらカナダになんか行かせなかった!』陽父は陽母が大泣きしたのは弁護士のせいではなく、自らを責めているようだったと話した。すると陽華は父に邱建祥を助けるべきか聞いてみる。陽父はまず自分自身を助けるよう励まし、他人を許すことで自分も楽になれると助言した。姚遥(ヤオヤオ)は何東娜が宿泊した当日のナイトマネージャーだった。陶俊輝と呉菲は昨夜の気まずい雰囲気のまま面談に臨んだが、姚遥はホテルの代表ではなく個人的に事情を説明に来たという。「あれは事実ではなく、彼女の作り話です」あの夜、何東娜がチェックインしたのは21時頃だった。事前にバトラーサービスへリクエストがあり、そのひとつが夜間にゲストの部屋で待機することだったという。姚遥は希望通り部屋にいたが、その時、ガラスが割れる音とゲストの悲鳴が聞こえた。驚いた姚遥が駆けつけると、バスルームで腕から血を流しているゲストを発見する。証拠写真のバスルームはバスタオルだらけだった。何東娜のリクエストで監視カメラが設置されそうな場所を全てタオルで覆ったからだという。「入浴中にガラスが割れたとおっしゃいましたが、私が見た時は服を着ていました」そもそもチェックアウトすると言い出したのは何東娜だった。姚遥はなだめようとしたが何東娜は駆けつけたフタッフに暴行、さらに海外の病院で手当したいのでヘリを呼べと騒いだという。仕方なく姚遥はチェックアウトして何東娜を車に乗せ、病院へ付き添うことにした。しかし途中で病院に向かっていると知った何東娜が車を止めろと暴れ出し、危うく事故を起こすところだったという。陶俊輝と呉菲は唐伊慧(タンイーフイ)と馬(マー)律師に姚遥の証言を聞かせた。姚遥はマーケティング部のマネージャー、現在は離婚して独身、5歳の息子がいる。ホテルで唯一のバトラーアカデミー卒業生でワインの国際資格レベル4、主にVIPを担当しており、ゲストも著名人ばかりだった。陶俊輝は姚遥に勤務上の問題はなく、ホテルも彼女を解雇するとは思えないという。すると呉菲が世論を味方につけてはどうかと提案した。「姚遥は幼少期、幸せな家庭に恵まれなかったようです、母子家庭で母親は病弱 しかし結婚を機に航空会社を退職、相手は富豪の御曹司で、典型的な玉の輿でした ただ結婚生活は幸せではなく、2年で破綻しています もし世論の矛先がホテルに向かえばネガティブな話題が次々と出て来るはずです」しかし陶俊輝はもっと慎重にすべきだと反対した。「メディアが暴走すれば深刻な結果を招く、世論は諸刃の剣です、個人攻撃は単なる下策です」陶俊輝と呉菲の意見は割れた。一方、秦施はついに11階で自分のオフィスを構えた。窓から向かいの陶俊輝のオフィスが見えるが、その時、激しい剣幕で呉菲が入って行く。「異論があるなら直接、私に言えば?!なぜ皆の前で言うの?!」実は天航(ティエンハン)グループは経営不振で買収の交渉中、悪評や起訴を避けるため姚遥を解雇するはずだという。何東娜も受け取った賠償金を慈善団体に寄付すると決めていた。「世論工作は私たちのためじゃない、天航に助け舟を出すの!真相なんてどうでもいいのよ!」「なぜ早く言わない?」「話そうとしたわ、でも昨夜…」秦施のオフィスに唐伊慧がやって来た。ちょうど呉菲が怒って陶俊輝のオフィスを出て行ったが、唐伊慧は別段、気にする様子もない。「陽華の体調は大丈夫?」「胃腸炎よ、薬で治ったわ」「実は今、大事な仕事を抱えているんだけど…手伝ってくれない?」つづく(  ̄꒳ ̄)呉菲、上手いわ~本当に嫌な女に見えるもんw
2023.12.13
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第28話「再会」大女優・何東娜(ホードンナー)のホテル強制退去騒ぎ。マスコミが注目する起訴だけに、秦施(チンシー)は自分の知名度を上げるチャンスだと野心が揺さぶられた。すると思いがけず唐伊慧(タンイーフイ)から呼び出しがかかる。しかし必要とされたのは自分の力ではなく陽華(ヤンホワ)だった。「彼なら胡平(フーピン)と話を合わせられるわ」秦施は陽華のボロが出ることを心配して遠回しに断ったが、かえって何か条件があると勘ぐられてしまう。「何が欲しいの?」「違うわ、本当に仕事で挫折した彼を傷つけたくないの」唐伊慧はやけに謙虚な秦施に驚いたが、ともかく陽華と一緒に食事に来て欲しいと説得した。「何東娜の案件を陶俊輝(タオジュンフイ)と一緒に、これでどう?」一方、仲直りした秦文宇(チンウェンユー)と任梅梅(レンメイメイ)は母にホテルの仕事を任せ、新婚旅行をやり直すことにした。仕事に復帰した陽華は最低限の人付き合いをするよう心がけた。しかし今日は秦施と待ち合わせ、そこで定時と同時に帰ろうとしたが、支店の花・小甄(シャオジェン)に呼び止められてしまう。実は小甄は陽華が投資部へ異動すると聞き及び、自分も一緒に連れて行って欲しいと頼んだ。陽華は異動ならまだ未定だと否定し、そもそも部門を超えた依頼は規則に反すると突っぱねる。そこで小甄は″永利(ヨンリー)21″を持ち出して陽華を脅した。「知ってるんですよ…ミスした担当者は報道されていない、でもあなたでしょう? 辞めた時期が合うもの」「君には関係ない」陽華は小甄を蔑むような目で見ると帰ってしまう。陽華が歩道で立っているとちょうど秦施の車が停まった。「中でお茶でも飲んで待っていれば良かったのに~」すると秦施は助手席に乗り込んだ陽華にスーツを渡す。「あとで着替えて、今夜、大事な食事会があるの、唐姐の命令よ」その頃、李黛(リーダイ)は利益供与で捕まった邱建祥(チウジエンシャン)と面会していた。邱建祥はいわゆる″専門家″など当てにならず、自分のやり方を理解できるのは1人だけだという。「だが彼は…私を助けてくれないだろう」一方、着替えを済ませた陽華はベンチャーキャピタルについての資料に目を通していた。ちょうど携帯が鳴ったが、李黛だと気づいて電源を切ってしまう。「そろそろ時間だ、行こう」すると会場はただの食事会ではなく雑誌″トレーダー″の式典で、世界中の名だたる投資家が集まるパーティーだった。「なぜあの2人がいるの?」呉菲(ウーフェイ)は秦施の姿を見て憤慨したが、陶俊輝は唐伊慧が出張に出かけた所長と陳(チェン)弁護士の代わりに呼んだのだと気づく。「話し相手に陽華を呼んだんだろう」「今日の主役はあなたよ?…父と私が頑張ったのはあの2人のためじゃないのに」その頃、秦施はとんでもない場所に来たと気づいて動揺していた。しかし人混みが苦手なはずの陽華が全く緊張せず、むしろリラックスして見える。「大丈夫、安心して、僕のキャリアは本物だ…僕に任せて」唐伊慧は陽華の期待通りの働きに頬を緩ませた。やがて遅れて何東娜が現れたが、最優秀トレーダーを贈られる夫が急な出張で来られなくなったという。「授賞式には代わりに副代表が登壇するの そちらの投資の件も彼と話してみて、投資の半分は彼が決めているのよ」しかし副代表とは陽華と因縁がある王傑森(ワンジエセン)だった。唐伊慧は秦施夫婦を呼んで何東娜たちとテーブルを囲んだ。どこか様子がおかしい陽華を心配する秦施、すると唐伊慧が副代表に陽華と知り合いかと尋ねる。「はい、かつての同僚です、ジェームス…いや陽華は最高のファンドマネージャーでした 会うのは4~5年振りかな?」陽華と王傑森は恒利(ホンリー)時代の同僚で、共に邱建祥から投資を学んだ同門だった。すると陽華は居たたまれなくなり、具合が悪いと断って出て行ってしまう。…永利21の失敗の責任を取り、退職を決めた陽華邱建祥は愛弟子を守るため陽華の名前が報道されないよう止め、ほとぼりが覚めてからやり直すよう説得するしかし陽華は退職届を提出し、コミッションを返して帰国すると伝えた『ここから一歩でも出たら2度と証券業界には戻れんぞ!』陽華は恩師を無視してオフィスを出たすると王傑森が陽華に近づき声をかける『辞めるのか?なら取締役会で″新華(シンホワ)バイオの買いを決めたのは陽華だ″と証言する 辞めるなら罪を被ってくれ』陽華は思わず王傑森の胸ぐらをつかんだが、手を挙げることもできず涙をのんで引き下がった…呉菲は陽華が本物のエリートだと分かって面白くなかった。そこで帰国したばかりの副代表に邱建祥なら利益供与の疑いで勾留中だと教える。すると秦施はふと思い出し、永利21の件について探りを入れた。「邱总はカナダで巨額の損失を出したせいで帰国したとか… 若手のマネージャーが関わったそうですが、腑に落ちないのです 恒利には皆さんのような優秀な方がいたのに、なぜ若手に莫大な資金を任せたのですか?」「秦律師、当時、永利21は1番人気でした、そして1番のやり手がジェームスだ ジェームスはどんな相場でも平均収益率20%以上を叩き出したよ」呉菲はつまり永利21を清算に追い込んだ担当者が陽華なのかと確認した。しかし王傑森は誰とは言っていないとはぐらかす。その時、秦施の携帯が鳴った。📱<僕は先に帰るよ、自分で運転しないで代行を呼んで…陽華はどこにいるかも告げず、電話を切ってしまう。秦施は陽華の具合が悪いと断って先に帰った。運転を代行に頼み、流れる景色を眺めながら電話に出てくれない陽華を探す。その時、偶然、通りでうなだれている陽華を見つけた。「具合が悪いなら病院へ行きましょう?」すると陽華は秦施が来てくれたことに気づき、しがみついて泣いてしまう。秦施は陽華を連れて昔なじみの店に入った。「ここの麻辣湯(マーラータン)は学生に人気だったの…学生が新キャンパスに移ったから席が取れたのよ …このゴマだれを試してみて」陽華を心配して甲斐甲斐しく世話を焼く秦施、その優しさは陽華の心を次第に軽くしてくれた。「食べよう」一方、呉菲は帰りの車で上機嫌だった。陶俊輝は何がそんなに嬉しいのか分からなかったが、呉菲は副代表が偉そうな陽華のキャラ設定を壊してくれたという。事件後、結局、邱建祥は責任を取って恒利を辞めたが、王傑森もその数ヶ月後に退社していた。しかし陽華が辞めたのは騒ぎの直後だったという。「つまりミスを犯したマネージャーが陽華なのよ~ふふ」つづく( ๑≧ꇴ≦)呉菲wwwイイヨイイヨ~w
2023.12.11
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第27話「勝ち組」邱建祥(チウジエンシャン)は大学生だった陽華(ヤンホワ)の才能を認め、自らスカウトしていた。当時、彼の下で働きたいと願う者は大勢いたが、ファンドマネージャーになれるのは20人、そのうち中心メンバーが8人で、さらに実際に邱氏から直々に指導を受けられるのが3人だったという。「その3人の中で最少年でキャリアも浅いながら、最も多くのファンドを操ったのが陽華だ」蔡亮(ツァイリャン)はまるで自分のことのように自慢したが、結局、陽華は″永利(ヨンリー)21″の失敗で出世コースから外れてしまう。一方、陶俊輝(タオジュンフイ)は秦施(チンシー)に嫉妬する呉菲(ウーフェイ)を安心させるため、結婚を早めることにした。そこで母を連れて呉家を訪ねたが、とんとん拍子で話がまとまり、呉父が呉菲に新居の鍵までプレゼントしてくれる。しかし息子と帰宅した陶母は呉家の態度に困惑していた。以前は新居の相談をしてもはぐらかされてばかり、それが一転、いきなり数千万の豪邸を差し出したのだ。「もしかしてあなたたち喧嘩でもしたの?ごまかさないで」「…分かった、話すよ」陶俊輝は婚前協議書にサインしたと教えた。陶母は憤慨、いくら相手が金持ちとは言え、息子が見下されるのは許せないという。確かに呉菲は家柄も年齢も秦施よりはるかに好条件だが、息子が卑屈になったり取り入るのは嫌だった。「あなたの努力を知っている、自力で1歩ずつここまで登り詰めた お金なんかどうでもいい、2人が幸せかどうかよ!」「頼もしいママがいて幸せだよ」蔡亮は陽華に会計を任せ、秦施を連れて先に店を出た。「あいつが過去のことを話したのは初めてだ、これで分かったよ 邱建祥との確執は永利21が原因なんだ、これからは君があいつを導いて欲しい」秦施と陽華は蔡亮と別れ、歩いて帰った。すると秦施がファンドの失敗は陽華のせいではないという。「知り合う前のことなのになぜ分かるんだ?」「知っていたわ、その頃にあなたを見初めたんだものw…あなたを信じてる」「トラブルの2年前、僕は邱建祥に代わって永利21のトレーダーとなった 1年後には収益率を37%まで押し上げたよ、当時は22歳でコミッションだけで数千万元を得た だがまさかその10ヶ月後、突然、全てを失うとは思いもよらなかった」陽華はミスが怖いわけではなく、本当に恐ろしいのは人の心、嫉妬や欲望だという。その時、ふいに迷い犬がやって来た。「老婆(ラオポー)…うちの子にしないか?」秦施を初めて″奥さん″と呼んだ陽華、秦施は照れくさいような何とも言えない幸せを感じる。しかしすぐに飼い主が現れ、子犬を引き取って帰って行った。「僕も以前は周りにチヤホヤされて全て思いのままだった でもある日、自分が何者でもないと気づいたんだ…犬以下なんだと…」「あなたは私の可愛い子、これからは私が養ってあげる、大事に育てるわ、捨てたりしない」陽華は思わず秦施に抱きついたが、その時、秦施の携帯が鳴った。📱<梅梅(メイメイ)が死ぬと騒いでいる…すぐ来てくれ」秦文宇(チンウェンユー)のマンションでは刃物を持った梅梅がベランダに立っていた。必死に説得する文宇、そこへ慌てて秦施と陽華が駆けつける。「…来ないで!飛び降りるから!」「どうぞどうぞ、こんな高層階から飛び降りたらその綺麗な顔がくちゃぐちゃよ? このまま死んだらこの男の思うツボ、それでいいの?」「何よ!兄妹で私をいじめて…ゥッ…うわ〜ん!」すると梅梅は刃物を捨てて泣き崩れてしまう。最近、献身的に妻に尽くしていた秦文宇、実はそれには理由があった。文宇は母から子供ができたら車を買ってやると言われ、梅梅にこっそり排卵促進薬を飲ませていたという。梅梅はスポーツカーのために妻に薬を盛ったと知って激怒、しかし文宇は梅梅こそ出産した暁には自社株20%を譲渡してもらう約束だったと暴露した。再び言い争いになる2人、その時、秦施が離婚協議書を持って来る。「毎回、2人に離婚を勧めたのはどうせ別れないと分かっていたからよ でもお互い計算ずくだったとはね、恐れ入ったわ… 親友、家族、弁護士として言わせてもらう、これ以上、結婚生活を続ける必要はない」すると文宇は自棄になって協議書にサインしてテーブルに置いた。「どうせみんなで俺を見下しているんだろう? 俺は優秀な兄貴と妹の引き立て役に過ぎない 2人は親に可愛がられたが、俺は違う、一度も褒められたことがない お前たちは人生の勝ち組、俺は何をやっても失敗ばかり、美人妻は離婚協議書を常備している! 俺だって人間だ!プライドがある!子作りに協力して何が悪い!」「そんな悲しいこと言わないで!」梅梅は思わず文宇に抱きつき、自分にとっては最高の夫だと泣いた。秦施は兄夫婦の仲直りを見届けて陽華とマンションへ帰った。「あの二人、人の気を引くために喧嘩しているのよ いい加減、大人になって欲しいわ、新鮮さを保ちたいなら他に目を向ければいいのに…」「それは違うと思う、良い関係によそ見は関係ない」「じゃあ、一人の女性に永遠の愛を誓える?」「相手による…君ならたぶん大丈夫」「たぶん大丈夫って?他に候補がいるのね?」「君だけだよ」復帰初日、陽華は迷惑をかけた蔡亮に差し入れを届けた。いつもの傲慢さが消えた親友の姿に戸惑う蔡亮、しかしあの一件で陽華は投資部へ移動が決まり大出世だという。陽華はクビにされたかと思えば出世と言われ困惑していたが、デスクに戻るとその理由はすぐに分かった。実は邱建祥が利益供与の疑いで拘束され、ファンドの販売は停止、賈(ジア)経理(マネージャー)は頭取に呼び出され絞られているという。一方、秦施にも良い知らせが舞い込んだ。主任・喬思明(チャオシーミン)の話では張(ジャン)弁護士が武漢に転勤が決まり、唐伊慧(タンイーフイ)がその部屋を秦施に使わせると言ったという。資料室の一件ですっかり秦施に嫌われ、機嫌を取るのに必死な喬主任、そこで秦施がオフィスを移ったらお祝いに大きな花かごを届けると言った。「あ、思い出した、あなたと李黛(リーダイ)が2500万のことを漏らした件、私は誰にも言ってない…」「分かった分かった!シャンパンもつける」「ところで大勢、集まっていたけれど、誰が来たの?」大女優・何東娜(ホードンナー)が深夜に天航(ティエンハン)ホテルから強制退去させられた。呉菲は代理人として記者会見に出席、経緯を説明する。何東娜はチャリティ活動に参加するため前夜にホテルにチェックインしたが、入浴中にシャワールームのガラスが割れて腕を負傷した。ホテル側は手当てを怠っただけでなく、午前3時に一方的に追い出したという。「天航ホテルの無礼に対し厳重に抗議します 当方の要求は謝罪と当該スタッフの解雇、損害賠償です」何東娜側はホテルに3日の猶予を与え、謝罪がなければ起訴を起こすという。秦施は証拠が確実なら勝って当然の案件だと分かった。しかし喬主任はどうもおかしいという。ホテル業界と言えば今は不景気、宣伝になりそうな大女優を追い出すだろうか。秦施はそれより薄利の訴訟に興味を持たない唐伊慧がなぜ引き受けたのか不思議だった。「鋭いね、何東娜は西美(シーメイ)PRの社長の友人だとか…彼女の広報も西美が担当している」「また西美?…ふっ、将来の娘婿においしい案件を用意したのね」「それだけじゃない」驚いたことに唐伊慧は陶俊輝に馬太斉(マータイチー)と陳俊(チェンジュン)を加えた最強の弁護団を作っていた。実は何東娜の夫はベンチャーキャピタルの代表・胡平(フーピン)だという。胡平は経済界で知らぬ者がいない大物投資家、めったにお目にかかれない存在だった。唐伊慧は何東娜のツテで紹介してもらえることになったが、肝心な時に夫が急なトラブルで陳弁護士と出張へ出かけることになる。「明日の朝にしたら?…世間話ならいいけれど、私は投資の話が苦手なの せっかく会えるチャンスなのよ?!リスケジュールなんて絶対に無理!」「なら諦めろ、計画は半年遅らせただろう」「投資会社の翻意がなければ今頃、上場してたのに…」唐伊慧は彼らがライバル事務所のセンチュリーに投資したことに憤り、何とか胡平を取り込もうと必死だった。それにしてもこれほど精鋭を揃えた事務所に胡平の相手ができる人材がいないとは…。つづく(; ゚ェ゚)老婆=妻って地味に衝撃よねw
2023.12.10
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第25話)第52話「歳月を経て」15年前の孤城陥落の真実と凌不疑(リンブーイー)の出自が明らかとなり、大きな節目を迎えた宮中。文(ウェン)帝は宣神諳(シュエンシェンアン)の希望を叶え廃后とし、皇太子も降格となった。これで越姮(ユエホン)が皇后に冊封されれば、三皇子は滞りなく東宮へ入れるだろう。一方、程少商(チォンシャオシャン)は恩人である宣皇后に終生、付き添うと決めて長秋宮へ戻った。淡々と流れていく歳月、その頃、北西に駐留する霍不疑(フォブーイー)は再び殺戮に明け暮れていた。しかし今でもその右腕には少商の弦がある…。そんなある日、少商は父からの書簡を受け取った。程家で慶事があり、二兄・程頌児(チォンソンアル)と万萋萋(ワンチーチー)、堂姉・程姎(チォンヤン)と班嘉(バンジア)、そして使用人の蓮房(リエンファン)と符登(フードン)、さらに姎姎の父で二叔父・程承(チォンチョン)と青蓯(チンツォン)が成婚したという。やがて二兄夫妻は双子に恵まれた。長秋宮でも嫁ぐ五公主を送り出し、穏やかな日々が続く。こうして5年が経った。正月の夜は雪となった。宣皇后は今年も家に帰らない少商を心配したが、少商の話では程家でそれぞれの夫婦に子が生まれ、自分が戻っても座る場所さえないという。すると宣皇后は新年の願い事で少商が良人と出会い、嫁いで子を産む姿が見たいと言った。しかし少商は一生、嫁ぐつもりはないという。「まだ吹っ切れないの?」「いいえ、ただ許せないだけ…縁が切れて別れたのです、もう有り得ません」宣皇后は少商と子晟(ズーション)の復縁を願っていたが、やはり少商は簡単に自分を曲げることはない。「ではこう願うわ、私の死後、あなたの余生に同伴がいるようにと…」「縁起でもない…」「少五が嫁いで行った今、1番の心残りがあなたなの…あ、見て、こんなに雪が降って来たわ」宣皇后は寝殿に入ることにしたが、その時、ついに倒れてしまう。孫(スン)医官は宣皇后の余命を早くて1ヶ月、長くても春までと診断した。しかし頑なに皇帝と越皇后の見舞いを拒み、長秋宮を明け渡したいと申し出る。「本来なら東海(トウカイ)王と属地に移り、東海太后と名乗るべきだと…」少商は越皇后に長秋宮を返したい旨を伝えたが、越皇后は住み慣れた永楽(エイラク)宮を移動したくないと断った。「呼び名も変えなくていい、これ以上、蒸し返すことがあれば私を不快にさせるだけよ」「越皇后に感謝します」 袁慎(ユエンシェン)が回廊で待っていると少商がやって来た。この5年、袁慎は宮中に留まる少商に付き添って縁談を全て断って来たが、待っていた甲斐はあったのだろうか。「少商、宣皇后も望んでいる、伴侶を持つ気はないか?ならば私を選べ 家柄も合うし、互いに伴侶が必要だ、いっそ宣皇后を安心させるため一芝居、打つのはどうだ」「袁善見(シャンジエン)、あなたの想いには応えられない」「少商、そなたの縁談が潰れてばかりなのは目先が利かぬからだ 私は両親からも放任されて育った、自由を望むなら都で私ほど自由な者がいるか? 我らこそ最適なのに私の望みに応えられぬと?」袁慎は互いに生まれながら誰にも関心を持たれず、病友であり盟友でもあると訴えた。利が一致すれば互いに信頼し合い、裏切ることはないという。「私は某人より自分を大切にするし、危険にも近寄らぬ、ゆえに私の方が最適だ」病床の宣皇后が薬を飲んでいると、少商が戻って来た。何やら考え事をしているのか、衝立て越しでも上の空だと分かる。実は皇帝は余命わずかとなった宣皇后のため、北西にいる霍不疑を呼び戻していた。…近いうちに到着する…複雑な面持ちで寝殿に入った少商、確かに宣皇后の言う通り、わだかまりに捉われていては更なる苦しみに陥ってしまうだろう。…過去は過ぎ去るもの、今と将来を大切にして、そのためにはわだかまりを突き破る必要がある…少商は袁慎に自分の心に″彼″がいても娶るのか聞いていた。…待つよ、そなたが奴を忘れるまで待ち続ける、いつか振り向いてくれるまで…「皇后、皇宮を出る許可をください、袁善見と婚約しようと思います」霍不疑が5年ぶりに宮中へ戻った。ますます義兄に似て来た子晟の姿に思わず目が潤む皇帝、しかし軍装でも生傷が絶えない身体だと察しがつく。「なぜ1番の精鋭を都に残したのだ?皇宮を出られない少商には必要ないであろう?」不疑は梁邱起(リャンチゥチー)を少商の護衛のために残し、梁邱飛(リャンチゥフェイ)だけをそばに置いていた。邱飛の報告では5年前、王(ワン)将軍が戾(レイ)帝の残党に襲われ、若主公が救出に向かうも敵は死士、多勢に無勢で負傷したという。「袁善見の父親が兵を率いたはずだが?」「分かりません、そして2年も経たぬうちに若主公は蜀へ討伐に行きました その時、襲撃に遭った程頌(チョンソン)将軍を…」「もういい」不疑は邱飛の話を遮ったが、皇帝は凱旋した程頌が褒美をもらいに来ない理由が分かった。「少商は知っているのか?…もしや兄を助ければ復縁できると期待したのか?」「…私は過ちを犯しました、少商の許しなど求めるはずがありません 少商に知られたら、かえってもっと疎まれてしまうでしょう」皇帝は子晟に下心がないと知って安堵し、今後は度田令を監督している皇太子を補佐して欲しいという。実は少商は5年ぶりに皇宮を出ていた。袁善見との縁談を進めるためで、近々、成婚するという。「お前はどうする?崔祐(ツイヨウ)さえ正室の座は空けて妾を取ると決めたぞ?」「皇父、ご心配には及ばぬかと…」皇太子は北西の軍営で駱済通(ルオジートン)が献身的に子晟の面倒を見ていたらしいと伝えた。噂では駱済通が都へ戻って子晟と成婚すると宣言しているという。しかし不疑は憤慨、成婚などあり得ないと否定した。霍不疑は阿飛と宮中を後にした。これから直ちに霍氏の墓と祠堂を修繕し、妻は娶らず子もなさぬと祖先に報告するという。(´ ・ω・)<若主公~それってどうみても吹っ切れてないっていうか~するとちょうど外出していた袁慎たちが城門に入って来た。袁慎は馬を降りて少商を馬車から降ろしたが、その時、2人は子晟の姿に気づいて呆然となる。しばし見つめ合ったまま立ちすくむ少商と不疑、袁慎はただ黙って待つほかなかった。霍不疑は意を決して少商に向かって歩き始めた。すると少商はどう接したら良いのか分からず、咄嗟に袁慎の馬に飛び乗ってしまう。その時、不疑がまたがった少商の足を支え、大事そうにあぶみに乗せた。まるで第9話で初めて馬にまたがった少商の足をあぶみの中に通してくれた時のように…。「感謝します、霍将軍…でももう昔の程少商ではない、あぶみがなくても乗れる」少商は馬を駆けて去って行った。安堵した袁慎だったが、霍将軍が戻ったからには少商を諦めないつもりだと疑う。「少商の中で私はお前に及ばぬ、しかし少商の性分ならお前を選ぶとは限らない」しかし不疑は黙ったまま拝礼して帰って行った。北西の賈(ジア)家に嫁いだ駱済通が長秋宮に挨拶にやって来た。宣皇后と少商は都に戻った駱済通を歓迎したが、どこか言葉の端々に棘がある。「あなたは幸運ね、私なんて不遇の身… 夫が重病で四六時中、世話ばかり、再嫁を狙っていると陰口まで叩かれたわ だから私も意地になって夫の死後も賈家の君舅君姑に奉仕した でも子晟にも前を向けと言われたの 厳しい人だけれど私には寛容で、私だけ天幕に入らせ、酒や食事を届けさせた その後、天幕に入れなくなったけれど、私に苦労させないためね」駱済通は恐らく子晟が都で求婚してくれると自慢したが、宣皇后も少商も当てつけだと分かった。「…皇后が病となり吉事に水を差しましたね?」「いいえ、そういう意味では…」「分かっています、皇后が在位中は駱家を何度も庇護してきました 恩人の前で恨み言など言えるはずない、もし本音なら畜生も同然です」そこへ翟(ジャイ)媪(ウバ)がやって来た。「駱娘子、早く実家へ戻らないと…先ほど実家から連絡がありました 霍将軍が2台分の嫁荷に加え、巨大な銅鏡を届けて長老に命じたそうです ″駱娘子の嫁ぎ先をすぐ探すように″と…」「銅鏡?鏡とはね…」少商は思わず失笑した。翌日、霍不疑が屋敷へ戻ると駱済通が待っていた。駱済通は北西で連れ合った自分への仕打ちに憤ったが、不疑は確かにかつて連れ合いがいたことはあったという。あの時、駱済通は負傷した子晟の意識がないのを良い事に勝手に介抱していた。結局、すぐ軍営から追い出されたが、駱済通は外に住み着き、再び忍び込んで洗濯をしたという。「私は顔も見ていない 都へ戻る時も軍の後ろを追って来たそなたとは話もしていないぞ? それのどこが連れ合いだ?」「でも3年前、天幕にも入れてもらえなかった私が今はこうして顔を見てもらえます」駱済通は妾でも構わないと食い下がった。すると不疑が馬から降りて来る。実は不疑はとうに気づいていた。駱済通の亡夫・賈七郎(ジアチーラン)は病弱だったが、20歳の若さで死ぬほどの病ではない。「お前が謀って殺したな?その方法は言うまでもない」子晟が北西に駐留すると知った駱済通は夫の薬湯に毒を盛っていた。「…程少商のため?だから私を拒むの?」「程少商がいなくてもお前に情はなかった」つづく(ˇ꒳ˇ *)今回もいい話だったわ〜でもここにきてラクダさんが闇堕ち?せっかくしみじみしてたのにな〜
2023.12.09
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第24話)第51話「それぞれの区切り」凌不疑(リンブーイー)は15年間という長い歳月を耐え、ついに本当の名を明かした。「私の名は霍無傷(フォウーシャン)」「霍兄、すまなかった、今まで気づかぬとは…許してくれ」文(ウェン)帝は亡き義兄の忘形見を抱きしめ号泣したが、不疑は己の罪を認め、死を望むという。すると左(ズオ)御史中丞がこれ幸いと即座に死を賜るよう上奏、皇帝の逆鱗に触れても追及の手を緩めなかった。そもそも凌益(リンイー)が敵と通じた証拠がないという。しかし思いがけず廷尉府の袁慎(ユエンシェン)が証拠を持ってやって来た。凌益の妻・淳于(チュンユー)氏は職人に作らせた女媧像を汝陽(ジョヨウ)王妃に贈っていた。「その中に彭坤(ポンクン)と凌益の書簡が隠してありました、孤城を占領した証拠になるかと…」皇帝は書簡を確認、左御史に投げ渡した。しかし左御史は霍将軍にはまだ東宮の虎符を盗んで軍を動かした大罪があると食い下がる。すると今度は三皇子が駆けつけた。左御史の弟である左将軍は子晟(ズーション)の救出を邪魔しようとして捕まっていた。将軍は拷問により何もかも自供、左家は田(ティエン)家酒楼の番頭・田朔(ティエンシュオ)に大金で抱き込まれていたという。実は田朔は戾(レイ)帝付きの内侍で、腹心中の腹心だった。朝廷から戦神・凌不疑が消えれば安心して山河を奪い返せると考えたのだろう。内侍は田朔と名を変えて商人として潜伏、この数年は酒楼を隠れ蓑にしていたが、朝廷の官員も多く往来していた。「雍(ヨウ)王や小越(ユエ)侯とも結託していたのです! 父皇、彼らは田朔にそそのかされ、国と民に害を及ぼしたかと…」「田朔は霍将軍に恨みがあると言っただけ…戾帝の内侍など知りませぬ!」左御史は無実を訴えるも後の祭り、朝堂から引きずり出されてしまう。「厳しく拷問を科せ!死んでも構わん!」しかし三皇子の報告で田家酒楼はすでにもぬけの殻、謀反の証拠をつかむも田朔に逃げられてしまったという。( ๑≧ꇴ≦)ノ″ さようなら、おじいちゃ~ん!皇帝は奥殿に子晟と三皇子を呼んだ。確かに今回、子晟が虎符を使ったせいで皇太子は弾劾され、名声まで地に落ちている。三皇子は必要に駆られて使ったのだろうと庇ったが、皇帝はすでに気づいていた。「太子の手にあった虎符は偽物だ、小越侯に盗まれた虎符を子晟が取り戻し、そのまま持っていた お前たち2人は最初から…」「そうです」もはや隠し立てできないと悟った三皇子は皇兄ではこの国を担えないと訴え、楼犇(ロウベン)の事件も正しく賞罰しなかった皇兄が原因だという。実は子晟も同じ意見だった。子晟の話では皇太子のそばにいたわずか数ヶ月で東宮の全てを掌握できてしまったという。「太子が即位後、私さえ望めばすぐにでも政を乗っ取れる…そんな場面を見たいと? もちろん二心などありません、しかし私が思うに太子では重責を担えません」「よく言ったわ」すると皇后・宣神諳(シュエンシェンアン)が現れた。皇后は確かに子晟の言葉は理に適っていると認めた。一連の事件は立太子を誤った皇帝、凡庸で才のない皇太子、志を抱く三皇子、深い恨みを持った子晟、そして息子を溺愛した自分自身に関係があるという。「しかし少商(シャオシャン)は?この件と何の関係が?なぜ巻き込んだの?まさかこれも国のためだと? あなたの言葉は全て正しい、小さな情を捨て、天下を潤す なら聞くわ、あの日、城陽(ジョウヨウ)侯府に赴いた時、少商を捨てると決意していたの?」その時、子晟の頬を一筋の涙が流れた。「…はい」「今の言葉は本心?今回の件を悔いてはいないと?」「悔いていません」皇后は不疑の返答に深く失望し、そこで少商を呼んだ。「少商…」子晟は少商が自分の答えを聞いていたと知り、動揺した。「少商、許しを求めるつもりはない、だが信じている、分かってくれると…」「分かっています…でもあなたは私を分かっていたかしら?」すると少商は皇帝と皇后に破談を申し出た。「少商、聞いてくれ…」「今度はあなたが聞く番よ…私は昔から運が悪かった、真心なんて信じなかったわ でもあなたに出会い、言われるがまま好きになり、頼れと言うから頼った 信じろと言うから信じたのよ?でもあなたは? あの時、伝えたはず、私を捨てたら一生、許さないと… 霍将軍、どうか旧情に免じて私を解放してください」( ;∀;)シャンシャン…崇徳(スウトク)宮を出た少商は後宮へ続く長い回廊を歩いていた。すると途中で少商を心配して待っていた袁慎と出くわす。「少商、家に帰るんだ、奴が虎符を使った以上、太子と皇后も廃されるだろう」「廃されてもそれは皇后が自ら願い出たからよ、きっとお疲れのはず… 私も疲れたわ、もう家に帰りたい」少商はとりつく島もなく、会話をさっさと切り上げて行ってしまう。一方、宣神諳は皇帝に皇后の印璽を差し出していた。皇太子を廃し、母としての責任を取って皇后の座を降りたいという。「これまで流されるまま生きて来ました… その昔、陛下に妻がいると知りながら、舅父に言われるまま嫁いだ 私を皇后に立てると言われた時も、后位が荊の道だと知りながら受け入れたのです 太子は父の性格によく似ていました 本来なら書や学説で名を馳せられたはず、でも太子となったばかりに毎日、寝食もままなりません どうか国のために私たちを廃してください 越姮(ユエホン)が皇后なら三皇子も正当に東宮へ入れるでしょう」しかし皇帝は廃后だけはどうしても認められないと拒んだ。「太子に比べて皇后の非がどこにあるのだ?!廃す理由があるか?!」すると宣神諳は初めて思いの丈をぶちまけた。「もし私にも恨みがあったと言えば? この数十年、陛下と阿姮が笑ってふざけ合う姿を見るたび、心が蝕まれる思いでした 本当はいつも嫉妬と恨みに駆られていたのです! もううんざりです、后位に就く限りこの苦しみを味わう! 想い合える夫の愛を望んでいたのに、私は仲睦まじい2人を鷹揚として受け入れるしかなかった もし陛下が私に少しでも夫婦の情があるなら、これ以上、苦しめないでください 一度でいい、宣神諳として生きてみたいのです!陛下!」( ;∀;)皇后ォォォォ~皇太子は東海(トウカイ)王に降格、皇帝は宣神諳の望み通り長秋宮での軟禁を命じた。また凌家は取り潰しとなり、凌益の三兄弟は斬首になったという。霍無傷は凌不疑の分も生きたいと名を引き継ぎ″霍不疑″と改名、償いとして北西に7年の駐留を申し出た。そんな中、曲陵(キョクリョウ)侯府に梁邱起(リャンチゥチー)を通して不疑からの伝言が届く。本日、北西に発つため少商にひと目だけでも会いたいというのだ。しかし少商は双子の兄・程少宮(チォンシャオゴン)に見送りを頼み、巾着袋を託した。「遠き地にいればもう会わなくて済む、過去は断ち切るわ」少商は父と兄たちに散歩に行くと言って出かけた。蕭元漪(シャオユエンイー)と青蓯(チンツォン)は偶然、正門へ向かう少商の後ろ姿を見かける。「女公子はすっかり変わりましたね」「以前は少しでも落ち着いて欲しいと思ったのに、今やあそこまで落ち着き払って別人のよう 何だか以前のように勝ち気で他人を圧倒し、騒ぎを起こしている方が安心する 青蓯、初めから私が間違っていたのかしら?」「成長したのです、母ならば誰もが離れゆく子の姿を見る、一生は付き添えません」少商が馬車に乗ろうとすると、母たちが追いかけて来た。「少商?どこへ行くの?」「長秋宮です」「宣皇后は廃后後、自ら軟禁を申し出た、行ってどうするの?」「そんな時こそおそばにいなくては…阿父と阿母が孤城救援のため私を家に置いたのと同じです どうか忠義を全うできるよう私を長秋宮へ」一方、霍不疑は城門で少商が来るのを待っていた。梁邱飛(リャンチゥフェイ)はそろそろ出立するよう伝えたが、不疑は動こうとしない。その時、馬を駈けて程少宮がやって来た。「少宮、少商は?」少宮は黙って巾着を投げ渡すと、縁が切れた以上は強引に求めないで欲しいという。「…少商は他に何か?」「″もう会うこともない″と…」巾着には不疑が出征する時に託した凌府の印が入っていた。…裏切れば一生許さない、それが彼女だ…不疑は涙を拭うと、北西に出発した。( ;∀;)ウーレイィィィィィィィィィィ! ←違うw少商は母と程姎(チォンヤン)に別れを告げ、宮中に向かった。黙って馬車を見送る蕭元漪、しかし長秋宮が冷宮同然だと知りながら忠義を尽くすと言った嫋嫋(ニャオニャオ)の様子が引っかかる。…まさか、戻らないつもりでは?永遠に冷宮に留まると…「早く!馬車を準備して!」蕭元漪は急いで娘の馬車を追いかけたが、嫋嫋はすでに城内へ入っていた。その時、ちょうど馬車から降りてくる嫋嫋が見える。「嫋嫋!嫋嫋!行ってはダメ!母が間違ってた!母が謝るから…嫋嫋…」蕭元漪は必死に叫んだが、虚しくも城門は閉まってしまう。つづく(⸝⸝ ˘ω˘ )いやあぁぁぁぁ~良かったこれは琅琊榜ep26と東宮最終話に続く名場面かも〜何より皇后が良かったわママ?うーん、ママは…w
2023.12.08
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第26話「私にできること」丁方方(ディンファンファン)の婚約者・曹以任(ツァオイーレン)は起業で大成功を収めた青年実業家に見えたが、会社の内情は自転車操業だった。陶俊輝(タオジュンフイ)は事業の弱点を指摘、曹以任は丁氏という後ろ盾を得るため方方と結婚するつもりだと見抜かれてしまう。「僕たちは同類だと思っていたのに…」「思い込みですよ、午後に事務所で婚前協議書にサインを…」陶俊輝は環境モニタリングの調査を検査局にいる友人に協力してもらったが、実際に調べたのは食器棚だけだった。「やるわね~成長したじゃない」秦施(チンシー)はあの堅物の陶俊輝が曹以任に鎌をかけたと知って感心、するとそこへ裁判所から戻った呉菲(ウーフェイ)がやって来る。「話があるの…」呉菲は強張った表情で笑顔がなかった。…陶俊輝と秦施の写真は事務所の防犯カメラのものだった『ひどすぎます!父の依頼で動いていたのね!』呉菲は唐伊慧(タンイーフイ)のオフィスに乗り込むなり写真を突き返し、激しく抗議したしかし唐伊慧は悪びれる様子もなく、そもそも陶俊輝も防犯カメラの場所を知っているはずだという『初恋は忘れられないものなの、うちの夫も隣席の女子学生のことを今でも良く覚えてる 過去にとらわれないで、今はあなたが婚約者なのよ?』『でも…彼、私にはあんな目を向けたことがない』『嫉妬した方が負け、自信のある人間は人を妬まない、幸せな結婚の秘訣を知りたい? …それは親が与えてくれた以上の愛を期待しないこと、幸せは自分で作るものよ』すると唐伊慧は陶俊輝の真心を試したいなら方法があると言った…呉菲は陶俊輝に唐伊慧から受け取った婚前協議書を渡した。陶俊輝はこれが不機嫌な理由だと誤解し、内容も確認せずサインしようとする。すると驚いた呉菲が止めた。「どうして?中身も見ないで…問題だらけなのよ?私たちの愛に対する侮辱よ! なぜ怒らないの?!こんなもの破り捨てるべきでしょう?!」呉菲は興奮して泣きじゃくりながら、なぜ自らサインしようとするのかと嘆いた。しかし陶俊輝は人生は思うようにならないことばかりだという。「他人に誤解されて腹を立てても何も変わらない、大事なのは君だけだ」「…俊輝、すぐ結婚したい」「はお」↓( ;∀;)菲菲、上手いわ一方、陽華(ヤンホワ)は方宇(ファンユー)金融の商品が危険だとして販売を止め、上役の不興を買ってクビを言い渡された。仕方なく身分証を返して帰宅したが、偶然にも仕事を抜けて戻っていた秦施とはち合わせになる。すると料理に失敗したのか、キッチンが大惨事になっていた。「…あなたに手作りの料理を届けようと思ったの、まさか帰って来るなんて」「突然、どうしたの?」「突然じゃない、あなたのために何かしたいとずっと思ってた 今まであなたに世話をかけてばかりだったし、あなたのおかげで困難を乗り越えられたんだもの 私もあなたのために何かしてあげたくて…」「苦手なことをする必要はないよ」陽華は秦施の思いやりが嬉しかった。しかし秦施は家庭を陽華の足枷にしたくないという。「どちらも犠牲にせず、2人で成長して行きたいの…」「じゃあもし僕が失業したらどうする?」「私が養う、あなたが何をしようと私は応援するわ」「ありがとう」「わたしこそ、そばにいてくれて感謝してる」その日の午後、曹以任の代理人・李黛(リーダイ)が協議書を届けた。秦施は李黛を受付まで見送ったが、そこで曹以任がサインする前に丁氏と会っていたと知る。実は曹以任はこの日をずっと待っていた。婚約協議書の案件は決着がついた。しかし秦施は曹以任の弱点をつかむために利用されたと勘ぐり、唐伊慧のオフィスを訪ねる。「曹以任は老丁に取引を持ちかけたのかも? 結局、老丁も曹以任も商売人、投資で儲けが出るなら手を組んでも不思議じゃない 何だか案件の裏で別の誰かが動いている気がする…姐、私を罠にはめたでしょう? …姐が私をあんな席に追いやったのは反省させるためね?」「まったく、孫悟空みたいに輪をはめてやりたいわ 今後は勝手なことをしないで、事務所の利益に関わる情報は隠さないでね」「分かった、これからは何でも言う通りにする!」秦施は唐伊慧に命じられ、街の公共法律相談を担当した。するとあれほど秦施を怖がっていた補佐の海涛(ハイタオ)たちが家庭部に戻って欲しいという。「みんな秦律師を待ってます」「成長するために企業部へ行ったのよ?弁護士の勉強は一生続くの」秦施は奉仕を終え、陽華を迎えに行くことにした。しかし陽華が銀行をクビになったと知る。「それで解雇されたの?!…ひどい奴らね」一方、銀行は邱建祥(チウジエンシャン)から代理販売の案件を取り消され、新エネルギーシティの責任者を紹介する話もご破算になった。蔡亮(ツァイリャン)は老賈(ジア)から陽華を雇った責任を追及されたが、陽華は22歳で米国金融機関のアナリストとなった逸材で、その分析に間違いはないと反発する。そこへ部下が現れた。「あの…陽華が戻ってきました」秦施と陽華が待っていると、蔡亮と賈経理が駆けつけた。陽華が妻を連れて来たと知って賈経理は失笑、最近の若者は職場で問題が起きると女房を呼ぶのかと呆れる。「夫を解雇しましたね?理由を教えてください」すると秦施は労働基準法で認められている解雇の条件を6つ教えた。「…2?(※雇用先の規則に違反した場合)」「よく考えてください、陽華は金融機関から委託された商品に合理的な疑問を抱いただけ では改めて、陽華はどの条件に該当しましたか?」秦施は賈経理がどんな難癖をつけても論破し、逆に理由なく解雇すれば法律違反だと畳み掛けた。「仲裁機関かメディア、どちらでもお付き合いしますよ?」「きっ、君は一体、何者だ?!」「誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所のシニア弁護士・秦施です 私の身内を虐げるなら、まず私の同意を得てください…行きましょう」( ๑≧ꇴ≦)風www秦施はサプライズで料理を届けることはできなかったが、確かに得意なことで挽回した。しかし事務所から出た陽華は偶然、銀行を訪ねた邱建祥と鉢合わせになってしまう。邱建祥は陽華に気づいて自分の会社へ来ないかと誘ったが、陽華は無視して秦施と帰って行った。その夜、秦施は陽華と蔡亮の3人で飲みに出かけた。鼻持ちならない老賈が秦施にやり込められ上機嫌の蔡亮、酔った勢いで今も陽華に頭が上がらない理由を話し始める。実は大学時代、2人は模擬トレーディング大会のチーム戦に参加した。大会期間は1ヶ月、収益率で勝敗が決まる。2人は2週間で収益率17.32%、断トツの1位だった。しかし陽華はそこで売買をストップ、次第に2位以下が追い上げてくる。蔡亮はこのままでは抜かれると焦り勝手に株を購入、結局、この株で損失を出し、2位のチームに追い抜かれた。チームの差はわずか0.2%だったという。「俺は自分が株に向いていないと悟った、だから銀行に就職したんだよ こいつには永遠に大きな借りができた」すると陽華が初めて自分の過去を語り始めた。「この大会の後、僕に電話が来たんだ」邱建祥は陽華の才能を見抜き、自分の仲間にならないかと誘った。卒業後、陽華はカナダへ渡り邱建祥のもとで2年間、学んだという。「その後、ファンドマネージャーに…」つづく( ゚ェ゚)ん?もしや唐姐、陶俊輝を試すために秦施を11階へ呼んだのか?ってかそもそも唐姐が夫の元カノへの嫉妬で金の亡者になったんじゃ…w
2023.12.07
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第25話「婚前契約」その夜、陽華(ヤンホワ)は意を決して秦施(チンシー)の寝室を訪ねた。「どうしたの?話はないんでしょう?!」秦施はとりつく島もなくドアを閉めようとしたが、陽華は咄嗟に足を出して止めた。「悪かった…確かに陶俊輝(タオジュンフイ)に嫉妬していた 君と過ごした7年間を妬み、僕より先に君と出会い、思い出があることに嫉妬したんだ でも結局、僕の方が幸運だと分かった、今もこの先も君は僕のものだから…」てっきり自分の暴言が原因だと思っていた秦施は勘違いと気づき、失笑した。「幼稚かな?」「可愛い♡…あ、もしや酔ってるの?」「酔う前に来たよ」一方、呉菲(ウーフェイ)は陶俊輝を連れて丁方方(ディンファンファン)のマンションを訪ねた。すると曹以任(ツァオイーレン)もいると知り、陶俊輝は驚く。「今日、彼と会えなかったんでしょう?」「今後は先に教えてくれ」仲直りした秦施と陽華、そこで秦施は曹以任の不動屋について分析を頼んだ。彼の会社は住宅を家主から安価で借り上げ、リフォーム後に高値で貸し出している。家賃は年払いにすれば1年分で14ヶ月住むことが可能、月払いが希望なら独自のサービスで担保なしのローンを組めるという。「あの賃貸料では利益率が低過ぎて儲けがないわ」しかし陽華はあっさり曹以任のからくりを見抜いた。彼は客から集めた資金を元手にして自社のクレジット商品を売り、そのお金で改装してテナント料を得ているのだろう。「ブライトリース社の利率は16%、コストは収益の10%だから会社は6%の差額を得る リフォームローンの利息は4~8%、1軒につき10万元必要でも自社の内装工事なら8万で済む 10軒リフォームすればさらに安くなるだろう、低金利で銀行から借りれば利益率はあがる…」かつてウォール街で働いていた曹以任。陽華は金融に携わる者が得意とするのは″作り話″だと言った。その頃、陶俊輝は呉菲の計らいで曹以任と直接、話せる機会を得た。そこで方方のためにも婚前協議書にサインするよう説得したが、思いがけず曹以任の素顔を知る。曹以任は能力があっても一般家庭に生まれたというだけで辛酸を舐めてきたと嘆いた。「この世で重視されるのは20%の人間だけ、私はその中に入りたい 君と僕は同類だろう?君ならサインするかい?」「どちらにせよ丁总が認めなければ君たちは法律上の夫婦とは認められない」すると曹以任は失笑し、男の秘密を共有しようと言った。「結婚は男にとってどうでもいいことだ」曹以任は乾杯しようと言ったが、陶俊輝は独りでワインを飲み干した。一方、陽華は男にとって結婚は大事なことだと話していた。男の本能は独占、自分が欲しいものを独り占めにしたがるという。それはゲーム機やカメラでも同じ、ましてや好きな女は絶対に手に入れたいと思うものだ。すると秦施は性別による優越感はないのか聞いた。「実は男の遺伝子は弱く、女性より淘汰される確率が高い、人類の役目は種の保存だ 子供を産んでくれる人がいなければ男の遺伝子はこの世から消えてしまうだろう それに今やインターネット時代、男性に絶対的地位などない 男だというだけで誇れることは何もないんだ 結婚を女性に対する施しだと思っている男は恐ろしく狡猾で幼稚としか言いようがないね」「ねえ~今夜は一緒に寝ない?」秦施は陽華にすっかり魅了され、うっかり口を滑らせた。「ぁ…忘れて!」「いいよ…いや提案のこと」「もう時間切れよ!」秦施は気まずくなって寝室に駆け込み、仕事を始めた。その頃、陽華は初めての共寝に期待しながら、シチュエーションを想像してパジャマを選ぶことにする。すると偶然、本棚のトロフィーに目が留まった。それは2007年の弁論大会最優秀賞のトロフィーで、蔡亮(ツァイリャン)によれば陶俊輝の後輩が受賞している。…その後、2人は恋人になったんだ…一方、陶俊輝は今回の案件の根底には丁氏の曹以任への不信感があると気づいていた。恐らくそれは呉菲の父も同じだろう。陶俊輝は呉菲を自宅まで送り届けると、自分は婚前契約にサインすると言った。しかし呉菲はそもそも協議書などないとごまかし、心配いらないと笑って帰ってしまう。陶俊輝は笑顔で見送ったが、その時、秦施からメッセージが届いた。…曹以任のブライトリース社の商品と融資を調べてみて…秦施の寝室に陽華がやって来た。仕事中だった秦施は書類を退かして陽華をベッドに招き入れたが、陽華はふと思い出してゲームの続きを始めてしまう。「このままじゃ気になって眠れないんだ」しかし永遠と待たされた秦施はついに実力行使、携帯を取り上げて陽華を押し倒し、自分から唇を重ねた。「誰かさんが法律の勉強を始めたって本当?」「君が目的を果たすのを手伝いたいんだ…君を助けるのが僕の務めだろう?」「私に聞いてよね、他の女から夫の行動を聞きたくない」「李黛(リーダイ)とはやましいことはないよ」「…信じるわ」「君は僕のどこが好き?」「私は…その頭脳と心、あなたは心が綺麗で純粋だもの、それにすごく勇敢で誠実だわ 純粋な心を持ち続けている人なんてめったにいない」翌朝、呉菲の部屋に父がやって来た。これから出廷する呉菲は準備で忙しかったが、父は大事な話だと訴える。確かに陶俊輝の人柄と能力を認めて娘との結婚を許したが、実は蘭(ラン)会長の案件の詳細を知っていささか不安になった。「お前と引き合わせてくれたのが蘭会長だ だが彼は蘭会長に対して情け容赦なかった、パパとママはそこが気に掛かる 蘭会長の案件と知っていたら受けるべきじゃなかった しかも彼は蘭会長の信頼を利用して不正の証拠を集めていたんだ まさか己の仕事のためにそこまで冷酷になれるとは…世話になった人をあっさり切り捨てた」呉菲はやはり父が丁氏の案件を陶俊輝に紹介したのは牽制するためだったと分かった。「話はそれを見てからだ…」すると父は封筒を置いて出て行ってしまう。一方、名実ともに夫婦となった秦施と陽華は幸せな朝を迎えていた。方宇(ファンユー)金融を調べていた陽華は問題点を見つけ、蔡亮にファンドから手を引くよう勧めた。しかし新エネルギーシティのプロジェクトは頭取の肝入り、蔡亮は社長の怒りを買えば2人ともクビになると訴える。その時、陽華の携帯に老周(ラオジョウ)から連絡が来た。周老は陽華の銀行が松江(ソンジャン)エネルギーシティの信託商品を扱うと知り、これから行くという。「お前さんの業績アップに貢献しようと思ってな~」「老周、この商品は買わないで」呉菲は原告側の代理人として出廷したが、父からもらった封筒のせいで上の空だった。裁判中にもミスが続き、肩を落とす呉菲。実は封筒の中には陶俊輝がオフィスで寝てしまった秦施を愛おしそうに眺めている写真が入っていた。一方、陶俊輝は秦施の助言に従ってブライトリース社を調べ上げていた。そこで曹以任のオフィスに乗り込み、物件の環境モニタリングの結果を提示する。「マンションの改修期間は3ヶ月から1年 最長で1年超の工期なのにホルムアルデヒドは基準値を超えてる」これは個別の案件ではなく、20ヶ所の物件を調べた結果だった。「噂通り君は鋭いな…」 つづく((( *´꒳`* )))ポワワーン
2023.12.06
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第24話「男の素顔」秦施(チンシー)から″オフィスで文字を打つだけの簡単な仕事″と揶揄された呉菲(ウーフェイ)。そこであくまで丁方方(ディンファンファン)の幼なじみとして曹以任(ツァオイーレン)に接触した。陶俊輝(タオジュンフイ)は自分に相談すべきだったとたしなめたが、呉菲はどうせ反対したはずだという。「2人のコミュニケーションを観察した結果、まさに熱愛中のカップルだったわ 方方って以前は傲慢で留学を鼻にかけてた ブライズメイドもみんなに断られて、だから私が手を挙げたの でも今は謙虚になり、人の立場に立って考えるようになってた 彼の影響だと思う…2人の愛は本物よ!」陶俊輝は呉菲の印象だけで簡単に結論は出せないと冷静だった。しかし呉菲は曹以任と2人だけになった時、直接、尋ねてみたという。「婚前協議書にサインしたの?その件で彼女は困ってる 友人としてはサインして欲しい、父娘の関係を壊さないためよ」「道理は分かるよ、彼女のためには何でもする、彼女に頼まれればサインするよ でも父親のためならしないね」一方、秦施は外で調査員の剛子(ガンズ)から報告を聞いていた。接待でクラブに来ていた曹以任は特に変わった様子はなかったが、やがて女を呼び出して一緒に帰ったという。「朝まで一緒に部屋にいたよ」「この写真のこと?…彼女は婚約者の方方よ」「え?そうなの?」「チキン代は返してね」焦った剛子はまだ結果待ちの情報があると訴えたが、どうやら期待できそうにない。しかし秦施には頼りになる部下がいた。家庭部の補佐・周茜茜(ジョウチェンチェン)と海涛(ハイタオ)がやって来た。突然、同席した2人に動揺を隠せない剛子、すると2人は早速、秦施に資料を渡して矢継ぎ早に報告する。(゚ロ゚ノ)ノ<いや誰よ?!@ガンズ曹以任の前妻・ジェシカはカナダ華僑で音楽家、典型的な中流家庭で育ったが、実は伯父2人と叔父が実業家で一族は裕福だった。ジェシカも18歳で資産分与されており、結婚した時の曹以任は奨学金に頼るただの前途ある学生だったという。しかし協議書に署名していたため、離婚した時は無一文だった。「結婚後3年間は働かず、妻が企業資金を出しています」「で、離婚理由は彼女の浮気なの?」「その通りです、相手は彼と起業した親友でした、友人の家は鉄工業を営む有名な富豪です」曹以任は一般的な家庭出身だったが優秀で、奨学金をもらってバイトで生計を立てていたという。卒業後はウォール街で就職したが、1年後に退職して結婚していた。「曹以任は努力して上を目指していたのね、でも疑問がある 前妻も今の恋人も裕福だったり家柄が良かったりする…偶然かしら? ともかくご苦労さま、何でも食べて、おごるわ」調査員として肩身が狭い剛子、その時、ようやく待っていた報告が届いた。「今、偶然かって聞いた?…俺がその疑問に答えよう!」剛子はクラブの店員になりすまして曹以任を探っていた。その時、わざと酒をこぼして着替えを手伝いながら、高級腕時計の写真を撮ったという。時計は限定品でシリアルナンバーがあり、誰が購入したのか分かるようになっていた。「買ったのは彼女よ、実家はホテルを経営してる…あれは典型的なヒモ男よ」秦施は陶俊輝に証拠を提示、実は曹以任には他にも貢がせた相手がいたという。しかし陶俊輝はもし財力や人脈目当てだとしても、結婚はあくまで双方の同意だとシビアだった。「自覚してるんでしょう?だって曹以任の状況はあなたに似てる」「嫌味はやめろ、君が言ったんだ、金と真実の愛は関係ないと…」陶俊輝は図星だったのか、顔を真っ赤にして反論した。「我々の仕事は協議書を作ることだ、今日、曹以任が事務所に来ることになってる 簡単な案件だ、早く片付けるぞ」一方、陽華(ヤンホワ)は邱建祥(チウジエンシャン)の会社・方宇(ファンユー)金融を調べていた。すると蔡亮(ツァイリャン)が駆けつけ、偶然にも妻の従兄が陶俊輝と同期だと分かったという。「それで調べてもらったんだ、予想を上回る優秀さだったよ!」陶俊輝は大学入試統一テストで理系のトップ、4年分の単位を3年で履修し、司法試験もトップ通過だった。そんな陶俊輝を目標にして奮起し、彼の記録を幾つも塗り替えた後輩がいたという。後輩はそれまで陶俊輝が独占していた弁論大会の最優秀賞を唯一奪った人物で、結局、2人は恋人になった。誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所に李黛(リーダイ)がやって来た。驚いたことに李黛は曹以任の代理人で、婚前協議書についての全件を委任されたという。「協議書を要求しているのは丁小姐の父親 それで丁小姐に確認したところ、曹以任がサインするなら自分もするそうよ… 委任状はここに、私が何でも答えるわ どうせ情報は全て調べ上げているんでしょう?例えば腕時計の件とか…」さすがは李黛だった。時計を贈ったドリスの父はウォール街時代の顧客で、株で大儲けさせてもらったという。「腕時計はそのお礼だそうよ」すると李黛は最後に曹以任からのメッセージを聞かせた。…僕と方方の愛情を紙切れで証明する必要はない、他人に信じてもらう必要もない…秦施は曹以任がわざと李黛を選んだと勘づき、侮れない男だと苛立った。蔡亮は陽華に方宇金融だけには関わるなと釘を刺した。過去に陽華と邱社長の間で確執があったのは知っているが、今は与信部が必死に接待している最中だという。現在、松江(ソンジャン)に建設中の新エネルギーシティは巨大なプロジェクトだった。与信部の老賈(ジア)は責任者と深い関わりがある邱社長から顧客をもらおうと必死だという。すると陽華は老周(ラオジョウ)が新エネルギーシティの株を調べろと言ったことを思い出し、急に席を立った。秦施は李黛とランチに出かけた。そこで初めて李黛が辞める時、陽華に自分を託したことを知る。「自力でやっていけるとでも思った? 陽華は優れた頭脳を持ってる、うまく使わずに家に置いておくの?」実は陽華は李黛に法学部の学生が必修課程で学ぶ本をいくつか教えて欲しいと頼んでいた。「秦施、あなた自分の知識で陽華を押さえつけてるんじゃない?」秦施はドレスの試着の時、陽華に法律のことも分からずアドバイスするなと怒ったことを思い出した。「んなわけないわ」「無自覚なの?あなたの最大の欠点は野心、でもそれが長所でもある」「向上心と言ってよ」その夜、陽華は夕食の支度をしながらどこか上の空だった。秦施は何か話があるのかと聞いたが、陽華は何もないと嘘をつく。李黛の言葉が引っかかり、自分のせいで陽華が怒っていると誤解した秦施、そこで言いたいことがあるなら話して欲しいと食い下がったが、陽華は何もないとごまかした。「…分かったわ」秦施は寝室に閉じこもりイライラしていた。「無視されるくらいなら口論した方がまだマシよ…」一方、陽華は書斎で悩み抜いた挙句、蔡亮の助言に従うことにした。…きちんと話した方がいい、早いところ危機を打破しないと敵につけいられるぞ?!…そこで思い切って寝室を訪ねたが、秦施に冷たくあしらわれてしまう。「何?話はないんでしょう?!」秦施はドアを閉めようとしたが、陽華が足を出して止めた。つづく( ̄▽ ̄;)元カレはイケメン枠なんだ・・・そうなんだ・・・
2023.12.05
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第23話「嫉妬」娘の新婚家庭を見に来た秦施(チンシー)の母・胡小妹(フーシャオメイ)。陽華(ヤンホワ)は几帳面のようで夫婦の部屋には埃ひとつなく、きれいに整頓されていた。その時、秦施はちょうど陶俊輝(タオジュンフイ)のオフィスで協議書を作っていたが、母の突然の訪問に戸惑う陽華からヘルプが届く。しばし手を止め、楽しそうに陽華とメッセージを交わす秦施、その様子を見た陶俊輝は急に機嫌が悪くなった。「(机コンコン!)携帯をいじるな、で、できたのか?」「ぁ…もうすぐよ」すると秦施は呉菲(ウーフェイ)が自分への嫌がらせで陶俊輝をパートナーに推薦したのは分かっていると切り出した。ただ定例会議に参加して自分の勉強不足を実感、過去のことは水に流して指導して欲しいという。陶俊輝は呆れながらも突き放せず、自分が抱えている案件の資料を机に置いた。「契約書に目を通して漏れや矛盾を全て洗い出せ、供述内容の分析も…朝までだ」(´・ω・`)お、おぅ…その頃、陽華は豚の脳みそ料理を食べさせられていた。「小施の大好物なのよ~大学受験の前は毎日、これを煮てあげた」:(;゙゚’ω゚’):<ちっ…超絶うまいです…ゥッ… (Ŏ艸Ŏ)ゥッ…@管理人一方、秦施に仕事を任せた陶俊輝は実家に帰っていた。すると陶母は息子の新居が見つからないと知り、これも過去の失敗のせいだと悔やむ。「あの時、秦施にしなきゃ良かったのに…」「ママ、秦施と家を買った時、俺は全額を払えなかった、秦家が助けてくれたんだよ 別れた時も相場以上の額を返してくれた」しかし陶母は秦施の事務所へ移った息子が気が気でない。「秦施には関わらないでね」「秦施は結婚して子供もいる、関わるはずないだろう?」その夜、呉菲は父に婚前協議書を返した。「パパ、もうこの話はしないで、丁(ディン)总の案件で私たちを試すのはやめて」「うちの法務部に提案されただけだ、だからすぐお前に見せただろう?強制はしないよ」呉父は誤解だと訴え、丁氏が他の弁護士ではどうしても娘を説得できず頼って来たと釈明した。呉父は娘が部屋に戻るとすぐ電話をかけた。「君の言う通り娘に協議書を突き返されたよ…丁总の案件にも裏があると勘付いたようだ 当然、陶俊輝も気づいているだろう」実は呉父は娘が蘭(ラン)会長の二の舞になることを心配し、たとえ悪者になっても守ってやりたいという。「ご安心ください、必ずご期待に応えます」すると唐伊慧(タンイーフイ)は電話を切った。「それで秦施をどうするつもりなんだ?」金誠(ジンチョン)は妻が秦施を推薦しながら投票せず、抜擢しながら押さえつけていると指摘する。「このままでは他の事務所へ逃げられるぞ?家庭部のリーダーを2人も失っていいのか?」「秦施は野心が強すぎる、聞く耳を持たずやりたい放題よ 家庭部と企業部では案件のレベルが違う、あの性格ではいずれ問題を起こすわ そうなれば私たちが尻拭いする羽目になる…安心して、本気で潰すつもりはないの 彼女が正式に企業部の弁護士になる前に反抗心を抑えたいだけ」胡小妹は陽華が家を買うため就職すると知った。すると共働きになるなら家事は自分が引き受けると強引に決め、帰ることにする。「そうだ陽華、あまり遅くなるようなら娘を迎えに行って、夜道は危ないから」そこで陽華は夜食を作って事務所に届けることにした。陶俊輝が事務所に戻ると、オフィスのソファーで秦施が眠っていた。秦施を起こさないよう資料を回収し、そっと自分の上着をかけてやる陶俊輝、しかしその頃、ちょうど陽華が差し入れを持って事務所のビルに到着していた。陶俊輝は秦施がまとめてくれた資料を見ながら仕事を始めた。すると寝返りを打った秦施から上着が落ちてしまう。陶俊輝は上着を拾ってまた秦施にかけたが、ふと秦施の頭に付箋が付いていることに気づいた。そこで付箋を取ろうと手を伸ばしたが、その時、ちょうど秦施を探していた陽華が現れる。「触るな」陽華は自分で秦施の頭から付箋を取ると、ちょうど秦施が目を覚ました。秦施は陶俊輝のオフィスで眠ってしまったと気づき、慌てて陽華を連れて資料室に戻った。「ここが君のオフィス?」「ええ、話は聞いているでしょう?今だけよ」帰りの車の中、陽華は黙り込んでいた。秦施の携帯には陽華からメッセージが溜まっている。「ごめん、資料を読んでいるうちに寝てしまって…陶俊輝が戻ったことも気づかなかった あ…彼がうちの事務所に入ったことも言ってなかったっけ… 急だったの、いきなり来たのよ?誰も知らなかった、忙しくて言うのを忘れていたわ …怒ってるの?」「そう見える?」「とんでもございません!…だってあなたは優しくて心が広い恋人の鑑だもの お迎えありがとう」一方、秦文宇(チンウェンユー)は心を入れ替え、妻に尽くそうと決めた。そこで部屋を飾りつけて仕事から戻った任梅梅(レンメイメイ)を出迎えたが、かえって何か悪さしたのかと疑われてしまう。「まさか!今後は君に従うよ!」陽華は帰宅してもまだ不機嫌だった。「何をそんなに怒っているの?」すると陽華は嫉妬からうっかり秦施のやり方に口を出してしまう。「あんな職場で腹が立たない?奴のオフィスは立派なのに君は資料室だ 理不尽なルールを変えたいと息巻いていたが、成果は?利用されていると思わない? 君は焦りすぎだ、昇進もポジションも望まない方が楽だよ 欲望を偽ろうとするから苦しいんだ」「ぅ~ん…今の話を削除するわ、疲れているか喧嘩したくないの」陽華は仕方なく差し入れの夜食を広げた。「欲望については認識が違うから話したくない… もしかしてオフィスだけじゃなく、陶俊輝に不満があるんじゃないの?」しかし秦施はどんな手を使っても今は経験を積まねばならないと訴えた。陶俊輝が試用期間後も残るとは限らず、唐伊慧も自分が後釜になる可能性があると言ってくれたという。陽華は唐伊慧が秦施を犬扱いしていると嫌ったが、秦施には恩人であり、雇い主に尾を振るのも当然だと言いのけた。「…ひとつ聞きたい、陶俊輝は君に興味が?」「あるわ、締め殺したいでしょうね だって2年前に別れた婚約者が結婚して2年、しかも2歳半の息子までいるんだもの 計算したつもりだったのにバグがあったわ~彼から見れば私は二股をかけていたクズよ」「…親を説得できずに君を傷つけたんだ、君を恨める立場じゃない」「でも彼は優秀でプライドが高いから、面子を潰されたと思っているのよ」「優秀でプライドが高い?」陽華は秦施が陶俊輝を優秀だと言ったことが頭から離れず、なかなか眠れなかった。そこで自分の写真と陶俊輝の似顔絵を並べ、財神(ツァイシェン)と仙子(シェンズー)に見極めてもらうことにする。「どちらが賢くて優秀か教えてくれ!行け!」すると財神は陽華の写真を選んだが、迷っていた仙子がふらふらと陶俊輝に向かった。その時、秦施が仕事のアドバイスを聞こうとやって来る。陽華は慌てて机を隠したが、するどい秦施は亀に投票させていたと察した。翌日、職場で話を聞いた蔡亮(ツァイリャン)は本気で元カレと張り合えば負けると警告した。しかし弁護士など口がうまいだけ、今や秦施も陽華にベタ惚れではないかとからかう。「何て言われた?」「彼女曰く、どちらが優秀か自分が答えるのはフェアじゃないと…」蔡亮は早速、陶俊輝を検索した。すると確かに優秀でイケメン、柔道の心得もあると分かる。「まあいいじゃないか、夫になったお前が勝ちだ」その時、陽華は見覚えのある客に気づいて顔をこわばらせた。陽華と因縁のある邱建祥(チウジエンシャン)が雲商銀行に現れた。彼は方宇(ファンユー)金融の社長で、雲商銀行は方宇グループのファンドを販売しているという。銀行に顔を出すことはめったになく、蔡亮も偶然、見かけて提携を知ったほどだった。「与信部の老賈(ジア)や頭取と旧知の仲なんだ…おい、まさか辞めないよな?」「…積立金6ヶ月分を払うまではな」一方、呉菲は方方(ファンファン)のジョギングに同行、婚約者を紹介してもらっていた。つづく(  ̄꒳ ̄)唐伊慧さすがですw
2023.12.04
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第22話「父と娘」誠(チョン)&慧(フイ)に秦施(チンシー)が以前、担当していたクライアント・丁(ディン)氏がやって来た。聞けば呉菲(ウーフェイ)の父の紹介で陶俊輝(タオジュンフイ)を訪ねて来たという。案件が欲しい秦施は丁氏と旧知の関係を利用して同席したが、実は結婚を控えた娘を守るため婚前協議書の依頼に来たと分かった。陶俊輝とランチに出かけた呉菲は丁氏の案件に秦施も加わると聞いて憤慨した。「なぜ秦施まで担当に?私のパパの顧客でパパのコネなのよ?!」「秦施は俺より丁父娘に詳しい、それに家庭部のトップだった」実は丁氏はこれまで4回離婚、そのうち3回を秦施が担当していた。呉菲も娘の方方(ファンファン)と幼なじみだったが、方方が弁護士を全て拒んでいるという。結婚まであと2週間、この短い期間で説得するには方方の信頼が厚い秦施の協力が必要だった。「…分かった、その代わり私も入れてもらう」呉菲は早速、打ち合わせに参加して秦施を牽制、仕方なく秦施は単独行動で方方と会う約束を取り付けた。一方、就職すると決めた陽華(ヤンホワ)は蔡亮(ツァイリャン)の紹介で何社か面接を受けていた。経歴なら申し分ない陽華、しかし4年間も無職だった理由を聞かれ、人付き合いが嫌いだと答えて全滅してしまう。蔡亮は呆れ果てたが見捨てることもできず、実は自分の銀行にも空いている職があると教えた。「ただお前には物足りないと思って…」こうして陽華は蔡亮の下で働くことになった。「お前の能力は心配ない…ただその性格を直してくれ」蔡亮は仕事中の陽華の画像をこっそり陽母に送った。何も知らなかった陽母は大喜び、慌てて夫に画像を見せる。息子は家を買うため融資が必要となり、蔡亮の雲商銀行に就職したというのだ。「秦施は一体、何をしたのかしら?!仕事や家に無関心だった子がまるで別人よ!」「これも愛の力だな」陶俊輝と呉菲はまず調査員に婚約者の身辺を調べさせた。丁方方は高校からカナダへ留学し、奨学金で名門大学へ進学したという。現在は投資会社とインテリア会社を経営、資産家の父に頼らず自分の稼ぎで生活していた。婚約者・曹以任(ツァオイーレン)はエリートで、カナダの名門校で金融を専攻し、その後、ウォール街へ。2人の出会いはカナダ、アジア人学生が好むメンバー制の芸術サロンだったという。しかし曹以任は方方より10歳も年上で離婚歴があった。その頃、秦施も方方から直接、婚約者の話を聞いていた。相手は離婚歴があり娘までいるという。「私と知り合った時はすでに別居してたの、前の奥さんと彼は大学の同級生よ 仕事が多忙で家庭を疎かにしていたから奥さんに別の人ができたの」方方は父が婚約者を金目当てと疑っているのは分かっていたが、誤解だと訴えた。むしろ彼のような素晴らしい人がお金しか取り柄のない自分を選んでくれたのだという。曹以任は離婚で妻に全財産を渡し、帰国後は大企業を辞めて不動産仲介業を始めた。しかし半年後には会社を辞めて起業、ネットを使った無店舗で低手数料の仲介業を始め、わずか7ヶ月で資産を1億元まで増やしたという。資産状況は絶好調で丁家の資産を当てにする必要はない。方方の会社も彼の人脈を使って成功しているため、彼女にとって曹以任は恩人でもあった。方方も秦施と同様、親の離婚が原因で結婚に何も期待していなかった。恋愛もできず悩んだ時期もあったが、曹以任は他の誰とも違ったという。すると秦施は丁氏の代理人ではないが、ただ結婚は両親の祝福を受けられた方が良いと助言した。「パパと曹以任に共同の利益があれば友人になれるはずよ?」「共同の利益?あるかな?」「それはあなたよ」一方、雲商銀行では若い女性行員たちの間でイケメンの陽華は噂の的だった。蔡亮の話ではカウンター業務は独身女性ばかり、拘束時間が長いせいか彼氏ができにくいという。「だから独身男性は奪い合いなんだ、お前ももう少し人付き合いしろよ」「一生で関われる人数は有限だが、そのうち長い付き合いができる知人はわずか20% これもパレートの法則に合っている」すると陽華はわざと聞こえるように大きな声で言った。「…それに僕は″既婚者″だ、社交はいらない!」陽華はそれ以来、デスクに結婚式の写真を飾るようになった。秦施は方方と別れ、陽華をランチに誘った。その時、陽華はちょうど蔡亮と社員食堂でお昼を食べていたが、切り上げて出かけてしまう。秦施は陽華が無理して就職したのではと心配したが、制服姿は確かに格好良かった。「ねえ、経済的観点から見て、真実の愛をどう評価する?」「まず最初に基準を知るべきだ、僕の理解では経済的影響を受けない純粋な愛のことだよね?」「その通り」「だが現実では将来のない者は誰も愛さない、有望株を求める でもこれも一種の生存本能だ、本能に背く愛情は存在しない」「つまり真実の愛は疑似問題なのね?」「愛情にも証拠が必要だということだね」「分かった、ありがとう」( ゚ェ゚)いや全然、分かりませんw資料に目を通した呉菲は内容が本当なら方方はむしろ玉の輿、曹以任の愛は真実だと言った。そこへ秦施が現れ、揚げ足を取られてしまう。「金銭目当てでないなら真実の愛なの?…私たちは弁護士よ?何が真実の愛かなんて分からない 協議書が守るのは愛ではなく財産、そしてサインさせるのが私たちの仕事よ 真実の愛じゃない方が簡単かもね…で、あなたたちはサインした?」呉菲は痛いところを突かれたのか、急に興奮して声を荒らげた。「仕事に関係ないでしょう?!」「聞いただけよ、そんなに怒らないで~」「だったらあなたたち夫婦はどうなの?!」「したわよ」秦施にあっさり認められ、呉菲はぐうの根も出ない。すると陶俊輝は言い争っても実りはないとなだめ、自分が協議書を起草すると言った。方方にその気があれば話し合いを、駄目なら諦めるしかない。しかし秦施は引き受けた案件なら必ず成功させると言った。「弁護士はきれいなオフィスの中でスーツ姿で文字を打つだけの簡単なお仕事じゃない」秦施に挑発された呉菲は激怒、机を叩いて家庭部に戻ってしまう。秦施はこっそり陶俊輝の調査員を捕まえ、資料室へ連れて行った。「名前は?」「俺は斉大剛(チーダーガン)、剛子(ガンズ)と呼んでくれ」「私と手を組まない?」「それは報酬によるな~」一方、雲商銀行では蔡亮の不安が的中、陽華と行員たちの間に軋轢が生まれていた。支店の花・小甄(シャオジェン)は陽華の前でわざとつまずいたが、陽華が咄嗟に避けたせいで思い切り転んでしまう。コピー中についでのコピーを頼まれても無視、行員の見舞金のカンパが来ても知らない人だと断った。残業を強要されれば、連絡ミスしたせいだと相手を責めて帰ってしまう。陶俊輝が資料室を訪ねると、秦施が座ることも忘れて熱心に本を読んでいた。「覚えてるかっ?!」「え?!…うわっ!」急に声をかけられた秦施は驚き、うっかり箱にぶつかって転んでしまう。「集中していたな」陶俊輝は秦施に手を貸しながら、昔と変わらない秦施の様子が嬉しかった。「協議書の内容について相談しようかと…」秦施の母がマンションにやって来た。陽華は秦施なら仕事で遅くなると言ったが、秦母は家の様子を見に来ただけだという。困惑した陽華はすぐ秦施にメッセージを送った。…家に君のママが来た😲…何しに来たの?…食べ物を届けに…しっかり食べて、母は偏食を嫌がるから😉秦施は陶俊輝のオフィスにいたが、仕事そっちのけで陽華と楽しそうにメッセージのやり取りをしてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)陽華wwwウケるwwwww
2023.12.04
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第23話)第50話「我が名は…」文(ウェン)帝の命を受け、崖から落ちた凌不疑(リンブーイー)の捜索に向かった三皇子。深手を負った不疑はかろうじて山肌の蔓に絡まり生きていた。三皇子は懸命な救出作業を見守っていたが、程少商(チォンシャオシャン)の心配が的中し、左(ズオ)将軍が引き上げを手伝うふりをして縄を切ろうとする。しかし目を光らせていた三皇子が気づき、あっけなく捕まった。「…呼応する仲間を待っているのか?だが奴らは永遠に来ないぞ 収監して拷問せよ!死んでも構わぬ!」凌不疑は崖から引き上げられ、三皇子が急いで宮中に運び込んだ。皇帝と三皇子が見守る中、医官たちの懸命な治療が続いたが、不疑は琴の弦を握りしめたまま離さず、なかなか手当が進まない。「琴の弦?」「少商の弦です…意識を失っても誰にも触らせないとは…」皇帝は老三の話を聞いて少商がいないことを思い出し、すぐ呼ぶよう命じた。曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は程娘子ならすでに回廊にいると伝えたが、本人曰く凌将軍とは縁が尽きたので会えないという。「首に縄をつけても連れてこい!」しかしその時、殿外から少商の笛の音が聞こえてきた。凌不疑は叶わなかった少商との成婚の夢を見た。…もし私を独りにするなら一生許さない、来世も、来来世も許さないから!…このまま死を選べば2度と少商は許してくれないだろう。走馬灯のように蘇る少商との思い出、それが不疑の生きる希望となった。…それから別院に花畑を作る、琴と笛で合奏するの、私たち2人で共白髪となり生死を共に…すると不疑は弦から手を離し、それまで無意識に受け付けなかった薬を飲み始めた。こうして不疑は峠を越え、夜が明ける。「もう凌将軍は大丈夫です!」医官の声を聞いた少商は部屋の中をのぞき、不疑の無事を見届けてから倒れた。少商が目を覚ますと皇后が付き添っていた。「せっかく子晟が目覚めたのに、そんな様子では心配になる」「…彼とはもう終わりです」少商は自分が子晟でも同じ選択をしたと理解を示したが、何が真心で何が計略なのか分からなくなったという。「あんな仕打ちは承服できない、敵を殺したいのなら、そう言って欲しかった 私も一緒に行く、たとえ黄泉だとしても一緒に行くのに… でも私を独りにするのは許せない、しかも私のためだなんて… 幼い頃は両親に捨てられ、今度は愛する人に捨てられた 陛下と皇后から教わりました、夫婦は一心同体だと…そうでしょう? でも私だけが一心で彼は隠し事ばかり、一心だったことがあったのでしょうか?」「…もう決めたのね?」「決めました」すると皇后は納得できるまで調べるよう勧めた。全てが分かった時、少商がどんな選択をしても支持するという。「余とは違ってあなたの人生は順当であって欲しい、余の分までしっかり生きるの」少商は袁慎(ユエンシェン)に頼んで淳于(チュンユー)氏と会うことにした。実は淳于氏は血の海の城陽侯符を目撃し、衝撃のあまり錯乱してしまったという。人を見ても暴れるだけで会話もできず、今は廷尉獄に収監されていた。実は少商は兼ねてから城陽侯夫妻が仲睦まじく見えず、凌益(リンイー)がなぜ非難されると知りながら後添えを迎えたのか疑問だったという。「そうか、弱みを握られ、娶るしかなかったと…」少商は淳于氏に凌益が死んだと教えた。「当時、あなたが流産した理由を知ってる?家職に聞いたの 凌益はあなたの飲食に薬を盛らせた、長年、服用すれば身ごもれなくなるわ 彭坤(ポンクン)と結託した証拠を握れば城陽侯夫人になれると思ったの? 凌益のごとき奸人が脅されたままで甘んじるはずない あなたが寄る辺もなく孤独に死ぬのを望んでいたのよ、そうしてこそ脅す気力も失せる …でも錯乱しているなら真相を知っても苦痛じゃないわね」淳于氏は激しく動揺すると、ふいに凌益に叩かれた時の事を思い出した。あの時、あまりの理不尽さに憤り、いつも手を合わせていた神像を三才観の汝陽(ジョヨウ)王妃に届けるよう頼んでいる。すると淳于氏は急にその場にひざまずき、手を合わせて一心不乱に祈りを捧げ始めた。「三才観の女媧様!私にどうか子供をお授けください…」袁慎は結局、淳于氏が錯乱しているのか偽りなのか分からなかった。すると少商はどちらにせよ生き延びるには錯乱するしかないという。「因果応報よ、これから三才観へ行く」意識を取り戻した凌不疑は朝堂で15年前の孤城陥落について証言することになった。皇帝は念のため医官を待機させ、その場で薬を煎じさせている。すると廷尉(テイイ)府・紀遵(ジーズン)が口火を切った。「教えてくれないか、当時、孤城で一体、何が起きたのか…凌将軍?」「私は霍(フォ)だ、凌ではない」今も忘れられない、あれは杏の実がなる頃だった…あの日、阿猙(アージョン)は身体が弱い阿狸(アーリー)のため、木に登って好物の杏を採ってやったしかし木から降りる時、うっかり衣が引っかかって破れてしまう『阿母が用意してくれた衣なのに…見つかったら罰を与えられる』『見せて…大丈夫、僕と衣を替えよう』阿狸は衣を交換して舅父・霍翀(フォチョン)が気づくかどうか試そうと提案した衣なら自分が破ったと言えばいいという『この杏は舅父と舅母に渡して、そうすれば阿母の前で僕をかばってくれる』阿猙は阿狸の衣を着て父の部屋に入り、書卓に杏を入れた袋を置いたすると外から父たちの声が聞こえ、咄嗟に衝立ての裏に身を隠す衝立ての隙間から見えたのは父の背中の傷を手当しながら撤退するよう説得している姑父・凌益の姿だった『援軍が遅すぎる、文氏は我らを見捨てた…将軍、孤城を守ってやる必要はありません』しかし霍翀は一蹴し、妹婿という立場に免じて聞かなかったことにすると言ったその時、阿猙は凌益が背後からいきなり父を刺すところを目撃する『ぐっ…やはり敵と通じていたか…』『なぜ降伏せぬのだ?英雄になるため我らまで道連れにすると?! 援軍は来ない、いや来られぬのだ、誰も来ない…』阿猙は父の最期を目の当たりにしながら、嗚咽が漏れないよう必死に自分の口を押さえた…「凌益の結託した相手が誰なのか謎のままでした しかし寿春(ジュシュン)で突き止めたのです、凌益と共に孤城を陥れたのが彭坤だと…」…阿猙が息を潜めて隠れていると、誰かが入って来た『投降の説得では?なぜ殺した?!』『霍翀は強情だ、絶対に投降などしない…殺さねばいつか報復される だが家族は見逃せるだろう?』『誰が見逃すと?霍翀がいなくなったのなら攻める絶好の機会だ 孤城が陥落すれば文帝の敗北を決定づける、共に主公を入城させるぞ』『騙したのか?!家族は見逃すという約束だ』『お前だけだ、どちらにせよ兵が殺す』すると凌益たちは出て行った阿猙の足元まで流れて来た霍翀の鮮血、すると建物に火が放たれ、阿猙は煙を吸い込んで気を失ってしまうしかし運良く、その日は孤城に大雨が降った阿猙が目覚める頃にはすっかり日も暮れ、外は見渡す限りの骸と血の海が広がっていたすると突然、父の妹・霍君華(フォジュンホワ)が現れ、生き残った2人は身を隠すことにするその時、稲光が暗闇を照らし、城門が見えた霍君華は悲鳴を上げ、咄嗟に甥の顔を手で覆ったが、阿猙は姑母の指の隙間からその情景を見てしまう城楼には父や叔父たちの生首が並び、その中に阿狸の顔があった…「衣を替えた阿狸は私の代わりに死んだのです」2人は賊軍がいなくなるまで丸二日、飲まず食わずで死人の山に隠れ、城門を逃げ出した。我が子の無惨な姿を見た霍君華は時に錯乱し、時に呆け、ずっと息子の名を叫びながら、都へ戻ろうと言い続けたという。そして2人は何度となく死にかけること2年、やっと都へ到着し、皇帝に謁見した。実は当時、霍君華は甥が凌益に殺されないよう阿狸と呼んでいたという。『童よ、そなたは…』皇帝はあの時、不疑に名を聞いた。しかし錯乱した婦女と幼子に過ぎない自分たちに闘う術などなく、不疑は身分を偽ったという。『私の名は…凌不疑』不疑は敵を討つために阿狸の身分でいるしかなかった。賊を父と見なし、本名を隠したのも全ては仇を葬り去るためだったという。「父のため、霍一族のため、孤城の民のため、孤城陥落に関わった者には代償を払わせる! それも達成間近と思えた… 都へ戻った私は密かに探り始めるも、凌益が次々と証拠を隠滅、そして結局、私は負けた 凌益は関わった者を彭坤も含めて全て殺害、姑母も身体が持たずに無念のうちに病死した… こうして証人が全て消え、望みは潰えた 正当に凌賊を捕らえられぬなら、自ら手を下すのみ…」「これぞ同害報復…」皇帝は不疑の前まで歩いて行くと、もう一度、あの時と同じように聞いた。「童よ、自ら言ってみよ、お前の名は?」「私の名は…霍無傷(フォウーシャン)」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 しゃんしゃ〜ん!
2023.12.03
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第22話)第49話「捨てられし者の矜持」自ら凌益(リンイー)に手を下し、宿願の復讐を果たした凌不疑(リンブーイー)。しかし静まり返った城陽(ジョウヨウ)侯府に突然、程少商(チォンシャオシャン)が現れる。寝殿は骸で埋め尽くされ、おびただしい鮮血が窓紗を染めていた。「…なぜ来た?」「あなたは誰?凌不疑?それとも霍無傷(フォウーシャン)?」「私が誰であろうと君への真心は変わらない」「でもなぜ今日だったの?…なぜ私に教えてくれなかったの?」一族を殺された仇は必ず討たねばならなかった。しかし成婚してから敵を討てば程氏一族を巻き込んでしまう。凌不疑は自分の始末は自分でつけると言ったが、その時、外から左(ズオ)将軍の怒号が聞こえた。「凌不疑!勝手に虎符を使い兵を動員したな?!謀反を画策した罪は許されぬ! 今日、この門を出ようものなら容赦なく殺す!」退路を断った凌不疑はすでに自分の命で贖うと覚悟していた。「少商…ここでお別れだ、もう会うこともない」すると不疑は満身創痍の梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)には生きて欲しいと伝え、独りで屋敷から出て行ってしまう。少商は引き止めることもできず呆然と立ちすくみ、ただ泣きじゃくっていた。門前では凌不疑と因縁のある左将軍がすでに兵を率いて待ち構えていた。そこには捕縛された程家の姿もある。不疑は深手を負いながらも警告を無視して門から出た。すると弩から放たれた弓が不疑の肩に命中する。不疑はそれでも無視して一歩ずつ左将軍へ近づくと、今度は膝に弓が刺さった。「来啊っ!」「殺ーっ!」その時、馬のいななきとともに少商が現れた。門前は騒然、さらに梁兄弟が駆けつけ馬に体当たり、左将軍を落馬させてしまう。少商は凌不疑を連れて逃亡、しかしやがて崖に追い詰められた。「少商…これは私一人で進んだ道、同行させるわけにいかない」「なら答えて、歯型の誓いは何だったの?!私たちは生死を共にすると約束した 程家もあなたを救うために来たわ…今は恨みを捨てて私のことを考えて!」「少商、君には15年前の国の悲劇だろう、だが私には長年、心に巣食ってきた深い恨みなのだ 毎夜、眠りに就く時はいつも亡魂の叫び声が耳に響く そして目の前には無惨に殺された一族と血の海が広がっている あまりに重すぎる…あまりに重すぎて捨てることができない…きっとこの先も… すまなかった、君には本当にすまないことをした 天下の大罪人となった今、私が死んでこそ君や家族を守れる…」「…もし私を独りにするなら一生許さない、来世も、来来世も許さないから!」「許してくれとは言わない…程少商、私と君の縁は尽きたのだ」その時、じりじりと迫っていた左将軍が程娘子ともども殺せと命じた。「少商…しかと生きろ、すまない」すると不疑は少商の背中を押し、独りで崖に落ちてしまう。「リンブーイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」程家は屋敷での軟禁を命じられた。少商は衝撃のあまり意識を失って運び込まれたが、家族の懸命の介抱もむなしく目を覚まさない。すると三皇子が兵を連れて曲陵(キョクリョウ)侯府に乗り込み、程少商を渡せと迫った。家族は嫋嫋(ニャオニャオ)の部屋の前に立ちはだかり抵抗、蕭元漪(シャオユエンイー)は娘の閨(ネヤ)に外部の男を立ち入らせることはできないと拒否する。しかし三皇子は会えるまで帰らないと食い下がった。「子晟(ズーション)が程娘子にどれだけ尽くしたと?今日は何が何でも子晟を助けてもらう!」「裏切ったのは向こうだ!」娘を傷つけた凌不疑に憤懣やるかたない程始(チォンシー)、その時、寝台の少商がようやく長い夢から目覚めていた。三皇子が家族と対峙していると、少商が青白い顔でふらふらとやって来た。すると三皇子は子晟の父殺し、兵の動員、虎符の使用で朝廷に激震が走り、重臣18名が連名で弾劾、死罪を上奏していると教える。しかし少商は三皇子が来なくても参内するつもりだった。家族は止めたが、少商は自分に与えられた大役を果たさねばならないという。少商は皇宮に到着、輿を降りて三皇子と長い宮道を歩いた。「三皇子と子晟はいつから良朋に?」実は少商は雁回(ガンカイ)塔で密談していたのが三皇子と子晟だったと気づいていた。三皇子の話では幼い頃、池に落とされた子晟を救ったのは皇太子ではなく自分だったという。「私も子晟も独りを好み群れを嫌った、あの時も独りでいる時に溺れている子晟に気づいたのだ」「つまり幼い頃から2人は手を組んでいたと?」すると三皇子は人払いした。「バカを言うな!皇后と母妃は対立したこともない!」雁回塔では舅父の小越(エツ)侯が子晟に補佐を勧めたが、子晟は断ったという。それにしても程娘子はなぜ自分たち2人がいたと気づいたのだろうか。少商は凌不疑が杏仁を食べて倒れた時に看病したと明かした。その時、不疑が首から下げている玉佩を見たという。よく見るとその玉佩は少商が雁回塔で失くしたものだった。「あの時、2人の声が聞こえた、だから2人だと思っていたけれど、実は3人だったのね 3人目が子晟だった…」少商はようやく分かった。凌不疑が今回、皇太子の虎符で兵を動かせば当然、皇太子の位も危うくなる。つまり不疑が宿願を果たしたことで、図らずも三皇子の念願が叶ったのだ。少商はさすが抜け目のない凌不疑だと嫌味を言いながら歩き始めた。「それで?子晟を助けられるのか?」三皇子は程娘子があまりに冷静で淡々としている様子に困惑してしまう。「取り乱したり、共に尽きる気概はないのか?!」すると少商は急に立ち止まり、鬱憤を爆発させた。「いくら女でも自分の夫が何者かも知らず、蚊帳の外に置いてもいいと?! 成婚の2日前に気づいた、でも彼が話してくれるのを待ったわ もう憤ることも恨むこともできないのに、さもなければ薄情で身勝手だと思われる… 私の身体を切り開いて彼に心を見せてあげたい、彼が真心を捧げたなら、私とて彼に心を捧げた 彼に救われた命だからこの命で報いる、彼が助からないのならこの命で相殺する 死など恐れていなかったのに… 死ぬとしても生きているのに飽きたから、決して誰かと生死を共にするわけじゃない 凌不疑はこの世で最も好きな人よ、でも私は…やっぱり私なんです」その頃、朝堂では崔祐(ツイヨウ)が凌不疑への恩情を求めていた。しかし不疑に恨みがある左御史中丞は凌不疑が亡くなった母のために父を殺したと断罪する。袁慎(ユエンシェン)は左大人が早々に経緯を知っていたことを訝しんだが、返って廷尉府は凌不疑を庇うのかと非難を浴びた。寵愛する子晟の思わぬ暴挙に頭を抱える文(ウェン)帝、すると三皇子が程娘子を連れて現れる。左大人はここぞとばかりに凌不疑の父親殺しは明白であり、酌量の余地などないと訴えた。「…凌不疑は父親を殺していません、大層な意気込みですが最初から間違っているわ」「程氏、未来の夫のために嘆願に来たのだろうが、凌不疑ならやりかねん」御史台で散々な目にあった左大人は程氏も収監して尋問するべきだと訴えたが、皇帝は少商の言葉が引っかかった。「今、何と言った?なぜ父親を殺していないと?」「陛下にお答えします…なぜなら凌益は子晟の父親ではないからです 子晟の実父は霍翀(フォチョン)将軍、子晟は霍翀将軍の忘形見である霍無傷です」(O_O)言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~子晟は確かに城陽侯に似ておらず、どこか霍将軍の面影があった。少商の話では杏子が好物のはずの子晟が霍君華(フォジュンホワ)の手作りの杏仁菓子を食べ、熱を出したことがあったという。「霍無傷は杏仁に触っただけでも赤く腫れるとか、それで私は疑念を持ったのです そして宴の夜、本人から告げられました、自分は霍侯の息子・無傷だと… 陛下、凌益は孤城の陥落を企て、霍将軍を惨殺した黒幕、子晟は父の敵を討っただけなのです」全てを聞いた皇帝は呆然、腰が抜けるように少商の前で座り込んだ。崔祐は何も知らなかった霍君華を思うとやるせなくなったが、少商は臨終の時を思い出せば分かるという。あの時、霍君華は子晟に自分たちの敵を忘れるなと遺言を残した。そして最期は確かに天を見つめながら我が子の名を呼んでいる。「阿狸(アリ)や…阿母も行きますよ…」霍君華は全て分かっていた。すると左御史中丞が新婦である程氏の言葉では証拠にならないという。少商はようやく凌不疑の苦悩を理解した。自分が誰の子かも証明できず、城陽侯が死ねば証人も消え、生かしておいても実子だと断定すれば反論しても無駄になる。「陛下、子晟は仕方なくあんな下策を…」しかし皇帝には凌不疑が阿狸か阿猙(アージョン)か証明する方法があった。「阿猙が子供の頃に見たことがある、身体に変わった形のあざがあった」「虎の頭では?!耳が3つある…子晟の腰の半寸下にありました 子晟の身体を拭こうとした時に偶然、見たのです!」「そうとも、3つの耳がついていた!ぁぁぁぁ〜早く捜索に遣わせ! あの青二才を崖から救うのだ!医官も連れて行け!食料もだ!」三皇子は直ちに崖へ向かうことにした。すると少商が追いかけて引き止める。「子晟の命を狙う者がいます あの日、左将軍は私たちを追い詰めて矢を放てと命じ、それで子晟は崖に…」「分かった…今日のことは感謝する 今後、子晟は愛するそなたのいいなりだな、ふっ」しかし少商の顔に笑顔はなかった。一方、崖から身を投げた凌不疑は蔓にからまり、かろうじて岩肌に留まっていた。どうやら不疑が手首に巻いていた少商の弦が蔓に引っかかり、運良く助かったのだろう。「少商…」つづく( ́ඉ .̫ ඉ ̀)ァゥァゥァゥァゥァゥァゥァゥァゥ…私のガオハン、美しかったわ~ ←そっちw
2023.12.01
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第21話「母の愛」念願の11階へ移動するも不遇な扱いを受けていた秦施(チンシー)。しかし陽華(ヤンホワ)や陶俊輝(タオジュンフイ)の励ましで本来の弁護士の姿を取り戻し、ようやく自分の居場所を見つけた。唐伊慧(タンイーフイ)は魔物の巣窟といわれる企業部で命綱を見つけた秦施に感心し、顧客の開店イベントに行かないかと誘う。「明後日はダメ…結婚式に出席するから」「そんなに大事なの?」「そうよ、私がいないとダメなの」秦施と陽華の結婚式当日。披露宴は2人の希望通り派手な演出はなかったが、家族や親しい友人たちが集まり、暖い祝福に包まれた。父と腕を組み新郎の元へ歩いて行く秦施、その時、ふいに足が止まってしまう。…この世に永遠の誓いなんて存在しない、婚姻もそのうちの1つ、共に白髪が生えるまでなんてただの勘違い、多くの結婚が誠実な約束から不実な嘘に変わる、でも自分の結婚が嘘から始まり、真実に変わるとは思ってもみなかった…秦軍(チンジュン)は娘を歩かせようとしたが、その時、陽華が迎えにきた。「安心して、僕がいる…」秦施は自分の結婚でパニックに陥ったが、今は優しい陽華がそばにいた。「僕を見て…深呼吸して…もう大丈夫?…さあ、行こう」2人は招待客の前に立つと、誓いのキスを交わす。すると陽華は顔を近づけながら思わず聞いた。「…契約違反じゃないよね?」目を閉じて待っていた秦施だったが一転、いきなり自分から唇を重ねた。(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ〜陽華は披露宴で酔っ払った秦施を抱きかかえてマンションに帰った。結婚への不安はどこへやら、秦施はまだまだ飲み足りないとはしゃいでいる。「すごく楽しかった~!…そうだ、もっと楽しいことする?」陽華は期待に胸を膨らませたが、″もっと楽しいこと″とはご祝儀の計算だった。「式の費用をまかなっても利益が出るな…秦家に返そうと思うけど、他に何かもらってない?」すると秦施は陽華を連れて寝室のクローゼットへ向かった。「ここに母の愛が詰まってるの」秦施がタンスの扉を開けると、母が無理やり押し込めたふかふかの婚礼布団が飛び出して来る。嫌でも初夜を意識して気まずい2人、そこで陽華は片付けは明日にしようと言って出て行った。「…おやすみ」「おやすみ」秦施は独りになってから布団の間に挟まっていた封筒を見つけた。中には母の手紙が入っている。…あなたが生まれた時からママはこの世で一番の幸せ者だった、あなたはずっと私のそばにいて幸せをくれた、でも私たちの結婚があなたを傷つけてきたと知らなかったの、本当にごめんなさい、あなたを守ってあげられなくて…胡小妹(フーシャオメイ)はずっと専業主婦だったが、実は初めて掃除のパートに出てお金を稼ぎ、この婚礼布団を買ったという。…どうかいつまでも幸せに、ママのことは心配いらない、愛しているわ、ママより…陽華がシャワーから出ると、寝室からすすり泣きが聞こえた。秦施はまだウェディングドレス姿のまま、なぜかクローゼットで泣いている。その手には母からの手紙があった。「泣かないで…」秦施を抱きしめ慰める陽華、やがて朝になったが、2人はベッドの上で抱き合って目を覚ます。おはよう〜…え!?(*´・ω)(ω・`*)ん?…はっ?!驚いた陽華は顔を洗って来ると断って逃げるように部屋を飛び出した。真っ白いTシャツの胸元には化粧を落とさず眠ってしまった秦施の顔型が…。秦施は気まずそうにコーヒーを飲んでいた。何と言ったらいいのか分からなかったが、陽華は自分が責任を取るという。「でも私たち、何もなかったよね?」「あった、というか僕には大事なことだ、君の気持ちがどうであれ、男として本心を言っておく 秦律師、君が好きだ、君の恋人になりたい」秦施は陽華の思い違いなのかと疑ったが、陽華はその証拠にキスした。「これで伝わったかな?」「ん〜もう一度、確認しないと」すると2人は抱き合い、再び唇を重ねた。しかし同時に2人の電話が鳴り、盛り上がった気持ちも急に冷めてしまう。陽華は実家に呼ばれた。すると母から子作りのことを聞かれ、秦施も年齢的に早く子供を欲しがっていると安心させる。「…それで健康で賢い子供を産むために生活と身体のリズムを整えてるよ」実は陽華の答えは秦施の受け売りだった。秦施は結婚式の次は子供の催促だと見抜き、やみくもに拒否しても陽母が納得しないという。『身体の調整には半年から1年はかかる… その頃には両親より私たちが必死になっているかも、それでもダメなら逆に慰めてくれるわ』秦施はさらりと大胆なことを言ってのけたが、陽華はそれが嬉しかった。一方、秦施は父からの電話で不動産へ向かっていた。すると物件を眺めている母の姿を見つける。何でも母が今の家を売って引っ越したいと訴え、一方的に不動産屋で待ち合わせしたという。『もし来なければ離婚です!』秦施は母の愛情を思い出して思わず抱きついた。「ママ、これからは無条件でママの味方よ!」胡小妹(フーシャオメイ)は理由もなく甘える娘の姿に失笑し、実は家を買いたいという。「分かった、応援する」「でもパパは反対なの、もしママとパパが離婚したらどうする?」「もちろん、私はママについて行くわ」秦施は父がなぜ家を売って引っ越すことに反対なのか聞いた。実は売るも何もこの部屋は前妻・劉艶(リュウエン)の名義だという。驚いた秦施は上階で暮らす劉艶からも話を聞いた。当時、父は協議離婚で身ひとつで出て行くことになったが住む家もなく、結局、そのまま住まわせたという。秦軍はいずれ出て行くつもりだったが劇団もパッとせず、わずかな稼ぎも親友に貸していた。「でもその友人が銀行に返済できなくて夜逃げ、あなたのパパが結局、肩代わりしたのよ」父は秦施が高校生の時に友人の借金を完済したが、その頃にはもう頭金があっても住宅ローンを組めなかったという。「陶俊輝(タオジュンフイ)と別れた時、住宅購入費の半分を返したわ、あのお金は?」「半分は貯金から…あとは借りた」実は父は事あるごとに内緒で劉艶に借金していた。秦施は母を呼んで家の責務状況を伝えた。母はショックを受けていたが、父が実は銀行に30万ほど預けていると明かす。「私はママよりたぶん先に逝くから、少しは残してやりたいと思って…」すると胡小妹は寝室に向かった。秦施が心配して様子を見に行くと、母はタンスの奥から出した通帳を渡す。「どうしたのこれ?」「私がコツコツ貯めてきたの、小施、それで借金を返して来て」胡小妹は夫を責めるつもりはなかった。借金を秘密にしていたのは自分を心配させたくなかったのだろう。「あなたのお祖父ちゃんに約束してくれたの ″お嬢さんを大切にします、決して心配や苦労はさせない″って… 約束を守ってくれたのね、だから怒れないわ」こうして両親のわだかまりはなくなった。秦施は安堵して帰ることにしたが、母は前妻の家に住みたくないと譲らず、結局、父と喧嘩になってしまう。その頃、陶俊輝と呉菲(ウーフェイ)も新居を探していた。呉菲は気に入った物件があったが、陶俊輝は自分たちの収入ではとても手が出ないと反対する。「2人なら2LDKで十分だろう?」「あなたに苦労させたくなくて…」「人生は苦労の連続だ、目的達成のためなら辛くない」秦施は陽華と合流、車で自宅へ向かった。「なぜうちはよその家と違うのかしら?つまらないことで大騒ぎして… 父もどうして妥協しないの?」秦施はどちらにしても母の味方をすると伝え、自分のマンションを譲って賃貸へ移りたいという。「たくさん案件を受けて頭金を用意すれば解決よ」実は母は秦施の提案を拒んでいた。新婚家庭に転がり込んで娘夫婦を追い出したとなれば陽華の両親が黙っていないだろう。しかし秦施は母も同意していると嘘をついた。「…家探しは少し待ってくれ、就職したい」「だってバカな人たちと働きたくないんでしょう?」「融資を受けたいんだ、君の家は秦ママに譲って僕らの家を買う 半年以内に買えば賃貸を探さずに済む」「ぁ…これは私の実家の問題よ?愚痴を言っただけで深い意味はないの あなたがポリシーを曲げる必要はないわ」すると秦施はこの世で一番、感動的なセリフを聞いた。「僕のポリシーは大切な人を幸せにすること、それは一生、変わらない 一歩、踏み出すことで実現するのに迷う必要が?」そんなある日、ある大物クライアントが呉菲の父の紹介で誠&慧にやって来た。「陶律師と約束が…」「あ、老丁(ディン)?!」「秦小姐?!」実は秦施と老丁は旧知の仲だった。「今日はどんな要件で?…まさかまた離婚じゃないですよね?ふふふ〜」つづく( ;∀;)ママ…
2023.11.30
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第20話「内助の功」仕事を放り出した秦文宇(チンウェンユー)は自分の無能さを認め、任梅梅(レンメイメイ)を支えることが自分の仕事かもしれないと悟った。梅梅は夫をひれ伏せることに成功し大満足、一方、秦施(チンシー)と言えば念願の11階へ移動になったものの不遇な扱いを受けていた。そんな中、秦家と陽家は結婚式に向けて動き始める。秦施は母の唯一の希望のため拒めなかったと言い訳したが、陽華は快く受け入れてくれた。「心配しないで、僕の母のためでもあるんだ、で君には何か希望がある?」「…特に何も、だって父と兄2人で合計5回でしょう?正直もうあの騒ぎにうんざり 結婚には価値を感じないし、結婚式に期待なんてない あ、そうだ、プレゼントがあるの」秦施は財神(ツァイシェン)のためにパートナーを見つけていた。「名前は…仙子(シェンズー)ね」どうやら財神は仙子を気に入ったようだ。秦施の結婚式は仕事柄、宴会に詳しい梅梅がコーディネート、早速、宴会場を押さえた。陽華は両親を連れて会場の下見と料理の試食に出かけたが、梅梅は陽華の経済観念に面食らってしまう。📱<秦施、どうなってるの?3割引にしてサービス料もカット、一番下のランクを選んだ上、料理は殺生せずに菜食でって…そんな披露宴ある?!招待客は少ないから小ホール、司会者もメイクも撮影も不要?結婚式は人生の一大イベントなのよ?!彼、何て言ったと思う?( ー̀ωー́ )<豪華さは幸せの証じゃない、ダイヤの硬度で絆は表せない…📱<…て、まるで他人が見栄っ張りみたいじゃないの!しかし秦施は全て陽華に従うよう頼み、今後は自分に連絡する必要はないと言って電話を切ってしまう。挙式の2週間前、秦施と陽華は衣装合わせに出かけた。タキシードが様になる陽華と仙女のように美しい秦施のウェディングドレス姿。見学に来た秦文斌(チンウェンビン)は思わず涙腺がゆるんだ。「陽華、これからも妹を敬い、愛して、雨よけとなり決して手放さないように… 夫婦であり、良き師、友であって欲しい、約束できるな?」秦施は兄の深い愛情に感激したが、契約結婚のため陽華にそこまで要求することはできない。(๑ ŏ_ŏ )<哥…(๑ •̀ㅂ•́ )<無理です( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)<はあ?!陽華の答えに文斌はもちろん、文宇と梅梅も困惑した。「いえ、僕は雨よけにはなれないと…秦施は僕が出会った女性の中でもっとも優秀で勇敢だ 彼女は僕の師です、彼女の伴侶になれることは僕の幸せです」秦施と陽華は他の衣装も試したいと言って試着室に消えた。しかしいつまでたっても出てこない。実はその頃、2人はこっそりホテルを逃げ出していた。「このまま出てきて大丈夫なのか?」「あんなに試着してたら仕事に間に合わない、あなたも撮影なんて嫌でしょう?」「でも撮らないのがもったいないほど綺麗だよ…」すると秦施は自撮りで2人の記念写真を残した。秦施は車で陽華を送ってから事務所に戻って会議だと伝えた。陽華は李黛(リーダイ)から助言された通り、そろそろ秦施のプライドを打ち砕いて救いの手を差し伸べる時だと気づく。「困った時には力になる…資料室を出られる策を講じるよ」「どうしてそれを?」「事務所のサイトを見た、パートナーに君の名前がなかったから」プライドが傷ついた秦施は急に不機嫌になり、弁護士でもない陽華に何が分かるのかと八つ当たりしてしまう。「時には人を頼るのも大事な能力のひとつだよ?」「それはご親切にどうも、必要な時は頼むわ、それでいい?」すると陽華は怒って歩いて帰ってしまう。秦施は実習とは名ばかりで、パートナー弁護士たちの使いっ走りだった。呉菲(ウーフェイ)は陶俊輝(タオジュンフイ)から秦施がひとつも案件がないと聞いて笑いが止まらない。「因果応報だわ!」一方、帰宅した秦施は陽華相手にパートナーたちへの不満をぶちまけた。陽華は黙って聞いていたが、秦施にも問題があると指摘する。「私に?何よ?!」「…君の問題だし、僕の専門は法律じゃないからアドバイスはできないな」すると陽華は部屋に戻ってしまう。揚げ足を取られた秦施は憤慨、しかし実は陽華が李黛からアドバイスをもらい、それとなくアシストしてくれていると知らずにいた。陽華は友人の投資仲間に結婚式の招待状を渡した。すると老周(ラオジョウ)が陽華にこっそり息子が転職したと報告する。実は前の上司が洛威玉蘭(ルオウェイユーラン)で破産、しかし新しい上司は良い人だという。「胡平(フーピン)と言うんだ」「胡平?」「知り合いか?なら良かった、新エネルギーシティの株を調べてみるといい」陽華は興味ないと言ったが…。陶俊輝はエレベーターで偶然、家庭部の補佐たちの噂話を耳にした。「秦律師、苦労しているみたいね~」「遅かれ早かれ報いは受けるわ」すると11階へ上がった陶俊輝はちょうどパートナーから仕事を回してもらおうと必死な秦施の姿を見かけた。かつて愛した人の惨めな姿に胸を痛めた陶俊輝はいきなり秦施の腕をつかみ、自分のオフィスに連れて行く。「君は律師だろう?飲み物やケーキの買い出し、チケットの予約が仕事なのか?! 犬みたいに媚びへつらいやがって!」「何ですって?!好きで使い走りをしていると?!」「誰も強制していない、君が勝手に卑屈になっているだけだ!」秦施は資料室へ戻ると自分の行動を思い出して反省した。確かに勝手に気を利かせて振り回され、案件を欲しがるあまり雑用に甘んじている。秦施は思い立ってスケジュール帳を開くと、いつの間にか貼ってあった陽華の付箋を見つけた。…自分自身への態度が君の世界を決める…秦施は元カレからの叱咤と偽装夫の励ましで目が覚めた。そこで出張へ出かけるパートナー2人を待ち伏せし、親切にも空港まで送り届けることにする。すると秦施は得意の運転で暴走、これまでの仕返しをした。その夜、秦施は陽華がシャワーを浴びている間に感謝のブタ型メロンを置いた。しかし陽華から何のリアクションもない。秦施は様子を見に行こうとしたが、その時、扉の下から書類が投げ込まれた。…誠(チョン)&慧(フイ)律師事務所 合伙人(パートナー)律師資料…書類には付箋がたくさん貼り付いていた。企業部の会議、陳(チェン)律師と沈(シェン)律師は相変わらず秦施を買い出しに行かせようとした。しかし秦施は席を立たず、自分もセットを1つ頼むという。「早くしないと…人気店なので30分は待ちますよ」すると秦施は堂々と最初に意見を述べた。結局、デリバリーは秘書に頼んだが、会議が終わってもまだ届かない。つづく( ゚ェ゚)え?沈弁護士って2人??? ←分かっていないw
2023.11.29
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第19話「招かれざる隣人」秦施(チンシー)は酔い潰れた陽華(ヤンホワ)を迎えに行った。一緒に飲んでいた蔡亮(ツァイリャン)は奥さんが来たと知らせて起こしたが、陽華は自分に妻などいないと驚いて飛び起きる。すると目の前に秦施が立っていた。「…僕の女神だ」陽華は人目もはばからず愛しい秦施にしがみついた。「まさか彼、詩を詠んでない?」「もう詠みました」蔡亮は秦施の車まで陽華を運んだ。「秦律師、2人の結婚が嘘でも、陽華は本気であなたに惚れていますよ こう見えて内心はもろくて弱い、だからあいつを利用しても傷つけないでやってください あ、誤解なら聞き流して…」一方、唐伊慧(タンイーフイ)は常連の店で偶然、呉菲(ウーフェイ)の姿を見かけた。マネージャーの話では呉菲と一緒にいるのは西美(シーメイ)PRの社長だという。唐伊慧は社長のテーブルに自分の酒を差し入れ、顔見知りになるきっかけを作った。すると呉菲が父親を紹介、実は西美PRの社長の娘だと明かす。唐伊慧はひとまず挨拶だけで退散したが、化粧直しをしていると呉菲がひょっこりやって来た。呉菲は自分が父を説得し、誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所を会社の顧問弁護士にすると持ちかける。しかしそこは百戦錬磨の唐伊慧、今夜の偶然を仕掛けたのが呉菲だと見抜いていた。「それは願ってもない申し出だわ、それで交換条件は何?」その頃、秦施は大きな陽華を支えながら何とか帰宅していた。ソファーに倒れたままスヤスヤと眠っている陽華。秦施は毛布をかけて陽華の寝顔を眺めているうち、何とも愛おしくなって思わず頬にキスしてしまう。翌朝、秦施はクライアントと話しながらオフィスに入った。するとなぜか自分の机に呉菲が座っている。「秦律師、ここは私のオフィスよ?」秦施が困惑していると、補佐の周茜茜(ジョウチェンチェン)が喬(チャオ)主任が待っていると伝えた。ついに11階行きが決まったのだと胸を躍らせる秦施、しかし喬主任が案内した部屋は11階の資料室だった。秦施は思わず引き返して唐伊慧のオフィスへ向かったが、秘書から来客中だと止められてしまう。その時、突然、李黛(リーダイ)が現れた。李黛は秦施を連れて人目のない階段に出た。すでに事務所を辞めると決心、退職願を出したという。さすがに入所3ヶ月の補佐が父親のコネを使い、普通は5~6年かかるシニアに抜擢されるなど理不尽過ぎる。ただでさえ独身は既婚の同僚には敵わないのだ。しかしさすがは鋭い秦施、李黛の退職の理由は他にありそうだと疑う。実は李黛は思わぬ人物に足をすくわれた。…あれは年末の業績評価が出た時のこと補佐となって4年目の茜茜は自分の評価がBと知って動揺した今回、A以上がもらえなければ昇進できず、恐らく事務所に残れなくなるそこで李黛にシニアの優秀者推薦が欲しいと頼んだ李黛は茜茜にその資格があるのかと呆れたが、驚いたことに茜茜は資格があるという『李律師の机になぜあのUSBがあったと?私は最初から李律師の味方です 私たちのように後ろ盾がない者は助け合わないと、違いますか?』実は李黛に例の監視カメラの映像を渡したのは秦施ではなく茜茜だった…秦施はそれでも李黛に事務所へ残るよう説得した。実は2年間も嘘をつき通して頑張ってきたのは、昇進して事務所の独身女性への偏見や不平等を正すためだという。所内で2人はライバルだと思われていたが、実のところ互いに理不尽なルールに怯まない同志でもあった。しかし李黛はあまりに目標が高過ぎると呆れ、自分はもっと現実的だという。「ここまで愚かだったとはね…投票で勝てると思ったの?」李黛は喬思明(チャオスーミン)を引っ張ってきた。喬主任の話では11階の人選を決める投票で秦弁護士と沈(シェン)弁護士が3対3の同票だったという。しかし最終的にパートナーになったのは外部から招いた弁護士だった。「秦律師、君も知っている人だ」秦施は堂々と自分の荷物を引き取りに行った。したり顔の呉菲は秦施の荷物ならすでまとめて隅に置いてあるという。「あら、ご自分で運ぶの?誰かに手伝わせましょうか?」「…本当に数ヶ月でスキルが身につくと思うの?指導できなくて残念だわ 現状に満足しないで、まぁせいぜい頑張ってね」秦施は颯爽と出て行ったが、11階へ上がると急に鬱々とした気分になった。その時、偶然、廊下で陶俊輝(タオジュンフイ)とはち合わせになってしまう。唐伊慧が外部から招いたパートナー弁護士は秦施の元婚約者で呉菲の現婚約者・陶俊輝だった。陶俊輝は資料室で荷物を片付けている秦施を訪ね、自分のオフィスは隣の隣だと教える。「…あなたは公私共に順風満帆でしょう?若くて可愛い婚約者もいて何の不満があるの? わざわざ波風を立てて私という小船を転覆させて楽しい?」「君の船は定員オーバーだった、気づかなかったよ… 2年前に僕と別れてすぐ別の男と結婚、2歳半の子供がいるって誰の子だ?!」「…言いたくない、なぜ過去を蒸し返すの?」「そうだな、君には心底、呆れたよ」出世のためについた秦施の嘘、それは思わぬ形で自分に跳ね返ってきた。秦施は陽華のメッセージに気づいて10階の受付に降りた。陽華は忙しい秦施がまた食事を抜いていると心配し、ランチを作ってきたという。「あ!お肉が入ってる!菜食主義はやめたの?」「残業続きなのに野菜と豆腐じゃ力が出ないだろう?」「ありがとう!…で、手は大丈夫?反撃されたらもっと悲惨だったわ」秦施は陽華がガラスを割ったと知っていた。しかし陽華は次があればもう1発お見舞いするという。「ふふ、そっちの紙袋は?」「ミントを株分けしたんだ、オフィスに置くといいよ」すると陽華は昨夜、酔っ払って迷惑をかけなかったか確認した。秦施は迷惑ではないと答え、ただ詩を詠めるのが意外なだけだという。「夕食は家で食べるね」「本当に?じゃあ食材を買って帰るよ」その時、ちょうど事務所を見て回っていた陶俊輝が10階に降りてきた。陶俊輝は休憩室で仲良く弁当を食べている秦施と陽華の姿に気づき、何とも複雑な気分になってしまう。唐伊慧は資料室の秦施を訪ねた。「一体、呉菲に何をしたの?」唐伊慧の話では呉菲が自ら西美PR社長の娘だと明かし、婚約者の陶俊輝を推薦して来たという。なぜか呉菲は秦施を敵視しているというのだ。「でもあなたと沈は私の腹心、あなたを11階へ上げたのはあなたの方がメンタルが強いからよ 陶俊輝を調べて欲しい、うちへ来た目的が知りたいの それにしてもまさか李黛が辞めるとはね~家庭部を任せる人が必要だわ〜」すると唐伊慧は実習期間を3ヶ月とし、その後の去就は秦施次第だと言った。一方、李黛は喬主任の前で書類にサインを済ませ、IDを返した。喬主任はさすが潔いと感心したが、実は呉菲が秦弁護士を敵視していると知る。しかし李黛にも理由までは分からなかった。「だから皆、秦律師はもたないと言っているのか…」喬主任はあの秦施が辞めるとは思えなかったが、したたかな唐伊慧の思惑も読めなかった。実は11階の投票で唐伊慧は秦施に投票しなかったという。その頃、呉菲はランチに出かけていた。予約した広い席にはすでに料理が並んでいたが、座っているのは呉菲しかいない。結局、いつまで待っても補佐たちは1人も来なかった。事務所を去った李黛は陽華を呼び出した。陽華は自分たちの偽装結婚を知った李黛を警戒したが、実は脅しが目的ではないという。確かに秦施のやり方には賛成できないが、間違いなく自分より勇敢だ。「秦施は事務所の欠点を変えようとしてる、でもうまく行くはずない」「結果は最後まで分からないさ」李黛は思わず失笑し、傲慢なところが秦施と良く似ているという。「秦施には共に戦う仲間と裏で支える人が必要よ、だからあなたに彼女を助けて欲しいの」任梅梅(レンメイメイ)がお飾り社長の秦文宇(チンウェンユー)に仕事を任せて1ヶ月が経った。てっきり1週間で根を上げると持っていたが、驚いたことに毎日、定時に出社している。暇を持て余した梅梅は秦施の苦境も知らず電話でおしゃべりに付き合わせていたが、その時、会社から連絡が入った。「ごめん、あとでかけ直すわ」実は文宇が出社しておらず、サインがもらえずに業務が滞っているという。梅梅はようやく自分の出番が来たと喜び、いそいそと仕事に出かけた。つづく( ゚ェ゚)いや、お兄ちゃんはもういいのw
2023.11.28
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第18話「結婚の証」陶俊輝(タオジュンフイ)の母の誕生日。呉菲(ウーフェイ)は陶俊輝と秦施(チンシー)の関係を怪しみ、わざと陶母に自分の上司が陶俊輝の大学の後輩・秦施だと明かした。秦施の名を聞いた陶母は動揺したが、咄嗟に知らない人だとごまかしてしまう。一方、秦施と陽華(ヤンホワ)はついに入籍した。…秦施、こんな任務まで果たすなんて、あなたって無敵ね…「なんて素敵な赤い色~❤️」秦施は寝室で仕事をしていたが、ふと結婚証明書をながめて自画自賛した。しかし隣の部屋には証明書の自分の写真に納得できない陽華の姿がある。「気まずそうな顔してる…財神(ツァイシェン)、パパの写真を見てごらん? あ、首を引っ込めたな?撮り直しできないかな~」その時、秦施からメッセージが来た。…もう寝た?……いいや、起きてる……聞きたいことがあるの、倉庫で何か言いかけたけど何?…陽華は秦施にキスしかけたことを思い出し、妄想が広がった。このまま寝室を訪ねて倉庫での続きを始めるべきか。陽華は秦施の寝室へ向かったが、ふと頭の中で警報が鳴った。結婚協定の第3項・第4条を破って恋愛関係や夫婦の義務を要求した場合、刑事もしくは民事的責任を負わねばならない。結局、陽華は仕事で疲れている秦施のためにマッサージを始めた。「昼間の話ってこれ?ありがとう」陶俊輝は呉菲をマンションまで送り届けた。「秦施のことで何が知りたいんだ?」「なぜ元カノだって隠していたの?」陶俊輝は仕方なく秦施が元婚約者で、7年間つきあっていながら別れたと正直に明かした。母が秦施を気に入らず、秦施も結婚を恐れたという。しかし聞けば別れたのは2年前、呉菲は秦施の結婚が2年前で息子までいることを訝しんだ。「どういうこと?」「息子がいるのか?」「今は海外で療養中なの…なるほど、あの女はあなたを裏切っていたのね?」陶俊輝はもう過ぎたことだとなだめたが、呉菲は自分の愛する人を苦しめた秦施をどうしても見逃せなかった。秦施は人事部に結婚証明書を提出した。入籍は数日前だったが、実は国外で結婚届を出したため、手違いで取り消されていたという。「急ぎだと聞いたから国内で出し直したわ」一方、玉蘭(ユーラン)グループの債務問題も金誠(ジンチョン)が蘭暁亭(ランシャオティン)のため保証人を見つけ、無事に解決した。秦施は事務所で債権者の代理人である陶俊輝と同意書を交わし、せっかくなので呉菲と一緒にランチでもどうかと誘う。しかし陶俊輝は用があると断り、足早に事務所を後にした。するとエレベーターホールで偶然、陽華とはち合わせになる。陽華は秦施を傷つけて捨てた陶俊輝への怒りが込み上げ、思わず足止めした。「どけ…」憤慨した陶俊輝は陽華を突き飛ばすと、陽華はいきなり殴りかかり、ガラスを割ってしまう。李黛(リーダイ)は出世のために偽装結婚までした秦施に呆れた。「雲を踏み台にするなんて落ちるのが怖くないの?」「私が踏み台にするのは他人の無能や恐怖心、それから怠惰よ あなたも過ちを知られることや上司の評価を恐れてる?私は恐れない」すると陽華から電話が来た。秦施が事務所を出ると受付前の小さな窓が割れていた。エレベーターホールで待っていた陽華は自分が割ったことは伝えず、ともかく場所を変えることにする。実は陽華は結婚を知った母がまた秦施に迷惑をかけているのではと心配した。事務所には来ていないと聞いて安心したが、簡単に諦めるような人ではないという。「じゃあ家族で顔合わせしようか?」「本気で?…うちのママを侮ってはダメだ、口では秦ママに負けない」「誰がママを手強いと言った?パパに比べたらママなんてただの中年女よ 私の性格が誰に似たと?」こうして秦家と陽家が一堂に会した。秦父と陽母の対面に戦々恐々の秦施と陽華、しかし思いがけず2人は意気投合する。実はかつて秦軍(チンジュン)は文芸工作団の団長で役者だった経験があり、舞踏団にいる陽母と一緒に歌を披露した。「秦施をひと目見て気に入ったのは率直な性格が私に似ていたからなんです~」「褒め過ぎです、甘やかしたので礼儀知らずな娘で…」予想に反して和やかな雰囲気で始まった両家のお顔合わせ、しかしついに秦母の不満が爆発した。胡小妹(フーシャオメイ)は定職もなく結婚資金も準備できない陽華を牽制した。結婚式の費用だけはどうしても譲れず、平均家庭以上にしてもらう必要がある。陽母は秦施が結婚資金も何もいらないと言ってくれたと訴えたが、秦母は納得できなかった。「確かめたいのはそちら様の誠意なんです、せっかく苦労してここまで育て上げたのに… まさかこの年になって突然、現れた男に相談もなく連れ去られるなんて思わなかったわ」秦母は一方的に不満をぶちまけたが、言いたいことを全て吐き出したところで陽父が口を開いた。「秦母、確かにうちは裕福ではありません しかし子供たちにとって大事な式ですので力を尽くします 家はあるし、車も買えばいい、新郎の家としてやるべきことはやりましょう」式?(*´・ω・)(・ω・`*)え?陽母は息子が無職の手前、例え優秀でも秦母に言い返せなかった。自宅に戻るなり文句たらたらの陽母、しかし陽父は愛し合う子供たちのためにも結婚式を挙げてやろうという。偽装結婚とも知らず、母を説得してくれる優しい父に後ろめたさが残る陽華。一方、秦施は両親を車で送っていた。「ママ、家や車なら私が持っているじゃない? 結婚するだけよ、なぜ格式にこだわるの?家族で食事するだけでいいじゃない?」しかし胡小妹は故郷の親族から近所の知り合い、上の階の住人まで呼ぶと言い出した。「招待客は私が決める!行き遅れと言った人を全員、呼んでやるわ!」「ママ、自己顕示欲で結婚式しないで」すると怒りが収まらない胡小妹は車を止めろと騒ぎ出した。両親は途中で車を降りて帰った。結局、母と和解できないまま事務所へ戻った秦施、すると陽華から電話がかかってくる。「この世界で一番、好きなものと嫌いなものは?」「…何?酔っているの?」「僕は母から結婚を急かされるのが嫌だった~見合いも嫌だ~そして好きなのは… あ、嫌いなのはうちの前の旅館だ~今、僕が好きなものは… いや、今、一番嫌いなのは陶俊輝だ!君を見る目つきが嫌なんだ それに君があいつのために怪我したのも嫌だ ヤツを殴ってやりたくて、この前、殴ってやった…本当は殴りかけただけだけど…フフ 秦施…君はお金では買えない、世界の美しさを全部、集めた宝石だ 僕の全てを君にあげる、欲しいものも欲しくないものも…全部… 妻よ、僕たちは結婚したんだ…愛してる、本当に君を愛している…(バタン)」すると陽華はそこで酔い潰れて寝てしまう。実はその時、秦施は事務所の防犯カメラで陽華が陶俊輝に殴りかかり、ガラスを割ってしまう様子を見ていた。「ふふ、幼稚なんだから」しかし秦施はそんな陽華が愛おしくなり、思わず画面に映る陽華の頭をなでてしまう。一方、呉菲は秦施に復讐しようと画策、偶然を装って父と一緒にいるところを唐伊慧に見せた。秦施は陽華を迎えに行った。一緒に飲んでいた蔡亮(ツァイリャン)はそれほど飲んでいないと言ったが、全く起きる様子がない。「おい、目を覚ませ、奥さんだぞ?!」「奥さん?…僕には妻なんかいないぞ!」陽華が飛び起きると、目の前に秦施が立っていた。つづく( ๑≧ꇴ≦)ちょw老秦と陽ママがwwwハライタイ~アハハハハハハハハ~
2023.11.27
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第17話「100%の信頼」結婚に向けて動き出した秦施(チンシー)と陽華(ヤンホワ)。しかし秦家に挨拶に来た陽華はうっかり飲み過ぎて酩酊し、いつもの悪い癖が出てしまう。「秦施は星の大海…幸せという光で僕を包んでくれる…」陽華は秦施との突然の出会いを思い出しながら、自分の一目惚れだったと明かした。秦文宇(チンウェンユー)は詩人のような陽華に大笑い、すると秦軍(チンジュン)が娘を心配し、結婚したら転職してはどうかと提案する。その時、陽華が海外赴任というのは嘘だと口を滑らせた。秦施が慌てて止めに入ったが手遅れ、父から正直に全て話すまで帰さないと言われてしまう。秦文宇は母のマンションに立ち寄り、実家での一幕を面白おかしく聞かせた。投資コンサルタントだと思っていた陽華が無職で、実際はデイトレーダーで小銭を稼ぎながら親と同居しているという。これに胡小妹(フーシャオメイ)が激怒、なぜ優秀な陶俊輝(タオジュンフイ)を捨てて定職のない男を選んだのかと娘を非難した。すると秦施が2年前に別れた本当の理由を明かしたという。『陽華は関係ない、彼の母親に反対されたの、なぜだか分かる? 離婚家庭の子は受け入れられないからよ、私たちは品格に欠けた社会のクズなの、分かる? 私じゃない、向こうが断ったのっ!』文宇は今、思い出しても痛快だった。いつも偉そうにしている秦施がまさか振られた方だったとは…。しかし急に劉艶(リュウエン)は怒り出し、息子を叩き始めた。「妹が馬鹿にされ、父親の顔を潰されたのに…それでも兄なの?!」秦施は居たたまれなくなり実家を引き上げることにした。すると散々、母に蔑まれた陽華がふいに口を開く。「ご両親にも理想の娘婿像があるでしょう 僕は優秀ではありませんが、これだけは約束できます 秦施に犠牲を求めたり、夢を邪魔したりはしません、それだけは信じて欲しい…」これまで見事なチームワークで乗り越えて来た秦施と陽華、しかし思わぬところでつまづいた。秦施はむしゃくしゃしながら駐車場へ到着すると、ふと振り返って陽華を待つ。しかし何を勘違いしたのか、酔っ払った陽華は両手を広げて秦施を迎えようとた。「何してるの?…車の鍵よ」「あ…」そこへ母が慌てて駆けつけた。「大事な物を忘れてる…あなたが彼を選んだのよ、自分で責任を取りなさい、もう何も言わない」秦施は無事に戸籍簿を手に入れ任務完了、仕事に戻った。そこでちょうど道場にいた陶俊輝を捕まえ、蘭暁亭(ランシャオティン)が返済条件をのむと伝える。すると陶俊輝は新たな条件を加えた。例え返済を約束してもその間に何が起こるか予測できず、抵当権を付けるか保証人を立てて欲しいという。確かに今の状況で蘭会長を保証してくれる銀行や企業などないだろう。「でもそれを見つけるのが君の仕事だ」秦施は独りで背負うと決めた蘭会長の勇気を応援すべきだと訴えたが、陶俊輝は呆れた様子で″女はきまぐれだ″と言った。「強固な非婚主義者が別れた途端、他の男と結婚するからな」実はその頃、呉菲(ウーフェイ)は密かに取り寄せた2007年の弁論大会の映像を見ていた。陽華は改めて自分の失態を謝罪した。しかし秦施は自分のために実家へ来てくれた陽華を責めるつもりはないという。「僕が口を滑らせてしまった、償うよ」「必要ない…あ、でもどうしてもって言うなら手伝って欲しいことがあるの」翌日、秦施は陽華と一緒に所長のオフィスを訪ねた。唐伊慧(タンイーフイ)は秦施が黙って蘭暁亭と接触していたことに腹を立てたが、金誠(ジンチョン)は陽華の提案を冷静に考えている。「財務諸表を見ましたがセンターの経営は良好で、問題発覚前にIPOに着手、15校を開設予定でした 今回の問題で投資家が引き上げてしまいましたが、今なら少ない投資で最多の株が得られます IPOが終われば大きな収益が見込めるかと… アナリストとして分析には責任を持ちます でも実際に勝負に出るか否かは投資家が決めること、リスクのない商売はありません」秦施と陽華は説明を終えてエレベーターに乗った。「あの場で断らなかったのは望みがあるってことよ…今頃は人選を考えているはず」「さすが自信家だな」「私じゃない、あなたを信じているの、100%信頼してる」陽華はその言葉が飛び上がるほど嬉しかったが、悟られまいと必死に笑顔を我慢した。すると喬(キョウ)主任が家庭部に戻って来た秦施に気づき、婚姻証明書をもらおうと追いかけてくる。焦った秦施は陽華を連れて咄嗟に倉庫室に逃げ込み、息を潜めた。ピッタリ密着して抱き合う陽華と秦施、すると陽華は秦施への想いが止まらなくなる。「秦律師…あの…その…僕たち…」陽華は秦施に顔を近づけたが、急に着信音が鳴って我に返った。「あなたの電話みたい」電話の相手は陽父だった。陽父は息子と秦施を呼び出した。実は妻の代わりに秦施へ謝罪に来たという。確かに妻はやり過ぎたが、これも息子への盲目的な愛のためだと理解を求めた。「どうか許してやってくれ」すると陽父は息子が秦施と出会ってから大きく変わったと話し、息子のやる気を引き出してくれたと感謝する。「私は何も…」「いいや、君は良くやってくれた、息子は世の女性にとって理想の配偶者とは程遠い 君と出会えたことは幸運だ、これで私も安心だよ」「でも…私の家庭環境を気になさらないと? この前、陽媽は″うちの家系で離婚した人はいない″と… 実は私の父はバツ2なんです」寛大な陽父もさすがに離婚2回ともなると困惑したが、すかさず陽華がかばった。「人の目より自分がどう思うかだ、僕は全く気にしないよ」秦施は陽華の言葉に感激した。…感動は日常の中でいつも不意に訪れる、例えば彼が何気なく言ったこの言葉も…その場しのぎかもしれないが、でも私は陽華の本音だと信じられた陽父は息子の秦施への愛が本物だと安心し、戸籍簿を渡した。「パパ、これは母さんが隠していたんじゃ?」「私が見つけられないとでも?…母さんの考えることなんてお見通しさ」李黛は喬主任から秦施が罰として今月の報奨金と通勤手当、食事手当が取り消されると聞いた。既婚者を偽っていた割には処分が軽いと思ったが、よくよく聞いてみると蘭会長を黙って助けていたことが原因だと知る。「秦律師は蘭总を助けるため、投資家を集めて欲しいと頼んだらしい」「え?」(,,Ծ‸Ծ,,).oO(目立ちたがりの秦施めっ!陶俊輝は仕事帰りに母の好物を買って久しぶりに実家へ戻った。今日は母の誕生日、すると1時間前に到着していた呉菲が自分の部屋に飾られた優勝杯と賞状を眺めている。「何を見ているんだ?」「優勝杯がひとつ足りないんじゃない?2007年の最優秀賞はあなたじゃなかったの?」「どうかな…違う」呉菲はそれとなく誘導したが、陶俊輝は適当にはぐらかした。陶俊輝と呉菲は陶母の誕生日を祝って食卓を囲んだ。すると呉菲が陶母に実は自分の上司が陶俊輝の後輩だと教える。どうやら呉菲は秦施との関係に気づいたようだが…。つづく(๑´ω`๑)今日も癒し陽華❤️しかし無邪気だった呉菲まで…
2023.11.27
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第16話「顔合わせ」実家で父と喧嘩になり、ひと足先に誕生日会をあとにした秦施(チンシー)。ちょうど秦文斌(チンウェンビン)も研究所から呼び戻されたことから、秦施は兄を車で送って行くことにした。「最近、やけに怒りっぽくなったな」文斌は妹が結婚に否定的なのも複雑な家庭環境で育ったせいだと分かっていた。「以前、お前は言ってたな 婚姻の始まりはただの契約に過ぎない、愛情の量や持続期間に保証はないと… 俺たち夫婦の愛も少々、減ったが情は増えた、俺にとっては責任も増えたな」「で、幸せ?」「俺の主観で言えば満足してる」 その夜、秦施は実家から帰ってきた陽華(ヤンホワ)に唐突に聞いた。「ねえ、私が好きなの?」「(´゚ω゚),:;*.’:;.,.. ブハッ!」「結婚は私にはメリットがある、でもなぜあなたは私と結婚したいの?」すると陽華は母が李黛(リーダイ)に口実を与えてしまった償いと、結婚することで母の暴走を止められると説明した。「母に勝てる女性は今のところ君だけだ、それに僕も財神(ツァイシェン)もここが気に入っている」「じゃあ私を好きになったんじゃ…」「ちっ、違うよ…」「口だけじゃダメ」2人は早速、書面で3年を期限とした婚姻協定を結び、離婚の際にもめないよう婚前協定も作成することにした。入籍は戸籍簿と身分証さえあれば届けが出せる。しかし互いに戸籍簿は母が管理していた。「速戦即決よ!」その夜、陽華は秦施に新しい携帯電話をプレゼントした。秦施が襲撃された時に落としてひび割れた携帯をそのまま使っているのを知っていたのだろう。すると秦施は部屋に戻ってから早速、メッセージを送った。…嫁妆(持参金)@PDF…にわかに現実味を帯びて来た秦施との結婚、陽華はメッセージを眺めながら自然と笑顔になった。一方、蘭暁亭(ランシャオティン)は秦施の提案を受け入れ、玉蘭(ユーラン)グループの役員会に臨んだ。そこで筆頭株主が持つ人事権を発動し、玉蘭グループの新総裁に趙丹平(ジャオダンピン)を指名する。役員たちの猛反発は秦施の想定内だったが、事務所では想定外の問題が起こった。何でも事務所に既婚者と偽っている弁護士がいると分かり、唐伊慧(タンイーフイ)の逆鱗に触れたという。秦施は李黛の裏切りに憤りながら、ともかく急いで11階へ向かった。しかしよくよく聞いてみれば自分のことではなく、家庭部にいたシニア弁護士・スティーブンの話だと分かる。実はイギリス研修へ行ったスティーブンが半年前に妻と離婚していたことが発覚したのだ。ε~( ˘ω˘ )ホッ!九死に一生を得た秦施、安堵してオフィスに戻るとセオリー通り菓子を頬張った。すると喬(チャオ)主任から内線が掛かって来る。実は今回の件で唐伊慧が疑心暗鬼になり、所員の人事書類を確認するよう頼まれたという。「それで秦律師の資料に不備があった 都合が良い時に婚姻状況の証明書を持って来てくれないか?」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ秦施は実家へ戻り、両親に陽華と結婚すると伝えた。「この前は言い過ぎたわ…私を心配してくれる2人の気持ちを疎かにしちゃいけない だから早く身を固めて2人を安心させたくなったの」娘の優しい言葉に秦軍(チンジュン)と胡小妹(フーシャオメイ)は大喜び、しかし秦施が戸籍簿を要求すると表情が一変した。「なぜ戸籍簿を?」「届出を出して来るの…今日」一方、陽華も戸籍簿を取りに実家を訪ねた。すると陽母は部屋の鍵を全て閉めて抵抗、秦施とは結婚させないという。陽華は父に頼ったが、陽父は戸籍簿の隠し場所を知らなかった。「ママが仕事へ出かけたら探しておくよ」娘の結婚を喜んでいた胡小妹だったが、さすがに挨拶にも来ない相手といきなり結婚するのは許せないと反対した。秦施は母も結婚式や結納金がなかったと訴えたが、胡小妹はそのせいで肩身の狭い思いをして来たと嘆く。「早く結婚してくれるのは嬉しいの でもせめて普通の家庭のように男性の結婚準備ができてからにして欲しいわ」秦施の野望はあっけなく打ち砕かれた。「どうしてみんな私の邪魔をするの?ただ籍を入れて昇進したいだけなのに… 11階は天竺かっつーの!」しかし陽華は確かに秦母の言い分も一理あるという。「陽華哥哥、申し訳ないけど挨拶に来てくれない? ママが何か言ったら適当に承諾して、籍さえ入れれば後は何とかする!お願い!」「いや気掛かりなのはうちの母だと思うけど…」「ならまずうちのママを片付けてからそっちのママを…」「分かった、いつでもいいよ」陽華が挨拶に来ると聞いて秦文宇(チンウェンユー)と任梅梅(レンメイメイ)、長兄嫁まで集まった。すると案の定、陽華は老秦から酒を勧められる。実は蔡亮(ツァイリャン)から初めての訪問で避けて通れない難関が酒だと聞いていた。『酒で試されるのは男の平常心、魅力、勇気、責任感だ 固辞するのも飲み過ぎるのもいけない、酔ってもいいが酔い潰れてはだめだ』↓酒キタッ!秦施はキッチンへ消えた母の様子を心配して席を立った。「お望み通り連れて来たのに何が不満なの?」しかし母は何も言わず、ヘソを曲げながら料理を作っている。その間に陽華は文宇に注がれるままどんぶりの酒を飲み干し、すっかり泥酔していた。つづく( ˶´꒳`˵ )陽華ったら、好きなのバレバレね〜
2023.11.26
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月升沧海 Love Like the Galaxy(第21話)第48話「宿願、ここに果たせり」城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)の五十路を祝うため、凌一族が屋敷へ到着した。凌益は15年も父子の団らんを阻んできた霍君華(フォジュンホワ)が亡くなり安堵したが、夫人の淳于(チュンユー)氏は子晟(ズーション)の父親を見る目が恐ろしかったと警戒する。「もしや君華姐姐から聞いたのでは?あなたが孤城で…」その時、激怒した凌益の平手が夫人の頬を激しく打ち付けた。「子もなせぬ不徳者めが、口を慎め!さもなければこの手で霍君華の元へ送ってやる」淳于氏は夫の仕打ちに憤った。当時、妻が行方不明でも再婚を望んだのは凌益、子をなせなくなったのは霍君華に襲われて子が流れたせいだ。「私の傷をあなたがその手でえぐるとは…やっと分かった、あなたの心には我が子のことだけ 父子で団らんすればいいわ、私は己のために別の前途を探す」一方、成婚を間近に控えた程少商(チォンシャオシャン)は自宅へ戻ることになった。本来なら凌不疑(リンブーイー)の喪が明けるまで待たねばならなかったが、3年も待てない皇帝は法要中の成婚を認める。しかし法要中ともなれば盛大な婚儀を行えず、皇后はせいぜい嫁荷を揃えてやることしかできなかった。「十分、盛大です、こんなに沢山の嫁荷、狭い部屋に入り切るかどうか」長秋宮の前には少商のための輿と嫁荷の長い列が待っていた。少商はもしや不疑が現れるのではと思ったが、皇后は子晟なら来るはずないという。「成婚前に会うのは縁起が悪いわ」少商は皇后に別れの挨拶をして輿に乗った。その時、皇后が前から歩いてくる凌不疑に気づく。「子晟?来たの?!」少商は思わず帷(トバリ)を開けて外へ出た。「どうしたの?」「家まで送る」「成婚までは会えないそうよ…私に話があるの?」しかし不疑は黙ったまま視線を落としてしまう。そこへ皇后がやって来た。「子晟、情けないわよ?成婚すれば毎日、会えるのだから…少商、早く行きなさい」少商は皇后に促され、輿に戻るしかなかった。…凌不疑、やはり話してくれないのね…結局、不疑は何も打ち明けられないまま、黙って少商の輿を見送った。その夜、曲陵(キョクリョウ)侯府では四娘子の成婚を明後日に控え、少商が花嫁衣装を試着していた。当日は長い間、重い衣装や冠をつけ続けるため慣れておかなくてはならない。程姎(チォンヤン)は皇后が特別にあつらえた豪華な冠をながめながら、実は蕭元漪(シャオユエンイー)も一式、準備していたと明かした。しかし少商は姎姎が嫁ぐ時に使えるという。「私が宮中にいる間、堂姉が家を支えた…堂姉がいれば娘を失っても阿母は寂しくない」「そんな…嫁ぐだけよ、失うなんて言わないで」「女が嫁げば残りの半生を夫に託す、夫に危険があれば私も戻らない」そんな娘の覚悟を程始(チォンシー)と蕭元漪が回廊で立ち聞きしていた。「嫋嫋(ニャオニャオ)のそばに戻って1年も満たぬ、埋め合わせをする前に嫁いでしまうとは…」程始は寂しさで涙が止まらなかったが、蕭元漪は娘の言葉がまるで惜別のようで心がざわついた。同じ頃、凌不疑は腹心の梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)の3人で城陽侯府を訪ねた。城陽侯の五十路の祝いだというのにどこか緊張感に包まれる宴席、すると不疑は外套を羽織ったまま早速、父に祝いの品を渡した。ひとつは銭が詰まった箱、しかしもうひとつの大きな箱から男の生首が現れる。「廷尉獄の裏庭の花職人だ… 数日前、城陽侯は自ら3万銭を渡し、独房内に花びらを吹き散らせたな? だから彭坤(ポンクン)は死んだ、今日は渡した銭と共に首もお返ししよう 満足いただけないなら、孤城三千の亡魂に代わって申し上げる ″享年五十″の祝いをな!」一方、少商はそろそろ城陽侯の祝宴が始まる頃だと気づき、冠を外した。「蓮房(リエンファン)、祝いを用意して符登(フードン)に届けさせて、今すぐよ、急いで」凌益は息子の暴挙に深く落胆した。「確かにお前の母には負い目がある、だが祖先の位牌をよく見てみよ? 教えてくれ、お前は凌氏一族なのか霍一族なのか?」「…本当に知りたいと?」「本当だ、今日、お前の剣で死のうとも疑念を晴らしたい」「では疑念を晴らさず殺すとしたら?」凌不疑の言葉が引き金になり、宴席にいた客人らは一斉に外衣を脱ぎ捨て、隠し持っていた剣を抜いた。すると凌益もゆっくり立ち上がり、剣を抜く。「せがれよ、ここまで生き抜いて来た私が退路を残していないと思うか? …この父のために疑念を晴らす気はないと?」「黄泉にて霍氏一族が語るだろう、お前が死ぬべき理由を…」一方、門前払いされた符登は急ぎ屋敷に引き返していた。「女公子、城陽侯の私兵に遮られ礼品を渡せませんでした 招状がなければ入れないと、屋敷から物音ひとつ聞こえなかったので戻りました」凌不疑は外套を脱ぎ捨て、隠し持っていた剣を梁兄弟に投げ渡した。すると私兵たちも宴席に雪崩れ込み3人を包囲、門を閉じてしまう。宴席は修羅場と化した。窓紗に映る人影は激しく争い、やがておびただしい鮮血が飛び散る。一方、少商は花嫁衣装のまま部屋を出た。しかし中庭で家族が待ち構えている。実はすでに外出禁止令が出て軍営が交代していた。「何か知っているの?」「凌不疑が大変なの、行かないと…彼に関わることなら放っておけない」蕭元漪は帝后に任せるようなだめたが、少商は例え非力でも一度きりの人生で何かを成し遂げたいという。少商は馬で城陽侯府へ急いだ。しかしすでに屋敷への道が封鎖されている。その時、軍装した家族が駆けつけ、衛兵を阻んで道を開けた。「嫋嫋!早く行きなさい!」城陽侯府は静寂に包まれた。亡骸で埋め尽くされた寝殿、凌益は薄明かりの中、決着がついたことを確認する。しかしその時、部屋の片隅から凌不疑が血を流しながら現れた。「父親殺しの汚名を着せられるぞ…」凌益は万が一に備え、皇帝に知らせていた。「何か勘違いしているのでは?お前の子とは従兄・阿狸(アリ)のことか? だったら人違いだ…阿狸はお前に殺された! お前がその手で城門を開け、敵を入城させ、骸を城壁に掛けさせた もう忘れたのか? 姑 父 大 人 !」「まさか…信じられぬ…なぜ知っている?お前は誰だ?!」「まだあるぞ…お前がその手で阿父を殺したことも知っている 叔母と都へ戻った時から決意していた、いつかお前の命を取ると… そして今日がその日だ!」「凌不疑…どちらにしても名義上は私の息子だ…独断で私を殺せば自分の命が代償となる 誰もお前を守れぬぞ!」すると不疑は血まみれの顔で不気味に笑った。「雍(ヨウ)王、小越(ユエ)侯、彭坤…一歩一歩、進みながら今日に至った 霍氏の敵を討てたら死して悔いなし…」凌益は焦って不疑の胸に剣を突き刺したが、不疑は決して退かなかった。凌不疑に徐々に迫られた凌益は足を取られて後ろへ倒れた。背後ではようやく梁兄弟が立ち上がる。「それから…」実はあの時、孤城にいた幼い不疑は偶然、父が凌益に殺される様子を目撃していた。不疑は父の無念を思いながら、ついに凌益の胸に剣を突き刺す。「…私の姓は凌ではない、私の姓は霍だ」その時、不疑が剣を深く差し込み、凌益の身体を貫く鈍い音が聞こえた。「私の名は…霍…無(ウー)」「グハッ…」「…傷(シャン)」凌不疑は霍翀(フォチョン)の息子・霍無傷だった。宿願を果たし万感胸に迫る無傷、その時、突然、門が開き、少商が現れる。つづく( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ウワッ!かなりトラウマになりそう〜だってウーレイが上手過ぎるのよせめてパンダのシャンシャンだったら良かったのに…( ;∀;)って何が?w
2023.11.25
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第20話)第47話「歯形の誓い」孤城陥落の真相を知る彭坤(ポンクン)を北軍獄に連れ去り、拷問を続ける凌不疑(リンブーイー)。すると翌朝、廷尉府侍郎・袁慎(ユエンシェン)が駆けつけ、国の法を守り、掟に従うべきだと諫言した。「程少商(チォンシャオシャン)との成婚も間近であろう?朝堂で口実を与えるな 妻に迷惑しかかけぬのなら、私が取って代わっても構わんぞ?」実はその頃、少商は御前で左(ズオ)御史中丞から追及されていた。凌不疑が彭坤の身柄を勝手に奪ったことが発覚、崇徳(スウトク)宮に皇太子や三皇子、城陽(ジョウヨウ)侯・凌益(リンイー)らが集まった。左御史中丞の話では程娘子が夫のため嘆願に来た身重の王姈(ワンリン)に乱暴したという。しかし少商は子晟(ズーション)を貶められて手巾で口を塞いだだけだと釈明した。皇帝は頭を抱えたが、そこへ凌不疑が現れる。「左大人は打たれ足らず、私の新婦に難癖を?」左御史中丞は凌不疑が勝手に彭坤を拷問したと非難した。するとすかさず少商が彭坤も孤城陥落に関わっているからだと反論する。驚いた左御史中丞は城陽侯の顔色をうかがったが、凌益は視線を逸らした。「小越(ユエ)侯が捕らわれたのが引き金です 乾安(ケンアン)王を陥れた彭坤は孤城の件も隠せないと悟り、造反したのです でも当時、一介の副将に主帥を陥れる度胸があるでしょうか?首謀者は別にいるはずです」少商は全て王姈から聞いたと明かした。夫は都の者と往来があり、密かに夫と接触し続けた者こそ黒幕だという。事情を知った皇帝は子晟も廷尉府と一緒に捜査することを認めたが、拷問させないよう三皇子に監督を任せた。凌不疑は自分を無視して足早に帰って行く少商を何とか引き留めた。「少商!」「…小越侯を泳がせていたのね? 文修君(ウェンシウジュン)への仕打ちも、御史台への報復も、全て私のためだと思っていた でも実際は私はただの口実だった」少商は裏で画策していたのが不疑とも知らず、皇后や皇太子を救うため奔走していたと思うと悔しくて涙が出た。しかし不疑がいくら諌めても皇太子は王淳(ワンチュン)や楼(ロウ)太傅を重用し、このままでは過ちを繰り返すだけだったという。「少商、誤解しないでくれ…君への行動は全て真心からだ」「なら教えて、将来、枕を共にし、子をなす相手の真の姿を…成婚するのに私はあなたを知らない 子晟、大切なことを隠していない?話してくれたら信じる」少商は核心に迫った。しかし不疑が何か言おうとしたところで東宮の侍従が駆けつける。「凌将軍、太子殿下がお呼びです」凌益は皇太子に頼んで東宮に子晟を呼んだ。皇太子は親切心で父子の対面に協力したが、父の顔を見た凌不疑は捜査があると断って引き返すことにする。すると凌益は息子を引き留め、成婚前に父子で話がしたかっただけだと訴えた。「私が彭坤を調べることになぜそれほど焦っている?審理を引き延ばしたいと?」「お前の身体を心配しているだけだ」しかし不疑は偽善など必要ないと捨て台詞を吐いて出て行ってしまう。皇太子は力になれなかったと落胆したが、凌益にはこの短い時間で十分だった。王姈は少商の嘆願のお陰で夫との面会が認められた。しかし独房ですでに息絶えた夫の無惨な姿を発見する。検視の結果、彭坤は独房に舞い込んだ花びらで喘息発作を起こし、急死していた。王姈の話では夫は重度の喘息持ちで、草花も嗅げなかったという。凌不疑が呆然と亡骸を見ていると、知らせを聞いた凌益が皇太子と一緒にやって来た。「明らかに報いだな、乾安王を陥れたことで孤城の陥落を招き、お前の舅父一族は惨殺された …これで肩の荷が降りたであろう、少商と成婚して憂なく暮らせ」その時、激情に駆られた不疑が凌益の胸ぐらをつかんだ。「お前だな!お前が殺したんだ!」驚いた皇太子が慌てて子晟を止めると、不疑は皇太子の手を払い退けて出て行った。その夜は激しい雨になった。憤懣やる方ない凌不疑は人けのない大街で酒をあおりながら、怒号を響かせる。その時、少商がやって来た。少商はへたり込んだ子晟に寄り添い、自分がそばにいるとなだめる。しかし不疑はもはや望みは絶たれたと泣き崩れた。「結局、私は何もできなかった…少商、目を閉じると見えるんだ 全身が血まみれになった彼らが私を責め続ける、なぜ敵を討ってくれないのかと… 本当は私も死んでいた、十数年も耐え続けたのに…全て無意味だった… 退路は絶たれた、少商、それでも私のそばにいてくれるか?」「何が起きてもあなたを助ける、どんな時もあなたの味方でいる」「程少商…実は…私の名は…」「若主公ォォォォォォォォォォォ~ッ!」その時、梁邱起(リャンチゥチー)と梁邱飛(リャンチゥフェイ)が駆けつけた。「大変です!夫人が…夫人が…」凌不疑と少商が杏花(キョウカ)別院に駆けつけると、崔祐(ツイヨウ)が霍君華(フォジュンホワ)に付き添っていた。霍君華はもはや虫の息だったが、驚いたことに我を取り戻している。「思えばあの時、あなたに嫁ぐべきだった、あなたに嫁いでいたらこんな末路は迎えなかったわ」その時、霍君華は崔祐の肩越しに凌不疑の姿を見つけた。「…こちらへ」霍君華は不疑をそばに呼ぶと、最後の力を振り絞って身体を起こし、顔を近づけた。「…忘れてはならない、我らの仇を」「約束します、決して忘れません、この仇は必ず討ちます」すると安心したのか、霍君華は最期に阿狸(アリ)の名を呼んで旅立った。凌不疑は一睡もせず母の棺に付き添った。心配した少商は薬湯を届けたが、不疑はどこか達観しているように見える。「少商、私が驚天動地の挙に出ても私への気持ちは変わらないか?」「棺の前で誓うわ、私、程少商は凌不疑を決して裏切らず、彼が離れない限り諦めないと誓います」すると少商と不疑は互いの腕を噛んで歯形を残し、誓いの印とした。「互いに噛んで誓った、この傷が互いの心を結んでる、改めて聞くわ、私に何か話はない?」不疑は喉まで出かかったが、結局、真相を明かすことはできなかった。「…何もない」≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコッ!言わないのかーい!中庭から崔祐の怒鳴り声が聞こえた。凌不疑が外へ出てみると、崔祐が凌益と淳于(チュンユー)氏に激怒している。崔祐は思わず凌益を殴りつけたが、不疑に止められ、その場を離れた。「母の霊前に何か用か?」聞けば7日後は凌益の五十路の生辰、凌氏一族も集まるため霍君華を招待に来たが、思いがけず訃報を知ったという。凌益は宴を中止にすると言ったが、不疑は決まっているなら開けばいいと勧めた。「当日は私も礼品を持って伺おう」その話を回廊で少商が聞いていた。つづく(Ŏ艸Ŏ)息を止めて子晟の告白を待ち…(๑≧ꇴ≦)その度にプハーッとなって…そしてまさかの3段落ちw
2023.11.24
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第15話「秘密の共有」陽華(ヤンホワ)が家事をこなしながら旧友・老周(ラオジョウ)にアドバイスしていると秦施(チンシー)から連絡が来た。「それじゃまた…もしもし?」「陽華?ちょっと聞きたいことがあって…」秦施は遠回しに引き受けるには危険だが人助けになる仕事をどう思うか聞いた。しかし陽華は答えようがないという。「すでに答えは出ているんだろう?ただ僕に背中を押して欲しいだけでは?」「でも…この選択が正しいのか分からないの」「君は良い弁護士だと自負していた、良い弁護士ならどんな選択をする?」「ふふ、そうね、ありがとう」陽華は秦施が自分に相談してくれたことが嬉しかった。「…あ、陽華、お願いがあるの」秦施は蘭暁亭(ランシャオティン)の案件を引き受けようと決めてホテルの部屋を訪ねた。そこで偶然にも先に来ていた李黛(リーダイ)とはち合わせになる。趙丹平(ジャオダンピン)は2人の突飛な行動に困惑、事務所が見限った案件をどうして引き受けたいのか聞いた。すると李黛は弱者が不公平な扱いを受けることが許せないと訴え、秦施にも同意を求める。しかし秦施は自分の理由とは違うと否定した。「私は正義のために来たわけではなく、あえて難しい案件に挑戦したいからです」秦施は陽華にアドバイスを頼んでいた。確かに蘭会長に離婚を勧めたが、それは洛威玉蘭(ルオウェイユーラン)と無関係であることが前提の話、しかし実際は資金貸付の保証人で、今、離婚しても10億の返済義務は免れないという。陽華が提案した債務問題の解決法は2つだった。1つは資産の売却、しかし非流通株まで手放す必要があり、仲の悪い兄が協力してくれるとは思えなかった。2つ目は蘭会長が責務返還を果たすこと、蘭会長の会社は抵当に入っているが財務状況が良好なため不良債権にならず、債権者も金を取り戻せるなら経営の継続を認めてくれるはずだという。「実は昨日、陶俊輝(タオジュンフイ)弁護士が訪ねてきました 提案を受けたのです、龐(パン)氏の国外逃亡は周知の事実、返済の可否は蘭总しだいです もし積極的な返済計画があれば蘭总名義の企業の存続に同意すると…」すると李黛も確かにその案が唯一の解決策だと賛同した。しかし趙丹平はこれを機に玉蘭グループの経営権が伯父に移ってしまうことを懸念する。役員たちにとって蘭会長は親の資産を引き継いだだけの何もできない女だった。「その件についてはゆっくり考えてみるわ」秦施はホテルの前で李黛と別れたが、ふと思い立ってランチに誘った。何かを食べてストレスを緩和させるのが秦施のセオリー、しかしそれより李黛の別れ際の言葉がどうも引っかかる。…秘密を共有するのはこれで3回目ね…秦施は残りの2つの秘密は何か聞いた。すると李黛は例の2500万の件でクビになった高(ガオ)弁護士の情報源が自分と喬(チャオ)主任の立ち話だったと明かす。「あなたはそれを知りながら報告しなかった、この恩は忘れない でも仮は作りたくないから返すわね」李黛は秦施のUSBを返したが、今度は携帯に録音した音声を聞かせた。…何を言ってるの?!息子と秦施は結婚していないわ…それは損害賠償の件で李黛を頼った陽母の声だった。李黛は以前から秦施と陽華の関係に違和感を感じていたが、これで腑に落ちたという。「出世のために既婚者を装っていたのね…11階行きを辞退して欲しい 誤解しないで、ポジションを奪うつもりはないの でもお互いに張り合ってきた目的はたった1つ、フェアであること」すると李黛は音声データのコピーを渡して帰った。秦施の夢が音を立てて崩れ始めた。確かに不正を働いたのは事実だが、実力に偽りはないと自負している。それにしても引き出しに入れたUSBがなぜ李黛の手に渡ったのだろうか。しかし今はそれどころではなかった。「最悪、移籍してやり直せばいいわ…例えゴールにたどり着けなくてもあきらめるしかない」母の音声を聞いた陽華は責任を感じた。「もし昇進できたら上司に真相を話す?」「…11階へ行けたらもちろん話すわ、今の状況を変えたい、時代錯誤もいいところよ」「その時は見届けたい」すると陽華は秦施を苦境から救い出す方法があると言った。「結婚しよう」秦施は父・秦軍(チンジュン)の70歳を祝うため実家へ帰った。久しぶりに家族が集まり記念撮影することに、しかし前妻の劉艶(リュウエン)がどさくさに紛れて父の隣に座ってしまう。秦施は肩身の狭い思いをする母を思うと居たたまれなくなり、咄嗟にカメラを止めた。「関係ない人は出て行って、家族写真にお客はいらない」母を邪魔者扱いされた文宇は激怒、妹と喧嘩になり、互いの母親を巻き込んで大騒ぎになってしまう。秦軍は我ながら普通の家族が作れなかった不甲斐なさを嘆いた。思えば最初の妻は秦文斌(チンウェンビン)が4歳の時に海外で夢を叶えたいと訴え、自由にするしかなかったという。そして劉艶と再婚、劉艶はいきなり母親になったが、長男を我が子同然に可愛がってくれた。「そんな劉艶を大切にするのは当然だろう?」当時は起業したばかりでガムシャラに働いた。しかし収入が増えるにつれて家庭は上手くいかなくなったという。「お金と何の関係が?!いくら円満でも泥棒ネコには勝てないの」劉艶は秦施の母に夫を奪われたと逆恨みしていたが、秦軍は胡小妹(フーシャオメイ)との再婚にやましいことはないという。「皆、家族なんだ、言い争いはやめよう 文宇には申し訳なかった、あの頃は仕事でイライラして口より先に手が出た お前はバカで騙されてばかりだが、そんなふうに育てたのは私に責任がある」「パパ…ゥッ…もう大丈夫、梅梅(メイメイ)がいる、もう離婚話なんてしないよ…ぁ…」文宇はうっかり口を滑らせ、父の逆鱗に触れた。「今、何と言った?!」実は秦家には父を反面教師とし、″秦家の子は離婚しない、死別のみ″という厳しい掟があった。焦った文宇は咄嗟に秦施が恋人と同棲しているとばらし、矛先を変えてしまう。一方、陽華は実家へ戻り、秦施と結婚すると報告した。しかし李黛から真実を聞いた陽母は秦施を嘘つきだと責め、反対する。「ママ、断りなく同僚に接触しないと約束しただろう? 李黛は秦施のライバルなんだ、彼女の話を鵜呑みにしないで」「だったら秦施を呼んでいらっしゃい、私の誤解なら謝るわ」「呼ばなくていい、結婚していると嘘をつかせたのは僕なんだ 僕は彼女を愛している、他の男が近づくのを許せなくて…」((( *´꒳`* )))ファ~❤️父に離婚騒動を知られた秦文宇は面壁を命じられた。背後では秦施が両親から恋人のことを追求されている。「陶俊輝と別れたのはその男が原因か?!」「違うわ…」秦軍はとにかく陽華を連れて来いと命じたが、秦施は海外勤務なので無理だと誤魔化した。「お互いに仕事で忙しいの…たまに連絡するだけで十分よ 離婚できない家訓だし、結婚する自信がないの もし結婚しても離婚したら自殺と他殺、どちらにする?」秦施は開き直り、結婚したからと言って幸せになるとは限らないと自論を展開した。「ママはパパと結婚して三十数年、未だ兄たちは″おばさん″呼ばわりする、まるで他人よ? 夫の誕生日すら前妻に遠慮して料理は何が良いかお伺いを立ててる、これが幸せなの?」秦軍は相変わらず口が減らない娘にへき易し、2度と顔を見せるなと追い返してしまう。秦文斌は妹を追いかけ、途中まで乗せて欲しいと頼んだ。「研究所から戻れと連絡が来たんだ」「じゃあ乗って…」一方、実家では父のいない間に陽華の話題で盛り上がっていた。梅梅の話では陽華は背が高くイケメンで投資コンサルタントだという。秦施の母は大喜びだったが、梅梅はどこか変わっている気がすると漏らした。「具体的には言えないけれど、会えば分かるわ でもよく気がついてすごく優しい人、秦施とお似合いよ」しかし母の気掛かりは陽華が結婚を望んでいるかどうかだった。つづく(๑´ω`๑)そう言えば陽華が何気に結婚指輪をはめているのが可愛いw
2023.11.23
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第14話「襲撃」蘭暁亭(ランシャオティン)の離婚訴訟を担当することになった秦施(チンシー)と李黛(リーダイ)。2人は早急に蘭会長の資産を把握すべく奔走したが、夫婦の共有財産はすでに抵当に入っていた。海外の資産も口座が全て夫・龐定方(パンディンファン)の名義、これでは分与が難しい。ただし蘭会長が遺産相続で得た玉蘭(ユーラン)グループの株28%だけは譲渡不可のため無事だった。蘭会長は兄と不仲で、株をめぐる対立は容易に想像できた。玉蘭グループの創業者の死後、株は長男が23%、長女と次女が14%づつ相続したが、その後、次女つまり趙丹平(ジャオダンピン)の母が蘭会長に株を譲渡したことで蘭会長は筆頭株主となり、龐氏を総裁にしたという。実は龐氏はグループ株を一切、所有しておらず、単なる社員に過ぎなかった。蘭会長が持っている株の時価評価額は22億だった。その時、ホワイトボードを眺めていた李黛が債権者から集めた金額と同じだと気づく。「ピッタリだわ…初めから妻の株で補填するつもりだったのね」洛威玉蘭(ルオウェイユーラン)と言えば設立は5年前、実はその年、グループの後継者候補の1人となる蘭会長の兄の息子が入社していた。妻の財力で頭角を表した龐氏にとってこの甥の存在はさぞ脅威だったことだろう。秦施は陽華(ヤンホワ)からの着信に気づき、一旦、休憩にして場所を変えた。「もしもし?どうしたの?今夜は残業なの…」📱<分かった、いつ終わる?迎えに行くよ「必要ないわ…電話が入った、じゃあね…もしもし?」驚いたことに割り込み電話の相手は元カレの陶俊輝(タオジュンフイ)だった。陶俊輝は洛威玉蘭の件で話したいと伝え、駐車場で待っているという。秦施が会議室に戻ると酷い悪臭が充満していた。「どうしたの?!」「秦律師にデリバリーが届いて…てっきり差し入れだと思って開けたら…」すると保冷バックから″関わるな″と切り貼りした脅迫文が見つかる。秦施は仕方なく今夜のところは切り上げることにして陶俊輝に会うことにした。一方、仕事から干された呉菲(ウーフェイ)は陶俊輝の部屋で帰りを待っていた。暇つぶしに本棚から一冊の本を手にした呉菲、すると挟んであった昔の写真が落ちてくる。写真には制服を着た陶俊輝と秦施が写っていた。裏には″弁論大会優勝″とある。確か2人は互いに相手を良く知らないと言っていたが、どういうことなのか。仕事が早く終わった秦施は陶俊輝にこれから行くと連絡しながら歩いていた。すると地下駐車場で突然、強面の男たちが現れ、連れ去られそうになってしまう。その時、秦施が落とした電話で異変を察知した陶俊輝が駆けつけた。しかし陶俊輝が男とやり合っている間に秦施は別の男たちに捕まってしまう。秦施はかつて陶俊輝から護身術を学んだことがあった。…弁護士も危険が多いから身を守れないと、もし護身術でダメな時は不意を突いて逃げろ…秦施は男に肘鉄を食らわせ、急いで逃げた。しかしうっかり転倒し、男に追い付かれてしまう。その時、物陰から陽華が現れ、男をスタンガンで撃退した。陽華は秦施を連れて逃げようとしたが、秦施に懇願され陶俊輝を助けに向かう。屈強な男にはスタンガンが効かず思い切り顔を殴られてしまう陽華、すると男が陽華に気を取られているうちに陶俊輝が一撃をお見舞いした。その頃、結婚相談所から損害賠償を要求された陽母はあろうことか李黛に連絡していた。それにしてもなぜ息子は親孝行も育ての恩も忘れて出て行ってしまったのか。すると陽父は息子も自分に似て独占欲が強いと指摘した。「好きな物や大切なものは誰が何と言おうと諦めない」「…つまりあの2人の仲は本物だと?!」陶俊輝と陽華のおかげで襲撃事件は未遂に終わり、警察が到着した。秦施は殴られた陽華の顔を確認していたが、なぜか陽華は機嫌が悪い。「…腫れているけど大丈夫そうね」「医者でもないのに分かるのか?」すると陶俊輝が自分の車で一緒に事情聴取へ行こうと声をかけた。しかし陽華は秦施の手を取り、自分たちの車で行くと断る。「誰の車でも一緒だろう?秦施に話があるんだ」「妻と話すなら僕たちの車に乗ってくれ」秦施は後部座席に負傷した元カレと偽夫を乗せて帰途についた。相変わらず不貞腐れている陽華、すると陶俊輝が債務返済について相談があるという。「共有財産を調査しているだろう?積極的に債務を返済すれば酌量の余地がある」「私の依頼人には関係ない」「だが2人の婚姻中に起こったことだ…夫婦は共に利益を得るだけではない 君だって夫が失業したからといって離婚しないだろう?」「(; ̄꒳ ̄).oO(呉菲…このおしゃべりめ!」「債権者が黙っていないぞ?もし返済を進めれば少とも蘭会長の他の事業は影響を受けずに済む さもなければ全部、凍結され、離婚訴訟が終わったら倒産することになる」「私を脅してるつもり?!」秦施は興奮して思わず振り返った。「前を見ろ…」そんな2人のやり取りを陽華は黙って聞いていた。秦施と陶俊輝の話し合いは物別れに終わった。するとストレスを感じた秦施はたまらず自宅近くのコンビニに駆け込んでおでんをどか食いしてしまう。「それでどういうこと?」秦施は陽華が駐車場に来たのは偶然ではないと分かっていた。実は陽華にも洛威玉蘭の件で金を失った知人がいるという。知人の話ではすでに裏社会の回収業者が動いており、蘭会長が離婚することまで知っていた。「…あの男たちに見覚えがある」陽華は秦施に身の危険が迫っていると焦り、見舞いの帰りに実家に寄ってスタンガンを手に入れると、秦施の事務所へ向かったという。「契約の内容を超える行動だったわ…助けに来てくれて心から感謝してる」陽華は店で薬を買って秦施の腕の怪我を手当した。「そうだ、今夜の元カレに嫉妬する夫の演技は最高だったわ スタンプを一つ押してあげる(ペタン@❤️)」「秦律師、そそっかしいところがなくなれば僕もスタンプをあげるよ」陽華は手当てを終えると、今度は秦施が殴られて赤くなった陽華の顔に薬を塗ることにした。頰が触れそうなほど近づいてドキドキしてしまう陽華、そこで咄嗟に話を振ることにする。「この件から手を引いたら?怖くないのか?」「怖いわ、でも逃げるわけにはいかない 正義を維持し、市民の合法的権益を守る…これがモットーなの 惚れないでよ?!ふふふ~さあ、撤収よ」その時、部活帰りの学生たちが大きなカバンを持って入ってきた。陽華は学生のカバンが秦施に当たりそうになり、咄嗟に秦施をかばって抱きしめてしまう。陶俊輝が帰宅すると呉菲はソファーで眠っていた。起こさないようそっと上着を掛けたが、結局、呉菲は目を覚ましてしまう。すると呉菲は陶俊輝が怪我をしていると気づき、写真どころのではなくなった。聞けば秦施が回収業者に襲われて助けたという。一方、秦施は思いがけず陽華に抱きしめられ、急に陽華を意識するようになった。目を閉じれば陽華と一緒にベッドで寝ている夢を見てしまう。我ながら動揺した秦施は早々に事務所へ出かけ、オフィスで寝ることにした。翌朝、陽華が書斎を出るとすでに秦施の姿はなかった。…出勤するわ、手作りの朝食をどうぞ〜♡…陽華は幸せを感じながら朝食を食べ始めると、老周(ラオジョウ)から連絡が来た。📱<私だ、例の工場に着いたぞ「分かった、僕の言った通りにして」一方、李黛は昨夜、地下駐車場で弁護士が拉致されそうになったと聞いた。しかし男2人が駆けつけ、無事だったという。李黛はそれとなく秦施に探りを入れたが、上手くかわされてしまう。誠(チョン)&慧(フイ)は蘭会長の案件から手を引くと決めた。実は龐氏が会社名義で10億近く借金しており、その契約書の保証人が蘭暁亭だという。唐伊慧はすでに本人にも確認を済ませ、離婚しても一文なしになると分かった。「私たちにできることはない、手を引くわ」すると唐伊慧は秦施を呼び止め、昨夜の襲撃を心配して休ませることにする。「診断書をもらってね…はい、お見舞い」「じゃあ遠慮なく…」「遠慮したことがあった?ふふ」その頃、陽華は家事をこなしながら、工場を見学している老周に助言していた。「可能なら株主全員に会うといい、株主間に対立があれば買収の際にトラブルが起きやすいんだ」つづく((( *´꒳`* )))ポワワーン
2023.11.22
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第13話「オシドリの行方」洛威玉蘭(ルオウェイユーラン)の投資詐欺で債権者の代理人となった陶俊輝(タオジュンフイ)。恋人・呉菲(ウーフェイ)の様子から経営者夫妻が離婚すると気づき、仕事のペースを上げることにした。一方、買い物帰りだった秦施(チンシー)と陽華(ヤンホワ)は李黛(リーダイ)から蘭暁亭(ランシャオティン)が失踪したと連絡を受けていた。そこで蘭会長の別荘に行ってみたが人影はなく、周囲はすでに債権者だらけだった。「他に心当たりはありませんか?」「誰があなたに知らせたの?」唐伊慧(タンイーフイ)は秦施にこの案件に関わるなと警告していたが、秦施は人手なら多い方が良いと言った。金誠(ジンチョン)と唐伊慧はホテルに駆けつけ、趙丹平(ジャオダンピン)から手がかりを聞いていた。しかし事件のせいで取り巻きたちは潮が引くようにいなくなり、今や伯母には頼れる友人もいないという。一方、陽華は蘭暁亭を思い通りに動かせるのが結局、夫の龐定方(パンディンファン)だけだと気づいた。「サンフランシスコ発の最終便は20分前に到着してる…」思えば蘭会長は事務所を頼って来た時、本当なら自分も渡米して夫や息子と一緒に2週間後に帰国する予定だったと話していた。…昨日の電話でも夫は″帰国便を予約した″と言っていたわ…秦施は空港の到着ロビーで蘭会長を見つけた。すでに最終便が到着して1時間、蘭会長は来るはずのない夫と息子の姿を探している。秦施は蘭会長を無理に連れ帰ろうとはせず、ひとまず座って待とうとなだめた。「龐会長に連絡してみては?」龐定方は妻との連絡を断った。蘭暁亭はようやく現実を受け入れ、閑散とした空港で泣き崩れてしまう。「結婚前は優秀な女性になろうとした、でも結婚後は母のような良妻賢母になろうとしたわ 私の人生は完璧だと思っていた、でも儚い夢だったのね 秦律師…私はどうしたらいいの?」「私を信じて、嵐はいつか必ず過ぎ去ります」こうして蘭暁亭は無事にホテルへ戻った。すでに踏ん切りがついたのか、今後は金誠の考えに従うと決め、秦施の誠意ある対応に感謝する。「これからもよろしくね」秦施と陽華は深夜にマンションへ戻った。すっかり疲れ果て、エレベーターの中で立ったまま眠ってしまう秦施。陽華は秦施を抱きかかえてベッドまで運ぶと、秦施の寝言に思わず顔をほころばせた。「陽華、私の肉を取らないで〜ムニャムニャ…」↓ちょっと期待外れだった寝言w翌朝、秦施と陽華は朝食を食べながら、昨夜の食材がまだ車の中だと思い出した。「仕事に行って、ここは僕が…」「ありがとう!…あ、住むところがなければここにいてもいいわ でも部屋の掃除が条件よ、嫌ならいいけど…」「いいよ」一方、仲直りした秦文宇(チンウェンユー)と任梅梅(レンメイメイ)は新婚に戻ったように熱々だった。文宇は昼休みに一緒に食事に行こうと誘ったが、梅梅は義父の誕生日プレゼントを買うため、姑と出かけるという。「この前は占い師を呼んだな、パパは70過ぎにもなってまた離婚するって言われてたっけ でも兄貴と俺の結婚の時期を当てた人なんだ、秦施も占ってもらったが俺にも分かる あいつは一生、独身だな」「バカね、秦施には恋人がいるの、あ、でも秘密にしてね」秦施は李黛と2人で蘭暁亭の離婚訴訟を担当することになった。早速、趙丹平同席のもと家庭部で会議が始まり、今日中に離婚調停申立書を提出すると決める。2人はおしどり夫婦として有名だった。しかし李黛の指示で密かに動いていた茜茜(チェンチェン)が夫の不貞行為の証拠をつかんだという。実は米国へ逃げた龐定方は息子に英語を教えて5年になる王嘉玲(ワンジアリン)と一緒にいた。写真を見た趙丹平は伯父の裏切りに激高、手続きを急いで欲しいと訴える。「彼女も既婚者だったはずよ?伯母が苦しんでいるっていうのに…でもこの事は伯母には内密に」そこで秦施たちは提訴と同時に財産保全の申し立てと資産の清算も進めることにした。一方、蘭会長が離婚を進めると知った陶俊輝は胃痛がひどくなるばかりだった。確かに提訴しても一審は必ず調停となり、ここで不成立なら原告が取り下げ、再び提訴できるのは半年後だ。しかしこのまま龐定方が帰国せず欠席裁判となれば時間がかかるはず、どちらが先に結審するかは分からない。恐らく原告側は財産保全の申し立てをするはずだ。対抗して資産凍結を申し立てるにしても陶俊輝が把握できた財産は一部に過ぎない。正確な総額は当事者しか分からず、こればかりは離婚弁護士のほうが詳しかった。陽華は旧友・老周(ラオジョウ)の見舞いにやって来た。するとちょうど病室から出て来た強面の男たちとすれ違う。聞けばあの男たちは洛威玉蘭の巨額の案件に目をつけた債権回収業者だった。「あれはどう見ても裏社会の人間だな… 私は返金を求めていないのにけしかけて来たんだ、いくらバカでも連中に頼むもんか」しかしすでにあの回収業者に依頼した債権者も多いという。「そうだ、もう一つ情報がある、蘭会長が離婚を決めたらしいぞ?さっきの連中が言っていた」蘭会長の案件から外された呉菲は秦施に直談判した。「私を外した理由なら分かっています、でも絶対に情報を漏らしません!」しかし秦施は陶俊輝が理由ではないと否定した。誠&慧法律事務所で高級弁護士になれるのはわずか、その枠を手に入れるため誰もが必死に働いているという。呉菲は自分がコネを利用していると疑われ、憤慨した。「能力を証明して見せます、秦律師の偏見にはがっかりしました!」実は秦施も自分で分かっていた。…嫉妬から若者の向上心を打ち砕くなんて…すると秦施はまた引き出しからお菓子を出して食べてしまう。一方、李黛から入会金の返金を求められた結婚相談所の孫(スン)は陽母に損害賠償を要求していた。身に覚えのない陽母は確かに息子は独身だと反発、念のため弁護士に相談しようと思いつく。「確かにもらったはずだけど…あ、あったわ!」すると陽母はハンドバッグの中から李黛の名刺を見つけた。つづく(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤイヤイヤ〜あれは寝ていないでしょう?w
2023.11.21
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爱的二八定律 She and Her Perfect Husband第12話「所長の思惑」洛威玉蘭(ルオウェイユーラン)による巨額の投資詐欺。実質経営者である龐定方(パンディンファン)はすでに資金を持って高跳びしていた。蘭暁亭(ランシャオティン)は姪・趙丹平(ジャオダンピン)の勧めで誠(チョン)&慧(フイ)法律事務所を頼ったが、未だ夫に裏切られたと信じられずにいる。所長・金誠(ジンチョン)は家庭部の秦施(チンシー)と李黛(リーダイ)も招集し、念のため最悪の想定だと断りを入れてから見解を示した。蘭会長が経営に関わっていないと証明されれば刑事裁判では無罪、しかし民事では連帯責務を問われることになる。その場合、夫婦で協議書を作っていなければ共有財産が全て返済に充てられてしまうだろう。「道連れになりたくないなら方法は1つです」すると金誠は李黛に答えを振った。「…離婚です」「あり得ない!」残酷な提案に蘭暁亭は取り乱したが、金誠は冷静な趙丹平に判断を委ねた。「良く考えて、答えが出たらご連絡ください」秦施と李黛は案件に関わらない振りをしながら、それぞれ内密に調査を始めた。実は李黛は早々に趙丹平にメッセージを送り、すでに龐定方の居場所を聞き出している。一方、秦施は唐伊慧(タンイーフイ)からは今回の案件に手を出さないよう釘を刺されていた。…今は保身に努めなさい、これは面倒な案件よ?失敗すれば不利になる…しかし呉菲(ウーフェイ)を呼び、西美(シーメイ)PRの知人から蘭会長の資産状況を探るよう頼んだ。陽華(ヤンホワ)は蔡亮(ツァイリャン)とジムで汗を流していた。陽母は鳴りを潜めていたが、実は蔡亮に毎日のように連絡して探りを入れているという。「それはお疲れ様、で部屋は見つかったか?」陽華は蔡亮に部屋探しを頼んでいたが、蔡亮はしばらく秦施に置いてもらえばいいという。家賃を払ったとしても一人暮らしよりは割安、何より陽華の条件に合う物件を見つけるのは難しかった。「それにしてもお前がママ以外の女性と同居できるとは思わなかったな~」「財神(ツァイシェン)も女だ」「そこまで言うならもう1人いる、元カノの姚(ヤオ)…」すると陽華は急に運動をやめて帰ってしまう。李黛は所長が会議で自分に話を振ったことから、これはチャンスだと勘違いした。しかし喬(チャオ)主任から思わぬ指摘を受ける。「秦施は老板娘の2500万を取り戻した、もはや老板娘の実の娘も同じだよ 娘を仕事から遠ざけようとするのはつまり利点がないどころか割を食う危険があるからさ」李黛は秦施が企業部行きを決めたのだと気づき、自分に見込みがないと分かって落胆した。秦施は早めに仕事を切り上げ、陽華と夕食の買い物にやって来た。しかし陽華は秦施が選ぶ食品に何かと難癖をつけては棚に戻してしまう。(* ゚ェ゚)<冷蔵庫にまだ肉がある…それに肉の食べ過ぎだ…あ、こっちは特売だよ( ー̀ωー́ )<…カートを別にして秦施はようやく自分が欲しい物をカゴに入れると、本当は蘭会長の案件を担当したいと吐露した。確かに厄介な案件だが、夫に騙されて全てを押し付けられた妻を見過ごせない。一方、呉菲も陶俊輝(タオジュンフイ)からそれとなく情報を聞き出そうとしていた。するとかえって陶俊輝に蘭会長が誠&慧へ来たことがばれてしまう。「君は嘘をつく時、同じ言葉を繰り返すからな」( ̄▽ ̄;)<めいよーめいよー呉菲は慌ててごまかそうとしていたが、その時、夫と一緒に買い物している秦施を見つけた。「秦律師!偶然ですね…あ、お二人も火鍋ですか?」秦施は元カレの婚約者が自分の部下である呉菲だと知った。つまり呉菲こそ西美PRの社長の娘ということになる。「あなたってずい分と謙虚なのね…私だったら大いに言いふらすわ 家庭環境がいいのはプラスポイントだもの」秦施は陶俊輝に嫌みを言ったが、当の陶俊輝は上の空で聞いていなかった。かつてあのマンションで一緒に火鍋を食べていたのは自分と秦施だったはず、それが今では互いに別の相手がいる。「火鍋が食べたいな…」陶俊輝は急に的外れなことを言って呉菲を困らせた。「秦律師、俺たちの関係を知ったなら、2度と洛威玉蘭の件を探らせないでくれ」驚いた呉菲は秦施とは無関係だとごまかしたが、秦施は了承した。「…あなたの婚約者は私の部下です、私はただ仕事を頼んだだけ でも分かったわ、この仕事からは降りてもらう、喧嘩にならないようにね」帰りの車の中、秦施は難しい顔で黙り込んでいた。陽華は部下が元カレの婚約者と知って秦施が傷ついていると思ったが、実は仕事のことを考えていたと知る。「何かある、陶俊輝は胃が悪いの、ストレスがかかると炭酸水を飲む、カゴに大量に入っていたわ それに呉菲が私の部下だと知っていた、彼女の持ってきた情報は信頼できない」「女性としての感情より欲望が勝るとは…」「ふっ、悪いことじゃないわ」しかしその夜、趙丹平が買い物に出掛けている隙に蘭暁亭がホテルの部屋から消えてしまう。その頃、李黛は歩きながら結婚相談所の孫(スン)と電話していた。既婚の陽華を紹介したのは契約違反、そこで入会金を全額返金して欲しいという。驚いた孫はのらりくらりとかわしたが、その時、唐伊慧から着信があり李黛は話を切り上げた。「はい、どうかしましたか?」「急いで来て、手伝いも呼んで、ただし口の固い人を」すると李黛はわざと秦施に連絡した。「秦律師?蘭会長が失踪したわ」呉菲は秦施と会ってから陶俊輝の様子がおかしいことに気づいた。「何かあるでしょう?!とぼけてもお見通しよ?…怖いんでしょう?!」陶俊輝は呉菲の推理に思わず失笑したが、なぜ急に秦施に傾倒するようになったのか分からない。すると呉菲は秦施がライバルである李律師の弱みを握りながら追及しなかったと話した。『…自分の良心を失ってはダメ、陰険なことはしたくない、それで勝ってもつまらないわ』呉菲はどんな欠点もかすむほど格好良かったと目を輝かせた。「で、誠&慧がこの案件を引き受けたら秦施が担当すると思うか?」「まさか、だって家庭部は刑事事件を担当しない…あっ! 秦律師は担当外の案件に興味を持たなかったわ…ブツブツ…」「どうかしたのか?」「没什么没什么」呉菲は無意識に同じ言葉を2回繰り返していた。つづく(; ゚ェ゚)陽華の出番が少な〜い
2023.11.20
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