2007年09月28日
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カテゴリ: OPERA
Deutsche Staatsoper Berlin (Berlin State Opera) Japan Tour 2007
Conducted by its Music Director for life, Daniel Barenboim

Musik von Wolfgang Amadeus Mozart
DON GIOVANNI
Dramma giocoso in zwei Akten
Text von Lorenzo da Ponte

Musikalische Leitung Daniel Barenboim
Inszenierung Thomas Langhoff
Bühnenbild Herbert Kapplmüller

Licht Franz Peter David
Chöre Eberhard Friedrich

Don Giovanni Peter Mattei
Donna Anna Anna Samuil
Don Ottavio Pavol Breslik
Komtur Christof Fischesser
Donna Elvira Annette Dasch
Leporello Hanno Müller-Brachmann
Masetto Arttu Kataja
Zerlina Sylvia Schwartz

Cembalo Rupert Dussmann

Staatsopernchor

ベルリン国立歌劇場来日公演2007
初日

モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』
Day1


東京・上野・東京文化会館

指揮 ダニエル・バレンボイム
演出 トーマス・ラングホフ
美術 ヘルベルト・カップルミューラー
衣裳 ヨシオ・ヤバラ
照明 フランツ・ペーター・ダヴィッド
合唱監督 エバハルト・フリードリッヒ

ドン・ジョヴァンニ ペーター・マッテイ
ドンナ・アンナ アンナ・サムイル
ドン・オッターヴィオ パヴォル・ブレスリク
騎士長 クリストフ・フィシェッサー
ドンナ・エルヴィーラ アンネッテ・ダッシュ
レポレロ ハンノ・ミューラー=ブラッハマン
マゼット アルットゥ・カターヤ
ツェルリーナ シルヴィア・シュヴァルツ

チェンバロ ルパート・ドゥスマン
ベルリン・シュターツカペレ
ベルリン国立歌劇場合唱団

**********

これはそ~と~良かったです。

何と言ってもペーター・マッティ!
この人すばらしかったです~
私は映像でしか見たことがなかったので、そんなに好みではなかったのですが、やっぱり生だと違いますね~
まず声がすばらしい!
歌がいい!
存在感抜群で、演技力もいいし、
お茶目だし、シニカルだし、
とにかく良かった~
キャストに関して、今回小粒というか、若手中心だったんで「どんなもんじゃろ?」と思いながら第1幕は見ていて、始まる前なんか結構後悔していたんだよね。

でももう、第2幕が抜群~
若手だからみんな体も動くし、音楽してたよ~

そしてバレンボイムさん。
今回やっぱりオペラは指揮者のもの、と痛感した。
バレンボイムの指揮は、完璧ではない。
歌手の歌い出だしがずれていたり(ツェルリーナの『お薬』の歌)、音が大きすぎたり(騎士長の"シー")テンポが遅すぎたりとまあ文句をつければいっぱいあるんだが、
やっぱ音楽が支配していたのよ。音楽が歌手に隷属していない。
全編通して『ドン・ジョヴァンニ』がこんなに音楽的に聞かせるとは思わなかった。
さすがバレンボイムだ。

演出に関しては嫌いなラングホフ(好みでない)なので期待はしていなかったので、逆に良かった。
なかなかの目線のあった演出だと思う。
奥行きのある舞台。

************

第1幕

※内容を書きますのでこれから見る方はご注意ください。

序曲の間にもう、ステージの幕が開く。大きな白い扉の絵が描いてある薄幕がかかっている。下には白いほんとの扉がついている。
男たち4人が黒い装束でやってきて扉の前で別れる。
男が一人扉の中に入っていく。この家の主人らしい。
一人の男はさっさと黒い服を脱ぎだして召使の持ってきて服に着替える。
仮面つきの付け毛をかぶる。
家に忍び込む。
モヒカン?みたいなかつらなんだわ。
後ろに馬の尻尾のように黒い房が垂れている。
召使レポレッロの衣裳ケース(現代の)を抱えているのは仕様。
レポレッロも家に入ろうとするがジョヴァンニに追い出される。
「もう~やめたいよこんな仕事!」
女とジョヴァンニが出ている。女は最初は怒っているが終盤にはジョヴァンニに組み伏せられ、背中に手を回して愛撫を受けている。
ところが父ちゃんがやってきたので、女は逃げる。
ジョヴァンニはおどすために飛び出しナイフを出す。不良か?
父ちゃんはめげずにそのナイフを奪い、ジョヴァンニを逆に刺そうとし、二人でもつれあって倒れる。ジョヴァンニが刺されたように見えたが実は逆だった。
あくまでも殺してしまったのは成り行き、という演出なのだろう。

娘が戻ってきて驚愕する。オッターヴィオは死体を運ばせ、アンナの眼から遠ざける。

レポレッロは実にひょうきん。声は小柄なのに低くてレポレッロの声だ。
ジョヴァンニは出てきただけで存在感がある。舞台の主役になる存在感だ。ジョヴァンニの傲慢さがすごく出ていてうまい。
声もすばらしい。美しい声だ。魅力的なバリトン。

もう次の悪巧み。
薄幕が上がり、そこは奥行きのある路地?のように見える。舞台の横より縦が長いぐらいの奥行き。そこを歌手たちは全速力で走り去ったりするので運動量豊富だ。

奥から貴婦人と荷物がやってくる。
荷台に山積みになったルイ・ヴィトンのような柄のバッグの山。
エルヴィーラの召使が運んでくる。
エルヴィーラはダッシュ。緑の眼の超美しい人。

ジョヴァンニが近づく。ジョヴァンニとダッシュだと美男美女で実に似合っている。ジョヴァンニはお得意の歌で彼女をメロメロにし、ほとんどエルヴィーラは許す気になってしまう。熱いキス! 観客に受ける。ここがラングホフ演出。ところが結局そのエルヴィーラを残し、レポレッロを押し付ける。

レポレッロの足には留め具がべりっとはがすタイプのスニーカー、上はポケットのたくさんついたナイロンのベスト。このオペラは男はすべて現代のかっこうをしていた。女は昔のかっこう。

レポレッロはジョヴァンニとエルヴィーラが話している間中下女を口説いていた。今度はジョヴァンニが下女を口説きだす。

レポレッロのカタログの歌はおもしろかった。懐から黒いメモ帳を取り出す。これにはフランスやドイツでものにした女のカタログがはいっているが、実はスペインでは…と別の白いカードのつながったのを取り出す(笑)。
それをずらーと直線に広げてみせる。
エルヴィーラは呆れながら読んでいくが、その真ん中付近に自分のカタログを(多分)見つけて激怒する。

オッターヴィオとアンナに声をかけられるジョヴァンニ。
でもまだばれてない。
しかし「アミーチ、アッディーオ」という声に聞き覚えを感じ、犯人だと見破るドンナアンナ。
復讐のアリアを歌う。すばらしい声量。彼女はドラマティックでまさにドンナ・アンナという声のタイプだった。

ツェルリーナの結婚式。

マゼット君は急遽の代役の人?
ツェルリーナは可愛い子。

ここでも横暴振りを発揮して、ジョヴァンニは皆を下がらせる。

♪ラチダレムラマノ

遥か~に離れていたツェルリーナが寄ってくる。
しまいには口説き落とされてしまう。
しかしそこに現れたエルヴィーラ。

「またお前か!」
きょうは運が悪い。

オッターヴィオのアリア
オッターヴィオは美しいアリアを歌う。これが絶品! 透明な清澄な声で、いかにも正統的なオッターヴィオの声。大拍手!ブラヴォが来た。

ジョヴァンニのアリア 大拍手

仮面の3人。

♪シニョール・マスケラ

3人は男の貴族の格好に仮装している。

「さあはめをはずして好きなようにやりましょう!」

♪リベルテ!

ここのシーンが一番豪華な感じだった。
舞台の一番奥に楽団。
舞台の上手の手前(ステージの外)にチェロと??
人々の酒池肉林

音が分裂して聞こえてくる。
まるで狙いのようにあそこやここから音が出てきてモノホンぽい。

ツェルリーナを連れ去って、上手のえんどう豆の鞘のような形をした小部屋(扉)に入るジョヴァンニ。

探し回るマゼット。
下手の小部屋を開けると別なカップルがいちゃいちゃしている。

ツェルリーナが叫びながら舞台の奥から駆け込んでくる。
上手の扉からジョヴァンニがレポレッロを連れて出てくる。

とっちめられるジョヴァンニ。
しかし顔は笑みを浮かべている。
『オレは負けない。絶対負けない…』

そして起死回生、レポレッロと
(  )を(  )して逃げ去る。
人々はなだれをうって倒れる。

第1幕了

観客大熱狂。

拍手がなりやます、カーテンコールが何度も行われた。
マッティ一人だけ、笑みがない。
しかし拍手が鳴り止まないため、当然もう出てこないと思われていた主要キャストが出てきた。
マッティは一番端っこでいやいや。
『勘弁してよ』とでも言うように手に呑みかけの飲み物のビンを持って出てきて苦笑。
客も笑。
こういうところも彼のキャラなんだなと、思う。





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最終更新日  2007年09月29日 17時47分19秒
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