2005年11月10日
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カテゴリ: BALLET
第3幕

華やかなグレーミン侯爵のパーティが始まる。

きらびやかな男女の群舞。

みんな髭を生やしているのが笑える(つけひげ)
流行だったのかしら?

群舞が終わると、すぐグレーミンとオネーギンが出てくる。
普通だと(マクミランだと)もっといろんな登場人物がいて、出てきたりして時間をとるのだが、どんどん物語が進む。
原作が「詩」だから、バレエも「短い詩」になってるみたい。
散文のだらだら調ではまったくなく、zakuro さまに言わせると「さくさく」進む。


オネーギンの今までの放浪。過ぎ去っていった女達。
どれも夢のよう。自分から好きになった女はいない。
いろんな美しい女が現れて踊るが、まるで現実感がない。
現実に戻る。

オネーギンは物憂い表情。
タチヤーナが登場する。華やかな赤いドレス。
オネーギンはまったく気づかない。

ここのグレーミンとタチヤーナのパドドゥはすばらしい。初日もすごくよかったけど、二人の愛情が伝わってくるの。
こんなに愛しあってていいの?
オネーギンの立場は~?ってぐらい愛し合ってる。
これまたグレーミンが若いくせに老け作りで超萌え。あっすみません~本音が出ちゃいました。


「タチヤーナ…」
思わず立ち上がって駆け寄ろうとする。
二人は関せず踊り続ける。
舞台の下手から上手に回り、まじまじと見つめ続ける。
その表情はあの氷のようなオネーギンではなく、感情にあふれている。


「あなた、気分が悪いわ。退出していい?」
不審がりながらもグレーミンはエスコートする。
オネーギンは追うが立ち止まる。そしてよろよろと舞台上でうろうろする。気持ちが抑えられない。
群舞が始まり、オネーギンはその集団の輪の中にとらえられる。
上手に走り去るオネーギン。
群舞が続き、暗転する。

第1場了。

幕前。
悩んでいるオネーギン。
必ず場面転換に登場するオネーギン。
オネーギンだけが幕の手前(リアル)、そしてそれ以外の人は幕の後ろ(幻想)。さすがクランコ。
これはオネーギンのドラマ、オネーギンの一人称のドラマなのだ。それがわかる。
若い頃のタチヤーナ、そして死んでいくレンスキー。

第2場 タチヤーナの私室

タチヤーナは手紙を読んでいる。
グレーミンが来る。
グレーミンさん、どうしてそんなにかっこいいの?
タチヤーナは自分の気持ちが動揺しているので、夫にすがりつく。
「あなた、行かないで。」
「どうしたんだい、ターニャ? おかしな子だね。」
「私、怖いのよ」
グレーミンは彼女をなだめるように熱いキス。

そして彼がいなくなるとすぐにオネーギンが現れる。
彼は部屋の外(薄い幕なので見える)を行ったり来たりする。
タチヤーナも同じように手紙を持って煩悶し右往左往する。

ついに部屋に走りこんできたオネーギン。
下手手前に立ち止まり、じっと前を見つめる。
そしてゆっくり上手のタチヤーナを振り向く。
せつない表情。タチヤーナに駆け寄ると、彼はいきなり足元に倒れ伏す。
そしてタチヤーナの手を握る。
タチヤーナは歩き去ろうとするが、オネーギンは握った手を放さない。
上手で足を後ろに投げ出して引き止める。
そして下手に回り、膝をついて懇願する。
「あなたを愛してしまった…」
何度も繰り返す。
タチヤーナは拒絶する。
オネーギンは彼女を後ろから羽交い絞めするようにして、密着してリフトする。
クランコがこの二人に振付けているパドドゥはほんとにすごくオリジナルで、すばらしい。
ついにタチヤーナは床に膝を突いてうずくまる彼に身を投げ出し、背中を預ける。
「あぁ、タチヤーナ」
オネーギンはうれしくてたまらない。
彼女の首筋に熱いキスをする。

二人のパドドゥは最高潮に達する。
ノイマイヤーの椿姫をほうふつとさせる、振付。
タチヤーナが激しくオネーギンに飛び込んでリフトされる。
オネーギンはついにタチヤーナを床に押し倒し、タチヤーナは恍惚としそうになる。

しかし、タチヤーナは彼を拒絶する。
手紙を押し付けて、固辞するオネーギンに破って、渡す。
オネーギンは、ショックで手紙をぼろぼろと下に落してしまう。
タチヤーナは彼から離れると、ミルタのように上手に仁王立ちになると戸口を指差して、
「出て行って!」
オネーギンは幸せの絶頂から転落する。
とにかく彼に出来るのは出て行くことだけだ。
走り去る彼を戸口まで追いかけるタチヤーナ。
振り向いた表情は、
「私はなんてことをしてしまったのだろう…」
悔恨、自己嫌悪。衝撃を受けたタチヤーナが立ち尽くして幕となる。
ここはオペラでは最後はオネーギンが立ちすくんで終わるので、クランコがここだけ、タチヤーナの一人称で終わらしたというのはなぜなんだろう。
私にはわからない。


カーテンコール

ルグリはきょうは初日の興奮がなく、感激で泣きそうな表情が最初のうちは見られたが、あとはきわめて、いつものルグリ~でした。
クールで賢そうで、よく気配りの、ルグリ様。
初日の崩壊したルグリ様も、めったに見られないので、なかなかおつ、でしたけど~





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最終更新日  2005年11月11日 00時15分14秒


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