January 31, 2006
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僕の両手から手錠が外れた
何時付けられたかは定かじゃない
だけど外れた瞬間は聡明だった



「彼」の表情を忘れられない。




 




僕の両手から手錠が外れた
「彼」が繋いだ世界の中で
僕は限られた自由を生きた



その「自由」を忘れられない




 




僕の両手から手錠が外れた
痣の残った手首を見詰めて
青白い肌に溜息をついた



最後の月夜を忘れられない。




 





















「さぁ君は今日から自由だ」と
着せられた新しい服と肩書きに
多少の吐気を覚えながら
僕は「自由」を抜け出した
いや…「自由」から追い出された

痩せこけた身体を引き摺り乍
目にした世界は自由だった



限りを持たない、自由だった
















そして自由とは



自由とは 独りで生きることだった

自由とは 孤独に涙することだった





此処からの景色では

ビルが邪魔して月も見えない。























結局僕は一日たりとも
自由の中では生きられなかった




そして自分の足で、手錠を探した









憧れていた自由から逃げ出した



「僕の自由は此処には無い」と。





























 




繋いでいて、その鎖で

閉じ込めていて、君の「自由」に

痛く切ないその手錠で

もう一度僕に与えていて
















僕の居場所を 与えていて。




 





































自由とはこんなにも儚いのか。

儚くそして、脆い物か。

人の求める自由とは此れか。

空に身を投げ出して手に入れる

その自由も、此れと同じか。


































自由からの逃走






そして僕はまた

「自由」を手に入れた













「彼」の制約の中の、「自由」を。




















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Last updated  January 31, 2006 01:12:59 PM
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ラージャラージャ @ Re:入水願い(01/28) なんじゃ、こりゃあ。
88182851 @ ぱぱいやです その幸せ者とはいったい誰なんでしょうか。
うともち @ 人間 素直が一番です。それはそれ以外なにもの…
e710 @ 山手通り って言えば、やっぱこの歌ですか。 残…
Giantgirl @ こんばんわぁ~☆ めっちゃ切ないよ。。><。。 久々に遊…

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