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ザザザ・・・ 闇だ。 周りは、しんとした闇に包まれていた。 風が吹いて、木々の葉を揺らすと、木の葉のざわめきが、僅かに上がる・・・ 月も出ていない。 深夜・・・ 風は、冷たかった。 ガサリ・・・ 音を立て・・・ 闇に、更なる影を落とした者が居る。 長く伸びた、体躯の影が、樹に映る。 その影は、ガサガサと歩いていた。 まったく、やる気のなさそうな歩き方である。 と、夜風を切り裂いて・・・ 鏃が、その影を貫いた。 そう。 勿論、”影”を。 影の持ち主は、自分の影が地面に矢で縫われた事など気にもしなかった。 ガサリ。 また、歩み始める。 と、向こうの樹から・・・ ゆらり、と、一人の影が。 あちらの樹からも、一つ。 もっと向こうからも・・・・ 彼らは、無言で、じりじりと、距離を縮め・・・ ある一定の距離となると、にわかに。 さっ、 それぞれが、剣を抜いた! 剣の先は、ぴたりと、彼らの中央に合わさる。 どれも、重なりはしないが。 どれもが、まったく、均等の間隔で、平行を保っていた。「久しぶりだな・・・」 一人の影が、ゆっくりそう言った。 大きな雲が、すこし動いて、月がほんの少しだけ、その姿を静かに現した。 天上の月からの光に、影が和らいだ。 月に撫でられ、彼らの姿が、目に見える姿となった。 それぞれが、少年であった。 それぞれが、剣を掲げている。 それぞれが、笑みを浮かべていた。 城から戻ったニルロゼは、結局、ビアルを毛布に押し込むと、その足で西へと向かった。 勿論、仲間のために・・・ まさに一刻も惜しかった。 ハーギーの時は、3日寝ないこともざらだった。 彼にとって、どんな過酷なことも、当たり前のことである。 寝ずに行動するのは、特段苦ではないのだ。 しかし、今過酷な事は、仲間が苦しんでいることである。 あのハーギーを出るとき、共に苦しんだ仲間。 彼らが再び苦しんでいる。 ニルロゼは、眠っているビアルの頬を、眺め・・・ あとは振り返らずに、ここへと来たのである。 アモの放つ矢に導かれ、来ると、なんと、仲間が4人もいた。 リュー、オガラ、それにレガンも居た。 アモとレガンとは、富豪のところで結託した、特に大事な仲間である。 ニルロゼは、彼らと、抱き合って喜び合った。 しかし、ニルロゼの喜びは長く続かなかった。 彼らの入ってこれまでここに移動して来た、仲間であった班の状況が、芳しくなく・・・ 少年らは苦い思いをしているのだと聞かされた・・・ ニルロゼは、唇を噛み締めた。 繰り返すのか・・・ こうやって・・・ あの、ハーギーのように・・・ 静かな家で、一人。 ぼーーーーーっとしている少年がいた。 彼の名はビアル。 その頭はモサモサで、上半身は裸である。 その彼が男であることが判るのは、上半身が裸だから、という点だけであって、その持つ透けるような白い肌、夜空を押し込めたような瞳、誰も到達できたことがない海に生えているという神秘のレチャ(珊瑚)を思わせる色の唇は、ここ一番の美しい少女さながらである。「んーーー」 ビアルは、面倒くさそうに伸びをすると、のろのろと、食卓についた。 と。 彼は、なにか、違うことに気が付いた。 いつもなら、ここで・・・「ニルロゼ?」 ビアルは、左右を見回した。 そして、のろのろと、家から出て、庭を見てみる。 背の高い、目覚ましは、いなかった。 ビアルは、のろのろと、家の中に戻った。 そして、むつむつと、服を着る・・・ そして、外套を。 ばさり、と着た。「行きますか」 ビアルのその瞳は、もうねぼけてはいなかった。 もさもさの頭のまま、家から出る・・・ 家の外の水瓶におもむろに手を入れた彼は、水をすくい顔を洗うと、その手で髪を梳いた。 見事な艶のある、癖のない黒髪が、さらりと風に揺れた。「ビアル様、ありがとう!」「ビアル様!」「ビアル様!」 村に行けば、みなが。 とても暖かく、してくれる。 ビアルは、柔らかな笑みを見せ、一軒一軒の家を回った。「ビアル様、こっちもいらして下さい!」「ビアル様~」 ・・・ 私は、もともとは・・・”ここ”の者ではなかった。”ここ”に来たとき、”ここ”はとても閉鎖的だった・・・「ビアル様・・・」 老人に手を取られ、ビアルは我に返る。「どうしました」「・・・孫が・・・」「・・・」 私は、その先を聞かなくても判った・・・ また、ヤツらが来ているのだ。 黒い衣装を着た、あの奴ら・・・「ムーザスさん。 お孫様の苦しみは、判ります・・・ でも、あなたも、足がまだ痛いはず・・・ どうですか? 足の痛みは退きませんか?」 老人は黙って被りを振った。「・・・わしより、孫を・・・・」 私は、目を伏せると・・・ ゆっくり、老人の足に触れた。 私には、今これしかできない。 私の生まれた地方に伝わる、薬草療法は、ここの人たちにとても喜ばれた。 私は人々の体の痛みを治すことができるが・・・ 心の痛みまでは、治せない。 次の家へ、次の家へと転々と行く・・・・ 私が家に戻ると、まだニルロゼは戻っていなかった。 なぜか、がっかりする。 また、いつもの生活に戻ってしまうのか。 南から、音を立て馬車がやってきた。 また、来いというのか、城へ。 あの、気まぐれな姫のところへ。 だいたい、うっかりあの姫に出会ってしまったのがそもそもなにか、間違っていたのだ。 というか、なぜ姫は私を気に入ったのやら・・・ 今まで、誰も、手をつけられなかった、わがままで、破滅的な姫君。 あの姫に気に入られてしまって、王にまで、目にかけていただいた。 私は、普通の生活がいいのだ、普通の生活が。 ああやって、人々を治して、人々と身近に接する、そういう生活が好きだ。 王宮なんてところは、私のガラではない・・・ だが、意外と、王は、なかなかしっかりとした方であった。 王が、人徳あることは、民からも聞いている。 そのような方の近くになら、いてもいいであろう・・・・ 私は、どこかで、進む道を間違ったのだろうか。”ここ”に来なかった方がよかっただろうか。 でも、もう来てしまった以上は、仕方のないことである。 姫に気に入られ、村の人々に気に入られ、ゆっくりと生活する。 結構、こういうのも、悪くはない・・・ 私は、馬車の従者に、礼をした。 常に、心がけよ、ビアル・・・ 今の私は、国王に気に入られたビアルではなく。 気まぐれな姫に気に入られたビアルなのだ。 常に、私は私であるのだ。 私は、ちいさい人間で、せいぜい、ちいさな病気を治せる程度の人間だ。 私は、馬車に乗った。 流れる景色を見る・・・・ 私の求めるものは・・・・ 苦しむもの喜びの姿。 王が、どれほど、報酬をよこそうとしても、私は受け取らないし、 そしてようやく、王も、報酬をよこそうとしなくなった。 私は、ただ、姫のお相手をするだけ。 今日も。 ************************にほんブログ村 *************************参加ランキングです
September 28, 2012
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白の世界。 風のたなびく世界。 光のたなびく世界。 何度、ここと、人界とを、行き来したであろう。 あいもかわらず、長く黒い髪が、わたしの頬をなでた。 わたしは、来たい、と思ってここに来ているのではない。 だが、わたしが黒の者と接触すると、ここに来るようだ・・・ やはり、あの黒の者が、戒、か・・・ てきとうの神の魂胆は、もはや判った。 このわたしに、あの戒を。 潰させようと、いうのだ。 戒が、潰れれば、どうなるというのだ。 またあたらしき、そのようなちからがうまれる。 そんなこと、てきとうの神が、知らないとでも? そう。 そうとも。 どれほど、悪しき力を断っても。 また、それらはうごめく。 この大地に、生きる、さまざまなる生物がいるかぎり。 かれらの生命を、おびやかすものは、どの時代にも、あるのだ。 わたしは、もう、ここに・・・ 来ないほうがいいのかもしれない・・・ もう、人の身になったのだ。 もう。ひとりのひととして。 神の世界のことなどに、首を入れずに・・・・? と、光の束が・・・ ゆるやかに、やわらかに、近づいて来た。 わたしは、曲げていた膝を伸ばし、立ち上がった。 近づく光は・・・てきとうの、弟子だ・・・ ウー・・・ てきとうの弟子が・・・ わたしを呼んでいる・・・・ ウーよ・・・ 光のなかに・・・ あついものを、感じた。 懐かしい、懐かしい感覚・・・・ わたしを包み、わたしを守り、わたしをみつめた・・・ あの、あの感覚・・・ ミョール・・・「・・・ちいさき神・・?」 わたしは、思わず、ちいさき光に一歩近づいた。 ああ・・・ この身が・・・心が・・・ 魂が・・・ 引き寄せられる・・・ そうか だから だから、わたしは・・・この神に、ひきよせられたのか・・・「・・・神よ・・・」 わたしは、がくりと足元に手を置いた。 わたしは、なにを、みていた? ちいさい神の、なにを・・・ てきとうの、弟子だと・・・ ただ、導くだけの弟子だと思っていた・・・ いや・・・まさか・・・ わたしは、ゆっくり瞳を上げた。「神よ・・・ あなたは・・・」 わたしが、思わずちいさき光ににじり寄ろうとしたときだった。 ふわり。 いきなり、ちいさき神の雰囲気が、変わった。 この、この光は? わたしは、ひたすらに、とまどい・・・ ただただ、その光に見入った。 ちがう。 先ほどと、光が違う感覚となった。 ああ、なぜ? なぜ私は、我が神の姿を・・? この神の中に見たのだ?「神よ・・・」 わたしは、声が震えた。 ウーよ・・・・ ちいさき神は、ちいさく言った。 そなたがまよえば そなたも のまれるであろう まよえるたましいが かれらの このむたましい・・・・ ちいさき神は、だんだん光をちいさくして・・・ 光は、周りの光に溶け込んだ。 まよえる魂は 飲まれる・・・ わたしは、ちいさき神の言葉を反芻した。 わたしが迷っている? わたしが? なにを・・? てきとうの神のいうことなど聞かず 我が身を「普通の人へ」 ・・・? わたしは、ゆっくり額に手を触れた。 なるほど。 わたしは、たとえ”ラ”を捨てても、ミョールの紋章を取っても。 いずれは、こうなる運命であるか。 神に導かれ、神に仕える。 わたしは、ゆっくり、口元をほころばせた。 いいであろう。 生まれたときから、ミョールに仕えていた。 それは、選んだのではない。 だが。 いまやわたしは、 てきとうをえらんだ。 まよわない。 戒を見つけ。 わが力を、つかうか、われらの民に! 蜂蜜色の瞳が、左右をちらり、と見た。 先導する王は、これから階段を、下がるらしい。 瞳と同じ色をした髪をもつ少年は、ゆっくり、階段に足をかけた。 王め。 まさか・・・ 少年・・・ニルロゼは、きり、と手を握った。 東の鍛冶の剣。 この俺の剣を、取ろうとするか? 取れるなら、取れ。 取れるならな。 少年は、口元に、危険な笑みを吊り上らせる。 俺に敵う(かなう)相手、ぜひ見たい。 ニルロゼは、階段を降り切った。 と、どこからともなく、なにかの匂いがしてくる・・・・ なんだ? いいにおい? あ、あの食事の匂いか??? ニルロゼは、なぜか、そわそわしてきた。 ”あいつらひねったら、わたしから頼んでおきますよ・・・・” そう言ったビアルの美しい笑みが、脳裏に浮かぶ。 ま、まさか! 少年は、匂いの方に駆け出した! 少年は、躊躇せず、まっすぐに、大きな扉の目の前に駆け寄り、扉を叩かずに、ダッと開けて入り込んだ! おーーーーー! そこは! まさに! 厨房であった! ニルロゼは、あの、ハーギーの厨房とは全く違うその創りの厨房の、すみからすみまで、舐めまわすように、見て回った!「す!すごい! これは、どうなっているんだ・・・」 おもわず、少年が、年相応の、あどけない独り言をつぶやく。「?」 ニルロゼは、厨房の奥に、人の気配を感じた。 王の気配ではない・・・ ニルロゼは、その気配の方に、きちんと正面を向けた。 きっと、料理長だ。 料理長が、少年の目の前に。 ・・・ ? ニルロゼは、ぽかーーーーんとした。 目の前に現れたのは、なんとも粗末な格好の服の、中年の、冴えない感じの男だった。 なんじゃ? こりゃ。 ニルロゼが、どう対応していいやら、唖然としていると、冴えない感じの男が言った。「お前か。 ビアルの料理を作るというのは」 ニルロゼは、そこで初めて、瞳をきらりとさせた。 ビアルに、様をつけない男。 ニルロゼは、ゆっくり笑った。「自己流です」 冴えない感じの男は、のっそりと調理台に向かった。「じゃあ、包丁の持ち方から、教えてやる」 ニルロゼは、だまって、男の隣に並んだ。「ニ・・・ニルロゼ。 遅すぎます。 遅すぎますよ!!! なにをやっていたのですっ!」 半泣きのビアルなど、初めて見た。 ニルロゼは、ニヤニヤしながら、ケケケ、と頬を掻いた。「えっと、大根の皮のむき方を習ってた」「こんなに遅く帰っていいと言ってません!」「えー?いつまでに帰れといわなかったでしょうが、ビアルちゃん~」 少年達の、会話に割り込む声がある。「ビアル!なにをごたごた言っているの! 今度こそ、ちゃんと、わたしのいいつけを守るのよ! じゃないと、あなたなんか、ボボドの山に捨ててやるんだから!」「す、すみ・・・あい、いえ、申し訳ありません、姫」 姫に頭の上がらないビアルの姿を見るのは最高の気分だった。 いや、っていうか、俺も頭が上がらないような気がする・・・ おそろしい、あかい衣装の姫からようやく開放されたときは、もう、かなりの遅い時間だった。 城に泊まっていけという王の申し出を、ビアルは丁重に断る・・・ 「なあ、ビアル、泊まればいいじゃない?」 ニルロゼが、ビアルに小声で言った。 すると・・・・ ビアルが、とんでもない、おそろしい顔で言った。「ふうん・・・・・・・・・ では、ニルロゼ。 あなた一人で泊まってください」 ・・・ ぎく。 そうか。 そうか! あの赤いお姫様の近くに泊まる!?!? おれもいやだああああああああ!!!!! 少年達は、馬車で、夜道を・・・・ ビアルの小さな家へと向かった・・・・ 料理長。 彼が、料理長だろうか・・・ そうであろう。 俺の目は、けっこう。 男を見る目はあるからな・・・・ ニルロゼは、右手をじっくりと見た。 そして、西の方へと顔を向ける。 明日には、行く。 待っていろ。 俺ら、もう一度。 結託しよう。 俺らの苦しみは、俺らみんなで打破する!!!! そうしたら、赤だ。 ニルロゼは、うとうとしているビアルを見つめた。 俺は、行くぜ、赤のところへ・・・・ ************************にほんブログ村 *************************参加ランキングです
September 13, 2012
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忘れもしないH22年、俺は病気のため入院し、3度も入退院をした。その事はこのブログに書いていますが、その節は、ご心配をおかけしました。また、温かな励ましのお言葉も、ありがとうございます。初めて記事を読む方へ****************俺はH22から仕事を休んでいる。今年の4月に休職期間が切れると言われていて切羽詰まっていた。が、天は俺を見捨てていなかった、なんと休職があと1年伸びる辞令が出たのだ!!その事について3月に人事課と面談。そして今日も、どのような理由によるかは不明であるが、再び人事課との席を設けられていたのでR。**********人事課長「自分としては今後どうしていくつもりだ」俺「相方実家、俺実家、両家と話し合い、俺も考え抜いた結果、復帰出来ればそれに越した事はないがそれが無理なら3月末で辞職します」課長「3月と、言うと…?こちらにも人事の関係があるし」俺「一般的(と言われる)な3ヶ月前、(つまり)12月に辞表を出します」主な内容は以上でした。12月までに、辞表を書かなくてもよくなる体になるとは、流石に思えないです。一応、退職を視野に入れた生活をすでにしているんです。お金がなくなるのがキッツーですね。月に1万とか、資料、画材・・・・その他、CD、レンタルコミック、ETC・・・・はあ・・・・お金がないって・・・・こんなにさもしいんですね(泣仕事、行きたいなあ・・・・俺やっぱ仕事人間。仕事があるからオフも充実してたもんだし。どうなるか、とりあえず3カ月・・・・うおっ・・・たtったttたった3カ月ですね!?!?うひょーーーーこの内容は、12月になったらまたUPします。
September 7, 2012
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左側に、猫のメイキングという項目がありますが、それはコピックバージョン。今俺の主力となっている透明水彩バージョンも乗せたいのですが、そのためには一回日記にUPしなきゃならないので、こっちにもUPします。**********************下書きです。それぞれのパーツを「1色」でここまで塗ったトコ。赤いヤツに影をいれたり、ラトスの顔、髪に影を入れ、「紋様」に色をいれてできあがり~。TOP絵で抜けてたのがあるのでこっちもUP☆猫の日常やオシゴト項目もUP☆H23年画材店にて。ーー嗚呼、高いのばっか一杯ある、どうしよう、ほしー★「ンサージが描けない俺」ンサが描けなくなって困っている俺です。後ろでは酒飲みで有名なボーンニスト代理ニルロゼ、酒とは無縁のはずのバスフルートビアル、とーとーキレて俺も飲むというセルヴィ。なんともホノボノとしてますwwww
September 5, 2012
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