Accel

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February 16, 2010
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 ふと、わたしは、”白”の中に居ることに気がついた。
 周りは・・・ただ、白い。
 上も
 下も
 右も
 左も

 ここは我が神の指し示した世界なのだろうか?
 ちょっとばかり、手足を差し出してもまるで掴むものもなく、進んでいるのか後退しているのか。
 上昇しているのか下降しているのか。


 もしや、母上のいらしたような、桃色の世界のようなものであろうか?

 だが、恐れはなかった。
 神の、お近くにいる、その確信がおおいにわたしの胸を満たしていた。
 この光はわたしを包んでいるような気がするのだ。


 ・・・どこからか
 音がしてくる。
 白い中から、音が・・・


   どうしよう
   こっちにくる・・・・


 誰かがそう言っている。

「ミョール神・・・?」

 この世界でも、声は出るようだ。

 わたしは、自分の黒い衣装の袖で前と思われる方を押しやりながら言った。
「我が神よ?
 あなたの末裔、ラ家のルー・ヴァ・ウーでございます!
 このお声、我が神、ミョール神でございますか!?」



 声はまるで散り散りとなり、神に届いていないようであったが、どこからともなく・・・・
 輝かしい光が・・・
 満ちてきた・・・。

「ミョール神!?
 我が神よ!
 どうか、どうかわたしの話を聞いていただきたく・・・・1


   さての・・・
   これは、こまったこととなったの

 威厳ある深い声が・・
 しかし、穏やかに、わたしの心に響いてきた。
「ミョール神?
 いらっしゃるのですか?
 この、辺りの”白さで”は拝見できかねます。
 ああしかし、お姿拝見叶わずとも、構いございませぬ。
 わたしは、あなたの末裔の・・・」


   だから 
   こまったの、といっておる

 厳かな声が言った。


   わたしは
   そなたの かみ、ではない

「えっ?」
 わたしは、目を見張った。
 見張ったところで、辺りは白いままだったが・・・


 威厳ある深い声が響いた。

   そなた、なんという
   かみ、と・・・もうした

「はい。
 我が神はミョールです」


   ふむ
   それで、そのかみに、どのような
   ようけんだったかな

「いえ・・それより・・・」
 わたしは、何度も辺りを見回した。

「恐れ入ります。
 わたしは、我が神の元に参るつもりでございました。
 ですが、どうやら間違えて別の方の所へ来てしまったようでございます。
 とんだ御無礼をお許しください。
 我が神への陳述は、わたしの神にのみ。
 他へは申し上げることはできません。
 ですが、この麗しい世界へ来てしまった以上、わたしはあなた様と繋がりができたようです。
 失礼なければ、あなた様のお名前を・・・」


 穏やかなる光は言った。

   ほほ
   これはおもしろいな


「・・いえ、麗しき声のお方、これは大事な事なのでございます。
 私の神との約束は、うかつに他の方には申し上げられませぬ」


   ほほう・・・・

 白き中から・・・
 煌煌とした光が・・・
 光の塊が・・・
 ゆっくりと、”白”をかきわけて”こちら”へと来た。


 おごぞかなるその声が、ゆっくりと、はっきりと言った。。

   では、おしえてやろう
   ミョールは、おぬしら
   にんげんの
   ”じだい”でいえば
   はや800ねん
   その800ねんまえに
   ほろんだ



 な・・・・
 なんと・・・

 わたしは、あまりの事に、声も・・・出なかった・・・。


   さあ、ではおしえてもらおうか
   ミョールと、どのような
   はなしをするつもりだったかな


 我が神が滅んだ、という内容に愕然となり、一瞬だけ判断力を失いそうになった。
 そんなはずがない、馬鹿な!?
 崩れ行きそうな自分の感覚を、ただ一つの強い疑問だけが支えた。
「いえ、我が神の約束のことよりも、その前にあなた様は?」


   ほほほ
   なかなか
   くえないにんげんだ

   おもしろい・・・



 この空間では、自分の感覚もあまり強く感じ取ることがないのだろうか。
 体内からの熱い想いや、手の震えが、なんだか城にいた時より少ない感じがした。
 それでも、我が神がもはやいらしゃらないという事は、わたしに大変な衝撃をもたらし、わたしは無駄だというのに何度もあちこちを振りかぶっていた。
 そう、あちこちをみたところで、ここはどこも”白い”のだ。

 動揺しているわたしの前で、大いなる威厳のある光の脇に、小さな光がすっと寄り添うように現れた。
 そして、厳かな声が言った。


   わたしは
   てきとうのかみ

「は?」


   そう、
   にんげんでいうところの
   ”できとう”
   だから
   てきとうのかみ、とよばれておるわ

「は・・・はあ・・・」
 わたしは、やや頭を掻いた。


「あ・・・あの・・・
 では、神でいらっしゃるのですね?
 ミョール大陸は???
 神が800年前に滅んだとおっしゃいましたね!?
 あの大陸は?!」
 わたしは急き込んだ。

   ほおう
   おぬし、あの たいりくの
   ことがしりたいか


「その通りです!
 わたしは、ミョール神の末裔。
 ミョール神の力にて、あの地を治めておりました
 大地は枯れ果てて、民は苦しんでおります!
 いったい、では、”今”どうなって・・・???
 母は!父は!姉・・」

 そこまで貫いて言い尽くし、はっと気が付いた。
 800年前?
 てきとうの神は、800年、と言った。

「神よ、
 800年?
 すくなくとも、我が父は、ミョール神に、お目通り叶ったと聞きます!
 なのに、それから800年経ったというのですか・・・?
 一体どのような意味ですか・・・」

 すると、大きな光の塊が言った。


   うむ
   まあそうあわてるな
   ひとつひとつ
   こたえてやろう

   このみならいの
   ちょっとしたまちがいの
   おわび、かのう・・・

 大きな光の脇に寄り添う、小さな光が、なんだか更に小さく見えたような気がした。






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Last updated  February 16, 2010 07:32:04 PM
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月夜見猫 @ 愛するケーナさまあはあと! おはようございます☆ >いつも本当にあり…
月夜見猫 @ オスン6757さん おはようございます。 >いつもありがと…
月夜見猫 @ もぷしーさん★ おはようございます。 >今まだうろうろと…
風とケーナ @ Re:「フィギアスケート選手を応援しよう!」(02/18) 月夜見猫さま、こんばんは♪ いつも本当に…
オスン6757 @ Re:「フィギアスケート選手を応援しよう!」(02/18) おはようございます。 いつもありがとう…

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