カイバーマンのお仕事2

カイバーマンのお仕事2

2007年12月05日
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カテゴリ: BLEACH SS
(150話)

「……暇だな」
虚夜宮の僻地?にある十刃落ちたちの詰め所で、誰かが呟いた。
残りは見るともなく、オッサンのダンスを眺めている。
「働かずに食べられる身分なんだから文句を言うなよ……胸が痛むぜ」
「しかしなあ」
窓際族も、それはそれで辛い。
24時間勤務の上に、殆ど娯楽がないのだ。
そこに現役組のお使いに呼ばれたチルッチが戻ってきたのだから、皆一瞬そちらを向いた。

いるだけで場が華やぐし、何より耳が早い。
大体何か聞き込んで帰って来る。
チルッチは楽しげに周囲を見回すと、
「お金」
と請求した。
「金取るのかよ!」
「化粧品が切れそうなのよ」
渋々小銭を払う一同。
チルッチは合計が希望金額に達していることを確認すると、
「あの堅物のウルキオラが、現世の女を囲ってるのよ!」
とぶちまけて場を沸かせた。

「え、あいつか?ノイトラかスタークの間違いじゃないのか?」
「人は見かけによらないな」
「どんな女だ!小娘か年増か?」
「まあ、みてくれは悪くなかったわね。ぼーっとしてるし色気がない子供みたいな奴だったけど。いかにも童貞が好きそうなタイプ?」
言いたい放題である。金取ってる以上盛り上がるように喋る義務があるが、それにしても酷い。

おお、とどよめく暇人たち。
「それで、やっと探して持っていったら、露出度が高くて駄目だっていうのよ!
別にハルペルみたいに露出趣味の服じゃないのに」
「あいつむっつりだったんだな」
「従属官が愚痴ってるのを聞いたんだけど、部屋を模様替えして、お茶は一日二回お取り寄せ、宮にいるときは女の部屋に入って出てこないんだって。全く呆れたものね」
「二十歳過ぎてかかった麻疹は重いというからな……胸が痛むぜ」
他の面々は、胸が痛むどころか動悸が治まらないという顔である。
暫くウルキオラの動向が此処での話のネタになりそうだが、決して当人の耳には入らないだろう。
おそらく。
……合掌。





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最終更新日  2007年12月05日 06時27分02秒
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